JPH08224792A - 繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法および装置 - Google Patents
繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法および装置Info
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- JPH08224792A JPH08224792A JP7033512A JP3351295A JPH08224792A JP H08224792 A JPH08224792 A JP H08224792A JP 7033512 A JP7033512 A JP 7033512A JP 3351295 A JP3351295 A JP 3351295A JP H08224792 A JPH08224792 A JP H08224792A
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- thermoplastic resin
- fiber
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ウエブの目付量を均一にし、かつウエブ中の繊
維の配向を完全にランダム化して、膨張率や剛性等の強
度特性の均一化を可能とした繊維強化熱可塑性樹脂シー
トを提供する。 【構成】補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散液をヘッ
ドボックス13からメッシュベルト11上に供給してウ
エブを抄造する繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造
装置において、ヘッドボックスにマニホールド13から
の分散液の流入口21と流入した分散液の動圧を抑制す
る動圧抑制手段とを有するインレット部14及びインレ
ット部14からの溢流を所定量滞留させてメッシュベル
ト11上に供給する滞留部15を設け、滞留部15の分
散液はメッシュベル11の面に対してほぼ垂直の流れを
生じ得るる深さを有するものとした。
維の配向を完全にランダム化して、膨張率や剛性等の強
度特性の均一化を可能とした繊維強化熱可塑性樹脂シー
トを提供する。 【構成】補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散液をヘッ
ドボックス13からメッシュベルト11上に供給してウ
エブを抄造する繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造
装置において、ヘッドボックスにマニホールド13から
の分散液の流入口21と流入した分散液の動圧を抑制す
る動圧抑制手段とを有するインレット部14及びインレ
ット部14からの溢流を所定量滞留させてメッシュベル
ト11上に供給する滞留部15を設け、滞留部15の分
散液はメッシュベル11の面に対してほぼ垂直の流れを
生じ得るる深さを有するものとした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維と熱可塑性樹脂と
を含む分散液から抄造され、当該繊維の配向がランダム
である繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置の改
良に関し、特に、製品シートにおける繊維配向のランダ
ム化と目付量分布の均一性の向上ひいては強度特性の等
方性の改善を図るものである。
を含む分散液から抄造され、当該繊維の配向がランダム
である繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置の改
良に関し、特に、製品シートにおける繊維配向のランダ
ム化と目付量分布の均一性の向上ひいては強度特性の等
方性の改善を図るものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂の成形上の特性を生かしな
がら高い強度,剛性を付与するべく、高弾性率繊維を添
加して複合する技術が知られている。例えばマット状の
高弾性率繊維(強化繊維)に熱可塑性樹脂を含浸させた
繊維強化熱可塑性樹脂複合シート材いわゆるスタンパブ
ルシートは、その優れた機械的強度,加工性や軽量性等
の特性から、自動車用構造部品などの分野に近年急速に
普及しつつあり、その製造についても種々の提案がなさ
れている。例えば、特開昭60−158227号公報に
は、この種の繊維強化樹脂複合シート材の製造方法とし
て、繊維が均一に分散されたスタンパブルシートを抄紙
機で形成するものが開示されている。また、その抄造方
法に関して、例えば特開平4−208405号公報に
は、不連続繊維と熱可塑性樹脂とを含む発泡分散液をヘ
ッドボックスからメッシュベルト上に供給してシート状
の繊維強化熱可塑性樹脂複合材を製造するにあたり、高
さ方向に多段に形成したヘッドボックスを用いて発泡分
散液の流路を分割してメッシュベルト上に供給するもの
が、また特開平4−208406号公報には、メッシュ
ベルトの下に配置する排水口をメッシュベルト移動方向
に平行に開口せしめてその開口幅を不連続繊維長より短
いスリットの集合とするものが、更に特開平4−208
407号公報には、幅方向に多段に形成したヘッドボッ
クスを用いて発泡分散液の流路を分割するものが提案さ
れている。
がら高い強度,剛性を付与するべく、高弾性率繊維を添
加して複合する技術が知られている。例えばマット状の
高弾性率繊維(強化繊維)に熱可塑性樹脂を含浸させた
繊維強化熱可塑性樹脂複合シート材いわゆるスタンパブ
ルシートは、その優れた機械的強度,加工性や軽量性等
の特性から、自動車用構造部品などの分野に近年急速に
普及しつつあり、その製造についても種々の提案がなさ
れている。例えば、特開昭60−158227号公報に
は、この種の繊維強化樹脂複合シート材の製造方法とし
て、繊維が均一に分散されたスタンパブルシートを抄紙
機で形成するものが開示されている。また、その抄造方
法に関して、例えば特開平4−208405号公報に
は、不連続繊維と熱可塑性樹脂とを含む発泡分散液をヘ
ッドボックスからメッシュベルト上に供給してシート状
の繊維強化熱可塑性樹脂複合材を製造するにあたり、高
さ方向に多段に形成したヘッドボックスを用いて発泡分
散液の流路を分割してメッシュベルト上に供給するもの
が、また特開平4−208406号公報には、メッシュ
ベルトの下に配置する排水口をメッシュベルト移動方向
に平行に開口せしめてその開口幅を不連続繊維長より短
いスリットの集合とするものが、更に特開平4−208
407号公報には、幅方向に多段に形成したヘッドボッ
クスを用いて発泡分散液の流路を分割するものが提案さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のスタンパブルシートを抄造する技術の場合、メッシ
ュベルト上に補強繊維と熱可塑性樹脂との混合物を抄き
取る際に、基本的に分散液をメッシュベルトの面と平行
に流すため、抄き取った補強繊維は不可避的に流れの方
向に沿って配向する。そのため、抄き取った両者の混合
物(ウエブと呼ばれる)中の繊維の配向を完全にランダ
ム化することは極めて困難である。さらに、目付量分布
もメッシュベルトの幅方向の発泡分散液の分配量や補強
繊維と熱可塑性樹脂の濃度の変動に大きく影響を受け
る。その結果、スタンパブルシートの曲げ強度や曲げ弾
性率等の機械的特性及び目付量(単位面積当たりの重量
[g/m2 ])といったシート品質の不均一を招くとい
う問題が生じていた。
来のスタンパブルシートを抄造する技術の場合、メッシ
ュベルト上に補強繊維と熱可塑性樹脂との混合物を抄き
取る際に、基本的に分散液をメッシュベルトの面と平行
に流すため、抄き取った補強繊維は不可避的に流れの方
向に沿って配向する。そのため、抄き取った両者の混合
物(ウエブと呼ばれる)中の繊維の配向を完全にランダ
ム化することは極めて困難である。さらに、目付量分布
もメッシュベルトの幅方向の発泡分散液の分配量や補強
繊維と熱可塑性樹脂の濃度の変動に大きく影響を受け
る。その結果、スタンパブルシートの曲げ強度や曲げ弾
性率等の機械的特性及び目付量(単位面積当たりの重量
[g/m2 ])といったシート品質の不均一を招くとい
う問題が生じていた。
【0004】通常、スタンパブルシートは、加熱後に金
型に入れ150kg/cm2 以上の高圧で圧縮成形する
フロー成形用と、30kg/cm2 以下の比較的低圧で
成形し所要の形に賦形する膨張成形用に大きく分けられ
る。膨張成形用材料は、補強用の繊維(以下、補強繊維
という)のスプリングバック効果を利用して超軽量かつ
高剛性の膨張材を容易に製造し得るため、近年特に注目
を集めている。膨張成形用スタンパブルシートは、自動
車部品であるリアパッケージや一体成形天井材等に幅広
く用いられ、今後、高剛性の必要なドアトリム材への適
用も期待されている。
型に入れ150kg/cm2 以上の高圧で圧縮成形する
フロー成形用と、30kg/cm2 以下の比較的低圧で
成形し所要の形に賦形する膨張成形用に大きく分けられ
る。膨張成形用材料は、補強用の繊維(以下、補強繊維
という)のスプリングバック効果を利用して超軽量かつ
高剛性の膨張材を容易に製造し得るため、近年特に注目
を集めている。膨張成形用スタンパブルシートは、自動
車部品であるリアパッケージや一体成形天井材等に幅広
く用いられ、今後、高剛性の必要なドアトリム材への適
用も期待されている。
【0005】一般に、膨張成形用スタンパブルシートの
目付量は2000g/m2 以下と小さく、最近ではコス
ト削減のため500〜600g/m2 というような非常
に低目付量の製品が用いられるようになった。このよう
な低目付量のスタンパブルシートでは、目付量と補強繊
維の配向の均一性、ひいては膨張率や強度特性の均一性
が特に大きな問題となる。
目付量は2000g/m2 以下と小さく、最近ではコス
ト削減のため500〜600g/m2 というような非常
に低目付量の製品が用いられるようになった。このよう
な低目付量のスタンパブルシートでは、目付量と補強繊
維の配向の均一性、ひいては膨張率や強度特性の均一性
が特に大きな問題となる。
【0006】このような高特性,低目付量のスタンパブ
ルシートを製造するには、より厳格な目付量や繊維配向
の制御が要求される。しかし従来の技術では、上述のよ
うに目付量や補強繊維の配向を顧客の通常の要求を満足
する範囲に均一化することさえ容易ではなく、まして最
近特にコストダウンのための要望が強くなった低目付量
で特性の均一なスタンパブルシートを製造することは極
めて困難であった。
ルシートを製造するには、より厳格な目付量や繊維配向
の制御が要求される。しかし従来の技術では、上述のよ
うに目付量や補強繊維の配向を顧客の通常の要求を満足
する範囲に均一化することさえ容易ではなく、まして最
近特にコストダウンのための要望が強くなった低目付量
で特性の均一なスタンパブルシートを製造することは極
めて困難であった。
【0007】そこで本発明は、このような従来の問題点
に着目してなされたものであり、ヘッドボックスへの送
液量の幅方向のばらつきや時間的な変動があっても、ウ
エブの目付量を幅方向に均一に保持し、かつウエブ中の
繊維の配向を完全にランダム化してシートの膨張率や剛
性等の強度特性の均一化を可能とした繊維強化熱可塑性
樹脂シートの湿式製造方法および装置を提供することを
目的としている。
に着目してなされたものであり、ヘッドボックスへの送
液量の幅方向のばらつきや時間的な変動があっても、ウ
エブの目付量を幅方向に均一に保持し、かつウエブ中の
繊維の配向を完全にランダム化してシートの膨張率や剛
性等の強度特性の均一化を可能とした繊維強化熱可塑性
樹脂シートの湿式製造方法および装置を提供することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の発明
は、補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散液をマニホー
ルドを経てヘッドボックスに送り、該ヘッドボックスか
らメッシュベルト上に供給してウエブを抄造する繊維強
化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法に係り、前記ヘッ
ドボックスへ流入する当該分散液の流れの動圧を抑制す
ると共に、前記ヘッドボックスに当該分散液を滞留させ
て液深を保ち、前記補強繊維を前記メッシュベルトに対
しほぼ垂直に衝突させてメッシュベルト上に着乗させる
ことを特徴とする。
は、補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散液をマニホー
ルドを経てヘッドボックスに送り、該ヘッドボックスか
らメッシュベルト上に供給してウエブを抄造する繊維強
化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法に係り、前記ヘッ
ドボックスへ流入する当該分散液の流れの動圧を抑制す
ると共に、前記ヘッドボックスに当該分散液を滞留させ
て液深を保ち、前記補強繊維を前記メッシュベルトに対
しほぼ垂直に衝突させてメッシュベルト上に着乗させる
ことを特徴とする。
【0009】本発明の請求項2ないし請求項6の発明
は、補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散液をマニホー
ルドを経てヘッドボックスからメッシュベルト上に供給
してウエブを抄造する繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿
式製造装置に係る。本発明の請求項2の発明は、前記ヘ
ッドボックスは前記マニホールドからの分散液の流入口
と流入した分散液の動圧を抑制して溢流口に導く動圧抑
制手段とを有するインレット部及び該インレット部から
の溢流を所定量滞留させて前記メッシュベルト上に供給
する滞留部を備え、該滞留部の分散液は前記メッシュベ
ルの面に対してほぼ垂直の流れを生じる深さを有するこ
とを特徴としている。
は、補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散液をマニホー
ルドを経てヘッドボックスからメッシュベルト上に供給
してウエブを抄造する繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿
式製造装置に係る。本発明の請求項2の発明は、前記ヘ
ッドボックスは前記マニホールドからの分散液の流入口
と流入した分散液の動圧を抑制して溢流口に導く動圧抑
制手段とを有するインレット部及び該インレット部から
の溢流を所定量滞留させて前記メッシュベルト上に供給
する滞留部を備え、該滞留部の分散液は前記メッシュベ
ルの面に対してほぼ垂直の流れを生じる深さを有するこ
とを特徴としている。
【0010】本発明の請求項3の発明は、前記動圧抑制
手段が、前記インレット部から滞留部への分散液供給方
向とは異なる方向に開口せしめた流入口と、その流入口
の開口に接近して対向する分散液衝突面とを備えてなる
ことを特徴としている。本発明の請求項4の発明は、ヘ
ッドボックスのインレット部をメッシュベルトの幅方向
に複数に区画し、当該区画毎に分散液の流入口を配設す
ると共に、各区画の出口と前記溢流口との間に各区画内
の分散液が合流する会合部を設けたことを特徴としてい
る。
手段が、前記インレット部から滞留部への分散液供給方
向とは異なる方向に開口せしめた流入口と、その流入口
の開口に接近して対向する分散液衝突面とを備えてなる
ことを特徴としている。本発明の請求項4の発明は、ヘ
ッドボックスのインレット部をメッシュベルトの幅方向
に複数に区画し、当該区画毎に分散液の流入口を配設す
ると共に、各区画の出口と前記溢流口との間に各区画内
の分散液が合流する会合部を設けたことを特徴としてい
る。
【0011】本発明の請求項5の発明は、ヘッドボック
スのインレット部の出口側に、分散液の流れを整える整
流板を配設したことを特徴としている。本発明の請求項
6の発明は、ヘッドボックスの滞留部に、メッシュベル
トの走行方向に直交すると共にメッシュベルト上面との
間にすき間を有する少なくとも一枚のガイド板を滞留す
る分散液中に沈めて配設したことを特徴としている。
スのインレット部の出口側に、分散液の流れを整える整
流板を配設したことを特徴としている。本発明の請求項
6の発明は、ヘッドボックスの滞留部に、メッシュベル
トの走行方向に直交すると共にメッシュベルト上面との
間にすき間を有する少なくとも一枚のガイド板を滞留す
る分散液中に沈めて配設したことを特徴としている。
【0012】
【作用】本発明の請求項1の繊維強化熱可塑性樹脂シー
トの湿式製造方法の発明にあっては、ヘッドボックスへ
流入する分散液は、流れの動圧を抑制すると共にヘッド
ボックス内に液深を保って滞留させる。これにより、ヘ
ッドボックス内の分散液は、サクションボックスの吸引
力で下向き垂直に流れ、この流れに誘導された分散液中
の補強繊維がメッシュベルトに対しほぼ垂直に衝突し、
種々の方向に不規則に倒れてメッシュベルト上にランダ
ムに着乗することになる。
トの湿式製造方法の発明にあっては、ヘッドボックスへ
流入する分散液は、流れの動圧を抑制すると共にヘッド
ボックス内に液深を保って滞留させる。これにより、ヘ
ッドボックス内の分散液は、サクションボックスの吸引
力で下向き垂直に流れ、この流れに誘導された分散液中
の補強繊維がメッシュベルトに対しほぼ垂直に衝突し、
種々の方向に不規則に倒れてメッシュベルト上にランダ
ムに着乗することになる。
【0013】本発明の請求項2の繊維強化熱可塑性樹脂
シートの湿式製造装置の発明にあっては、マニホールド
からヘッドボックスのインレット部へ流入した分散液の
有する大きな動圧を動圧抑制手段で抑制してから滞留部
へ流し込むので、これにより滞留部に滞留する分散液の
攪乱が防止される。こうしてヘッドボックスのインレッ
ト部から滞留部に供給された分散液の液体部分はメッシ
ュベルトを通して下方に吸引排除され、残った補強繊維
と熱可塑性樹脂粒子からなる固形分は連続的に移動する
メッシュベルト上にシート状に抄き取られてウエブが形
成される。この発明の滞留部の分散液は、下方に吸引さ
れる分散液に下向きの流れが形成されるように、常時十
分の深さが保たれているから、分散液は移動するメッシ
ュベルトに対して垂直に流れ込み、液中に分散している
補強繊維はこの流れに乗りメッシュベルトに垂直に衝突
することになる。垂直に衝突した補強繊維は不規則にば
らばらな方向に倒れるから、生成したウエブ中の補強繊
維の配向はランダムになる。
シートの湿式製造装置の発明にあっては、マニホールド
からヘッドボックスのインレット部へ流入した分散液の
有する大きな動圧を動圧抑制手段で抑制してから滞留部
へ流し込むので、これにより滞留部に滞留する分散液の
攪乱が防止される。こうしてヘッドボックスのインレッ
ト部から滞留部に供給された分散液の液体部分はメッシ
ュベルトを通して下方に吸引排除され、残った補強繊維
と熱可塑性樹脂粒子からなる固形分は連続的に移動する
メッシュベルト上にシート状に抄き取られてウエブが形
成される。この発明の滞留部の分散液は、下方に吸引さ
れる分散液に下向きの流れが形成されるように、常時十
分の深さが保たれているから、分散液は移動するメッシ
ュベルトに対して垂直に流れ込み、液中に分散している
補強繊維はこの流れに乗りメッシュベルトに垂直に衝突
することになる。垂直に衝突した補強繊維は不規則にば
らばらな方向に倒れるから、生成したウエブ中の補強繊
維の配向はランダムになる。
【0014】また、本発明の請求項3の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの湿式製造装置の発明によれば、動圧抑制
手段は、インレット部から滞留部への分散液供給方向と
は異なる方向に開口させた分散液流入口とこれに対向し
た壁面等からなる衝突面とを備えており、流入液を直接
に滞留部に向かわせずに、その開口から流出した直後
に、一旦分散液衝突面に衝突させて動圧のエネルギーを
消費させてから滞留部へと方向転換させる。こうして、
約2m/秒の大きな流速で流入する分散液の動圧を効果
的に抑制することができる。なお、分散液流入口の開口
の向きは、滞留部への分散液供給方向とは異なる方向で
あれば良く、横向き、下向きなどでも有効であるが、滞
留部への流れ方向とは逆方向(後ろ向き)に開口させる
のが最も効果的である。
性樹脂シートの湿式製造装置の発明によれば、動圧抑制
手段は、インレット部から滞留部への分散液供給方向と
は異なる方向に開口させた分散液流入口とこれに対向し
た壁面等からなる衝突面とを備えており、流入液を直接
に滞留部に向かわせずに、その開口から流出した直後
に、一旦分散液衝突面に衝突させて動圧のエネルギーを
消費させてから滞留部へと方向転換させる。こうして、
約2m/秒の大きな流速で流入する分散液の動圧を効果
的に抑制することができる。なお、分散液流入口の開口
の向きは、滞留部への分散液供給方向とは異なる方向で
あれば良く、横向き、下向きなどでも有効であるが、滞
留部への流れ方向とは逆方向(後ろ向き)に開口させる
のが最も効果的である。
【0015】また、本発明の請求項4の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの湿式製造装置の発明にあっては、ヘッド
ボックスのインレット部をメッシュベルトの幅方向に隔
壁で複数区画に区切り、各区画毎にそれぞれ分散液の流
入口を配設して、マニホールドからヘッドボックスのイ
ンレット部へ、一般に複数本の多岐管を経て供給される
分散液を、多岐管の数に応じて複数に分割する。これに
より、各多岐管内の分散液の流速や濃度に時間的な変動
があっても、隔壁で分離された各区画内で変動が抑制さ
れてインレット部内全体の流れは乱されなくなる。更に
また、インレット内部を分割する各区画の長さはインレ
ット部全体の内部全長寸法よりも短くして、インレット
部の出側に各区画内の分散液が合流する会合部を設けた
ことで、各区画内の分散液の流れの乱れがその会合部に
おいて打ち消しあい、平均化される。
性樹脂シートの湿式製造装置の発明にあっては、ヘッド
ボックスのインレット部をメッシュベルトの幅方向に隔
壁で複数区画に区切り、各区画毎にそれぞれ分散液の流
入口を配設して、マニホールドからヘッドボックスのイ
ンレット部へ、一般に複数本の多岐管を経て供給される
分散液を、多岐管の数に応じて複数に分割する。これに
より、各多岐管内の分散液の流速や濃度に時間的な変動
があっても、隔壁で分離された各区画内で変動が抑制さ
れてインレット部内全体の流れは乱されなくなる。更に
また、インレット内部を分割する各区画の長さはインレ
ット部全体の内部全長寸法よりも短くして、インレット
部の出側に各区画内の分散液が合流する会合部を設けた
ことで、各区画内の分散液の流れの乱れがその会合部に
おいて打ち消しあい、平均化される。
【0016】また、本発明の請求項5の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの湿式製造装置の発明にあっては、ヘッド
ボックスのインレット部の出口側に配設した整流板で分
散液の流れを整える。これにより、インレット部から滞
留部に流れる分散液のメッシュベルトの幅方向の速度分
布をさらに均一化することができる。また、本発明の請
求項6の繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置の
発明発明にあっては、ヘッドボックスの滞留部に、メッ
シュベルトの走行方向に直交させて、メッシュベルト上
面との間にすき間を有するガイド板を滞留する分散液中
に沈めて配設する。ガイド板の数は1枚ないし複数枚と
し、各板の幅はヘッドボックスの内幅一杯とする。これ
により、ヘッドボックス内に滞留している分散液が吸引
されてメッシュベルトの方向へ移動する際に、インレッ
ト部から吐出される分散液の流れやメッシュベルトの動
きの影響を受けにくくなる。このため、吸引される分散
液の流れがメッシュベルトに対して垂直に保持され易く
なり、分散液中の補強繊維のメッシュベルトに対する垂
直衝突がより確実になる。したがって、分散液中の補強
繊維は各種の外乱に影響されることなくメッシュベルト
に衝突する際にランダムに倒れ込み、生成したウエブ中
の繊維の配向の完全なランダム化が保証される。
性樹脂シートの湿式製造装置の発明にあっては、ヘッド
ボックスのインレット部の出口側に配設した整流板で分
散液の流れを整える。これにより、インレット部から滞
留部に流れる分散液のメッシュベルトの幅方向の速度分
布をさらに均一化することができる。また、本発明の請
求項6の繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置の
発明発明にあっては、ヘッドボックスの滞留部に、メッ
シュベルトの走行方向に直交させて、メッシュベルト上
面との間にすき間を有するガイド板を滞留する分散液中
に沈めて配設する。ガイド板の数は1枚ないし複数枚と
し、各板の幅はヘッドボックスの内幅一杯とする。これ
により、ヘッドボックス内に滞留している分散液が吸引
されてメッシュベルトの方向へ移動する際に、インレッ
ト部から吐出される分散液の流れやメッシュベルトの動
きの影響を受けにくくなる。このため、吸引される分散
液の流れがメッシュベルトに対して垂直に保持され易く
なり、分散液中の補強繊維のメッシュベルトに対する垂
直衝突がより確実になる。したがって、分散液中の補強
繊維は各種の外乱に影響されることなくメッシュベルト
に衝突する際にランダムに倒れ込み、生成したウエブ中
の繊維の配向の完全なランダム化が保証される。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿
式製造装置の一実施例の全体系統図である。この製造装
置は、大別して原料調整部1と、ウエブ抄造部10と、
乾燥部30と、巻き取り部40とで構成されている。
する。図1は本発明の繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿
式製造装置の一実施例の全体系統図である。この製造装
置は、大別して原料調整部1と、ウエブ抄造部10と、
乾燥部30と、巻き取り部40とで構成されている。
【0018】原料調整部1には攪拌機2を備えた分散槽
3が設置され、この分散槽3の上方に熱可塑性樹脂粒が
貯蔵された樹脂供給装置4及び補強繊維が貯蔵された補
強繊維供給装置5が配設してある。ここで、補強繊維と
しては、その繊維長が数ミリから数十ミリの例えばガラ
ス,金属,炭素繊維等の無機繊維または有機繊維等が、
単独または二種類以上を組み合わせて使用される。この
実施例では、径10μm前後、長さ10mm前後の繊維
を用いた。
3が設置され、この分散槽3の上方に熱可塑性樹脂粒が
貯蔵された樹脂供給装置4及び補強繊維が貯蔵された補
強繊維供給装置5が配設してある。ここで、補強繊維と
しては、その繊維長が数ミリから数十ミリの例えばガラ
ス,金属,炭素繊維等の無機繊維または有機繊維等が、
単独または二種類以上を組み合わせて使用される。この
実施例では、径10μm前後、長さ10mm前後の繊維
を用いた。
【0019】また、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリエステル,ポリ
スチレン,塩化ビニル樹脂等が粉末,繊維,フレーク等
の形態で単独または二種類以上を組み合わせて使用され
る。これらの材料を、界面活性剤を含む水を入れた分散
槽1内に所定の割合で投入し、攪拌して発泡分散液Cを
調整する。調整した発泡分散液Cは定量ポンプ6でくみ
出し、マニホールド8で多数本の分配供給管9に分配し
て次工程のウエブ抄造部10に送るようになっている。
ン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリエステル,ポリ
スチレン,塩化ビニル樹脂等が粉末,繊維,フレーク等
の形態で単独または二種類以上を組み合わせて使用され
る。これらの材料を、界面活性剤を含む水を入れた分散
槽1内に所定の割合で投入し、攪拌して発泡分散液Cを
調整する。調整した発泡分散液Cは定量ポンプ6でくみ
出し、マニホールド8で多数本の分配供給管9に分配し
て次工程のウエブ抄造部10に送るようになっている。
【0020】ウエブ抄造部10には、一方向に回転する
エンドレスのメッシュベルト11と、そのメッシュベル
ト11の裏面に接して配置されたサクションボックス1
2と、原料調整部1から送られてくる発泡分散液Cを貯
えてメッシュベルト11上に送り出して着乗させるため
のヘッドボックス13とが配設してある。図2はヘッド
ボックス13の一実施例の詳細を示したものである。
エンドレスのメッシュベルト11と、そのメッシュベル
ト11の裏面に接して配置されたサクションボックス1
2と、原料調整部1から送られてくる発泡分散液Cを貯
えてメッシュベルト11上に送り出して着乗させるため
のヘッドボックス13とが配設してある。図2はヘッド
ボックス13の一実施例の詳細を示したものである。
【0021】この実施例のヘッドボックス13は、マニ
ホールド8からの発泡分散液Cが流入するインレット部
14と、このインレット部14から流れ出る発泡分散液
Cを所定量滞留させてメッシュベルト11上に供給する
滞留部15とを備えている。インレット部14は、滞留
部15と同じ幅の比較的浅い平箱形で、滞留部15の後
端上部に接続されている。その内部は、マニホールド8
からの発泡分散液Cを分配供給する数に対応させた複数
の隔壁20で幅方向に等間隔の複数の区画に分割され、
その各区画毎に、複数本の分配供給管9の出口である分
散液流入口21がそれぞれ開口している。それらの分散
液流入口21からは、例えば約2m/秒という大きな流
速で発泡分散液Cが流入してくる。その発泡分散液Cの
動圧を抑制する手段として、分散液流入口21をインレ
ット部14から滞留部15への分散液供給方向とは反対
方向に開口せしめるとともにインレット部14の後壁の
内面を分散液衝突面14Aとして前記開口に接近して対
向配置させてある。すなわち、発泡分散液Cを分散液流
入口21から後ろ向きにインレット部14に流入させ、
インレット後壁の分散液衝突面14Aに衝突反転させて
動圧を抑制する構造になっている。隔壁20の長さはイ
ンレット部14の全長より短くされており、隔壁先端と
インレット部14の流出口である溢流口14Dとの間に
は幅方向に分割されていないオープンスペースが、複数
の区画から水平に流れ出る発泡分散液Cが合流するため
の会合部22として設けてある。また、溢流口14Dに
は、発泡分散液Cの流れを整え、メッシュベルトの幅方
向の速度分布を均一化するための整流板23を、この実
施例では垂直に立てて配設し、発泡分散液Cはこの整流
板23の上縁をオーバーフローして流れ出るようにして
ある。
ホールド8からの発泡分散液Cが流入するインレット部
14と、このインレット部14から流れ出る発泡分散液
Cを所定量滞留させてメッシュベルト11上に供給する
滞留部15とを備えている。インレット部14は、滞留
部15と同じ幅の比較的浅い平箱形で、滞留部15の後
端上部に接続されている。その内部は、マニホールド8
からの発泡分散液Cを分配供給する数に対応させた複数
の隔壁20で幅方向に等間隔の複数の区画に分割され、
その各区画毎に、複数本の分配供給管9の出口である分
散液流入口21がそれぞれ開口している。それらの分散
液流入口21からは、例えば約2m/秒という大きな流
速で発泡分散液Cが流入してくる。その発泡分散液Cの
動圧を抑制する手段として、分散液流入口21をインレ
ット部14から滞留部15への分散液供給方向とは反対
方向に開口せしめるとともにインレット部14の後壁の
内面を分散液衝突面14Aとして前記開口に接近して対
向配置させてある。すなわち、発泡分散液Cを分散液流
入口21から後ろ向きにインレット部14に流入させ、
インレット後壁の分散液衝突面14Aに衝突反転させて
動圧を抑制する構造になっている。隔壁20の長さはイ
ンレット部14の全長より短くされており、隔壁先端と
インレット部14の流出口である溢流口14Dとの間に
は幅方向に分割されていないオープンスペースが、複数
の区画から水平に流れ出る発泡分散液Cが合流するため
の会合部22として設けてある。また、溢流口14Dに
は、発泡分散液Cの流れを整え、メッシュベルトの幅方
向の速度分布を均一化するための整流板23を、この実
施例では垂直に立てて配設し、発泡分散液Cはこの整流
板23の上縁をオーバーフローして流れ出るようにして
ある。
【0022】ヘッドボックスの滞留部15は、メッシュ
ベルト11とほぼ同じ幅を有してその直上に位置し、上
面は後部から先端部に向けて下り勾配の斜面になってい
る。この滞留部15は高さを大きくして、発泡分散液C
をメッシュベルト11上に所定の深さを維持して滞留さ
せる構造になっている。ここで、所定の深さとは、サク
ションボックス12で吸引しつつメッシュベルト11を
走行させた状態で、メッシュベル11の上面に対して滞
留部15内の発泡分散液Cにほぼ垂直下向きの流れを生
じさせるに足る深さであり、発泡分散液Cの濃度及び供
給流量,サクションボックス12による液吸引流量,メ
ッシュベルト11の走行速度、滞留部15の底面積等を
勘案して定められる。
ベルト11とほぼ同じ幅を有してその直上に位置し、上
面は後部から先端部に向けて下り勾配の斜面になってい
る。この滞留部15は高さを大きくして、発泡分散液C
をメッシュベルト11上に所定の深さを維持して滞留さ
せる構造になっている。ここで、所定の深さとは、サク
ションボックス12で吸引しつつメッシュベルト11を
走行させた状態で、メッシュベル11の上面に対して滞
留部15内の発泡分散液Cにほぼ垂直下向きの流れを生
じさせるに足る深さであり、発泡分散液Cの濃度及び供
給流量,サクションボックス12による液吸引流量,メ
ッシュベルト11の走行速度、滞留部15の底面積等を
勘案して定められる。
【0023】また、滞留部15内に、ヘッドボックス1
3の内幅一杯のガイド板24を一枚ないし複数枚、メッ
シュベルト11の進行方向に間隔をあけ、メッシュベル
ト11上面との間にすき間を有して垂直に立て、発泡分
散液C中に沈めて配設してある。このガイド板24は、
滞留部15内に滞留している発泡分散液Cが、ヘッドボ
ックス13のインレット部14から滞留部15に流れ込
んでくる発泡分散液Cの水平方向の流れやメッシュベル
ト11の走行移動の影響を受けにくくする機能を有す
る。
3の内幅一杯のガイド板24を一枚ないし複数枚、メッ
シュベルト11の進行方向に間隔をあけ、メッシュベル
ト11上面との間にすき間を有して垂直に立て、発泡分
散液C中に沈めて配設してある。このガイド板24は、
滞留部15内に滞留している発泡分散液Cが、ヘッドボ
ックス13のインレット部14から滞留部15に流れ込
んでくる発泡分散液Cの水平方向の流れやメッシュベル
ト11の走行移動の影響を受けにくくする機能を有す
る。
【0024】メッシュベルト11がサクションボックス
12上を通過中に、ヘッドボックス13内でメッシュベ
ルト11上に所定量滞留している発泡分散液Cの中の泡
液がサクションボックス12に吸引排水され、メッシュ
ベルト11上には補強繊維と熱可塑性樹脂粒子とが積層
して残留し、ウエブWが形成される。乾燥部30はメッ
シュベルト11の下流に連ねたベルトコンベア31と乾
燥室32を備え、ウエブ抄造部10で抄造されたメッシ
ュベルト11上のウエブWを連続的に乾燥する機能を有
する。
12上を通過中に、ヘッドボックス13内でメッシュベ
ルト11上に所定量滞留している発泡分散液Cの中の泡
液がサクションボックス12に吸引排水され、メッシュ
ベルト11上には補強繊維と熱可塑性樹脂粒子とが積層
して残留し、ウエブWが形成される。乾燥部30はメッ
シュベルト11の下流に連ねたベルトコンベア31と乾
燥室32を備え、ウエブ抄造部10で抄造されたメッシ
ュベルト11上のウエブWを連続的に乾燥する機能を有
する。
【0025】乾燥されたウエブWは、巻き取り部40の
巻き取りリール41に巻き取る。上記の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの湿式製造装置による繊維強化熱可塑性樹
脂シート(スタンパブルシート)の製造は、次のように
行われる。分散槽1に界面活性剤を含む水を入れて、樹
脂供給装置4と補強繊維供給装置5とからそれぞれに熱
可塑性樹脂粒と補強繊維を所定の割合で投入し、攪拌混
合して発泡分散液Cを調整する。
巻き取りリール41に巻き取る。上記の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの湿式製造装置による繊維強化熱可塑性樹
脂シート(スタンパブルシート)の製造は、次のように
行われる。分散槽1に界面活性剤を含む水を入れて、樹
脂供給装置4と補強繊維供給装置5とからそれぞれに熱
可塑性樹脂粒と補強繊維を所定の割合で投入し、攪拌混
合して発泡分散液Cを調整する。
【0026】この発泡分散液Cを定量ポンプ6で多数の
供給管9を経てヘッドボックス13のインレット部14
に圧送する。インレット部14の複数の区画毎に後方を
向いて開口している多数の分散液流入口21から噴出し
た発泡分散液Cは、インレット部14の後壁で構成され
た分散液衝突面14Aに衝突して動圧が抑制される。か
くして勢いが減殺された発泡分散液Cは、その後反転し
て隔壁20で仕切られた各区画内を流れ下る間に、各供
給管9内における流速や濃度の時間的な変動が抑制され
る。そしてインレット部14の出側の会合部22で合流
することで、各区画内の分散液の流れの乱れは互いに打
ち消しあい、平均化される。因みに、会合部22を設け
ずに、各区画内の分散液を直接に滞留部15に送り込ん
だ場合は、隔壁20の厚みの存在により、各区画から出
た流れに乱れが生じて、その乱れがヘッドボックス13
の滞留部15における分散液に影響を及ぼし攪乱させる
ことが本発明者らの検討の結果明らかになった。
供給管9を経てヘッドボックス13のインレット部14
に圧送する。インレット部14の複数の区画毎に後方を
向いて開口している多数の分散液流入口21から噴出し
た発泡分散液Cは、インレット部14の後壁で構成され
た分散液衝突面14Aに衝突して動圧が抑制される。か
くして勢いが減殺された発泡分散液Cは、その後反転し
て隔壁20で仕切られた各区画内を流れ下る間に、各供
給管9内における流速や濃度の時間的な変動が抑制され
る。そしてインレット部14の出側の会合部22で合流
することで、各区画内の分散液の流れの乱れは互いに打
ち消しあい、平均化される。因みに、会合部22を設け
ずに、各区画内の分散液を直接に滞留部15に送り込ん
だ場合は、隔壁20の厚みの存在により、各区画から出
た流れに乱れが生じて、その乱れがヘッドボックス13
の滞留部15における分散液に影響を及ぼし攪乱させる
ことが本発明者らの検討の結果明らかになった。
【0027】次いで、発泡分散液Cは整流板23の上か
ら溢れ出して滞留部15に流入する。このとき、既にイ
ンレット部14において発泡分散液Cの動圧は抑制され
且つ流れの乱れは平均化されているから、流入した分散
液がヘッドボックス内に滞留している分散液に影響を及
ぼし、ひいてはメッシュベルト11上に着床して形成さ
れるウエブの目付分布や補強繊維の配向が乱されるとい
うことがない。
ら溢れ出して滞留部15に流入する。このとき、既にイ
ンレット部14において発泡分散液Cの動圧は抑制され
且つ流れの乱れは平均化されているから、流入した分散
液がヘッドボックス内に滞留している分散液に影響を及
ぼし、ひいてはメッシュベルト11上に着床して形成さ
れるウエブの目付分布や補強繊維の配向が乱されるとい
うことがない。
【0028】また、整流板23の上縁から静かに溢流す
ることで発泡分散液Cの流れが整えられ、滞留部15に
流れる分散液のメッシュベルトの幅方向の速度分布が均
一化されるから、分散液流速分布の変動で滞留分散液が
影響を受けることもなく、これによっても目付分布や補
強繊維の配向を乱すことを一層有効に回避できる。かく
して、ヘッドボックス13の滞留部15内の発泡分散液
Cの水位は所定の深さを保って安定し、発泡分散液Cは
サクションボックス12により真下に吸引されて進行中
のメッシュベルト11に向かって垂直に流れ、補強繊維
と熱可塑性樹脂粒子が連続して一定の流量でメッシュベ
ルト11面に着乗していく。このとき、滞留する分散液
中に配設されているガイド板24は、吸引された発泡分
散液Cが直下のメッシュベルト11に向けて移動する動
きに、インレット部14から流入してくる発泡分散液C
の流れやメッシュベルト11の動きが影響を与えること
を防止する。このため、吸引される発泡分散液Cの流れ
がメッシュベルト11に対して垂直に保持され易く、補
強繊維のメッシュベルトに対する垂直衝突が確実に行わ
れる。メッシュベルト11に垂直に衝突した補強繊維は
各方向に不規則に倒れ込み、次々とランダムに積層され
てウエブWが形成されていく。
ることで発泡分散液Cの流れが整えられ、滞留部15に
流れる分散液のメッシュベルトの幅方向の速度分布が均
一化されるから、分散液流速分布の変動で滞留分散液が
影響を受けることもなく、これによっても目付分布や補
強繊維の配向を乱すことを一層有効に回避できる。かく
して、ヘッドボックス13の滞留部15内の発泡分散液
Cの水位は所定の深さを保って安定し、発泡分散液Cは
サクションボックス12により真下に吸引されて進行中
のメッシュベルト11に向かって垂直に流れ、補強繊維
と熱可塑性樹脂粒子が連続して一定の流量でメッシュベ
ルト11面に着乗していく。このとき、滞留する分散液
中に配設されているガイド板24は、吸引された発泡分
散液Cが直下のメッシュベルト11に向けて移動する動
きに、インレット部14から流入してくる発泡分散液C
の流れやメッシュベルト11の動きが影響を与えること
を防止する。このため、吸引される発泡分散液Cの流れ
がメッシュベルト11に対して垂直に保持され易く、補
強繊維のメッシュベルトに対する垂直衝突が確実に行わ
れる。メッシュベルト11に垂直に衝突した補強繊維は
各方向に不規則に倒れ込み、次々とランダムに積層され
てウエブWが形成されていく。
【0029】その後、ウエブWはメッシュベルト11上
からベルトコンベア31上に乗り移って乾燥部30のド
ライヤ32で加熱脱水され、製品となって巻取りリール
41に巻き取られる。この実施例によれば、ヘッドボッ
クス13のインレット部14で動圧を抑制した発泡分散
液Cを滞留部15に供給してメッシュベルト11上に所
定量滞留させるものとしたため、吸引される発泡分散液
Cはメッシュベル11の面に対してほぼ垂直に流下し、
液中に分散している補強繊維はこの流れに乗ってメッシ
ュベルト11に垂直に衝突しランダムに倒れて着床す
る。それゆえ、生成したウエブ中の繊維の配向は自ずか
らランダムになり、膨張率や剛性等の強度特性の均一な
繊維強化熱可塑性樹脂シートが容易に得られるという効
果を奏する。
からベルトコンベア31上に乗り移って乾燥部30のド
ライヤ32で加熱脱水され、製品となって巻取りリール
41に巻き取られる。この実施例によれば、ヘッドボッ
クス13のインレット部14で動圧を抑制した発泡分散
液Cを滞留部15に供給してメッシュベルト11上に所
定量滞留させるものとしたため、吸引される発泡分散液
Cはメッシュベル11の面に対してほぼ垂直に流下し、
液中に分散している補強繊維はこの流れに乗ってメッシ
ュベルト11に垂直に衝突しランダムに倒れて着床す
る。それゆえ、生成したウエブ中の繊維の配向は自ずか
らランダムになり、膨張率や剛性等の強度特性の均一な
繊維強化熱可塑性樹脂シートが容易に得られるという効
果を奏する。
【0030】また、この実施例では、ヘッドボックス1
3のインレット部14に送られてくる発泡分散液Cの流
入口21を後向きに開口させ、吐出した発泡分散液Cを
インレット部14の後壁の分散液衝突面14Aに衝突さ
せるという手段を用いたため、発泡分散液Cの動圧をコ
ンパクトな構造で最も有効に抑制することができ、滞留
部15内に滞留している発泡分散液Cが流入時の動圧に
攪乱されてメッシュベルト11上に着床形成されるウエ
ブWの目付量分布や補強繊維の配向を乱すという現象を
完全に回避することができ、安定した特性のウエブ形成
に大きく寄与するという効果を奏する。
3のインレット部14に送られてくる発泡分散液Cの流
入口21を後向きに開口させ、吐出した発泡分散液Cを
インレット部14の後壁の分散液衝突面14Aに衝突さ
せるという手段を用いたため、発泡分散液Cの動圧をコ
ンパクトな構造で最も有効に抑制することができ、滞留
部15内に滞留している発泡分散液Cが流入時の動圧に
攪乱されてメッシュベルト11上に着床形成されるウエ
ブWの目付量分布や補強繊維の配向を乱すという現象を
完全に回避することができ、安定した特性のウエブ形成
に大きく寄与するという効果を奏する。
【0031】また、この実施例のヘッドボックス13の
インレット部14は、幅方向に隔壁20で複数区画に分
割したため供給管9を経て分散槽3から送られてくる発
泡分散液Cの流速や泡濃度等の時間的な変動をそれらの
各区画内で抑制してインレット部14内の全体の流れを
効果的に安定させることができ、さらに、各区画の出側
には会合部22を設けて発泡分散液Cを合流して流す構
造としたため隔壁20の厚みに起因する分散液の流れの
乱れを効果的に矯正することができて、流入する発泡分
散液Cが滞留部15内の発泡分散液Cに悪影響を及ぼす
ことが回避され、安定した特性のウエブ形成が一層促進
されるという効果を奏する。
インレット部14は、幅方向に隔壁20で複数区画に分
割したため供給管9を経て分散槽3から送られてくる発
泡分散液Cの流速や泡濃度等の時間的な変動をそれらの
各区画内で抑制してインレット部14内の全体の流れを
効果的に安定させることができ、さらに、各区画の出側
には会合部22を設けて発泡分散液Cを合流して流す構
造としたため隔壁20の厚みに起因する分散液の流れの
乱れを効果的に矯正することができて、流入する発泡分
散液Cが滞留部15内の発泡分散液Cに悪影響を及ぼす
ことが回避され、安定した特性のウエブ形成が一層促進
されるという効果を奏する。
【0032】また、この実施例のヘッドボックス13の
インレット部14から滞留部15への発泡分散液Cの出
側に整流板23を設けたため、隔壁20で分離されたイ
ンレット部14の各区画から吐出する発泡分散液Cのメ
ッシュベルトの幅方向の速度分布が均一化できて、流速
分布の変動が滞留部15内の発泡分散液Cに悪影響を及
ぼすことが回避され、その結果、更に安定した特性のウ
エブ形成が促進されるという効果を奏する。
インレット部14から滞留部15への発泡分散液Cの出
側に整流板23を設けたため、隔壁20で分離されたイ
ンレット部14の各区画から吐出する発泡分散液Cのメ
ッシュベルトの幅方向の速度分布が均一化できて、流速
分布の変動が滞留部15内の発泡分散液Cに悪影響を及
ぼすことが回避され、その結果、更に安定した特性のウ
エブ形成が促進されるという効果を奏する。
【0033】また、この実施例はヘッドボックス13の
滞留部15に、三枚のガイド板24を配設したため、滞
留している発泡分散液Cのメッシュベルト11への垂直
流がインレット部14からの発泡分散液Cの流れやメッ
シュベルト11の走行移動の影響を受けて乱されること
が効果的に防止でき、ウエブWの補強繊維のランダム配
向を一層確実にするという効果を奏する。なお、ガイド
板24の数は三枚と限らず、また補強繊維のランダム配
向の要求が特に厳密でない限りは省くことも可能であ
る。
滞留部15に、三枚のガイド板24を配設したため、滞
留している発泡分散液Cのメッシュベルト11への垂直
流がインレット部14からの発泡分散液Cの流れやメッ
シュベルト11の走行移動の影響を受けて乱されること
が効果的に防止でき、ウエブWの補強繊維のランダム配
向を一層確実にするという効果を奏する。なお、ガイド
板24の数は三枚と限らず、また補強繊維のランダム配
向の要求が特に厳密でない限りは省くことも可能であ
る。
【0034】以上のように、この実施例によれば、ヘッ
ドボックス13のインレット部14における効果的な動
圧抑制手段の設置及び滞留部15における発泡分散液C
の所定量滞留構造に加えて、インレット部14における
隔壁20による複数区画構造並びに会合部22の設置、
更にはインレット部14の出側の整流板23の設置、ま
た滞留部15のガイド板24の配設の全てを備えたもの
としたため、生成したウエブW中の繊維の配向の完全な
ランダム化、目付量分布の完全な均一化が共に達成さ
れ、その結果、膨張率や剛性等の強度特性の極めて優れ
た繊維強化熱可塑性樹脂シートを得ることができるとい
う効果を奏する。
ドボックス13のインレット部14における効果的な動
圧抑制手段の設置及び滞留部15における発泡分散液C
の所定量滞留構造に加えて、インレット部14における
隔壁20による複数区画構造並びに会合部22の設置、
更にはインレット部14の出側の整流板23の設置、ま
た滞留部15のガイド板24の配設の全てを備えたもの
としたため、生成したウエブW中の繊維の配向の完全な
ランダム化、目付量分布の完全な均一化が共に達成さ
れ、その結果、膨張率や剛性等の強度特性の極めて優れ
た繊維強化熱可塑性樹脂シートを得ることができるとい
う効果を奏する。
【0035】図3は、ヘッドボックス13の他の実施例
を示したものである。この実施例のヘッドボックス13
は、上記第1の実施例のヘッドボックス13における横
型のインレット部14を縦型にした点が異なっている。
すなわち、この縦型インレット部14はヘッドボックス
13の滞留部15の後部(上流部)に、インレット仕切
壁26を介して一体的に形成されており、分散液流入口
21はインレット部14の底面に位置する分散液衝突面
14Aに向けて開口している。その分散液流入口21か
ら吐出された発泡分散液Cは分散液衝突面14Aに衝突
して反転した後、上昇流となって垂直の隔壁20で仕切
られた区画内を上昇し、隔壁20の上方に位置する会合
部22で合流してからインレット仕切壁26の上端部の
溢流口14Dからオーバーフローで滞留部15に流入す
るようになっている。この場合の整流板23は溢流口1
4Dの上に蓋するように配設した水平板からなり、溢流
口14Dから溢流する発泡分散液Cの液面に接触させて
液面の脈動を抑え安定した流れに整流している。
を示したものである。この実施例のヘッドボックス13
は、上記第1の実施例のヘッドボックス13における横
型のインレット部14を縦型にした点が異なっている。
すなわち、この縦型インレット部14はヘッドボックス
13の滞留部15の後部(上流部)に、インレット仕切
壁26を介して一体的に形成されており、分散液流入口
21はインレット部14の底面に位置する分散液衝突面
14Aに向けて開口している。その分散液流入口21か
ら吐出された発泡分散液Cは分散液衝突面14Aに衝突
して反転した後、上昇流となって垂直の隔壁20で仕切
られた区画内を上昇し、隔壁20の上方に位置する会合
部22で合流してからインレット仕切壁26の上端部の
溢流口14Dからオーバーフローで滞留部15に流入す
るようになっている。この場合の整流板23は溢流口1
4Dの上に蓋するように配設した水平板からなり、溢流
口14Dから溢流する発泡分散液Cの液面に接触させて
液面の脈動を抑え安定した流れに整流している。
【0036】このヘッドボックス13はインレット部1
4内の流れを上昇流としたので、発泡分散液C中の泡の
浮力方向と同じとなり、結果としてインレット部14に
おける泡の分離浮上が防止し易い利点がある。その他の
作用・効果は、上記第1実施例のものとほぼ同様であ
る。 〔実験例〕次に、図3に示す実施例のヘッドボックス1
3を装備した図1に示す繊維強化熱可塑性樹脂シートの
湿式製造装置(実施例)及び図4に示す従来タイプのヘ
ッドボックス13を装備した同じ湿式製造装置(比較
例)を用いて行った、スタンパブルシートの抄造比較実
験について説明する。
4内の流れを上昇流としたので、発泡分散液C中の泡の
浮力方向と同じとなり、結果としてインレット部14に
おける泡の分離浮上が防止し易い利点がある。その他の
作用・効果は、上記第1実施例のものとほぼ同様であ
る。 〔実験例〕次に、図3に示す実施例のヘッドボックス1
3を装備した図1に示す繊維強化熱可塑性樹脂シートの
湿式製造装置(実施例)及び図4に示す従来タイプのヘ
ッドボックス13を装備した同じ湿式製造装置(比較
例)を用いて行った、スタンパブルシートの抄造比較実
験について説明する。
【0037】(試験条件) 分散液:分散層1で界面活性剤を含む水を攪拌して泡
を65容量%含む発泡液とし、この発泡液中に、直径1
1μm、長さ12mmのガラス繊維と平均粒径0.9m
mのポリプロピレン粒子をそれぞれ等重量ずつ添加して
発泡分散液Cを調製した。
を65容量%含む発泡液とし、この発泡液中に、直径1
1μm、長さ12mmのガラス繊維と平均粒径0.9m
mのポリプロピレン粒子をそれぞれ等重量ずつ添加して
発泡分散液Cを調製した。
【0038】ヘッドボックス仕様: 実施例 液供給流量: 400 l/min 液吸引流量: 400 l/min ベルト速度: 5 m/min 滞留部底面積: 0.48 m2 滞留液深さ: 200 mm 比較例 液供給流量: 400 l/min 液吸引流量: 400 l/min ベルト速度: 5 m/min 滞留部底面積: 0.48 m2 滞留液深さ: 30 mm 試験手順及び試験結果 :発泡分散液Cを原料液とし
て上記実施例及び比較例の各装置で別々に抄造を行っ
た。それぞれ、目付量の異なる2種類のサンプルを抄造
して、得られた乾燥ウエブWを通常の方法で加熱プレス
してスタンパブルシートを得た。
て上記実施例及び比較例の各装置で別々に抄造を行っ
た。それぞれ、目付量の異なる2種類のサンプルを抄造
して、得られた乾燥ウエブWを通常の方法で加熱プレス
してスタンパブルシートを得た。
【0039】得られた各2種類のスタンパブルシートの
サンプルについて、幅方向(CD)に一定の間隔で各1
0個の試験片を切り出し、その目付量[g/m2 ]を測
定した。そのばらつき(各10個の試験片の目付量の標
準偏差を平均値で除した値:CV値[%])を、表1に
示す。CV値が大きいということは標準偏差値が大きい
ということであるから、目付量のバラツキが大きいこと
を意味し、ヘッドボックスにおける分散液中の補強繊維
と熱可塑性樹脂の濃度の変動が大きく不均一であり、か
つメッシュベルト上に吸引されて着床した補強繊維の配
向のランダム化が低いことを示す。
サンプルについて、幅方向(CD)に一定の間隔で各1
0個の試験片を切り出し、その目付量[g/m2 ]を測
定した。そのばらつき(各10個の試験片の目付量の標
準偏差を平均値で除した値:CV値[%])を、表1に
示す。CV値が大きいということは標準偏差値が大きい
ということであるから、目付量のバラツキが大きいこと
を意味し、ヘッドボックスにおける分散液中の補強繊維
と熱可塑性樹脂の濃度の変動が大きく不均一であり、か
つメッシュベルト上に吸引されて着床した補強繊維の配
向のランダム化が低いことを示す。
【0040】
【表1】
【0041】次に、得られたスタンパブルシートの任意
の位置からメッシュベルト11の移動方向(MD)とそ
の直角方向(CD)に各5個の試験片を切り出し、JI
SK7203に準拠して曲げ強度と曲げ弾性率とを測定
した。測定された曲げ強度と曲げ弾性率とについてMD
とCDの比を算出して比較した結果を図5に示す。図中
の○は平均値を表し、○印の上下の矢符号線は平均値の
95%信頼区間を示す。
の位置からメッシュベルト11の移動方向(MD)とそ
の直角方向(CD)に各5個の試験片を切り出し、JI
SK7203に準拠して曲げ強度と曲げ弾性率とを測定
した。測定された曲げ強度と曲げ弾性率とについてMD
とCDの比を算出して比較した結果を図5に示す。図中
の○は平均値を表し、○印の上下の矢符号線は平均値の
95%信頼区間を示す。
【0042】比較例に比べて、本発明にかかる繊維強化
熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置である実施例によれ
ば、明らかに目付量のバラツキは低減され(表1)、ま
た、強度特性のMD/CD比は1に近く、すなわち強度
特性の等方性も改善されている(図5)。なお、本発明
の繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置は、分散
液が発泡分散液でない場合にも好適に適用できることは
勿論である。
熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置である実施例によれ
ば、明らかに目付量のバラツキは低減され(表1)、ま
た、強度特性のMD/CD比は1に近く、すなわち強度
特性の等方性も改善されている(図5)。なお、本発明
の繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置は、分散
液が発泡分散液でない場合にも好適に適用できることは
勿論である。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法の発明に
よれば、マニホールドからヘッドボックスにポンプで送
られてくる分散液の流れの有する動圧を抑制してヘッド
ボックスへ流入させるため、動圧の影響による分散液の
乱れひいては液中の補強繊維の分散の乱れが防止でき
る。こうして安定した状態の分散液をヘッドボックス内
に液深を保って滞留させたため、下方に吸引される分散
液はメッシュベルの面に対してほぼ垂直の流れとなり、
液中に分散している補強繊維はこの流れに乗ってメッシ
ュベルトに垂直に衝突してさまざまな方向に不規則に倒
れて着床する。そのため、生成したウエブ中の繊維の配
向は自ずからランダムになる。その結果、膨張率や剛性
等の強度特性の均一な繊維強化熱可塑性樹脂シートが容
易に得られるという効果を奏する。
の繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法の発明に
よれば、マニホールドからヘッドボックスにポンプで送
られてくる分散液の流れの有する動圧を抑制してヘッド
ボックスへ流入させるため、動圧の影響による分散液の
乱れひいては液中の補強繊維の分散の乱れが防止でき
る。こうして安定した状態の分散液をヘッドボックス内
に液深を保って滞留させたため、下方に吸引される分散
液はメッシュベルの面に対してほぼ垂直の流れとなり、
液中に分散している補強繊維はこの流れに乗ってメッシ
ュベルトに垂直に衝突してさまざまな方向に不規則に倒
れて着床する。そのため、生成したウエブ中の繊維の配
向は自ずからランダムになる。その結果、膨張率や剛性
等の強度特性の均一な繊維強化熱可塑性樹脂シートが容
易に得られるという効果を奏する。
【0044】本発明の請求項2の繊維強化熱可塑性樹脂
シートの湿式製造装置の発明によれば、ヘッドボックス
に動圧を抑制した分散液を供給すると共に、供給された
分散液をメッシュベルト上に所定量滞留させる構造とし
たため、吸引される分散液はメッシュベルの面に対して
ほぼ垂直の流れとなり、液中に分散している補強繊維は
この流れに乗ってメッシュベルトに垂直に衝突しランダ
ムに倒れて着床するから、生成したウエブ中の繊維の配
向は自ずからランダムになる。その結果、膨張率や剛性
等の強度特性の均一な繊維強化熱可塑性樹脂シートが容
易に得られるという効果を奏する。
シートの湿式製造装置の発明によれば、ヘッドボックス
に動圧を抑制した分散液を供給すると共に、供給された
分散液をメッシュベルト上に所定量滞留させる構造とし
たため、吸引される分散液はメッシュベルの面に対して
ほぼ垂直の流れとなり、液中に分散している補強繊維は
この流れに乗ってメッシュベルトに垂直に衝突しランダ
ムに倒れて着床するから、生成したウエブ中の繊維の配
向は自ずからランダムになる。その結果、膨張率や剛性
等の強度特性の均一な繊維強化熱可塑性樹脂シートが容
易に得られるという効果を奏する。
【0045】また、本発明の請求項3の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの湿式製造装置の発明によれば、ヘッドボ
ックスの分散液の流入口を分散液流れ方向とは異なる方
向に開口せしめて、大きな流速で流入してくる分散液を
分散液衝突面に衝突させて方向転換させる動圧抑制手段
を備えた構造としたため、ヘッドボックスに流入した分
散液の動圧が、直接にヘッドボックスに滞留している分
散液に影響を及ぼしてメッシュベルト上に着床形成され
るウエブの目付量分布や補強繊維の配向を乱すことを回
避することができ、その結果、一層安定した特性のウエ
ブを得ることができるという効果を奏する。
性樹脂シートの湿式製造装置の発明によれば、ヘッドボ
ックスの分散液の流入口を分散液流れ方向とは異なる方
向に開口せしめて、大きな流速で流入してくる分散液を
分散液衝突面に衝突させて方向転換させる動圧抑制手段
を備えた構造としたため、ヘッドボックスに流入した分
散液の動圧が、直接にヘッドボックスに滞留している分
散液に影響を及ぼしてメッシュベルト上に着床形成され
るウエブの目付量分布や補強繊維の配向を乱すことを回
避することができ、その結果、一層安定した特性のウエ
ブを得ることができるという効果を奏する。
【0046】また、本発明の請求項4の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの湿式製造装置の発明によれば、ヘッドボ
ックスのインレット部をメッシュベルトの幅方向に複数
の隔壁で分割して各区画毎に分散液を分配して供給する
ものとしたため、供給管を経て分散槽から送られてくる
複数の分散液の流れの流速や濃度に時間的な変動があっ
ても、その変動は各区画内で抑制されてインレット部内
の全体の流れが乱されなくなる。さらに、各区画から出
た分散液は会合部のオープンスペースで合流して流す構
造としたため、隔壁の存在に起因する分散液の流れの乱
れがそのまま滞留部内の分散液に影響を及ぼすことがな
く、ウエブの目付量分布や補強繊維の配向を乱すことを
回避することができて、その結果、安定した特性のウエ
ブを得ることができるという効果が促進される。
性樹脂シートの湿式製造装置の発明によれば、ヘッドボ
ックスのインレット部をメッシュベルトの幅方向に複数
の隔壁で分割して各区画毎に分散液を分配して供給する
ものとしたため、供給管を経て分散槽から送られてくる
複数の分散液の流れの流速や濃度に時間的な変動があっ
ても、その変動は各区画内で抑制されてインレット部内
の全体の流れが乱されなくなる。さらに、各区画から出
た分散液は会合部のオープンスペースで合流して流す構
造としたため、隔壁の存在に起因する分散液の流れの乱
れがそのまま滞留部内の分散液に影響を及ぼすことがな
く、ウエブの目付量分布や補強繊維の配向を乱すことを
回避することができて、その結果、安定した特性のウエ
ブを得ることができるという効果が促進される。
【0047】また、本発明の請求項5の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの湿式製造装置の発明によれば、ヘッドボ
ックスのインレット部から滞留部への分散液の出側に分
散液の流れを整える整流板を設けたため、隔壁で分離さ
れたインレット部の各区画から吐出する分散液のメッシ
ュベルトの幅方向の速度分布が均一化されて、分散液流
速分布の変動が滞留部内の分散液に影響を及ぼして目付
量分布や補強繊維の配向を乱すことを回避でき、その結
果更に安定した特性のウエブを得ることができるという
効果を奏する。
性樹脂シートの湿式製造装置の発明によれば、ヘッドボ
ックスのインレット部から滞留部への分散液の出側に分
散液の流れを整える整流板を設けたため、隔壁で分離さ
れたインレット部の各区画から吐出する分散液のメッシ
ュベルトの幅方向の速度分布が均一化されて、分散液流
速分布の変動が滞留部内の分散液に影響を及ぼして目付
量分布や補強繊維の配向を乱すことを回避でき、その結
果更に安定した特性のウエブを得ることができるという
効果を奏する。
【0048】また、本発明の請求項6の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの湿式製造装置の発明によれば、ヘッドボ
ックスの滞留部に少なくとも一枚のガイド板をヘッドボ
ックス幅方向に挿入したため、滞留した分散液が吸引さ
れてメッシュベルトの方へ移動する際に、インレット部
から吐出される分散液の流れやメッシュベルトの動きの
影響を受けにくくなる。これにより、分散液の流れがメ
ッシュベルトに対し垂直に保持され、分散している補強
繊維は各種の外乱に影響されることなくメッシュベルト
に垂直に衝突してランダムに倒れてウエブの繊維配向は
完全にランダムになる。その結果、膨張率や剛性等の強
度特性の均一な繊維強化熱可塑性樹脂シートを一層確実
に得ることができるという効果を奏する。
性樹脂シートの湿式製造装置の発明によれば、ヘッドボ
ックスの滞留部に少なくとも一枚のガイド板をヘッドボ
ックス幅方向に挿入したため、滞留した分散液が吸引さ
れてメッシュベルトの方へ移動する際に、インレット部
から吐出される分散液の流れやメッシュベルトの動きの
影響を受けにくくなる。これにより、分散液の流れがメ
ッシュベルトに対し垂直に保持され、分散している補強
繊維は各種の外乱に影響されることなくメッシュベルト
に垂直に衝突してランダムに倒れてウエブの繊維配向は
完全にランダムになる。その結果、膨張率や剛性等の強
度特性の均一な繊維強化熱可塑性樹脂シートを一層確実
に得ることができるという効果を奏する。
【図1】本発明の一実施例の全体系統図である。
【図2】本発明に係るヘッドボックスの一実施例を示
し、(a)は側面の断面図、(b)はそのB−B線断面
図である。
し、(a)は側面の断面図、(b)はそのB−B線断面
図である。
【図3】本発明に係るヘッドボックスの他の実施例を示
し、(a)は側面の断面図、(b)はそのB−B線断面
図である。
し、(a)は側面の断面図、(b)はそのB−B線断面
図である。
【図4】一比較例として示す従来のヘッドボックスの詳
細断面図である。
細断面図である。
【図5】実施例と比較例とにより製造したスタンパブル
シートの強度特性測定結果のグラフである。
シートの強度特性測定結果のグラフである。
11 メッシュベルト 13 ヘッドボックス 14 インレット部 14A 分散液衝突面 14D 溢流口 15 滞留部 20 隔壁 21 分散液流入口 22 会合部 23 整流板 24 ガイド板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 101:12 105:12 B29L 7:00 (72)発明者 竹原 亜生 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 内田 祐一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 塩田 勇 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内
Claims (6)
- 【請求項1】 補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散液
をマニホールドを経てヘッドボックスに送り、該ヘッド
ボックスからメッシュベルト上に供給してウエブを抄造
する繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法におい
て、前記ヘッドボックスへ流入する当該分散液の流れの
動圧を抑制すると共に、前記ヘッドボックスに当該分散
液を滞留させて液深を保ち、前記補強繊維を前記メッシ
ュベルトに対しほぼ垂直に衝突させてメッシュベルト上
に着乗させることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートの湿式製造方法。 - 【請求項2】 補強繊維と熱可塑性樹脂とを含む分散液
をマニホールドを経てヘッドボックスからメッシュベル
ト上に供給してウエブを抄造する繊維強化熱可塑性樹脂
シートの湿式製造装置において、前記ヘッドボックスは
前記マニホールドからの分散液の流入口と流入した分散
液の動圧を抑制して溢流口に導く動圧抑制手段とを有す
るインレット部及び該インレット部からの溢流を所定量
滞留させて前記メッシュベルト上に供給する滞留部を備
え、該滞留部の分散液は前記メッシュベルの面に対して
ほぼ垂直の流れを生じる深さを有することを特徴とする
繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造装置。 - 【請求項3】 前記動圧抑制手段は、前記流入口を前記
インレット部から前記滞留部への分散液供給方向とは異
なる方向に開口せしめるとともに、前記流入口の開口に
接近して対向する分散液衝突面を備えてなることを特徴
とする請求項2記載の繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿
式製造装置。 - 【請求項4】 前記ヘッドボックスのインレット部を前
記メッシュベルトの幅方向に複数に区画し、当該区画毎
に前記分散液の流入口を配設すると共に、各区画の出口
と前記溢流口との間に各区画内の分散液が合流する会合
部を設けたことを特徴とする請求項2又は請求項3記載
の繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造装置。 - 【請求項5】 前記ヘッドボックスのインレット部の出
口側に、分散液の流れを整える整流板を配設したことを
特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の繊維強
化熱可塑性樹脂シートの製造装置。 - 【請求項6】 前記ヘッドボックスの滞留部に、前記メ
ッシュベルトの走行方向に直交すると共にメッシュベル
ト上面との間にすき間を有する少なくとも一枚のガイド
板を滞留する分散液中に沈めて配設したことを特徴とす
る請求項2ないし5のいずれかに記載の繊維強化熱可塑
性樹脂シートの製造装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7033512A JPH08224792A (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法および装置 |
TW85110153A TW315346B (ja) | 1995-02-22 | 1996-08-20 | |
EP96306074A EP0825011B1 (en) | 1995-02-22 | 1996-08-20 | Apparatus for wet manufacturing fiber reinforced thermoplastic resin sheet |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7033512A JPH08224792A (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法および装置 |
US08/697,054 US5888352A (en) | 1995-11-16 | 1996-08-19 | Apparatus for wet manufacturing fiber reinforced thermoplastic resin sheet |
EP96306074A EP0825011B1 (en) | 1995-02-22 | 1996-08-20 | Apparatus for wet manufacturing fiber reinforced thermoplastic resin sheet |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08224792A true JPH08224792A (ja) | 1996-09-03 |
Family
ID=27237775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7033512A Pending JPH08224792A (ja) | 1995-02-22 | 1995-02-22 | 繊維強化熱可塑性樹脂シートの湿式製造方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08224792A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007291588A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-11-08 | Kao Corp | 抄紙シートの製造方法及び抄紙機 |
WO2009072419A1 (ja) * | 2007-12-03 | 2009-06-11 | Bs Co., Ltd. | 抄造機 |
CN113618991A (zh) * | 2021-09-08 | 2021-11-09 | 华能国际电力股份有限公司 | 一种隔膜浆料自动添加装置 |
-
1995
- 1995-02-22 JP JP7033512A patent/JPH08224792A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007291588A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-11-08 | Kao Corp | 抄紙シートの製造方法及び抄紙機 |
JP4726719B2 (ja) * | 2006-03-31 | 2011-07-20 | 花王株式会社 | 抄紙シートの製造方法及び抄紙機 |
WO2009072419A1 (ja) * | 2007-12-03 | 2009-06-11 | Bs Co., Ltd. | 抄造機 |
US8157965B2 (en) | 2007-12-03 | 2012-04-17 | Bs Co., Ltd. | Sheet forming machine |
JP5426399B2 (ja) * | 2007-12-03 | 2014-02-26 | 株式会社ビーエス | 抄造機 |
CN113618991A (zh) * | 2021-09-08 | 2021-11-09 | 华能国际电力股份有限公司 | 一种隔膜浆料自动添加装置 |
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