JPH0940898A - 超微粒子有機顔料インクおよびその製造方法 - Google Patents

超微粒子有機顔料インクおよびその製造方法

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JPH0940898A
JPH0940898A JP21109895A JP21109895A JPH0940898A JP H0940898 A JPH0940898 A JP H0940898A JP 21109895 A JP21109895 A JP 21109895A JP 21109895 A JP21109895 A JP 21109895A JP H0940898 A JPH0940898 A JP H0940898A
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JP
Japan
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organic pigment
molecular weight
weight compound
ultrafine
pigment ink
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Withdrawn
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JP21109895A
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Inventor
Shigeo Aoyama
青山  茂夫
Yuichi Sakurai
友一 桜井
Shoji Nishihara
昭二 西原
Yukie Fujimoto
由紀枝 藤本
Koji Takazawa
孝次 高沢
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Maxell Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存安定性に優れ、ヘッド目詰まりもなく、
印字品質と耐候性にも優れるインクジェット記録用イン
クを提供する。 【構成】 インクジェット用インクにおいて、有機顔料
と有機顔料表面の親水化能力の大きな低分子量化合物お
よび水を含ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超微粒子有機顔料イン
ク、特に印字ヘッドからインク液滴を吐出させて記録を
行うインクジェット記録方式に適したインクに関し、さ
らに詳しくは印字品質、耐候性などに優れた顔料インク
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録では、各種染
料を水あるいは水と有機溶媒の混合溶媒などに溶解させ
た染料インクが用いられてきた。
【0003】しかし、染料インクには、にじみが多く印
字品質に劣る、耐候性、耐水性に劣るなどの欠点があ
る。
【0004】そこで近年、例えば特開平4−1846
3、特開平4−18462、特開平4−185343、
特開平3−167272などに見られるように、にじみ
が少なくて印字品質に優れ、耐候性、耐水性にも優れる
顔料インクの検討が行われるようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、顔料イ
ンク中の顔料は凝集、沈降しやすいためにインクの保存
安定性に欠ける、あるいは印字ヘッドで目詰まりを起こ
すなどの問題があるために、インクジェット記録では顔
料インクはほとんど実用化されていないのが現状であ
る。
【0006】本発明の目的は、インクジェット記録に用
いる顔料インクにおいて、印字品質や耐候性に優れ、な
おかつ長期の保存安定性にも優れ印字ヘッドの目詰まり
もない顔料インクを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録用顔料インクには、有機顔料と有機顔料表面の親水
化能力の大きな低分子量化合物、さらには有機顔料の分
散安定化能力の大きな高分子量化合物を含ませ得る。
【0008】この低分子量化合物および高分子量化合物
には、それぞれ、芳香環を含ませることができ、また、
窒素を含ませることもできる。さらに、これらのほか
に、-C2H4O-ユニットを含ませることもできる。このよ
うにして、有機顔料表面の親水化能力を向上させ、ま
た、有機顔料の分散安定化の能力を向上させることがで
きる。
【0009】さらに、このような有機顔料の親水性や分
散安定性を確実にするためには、この低分子量化合物の
分子量は2000以下が望ましく、一方、高分子量化合
物の分子量については5000以上であることが望まし
い。
【0010】本発明のインクジェット記録用顔料インク
は、有機顔料と有機顔料表面の親水化能力の大きな低分
子量化合物を最初に混合して有機顔料の粉砕、分散を行
ない、その後に、有機顔料の分散安定化能力の大きな高
分子量化合物を加えてさらに粉砕、分散を行うことによ
って、簡便に製造できる。
【0011】このような方法を採ることによって、粒径
が100nm以下の超微粒子有機顔料が均一に分散した
顔料インクを得ることができる。
【0012】通常、有機顔料表面は疎水性であるため、
インクジェット記録用インクにおいて一般的な溶媒であ
る水あるいは水と有機溶媒の混合溶媒、即ち、水系溶媒
に対しては、有機顔料は濡れない。そのために、このよ
うな極性の高い溶媒中に有機顔料を均一に分散させるこ
とは不可能であった。
【0013】しかしながら、本発明においては、有機顔
料表面の親水化能力の大きな低分子量化合物が、有機顔
料の表面に吸着することによってその疎水性表面を親水
性表面に改質することができる。したがって、水系溶媒
のように極性の高い溶媒上では浮いてしまう疎水性の有
機顔料も、容易に該溶媒に濡れて該溶媒中に均一に分散
させることを可能とする。
【0014】本発明において、有機顔料表面の親水化能
力の大きな低分子量化合物がいかにして疎水性の有機顔
料表面を親水性に改質するかのメカニズムは、いまだ定
かではない。
【0015】しかしながら、本発明者らの知見によれ
ば、低分子量化合物に含まれる芳香環や窒素を含む部分
が、有機顔料に含まれる芳香環や窒素を含む部分と相互
作用して、低分子量化合物が有機顔料表面に吸着し、低
分子量化合物中の窒素を含む部分および/または-C2H4O
-ユニットを含む部分が顔料表面から外側を向いた状態
になって、顔料表面を親水性に改質するのではないかと
推察される。
【0016】また、低分子量化合物の分子量は2000
以下が望ましく、これよりも分子量が大きいと、例えば
80nm未満というかなり微粒子化された有機顔料を用
いた場合などに、この低分子量化合物が、顔料の表面に
均一に、緻密に吸着することがときとして困難となり、
有機顔料表面の親水化の度合いが著しく小さくなってし
まう場合がある。さらに微粒子化された有機顔料を用い
た場合には、より事態は深刻となる。
【0017】このように、本発明の有機顔料表面の親水
化能力の大きな低分子量化合物の水あるいは水と有機溶
媒の混合溶媒の溶液中でボールミル、サンドミル、ロー
ルミルなどの粉砕、分散機を用いて有機顔料を粉砕、分
散すると、有機顔料を効率的、効果的に粉砕し、分散す
ることが可能となる。
【0018】本発明においては、表面に低分子量化合物
が吸着して表面が親水性に改質された有機顔料が粉砕、
分散された系に、さらに高分子量化合物を加えることに
よって有機顔料の粉砕、分散レベルをさらに一段と向上
させ安定化することができる。
【0019】本発明における高分子量化合物は、有機顔
料表面に吸着した低分子量化合物の上に吸着して二重の
吸着層を形成し、微粒子状に粉砕、分散された有機顔料
に立体反発力を付与することによって、有機顔料の粉
砕、分散レベルをさらに一段と向上させるものと推察さ
れる。
【0020】この高分子量化合物が、有機顔料表面に吸
着した低分子量化合物の上に吸着する機構は定かではな
いが、低分子量化合物中に含まれる芳香環の部分および
/または窒素を含む部分および/または-C24O-ユニ
ットを含む部分と、高分子量化合物中の芳香環を含む部
分および/または窒素を含む部分および/または-C2
4O-ユニットを含む部分との相互作用によるものと推察
される。
【0021】本発明において、低分子量化合物が有機顔
料表面を完全には覆っていない場合には、高分子量化合
物に含まれる芳香環や窒素を含む部分が、有機顔料に含
まれる芳香環や窒素を含む部分と相互作用して、高分子
量化合物が有機顔料表面に直接吸着することも十分考え
られる。
【0022】本発明における高分子量化合物の分子量は
5000以上が望ましい。これよりも分子量が小さい
と、立体反発力が小さくなって有機顔料の一層の粉砕、
分散が困難となる場合がある。
【0023】有機顔料の粉砕、分散工程において、上述
のように最初に本発明の有機顔料表面の親水化能力の大
きな低分子量化合物を用いて粉砕、分散を行い、その後
さらに本発明の有機顔料の分散安定化能力の大きな高分
子量化合物を加えることによって、有機顔料を従来の手
法では到達できなかったような100nm以下の超微粒
子にまで粉砕、分散させることが可能となる。
【0024】本発明では、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、ブラックなどの色調の従来公知の有機顔料が何ら区
別することなく用いられる。
【0025】本発明ではまた、印字ヘッドの目詰まり防
止剤、インクの消泡剤、乾燥防止剤、殺菌剤、保湿剤、
pH調整剤、印字への耐水性付与剤などのインクジェッ
トプリンタ用インクで従来から用いられている各種添加
剤を併用することが可能である。
【0026】本発明のインクは、また、インクジェット
プリンタのインクとしてだけでなく、一般の水性印刷イ
ンクや塗料として、あるいは液晶ディスプレーのカラー
フィルター作製用などの特殊な用途でも利用することが
可能である。さらには、本発明の製造方法で得られる超
微粒子有機顔料は、水系溶媒を置換することによって非
水系のインクや塗料として用いることも可能である。
【0027】以下、具体的な実施例をあげて本発明をさ
らに詳細に説明する。
【0028】
【実施例】
実施例1 以下の組成を、粒径0.3mmのジルコニアビーズを使って
遊星ボールミルで10時間粉砕、分散させた。
【0029】 イエロー顔料(東洋インキ製 LIONOL YELLOW GGTN) 15重量部 有機顔料表面の親水化能力の大きな低分子量化合物 3重量部 (サンノプコ社製 ディスパースエイド W-28) 消泡剤(共栄社化学製 アクアレン1435) 0.75重量部 イオン交換水 270重量部 10時間粉砕、分散後の上記組成に、有機顔料の分散安定
化能力の大きな高分子量化合物(ビックケミー社製 DI
SPERBYK 184) 12重量部を加えてさらに15時間粉砕、
分散を行ってインクを得る。
【0030】実施例2 実施例1のイエロー顔料に替えて、マゼンタ顔料(大日
精化製 クロモファインマゼンタ 6887)を同量用いる
以外は実施例1と同様にしてインクを得た。
【0031】実施例3 実施例1のイエロー顔料に替えて、シアン顔料(大日本
インキ製 KET Blue 111)を同量用いる以外は実施例1
と同様にしてインクを得た。
【0032】実施例4 実施例1の有機顔料の分散安定化能力の大きな高分子量
化合物を用いずに有機顔料表面の親水化能力の大きな低
分子量化合物を15重量部用い、粒径0.3mmのジルコニ
アビーズを使って遊星ボールミルで25時間粉砕、分散
させる以外は実施例1と同様にしてインクを得た。
【0033】各実施例で得られたインク中の顔料の粒
径、インクの保存安定性、ヘッド目詰まりの有無、印字
の品質および耐候性を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】この表で、顔料粒径は走査型電子顕微鏡で
評価しており、保存安定性は、顔料の沈降を遠心沈降法
で加速させて評価しており、○は2年間放置しても顔料
はほとんど沈降しないレベルにあることを表している。
ヘッド目詰まりは、一定量の文字を印字後、キャッピン
グなどをしない状態で30分間放置した後に印字を再開
し、一文字目から正常に印字できた場合を○としてい
る。印字品質は、文字のにじみ、かすれなどを目視で評
価し、○は欠陥のないきれいな印字であることを示して
いる。耐候性は、1年間の太陽光照射に相当する条件の
ウエザーメーターテストを行い、テスト後の色の変化が
5%以内の場合を○で表した。
【0036】この表から明らかなように、本発明による
インクは、顔料が極めて微粒子にまで粉砕、分散されて
いるために保存安定性に優れており、またヘッド目詰ま
りがなく、さらに印字品質と耐候性にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 由紀枝 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 高沢 孝次 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に低分子量化合物が吸着し、親水化
    された有機顔料が水系溶媒に分散されたことを特徴とす
    る超微粒子有機顔料インク。
  2. 【請求項2】 該水系溶媒中に、さらに高分子量化合物
    が添加され、該有機顔料の分散が安定化されたことを特
    徴とする請求項1記載の超微粒子有機顔料インク。
  3. 【請求項3】 該低分子量化合物に芳香環が含まれるこ
    とを特徴とする請求項1記載の超微粒子有機顔料イン
    ク。
  4. 【請求項4】 該高分子量化合物に芳香環が含まれるこ
    とを特徴とする請求項2記載の超微粒子有機顔料イン
    ク。
  5. 【請求項5】 該低分子量化合物に窒素が含まれること
    を特徴とする請求項1記載の超微粒子有機顔料インク。
  6. 【請求項6】 該高分子量化合物に窒素が含まれること
    を特徴とする請求項2記載の超微粒子有機顔料インク。
  7. 【請求項7】 該低分子量化合物に-C2H4O-ユニットが
    含まれることを特徴とする請求項1記載の超微粒子有機
    顔料インク。
  8. 【請求項8】 該高分子量化合物に-C2H4O-ユニットが
    含まれることを特徴とする請求項2記載の超微粒子有機
    顔料インク。
  9. 【請求項9】 該低分子量化合物の分子量が2000以
    下であることを特徴とする請求項1記載の超微粒子有機
    顔料インク。
  10. 【請求項10】 該高分子量化合物の分子量が5000
    以上であることを特徴とする請求項2記載の超微粒子有
    機顔料インク。
  11. 【請求項11】 該有機顔料が粒子径100nm以下の
    超微粒子であることを特徴とする請求項1記載の超微粒
    子有機顔料インク。
  12. 【請求項12】 該有機顔料が粒子径50nm以下の超
    微粒子であることを特徴とする請求項11記載の超微粒
    子有機顔料インク。
  13. 【請求項13】 水系溶媒中で、有機顔料と、低分子量
    化合物とを最初に混合して、有機顔料の粉砕、分散を行
    い、その後、高分子量化合物を加えて、さらに粉砕、分
    散を行うことを特徴とする超微粒子有機顔料インクの製
    造方法。
JP21109895A 1995-07-26 1995-07-26 超微粒子有機顔料インクおよびその製造方法 Withdrawn JPH0940898A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10110129A (ja) * 1996-10-07 1998-04-28 Toyo Ink Mfg Co Ltd インクジェット用記録液
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JP2004051887A (ja) * 2002-07-23 2004-02-19 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク組成物
JP2008055775A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Fujifilm Corp インクジェット記録装置

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