JPH0939509A - 車輪と車軸との連結構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 道具等を使用せずに手によって簡単且つ確実
に車輪をフリーに回転させることができる。 【構成】 車輪４に設けられたハブ１５と、ハブ１５の
端部に形成された車輪側キー溝１７と、車軸８の端部に
形成された、車輪キー溝１７と合致する車軸側キー溝１
８と、車輪４と車軸８とを結合するためのキー２０が内
面に固定された結合スリーブ１９とからなる。車軸８に
挿入された結合スリーブ１９をハブ１５側に移動させる
ことによって、キー２０が車輪側キー溝１７および車軸
側キー溝１８の両方に亘って挿入され、かくして、車輪
４と車軸８とが結合し、結合スリーブ１９をハブ１５と
反対側に移動させることによって、キー２０が車輪側キ
ー溝１７から抜け出て、車軸側キー溝１８内に挿入さ
れ、かくして、車輪４と車軸８との結合が解除される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、車輪と車軸との
連結構造、特に、電動ゴルフカート等において、バッテ
リーが上がる等の原因によって、手動によりカートを引
かざるを得ない場合に、道具等を使用せずに手によって
簡単且つ確実に車輪をフリーに回転させることが可能
な、車輪と車軸との連結構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】本願出願人は、先に、特願平７−９２９
９５号として、一人用電動ゴルフカートを出願した。以
下、このゴルフカートを先行ゴルフカートという。先行
ゴルフカートについて図面を参照しながら説明する。図
６は、先行ゴルフカートの使用態様を示す正面図、図７
は、先行ゴルフカートの、操縦者側から見た側面図、図
８は、図７のＡ−Ａ線断面図、図９は、図６のＡ−Ａ線
断面図、図１０は、図７のＢ−Ｂ線断面図である。

【０００３】図６から図１０において、１は、キャディ
バッグ２が乗せられるカート本体、３は、カート本体１
の前部中央底部に取り付けられた１つのキャスター式前
輪、４Ａは、カート本体１の後部左側（操縦者の前方に
カートをおいてカートを操縦する場合、操縦者側から見
て左側）に取り付けられた左後輪、４Ｂは、カート本体
１の後部右側（操縦者の前方にカートをおいてカートを
操縦する場合、操縦者側から見て右側）に取り付けられ
た右後輪、５は、カート本体１の後部中央部に取り付け
られた１本のピボット式操縦杆である。操縦杆５は、操
縦者側に湾曲しており、その先端には、クリップ５Ａが
設けられている。

【０００４】６Ａは、左側後輪４Ａを回転駆動するため
の左側駆動手段であり、モーター７Ａ、左側後輪４Ａの
車軸８Ａ、モーター７Ａおよび車軸８Ａに取り付けられ
たスプロケット９Ａ、１０Ａ、および、スプロケット９
Ａと１０Ａとを機械的に連結するチェーン１１Ａとから
構成されている。

【０００５】６Ｂは、右側後輪４Ｂを回転駆動するため
の右側駆動手段であり、モーター７Ｂ、右側後輪４Ｂの
車軸８Ｂ、モーター７Ｂおよび車軸８Ｂに取り付けられ
たスプロケット９Ｂ、１０Ｂ、および、スプロケット９
Ｂと１０Ｂとを機械的に連結するチェーン１１Ｂとから
構成されている。１２は、左および右側駆動手段６Ａ、
６Ｂの電源用バッテリー、１３は、操縦杆５の下部に取
り付けられた、操縦杆５の傾動操作によって、左および
右側駆動手段６Ａ、６Ｂを制御するための制御手段、そ
して、１４は、ハンドルである。

【０００６】このように構成されている先行ゴルフカー
トによれば、操縦者の前方にカートをおいてカートを操
縦する場合、操縦杆５のグリップ５Ａを片手で握り、操
縦杆５を前方に傾動させると、制御手段１３によって後
輪４Ａ、４Ｂが正転するように左右側駆動手段６Ａ、６
Ｂが作動し、これによって、カート本体１が前進する。
一方、操縦杆５を後方に傾動させると、制御手段１３に
よって後輪４Ａ、４Ｂが逆転するように左右側駆動手段
６Ａ、６Ｂが作動し、これによって、カート本体１が後
進する。カート本体１の前後進速度は、操縦杆５の傾動
量に応じて増減する。

【０００７】操縦杆５を左側に傾動させると、制御手段
１３により、右側後輪４Ｂが回転するように右側駆動手
段６Ｂが作動し、これによって、カート本体１は、左側
後輪４Ａを中心として左旋回する。一方、操縦杆５を右
側に傾動させると、制御手段１３により、左側後輪４Ａ
が回転するように左側駆動手段６Ａが作動し、これによ
って、カート本体１は、右側後輪４Ｂを中心として右旋
回する。カート本体１の旋回速度は、操縦杆５の傾動量
に応じて増減する。

【０００８】操縦杆５を、斜め右前方に傾動させれば、
カート本体１に前進力と右旋回力とが同時に作用し、こ
れによってカート本体１は、大きく右旋回する。一方、
操縦杆５を、斜め左前方に傾動させれば、カート本体１
は、大きく左旋回する。カート本体１は、前輪がキャス
ター式であるので、容易に旋回する。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た先行ゴルフカートは、次のような問題を有している。
即ち、例えば、途中でバッテリー１２が上がったような
場合には、カートを手動で引く必要がある。このために
は、後輪４Ａ、４Ｂと左右側駆動手段６Ａ、６Ｂとの機
械的結合を解除して、後輪４Ａ、４Ｂをフリーに回転さ
せる必要がある。このようにする一つの手段として、ス
プロケット１０Ａ、１０Ｂを車軸８Ａ、８Ｂに対してフ
リーに回転させることが考えられるが、スプロケット１
０Ａ、１０Ｂをフリーにするには、ドライバー等の道具
を使用しなければならず、簡単に行えないばかりか、時
間がかかる。

【００１０】従って、この発明の目的は、バッテリーが
上がる等の原因によって、手動によりカートを引かざる
を得ない場合において、ドライバー等の道具等を一切使
用せずに手によって簡単且つ確実に車輪をフリーに回転
させることが可能な、車輪と車軸との連結構造に関する
ものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
車軸と車輪との結合解除および解除を自在に行うため
の、車輪と車軸との連結構造において、前記車輪に設け
られたハブと、前記ハブの端部に形成された車輪側キー
溝と、前記車軸の端部に形成された、前記車輪キー溝と
合致する車軸側キー溝と、前記車輪と前記車軸とを結合
するためのキーが内面に固定された結合スリーブとから
なり、前記車軸に挿入された前記結合スリーブを前記ハ
ブ側に移動させることによって、前記キーが前記車輪側
キー溝および前記車軸側キー溝の両方に亘って挿入さ
れ、かくして、前記車輪と前記車軸とが結合し、前記結
合スリーブを前記ハブと反対側に移動させることによっ
て、前記キーが前記車輪側キー溝から抜け出て、前記車
軸側キー溝内に挿入され、かくして、前記車輪と前記車
軸との結合が解除されることに特徴を有するものであ
る。

【００１２】請求項２記載の発明は、前記結合スリーブ
は、その内面から突出し、前記結合スリーブ内に引っ込
み可能な位置決め用球状ストッパーを有し、前記車軸
は、その端部に前記ストッパーが嵌まり込む２つの凹部
を有し、前記２つの凹部のうちの一方内には、前記車軸
と前記車輪との結合位置に前記結合スリーブが移動した
ときに前記ストッパーが嵌まり込み、前記２つの凹部の
うちの他方内には、前記車軸と前記車輪との結合解除位
置に前記結合スリーブが移動したときに前記ストッパー
が嵌まり込むことに特徴を有するものである。

【００１３】

【発明の実施の形態】次に、この発明を先行ゴルフカー
トに適用した場合の一実施態様を図面を参照しながら説
明する。

【００１４】図１は、この発明の、車輪と車軸との連結
構造を示す組立斜視図、図２は、この発明の、車輪と車
軸との連結構造を示す斜視図、図３は、この発明の、車
輪と車軸との連結構造において、車輪と車軸とを結合状
態を示す部分断面図、図４は、この発明の、車輪と車軸
との連結構造において、車輪と車軸とを結合解除状態を
示す部分断面図、図５は、この発明の、車輪と車軸との
連結構造におけるストッパーと凹部との関係を示す部分
断面図である。

【００１５】図１から図５において、１５は、後輪４
（左後輪４Ａ、右後輪４Ｂ）の軸芯部に設けられたハブ
であり、ハブ１５の内側端部１６は、突出している。１
７は、ハブ１５の端部１６に形成された一対の車輪側キ
ー溝、１８は、車軸８（左後輪４Ａの車軸８Ａ、右後輪
４Ｂの車軸８Ｂ）の端部に形成された、車輪側キー溝１
７と合致する一対の車軸側キー溝、１９は、後輪４と車
軸８とを結合するための一対のキー２０が内面に固定さ
れた結合スリーブである。結合スリーブ１９は、車軸８
に挿入され、車軸８に沿って移動させることによって、
後輪４と車軸８との結合および結合解除を行う。

【００１６】車軸８は、ハブ１５の端部１６が当接する
段部２１を有している。後輪４は、車軸８に、ハブ１５
の端部１６が車軸８の段部２１に当接するまで嵌め込ま
れる。後輪４は、ハブ１５の端部１６の反対側の端部か
ら突出した車軸８の先端のネジ部にナット２２をねじ込
むことによって車軸８に取り付けられる。

【００１７】結合スリーブ１９は、上述したように、こ
れを車軸８に沿って移動させることによって、後輪４と
車軸８との結合および結合解除を行うものであるが、結
合および結合解除の位置決めを確実に行うために、図５
に示すように、車軸８に結合位置用凹部２３および結合
解除位置用凹部２４が形成され、結合スリーブ１９に凹
部２３、２４内に嵌まり込む位置決め用球状ストッパー
２５が取り付けられている。ストッパー２５は、その一
部が結合スリーブ１９の内面から突出するように、スプ
リング２６によって常時、押されている。

【００１８】このように構成されている、この発明の車
輪と車軸との連結構造によれば、次のようにして、後輪
４と車軸８との結合および結合解除が行われる。即ち、
後輪４と車軸８との結合するには、図３に示すように、
車輪側キー溝１７と車軸側キー溝１８とを合致させ、結
合スリーブ１９を車軸８に沿ってハブ１５側に、ストッ
パー２５が結合位置用凹部２３内に嵌まり込むまで手で
移動させる。これによって、結合スリーブ１９のキー２
０が車輪側キー溝１７と車軸側キー溝１８との両方に亘
って挿入される。この結果、後輪４と車軸８とが結合キ
ー２０を介して互いに結合される。

【００１９】一方、後輪４と車軸８との結合を解除する
には、図４に示すように、結合スリーブ１９を車軸８に
沿ってハブ１５と反対側に、ストッパー２５が結合解除
位置用凹部２４内に嵌まり込むまで手で移動させる。こ
れによって、結合スリーブ１９のキー２０が車輪側キー
溝１７から抜け出て、車軸側キー溝１８内に挿入され
る。この結果、後輪４と車軸８との結合が解除されて、
後輪４は、フリーに回転可能となる。従って、バッテリ
ー１２が上がる等の原因によって、カート本体を手で引
かざるを得ないような場合においても、即座に対応する
ことができる。なお、電動ゴルフカート以外の電動式カ
ートにも、この発明を適用できることは言うまでもな
い。

【００２０】このように、後輪４と車軸８との結合およ
び結合解除がドライバー等の道具を一切使用することな
く、手によって結合スリーブ１９を単に移動させるだけ
で、簡単に行える。しかも、移動後は、ストッパー２５
の作用によって、結合スリーブ１９が不用意に移動する
恐れはない。結合スリーブ１９の移動の際には、ストッ
パー２５がスプリング２６の弾性力に抗して結合スリー
ブ１９内に引っ込むが、スプリング２６の弾性力は、あ
まり強くする必要はなく、カートの走行中の振動による
結合スリーブ１９の移動を阻止することができる強さで
十分である。何故なら、結合および結合解除の状態の何
れの場合であっても、後輪４からは、結合スリーブ１９
を移動させる力を一切受けないからである。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、車輪側キー溝と車軸側キー溝と設け、これらのキー
溝内に嵌まり込むキーを有する結合スリーブを車軸に嵌
め込むことによって、車輪と車軸とを結合するには、結
合スリーブをハブ側に移動させ、一方、車輪と車軸との
結合を解除して、車輪をフリーに回転させるには、結合
スリーブをハブと反対側に移動させればよい。結合スリ
ーブの移動は、ドライバー等の道具を使用することな
く、全て手で行える。従って、車輪と車軸との結合およ
び結合解除が簡単かつ短時間に、しかも、確実に行える
といった有用な効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の、車輪と車軸との連結構造を示す組
立斜視図である。

【図２】この発明の、車輪と車軸との連結構造を示す斜
視図である。

【図３】この発明の、車輪と車軸との連結構造におい
て、車輪と車軸とを結合状態を示す部分断面図である。

【図４】この発明の、車輪と車軸との連結構造におい
て、車輪と車軸とを結合解除状態を示す部分断面図であ
る。

【図５】この発明の、車輪と車軸との連結構造における
ストッパーと凹部との関係を示す部分断面図である。

【図６】先行ゴルフカートの使用態様を示す正面図であ
る。

【図７】先行ゴルフカートの、操縦者側から見た側面図
である。

【図８】図７のＡ−Ａ線断面図である。

【図９】図６のＡ−Ａ線断面図である。

【図１０】図７のＢ−Ｂ線断面図である。

【符号の説明】

１：カート本体 ２：キャディバッグ ３：前輪 ４Ａ：左後輪 ４Ｂ：右後輪 ５：操縦杆 ５Ａ：グリップ ６Ａ：左駆動輪 ６Ｂ：右駆動輪 ７Ａ：モーター ７Ｂ：モーター ８Ａ：車軸 ８Ｂ：車軸 ９Ａ：スプロケット ９Ｂ：スプロケット １０Ａ：スプロケット １０Ｂ：スプロケット １１Ａ：チェーン １１Ｂ：チェーン １２：バッテリー １３：制御手段 １４：ハンドル １５：ハブ １６：端部 １７：車輪側キー溝 １８：車軸側キー溝 １９：結合スリーブ ２０：キー ２１：段部 ２２：ナット ２３：結合位置用凹部 ２４：結合解除位置用凹部 ２５：ストッパー ２６：スプリング

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車軸と車輪との結合および結合解除を自
   在に行うための、車輪と車軸との連結構造において、 前記車輪に設けられたハブと、前記ハブの端部に形成さ
   れた車輪側キー溝と、前記車軸の端部に形成された、前
   記車輪キー溝と合致する車軸側キー溝と、前記車輪と前
   記車軸とを結合するためのキーが内面に固定された結合
   スリーブとからなり、前記車軸に挿入された前記結合ス
   リーブを前記ハブ側に移動させることによって、前記キ
   ーが前記車輪側キー溝および前記車軸側キー溝の両方に
   亘って挿入され、かくして、前記車輪と前記車軸とが結
   合し、前記結合スリーブを前記ハブと反対側に移動させ
   ることによって、前記キーが前記車輪側キー溝から抜け
   出て、前記車軸側キー溝内に挿入され、かくして、前記
   車輪と前記車軸との結合が解除されることを特徴とす
   る、車輪と車軸との連結構造。
2. 【請求項２】 前記結合スリーブは、その内面から突出
   し、前記結合スリーブ内に引っ込み可能な位置決め用球
   状ストッパーを有し、前記車軸は、その端部に前記スト
   ッパーが嵌まり込む２つの凹部を有し、前記２つの凹部
   のうちの一方内には、前記車輪と前記車軸との結合位置
   に前記結合スリーブが移動したときに前記ストッパーが
   嵌まり込み、前記２つの凹部のうちの他方内には、前記
   車輪と前記車軸との結合解除位置に前記結合スリーブが
   移動したときに前記ストッパーが嵌まり込むことを特徴
   とする、請求項１記載の連結構造。