JPH0939082A - 中空容器の製造法 - Google Patents
中空容器の製造法Info
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- JPH0939082A JPH0939082A JP21817795A JP21817795A JPH0939082A JP H0939082 A JPH0939082 A JP H0939082A JP 21817795 A JP21817795 A JP 21817795A JP 21817795 A JP21817795 A JP 21817795A JP H0939082 A JPH0939082 A JP H0939082A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ガスバリヤー性や落下等の衝撃時の透明性等
に優れた中空容器を製造する方法を提供すること。 【解決手段】 パリソンの外側表面にエチレン含有量２
０〜６０モル％、ケン化度９０モル％以上のエチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物含有液を塗工後、該パリソ
ンを水平方向に回転させながら乾燥させてエチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物層を形成し、その後該パリソ
ンを加熱下でブロー成形する。
に優れた中空容器を製造する方法を提供すること。 【解決手段】 パリソンの外側表面にエチレン含有量２
０〜６０モル％、ケン化度９０モル％以上のエチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物含有液を塗工後、該パリソ
ンを水平方向に回転させながら乾燥させてエチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物層を形成し、その後該パリソ
ンを加熱下でブロー成形する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブロー成形による
ポリエステル樹脂やポリプロピレン樹脂等の材質からな
る中空容器の製造法に関し、更に詳しくは、ガスバリヤ
ー性を有し、かつ落下等の衝撃時においても白化現象を
起こさず透明性に優れたブロー成形の中空容器の製造法
に関する。
ポリエステル樹脂やポリプロピレン樹脂等の材質からな
る中空容器の製造法に関し、更に詳しくは、ガスバリヤ
ー性を有し、かつ落下等の衝撃時においても白化現象を
起こさず透明性に優れたブロー成形の中空容器の製造法
に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、液状の食料品や医薬品の容器
としてガラス製の瓶が多用されていたが、最近は軽量
化、加工のしやすさ、取り扱いの容易さなどから、該ガ
ラス瓶に代わって合成樹脂製の容器が用いられるような
ってきた。かかる合成樹脂製の容器の多くは、通常ポリ
エステル樹脂等の合成樹脂（熱可塑性樹脂）からなるパ
リソンと呼ばれるチューブ状の予備成形体を金型に挟ん
で、内部に空気を吹き込んで膨らませた後、冷却固化す
る所謂ブロー成形（押出ブロー法、射出ブロー法、押出
・射出ブロー法、シートブロー法、コールドパリソン法
等）によって製造されるもので、二軸配向性を有し、透
明性、水分不透過性、ガスバリヤー性、経済性等の利点
を生かして各種用途に多用されている。
としてガラス製の瓶が多用されていたが、最近は軽量
化、加工のしやすさ、取り扱いの容易さなどから、該ガ
ラス瓶に代わって合成樹脂製の容器が用いられるような
ってきた。かかる合成樹脂製の容器の多くは、通常ポリ
エステル樹脂等の合成樹脂（熱可塑性樹脂）からなるパ
リソンと呼ばれるチューブ状の予備成形体を金型に挟ん
で、内部に空気を吹き込んで膨らませた後、冷却固化す
る所謂ブロー成形（押出ブロー法、射出ブロー法、押出
・射出ブロー法、シートブロー法、コールドパリソン法
等）によって製造されるもので、二軸配向性を有し、透
明性、水分不透過性、ガスバリヤー性、経済性等の利点
を生かして各種用途に多用されている。
【０００３】しかしながら、ガスバリヤー性について
は、かなりの高水準にあるものの、従来のガラス瓶と比
較すると劣ることは否めず、その改善策として該合成樹
脂層にガスバリヤー性に優れたエチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物（以下、ＥＶＯＨと略記する）層を積層
することが試みられている。すなわち、ポリエステル樹
脂層／ＥＶＯＨ層／合成樹脂層等の３層以上の積層構造
を有する中空容器の検討がなされている。例えば、ブロ
ー成形されたポリエステル樹脂の中空容器の胴部にＥＶ
ＯＨ溶液をコーティングしてガスバリヤー層を形成させ
た後、熱収縮性の合成樹脂フィルムで包被してその後該
合成樹脂フィルムを加熱収縮させて合成樹脂フィルム層
を形成させる方法が提案されている。（特公平６−１０
４７３２号公報）
は、かなりの高水準にあるものの、従来のガラス瓶と比
較すると劣ることは否めず、その改善策として該合成樹
脂層にガスバリヤー性に優れたエチレン−酢酸ビニル共
重合体ケン化物（以下、ＥＶＯＨと略記する）層を積層
することが試みられている。すなわち、ポリエステル樹
脂層／ＥＶＯＨ層／合成樹脂層等の３層以上の積層構造
を有する中空容器の検討がなされている。例えば、ブロ
ー成形されたポリエステル樹脂の中空容器の胴部にＥＶ
ＯＨ溶液をコーティングしてガスバリヤー層を形成させ
た後、熱収縮性の合成樹脂フィルムで包被してその後該
合成樹脂フィルムを加熱収縮させて合成樹脂フィルム層
を形成させる方法が提案されている。（特公平６−１０
４７３２号公報）
【０００４】
【問題を解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、ブロー成形して中空容器を製造した後に、Ｅ
ＶＯＨ溶液を用いて直接中空容器にディッピング等によ
りコーティングしているため、形成されたＥＶＯＨ層が
不均一になって十分なガスバリヤー性が得られなくなる
恐れがあり、また、本発明者が上記の方法により得られ
た中空容器を詳細に検討したところ、該中空容器に落下
等の衝撃が加わったときに該中空容器の胴部等に白化現
象が見られて、折角の透明性を阻害される恐れがあるこ
とも判明し、新なる改善が必要となってきた。
方法では、ブロー成形して中空容器を製造した後に、Ｅ
ＶＯＨ溶液を用いて直接中空容器にディッピング等によ
りコーティングしているため、形成されたＥＶＯＨ層が
不均一になって十分なガスバリヤー性が得られなくなる
恐れがあり、また、本発明者が上記の方法により得られ
た中空容器を詳細に検討したところ、該中空容器に落下
等の衝撃が加わったときに該中空容器の胴部等に白化現
象が見られて、折角の透明性を阻害される恐れがあるこ
とも判明し、新なる改善が必要となってきた。
【０００５】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者はかか
る事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、パリソンの外側表
面にエチレン含有量２０〜６０モル％、ケン化度９０モ
ル％以上のＥＶＯＨ含有液を塗工後、該パリソンを水平
方向に回転させながら乾燥させてエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物層を形成し、その後該パリソンを加熱
下でブロー成形することにより、ガスバリヤー性に優
れ、かつ落下等の衝撃時においても白化現象等を起こさ
ず良好な透明性を維持することができることを見出し、
本発明を完成するに至った。
る事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、パリソンの外側表
面にエチレン含有量２０〜６０モル％、ケン化度９０モ
ル％以上のＥＶＯＨ含有液を塗工後、該パリソンを水平
方向に回転させながら乾燥させてエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物層を形成し、その後該パリソンを加熱
下でブロー成形することにより、ガスバリヤー性に優
れ、かつ落下等の衝撃時においても白化現象等を起こさ
ず良好な透明性を維持することができることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【０００６】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明で用いるパリソンとは、通常ポリエステ
ル樹脂等の熱可塑性樹脂からブロー成形（押出ブロー
法、射出ブロー法、押出・射出ブロー法、シートブロー
法、コールドパリソン法等）にて中空容器を製造する時
に用いられるチューブ状或いは試験管状の予備成形体の
ことで、該パリソンは金型に挟まれて、その内部に空気
が吹き込まれて膨らんだ後、冷却固化されて中空容器と
なるものである。該パリソンに用いられる熱可塑性樹脂
としては、上記のポリエチレンテレフタレート（ＰＥ
Ｔ）に代表されるポリエステル樹脂をはじめとして、ポ
リプロピレン樹脂（ＰＰ）、ポリエチレン樹脂（Ｐ
Ｅ）、ナイロン樹脂等が挙げられ、中でもポリエチレン
テレフタレート（ＰＥＴ）やポリプロピレン樹脂（Ｐ
Ｐ）が好適に用いられる。
明する。本発明で用いるパリソンとは、通常ポリエステ
ル樹脂等の熱可塑性樹脂からブロー成形（押出ブロー
法、射出ブロー法、押出・射出ブロー法、シートブロー
法、コールドパリソン法等）にて中空容器を製造する時
に用いられるチューブ状或いは試験管状の予備成形体の
ことで、該パリソンは金型に挟まれて、その内部に空気
が吹き込まれて膨らんだ後、冷却固化されて中空容器と
なるものである。該パリソンに用いられる熱可塑性樹脂
としては、上記のポリエチレンテレフタレート（ＰＥ
Ｔ）に代表されるポリエステル樹脂をはじめとして、ポ
リプロピレン樹脂（ＰＰ）、ポリエチレン樹脂（Ｐ
Ｅ）、ナイロン樹脂等が挙げられ、中でもポリエチレン
テレフタレート（ＰＥＴ）やポリプロピレン樹脂（Ｐ
Ｐ）が好適に用いられる。
【０００７】かかるパリソンの外側表面に塗工されるＥ
ＶＯＨ含有液に用いられるＥＶＯＨとしては、エチレン
含有量が２０〜６０モル％で、ケン化度が９０モル％以
上のものが用いられ、エチレン含有量が２０モル％未満
では高湿時のガスバリヤー性が低下し、逆に６０モル％
を越えると充分なガスバリヤー性が得られず、又ケン化
度が９０モル％未満ではガスバリヤー性や耐湿性が低下
する。かかるＥＶＯＨであれば、本発明の作用効果を得
ることはできるが、ガスバリヤー性、耐湿性及び塗工後
の成形性等のさらなる向上を目的として、エチレン含有
量２５〜４５モル％、ケン化度９９モル％以上のＥＶＯ
Ｈ（Ａ）とエチレン含有量３５〜５０モル％、ケン化度
９０モル％以上９９モル％未満のＥＶＯＨ（Ｂ）の混合
物を本発明のＥＶＯＨとして用いることも有用である。
ＶＯＨ含有液に用いられるＥＶＯＨとしては、エチレン
含有量が２０〜６０モル％で、ケン化度が９０モル％以
上のものが用いられ、エチレン含有量が２０モル％未満
では高湿時のガスバリヤー性が低下し、逆に６０モル％
を越えると充分なガスバリヤー性が得られず、又ケン化
度が９０モル％未満ではガスバリヤー性や耐湿性が低下
する。かかるＥＶＯＨであれば、本発明の作用効果を得
ることはできるが、ガスバリヤー性、耐湿性及び塗工後
の成形性等のさらなる向上を目的として、エチレン含有
量２５〜４５モル％、ケン化度９９モル％以上のＥＶＯ
Ｈ（Ａ）とエチレン含有量３５〜５０モル％、ケン化度
９０モル％以上９９モル％未満のＥＶＯＨ（Ｂ）の混合
物を本発明のＥＶＯＨとして用いることも有用である。
【０００８】かかる（Ａ）及び（Ｂ）からなる混合物
は、その混合重量比（Ａ）／（Ｂ）が９０／１０〜７０
／３０であることが好ましく、更には８５／１５〜７５
／２５であることが好ましい。該混合重量比が９０／１
０を越えると低温での二次成形性が不良となり、逆に７
０／３０未満では成形後の外観が不良となり好ましくな
い。また、該（Ａ）と（Ｂ）のエチレン含有量の差は１
２モル％以下であることが好ましく、更には５〜１０モ
ル％であることが好ましい。該エチレン含有量の差が１
２モル％を越えると二次成形性が不良となり好ましくな
い。なお、本発明でＥＶＯＨを１種のみ用いる場合は、
エチレン含有量が２０〜５０モル％が好ましく、更には
３０〜４５モル％が好ましく、またケン化度は９０モル
％以上が好ましく、更には９５モル％以上が好ましい。
は、その混合重量比（Ａ）／（Ｂ）が９０／１０〜７０
／３０であることが好ましく、更には８５／１５〜７５
／２５であることが好ましい。該混合重量比が９０／１
０を越えると低温での二次成形性が不良となり、逆に７
０／３０未満では成形後の外観が不良となり好ましくな
い。また、該（Ａ）と（Ｂ）のエチレン含有量の差は１
２モル％以下であることが好ましく、更には５〜１０モ
ル％であることが好ましい。該エチレン含有量の差が１
２モル％を越えると二次成形性が不良となり好ましくな
い。なお、本発明でＥＶＯＨを１種のみ用いる場合は、
エチレン含有量が２０〜５０モル％が好ましく、更には
３０〜４５モル％が好ましく、またケン化度は９０モル
％以上が好ましく、更には９５モル％以上が好ましい。
【０００９】本発明で用いられる上記の如きＥＶＯＨ
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化する等の公
知の方法により製造されるが、これらのＥＶＯＨは、更
に少量のプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−
ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、不飽
和カルボン酸又はその塩・部分アルキルエステル・完全
アルキルエステル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和
スルホン酸又はその塩等のコモノマーを共重合体成分と
して含んでいても差し支えない。
は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化する等の公
知の方法により製造されるが、これらのＥＶＯＨは、更
に少量のプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−
ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、不飽
和カルボン酸又はその塩・部分アルキルエステル・完全
アルキルエステル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和
スルホン酸又はその塩等のコモノマーを共重合体成分と
して含んでいても差し支えない。
【００１０】かかるＥＶＯＨを用いたＥＶＯＨ含有液
は、上記のＥＶＯＨを溶媒に溶解させた溶液であって
も、公知の分散剤等を用いた水性分散液等であってもよ
く、とにかくＥＶＯＨを含有するものであれば特に限定
されないが、塗工性や塗工液の調製の容易性等からＥＶ
ＯＨの溶液が好ましい。該溶液に用いられる溶媒として
は水が１０〜９０重量％（好ましくは３０〜７０重量
％）と炭素数１〜４の低級アルコール特にプロピルアル
コール又はブチルアルコール、メチルアルコール、エチ
ルアルコールの少なくとも１種が９０〜１０重量％（好
ましくは７０〜３０重量％）配合された混合物が好まし
い。該溶媒において、水の量が１０重量％未満又は９０
重量％を越えると均一な溶液が得難く塗膜が不透明とな
るという問題点が生じて好ましくない。
は、上記のＥＶＯＨを溶媒に溶解させた溶液であって
も、公知の分散剤等を用いた水性分散液等であってもよ
く、とにかくＥＶＯＨを含有するものであれば特に限定
されないが、塗工性や塗工液の調製の容易性等からＥＶ
ＯＨの溶液が好ましい。該溶液に用いられる溶媒として
は水が１０〜９０重量％（好ましくは３０〜７０重量
％）と炭素数１〜４の低級アルコール特にプロピルアル
コール又はブチルアルコール、メチルアルコール、エチ
ルアルコールの少なくとも１種が９０〜１０重量％（好
ましくは７０〜３０重量％）配合された混合物が好まし
い。該溶媒において、水の量が１０重量％未満又は９０
重量％を越えると均一な溶液が得難く塗膜が不透明とな
るという問題点が生じて好ましくない。
【００１１】アルコール成分のプロピルアルコールとし
てはｎ−プロピルアルコール、ｉｓｏ−プロピルアルコ
ールが、又ブチルアルコールとしてはｎ−ブチルアルコ
ール、ｉｓｏ−ブチルアルコール、ｓｅｃ−ブチルアル
コール、ｔｅｒｔ−ブチルアルコール等があげられる
が、ｉｓｏ−プロピルアルコールが好適に使用される。
上記ＥＶＯＨ溶液中のＥＶＯＨ濃度は、特に制限はない
が、パリソンへの塗工性や放置安定性等を考慮すれば、
１〜５０重量％が好ましく、更には１０〜４０重量％が
好ましく、特に２０〜３０重量％が好ましい。次に、中
空容器の製造法について具体的に説明する。
てはｎ−プロピルアルコール、ｉｓｏ−プロピルアルコ
ールが、又ブチルアルコールとしてはｎ−ブチルアルコ
ール、ｉｓｏ−ブチルアルコール、ｓｅｃ−ブチルアル
コール、ｔｅｒｔ−ブチルアルコール等があげられる
が、ｉｓｏ−プロピルアルコールが好適に使用される。
上記ＥＶＯＨ溶液中のＥＶＯＨ濃度は、特に制限はない
が、パリソンへの塗工性や放置安定性等を考慮すれば、
１〜５０重量％が好ましく、更には１０〜４０重量％が
好ましく、特に２０〜３０重量％が好ましい。次に、中
空容器の製造法について具体的に説明する。
【００１２】中空容器の製造に当たっては、まず上記の
熱可塑性樹脂からなるパリソンを作製するわけである
が、かかるパリソンは、押出成形、射出成形等にいずれ
の方法でも作製することは可能であるが、中空容器の生
産性の面から、射出成形により作製された試験管状のパ
リソンを用いることが好ましい。該パリソンにＥＶＯＨ
溶液を塗工する方法としては、特に限定されず、ディッ
プコーティング法、スプレーコーティング法、その他任
意の公知方法が適用できるが、全体的に均一な塗工が可
能なディップコーティング法が好ましい。
熱可塑性樹脂からなるパリソンを作製するわけである
が、かかるパリソンは、押出成形、射出成形等にいずれ
の方法でも作製することは可能であるが、中空容器の生
産性の面から、射出成形により作製された試験管状のパ
リソンを用いることが好ましい。該パリソンにＥＶＯＨ
溶液を塗工する方法としては、特に限定されず、ディッ
プコーティング法、スプレーコーティング法、その他任
意の公知方法が適用できるが、全体的に均一な塗工が可
能なディップコーティング法が好ましい。
【００１３】また、ＥＶＯＨの塗工量は、乾燥後の厚み
が５〜１５μｍであることが好ましく、更には７〜１０
μｍであることが好ましい。かかる厚みが５μｍ未満で
はブロー成形後のＥＶＯＨ層の厚みを十分確保すること
ができず、逆に１５μｍを越えると均一な塗工の調整が
困難となり好ましくない。なお、ＥＶＯＨ溶液の塗工に
際しては、接着性向上等を目的としてパリソンの外側表
面にあらかじめポリウレタン、ポリエステル、ポリエチ
レンイミン等のアンカーコート剤を設けておくことも可
能である。
が５〜１５μｍであることが好ましく、更には７〜１０
μｍであることが好ましい。かかる厚みが５μｍ未満で
はブロー成形後のＥＶＯＨ層の厚みを十分確保すること
ができず、逆に１５μｍを越えると均一な塗工の調整が
困難となり好ましくない。なお、ＥＶＯＨ溶液の塗工に
際しては、接着性向上等を目的としてパリソンの外側表
面にあらかじめポリウレタン、ポリエステル、ポリエチ
レンイミン等のアンカーコート剤を設けておくことも可
能である。
【００１４】かかるＥＶＯＨ溶液が塗工されたパリソン
は、次に乾燥工程に供されるわけであるが、本発明で
は、上記のＥＶＯＨ溶液が塗工された後に、該パリソン
を水平方向に回転させながら乾燥させることを特徴とす
るもので、通常は、該パリソン自体をパリソンの上部水
平断面円の中心点と同下部水平断面円の中心点とを結ぶ
直線を回転軸（該回転軸が該直線よりも多少ずれても構
わない）として水平方向に回転させながら乾燥させるの
である。なお、本発明で言う乾燥とは、加熱による乾燥
だけを意味するものではなく、室温時の該回転による乾
燥をも含むものであり、室温或いは常温で回転させなが
ら乾燥させる方法、室温或いは常温で回転させながらあ
る程度乾燥させた後に加熱して乾燥させる方法、回転さ
せながら加熱して乾燥させる方法等いずれの場合も含ま
れる。かかる方法の中でも、回転させながら加熱して乾
燥させる方法が好ましく、該方法について、具体的に説
明する。
は、次に乾燥工程に供されるわけであるが、本発明で
は、上記のＥＶＯＨ溶液が塗工された後に、該パリソン
を水平方向に回転させながら乾燥させることを特徴とす
るもので、通常は、該パリソン自体をパリソンの上部水
平断面円の中心点と同下部水平断面円の中心点とを結ぶ
直線を回転軸（該回転軸が該直線よりも多少ずれても構
わない）として水平方向に回転させながら乾燥させるの
である。なお、本発明で言う乾燥とは、加熱による乾燥
だけを意味するものではなく、室温時の該回転による乾
燥をも含むものであり、室温或いは常温で回転させなが
ら乾燥させる方法、室温或いは常温で回転させながらあ
る程度乾燥させた後に加熱して乾燥させる方法、回転さ
せながら加熱して乾燥させる方法等いずれの場合も含ま
れる。かかる方法の中でも、回転させながら加熱して乾
燥させる方法が好ましく、該方法について、具体的に説
明する。
【００１５】ＥＶＯＨ溶液が塗工された（試験管状の）
パリソンは、フックやチャック等で垂下されて、水平方
向に回転されながら加熱乾燥が行われる。このときの回
転数はパリソンの形状や大きさにもよるが、通常は１０
〜３０ｒｐｍ程度で行うのが好ましい。また、乾燥時の
加熱温度は、７０〜１２０℃が好ましく、更には９０〜
１１０℃が好ましく、加熱乾燥時間は、０．５〜１０分
が好ましく、更には２〜５分が好ましい。上記で加熱乾
燥されたパリソンは、次に金型内で１５０〜２５０℃に
加熱されて空気が吹き込まれブロー成形されて中空容器
となるのである。かかるブロー成形において特に制限は
なく、当業者周知の方法を採用することができる。
パリソンは、フックやチャック等で垂下されて、水平方
向に回転されながら加熱乾燥が行われる。このときの回
転数はパリソンの形状や大きさにもよるが、通常は１０
〜３０ｒｐｍ程度で行うのが好ましい。また、乾燥時の
加熱温度は、７０〜１２０℃が好ましく、更には９０〜
１１０℃が好ましく、加熱乾燥時間は、０．５〜１０分
が好ましく、更には２〜５分が好ましい。上記で加熱乾
燥されたパリソンは、次に金型内で１５０〜２５０℃に
加熱されて空気が吹き込まれブロー成形されて中空容器
となるのである。かかるブロー成形において特に制限は
なく、当業者周知の方法を採用することができる。
【００１６】かくして得られた中空容器は、その外側表
面に３〜５μｍ程度のＥＶＯＨ層が設けられたもので、
ガスバリヤー性、透明性に優れた中空容器で、各種容器
に供することができるが、該ＥＶＯＨ層の外側に更に合
成樹脂層を設けることが高湿度下におけるガスバリヤー
性の維持の点で好ましい。該合成樹脂としては、例えば
ポリエチレン（ＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリ
塩化ビニル（ＰＶＣ）、ポリエチレンテレフタレート
（ＰＥＴ）、ポリ塩化ビニリデン（ＰＶｄＣ）、ポリア
クリルニトリル（ＰＡＮ）、エチレン−酢酸ビニル共重
合体（ＥＶＡ）、ナイロンやこれらの共重合体、アクリ
ルニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体等の熱可塑
性樹脂が挙げられ、これらの合成樹脂を設ける方法とし
ては、特に限定されず、該熱可塑性樹脂の（二軸）延伸
フィルムで上記の中空容器を包被した後に加熱処理を行
って、加熱収縮（シュリンク）によって合成樹脂（熱可
塑性樹脂）層を設ける方法等の公知の方法が採用され得
る。
面に３〜５μｍ程度のＥＶＯＨ層が設けられたもので、
ガスバリヤー性、透明性に優れた中空容器で、各種容器
に供することができるが、該ＥＶＯＨ層の外側に更に合
成樹脂層を設けることが高湿度下におけるガスバリヤー
性の維持の点で好ましい。該合成樹脂としては、例えば
ポリエチレン（ＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリ
塩化ビニル（ＰＶＣ）、ポリエチレンテレフタレート
（ＰＥＴ）、ポリ塩化ビニリデン（ＰＶｄＣ）、ポリア
クリルニトリル（ＰＡＮ）、エチレン−酢酸ビニル共重
合体（ＥＶＡ）、ナイロンやこれらの共重合体、アクリ
ルニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体等の熱可塑
性樹脂が挙げられ、これらの合成樹脂を設ける方法とし
ては、特に限定されず、該熱可塑性樹脂の（二軸）延伸
フィルムで上記の中空容器を包被した後に加熱処理を行
って、加熱収縮（シュリンク）によって合成樹脂（熱可
塑性樹脂）層を設ける方法等の公知の方法が採用され得
る。
【００１７】かかる方法で得られた本発明の中空容器
は、ガスバリヤー性や落下等の衝撃時の透明性等に優れ
ており、食料品（飲料水、調味料、アルコール類、水菓
子等の液状物など）や医薬品の容器等に幅広く利用する
ことができる。
は、ガスバリヤー性や落下等の衝撃時の透明性等に優れ
ており、食料品（飲料水、調味料、アルコール類、水菓
子等の液状物など）や医薬品の容器等に幅広く利用する
ことができる。
【００１８】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中、「部」、「％」とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。以下の、ＥＶＯＨ溶液を
調製した。 （ＥＶＯＨ−I）エチレン含有量３０モル％、ケン化度
９９．８モル％のＥＶＯＨ２０部を水−アルコールの混
合溶媒（水／メチルアルコール＝５０／５０重量比）８
０部に溶解させてＥＶＯＨ溶液を得た。
する。尚、実施例中、「部」、「％」とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。以下の、ＥＶＯＨ溶液を
調製した。 （ＥＶＯＨ−I）エチレン含有量３０モル％、ケン化度
９９．８モル％のＥＶＯＨ２０部を水−アルコールの混
合溶媒（水／メチルアルコール＝５０／５０重量比）８
０部に溶解させてＥＶＯＨ溶液を得た。
【００１９】（ＥＶＯＨ−II）エチレン含有量４５モル
％、ケン化度９９．７モル％のＥＶＯＨ２０部を水−ア
ルコールの混合溶媒（水／メチルアルコール＝５０／５
０重量比）８０部に溶解させてＥＶＯＨ溶液を得た。 （ＥＶＯＨ−III）エチレン含有量４０モル％、ケン化
度９９．８モル％のＥＶＯＨ（Ａ）１８部及びエチレン
含有量４５モル％、ケン化度９７．０モル％のＥＶＯＨ
（Ｂ）２部を水−アルコールの混合溶媒（水／メチルア
ルコール＝５０／５０重量比）８０部に溶解させてＥＶ
ＯＨ溶液を得た。（Ａ）及び（Ｂ）の混合重量（Ａ）／
（Ｂ）は８５／１５で、エチレン含有量の差は５モル％
である。
％、ケン化度９９．７モル％のＥＶＯＨ２０部を水−ア
ルコールの混合溶媒（水／メチルアルコール＝５０／５
０重量比）８０部に溶解させてＥＶＯＨ溶液を得た。 （ＥＶＯＨ−III）エチレン含有量４０モル％、ケン化
度９９．８モル％のＥＶＯＨ（Ａ）１８部及びエチレン
含有量４５モル％、ケン化度９７．０モル％のＥＶＯＨ
（Ｂ）２部を水−アルコールの混合溶媒（水／メチルア
ルコール＝５０／５０重量比）８０部に溶解させてＥＶ
ＯＨ溶液を得た。（Ａ）及び（Ｂ）の混合重量（Ａ）／
（Ｂ）は８５／１５で、エチレン含有量の差は５モル％
である。
【００２０】（ＥＶＯＨ−IV）エチレン含有量３５モル
％、ケン化度９９．８モル％のＥＶＯＨ（Ａ）１６部及
びエチレン含有量４０モル％、ケン化度９８．０モル％
のＥＶＯＨ（Ｂ）４部を水−アルコールの混合溶媒（水
／メチルアルコール＝５０／５０重量比）８０部に溶解
させてＥＶＯＨ溶液を得た。（Ａ）及び（Ｂ）の混合重
量（Ａ）／（Ｂ）は８０／２０で、エチレン含有量の差
は５モル％である。 （ＥＶＯＨ−V）エチレン含有量３０モル％、ケン化度
９９．８モル％のＥＶＯＨ（Ａ）１４部及びエチレン含
有量４０モル％、ケン化度９９．８モル％のＥＶＯＨ
（Ｂ）６部を水−アルコールの混合溶媒（水／メチルア
ルコール＝５０／５０重量比）８０部に溶解させてＥＶ
ＯＨ溶液を得た。（Ａ）及び（Ｂ）の混合重量（Ａ）／
（Ｂ）は７５／２５で、エチレン含有量の差は１０モル
％である。
％、ケン化度９９．８モル％のＥＶＯＨ（Ａ）１６部及
びエチレン含有量４０モル％、ケン化度９８．０モル％
のＥＶＯＨ（Ｂ）４部を水−アルコールの混合溶媒（水
／メチルアルコール＝５０／５０重量比）８０部に溶解
させてＥＶＯＨ溶液を得た。（Ａ）及び（Ｂ）の混合重
量（Ａ）／（Ｂ）は８０／２０で、エチレン含有量の差
は５モル％である。 （ＥＶＯＨ−V）エチレン含有量３０モル％、ケン化度
９９．８モル％のＥＶＯＨ（Ａ）１４部及びエチレン含
有量４０モル％、ケン化度９９．８モル％のＥＶＯＨ
（Ｂ）６部を水−アルコールの混合溶媒（水／メチルア
ルコール＝５０／５０重量比）８０部に溶解させてＥＶ
ＯＨ溶液を得た。（Ａ）及び（Ｂ）の混合重量（Ａ）／
（Ｂ）は７５／２５で、エチレン含有量の差は１０モル
％である。
【００２１】実施例１ ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）の有底円筒状パ
リソン（高さ１５ｃｍ、外径３ｃｍ）を上記のＥＶＯＨ
−IのＥＶＯＨ溶液に浸漬した後、チャックに吊り下げ
て１５ｒｐｍで回転させながら、１００℃で３分間乾燥
を行ってＥＶＯＨ層（乾燥厚み７μｍ）が外側表面に設
けられたパリソンを得た。次に該パリソンをブロー成形
用金型内でブロー成形して、高さ２５ｃｍ（但し、肩ま
での高さ２０ｃｍ）、胴部外径８ｃｍ、容量約１ｌのＰ
ＥＴボトルを得た。
リソン（高さ１５ｃｍ、外径３ｃｍ）を上記のＥＶＯＨ
−IのＥＶＯＨ溶液に浸漬した後、チャックに吊り下げ
て１５ｒｐｍで回転させながら、１００℃で３分間乾燥
を行ってＥＶＯＨ層（乾燥厚み７μｍ）が外側表面に設
けられたパリソンを得た。次に該パリソンをブロー成形
用金型内でブロー成形して、高さ２５ｃｍ（但し、肩ま
での高さ２０ｃｍ）、胴部外径８ｃｍ、容量約１ｌのＰ
ＥＴボトルを得た。
【００２２】得られたＰＥＴボトルのガスバリヤー性
（酸素透過率）を酸素透過率測定装置（ＭＯＫＯＮ社
製、ＯＸＴＲＡＮ）にて、２０℃，６５％ＲＨで測定し
たところ、０．０２０ｃｃ／ｐｋｇ・ｄａｙ・ａｉｒで
あった。また、該ＰＥＴボトルの落下衝撃時の透明性を
調べるために、該ボトルに水５００ｍｌを入れて密封し
た後、１．５ｍの高さから自然落下させてボトル表面の
透明性を目視観察したが、白化等の変化は認められず良
好な透明性を保っていた。なお、上記の評価後、該ボト
ルの胴部の切断断面よりＥＶＯＨ層の厚みを調べたとこ
ろ２μｍであった。
（酸素透過率）を酸素透過率測定装置（ＭＯＫＯＮ社
製、ＯＸＴＲＡＮ）にて、２０℃，６５％ＲＨで測定し
たところ、０．０２０ｃｃ／ｐｋｇ・ｄａｙ・ａｉｒで
あった。また、該ＰＥＴボトルの落下衝撃時の透明性を
調べるために、該ボトルに水５００ｍｌを入れて密封し
た後、１．５ｍの高さから自然落下させてボトル表面の
透明性を目視観察したが、白化等の変化は認められず良
好な透明性を保っていた。なお、上記の評価後、該ボト
ルの胴部の切断断面よりＥＶＯＨ層の厚みを調べたとこ
ろ２μｍであった。
【００２３】実施例２〜５ 表１に示すＥＶＯＨ溶液を用いて実施例１と同様に中空
容器を作製して、同様に評価を行った。なお、実施例２
及び３においては、ＥＶＯＨ層の外側表面に厚み２０μ
ｍの延伸ポリプロピレン（ＯＰＰ）層をシュリンク法に
より設けた。
容器を作製して、同様に評価を行った。なお、実施例２
及び３においては、ＥＶＯＨ層の外側表面に厚み２０μ
ｍの延伸ポリプロピレン（ＯＰＰ）層をシュリンク法に
より設けた。
【００２４】比較例１ 実施例１において、ＥＶＯＨ溶液を塗工後、回転させず
に乾燥を行った以外は同様に行い、同様の評価を行っ
た。 比較例２ 実施例１において、ＥＶＯＨ溶液を塗工せずにブロー成
形を行って中空容器を得た後、ＥＶＯＨ溶液を塗工して
ＥＶＯＨ層（乾燥厚み３μｍ）を形成させて、同様の評
価を行った。実施例及び比較例の評価結果を表１に併せ
て示す。
に乾燥を行った以外は同様に行い、同様の評価を行っ
た。 比較例２ 実施例１において、ＥＶＯＨ溶液を塗工せずにブロー成
形を行って中空容器を得た後、ＥＶＯＨ溶液を塗工して
ＥＶＯＨ層（乾燥厚み３μｍ）を形成させて、同様の評
価を行った。実施例及び比較例の評価結果を表１に併せ
て示す。
【００２５】
【表１】 ＥＶＯＨ溶液 ガスバリヤー性 透明性 （cc/pkg・day・air） 実施例１ ＥＶＯＨ−I ０.０２０ 良好 〃 ２ ＥＶＯＨ−II ０.０１２ 良好 〃 ３ ＥＶＯＨ−III ０.０１１ 良好 〃 ４ ＥＶＯＨ−IV ０.０１７ 良好 〃 ５ ＥＶＯＨ−V ０.０１１ 良好 比較例１ ＥＶＯＨ−I ０.７７ 良好 〃 ２ ＥＶＯＨ−I ０.０８５ 白化
【００２６】
【発明の効果】本発明では、パリソンの外側表面にＥＶ
ＯＨ含有液を塗工し、水平方向に回転させながら乾燥さ
せた後、ブロー成形を行っているため、得られた中空容
器はガスバリヤー性や落下等の衝撃時の透明性等に優れ
ており、食料品（飲料水、調味料、アルコール類、水菓
子等の液状物など）や医薬品の容器等に幅広く利用する
ことができる。
ＯＨ含有液を塗工し、水平方向に回転させながら乾燥さ
せた後、ブロー成形を行っているため、得られた中空容
器はガスバリヤー性や落下等の衝撃時の透明性等に優れ
ており、食料品（飲料水、調味料、アルコール類、水菓
子等の液状物など）や医薬品の容器等に幅広く利用する
ことができる。
Claims (4)
- 【請求項１】 パリソンの外側表面にエチレン含有量２
０〜６０モル％、ケン化度９０モル％以上のエチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物含有液を塗工後、該パリソ
ンを水平方向に回転させながら乾燥させてエチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物層を形成し、その後該パリソ
ンを加熱下でブロー成形することを特徴とする中空容器
の製造法。 - 【請求項２】 エチレン含有量２０〜６０モル％、ケン
化度９０モル％以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物が、エチレン含有量２５〜４５モル％、ケン化度
９９モル％以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物（Ａ）とエチレン含有量３５〜５０モル％、ケン化度
９０モル％以上９９モル％未満のエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物（Ｂ）の混合物よりなり、（Ａ）と
（Ｂ）の混合重量比（Ａ）／（Ｂ）が９０／１０〜７０
／３０であることを特徴とする請求項１記載の中空容器
の製造法。 - 【請求項３】 エチレン含有量２５〜４５モル％、ケン
化度９９モル％以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物（Ａ）とエチレン含有量３５〜５０モル％、ケン
化度９０モル％以上９９モル％未満のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物（Ｂ）のエチレン含有量の差が１
２モル％以下であることを特徴とする請求項２記載の中
空容器の製造法。 - 【請求項４】 ブロー成形した後、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物層の外側に合成樹脂層を設けること
を特徴とする請求項１〜３いずれか記載の中空容器の製
造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21817795A JPH0939082A (ja) | 1995-08-02 | 1995-08-02 | 中空容器の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21817795A JPH0939082A (ja) | 1995-08-02 | 1995-08-02 | 中空容器の製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0939082A true JPH0939082A (ja) | 1997-02-10 |
Family
ID=16715826
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21817795A Pending JPH0939082A (ja) | 1995-08-02 | 1995-08-02 | 中空容器の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0939082A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005532167A (ja) * | 2002-07-03 | 2005-10-27 | アドバンスド プラスティックス テクノロジーズ リミテッド | コーティングされた物品を形成するためにディップ、スプレーおよびフローコーティング工程 |
-
1995
- 1995-08-02 JP JP21817795A patent/JPH0939082A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005532167A (ja) * | 2002-07-03 | 2005-10-27 | アドバンスド プラスティックス テクノロジーズ リミテッド | コーティングされた物品を形成するためにディップ、スプレーおよびフローコーティング工程 |
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