JPH09362U - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この考案は、衝撃と衝撃時の音を減衰緩衝す
るよう改良されたゴルフクラブヘッドを提供することを
課題とする。 【解決手段】 この考案のゴルフクラブヘッドは、ソー
ル（２７）と、前面（２８）と、前面から後方に延びる
頂壁と、そしてこの頂壁とソールとの間に広がる側壁と
を有する金属製薄壁の本体（２６）からなるウッド型ゴ
ルフクラブヘッドであって、ソール（２７）には、窪み
（４１）が形成され、その窪み（４１）内には緩衝材料
の挿入体が配置されていることを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、ゴルフクラブヘッド、特に衝撃と音を吸収緩衝するための多材料 を持ったソールプレートを有するゴルフクラブヘッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ウッド型ゴルフクラブヘッドは、金属や、例えば黒鉛繊維や樹脂等の複合材料 の様な非木製材料から造られるのが増えている。ウッド型クラブヘッドは、クラ ブヘッドが木で造られていなくても、ドライバー、２番ウッド、３番ウッド等の 様に一般的に言われるものである。

【０００３】 金属のウッド型クラブヘッドはインベストメント鋳造によって一般的に造られ る。ヘッドは２つの部分、中空のシェル、すなわち本体とソールプレートに普通 鋳造される。シェル、すなわち本体は開口している底部、すなわちソールを除い たクラブヘッドの外面を構成しているので、型の内部を形成する材料は本体が鋳 造された後に除去できる。ソールプレートはシェルの開口内に設けられ、中空の クラブヘッドを形成するよう溶接による等してシェルに適宜に固着される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

中空のクラブヘッドは、例えばポリウレタン等の様な発泡合成樹脂で充填する ことが出来る。液体発泡樹脂はクラブのシャフトのための開口を介してクラブヘ ッド内に注入されて、クラブヘッドの中空内部を充填するよう発泡材料は膨張し て固化する。ヘッド内部に充填する主な理由は、中空の金属ウッド、所謂メタル ウッドがゴルフボールを打つ時に生じる衝撃の不都合な鳴り響く音を減衰するこ とにある。併し、金属のクラブヘッドが発泡プラスチックで充填されても、メタ ルウッド、特にドライバーは衝撃における不都合な鳴り響く音またはピューと鳴 る音をまだ生じる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、多材料の減衰緩衝する概念と関連した金属ウッドのための特異な ソールプレートを教えるものである。ソールプレートは、緩衝材料が設けられて カバーによって閉鎖される窪みが設けられる。緩衝材料とカバーは、衝撃と衝撃 の音を分散するよう作用する衝撃緩衝体として作用し、これによってクラブの音 と感触を改良する。

【０００６】 この考案は、添付図面に示される図示の実施例に関連して以下に詳細に説明さ れよう。

【０００７】

【考案の実施の形態】

図１乃至図３を参照するに、金属のウッド型クラブヘッド２５は本体２６と、 クラブヘッド２５の底部を形成するソールプレート２７とを有している。図示さ れる特別なクラブヘッド２５はドライバーであるが、この発明は他の型のクラブ ヘッドにも使用出来るものである。

【０００８】 本体２６は、例えばステンレス鋼の様な通常の金属から一般的な方法でインベ ストメント鋳造される。本体２６は、ゴルフボールを打つ前面２８と、前面２８ から後方に延びる頂壁２９と、頂壁２９から下方に且つ前面２８から後方に延び る側壁３０とを有する。底部リム３１は側壁３０から内方に延びていて、ほゞ円 形の縁部３２に終わっている。前面２８には通常の溝３３が鋳造されている。管 状のホーゼル、すなわちネック部３４が本体２６のヒール部３５から上方に角度 をもって延びている。

【０００９】 前面２８の厚さは一般的に約２.７９〜３.２５mm（０.１１０〜０.１３０イン チ）の間で、中空のクラブヘッド２５の残りの部分の厚さは、ホーゼル、すなわ ちネック部３４がヒール部３５と接合されて別の金属で補強できる場所を除いて 一般的に約０.６３５〜１.０２mm（０.０２５〜０.０４０インチ）である。

【００１０】 ソールプレート２７は、本体２６の底部リム３１の縁部３２によって形成され る開口に適合する寸法を成している。ソールプレート２７は、ソールプレート２ ７の縁部と底部リム３１の縁部３２との間の縁溶接部３６（図３）によって本体 ２６に固着されている。溶接部は後で研磨されて、ソールプレート２７と本体２ ６との間に滑らかな目につかない接合となっている。

【００１１】 ソールプレート２７は、トー部３９とヒール部４０を含むほゞ平らな主部分３ ８を有する。上方に延びる窪み４１がソールプレート２７の後中央部に形成され ている。特に図示される実施例では、窪み４１は大体矩形で、上方、すなわち本 体２６の頂壁２９に向かって延びるほゞ矩形の側壁４２と頂壁４３とによって形 成されている。側壁４２は前部４２ａとトー部４２ｂとヒール部４２ｃと後部４ ２ｄを有すしている。頂壁４３はソールプレート２７の主部分３８に対してほゞ 平行に延びている。頂壁４３の中央から下方に管状突部４４が延びている。

【００１２】 また、ソールプレート２７もステンレス鋼からインベストメント鋳造すること が出来、主部分３８と窪み用側壁４２と窪み用頂壁４３と突部４４が一体的に形 成される。主部分３８と窪み用側壁４２および頂壁４３の厚さは約１.１４〜１. ４０mm（０.０４５〜０.０５５インチ）とすることが出来る。また、図示の特別 なソールプレート２７は、クラブヘッド２５の前面２８から後方に延びる一対の 下方に突出したほゞ平行なレール４５、４６を有している（図１）。また、ソー ルプレート２７はレール無しで鋳造することが出来る。

【００１３】 ソールプレート２７が本体２６に取付けられた後に、クラブヘッド２５の内部 は発泡プラスチック４８で充填される（図３）。通常の液体発泡材料がホーゼル 、すなわちネック部３４を通してクラブヘッド２５の内部に注入される。液体発 泡材料は発泡してクラブヘッド２５の内部を充填するよう膨張し、次いで硬化し て固化する。

【００１４】 図４乃至図６を参照するに、窪み４１に嵌合するような寸法に緩衝挿入体５１ が造られる。緩衝挿入体５１は、例えばショアーＡおよび小ショアーＢスケール の範囲内のショアー硬度を有した柔らかさで、半ゲル状のポリウレタン、エチレ ン酢酸ビニール、他の熱可塑性材料等の、衝撃と音を減衰する材料から造られる 。また、合成ゴムとシリコンが使用される。基本的基準は、材料が柔らかで減衰 特性を有することが必要とされることである。

【００１５】 緩衝挿入体５１は平らな頂面５２と、平らな底部リム５３と、底部リム５３の 下に延びる矩形突部５４とを有している。側壁５５は窪み４１の側壁４２の内側 に嵌合するよう形成されている。中央開口５６が緩衝挿入体５１を貫通して延び ているので、緩衝挿入体５１を窪み４１内の管状突部４４に嵌め込むことが出来 る。

【００１６】 図７乃至図９を参照するに、窪み４１内の緩衝挿入体５１の下に嵌め込む様な 大きさにカバー５８が造られる。カバー５８は、２０％のガラスの入った“レキ サン（Ｌｅｘａｎ）”（商品名）の様な硬質プラスチック材料から好適に造られ る。他の適宜な材料にはブチレンや、ガラスまたは黒鉛の入ったＡＢＳ樹脂があ る。軽量な材料が所望されるが、カバー５８は軽量または重い金属から造ること が出来る。カバー５８は平らな底面５９と、頂壁６０と、緩衝挿入体５１の突部 ５４に適合する形状と大きさに造られた頂壁６０の窪み６１とを有している。側 壁６２は窪み４１の側壁４２の内側に嵌合するよう形成されている。円柱６３が カバー５８の中央部から上方に延びており、窪み４１内の管状突部４４に差し込 む様な大きさに造られている。

【００１７】 図１０乃至図１２に示される様に、緩衝挿入体５１が窪み４１内に差し込れる ので、管状突部４４は緩衝挿入体５１の中央開口５６を通って延びる。もし、必 要ならば、緩衝挿入体５１は、例えばエポキシ接着剤の様な接着剤によって窪み ４１の１つ以上の側壁４２に固着できる。次いで、管状突部４４に円柱６３を嵌 め込むことによって緩衝挿入体５１の下にて窪み４１内にカバー５８が配置され る。円柱６３は管状突部４４と摩擦嵌合する様な大きさに造られており、カバー ５８をエポキシ接着剤によって固着できる。カバー５８が窪み４１内に配置され た時に、底面５９はソールプレート２７の主部分３８の底面と大体同じ面上に位 置するよう成る。

【００１８】 ホーゼル、すなわちネック部材３４に通常のシャフトを差し込んでクラブヘッ ド２５にシャフトを固着することによってクラブが完成される。

【００１９】 この考案の１つの特別な実施例において、緩衝挿入体５１の長さは２８.５８m m（１.１２５インチ）で、幅が１５.８８mm（０.６２５インチ）で、頂壁５２と 底部リム５３の間の厚さが６.３４mm（０.２４９５インチ）で、突部５４の厚さ が１.５９mm（０.０６２５インチ）である。また、突部５４の長さと幅は夫々２ ３.８３mm（０.９３８インチ）、１２.７mm（０.５００インチ）である。カバー ５８の長さと幅、カバー５８の窪み６１の長さと幅は緩衝挿入体５１と矩形突部 ５４の長さと幅に夫々対応している。底面５９と頂部リム６０の間のカバー５８ の厚さは３.１８mm（０.１２５インチ）である。円柱６３の直径は６.３５mm（ ０.１２５インチ）である。

【００２０】 変更されたソールプレート６６が図１３乃至図２１に示されている。窪み６７ は、ソールプレート６６の全前後寸法に亙って大体横切るよう延びており、側壁 ６８と頂壁６９とによって区画されている。一対の管状突部７０、７１が頂壁６ ９から下方に延びている。ポリウレタンの挿入体７２は窪み６７内に挿入される 大きさに形成され、管状突部７０、７１のための２つの開口７３、７４が設けら れている。プラスチックのカバー７５は平らな底板７６と、管状突部７０、７１ 内に挿入される大きさに形成された一対の円柱７７、７８とを有している。図２ ０、２１は組合わせられたソールプレート６６を示している。

【００２１】 硬質プラスチックのカバー５８、７５は、摩耗に対して挿入体５１、７２を保 護するだけでなく、多材料緩衝体を形成するように、カバー５８、７５が挿入体 ５１、７２と協同する。挿入体５１、７２とカバー５８、７５は、個別でも或は 組合わせても、クラブヘッドがゴルフボールを打つ時に衝突時の衝撃と音を吸収 緩和する。衝突時の音と感触は、挿入体とカバーが無いソールプレートに比較し て両者とも改善される。

【００２２】 図２２は、管状突部４４を有していないことを除いて、図１０のソールプレー トと同様なソールプレート８０を示している。緩衝挿入体５１は窪み８１内に挿 入され、円柱６３を有したカバー５８は緩衝挿入体５１の上に置かれる。緩衝挿 入体５１とカバー５８はソールプレート８０に接着して固着することが出来る。

【００２３】 図２３は、図２２の実施例の変形例を示している。緩衝挿入体８２は、中央開 口５６を有しないことを除いて、緩衝挿入体５１と同様である。カバー８３は、 円柱６３が無いことを除いて、カバー５８と同じである。緩衝挿入体８２はソー ルプレート８０の窪み８１内に接着して固着され、カバー８３が緩衝挿入体８２ に接着して固着される。

【００２４】 図２４は、この考案の更に別の実施例を示している。ソールプレート２７とカ バー５８は図１０のソールプレート２７とカバー５８と同じである。一対の緩衝 挿入体８４、８５が窪み４１内に且つ管状突部４４の上に挿入され、重い金属の ウエハー８６が緩衝挿入体８４、８５の間に挟持される。金属ウエハー８６は下 の緩衝挿入体８４の窪み８７内に挿入され、上の緩衝挿入体８５上の突部８８が ウエハー８６と当接する。

【００２５】 金属クラブヘッドと関連して緩衝挿入体と窪みが説明されたが、この発明は複 合材料の様な他の材料から造られたクラブヘッドにも使用できる。複合材料は黒 鉛の繊維、ケブラー等を樹脂母体中に有する。

【００２６】 以上の説明において、この考案の特別な実施例の詳細な説明は図示のために説 明されたもので、この考案の精神と範囲を逸脱することなくこゝに記載された多 くの細部が当業者によって変更出来ることが理解されよう。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に従った多材料緩衝体が設けられたソ
ールプレートを有するクラブヘッドの前面図である。

【図２】クラブヘッドの底面概要図である。

【図３】図２の３ー３線に沿った断面概要図である。

【図４】緩衝挿入体の平面図である。

【図５】緩衝挿入体の側面図である。

【図６】緩衝挿入体の端面図である。

【図７】カバーの底面図である。

【図８】カバーの側面図である。

【図９】カバーの端面図である。

【図１０】ソールプレートと緩衝挿入体とカバーの分解
断面図である。

【図１１】組合わせたソールプレートの底面概要図であ
る。

【図１２】組合わせたソールプレートと緩衝挿入体とカ
バーの断面図である。

【図１３】変形されたソールプレートを示す図２と同様
な図である。

【図１４】図１３の１４ー１４線に沿った断面概要図で
ある。

【図１５】図１３のソールプレートのための緩衝挿入体
の底面図である。

【図１６】緩衝挿入体の側面図である。

【図１７】図１３のソールプレートのためのカバーの底
面図である。

【図１８】カバーの側面図である。

【図１９】カバーの端面図である。

【図２０】組合わせたソールプレートと緩衝挿入体とカ
バーを示す図１３と同様な図である。

【図２１】図２０の２１ー２１線に沿った断面概要図で
ある。

【図２２】ソールプレートの変形実施例の分解断面図で
ある。

【図２３】ソールプレートの別の変形実施例の分解断面
図である。

【図２４】ソールプレートの更に他の変形実施例の分解
断面図である。

【符号の説明】

２５ クラブヘッド ２６ 本体 ２７ ソールプレート ２８ 前面 ２９ 頂壁 ３０ 側壁 ３１ 底部リム ３２ 縁部 ３３ 溝 ３４ ネック部 ３５ ヒール部 ３８ 主部分 ３９ トー部 ４０ ヒール部 ４１ 窪み ４２ 窪み壁 ４３ 窪み壁 ４４ 管状突部 ４５ レール ４６ レール ５１ 緩衝挿入体 ５２ 頂面 ５３ 底部リム ５４ 突部 ５６ 開口 ５８ カバー ５９ 底面 ６０ 頂面 ６１ 窪み ６３ 円柱 ６６ ソールプレート ６７ 窪み ６８ 側壁 ６９ 頂壁 ７０ 管状突部 ７１ 管状突部 ７３ 開口 ７４ 開口 ７５ カバー ７６ 底板 ７７ 円柱 ７８ 円柱 ８０ ソールプレート ８２ 緩衝挿入体 ８３ カバー ８４ 挿入体 ８５ 挿入体 ８６ ウエハー ８７ 窪み ８８ 突部

Claims (18)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ソールと、前面と、前面から後方に延び
   る頂壁と、そしてこの頂壁とソールとの間に広がる側壁
   とを有する金属製薄壁の本体からなるウッド型ゴルフク
   ラブヘッドであって、ソールには窪みが形成され、その
   窪み内には緩衝材料の挿入体が配置されているところの
   ウッド型ゴルフクラブヘッド。
2. 【請求項２】 窪み内の挿入体の下に広がるカバーを有
   する請求項１記載のゴルフクラブヘッド。
3. 【請求項３】 挿入体がポリウレタンから造られている
   請求項２記載のゴルフクラブヘッド。
4. 【請求項４】 カバーがプラスチックにより形成されて
   いる請求項３記載のゴルフクラブヘッド。
5. 【請求項５】 挿入体がエチレン酢酸ビニールから造ら
   れている請求項２記載のゴルフクラブヘッド。
6. 【請求項６】 カバーがプラスチックにより形成されて
   いる請求項５記載のゴルフクラブヘッド。
7. 【請求項７】 挿入体が、ポリウレタン、エチレン酢酸
   ビニール、ゴムおよびシリコンから成る緩衝材料の群よ
   り選ばれた材料から造られている請求項１記載のゴルフ
   クラブヘッド。
8. 【請求項８】 窪みが頂壁に向かって上方に広がってい
   る請求項１記載のゴルフクラブヘッド。
9. 【請求項９】 窪みが、ソールから上方に延びる側壁と
   頂壁とによって形成されている請求項１記載のゴルフク
   ラブヘッド。
10. 【請求項１０】 窪みの側壁と頂壁がソールと一体的に
    形成されている請求項９記載のゴルフクラブヘッド。
11. 【請求項１１】 ソールプレートからなるソールと、前
    面と、この前面から後方に延びる頂壁と、そしてこの頂
    壁とソールとの間に広がる側壁とを有する金属製薄壁の
    本体からなるウッド型ゴルフクラブヘッドであって、ソ
    ールプレートは、一片の金属にインベスト鋳造され、ソ
    ール部分から上方に延びる側壁と頂壁とによって窪みが
    形成され、その窪み内には緩衝材料の挿入体が配置され
    ているところのウッド型ゴルフクラブヘッド。
12. 【請求項１２】 挿入体が、ポリウレタン、エチレン酢
    酸ビニール、ゴムおよびシリコンから成る緩衝材料の群
    より選ばれた材料から造られている請求項１１記載のゴ
    ルフクラブヘッド。
13. 【請求項１３】 カバーが窪みにおいて挿入体の下に配
    置されている請求項１１記載のゴルフクラブヘッド。
14. 【請求項１４】 窪みの頂壁から下方に延び、挿入体が
    取り囲んでいる突部と、挿入体の下で突部に取付けられ
    たカバーとを備えている請求項９記載のゴルフクラブヘ
    ッド。
15. 【請求項１５】 突部が管状をなし、カバーが管状の突
    部内に延びる円柱を有している請求項１４記載のゴルフ
    クラブヘッド。
16. 【請求項１６】 カバーがプラスチックにより形成され
    ている請求項１３記載のゴルフクラブヘッド。
17. 【請求項１７】 挿入体の下に配置された金属ウエハ
    ー、この金属ウエハーの下に配置された緩衝材料の別の
    挿入体を備えている請求項１記載のゴルフクラブヘッ
    ド。
18. 【請求項１８】 別の挿入体の下に広がっているカバー
    を備えている請求項１７記載のゴルフクラブヘッド。