JPH0935651A - イオン源 - Google Patents
イオン源Info
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- JPH0935651A JPH0935651A JP7207763A JP20776395A JPH0935651A JP H0935651 A JPH0935651 A JP H0935651A JP 7207763 A JP7207763 A JP 7207763A JP 20776395 A JP20776395 A JP 20776395A JP H0935651 A JPH0935651 A JP H0935651A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 マイクロ波イオン源、ECRイオン源におい
て、マイクロ波による原料ガスの励起効率を高め高密度
プラズマを生成する事。 【構成】 マイクロ波を前端まで伝搬させることのでき
る広い容積を持つ金属製のチャンバの内壁面に、厚肉の
筒状誘電体を挿入する。プラズマは誘電体内部空間に限
定され、マイクロ波は金属チャンバの全体に分布できる
ようにした。
て、マイクロ波による原料ガスの励起効率を高め高密度
プラズマを生成する事。 【構成】 マイクロ波を前端まで伝搬させることのでき
る広い容積を持つ金属製のチャンバの内壁面に、厚肉の
筒状誘電体を挿入する。プラズマは誘電体内部空間に限
定され、マイクロ波は金属チャンバの全体に分布できる
ようにした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、マイクロ波イオ
ン源又はECR型イオン源のプラズマ生成部の構造に関
する。マイクロ波イオン源、ECRイオン源は、例えば
イオン注入装置などに搭載され所望のイオンビームを発
生する。マグネトロンから発生したマイクロ波を導波管
を通してチャンバに誘導し、誘電体の窓を通してチャン
バ内部に導入し、ここでプラズマを発生させる。マイク
ロ波のモードは、チャンバの寸法形状によって決定され
る。マイクロ波イオン源というのは、金属チャンバにマ
イクロ波を導入し原料ガスを励起しプラズマにするもの
である。ECRイオン源というのは、これに縦磁場を加
えマイクロ波エネルギーを共鳴吸収させるものである。
本発明はマイクロ波を励起源とするイオン源に適用でき
る。
ン源又はECR型イオン源のプラズマ生成部の構造に関
する。マイクロ波イオン源、ECRイオン源は、例えば
イオン注入装置などに搭載され所望のイオンビームを発
生する。マグネトロンから発生したマイクロ波を導波管
を通してチャンバに誘導し、誘電体の窓を通してチャン
バ内部に導入し、ここでプラズマを発生させる。マイク
ロ波のモードは、チャンバの寸法形状によって決定され
る。マイクロ波イオン源というのは、金属チャンバにマ
イクロ波を導入し原料ガスを励起しプラズマにするもの
である。ECRイオン源というのは、これに縦磁場を加
えマイクロ波エネルギーを共鳴吸収させるものである。
本発明はマイクロ波を励起源とするイオン源に適用でき
る。
【0002】
【従来の技術】図1によって従来例に係るイオン源の構
造を説明する。円筒状のチャンバ1は、金属の外壁をも
つ。単に外壁だけの場合もある。この場合は、金属壁が
内部空間に露呈する。しかし金属の壁の部分に誘電体内
張り2があることもある。プラズマが金属部分をスパッ
タしそれが誘電体窓に付着するのを防ぐ為である。
造を説明する。円筒状のチャンバ1は、金属の外壁をも
つ。単に外壁だけの場合もある。この場合は、金属壁が
内部空間に露呈する。しかし金属の壁の部分に誘電体内
張り2があることもある。プラズマが金属部分をスパッ
タしそれが誘電体窓に付着するのを防ぐ為である。
【0003】マグネトロン(図示せず)から発生したマ
イクロ波が導波管5の内部を伝搬する。マイクロ波は誘
電体窓6を通りイオン源チャンバ1の内部に入る。チャ
ンバ1には、適当なガス導入口から原料ガスが導入され
る。マイクロ波はチャンバの内部で原料ガスを励起しプ
ラズマとする。
イクロ波が導波管5の内部を伝搬する。マイクロ波は誘
電体窓6を通りイオン源チャンバ1の内部に入る。チャ
ンバ1には、適当なガス導入口から原料ガスが導入され
る。マイクロ波はチャンバの内部で原料ガスを励起しプ
ラズマとする。
【0004】チャンバは導体であるからマイクロ波のモ
ードがチャンバの形状や寸法によって決まる。マイクロ
波イオン源の場合は、外壁に沿って永久磁石が設けら
れ、これがカスプ磁場を発生するようになっているもの
もある。カスプ磁場はプラズマをチャンバの中央部に閉
じ込める作用がある。
ードがチャンバの形状や寸法によって決まる。マイクロ
波イオン源の場合は、外壁に沿って永久磁石が設けら
れ、これがカスプ磁場を発生するようになっているもの
もある。カスプ磁場はプラズマをチャンバの中央部に閉
じ込める作用がある。
【0005】ECRイオン源の場合は、さらにチャンバ
1の外側に、電磁石3或いは永久磁石が縦磁場を発生す
るために設けられる。これは軸方向の磁界を発生し、マ
イクロ波に共鳴した電子サイクロトロン運動を起こさせ
る。マイクロ波の周波数を2.45GHzとし磁場強度
を875ガウスにすることにより、電子のサイクロトロ
ン運動の周波数とマイクロ波周波数が合致し、電子がマ
イクロ波からエネルギーを吸収しやすくなる。
1の外側に、電磁石3或いは永久磁石が縦磁場を発生す
るために設けられる。これは軸方向の磁界を発生し、マ
イクロ波に共鳴した電子サイクロトロン運動を起こさせ
る。マイクロ波の周波数を2.45GHzとし磁場強度
を875ガウスにすることにより、電子のサイクロトロ
ン運動の周波数とマイクロ波周波数が合致し、電子がマ
イクロ波からエネルギーを吸収しやすくなる。
【0006】マイクロ波のモード、分布は周りの金属の
寸法による。マイクロ波の周波数が同一であれば、チャ
ンバの寸法が大きい方が多くのモードが立つ。多モード
の方が良いという場合はチャンバの長さL、直径Dを大
きくするべきである。チャンバサイズを小さくすると存
在し得るマイクロ波モードが減る。ある寸法うになると
唯一つのモードしか存在できないようになる。これがシ
ングルモードのマイクロ波である。さらに寸法が小さい
と一つのモードも存在できないようになる。これは周波
数を一定とした場合である。
寸法による。マイクロ波の周波数が同一であれば、チャ
ンバの寸法が大きい方が多くのモードが立つ。多モード
の方が良いという場合はチャンバの長さL、直径Dを大
きくするべきである。チャンバサイズを小さくすると存
在し得るマイクロ波モードが減る。ある寸法うになると
唯一つのモードしか存在できないようになる。これがシ
ングルモードのマイクロ波である。さらに寸法が小さい
と一つのモードも存在できないようになる。これは周波
数を一定とした場合である。
【0007】チャンバのサイズを決めた場合、この寸法
のチャンバに対してシングルモードが立ち得る最大のマ
イクロ波の波長を遮断周波数という。それ以上の周波数
のマイクロ波は最早このチャンバの中には存在できな
い。チャンバの長さL、チャンバの直径Dは所望のマイ
クロ波モードを実現するように適当に決定される。
のチャンバに対してシングルモードが立ち得る最大のマ
イクロ波の波長を遮断周波数という。それ以上の周波数
のマイクロ波は最早このチャンバの中には存在できな
い。チャンバの長さL、チャンバの直径Dは所望のマイ
クロ波モードを実現するように適当に決定される。
【0008】図1において、チャンバの内面を厚み2ミ
リ程度の誘電体2によって内張りしている。誘電体内張
り2は高熱に耐えてしかも熱伝導の良い材料を選ぶべき
である。壁面に被覆する事もある。円筒形の誘電体をチ
ャンバ内壁近くに挿入することもある。誘電体がない
と、プラズマが金属壁に衝突し金属原子をスパッタす
る。するとスパッタ粒子が誘電体窓を汚染する恐れがあ
る。金属膜が窓を覆うとマイクロ波が内部に入らなくな
る。このような事を防ぐためにチャンバの内壁を誘電体
によって覆うのである。
リ程度の誘電体2によって内張りしている。誘電体内張
り2は高熱に耐えてしかも熱伝導の良い材料を選ぶべき
である。壁面に被覆する事もある。円筒形の誘電体をチ
ャンバ内壁近くに挿入することもある。誘電体がない
と、プラズマが金属壁に衝突し金属原子をスパッタす
る。するとスパッタ粒子が誘電体窓を汚染する恐れがあ
る。金属膜が窓を覆うとマイクロ波が内部に入らなくな
る。このような事を防ぐためにチャンバの内壁を誘電体
によって覆うのである。
【0009】図1の例は比較的広いチャンバ容積をもつ
ので、マイクロ波が入りやすく多モードが存在できる。
しかしプラズマ密度が低い。チャンバの全体にプラズマ
が広がり、単位体積あたりのマイクロ波投入パワーが小
さいからである。プラズマ密度が低いと誘電率も低くな
り、マイクロ波が伝搬しにくくなる傾向がある。プラズ
マ密度が低いと原料ガスの励起効率が低く、得られるイ
オンビ−ムの密度も低い。
ので、マイクロ波が入りやすく多モードが存在できる。
しかしプラズマ密度が低い。チャンバの全体にプラズマ
が広がり、単位体積あたりのマイクロ波投入パワーが小
さいからである。プラズマ密度が低いと誘電率も低くな
り、マイクロ波が伝搬しにくくなる傾向がある。プラズ
マ密度が低いと原料ガスの励起効率が低く、得られるイ
オンビ−ムの密度も低い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】高密度のプラズマを得
たいという要求がある。図1の装置ではガスの広がる領
域が広いためにマイクロ波エネルギーが分散し、ある程
度以上にプラズマ密度を高めることができない。さらに
プラズマ密度を高めるためにはプラズマの広がる空間を
限定すれば良いように思える。
たいという要求がある。図1の装置ではガスの広がる領
域が広いためにマイクロ波エネルギーが分散し、ある程
度以上にプラズマ密度を高めることができない。さらに
プラズマ密度を高めるためにはプラズマの広がる空間を
限定すれば良いように思える。
【0011】図2は他の従来例を示す。これは導波管と
同じ直径のチャンバを採用している。このようなイオン
源を作るのは小型のイオン源としたいからである。狭い
空間に強いマイクロ波を導入する事によって高い密度の
プラズマが生成できるように思える。ところがそうでな
い。マイクロ波のパワーを上げてもマイクロ波がチャン
バの内部に入って行かないのである。
同じ直径のチャンバを採用している。このようなイオン
源を作るのは小型のイオン源としたいからである。狭い
空間に強いマイクロ波を導入する事によって高い密度の
プラズマが生成できるように思える。ところがそうでな
い。マイクロ波のパワーを上げてもマイクロ波がチャン
バの内部に入って行かないのである。
【0012】図2に示すように、初めの数波長分が入っ
ても途中で減衰してしまう。チャンバが狭くてマイクロ
波エネルギーがチャンバの壁に吸収され、その波長のマ
イクロ波はチャンバの端まで透過できない。原料ガスは
マイクロ波によって加速された電子により高いエネルギ
ー状態に励起される。マイクロ波の到達しないチャンバ
の先端領域に於いては原料ガスが励起されなくなる。
ても途中で減衰してしまう。チャンバが狭くてマイクロ
波エネルギーがチャンバの壁に吸収され、その波長のマ
イクロ波はチャンバの端まで透過できない。原料ガスは
マイクロ波によって加速された電子により高いエネルギ
ー状態に励起される。マイクロ波の到達しないチャンバ
の先端領域に於いては原料ガスが励起されなくなる。
【0013】マグネトロンから発生したマイクロ波が強
くてもチャンバ内部での減衰によって十分にチャンバの
中へ入って行かない。マイクロ波が入り難いのでプラズ
マが立ち難い。つまりプラズマが点灯し難い。これが第
1の欠点である。特にガス圧が低いとプラズマの点灯が
より困難になる。
くてもチャンバ内部での減衰によって十分にチャンバの
中へ入って行かない。マイクロ波が入り難いのでプラズ
マが立ち難い。つまりプラズマが点灯し難い。これが第
1の欠点である。特にガス圧が低いとプラズマの点灯が
より困難になる。
【0014】もっとも、一部のマイクロ波パワーがチャ
ンバに入るとプラズマが発生するので、誘電率が上がり
マイクロ波がより通り易くなる。為にチャンバの窓近く
でプラズマが点灯する事もある。しかしプラズマ密度が
低いのでプラズマが安定しにくい。これが第2の欠点で
ある。またガス圧が低い場合、不安定性がより顕著にな
る。これが第3の欠点である。プラズマ密度が低いので
プラズマの閉じ込め時間を長くできない。これが第4の
欠点である。
ンバに入るとプラズマが発生するので、誘電率が上がり
マイクロ波がより通り易くなる。為にチャンバの窓近く
でプラズマが点灯する事もある。しかしプラズマ密度が
低いのでプラズマが安定しにくい。これが第2の欠点で
ある。またガス圧が低い場合、不安定性がより顕著にな
る。これが第3の欠点である。プラズマ密度が低いので
プラズマの閉じ込め時間を長くできない。これが第4の
欠点である。
【0015】チャンバ自体の寸法が小さい場合はこのよ
うな問題がある。チャンバ自体を狭くしただけでは狭い
領域にマイクロ波を集中し、高密度プラズマを生成する
ことはできない。
うな問題がある。チャンバ自体を狭くしただけでは狭い
領域にマイクロ波を集中し、高密度プラズマを生成する
ことはできない。
【0016】小領域にマイクロ波のパワーを集中させ高
密度プラズマを生成できるようにしたイオン源を提供す
る事が本発明の第1の目的である。プラズマの存在でき
る空間を限定することによりマイクロ波エネルギーを原
料ガスに効率的に与える事のできるイオン源を提供する
事が本発明の第2の目的である。イオンの閉じ込め時間
を長くできるイオン源を提供する事が本発明の第3の目
的である。プラズマ密度が低くても安定に点灯状態を持
続できるイオン源を提供する事が本発明の第4の目的で
ある。マイクロ波がチャンバの全体に伝搬できるように
したイオン源を提供する事が本発明の第5の目的であ
る。
密度プラズマを生成できるようにしたイオン源を提供す
る事が本発明の第1の目的である。プラズマの存在でき
る空間を限定することによりマイクロ波エネルギーを原
料ガスに効率的に与える事のできるイオン源を提供する
事が本発明の第2の目的である。イオンの閉じ込め時間
を長くできるイオン源を提供する事が本発明の第3の目
的である。プラズマ密度が低くても安定に点灯状態を持
続できるイオン源を提供する事が本発明の第4の目的で
ある。マイクロ波がチャンバの全体に伝搬できるように
したイオン源を提供する事が本発明の第5の目的であ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のイオン源は、マ
イクロ波によって原料ガスを励起するイオン源であっ
て、マイクロ波を発生するマイクロ波源と、マイクロ波
が全体にわったって伝搬する寸法を持ち、マイクロ波と
原料ガスとを導入しマイクロ波エネルギーによって原料
ガスを励起する空間である金属製のチャンバと、チャン
バの内壁に沿って設けられる十分な厚みを持つ筒状誘電
体とを含み、プラズマは誘電体の内部に局在しマイクロ
波は金属チャンバの全体に広がるようにしている。
イクロ波によって原料ガスを励起するイオン源であっ
て、マイクロ波を発生するマイクロ波源と、マイクロ波
が全体にわったって伝搬する寸法を持ち、マイクロ波と
原料ガスとを導入しマイクロ波エネルギーによって原料
ガスを励起する空間である金属製のチャンバと、チャン
バの内壁に沿って設けられる十分な厚みを持つ筒状誘電
体とを含み、プラズマは誘電体の内部に局在しマイクロ
波は金属チャンバの全体に広がるようにしている。
【0018】マイクロ波は金属壁において、境界条件が
与えられる。低次モードから高次モードまで境界条件を
満たす様々のモードが存在し得る。マイクロ波は物理的
に容積を占める実在ではないので誘電体によって排除さ
れない。誘電体の内部にもマイクロ波が存在する。従っ
て金属チャンバの全体にマイクロ波が広がる。
与えられる。低次モードから高次モードまで境界条件を
満たす様々のモードが存在し得る。マイクロ波は物理的
に容積を占める実在ではないので誘電体によって排除さ
れない。誘電体の内部にもマイクロ波が存在する。従っ
て金属チャンバの全体にマイクロ波が広がる。
【0019】金属チャンバが十分な直径Dを持てば、窓
から入射したマイクロ波はチャンバの反対側の端まで伝
搬することができる。チャンバ金属壁によって限定され
る空間において、少なくとも最低次モードが存在するよ
うにチャンバの寸法を決定する。
から入射したマイクロ波はチャンバの反対側の端まで伝
搬することができる。チャンバ金属壁によって限定され
る空間において、少なくとも最低次モードが存在するよ
うにチャンバの寸法を決定する。
【0020】一方、原料ガスやプラズマは誘電体の内部
空間にしか存在できない。マイクロ波のエネルギーは金
属チャンバの全体に広がり、原料ガスは狭く局在してい
るので単位の原料ガス当たりのマイクロ波パワーが大き
くなる。従ってマイクロ波による原料ガスの励起がより
盛んに行われる。
空間にしか存在できない。マイクロ波のエネルギーは金
属チャンバの全体に広がり、原料ガスは狭く局在してい
るので単位の原料ガス当たりのマイクロ波パワーが大き
くなる。従ってマイクロ波による原料ガスの励起がより
盛んに行われる。
【0021】
【発明の実施の形態】図3は本発明の実施例に係るEC
Rイオン源の断面図である。チャンバ1は円筒状の真空
に引く事のできる空間である。チャンバの外側には、電
磁石3が設置される。これはチャンバの内部に縦磁場を
発生させるものである。軸方向に磁場をかけるのは、電
子をサイクロトロン運動させマイクロ波を共鳴吸収させ
るためである。マグネトロン(図示しない)から発生し
たマイクロ波は導波管5を通り、誘電体窓6からチャン
バ1の内部に入る。
Rイオン源の断面図である。チャンバ1は円筒状の真空
に引く事のできる空間である。チャンバの外側には、電
磁石3が設置される。これはチャンバの内部に縦磁場を
発生させるものである。軸方向に磁場をかけるのは、電
子をサイクロトロン運動させマイクロ波を共鳴吸収させ
るためである。マグネトロン(図示しない)から発生し
たマイクロ波は導波管5を通り、誘電体窓6からチャン
バ1の内部に入る。
【0022】チャンバ1は、前端にイオンビ−ム出口7
を有する。ここからプラズマ中のイオンがビームになっ
て取り出される。実際には出口7にビームを引き出すた
めの2枚、3枚又は4枚の有孔電極がある。これは簡単
の為に図示しない。チャンバ1は円筒状の側壁10と端
壁9、前壁11よりなる。側壁10の内周には、肉厚の
円筒形誘電体12が設置されている。誘電体12はチャ
ンバ内壁に隙間なく充填されている。これは耐熱性のあ
る比誘電率の大きい材料が適する。例えばBN、アルミ
ナなどのセラミックが良い。
を有する。ここからプラズマ中のイオンがビームになっ
て取り出される。実際には出口7にビームを引き出すた
めの2枚、3枚又は4枚の有孔電極がある。これは簡単
の為に図示しない。チャンバ1は円筒状の側壁10と端
壁9、前壁11よりなる。側壁10の内周には、肉厚の
円筒形誘電体12が設置されている。誘電体12はチャ
ンバ内壁に隙間なく充填されている。これは耐熱性のあ
る比誘電率の大きい材料が適する。例えばBN、アルミ
ナなどのセラミックが良い。
【0023】金属チャンバの内径をDとする。誘電体の
内径をdとする。誘電体の厚みTは、T=(D−d)/
2である。チャンバの寸法によってこれを通るマイクロ
波の遮断波長が決まる。内径Dを十分に大きい値にする
と、マイクロ波はチャンバを通過できる。最低次モード
だけでなく、より高次モードも伝搬できるようになる。
マイクロ波は誘電体の内部をも自在に透過する。
内径をdとする。誘電体の厚みTは、T=(D−d)/
2である。チャンバの寸法によってこれを通るマイクロ
波の遮断波長が決まる。内径Dを十分に大きい値にする
と、マイクロ波はチャンバを通過できる。最低次モード
だけでなく、より高次モードも伝搬できるようになる。
マイクロ波は誘電体の内部をも自在に透過する。
【0024】原料ガスやプラズマはそうでない。これら
は気体であるから誘電体の内部には進入できない。原料
ガスやプラズマは物理的実在であるから、誘電体内周1
3の内部空間に限定される。この内部空間は誘電体の内
径をdとし、長さをLとして容積はπLd2 となる。内
側にある誘電体を肉厚にしているから、金属チャンバが
広くてもプラズマが存在できる空間は狭い。従って、プ
ラズマ、原料ガスは中心軸線の近傍に局在する。
は気体であるから誘電体の内部には進入できない。原料
ガスやプラズマは物理的実在であるから、誘電体内周1
3の内部空間に限定される。この内部空間は誘電体の内
径をdとし、長さをLとして容積はπLd2 となる。内
側にある誘電体を肉厚にしているから、金属チャンバが
広くてもプラズマが存在できる空間は狭い。従って、プ
ラズマ、原料ガスは中心軸線の近傍に局在する。
【0025】金属チャンバ1の内径Dが大きいので、マ
イクロ波は窓から前壁11までチャンバ全体を伝搬でき
る。図2のようにマイクロ波が伝搬できず減衰するとい
うことはない。一方、原料ガスは容積の小さい空間にあ
るから、原料ガス単位容積あたりのマイクロ波エネルギ
ーが大きい。ために原料ガスが強く励起される。これは
プラズマ密度を高める効果がある。
イクロ波は窓から前壁11までチャンバ全体を伝搬でき
る。図2のようにマイクロ波が伝搬できず減衰するとい
うことはない。一方、原料ガスは容積の小さい空間にあ
るから、原料ガス単位容積あたりのマイクロ波エネルギ
ーが大きい。ために原料ガスが強く励起される。これは
プラズマ密度を高める効果がある。
【0026】十分なパワーのマイクロ波がイオン源に入
るから、プラズマの点灯がより容易になる。マイクロ波
はチャンバ壁によって吸収されないから、プラズマの点
灯状態が安定に保持される。
るから、プラズマの点灯がより容易になる。マイクロ波
はチャンバ壁によって吸収されないから、プラズマの点
灯状態が安定に保持される。
【0027】マイクロ波がチャンバの全体に伝搬し、軸
線全体に渡って原料ガスを励起する事ができる。マイク
ロ波から原料ガスへのエネルギー変換が広い範囲におい
て行われる。比誘電率の大きい誘電体を挿入するので全
体としての誘電率が高まり、マイクロ波はより伝搬しや
すくなる。
線全体に渡って原料ガスを励起する事ができる。マイク
ロ波から原料ガスへのエネルギー変換が広い範囲におい
て行われる。比誘電率の大きい誘電体を挿入するので全
体としての誘電率が高まり、マイクロ波はより伝搬しや
すくなる。
【0028】従来のマイクロ波イオン源の場合、誘電体
窓の近くで高密度プラズマが一旦できると、これが導体
として働きマイクロ波を反射してしまうので、それより
遠くまでマイクロ波が伝搬しなかった。本発明の場合
は、たとえ窓近くで高密度のプラズマができ導体として
振る舞うとしても、マイクロ波はこれを迂回し、誘電体
の内部を伝搬できる。したがって高密度プラズマがマイ
クロ波の伝搬の妨げにならない。
窓の近くで高密度プラズマが一旦できると、これが導体
として働きマイクロ波を反射してしまうので、それより
遠くまでマイクロ波が伝搬しなかった。本発明の場合
は、たとえ窓近くで高密度のプラズマができ導体として
振る舞うとしても、マイクロ波はこれを迂回し、誘電体
の内部を伝搬できる。したがって高密度プラズマがマイ
クロ波の伝搬の妨げにならない。
【0029】
【発明の効果】広い金属チャンバ内に、肉厚の筒型の誘
電体を挿入したので、誘電体内部の小領域にのみ原料ガ
スが存在する。しかしマイクロ波は金属チャンバの内側
を伝搬できる。マイクロ波と原料ガスの存在範囲を異な
らせたところが本発明の特徴である。金属チャンバは十
分に広いので、マイクロ波は伝搬しやすいし、多モード
を通すこともできる。遮断周波数が低い。マイクロ波は
チャンバの端まで透過することができる。マイクロ波パ
ワーは金属チャンバの全体に分布している。
電体を挿入したので、誘電体内部の小領域にのみ原料ガ
スが存在する。しかしマイクロ波は金属チャンバの内側
を伝搬できる。マイクロ波と原料ガスの存在範囲を異な
らせたところが本発明の特徴である。金属チャンバは十
分に広いので、マイクロ波は伝搬しやすいし、多モード
を通すこともできる。遮断周波数が低い。マイクロ波は
チャンバの端まで透過することができる。マイクロ波パ
ワーは金属チャンバの全体に分布している。
【0030】しかし誘電体の内部にしか原料ガスは存在
しない。原料ガス量に対するマイクロ波のエネルギー量
が大きい。マイクロ波は小領域にそのパワーを集中でき
る。ために原料ガスは強くエネルギーを吸収し高密度プ
ラズマになることができる。電離度が高くなるので、多
価イオンを作り出し易いという利点がある。
しない。原料ガス量に対するマイクロ波のエネルギー量
が大きい。マイクロ波は小領域にそのパワーを集中でき
る。ために原料ガスは強くエネルギーを吸収し高密度プ
ラズマになることができる。電離度が高くなるので、多
価イオンを作り出し易いという利点がある。
【0031】マイクロ波はシングルモードや低次モード
では中央部に高い電圧振幅を持つ。原料ガスは絶縁体に
よって、チャンバの中央部に局在する。最も電圧振幅の
高いところにあるから原料ガスの励起効率が高い。プラ
ズマはチャンバの中心線付近に局在するが、マイクロ波
は金属チャンバの全体に広がる。プラズマの存在する空
間ではなくより広い空間に広がるから、プラズマ密度が
低くてもマイクロ波の伝搬は可能である。
では中央部に高い電圧振幅を持つ。原料ガスは絶縁体に
よって、チャンバの中央部に局在する。最も電圧振幅の
高いところにあるから原料ガスの励起効率が高い。プラ
ズマはチャンバの中心線付近に局在するが、マイクロ波
は金属チャンバの全体に広がる。プラズマの存在する空
間ではなくより広い空間に広がるから、プラズマ密度が
低くてもマイクロ波の伝搬は可能である。
【0032】マイクロ波はチャンバの前端まで到達する
から、ガス圧が低くてもプラズマを安定して点灯させる
ことができる。マイクロ波はチャンバの前端まで到達す
るので、チャンバの中心軸線に沿う全範囲においてガス
が励起される。誘電体窓の近傍に限らないのでマイクロ
波の吸収効率が高い。
から、ガス圧が低くてもプラズマを安定して点灯させる
ことができる。マイクロ波はチャンバの前端まで到達す
るので、チャンバの中心軸線に沿う全範囲においてガス
が励起される。誘電体窓の近傍に限らないのでマイクロ
波の吸収効率が高い。
【図1】従来例に係る広いチャンバを持つECRイオン
源の断面図。
源の断面図。
【図2】従来例に係る狭いチャンバを持つECRイオン
源の断面図。
源の断面図。
【図3】本発明の実施例に係るECRイオン源の断面
図。
図。
1 イオン源チャンバ 2 誘電体内張り 3 電磁石 4 マイクロ波 5 導波管 6 誘電体窓 7 イオンビ−ム出口 9 端壁 10側壁 11前壁 12筒状誘電体 13誘電体内面
Claims (1)
- 【請求項1】 マイクロ波によって原料ガスを励起する
イオン源であって、マイクロ波を発生するマイクロ波源
と、マイクロ波が全体にわったって伝搬する寸法を持ち
マイクロ波と原料ガスとを導入しマイクロ波エネルギー
によって原料ガスを励起する空間である金属製のチャン
バと、チャンバの内壁に沿って設けられる十分な厚みを
持つ筒状誘電体とを含み、原料ガスとプラズマは誘電体
の内部に局在しマイクロ波は金属チャンバの全体に広が
るようにしたことを特徴とするイオン源。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7207763A JPH0935651A (ja) | 1995-07-20 | 1995-07-20 | イオン源 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7207763A JPH0935651A (ja) | 1995-07-20 | 1995-07-20 | イオン源 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0935651A true JPH0935651A (ja) | 1997-02-07 |
Family
ID=16545148
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7207763A Pending JPH0935651A (ja) | 1995-07-20 | 1995-07-20 | イオン源 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0935651A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007500430A (ja) * | 2003-05-23 | 2007-01-11 | アクセリス テクノロジーズ インコーポレーテッド | イオン注入装置およびシステム |
JP2015530694A (ja) * | 2012-07-11 | 2015-10-15 | ユニヴェルシテ ジョセフ フーリエ−グレノーブル アンUniversite Joseph Fourier−Grenoble 1 | プラズマ生成用の表面波アプリケータ |
JP2015230832A (ja) * | 2014-06-05 | 2015-12-21 | 住友重機械工業株式会社 | マイクロ波イオン源およびイオン生成方法 |
-
1995
- 1995-07-20 JP JP7207763A patent/JPH0935651A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007500430A (ja) * | 2003-05-23 | 2007-01-11 | アクセリス テクノロジーズ インコーポレーテッド | イオン注入装置およびシステム |
JP2015530694A (ja) * | 2012-07-11 | 2015-10-15 | ユニヴェルシテ ジョセフ フーリエ−グレノーブル アンUniversite Joseph Fourier−Grenoble 1 | プラズマ生成用の表面波アプリケータ |
JP2015230832A (ja) * | 2014-06-05 | 2015-12-21 | 住友重機械工業株式会社 | マイクロ波イオン源およびイオン生成方法 |
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