JPH0933724A - 反射型偏光子及びそれを用いた分光光度計 - Google Patents

反射型偏光子及びそれを用いた分光光度計

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JPH0933724A
JPH0933724A JP20166095A JP20166095A JPH0933724A JP H0933724 A JPH0933724 A JP H0933724A JP 20166095 A JP20166095 A JP 20166095A JP 20166095 A JP20166095 A JP 20166095A JP H0933724 A JPH0933724 A JP H0933724A
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light
substrate
polarizer
wire grid
spectrophotometer
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JP20166095A
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Takahito Narita
貴人 成田
Tsutomu Inoue
勉 井上
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Original Assignee
Jasco Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を削減できる新たな構成の分光光度
計を提供すること 【解決手段】 入射光(赤外線)を平面鏡20により光
路を変更するとともに、凹面鏡21により集光しつつ試
料22に斜めに照射する。試料から出射された光を凹面
鏡23により平行光束にするとともに光路を変換し、反
射型偏光子24に照射させる。そして、その反射型偏光
子にて反射させて所定方向の直線偏光を出射させるよう
になっている。本発明の反射型偏光子は偏光子と平面鏡
とを一体に構成したため光学部品が1つ削減される。よ
って、部品点数の削減によるコスト低減が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射型偏光子及び
それを用いた分光光度計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】分光光度計は測定方法(原理)や使用波
長等により各種のタイプに分類され、その中の一つとし
て赤外分光光度計がある。係る赤外分光光度計は、定性
分析に使用され、さらに偏光を利用した測定方法は、選
択性があり高感度測定が可能となる。その一例として例
えば図11に示す高感度反射測定装置がある。
【0003】同図に示すように、光源から出射した光
(赤外光)は、多数の反射鏡1でその光路を変換し、試
料2に対し斜めに直線偏光を照射し、そこより反射する
光を受光し測定するようなっている。そして係る光学系
内の所定位置に偏光子3を配置する。
【0004】ところで上記した従来の赤外分光光度計等
の各種光学系に用いられる偏光子は、何十年に渡り透過
型のものを用いている。すなわち、図11に示すよう
に、基板4として対象光を透過させることのできる板材
を用い、その基板表面に偏光部材5を装着する。この偏
光部材としては、所定の異なる屈折率からなる層を多数
積層して多層膜に形成したものがある。そして、赤外分
光光度計に用いられる偏光子の基板4は、広い波長領域
に渡って使用できるものが少なく、KRS−5が用いら
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】基板4は、偏光部材5
を所望の状態で保持するために用いられるもので、本来
的にはないほうが望ましい。すなわち、偏光部材5を透
過して偏光された光が、基板4内を透過する際に、吸収
などされて損失があるためである。そこで、係る損失を
できるだけ抑えるために、赤外分光光度計の場合には、
上記のようにKRS−5が基板として使用されている。
【0006】さらに上記したKRS−5の場合には、水
に弱くやわらかいので取扱いが不便であるとともに、高
価となる。すなわち、水蒸気を含む雰囲気中では表面が
腐食してしまうので、乾燥した環境で使用するのが条件
となり、装置に乾燥室を設ける必要があり煩雑となる。
さらに、表面がやわらかいことから偏光子自体の生産時
及び分光光度計内への組み立てに熟練を要するととも
に、使用時も不注意な取り扱いにより傷がつくので保管
および使用に注意を図らなければならない。そして、傷
がついた場合には使用不能となるので交換しなければな
らず、ランニングコストが高くなる。さらに屈折率が高
いので、空気との境界面における反射ロスが30%程度
となり非常に大きくなる。
【0007】さらに、偏光子を内装する分光光度計の場
合には、多数の反射鏡その他の光学部品とともに上記偏
光子を所定の位置関係で配設するため、部品点数が多く
なり、配置するためのスペースも広く必要となる。そこ
で、部品点数を削減し、できるだけ光学系の占有面積を
縮小し、小型化を図ることが望まれる。
【0008】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、取り扱いが容易で製造コストも低減でき、1つの素
子で対応可能な波長領域が広く、特性も良好な新たな構
成からなる偏光子を提供することにある。さらに、別の
目的としては係る偏光子を用いて、部品点数を削減でき
る新たな構成の分光光度計を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係る偏光子では、基板上に所定形状の
レジストを配設するとともに、そのレジストの表面に、
所定間隔毎に平行に多数の線状金属膜を成膜してワイヤ
ーグリッドを形成してなり、かつ、前記基板は前記ワイ
ヤーグリッドを通過してきた入射光が前記ワイヤーグリ
ッド側に戻らないようにする反射抑止機能を備え、前記
ワイヤーグリッドに照射した光が、そこで反射しそのワ
イヤーグリッドと平行の偏光となるように構成した(請
求項1)。
【0010】前記基板としては、その基板内を処理対象
の光が透過するのではないので、各請求項に規定する要
件以外は特に制限はないが、取扱いを容易にするために
は、強度的に強いものが好ましい。また、水蒸気などの
水分に対して強い(腐食等しない)材質が実際の分光光
度計に実装する際に乾燥室を設ける必要がなく好まし
い。そして、その一例を示すと、ガラス板等がある。
【0011】そして、前記反射抑止機能としては、例え
ば前記基板表面に形成した反射防止膜としたり(請求項
2)、偏光対象の光の波長成分を吸収する部材(赤外領
域では例えば青板ガラス等)で基板を構成し、前記入射
光を前記基板で吸収するようにしたり(請求項3)、前
記基板の裏面を傾斜面にし、前記裏面で反射した光が、
前記基板の側面に到達するように構成する(請求項4)
ことができる。
【0012】本発明に係る分光光度計は、光路を変更す
る反射鏡と、偏光子を備えた光学系を含む分光光度計に
おいて、前記偏光子を請求項1〜4のいずれかに記載の
反射型偏光子を用いて構成するとともに、その反射型偏
光子にて所定の反射鏡を兼用するようにした(請求項
5)。そして前記分光光度計としては、例えば高感度反
射測定装置であって、その測定装置を構成する光学系内
に前記反射型偏光子を実装し、照射された光に対する偏
光処理と、光路変更処理を行うように構成することであ
る(請求項6)。
【0013】ワイヤーグリッド側から光を照射すると、
そのワイヤーグリッドで反射する。その反射光は、ワイ
ヤーグリッドの方向と平行な偏光となる。よって、反射
型の偏光子が構成される。一方、ワイヤーグリッドを通
過した光は、ワイヤーグリッドと垂直方向の偏光となっ
ている。したがって係る光が反射して戻り光となり再度
ワイヤーグリッド側から外部に出射すると、上記正常な
偏光と異なる偏光面の光(雑音成分)が混合して反射型
偏光子から出射されることになる。しかし、本発明では
基板には所定の反射抑止機能が設けられているので、ワ
イヤーグリッドを通過した雑音成分は、基板側で反射が
防止されたり(請求項2)、吸収されたり(請求項
3)、ワイヤーグリッドと異なる方向に反射され表面か
ら出射されないように(請求項4)したりする。
【0014】また、偏光子から出射された偏光は、基板
内を透過しないので、従来のように基板内を通過時に吸
収されることにより生じる損失がなく、エネルギー効率
が良くなる。さらに、基板内を透過しないことから、基
板材料として処理対象の光に対して悪影響を与えるもの
でもさほど問題がなく、材料選択の余地が広がる。そし
て、処理可能な波長領域は、ワイヤーグリッドの間隔に
より決定されるため、非常に広範囲に設定できる(実施
例では、可視領域〜遠赤外領域までを1つの反射型偏光
子で対応できる)。さらに基板の材質の選択が広がるこ
とから、強度が強く水分にも強い材質を選択すると、取
扱いが容易で、きずがつきにくくランニングコストも低
減され、さらに安価なものを使用することによりコスト
の削減を容易に図ることができる。
【0015】一方、分光光度計の場合には(請求項5,
6)、光学系を構成する従来の透過型の偏光子と所定の
反射鏡(平面鏡でも球面鏡でも可)を本発明の反射型偏
光子で兼用できる。よって、部品点数が削減でき、コス
ト安になるとともに、光学部品の設置面積も削減され
る。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る偏光子の実
施の形態の一例を示している。同図に示すように、青板
ガラスからなる基板10の表面に反射防止膜11を形成
し、さらに反射防止膜11の表面に所定間隔をおいて平
行に多数のワイヤーグリッド12を配設した。そして、
本例におけるワイヤーグリッド12は、反射防止膜11
の表面に形成した所定形状のレジスト13の表面に所定
の金属膜を蒸着することにより対応できる。
【0017】レジスト13の表面形状は、図示するよう
に波型となり、直線上に形成された凸部13a部分と凹
部13b部分が交互に配置され、凸部13a間の頂点部
分に金属(アルミ)を所定幅に蒸着することにより構成
する。つまり、そのアルミ部分がワイヤーグリッド12
になる。そして、隣接する凸部13a間の間隔aは、赤
外光の波長よりも十分に短く設定し、本例では1000
本/mm程度に設定している。また、間隔aは波長より
も十分に小さければ良いので、例えば可視領域から遠赤
外領域にわたる広範囲な測定が可能となる。
【0018】係る構成にすると、ワイヤーグリッド12
に対して入射光を照射させると、そこで反射し、ワイヤ
ーグリッド12と平行に偏光された光が出射され、反射
型の偏光子となる。また、入射光の一部はワイヤーグリ
ッド12で反射されず透過し(凹部13b部分を通過す
る)、反射防止膜11(基板10)に照射される。そし
て、係る光がそこで反射してしまうと、上記したワイヤ
ーグリッド12で反射された正規の偏光とともに出射さ
れてしまう。そして、上記ワイヤーグリッド12を通過
した光の偏光方向は、ワイヤーグリッド12と直交する
方向であるので、係る光が出射されると偏光度が低下す
る。そこで本例では、反射防止膜11を設けることによ
り、反射する光を可及的に抑制し、さら基板10に青板
ガラスを用いることにより、基板10にて赤外光を吸収
する。したがって、上記不要な光が反射して出射される
量を可及的に抑制し、偏光度を向上している。
【0019】ここで、上記した偏光子の製造方法につい
て簡単に説明すると、まず基板10の材料となる青板ガ
ラスの表面を研磨するとともに洗浄し、その後反射防止
膜を成膜する。さらに反射防止膜の表面にレジストを塗
布し、レーザーの干渉光を利用して露光し、現像するこ
とにより図1(A)に示すように波型のレジスト13が
パターンニングされる。次いで、図示するように、凸部
13aに対して斜め方向両側(X方向,Y方向)から蒸
着することにより凸部13aの頂点部分のみに蒸着膜が
付着する。そして、入射角を変えることにより、1本の
金属膜の蒸着幅を替えることができる。
【0020】なお、KRS−5も基本的には上記同様の
工程により行えるが、きずが付きやすいため、レジスト
を塗布しない側には保護膜を塗布し、その状態で各処理
を行い、ワイヤーグリッド形成後に上記保護膜を除去す
る。このようにKRS−5を用いた従来の透過型偏光子
の場合には除去工程があるため煩雑となるが、本例では
係る作業がなく簡便となる。しかも、扱いも容易(青板
ガラスはきずがつきにくいのでKRS−5のように細心
の注意をはらう必要はない)なので、製造に要する時間
が短縮化される。
【0021】なおまた、基板10を本例のように処理対
象の赤外線を吸収する部材(青板ガラス)から構成した
場合には、反射防止膜11は必ずしも設ける必要はな
く、また逆に反射防止膜11を形成した場合には、基板
10として赤外線を吸収しない部材から構成しても良
い。
【0022】図2は本発明に係る偏光子の第2の実施の
形態を示している。この例では上記の図1に示すものに
比べ基板10′の形状を変えている。従来は平行平板を
用いて構成したが、本例では裏面10′aを斜面にして
いる。これにより、ワイヤーグリッド12を透過した光
が裏面10′aに到達すると、そこで反射されるが図示
するように係る反射光は、基板10′の側面10′bよ
り外部に出射するため、表面で反射した偏光と合成され
ることはなくなる。
【0023】*実験結果1 ワイヤーグリッド12を構成するレジストの各凸部13
aに形成される金属膜の幅(蒸着面積)と偏光の強度の
関係を測定し、その結果を図3〜図6に示す。この実験
ではレジストをパターンニングして波型に加工するまで
は同一寸法同一工程で行い、金属膜を蒸着する際の蒸着
角度を変えることにより各ワイヤ部分の金属膜の幅を調
整した。具体的には、蒸着する金属としてはアルミニウ
ムを用い蒸着の角度を7.5度(図3)、15度(図
4)、22.5度(図5)、30度(図6)とした。そ
して、この角度は、基板面と蒸着方向とのなす角で、角
度が大きくなるほど垂直に近づき蒸着面積が大きくな
る。また、反射型偏光子の形状としては、図1に示すよ
うに平行平板からなる青板ガラスにより基板10を作成
し、反射防止膜は設けずにその基板10の上に直接レジ
スト13を塗布してワイヤーグリッド12を形成した。
【0024】各図を比べると明らかなように、1本のワ
イヤあたりの蒸着面積が大きくなる(幅が太くなる)ほ
ど得られる所望の(ワイヤーグリッド12と平行な)偏
光の強度が増加することが分かる。これは面積が大きく
なることにより、入射光のうちワイヤーグリッドに照射
される量が大きくなるためと思われる。一方、面積が増
大するにつれて垂直方向の不要な偏光の強度も増加して
くる。したがって、所望の偏光(ワイヤーグリッド12
と平行)に要求される偏光強度と、許容される雑音成分
(ワイヤーグリッド12と垂直)の偏光強度との関係か
ら、適宜設定することになる。
【0025】そして、ワイヤー1本あたりの蒸着面積を
狭くして細いワイヤーを構成するとともに、係る細いワ
イヤーの本数を増やす(間隔を短くする)ようにする
と、偏光の強度は総面積が低下しないので確保でき、不
要な偏光(異なる偏光面)の強度を低下することができ
るのでより好ましい。また、不要な偏光(垂直方向)の
強度を抑制したい場合には、上記した第1の形態のよう
に反射防止膜を設けたり、第2の形態のように基板1
0′の形状を偏光し一旦ワイヤーグリッド12を通過し
た光が戻ってこないようにするとよい。
【0026】*実験結果2 次に、反射型偏光子の入射角に対する偏光効率の依存性
を測定した。使用した反射型偏光子は、上記した実験1
と同様に、図1に示す構成から反射防止膜を設けないタ
イプにし、ワイヤーグリッドは、蒸着角度を15度にし
て製造したものを用いた。
【0027】実験は、10度では正反射測定装置(RF
61S)を用い、60〜80度では角度可変高感度反射
測定装置(PR510)を用いた。そして、試料室の射
出側に従来の透過型偏光子を挿入し、その偏光方向に対
しワイヤーグリッドがー平行である場合のエネルギー値
(インターフェログラム値)を「A」とし、垂直である
場合のそれを「B」とし、次式に代入して偏光効率を求
めた。
【0028】偏光効率=B/A 偏光が完全であるとBが0になるので、偏光効率も0と
なり不完全になるほど値が大きくなる。その結果、図7
に示すように、角度依存性があることが分かる。さら
に、入射角が大きくなるほどP偏光とS偏光で偏光効率
が異なる。したがって、入射角はできるだけ小さくなる
ように設定するとよい。
【0029】*実験結果3 反射型偏光子と、従来の透過型偏光子のエネルギー利用
率を測定した。反射型偏光子としては、実験2と同様
に、図1に示す構成から反射防止膜を設けないタイプに
し、ワイヤーグリッドは、蒸着角度を15度にして製造
したものを用いた。また、透過型偏光子は、基板として
KRS−5を用い、表面にワイヤーグリッドを形成し寸
法形状は反射型偏光子と同様にした。
【0030】そして、反射型偏光子には入射角10度と
し、透過型偏光子は入射角0度とした。そして、エネル
ギー利用効率は、以下のようにして求めた。反射型偏光
子の偏光効率(実験2で求めたもの)を正反射測定装置
を用いて測定し、その値を「C」とし、反射型偏光子に
替えて通常のアルミ蒸着ミラーを用いて同様に求めた偏
光効率を「D」とする。そして、「C」,「D」を次式
に代入して偏光効率を求めた。
【0031】 反射型偏光子のエネルギー利用効率=C/D 一方、透過型偏光子の偏光効率を正反射測定装置を用い
て測定し、その値を「E」とし、反射型偏光子に替えて
通常のアルミ蒸着ミラーを用いて同様に求めた偏光効率
を「F」とする。そして、「E」,「F」を次式に代入
して偏光効率を求めた。
【0032】 反射型偏光子のエネルギー利用効率=E/F 上記のようにすると、理想的な光を入射させた場合に理
想的な偏光子のエネルギー効率は0.5になり、効率が
悪くなるほど0に近づく。そして、本例と比較例を所定
数作成し、それぞれのエネルギー効率は、下記表1に示
すようになった。
【0033】
【表1】 表から明らかなように、本発明品の方が1割り程度利用
効率が高くなることがわかる。
【0034】図8は本発明に係る分光光度計の好適な実
施の形態の一つを示しており、上記した反射型偏光子を
高感度反射測定装置に適用した例を示してる。同図に示
すように、入射光(赤外線)を適宜位置に設置した平面
鏡20により光路を変更するとともに、凹面鏡21によ
り集光しつつ試料22に斜めに照射する。そして、試料
22から出射された光を凹面鏡23により平行光束にす
るとともに光路を変換し、本発明に係る反射型偏光子2
4に照射(入射角θ)させる。そして、その反射型偏光
子24にて反射させて所定方向の直線偏光を出射させる
ようになっている。
【0035】この図示の例と、図11に示す従来例の高
感度反射測定装置を比較すると、偏光子と平面鏡(反射
鏡・光路変換機能)とを一体に構成したため光学部品が
1つ削減される。これにより、部品点数の削減によるコ
スト低減はもちろんのこと、設置スペースの減少による
小型化が図れる。特に、高感度反射測定装置の場合に
は、偏光率が低くても(異なる方向の偏光が含まれてい
ても)測定結果の感度にさほど影響を与えないため、反
射型偏光子の利点が顕著に現われ、測定範囲が広く、損
失の少ない測定装置が構成される。
【0036】なお、反射型偏光子24の設置位置を図8
に示す位置にしたのは、図11に示す従来の装置の中で
入射角θが最も小さくなる平面鏡と一体化するようにし
たためである。したがって、必ずしも図示の位置にする
必要はなく、任意の位置にすることができる。また、凹
面鏡と一体化してももちろん良い。
【0037】図9は、ATR(attenuated total refle
ction )法を実施するめための装置に適用した例であ
り、図から明らかなように、入射光(赤外光)を平面鏡
20で光路を変更し、ATRプリズム25を介して試料
22に光を照射する。良く知られているように、ATR
プリズム25内で全反射を繰り返し試料22に複数回光
が照射された後、出射され、そのATRプリズム25か
ら出射した光が球面鏡21を介して反射型偏光子24に
照射され、そこにおいて反射され所定方向の偏光が出射
される。係る構成にすると、従来であれば図中二点鎖線
で示すように単独の透過型偏光子26を所定位置に設け
るとともに、反射型偏光子24の替わりに平面鏡を配置
しているため、部品点数が1つ削減できる。
【0038】図10は、顕微赤外分光光度計に適用した
例を示している。図外の赤外線光源から出射される赤外
光を干渉計27を通過させ所定の波長の光を出射させ
る。係る光が平面鏡20,反射型偏光子24にて反射し
て光路を変更後、カセグレイン鏡28aにて絞られて試
料22上に集光される。そして、試料22を透過した光
は反対側に設置されたカセグレイン鏡28bを経て平面
鏡20で光路を変更され検出器29で結像する。そし
て、その検出器29の検出出力を図外の演算処理装置で
フーリエ変換を行い所定の分析を行うようになる。そし
て、この例でも偏光子と1つの平面鏡とを一体化するこ
とにより、部品点数の削減が図れる。
【0039】なお、上記した実施の形態では、3つの分
光光度計を例示したが、本発明はこれに限ることなく、
偏光子が必要とするすべての分光光度計に適用すること
ができる。
【0040】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る反射型偏光
子では、基板の選択の余地が広がり、取り扱いが容易で
製造コストも低減できる(赤外領域では、従来はKRS
−5が使われていたが、通常のガラス基板(青板ガラ
ス)等を用いることが可能となる)。また、対応可能な
波長は、従来のように基板の性質ではなくワイヤーグリ
ッドの間隔により決定されるので、1つの素子で対応可
能な波長領域が広くなる。偏光機能とともに反射に基づ
く光路変更機能も備えているので、部品の共通化が図れ
る。したがって、係る反射型偏光子を用いて構成した分
光光度計では、部品点数を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏光子の好適な第1の実施の形態
を示す図である。
【図2】本発明に係る偏光子の好適な第2の実施の形態
を示す図である。
【図3】本発明に係る偏光子の一例の効果を実証するた
めの図である。
【図4】本発明に係る偏光子の一例の効果を実証するた
めの図である。
【図5】本発明に係る偏光子の一例の効果を実証するた
めの図である。
【図6】本発明に係る偏光子の一例の効果を実証するた
めの図である。
【図7】本発明に係る偏光子の一例の効果を実証するた
めの図である。
【図8】本発明に係る分光光度計の実施の形態の一例を
示す図である。
【図9】本発明に係る分光光度計の実施の形態の一例を
示す図である。
【図10】本発明に係る分光光度計の実施の形態の一例
を示す図である。
【図11】従来の分光光度計の一例を示す図である。
【符号の説明】
10,10′ 基板 10′a 裏面 11 反射防止膜 12 ワイヤーグリッド 13 レジスト 20 平面鏡(反射鏡) 22 試料 24 反射型偏光子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に所定形状のレジストを配設する
    とともに、そのレジストの表面に、所定間隔毎に平行に
    多数の線状金属膜を成膜してワイヤーグリッドを形成し
    てなり、 かつ、前記基板は前記ワイヤーグリッドを通過してきた
    入射光が前記ワイヤーグリッド側に戻らないようにする
    反射抑止機能を備え、 前記ワイヤーグリッドに照射した光が、そこで反射しそ
    のワイヤーグリッドと平行の偏光となるように構成した
    ことを特徴とする反射型偏光子。
  2. 【請求項2】 前記反射抑止機能が、前記基板表面に形
    成した反射防止膜であることを特徴とする請求項1に記
    載の反射型偏光子。
  3. 【請求項3】 前記反射防止機能が、偏光対象の光の波
    長成分を吸収する部材で基板を構成し、前記入射光を前
    記基板で吸収するようにしたことを特徴とする請求項1
    または2に記載の反射型偏光子。
  4. 【請求項4】 前記反射防止機能が、前記基板の裏面を
    傾斜面にし、前記裏面で反射した光が、前記基板の側面
    に到達するようにしたことを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載の反射型偏光子。
  5. 【請求項5】 光路を変更する反射鏡と、偏光子を備え
    た光学系を含む分光光度計において、 前記偏光子を請求項1〜4のいずれかに記載の反射型偏
    光子を用いて構成するとともに、その反射型偏光子にて
    所定の反射鏡を兼用したことを特徴とする分光光度計。
  6. 【請求項6】 前記分光光度計が、高感度反射測定装置
    であって、 その測定装置を構成する光学系内に前記反射型偏光子を
    実装し、照射された光に対する偏光処理と、光路変更処
    理を行うようにした請求項5に記載の分光光度計。
JP20166095A 1995-07-13 1995-07-13 反射型偏光子及びそれを用いた分光光度計 Pending JPH0933724A (ja)

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