JPH0933649A - Isar画像目標識別処理装置 - Google Patents

Isar画像目標識別処理装置

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JPH0933649A
JPH0933649A JP7185787A JP18578795A JPH0933649A JP H0933649 A JPH0933649 A JP H0933649A JP 7185787 A JP7185787 A JP 7185787A JP 18578795 A JP18578795 A JP 18578795A JP H0933649 A JPH0933649 A JP H0933649A
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isar image
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shape model
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Masaharu Akei
正治 明井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直接ISAR画像と3次元形状モデルとを照
合でき、その目標の高精度な回転運動の推定、姿勢角の
推定を行うことができるようにする。 【構成】 ISAR画像上に複数の点を指定し、各点間
の2次元面上の相対位置関係を求めるISAR画像処理
部12,15と、目標の3次元形状モデルデータベース
から任意に選択される3次元形状モデルについてISA
R画像上の複数の点に対応する対応点を求め、各対応点
間の3次元空間における相対位置関係を求める3次元形
状モデル処理部12〜14と、各処理部で得られるそれ
ぞれの相対位置関係を比較してISAR画像と3次元形
状モデルとの合致度合いを評価する評価処理部16〜1
9とを具備して構成し、評価処理部の評価結果を用いて
データベース中からISAR画像に合致する3次元形状
モデルを選別することで目標を識別できるようにしたも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レーダ目標からのレ
ーダエコーから作成されるISAR(逆合成開口レー
ダ)画像を用いて目標の識別を行うISAR画像目標識
別処理装置に係り、特にデータベース中の目標の3次元
形状モデルとISAR画像との照合を行う際の照合結果
の評価技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のISAR画像目標識別処理装置に
あっては、レーダ目標からのレーダエコーからISAR
画像を作成しても、その性質上歪んだ図形しか得られな
いため、クロスレンジスケーリングにより歪みを除去し
た後に3次元形状モデルの2次元面への射影成分を用い
て、データベース中の3次元形状モデルとの照合を行っ
ている。
【0003】但し、クロスレンジスケーリングを行うた
めには、目標の回転運動を高精度で推定する必要があ
り、また3次元形状モデルの2次元面への射影成分を作
成するためには、さらに目標の姿勢角を推定する必要が
ある。
【0004】以上のことから、従来の装置では、これら
の精度が3次元形状モデルとの照合の精度に直接影響す
るにもかかわらず、それぞれの精度の照合への影響を評
価することが難しく、有効な照合結果評価手段がなかっ
た。このため、回転運動の推定、姿勢角の推定とは独立
に、直接ISAR画像を取扱い、かつISAR画像と目
標の3次元形状モデルとの対応を評価する手段が求めら
れていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来のISAR画像目標識別処理装置では、目標の回転運
動、目標の姿勢角の推定が必要であり、これらの精度が
3次元形状モデルとの照合の精度に直接影響するため、
回転運動の推定、姿勢角の推定とは独立に、直接ISA
R画像を取扱い、かつISAR画像と目標の3次元形状
モデルとの対応を評価する手段が求められていた。
【0006】本発明の目的は、上記の問題を解決し、レ
ーダ目標の回転運動の推定、姿勢角の推定を別途行うこ
となく、直接ISAR画像とデータベース中の3次元形
状モデルの照合を行うことができ、さらにその目標の形
状を反映した高精度の回転運動の推定、姿勢角の推定を
行うことのできるISAR画像目標識別処理装置を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明は、レーダエコーを処理して得られるISA
R画像と目標の3次元形状モデルデータベースとのマッ
チング処理を行うことで目標識別を行うISAR画像目
標識別処理装置において、前記ISAR画像上に複数の
点を指定し、各点間の2次元面上の相対位置関係を求め
るISAR画像処理手段と、前記目標の3次元形状モデ
ルデータベースから任意に選択される3次元形状モデル
について前記ISAR画像上の複数の点に対応する対応
点を求め、各対応点間の3次元空間における相対位置関
係を求める3次元形状モデル処理手段と、前記ISAR
画像処理手段及び3次元形状モデル処理手段で得られる
それぞれの相対位置関係を比較してISAR画像と3次
元形状モデルとの合致度合いを評価する評価手段とを具
備して構成し、前記評価手段の評価結果を用いて前記目
標の3次元形状モデルデータベース中からISAR画像
に合致する3次元形状モデルを選別することで目標を識
別できるようにしたものである。
【0008】
【作用】上記構成によるISAR画像目標識別処理装置
では、ISAR画像上に複数の点を指定し、各点間の2
次元面上の相対位置関係を求め、目標の3次元形状モデ
ルデータベースから任意に3次元形状モデルを選択して
ISAR画像上の複数の点に対応する対応点を求め、各
対応点間の3次元空間における相対位置関係を求めて、
それぞれれの相対位置関係を比較してISAR画像と3
次元形状モデルとの合致度合いを評価し、その評価結果
からデータベース中にあるISAR画像に合致する3次
元形状モデルを選別することで、直接ISAR画像とデ
ータベース中の3次元形状モデルの照合を行い、目標を
識別可能としている。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を詳
細に説明する。図1はこの発明に係るISAR画像目標
識別処理装置の第1の実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【0010】ISAR画像生成部11はレーダエコーを
入力とし、ISAR画像を生成する。ここで生成された
ISAR画像は対応点抽出部12に入力される。対応点
抽出部12は、ISAR画像と共にデータベースから目
標3次元形状モデルを入力し、オペレータの指示により
または自動的に、ISAR画像上のある点(例えば点
α′)に対応する目標の3次元形状モデル上の対応点
(例えばα)との対応付けを行い、その対応点の組(例
えば{α,α′})の位置情報を出力する。
【0011】対応点候補表示部13は、ISAR画像と
3次元目標形状モデルとの間で過去の履歴または本処理
装置の外部からの補助情報に基づいて、対応点となる確
率の高い点、例えば航空機のエンジン、翼端を3次元形
状モデル上で表示し、オペレータに表示された点を対応
点として入力するように促す。
【0012】逆数ベクトル作成部14は入力された対応
点の3次元形状モデル上の位置情報の内から、任意にま
たはデータベース中保持される過去の履歴から例えば点
αを選び出し、その点αを起点としたときの他の対応
点、例えば点βへのベクトルAをそれぞれ算出し、それ
を用いてそれぞれの逆数ベクトルB (B =A /|A
2 )を算出する。
【0013】画像ベクトル算出部15は、入力された対
応点のISAR画像上の位置情報の内で、逆数ベクトル
算出部14により起点として選択された点αに対応する
点(例えばα′)を起点とし、その起点から他の対応点
(例えば点β′)へのベクトルC (α′→β′)を算
出する。
【0014】正規ベクトル算出部16は、逆数ベクトル
算出部14と画像ベクトル算出部15の結果を入力と
し、対応する正規化ベクトルを算出する。3次元ベクト
ル表示部17は、正規化ベクトルを入力とし、各正規化
ベクトルを3次元空間に表示する。
【0015】2次元ベクトル表示部18は、正規化ベク
トルを入力とし、3次元球面上を示す各正規化ベクトル
を、3次元球面を2次元円に射影する適切な操作によ
り、2次元面上の円周上へ射影する。
【0016】ベクトル長度数分布表示部19は、正規化
ベクトルを入力とし、正規化ベクトルの張る3次元球面
の中心からの距離を各正規化ベクトル毎に算出し、その
距離の度数分布を表示する。
【0017】姿勢角推定部20は、正規化ベクトルを入
力とし、正規化ベクトルの張る3次元球面の各正規化ベ
クトルの起点から見たときの長軸方向、及び3次元形状
モデルの各点に対応する正規化ベクトルの向きから、レ
ーダから見たときの目標の姿勢角成分を推定する。
【0018】回転運動推定部21は、正規化ベクトルを
入力とし、各正規化ベクトルの張る3次元球面の直径を
推定し、その結果を用いて目標の回転運動を推定する。
模擬ISAR画像生成部22は、姿勢角推定結果と回転
運動推定結果を用いて目標3次元形状モデルを修正する
ことで、レーダから見たときの目標の姿勢を再現し、模
擬ISAR画像を作成表示する。
【0019】ここで、上記模擬ISAR画像生成部22
は、オペレータによる姿勢角の調整が可能で、再度模擬
ISAR画像を作成する機能を有していてもよい。さら
に、簡易の模擬ISAR画像生成処理として、レーダ位
置に点光源を配した時の反射光を光線追跡法により行っ
てもよい。
【0020】尚、図に示したオペレータ23及びオペレ
ータ24は、オペレータへの各種情報の表示及びオペレ
ータによる指示操作を表している。すなわち、オペレー
タ23は、対応点候補表示部13の表示に従い、オペレ
ータが対応点抽出部12に対応点の組の指示を与えるこ
とを示している。オペレータ24は、各種の情報を参照
しながら、必要であれば模擬ISAR画像を修正し、目
標候補を選択することを示している。
【0021】上記構成において、以下に各部の作用につ
いて説明する。但し、以下の説明ではA ・B でベクト
ルA とベクトルB の内積を表し、A ×B で外積を表
すものとする。
【0022】まず、ISAR画像生成部11にてレーダ
エコーからドプラ(単位:Hz)−レンジ(単位:m)
平面上のISAR画像を生成する。ここで生成されたI
SAR画像は対応点抽出部12に入力し、オペレータの
指示または自動的に、目標3次元形状モデルと比較し
て、図3に示すようにISAR画像上のある点(例えば
点α′)に対応する目標の3次元形状モデル上の対応点
(例えばα)との対応付けを行い、その対応点の組(例
えば{α,α′})の位置情報を対応付けされた組全て
について出力する。
【0023】この対応付け操作を容易にするため、対応
点候補表示部13では、ISAR画像と3次元目標形状
モデルとの間で過去の履歴または外部からの補助情報に
より対応点となる確率の高い点、例えば航空機のエンジ
ン、翼端を3次元形状モデル上で表示し、オペレータに
表示された点を対応点として入力するように促す。この
様子を図2に示す。
【0024】図2において、(a)がISAR画像表示
ウィンドウ、(b)が対応点候補(3次元目標形状モデ
ル)表示ウィンドウを示している。ここで、(b)に示
すように、対応点候補を形の異なる点で示し、形の違い
によって対応点の指定の優先度を表示すればいっそう効
果的である。
【0025】尚、図2には後述の2次元ベクトル表示ウ
ィンドウ(c)、模擬ISAR画像表示ウィンドウ
(d)も示してある。特に、(c)では、複数のデータ
ベース中の航空機目標候補に対しての合致度合いを表示
し、それぞれ機種名を表示し、点線で3次元形状モデル
を表示し、さらに画面に表示しきれない目標候補に対し
ては、スクロール表示により対応可能なことを示してい
る。
【0026】このとき、図4(a),(b)に示すよう
に((a):データベース中の3次元形状モデルの表
示、(b):これに回転及び歪みの操作を加えた結
果)、利用可能な情報からISAR画像上での回転及び
歪みを推定し、3次元形状モデルにその回転及び歪みを
反映させて表示するようにしてもよい。また、オペレー
タの操作により歪みを再現できるようにしてもよい。
【0027】以上の処理により対応付けされた対応点の
組の位置情報が得られると、逆数ベクトル作成部14に
おいて、入力された対応点の内で3次元形状モデル上の
位置情報について任意にまたはデータベース中保持され
る過去の履歴から、例えば図3(図ではA からB への
変換を模擬的に示している)において、点αを選び出
し、その点αを起点としたときの他の対応点、例えば点
βへの3次元のベクトルA をそれぞれ算出し、以下の
演算によりそれぞれの逆数ベクトルB を算出する。 B (α→β)=A (α→β)/|A (α→β)|2 この操作を入力された対応点全てについて行う。
【0028】続いて、画像ベクトル算出部15により、
入力された対応点の内でISAR画像上の位置情報につ
いて、逆数ベクトル算出部14により起点として選択さ
れた点αに対応する点、例えば図3のα′を起点とし、
その起点から他の対応点、例えば図3の点β′への2次
元ベクトルC (α′→β′)を算出する。この操作を
入力された対応点全てについて行う。
【0029】その後、正規化ベクトル算出部16におい
て、逆数ベクトル算出部14と画像ベクトル算出部15
の各結果から、対応するベクトル、例えばB (α→
β)とC (α′→β′)のそれぞれについて、以下の
演算結果を3次元の正規化ベクトルp として出力す
る。 p =B /|B |・(|B |(λC |d /2)) ここで、λはレーダの送信波長、C |d はC のドプラ
軸方向成分(単位はHz)である。
【0030】正規化ベクトルが得られると、3次元ベク
トル表示部17により、各正規化ベクトルを3次元空間
に表示した状態を、鳥瞰図または各平面への射影図等に
より表示する。例えば図5に示すように、3次元球面を
メッシュで表示し、各正規化ベクトルの指示する点を表
示すればよい。
【0031】尚、図5では、起点として機首付近の点が
選択された状態を示し、メッシュは3次元空間上の球面
を表し、図中黒丸で示す点は正規化ベクトルB の示す
点を表し、航空機のシルエットは3次元形状モデルを重
ねて表示していることを示す。
【0032】このように、オペレータの指示により3次
元空間での視点位置を任意に回転させ表示してもよい
し、自動的に回転させてアニメーションのように表示し
てもよい。また、表示中に、例えば図5に示すように目
標の3次元形状モデルを重ねて表示してもよい。
【0033】一方、3次元ベクトル表示部17により、
各正規化ベクトルの示す点が同一の3次元球面上へ集ま
っているかどうかが理解しやすいように表示する。これ
により、オペレータは球面上への収束度合いを判断する
ことで、3次元形状モデルとISAR画像の合致度合い
を評価することができる。
【0034】この場合、球面上への収束度合いを数値化
してオペレータへ提示するようにすれば、合致度合いの
評価が容易となる。このとき、球面から外れる正規化ベ
クトルが3次元形状モデルのどの部位に対応しているか
をオペレータに提示するようにすればいっそう効果的で
ある。
【0035】さらに、2次元ベクトル表示部18によ
り、ある3次元球面上を示す各正規化ベクトルを、3次
元球面を2次元円に射影する適切な操作を行うことで、
2次元面上の円周上へ射影する。表示の一例を図2の
(c)に示す。
【0036】射影操作としては、3次元球の中心からの
距離と3次元ベクトルを2次元面に射影した場合の方向
成分を保持する。例えば、ある正規化ベクトルp =
(x,y,z)とし、全ての正規化ベクトルの張る3次
元球面の中心をs =(S1 ,S2 ,S3 )とすると
き、射影面をX−Y平面とするなら、この射影面の2次
元面上での表示は以下の2次元ベクトルq を用いて行
えばよい。
【0037】
【数1】
【0038】2次元ベクトル表示部18では、射影され
た正規化ベクトルの示す点が同一の円周上へ集まってい
るかどうかが理解しやすいように表示する。これによ
り、オペレータはこの点の円周上への収束度を判断する
ことで、ISAR画像と3次元形状モデルの合致度合い
を評価することができる。
【0039】この場合、円周上への収束度合いを数値化
してオペレータへ提示するようにすれば、合致度合いの
評価が容易となる。このとき、円周からはずれる正規化
ベクトルが3次元形状モデルのどの部位に対応している
かをオペレータに提示するようにすればいっそう効果的
である。
【0040】また、ベクトル長度数分布表示部19によ
り、正規化ベクトルの張る3次元球面の中心からの距離
を各正規化ベクトル毎に算出し、その距離の度数分布を
表示する。ここでの距離の算出は例えばある正規化ベク
トルをp =(x,y,z)、全ての正規化ベクトルの
張る3次元球面の中心をs =(S1 ,S2 ,S3 )と
するとき、中心からの距離Rは以下の式により算出する
ことができる。 R=|p −s | 表示の一例を図6に示す。図6において、横軸は3次元
球面の中心からの各正規化ベクトルの示す点までの距離
を示し、縦軸はそれぞれの距離に対する度数を示してい
る。
【0041】ベクトル長度数分布表示部19では、3次
元球面の中心からの距離の度数分布を表示することによ
り、正規化ベクトルの示す点の球面上への収束度合いを
示す。このため、オペレータはこの度数分布の形状によ
りISAR画像と3次元形状モデルの合致度合いを判断
することができる。
【0042】この場合、度数分布の形状を自動的に判別
してその収束度合いを数値化し、オペレータに提示する
ようにすれば、合致度合いの評価が容易となる。さら
に、円周からはずれる正規化ベクトルが3次元形状モデ
ルのどの部位に対応しているかをオペレータに提示する
ようにすればいっそう効果的である。
【0043】次に、姿勢角推定を行う場合の処理動作を
図7を参照して説明する。尚、図7において、(a)
は、レンジ軸及びドプラ軸に垂直な方向から見たときの
機首付近を起点とした3次元ベクトル表示部17の出力
を示しており、起点からみたときの直径方向がドプラ軸
に一致し、θはレンジ−ドプラ平面内でのドプラ軸と航
空機の機首機尾方向との角度を示している。(b)は、
機首機尾方向から見たときの3次元ベクトル表示部17
の表示を示し、ηは機首機尾回りのレンジ−ドプラ平面
に対する回転角度を示している。また、図7(c)で
は、ドプラ軸方向から見たときの3次元ベクトル表示装
置17の表示を示し、φはドプラ軸回りの回転角を示し
ている。
【0044】まず、姿勢角推定部20において、まず正
規化ベクトルの張る3次元球面の、各正規化ベクトルの
起点から見たときの直径方向を、3次元形状モデル上で
見たときのドプラ軸方向ed としてとらえ、このドプ
ラ軸方向と例えば機首機尾方向の角度θを推定する。図
7(a)にその様子を示す。
【0045】続いて、3次元形状モデルの各点、例えば
両翼端(図7(b)の点▲)と、機首機尾と、ここで求
めたドプラ軸方向ed 及び対応する画像ベクトルを用
いて、以下の条件を満たすer をレーダの視線方向す
なわちレンジ軸方向として求める。 (1)ドプラ軸とレンジ軸が直交する。 er ・ed =0 (2)画像ベクトルのレンジ方向成分C |r が3次元
形状モデル上の対応するベクトルA のレンジ軸方向へ
の射影部分に一致する。 C |r =A ・er ここで、er はレーダから見た視線方向すなわちレン
ジ方向の単位ベクトルである。
【0046】これにより、レーダ視線方向に対する目標
の姿勢角推定結果として、レンジ−ドプラ平面と平行な
平面内でのドプラ軸と機首機尾のなす角θ、ドプラ軸回
りの回転角φ、機首機尾軸回りの回転角ηの(θ,φ,
η)が得られる。
【0047】また、回転運動を推定する場合には、回転
運動推定部21において、まず、各正規化ベクトルの張
る3次元球面の直径をなすベクトルt を推定する。こ
こで、このベクトルt が以下の式を満たすことに着目
することで、同式から回転角ベクトルω を推定するこ
とができる。 t =ω ×er さらに、模擬ISAR画像生成表示する場合には、模擬
ISAR画像生成部22において、姿勢角推定部20か
らの姿勢角推定結果を用いて、レーダから見たときの目
標の姿勢を再現し、模擬ISAR画像を作成表示する。
【0048】オペレータは、この模擬ISAR画像の表
示とレーダエコーから作成されるISAR画像の表示と
を比較することで、目標に関する判断を下すことも可能
である。また、オペレータの姿勢角調整により、再度模
擬ISAR画像を作成できるようにすれば、いっそう効
果的である。さらに、簡易の模擬ISAR画像生成処理
として、レーダ位置に点光源を配したときの反射光を追
跡表示する光線追跡法によっても実現可能である。
【0049】オペレータ23及び24はオペレータへの
各種情報の表示及びオペレータによる指示操作を示す。
オペレータ23では対応点候補表示装置13の表示に従
い、オペレータ23が対応点抽出部12に対応点の組の
指示を与えることを示している。また、オペレータ24
は各種の情報を参照しながら、必要であれば模擬ISA
R画像を修正し、目標候補を選択することを示してい
る。
【0050】以上の処理について、図8乃至図10を参
照してさらに具体的に説明する。図8は本装置の効果に
おける説明図で、一例として目標が航空機の場合を示し
ている。図は3次元空間における3次元形状モデル(点
線で表す)とレーダの位置関係を示し、目標は並進運動
を除去された後を示し、紙面に垂直な軸を反時計回りに
回転しているものとしている。Ra ,Rb はレーダか
ら見たときの航空機のそれぞれ翼端の点α,βを表し、
ω は紙面に垂直な方向の回転角速度のベクトルを表
し、Va ,Vb はそれぞれ点α,βのω を原因とす
る速度ベクトルを表す。また、Δr は点αから点βへ
向かうベクトルを示す。
【0051】図9は以下に説明する (3)式におけるベク
トル(ω ×er −b )とb との関係を2次元上で図
示したものである。この2個のベクトルの直交性からb
が(ω ×er )を直径とする円周上であることを示
している。
【0052】図10は姿勢角推定部20における角度推
定についての説明図であり、レンジ軸と機首機尾方向と
のなす角度θはすでに推定された状態を示し、両翼端及
び機首機尾は紙面を含む2次元面内に存在するものとし
ている。このとき、lは機首機尾の3次元形状モデル上
でのレンジ軸方向の距離を示し、これがドプラ軸回りの
角度φの回転によりISAR画像上での対応する距離
l′になることを示している。
【0053】まず、目標上で固定された座標系から見た
目標上のある一点αをレーダから見たときのベクトルを
a とする。このとき、目標は図8の紙面に垂直な方
向に回転角速度ベクトルω で自転しているものとす
る。
【0054】このときの点αが目標上の座標系でra
より示されるとすると、自転による点αのレーダから見
たときの速度Va は以下のように表現される。 Va =(ra ×ω )・Ra /Ra =(ω ×Ra )・ra /Ra (但し、Ra =|Ra |) 点αとは異なる目標上のある一点βの速度についても同
様である。 Vb =(ω ×Rb )・rb /Rb (但し、Rb =|Rb |) このとき、ΔV=Vb −Va は以下のように表される。 ΔV=(ω ×R )・Δr /R =(ω ×er )・Δr …(1) ここでは、Δr =rb −ra とし、また目標は十分
遠距離にあって、R がRa 、Rb にほぼ等しく、R
=Ra =Rb であるものとした。
【0055】さらに、以下のようなベクトルb を導入
する。 b =ΔV・Δr /|Δr |2 …(2) 但し、b はΔr と並行であり、b ・Δr =ΔVであ
るものとする。
【0056】このb を用いて先の (1)式は以下のよう
に変形される。 ((ω ×er )−b )・Δr =0 ここで、b とΔr が並行であることから以下の関係が
あることがわかる。
【0057】((ω ×er )−b )・b =0…(3) 但し、ベクトルb とベクトル(ω ×er )−b は直
交する。このことから、b は(ω ×er )を直径と
する球面上の点を示すことがわかる(図9参照)。
【0058】ISAR画像生成部11により生成される
ISAR画像に上記の結果を適用することを考える。I
SAR画像上の点α′を起点とし、点β′に向かう画像
ベクトルC はドプラ周波数差[Hz]、レンジ距離差
[m]からなるが、この内、ドプラ周波数差は以下の式
により、速度差ΔVに変換される。 ΔV=速度差[m/s] =ドプラ周波数差[Hz]・λ/2 =λC |d /2 …(4) 尚、λはレーダ送信波長、C |d は画像ベクトルC の
ドプラ成分を表している。
【0059】対応点抽出部12により選択され出力され
る、ISAR画像上の点α′、点β′に対応する3次元
形状モデル上の点をそれぞれ点α、点βとし、この2点
を結ぶベクトルをA とするとき、このベクトルA を
(2)式のΔr と置き換えると、 (2)式で定義されるb
(α→β)は以下のように定義される。 b (α→β)=ΔV・A (α→β)/|A (α→
β)|2 ここで、逆数ベクトル生成部14で生成される逆数ベク
トルB =A (α→β)/|A (α→β)|を用いる
と、上式は以下のように変形される。 b (α→β)=ΔV・B …(5) 正規化ベクトル算出部16は、画像ベクトル算出部15
で得られる画像ベクトルC から (4)式を用いて評価さ
れたΔVと、逆数ベクトル生成部14で生成される逆数
ベクトルB とを用いて、 (5)式から正規化ベクトルb
を算出する。
【0060】対応点の組の内、起点α及びα′を固定
し、残りの組の全てをβ,β′として上記の処理を繰り
返して行い、正規化ベクトルb の集合を得る。ISA
R画像として得られている目標と候補として選択されて
いる3次元形状モデルが一致するのならば、この正規化
ベクトルb の集合は、 (3)式よりベクトルの示す点が
3次元球面上に集まることが期待できる。
【0061】ここで、各種の表示部17,18,19で
は、レーダ目標の候補としてあげられているそれぞれの
3次元形状モデルに対し、それぞれの正規化ベクトルb
の集合の3次元球面上への集中度合いを表示すること
で、オペレータに対して各3次元形状モデルのISAR
画像への合致度合いの指標を示すことができる。
【0062】このとき、さらに各正規化ベクトルb が
3次元形状モデルの各部に対応することに着目して、そ
れぞれの集合中で球面から外れる正規化ベクトルb を
表示することで、オペレータへの追加の補助情報として
もよい。
【0063】姿勢角推定部20では、 (3)式より正規化
ベクトルb の集合が形成する3次元球面の直径方向が
ω ×er に一致すること(図9参照)を用いて、まず
ω×er すなわちドプラ軸と3次元形状モデルの、例
えばレンジ−ドプラ平面内での機首機尾方向のなす角度
θを求める。
【0064】次にドプラ軸回りの回転角φを、ISAR
画像上での機首機尾のレンジ方向の距離l′と、候補と
して選択されている3次元形状モデルの角度θを反映さ
せたときの機首機尾の距離lとを用いて、以下の式より
求める(図10参照)。 l′=l cosφ さらに、機首機尾を軸とする回転角ηを3次元空間内で
の回転(θ,φ)を反映させたレンジ方向の距離を用い
て、同様に両翼端について処理することで求める。これ
により、(θ,φ,η)を目標のレーダに対する姿勢角
推定情報として出力することができる。
【0065】回転運動推定装置21では、 (3)式より正
規化ベクトルb の集合が形成する3次元球面の直径方
向がω ×er に一致すること(図9参照)に着目して
3次元球面の直径方向を求め、姿勢角推定処理の結果を
用いて回転角速度ベクトルωを求める。これにより、回
転運動の推定結果が得られる。
【0066】模擬ISAR画像生成部22では、姿勢角
推定部20からの姿勢角推定結果を用いてレーダから見
たときの目標の姿勢を再現し、模擬ISAR画像を作成
し表示する。
【0067】ここで、オペレータはこの模擬ISAR画
像とレーダエコーから作成されるISAR画像とを比較
する。これにより、データベース中から選択された3次
元形状モデルのISAR画像への合致度合いを判断する
ことができる。このとき、推定された姿勢角の修正を行
い、再度模擬ISAR画像を生成し、模擬ISAR画像
への修正を加えて再度判断するようにしてもよい。
【0068】さらに、簡易の模擬ISAR画像生成処理
として、レーダ位置に点光源を配したときの反射光を光
線追跡法により行ってもよい。その他、この発明は上記
実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変形しても同様に実施可能である。
【0069】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、レ
ーダ目標の回転運動の推定、姿勢角の推定を別途行うこ
となく、直接ISAR画像とデータベース中の3次元形
状モデルの照合を行うことができ、さらにその目標の形
状を反映した高精度の回転運動の推定、姿勢角の推定を
行うことのできるISAR画像目標識別処理装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るISAR画像目標識別処理装
置の一実施例を構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施例の出力表示画面の一例を示す図。
【図3】 同実施例において、3次元形状モデル上の点
とISAR画像上の点の対応付けと、3次元形状モデル
上のベクトルと画像ベクトルと逆数ベクトルの一例を示
す図。
【図4】 同実施例の対応点候補表示部における3次元
形状モデルへの回転及び歪みの操作の一例を示す図。
【図5】 同実施例の3次元ベクトル表示部による表示
例を示す図。
【図6】 同実施例のベクトル長度数分布表示部による
表示例を示す図。
【図7】 同実施例の姿勢角推定部での正規化ベクトル
を用いた処理を説明するための図。
【図8】 同実施例において、目標が航空機であるとき
の、3次元空間における3次元形状モデル(点線で表
す)とレーダの位置関係を示す図。
【図9】 同実施例の回転運動の推定について説明する
ための図。
【図10】 同実施例の姿勢角推定について説明するた
めの図。
【符号の説明】
11…ISAR画像生成部 12…対応点抽出部 13…対応点候補表示部 14…逆数ベクトル作成部 15…画像ベクトル算出部 16…正規化ベクトル算出部 17…3次元ベクトル表示部 18…2次元ベクトル表示部 19…ベクトル長度数分布表示部 20…姿勢角推定部 21…回転運動推定部 22…模擬ISAR画像生成部 23,24…オペレータ

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーダエコーを処理して得られるISAR
    画像と目標の3次元形状モデルデータベースとのマッチ
    ング処理を行うことで目標識別を行うISAR画像目標
    識別処理装置において、 前記ISAR画像上に複数の点を指定し、各点間の2次
    元面上の相対位置関係を求めるISAR画像処理手段
    と、 前記目標の3次元形状モデルデータベースから任意に選
    択される3次元形状モデルについて前記ISAR画像上
    の複数の点に対応する対応点を求め、各対応点間の3次
    元空間における相対位置関係を求める3次元形状モデル
    処理手段と、 前記ISAR画像処理手段及び3次元形状モデル処理手
    段で得られるそれぞれの相対位置関係を比較してISA
    R画像と3次元形状モデルとの合致度合いを評価する評
    価手段とを具備し、 前記評価手段の評価結果を用いて目標を識別することを
    特徴とするISAR画像目標識別処理装置。
  2. 【請求項2】さらに、前記評価手段で得られる合致度合
    いから前記ISAR画像における目標のレーダから見た
    姿勢角を推定する姿勢角推定手段を備えることを特徴と
    する請求項1記載のISAR画像目標識別処理装置。
  3. 【請求項3】さらに、前記評価手段で得られる合致度合
    いから前記ISAR画像における目標のレーダから見た
    回転運動を推定する回転運動推定手段を備えることを特
    徴とする請求項1記載のISAR画像目標識別処理装
    置。
  4. 【請求項4】さらに、前記目標の3次元形状モデルデー
    タベースから候補として選択される複数の3次元形状モ
    デルをその名称及び固有の特徴量と共に表示し、その中
    から指定される3次元形状モデルを前記ISAR画像と
    並べて表示する表示手段を備えることを特徴とする請求
    項1記載のISAR画像目標識別処理装置。
  5. 【請求項5】さらに、指定された3次元形状モデルを用
    いて模擬ISAR画像を生成する模擬ISAR画像生成
    手段と、この手段で生成された模擬ISAR画像を前記
    レーダエコーから得られたISAR画像と並べて表示す
    る表示手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の
    ISAR画像目標識別処理装置。
  6. 【請求項6】前記模擬ISAR画像生成手段は、前記レ
    ーダを単一光源としたときのその光源からの光線追尾の
    手法を用いてISAR画像を模擬することを特徴とする
    請求項5記載のISAR画像目標識別処理装置。
  7. 【請求項7】前記模擬ISAR画像生成手段は、生成し
    た模擬ISAR画像の目標姿勢角を微調整する機能を備
    えることを特徴とする請求項5記載のISAR画像目標
    識別処理装置。
  8. 【請求項8】さらに、指定された3次元形状モデルを用
    いて模擬ISAR画像を生成し、生成した模擬ISAR
    画像の目標姿勢角を微調整する機能を有する模擬ISA
    R画像生成手段と、 この手段で生成された模擬ISAR画像を前記レーダエ
    コーから得られたISAR画像と並べて表示する表示手
    段と、 前記模擬ISAR画像における目標姿勢角の微調整量か
    ら目標のレーダから見た姿勢角を推定する姿勢角推定手
    段を備えることを特徴とする請求項1記載のISAR画
    像目標識別処理装置。
  9. 【請求項9】前記ISAR画像処理手段は、ISAR画
    像上の任意の点を原点として各点への距離を求め、 前記3次元形状モデル処理手段は、前記ISAR画像処
    理手段で得られた原点から各点への距離に対して、3次
    元モデル上の対応する原点と各点間の距離の逆数をかけ
    た大きさと、3次元形状モデル上の対応する点間を張る
    ベクトルの方向成分をもつ正規化ベクトルを求め、 前記評価手段は、前記3次元形状モデル処理手段で得ら
    れた正規化ベクトルの指す点が3次元空間上に存在する
    ある球面上に配置されることを期待し、その球面からの
    ずれをもって、対象とするISAR画像と目標の3次元
    形状モデルの合致度合いを判定評価することを特徴とす
    る請求項1記載のISAR画像目標識別処理装置。
  10. 【請求項10】前記評価手段は、前記3次元形状モデル
    処理手段で得られた正規化ベクトルを表示する手段、前
    記3次元形状モデル処理手段で用いた球面の半径と前記
    正規化ベクトルの方向成分を指定される2次元面上への
    射影して表示する手段、前記正規化ベクトルの長さを度
    数分布表示する手段の少なくともいずれかを備えること
    を特徴とする請求項9記載のISAR画像目標識別処理
    装置。
  11. 【請求項11】さらに、前記3次元形状モデル処理手段
    で用いた球面の直径方向及びその大きさから前記ISA
    R画像における目標のレーダから見た回転運動を推定す
    る回転運動推定手段を備えることを特徴とする請求項1
    0記載のISAR画像目標識別処理装置。
  12. 【請求項12】前記ISAR画像と3次元形状モデルの
    対応点を、目標に応じて予め設定される特徴点に自動的
    に設定することを特徴とする請求項1記載のISAR画
    像目標識別処理装置。
  13. 【請求項13】さらに、前記3次元形状モデル処理手段
    で選択される3次元形状モデルを表示すると同時に、そ
    の目標に応じた特徴点を対応点候補として3次元形状モ
    デル上に識別表示することを特徴とする請求項1記載の
    ISAR画像目標識別処理装置。
  14. 【請求項14】前記対応点候補に優先度を持たせて前記
    3次元形状モデル上に識別表示することを特徴とする請
    求項13記載のISAR画像目標識別処理装置。
  15. 【請求項15】さらに、前記評価手段で得られる合致度
    合いを複数の3次元形状モデルについて同時に表示する
    機能を有する請求項1記載のISAR画像目標識別処理
    装置。
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