JPH09329545A - 分光分析計における温度補正手段 - Google Patents
分光分析計における温度補正手段Info
- Publication number
- JPH09329545A JPH09329545A JP17307096A JP17307096A JPH09329545A JP H09329545 A JPH09329545 A JP H09329545A JP 17307096 A JP17307096 A JP 17307096A JP 17307096 A JP17307096 A JP 17307096A JP H09329545 A JPH09329545 A JP H09329545A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- temperature
- filter
- sample
- wavelength
- temperature correction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 バンドパスフィルタの温度変化を考慮して成
分計算式に温度補正を行い、特定成分値または食味値の
検出精度を向上させるとともに、バンドパスフィルタの
寿命の向上及び測定時のウォーミングアップ時間の短縮
を図る。 【構成】 バンドパスフィルタ4の近傍には、該バンド
パスフィルタ4の雰囲気温度を検出するフィルタ温度検
出器16を設け、成分計算式には、前記フィルタ温度検
出器16の検出値に基づいて温度補正を行うフィルタ温
度補正項を設ける。
分計算式に温度補正を行い、特定成分値または食味値の
検出精度を向上させるとともに、バンドパスフィルタの
寿命の向上及び測定時のウォーミングアップ時間の短縮
を図る。 【構成】 バンドパスフィルタ4の近傍には、該バンド
パスフィルタ4の雰囲気温度を検出するフィルタ温度検
出器16を設け、成分計算式には、前記フィルタ温度検
出器16の検出値に基づいて温度補正を行うフィルタ温
度補正項を設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バンドパスフィルタを
用いた分光分析計に関し、特に、バンドパスフィルタの
温度特性を考慮して成分計算式を補正する温度補正手段
に関する。
用いた分光分析計に関し、特に、バンドパスフィルタの
温度特性を考慮して成分計算式を補正する温度補正手段
に関する。
【0002】
【従来の技術】バンドパスフィルタを用いた分光分析計
の一例として、米に含有されるタンパク質などの成分を
測定したり、その測定結果に基づいて米の食味値を求め
る成分分析装置が知られている。
の一例として、米に含有されるタンパク質などの成分を
測定したり、その測定結果に基づいて米の食味値を求め
る成分分析装置が知られている。
【0003】この成分分析装置の構成を簡単に述べる
と、例えば、試料となる米に近赤外線を照射し、その透
過光または反射光からタンパク質やアミロースに関係す
る複数の波長の吸光度を検出し、その検出吸光度から予
め求めた検量線から成る成分算出式を使用してタンパク
質などの特定成分値や食味値を求めるものである。
と、例えば、試料となる米に近赤外線を照射し、その透
過光または反射光からタンパク質やアミロースに関係す
る複数の波長の吸光度を検出し、その検出吸光度から予
め求めた検量線から成る成分算出式を使用してタンパク
質などの特定成分値や食味値を求めるものである。
【0004】この種の成分分析装置には試料温度の影響
を受けることから様々な対策が講じられている。例え
ば、特開平6ー313754号公報に開示されたもの
は、試料測定部に放射温度計等の非接触の温度検出手段
を設けて、分光分析前の試料温度と分光分析後の試料温
度とを測定し、スペクトル分布により求めた試料の化学
的成分の定量値を求める定量式に、温度検出手段の検出
結果により補正を行う温度補正項が設けられている。ま
た、特開平4ー361138号公報に開示されたもの
は、試料測定部の近傍に設けた外気温度を検出する外気
温度センサと、その外気温度センサの検出温度に基づい
て検量線の係数を所定値に設定する係数設定手段とが設
けられている。
を受けることから様々な対策が講じられている。例え
ば、特開平6ー313754号公報に開示されたもの
は、試料測定部に放射温度計等の非接触の温度検出手段
を設けて、分光分析前の試料温度と分光分析後の試料温
度とを測定し、スペクトル分布により求めた試料の化学
的成分の定量値を求める定量式に、温度検出手段の検出
結果により補正を行う温度補正項が設けられている。ま
た、特開平4ー361138号公報に開示されたもの
は、試料測定部の近傍に設けた外気温度を検出する外気
温度センサと、その外気温度センサの検出温度に基づい
て検量線の係数を所定値に設定する係数設定手段とが設
けられている。
【0005】更に、特開昭63ー167244号公報に
開示されたものは、温度検出器、温度設定器及び測定装
置自体を恒温となして測定する設定温度に対応する温度
調節器を有するものである。
開示されたものは、温度検出器、温度設定器及び測定装
置自体を恒温となして測定する設定温度に対応する温度
調節器を有するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の温度補正項及び
係数設定手段を設けた成分分析装置は、試料の温度変化
に起因した前記検出吸光度の変化を、定量式及び検量式
による算出時に温度補正を行い、安定した特定成分値ま
たは食味値が得られるようにしたものである。
係数設定手段を設けた成分分析装置は、試料の温度変化
に起因した前記検出吸光度の変化を、定量式及び検量式
による算出時に温度補正を行い、安定した特定成分値ま
たは食味値が得られるようにしたものである。
【0007】しかしながら、上記従来の成分分析装置で
は、照射する光を狭帯域に限定したり、受光する光を狭
帯域に限定するバンドパスフィルタの温度変化に起因し
て検出吸光度が変化することが考慮されていなかった。
つまり、バンドパスフィルタは、周囲の温度変化により
分光特性に変化が生じ、温度が高くなるにつれて波長の
透過帯域が長波長方向にシフトすることが知られている
(図4参照)。これにより、バンドパスフィルタの透過
波長が変化して検出吸光度に変化が生じ、定量式及び検
量式によって得られる特定成分値及び食味値の精度に影
響を及ぼす恐れがあった。
は、照射する光を狭帯域に限定したり、受光する光を狭
帯域に限定するバンドパスフィルタの温度変化に起因し
て検出吸光度が変化することが考慮されていなかった。
つまり、バンドパスフィルタは、周囲の温度変化により
分光特性に変化が生じ、温度が高くなるにつれて波長の
透過帯域が長波長方向にシフトすることが知られている
(図4参照)。これにより、バンドパスフィルタの透過
波長が変化して検出吸光度に変化が生じ、定量式及び検
量式によって得られる特定成分値及び食味値の精度に影
響を及ぼす恐れがあった。
【0008】このため、測定装置に温度調節器を設けて
測定装置自体を恒温槽に形成したものは、温度調節器と
してヒータを用い、例えば、外気温+20(℃)の雰囲
気温度に測定装置内を保持して分光分析を開始する。し
かしながら、ヒータには冷却作用がないため高温状態が
続き、熱によるフィルタの劣化からバンドパスフィルタ
の寿命が短くなっていた。また、このようにヒータを使
用したものは測定開始までのウォーミングアップに長時
間を要するという欠点があった。
測定装置自体を恒温槽に形成したものは、温度調節器と
してヒータを用い、例えば、外気温+20(℃)の雰囲
気温度に測定装置内を保持して分光分析を開始する。し
かしながら、ヒータには冷却作用がないため高温状態が
続き、熱によるフィルタの劣化からバンドパスフィルタ
の寿命が短くなっていた。また、このようにヒータを使
用したものは測定開始までのウォーミングアップに長時
間を要するという欠点があった。
【0009】本発明は上記問題点にかんがみ、バンドパ
スフィルタの温度変化を考慮して、検量式から成る成分
算出式に温度補正を行って特定成分値または食味値の検
出精度を向上させるとともに、バンドパスフィルタの寿
命の向上及びウォーミングアップ時間の短縮を図ること
を技術的課題とする。
スフィルタの温度変化を考慮して、検量式から成る成分
算出式に温度補正を行って特定成分値または食味値の検
出精度を向上させるとともに、バンドパスフィルタの寿
命の向上及びウォーミングアップ時間の短縮を図ること
を技術的課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、試料に近赤外線を照射する光源と、近赤外線
を狭帯域の波長に限定する複数種のバンドパスフィルタ
と、試料に照射して得られた透過光または反射光により
試料の含有成分に関係する複数の波長の吸光度を検出す
る受光手段と、その検出吸光度から、予め求めてある成
分計算式を使用して前記試料の特定成分値を求める演算
回路とからなる分光分析計であって、前記バンドパスフ
ィルタの近傍には、該バンドパスフィルタの雰囲気温度
を検出するフィルタ温度検出器を設け、前記成分計算式
には、前記フィルタ温度検出器の検出値に基づいて温度
補正を行うフィルタ温度補正項を設ける、という技術的
手段を講じた。
本発明は、試料に近赤外線を照射する光源と、近赤外線
を狭帯域の波長に限定する複数種のバンドパスフィルタ
と、試料に照射して得られた透過光または反射光により
試料の含有成分に関係する複数の波長の吸光度を検出す
る受光手段と、その検出吸光度から、予め求めてある成
分計算式を使用して前記試料の特定成分値を求める演算
回路とからなる分光分析計であって、前記バンドパスフ
ィルタの近傍には、該バンドパスフィルタの雰囲気温度
を検出するフィルタ温度検出器を設け、前記成分計算式
には、前記フィルタ温度検出器の検出値に基づいて温度
補正を行うフィルタ温度補正項を設ける、という技術的
手段を講じた。
【0011】
【作用】フィルタ温度検出器によりバンドパスフィルタ
近傍の雰囲気温度を検出し、この検出値に基づいてフィ
ルタ温度補正項が成分計算式の温度補正を行うので、バ
ンドパスフィルタの温度変化に伴って透過波長が変化
し、更に、検出吸光度に変化が生じても、バンドパスフ
ィルタの温度変化に影響を受けることなく特定成分値が
正確に算出される。
近傍の雰囲気温度を検出し、この検出値に基づいてフィ
ルタ温度補正項が成分計算式の温度補正を行うので、バ
ンドパスフィルタの温度変化に伴って透過波長が変化
し、更に、検出吸光度に変化が生じても、バンドパスフ
ィルタの温度変化に影響を受けることなく特定成分値が
正確に算出される。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1に示す分光分析装置1のキャビネット2の上部に
は、近赤外線を照射する光源3を設け、該光源3の照射
面には、複数個のバンドパスフィルタ4により構成して
複数の特定波長を透過させる円板状のフィルタ5を設け
る。該フィルタ5は、駆動モータ6を連結し、駆動モー
タ6の回転により任意のバンドパスフィルタ4を選択し
て光源3からの光を透過可能に設定している。光源3か
らの照射光は積分球7に取り込むように構成し、該積分
球7の上部にはスリット8の間隙を通過した特定波長の
近赤外線を取り入れる窓9を設けてある。積分球7の内
部には、反射光量検出器10A,10Bを対称な位置に
設け、積分球7の底部は開口して測定部11となし、測
定部11の下部に透明板12を設け、その下方には透過
光量検出器10Cを配設してある。これら反射光量検出
器10A,10B及び透過光量検出器10Cは試料に照
射された後の近赤外線を受光し、これを電気量に変換す
ると共に、その吸光度を出力する受光手段となる。ま
た、上記受光手段とは別にキャビネット2内には試料供
給装置13を配設する。
図1に示す分光分析装置1のキャビネット2の上部に
は、近赤外線を照射する光源3を設け、該光源3の照射
面には、複数個のバンドパスフィルタ4により構成して
複数の特定波長を透過させる円板状のフィルタ5を設け
る。該フィルタ5は、駆動モータ6を連結し、駆動モー
タ6の回転により任意のバンドパスフィルタ4を選択し
て光源3からの光を透過可能に設定している。光源3か
らの照射光は積分球7に取り込むように構成し、該積分
球7の上部にはスリット8の間隙を通過した特定波長の
近赤外線を取り入れる窓9を設けてある。積分球7の内
部には、反射光量検出器10A,10Bを対称な位置に
設け、積分球7の底部は開口して測定部11となし、測
定部11の下部に透明板12を設け、その下方には透過
光量検出器10Cを配設してある。これら反射光量検出
器10A,10B及び透過光量検出器10Cは試料に照
射された後の近赤外線を受光し、これを電気量に変換す
ると共に、その吸光度を出力する受光手段となる。ま
た、上記受光手段とは別にキャビネット2内には試料供
給装置13を配設する。
【0013】積分球7の底部に設けた前記測定部11に
は、粉砕試料を充填する試料容器14を載置するのであ
るが、前記測定部11の凹部側壁には試料温度を検出す
るサーミスタ等の試料温度検出器15を埋設する。ま
た、キャビネット2の所定箇所、すなわち、円板状のフ
ィルタ5近傍にフィルタ5の温度を検出するフィルタ温
度検出器16を設ける。このフィルタ温度検出器16
は、例えば、非接触の放射温度計を使用するとフィルタ
の表面温度が精度よく検出できる。
は、粉砕試料を充填する試料容器14を載置するのであ
るが、前記測定部11の凹部側壁には試料温度を検出す
るサーミスタ等の試料温度検出器15を埋設する。ま
た、キャビネット2の所定箇所、すなわち、円板状のフ
ィルタ5近傍にフィルタ5の温度を検出するフィルタ温
度検出器16を設ける。このフィルタ温度検出器16
は、例えば、非接触の放射温度計を使用するとフィルタ
の表面温度が精度よく検出できる。
【0014】次に、上記のように構成される分光分析装
置1の制御系について、図2を参照して説明する。
置1の制御系について、図2を参照して説明する。
【0015】制御装置17は、CPU、RAM、ROM
などからなり、その入力側に入力インターフェース18
を介して操作キーボード19、試料温度検出器15、フ
ィルタ温度検出器16、反射光量検出器10A,10B
及び透過光量検出器10Cなどを接続する。更に、制御
装置17の出力側には、出力インターフェース24を介
して表示器20、プリンタ21などの出力手段と光源
3、駆動モータ6を接続する。
などからなり、その入力側に入力インターフェース18
を介して操作キーボード19、試料温度検出器15、フ
ィルタ温度検出器16、反射光量検出器10A,10B
及び透過光量検出器10Cなどを接続する。更に、制御
装置17の出力側には、出力インターフェース24を介
して表示器20、プリンタ21などの出力手段と光源
3、駆動モータ6を接続する。
【0016】次に、上記構成の分光分析装置1の動作の
一例を説明する。まず、試料供給装置13に試料を投入
し、その下部に設けた一対の粉砕ローラ22,22によ
り試料(例えば米)を粉砕する。そして、その試料を試
料容器14に充填した後、ハンドル23により試料容器
14を図1の矢印左方向に押し込み、試料容器14を測
定部11の凹部に載置する。次に、分光分析装置1を作
動状態にする。つまり、光源3を点灯すると共に、駆動
モータ6を駆動してフィルタ5のうちの任意のバンドパ
スフィルタ4を選択する。すると、光源3から照射した
近赤外線は、任意のバンドパスフィルタ4及びスリット
8を透過して積分球7に入射し、該積分球7底部に設け
た測定部11の試料を透過し、その透過光が透過光量検
出器10Cで検出される。また、試料の反射光は、積分
球7内を乱反射して反射光量検出器10A,10Bによ
り検出される。
一例を説明する。まず、試料供給装置13に試料を投入
し、その下部に設けた一対の粉砕ローラ22,22によ
り試料(例えば米)を粉砕する。そして、その試料を試
料容器14に充填した後、ハンドル23により試料容器
14を図1の矢印左方向に押し込み、試料容器14を測
定部11の凹部に載置する。次に、分光分析装置1を作
動状態にする。つまり、光源3を点灯すると共に、駆動
モータ6を駆動してフィルタ5のうちの任意のバンドパ
スフィルタ4を選択する。すると、光源3から照射した
近赤外線は、任意のバンドパスフィルタ4及びスリット
8を透過して積分球7に入射し、該積分球7底部に設け
た測定部11の試料を透過し、その透過光が透過光量検
出器10Cで検出される。また、試料の反射光は、積分
球7内を乱反射して反射光量検出器10A,10Bによ
り検出される。
【0017】ところで、フィルタ5が回転すると任意の
バンドパスフィルタ4が選択され、試料に到達する近赤
外線の波長が変わるので、反射光量検出器10A,10
B及び透過光量検出器10Cには波長に応じた信号が検
出される。例えば、フィルタ5にアミロースの含有量の
指標となる2310nm,2280nm,2230n
m,2180nm,2100nm用の5種類のバンドパ
スフィルタを用い、各波長に対する吸光度A1,A2,
A3,A4,A5を算出する。そして、(1)式で示す
ように予め求めてある成分計算式に吸光度Aを代入して
アミロースの含有量%0 を得る。
バンドパスフィルタ4が選択され、試料に到達する近赤
外線の波長が変わるので、反射光量検出器10A,10
B及び透過光量検出器10Cには波長に応じた信号が検
出される。例えば、フィルタ5にアミロースの含有量の
指標となる2310nm,2280nm,2230n
m,2180nm,2100nm用の5種類のバンドパ
スフィルタを用い、各波長に対する吸光度A1,A2,
A3,A4,A5を算出する。そして、(1)式で示す
ように予め求めてある成分計算式に吸光度Aを代入して
アミロースの含有量%0 を得る。
【0018】
【数1】 そして、上記(1)式の成分計算式でアミロース含有量
を求める際に、試料温度検出器15により試料温度
(℃)を制御装置17に読み込み、(1)式に試料温度
補正項を加える。例えば、試料温度検出器15の検出温
度が10℃では1.0%、18℃では0.2%だけアミ
ロースの含有量を増加するように補正項を決定すればよ
い。以上のようにして試料温度補正した成分値を%1 と
する。
を求める際に、試料温度検出器15により試料温度
(℃)を制御装置17に読み込み、(1)式に試料温度
補正項を加える。例えば、試料温度検出器15の検出温
度が10℃では1.0%、18℃では0.2%だけアミ
ロースの含有量を増加するように補正項を決定すればよ
い。以上のようにして試料温度補正した成分値を%1 と
する。
【0019】次に、フィルタ温度検出器16によりフィ
ルタ温度(℃)を制御装置17に読み込み、フィルタ温
度補正項により更にフィルタの温度補正を行う。これを
図3及び図4を参照して以下詳細に説明する。
ルタ温度(℃)を制御装置17に読み込み、フィルタ温
度補正項により更にフィルタの温度補正を行う。これを
図3及び図4を参照して以下詳細に説明する。
【0020】図3はある物質(例えば米)の波長帯域に
おける吸光度を示すものであり、図4は温度変化による
バンドパスフィルタの分光特性の変化を示すものであ
る。図4において、特定のバンドパスフィルタの温度が
30℃のときの中心波長(透過率が最大である波長)を
λ1 (t1=30℃) とする。また、同様のバンドパスフィル
タを用いたときの温度が40℃のときの中心波長(透過
率が最大である波長)をλ2 (t2=40℃) とする。次に、
図3において、波長λ1 (t1=30℃) における吸光度がA
1 (t1=30℃) であり、波長λ2 (t2=40℃) における吸光
度がA2 (t2=40℃) であるとする。このとき、波長λ1
(t1=30℃) から波長λ2 (t2=40℃) までの吸光度変化は
狭い範囲内であるから直線として近似することができ
る。
おける吸光度を示すものであり、図4は温度変化による
バンドパスフィルタの分光特性の変化を示すものであ
る。図4において、特定のバンドパスフィルタの温度が
30℃のときの中心波長(透過率が最大である波長)を
λ1 (t1=30℃) とする。また、同様のバンドパスフィル
タを用いたときの温度が40℃のときの中心波長(透過
率が最大である波長)をλ2 (t2=40℃) とする。次に、
図3において、波長λ1 (t1=30℃) における吸光度がA
1 (t1=30℃) であり、波長λ2 (t2=40℃) における吸光
度がA2 (t2=40℃) であるとする。このとき、波長λ1
(t1=30℃) から波長λ2 (t2=40℃) までの吸光度変化は
狭い範囲内であるから直線として近似することができ
る。
【0021】一方、アミロース等の成分値を算出する式
は、(2)式により一般的に知られている。
は、(2)式により一般的に知られている。
【0022】
【数2】 (2)式から温度がt1 のときの波長の吸光度をAλ1
とすると、そのときの成分値は
とすると、そのときの成分値は
【0023】
【数3】 であり、温度がt2 のときの波長の吸光度をAλ2 とす
ると、そのときの成分値は
ると、そのときの成分値は
【0024】
【数4】 となる。そして、(4)式と(3)式とを減算すると、
【0025】
【数5】 となるが、図3において波長と波長の幅が狭い範囲で
は、吸光度差(Aλ2 ーAλ1 )が温度差(t2 ーt1
)と比例するので、
は、吸光度差(Aλ2 ーAλ1 )が温度差(t2 ーt1
)と比例するので、
【0026】
【数6】 となる。ゆえに、(4)式は、
【0027】
【数7】 となり、第1項目の試料温度補正を行った成分値%1
と、第2項目のフィルタ温度がt1 からt2 に変化する
ときのフィルタ温度補正項とを加算することにより成分
値%2 が算出される。これにより、試料の温度変化とバ
ンドパスフィルタの温度変化とを考慮して温度補正が行
わるので、特定成分値の検出精度を向上させることが可
能となる。
と、第2項目のフィルタ温度がt1 からt2 に変化する
ときのフィルタ温度補正項とを加算することにより成分
値%2 が算出される。これにより、試料の温度変化とバ
ンドパスフィルタの温度変化とを考慮して温度補正が行
わるので、特定成分値の検出精度を向上させることが可
能となる。
【0028】なお、上述の実施例では、バンドパスフィ
ルタ4を光源3の照射面に設けて、光源3からの照射光
を狭帯域の波長に限定して試料に照射する構成としてあ
るが、本発明はこれに限定されるものではなく、バンド
パスフィルタ4を受光手段10A,10B,10Cの近
傍に配設して、近赤外線を試料に照射して得られた透過
光または反射光を狭帯域の波長に限定し、この狭帯域の
波長が受光手段10A,10B,10Cに検出される構
成としてもよい。
ルタ4を光源3の照射面に設けて、光源3からの照射光
を狭帯域の波長に限定して試料に照射する構成としてあ
るが、本発明はこれに限定されるものではなく、バンド
パスフィルタ4を受光手段10A,10B,10Cの近
傍に配設して、近赤外線を試料に照射して得られた透過
光または反射光を狭帯域の波長に限定し、この狭帯域の
波長が受光手段10A,10B,10Cに検出される構
成としてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、前記バン
ドパスフィルタの近傍には、該バンドパスフィルタの雰
囲気温度を検出するフィルタ温度検出器を設け、前記成
分計算式には、前記フィルタ温度検出器の検出値に基づ
いて温度補正を行うフィルタ温度補正項を設けたので、
試料温度の検出値に基づいて成分計算式の温度補正を行
うだけでなく、バンドパスフィルタの温度変化も考慮し
て成分計算式に温度補正を行うため、特定成分値の検出
精度を向上させることが可能となった。
ドパスフィルタの近傍には、該バンドパスフィルタの雰
囲気温度を検出するフィルタ温度検出器を設け、前記成
分計算式には、前記フィルタ温度検出器の検出値に基づ
いて温度補正を行うフィルタ温度補正項を設けたので、
試料温度の検出値に基づいて成分計算式の温度補正を行
うだけでなく、バンドパスフィルタの温度変化も考慮し
て成分計算式に温度補正を行うため、特定成分値の検出
精度を向上させることが可能となった。
【0030】更に、測定装置にヒータを設けて測定装置
自体を恒温槽に形成する必要がないので、バンドパスフ
ィルタの寿命の向上及びウォーミングアップ時間の短縮
を図ることが可能となった。
自体を恒温槽に形成する必要がないので、バンドパスフ
ィルタの寿命の向上及びウォーミングアップ時間の短縮
を図ることが可能となった。
【図1】本発明の分光分析装置を示す概略縦断面図であ
る。
る。
【図2】本発明の分光分析装置の制御系を示すブロック
図である。
図である。
【図3】ある物質(例えば米)の波長帯域における吸光
度を示した図である。
度を示した図である。
【図4】温度変化によるバンドパスフィルタの分光特性
の変化を示した図である。
の変化を示した図である。
1 分光分析装置 2 キャビネット 3 光源 4 バンドパスフィルタ 5 フィルタ 6 駆動モータ 7 積分球 8 スリット 9 窓 10A 反射光量検出器 10B 反射光量検出器 10C 透過光量検出器 11 測定部 12 透明板 13 試料供給装置 14 試料容器 15 試料温度検出器 16 フィルタ温度検出器 17 制御装置 18 入力インターフェース 19 操作キーボード 20 表示器 21 プリンタ 22 粉砕ローラ 23 ハンドル 24 出力インターフェース
Claims (1)
- 【請求項1】 試料に近赤外線を照射する光源と、近赤
外線を狭帯域の波長に限定する複数種のバンドパスフィ
ルタと、試料に照射して得られた透過光または反射光に
より試料の含有成分に関係する複数の波長の吸光度を検
出する受光手段と、その検出吸光度から、予め求めてあ
る成分計算式を使用して前記試料の特定成分値を求める
演算回路とからなる分光分析計であって、前記バンドパ
スフィルタの近傍には、該バンドパスフィルタの雰囲気
温度を検出するフィルタ温度検出器を設け、前記成分計
算式には、前記フィルタ温度検出器の検出値に基づいて
温度補正を行うフィルタ温度補正項を設けたことを特徴
とする分光分析計における温度補正手段。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17307096A JPH09329545A (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | 分光分析計における温度補正手段 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17307096A JPH09329545A (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | 分光分析計における温度補正手段 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09329545A true JPH09329545A (ja) | 1997-12-22 |
Family
ID=15953655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17307096A Pending JPH09329545A (ja) | 1996-06-11 | 1996-06-11 | 分光分析計における温度補正手段 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09329545A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102890063A (zh) * | 2012-10-10 | 2013-01-23 | 长春理工大学 | 多参数便携式自动食品安全检测仪 |
-
1996
- 1996-06-11 JP JP17307096A patent/JPH09329545A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102890063A (zh) * | 2012-10-10 | 2013-01-23 | 长春理工大学 | 多参数便携式自动食品安全检测仪 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0743513B1 (en) | Spectrometry and Optical Measuring Method and Apparatus | |
AU711156B2 (en) | Instrument and method for non-invasive monitoring of human tissue analyte by measuring the body's infrared radiation | |
JP6120842B2 (ja) | 体液中の物質の濃度を測定するための方法及びシステム | |
US5455177A (en) | Method for analysis of a medical sample | |
JPH09329545A (ja) | 分光分析計における温度補正手段 | |
US20140039282A1 (en) | Concentration measuring device and a method of controlling the concentration measuring device | |
US9784672B2 (en) | Foodstuff analysis device | |
JP2023502246A (ja) | 菌体内毒素リーダの検証プレートおよび使用方法 | |
JPH0222687Y2 (ja) | ||
JPH0843301A (ja) | 液体試料の吸光度、成分濃度又は比重を測定する方法及び装置 | |
CA3000297C (en) | Method and apparatus for determining the concentration of an analyte in a body fluid | |
JPH07333144A (ja) | 近赤外分光分析装置 | |
JPH0763674A (ja) | 青果物の糖度測定方法 | |
JPH0560685A (ja) | 近赤外分光分析による温度推定法および蛋白質含有量推定法 | |
JPH04361138A (ja) | 米の食味分析計における温度補正装置 | |
JPS63175747A (ja) | 米のアミロ−スまたはアミロペクチンの含有量測定装置 | |
US20240085314A1 (en) | Method for calibrating a gas sensor and method for measuring a gas using the calibration | |
JPS61175534A (ja) | 放射率測定装置 | |
JP2004089875A (ja) | 生ごみ処理装置 | |
JP3235619B2 (ja) | 米の食味評価方法及び装置 | |
CN117387767A (zh) | 一种应用于双光路的红外测温建模方法及装置 | |
JPH0829336A (ja) | 食味値測定装置 | |
JPS63188743A (ja) | 米の食味測定装置 | |
JP3511678B2 (ja) | 近赤外分光分析装置 | |
WO2024160942A1 (en) | Combination of two led and open port calibration |