JPH09328909A - コンクリート柱の補強方法 - Google Patents

コンクリート柱の補強方法

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JPH09328909A
JPH09328909A JP8168624A JP16862496A JPH09328909A JP H09328909 A JPH09328909 A JP H09328909A JP 8168624 A JP8168624 A JP 8168624A JP 16862496 A JP16862496 A JP 16862496A JP H09328909 A JPH09328909 A JP H09328909A
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JP
Japan
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sheet
wall
fiber
reinforcing
concrete
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JP8168624A
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English (en)
Inventor
Toru Akeboshi
徹 明星
Yasuo Jinno
靖夫 神野
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Shimizu Construction Co Ltd
Tonen General Sekiyu KK
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Tonen Corp
Shimizu Corp
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Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd, Tonen Corp, Shimizu Corp filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04GSCAFFOLDING; FORMS; SHUTTERING; BUILDING IMPLEMENTS OR AIDS, OR THEIR USE; HANDLING BUILDING MATERIALS ON THE SITE; REPAIRING, BREAKING-UP OR OTHER WORK ON EXISTING BUILDINGS
    • E04G23/00Working measures on existing buildings
    • E04G23/02Repairing, e.g. filling cracks; Restoring; Altering; Enlarging
    • E04G23/0218Increasing or restoring the load-bearing capacity of building construction elements
    • E04G2023/0251Increasing or restoring the load-bearing capacity of building construction elements by using fiber reinforced plastic elements
    • E04G2023/0262Devices specifically adapted for anchoring the fiber reinforced plastic elements, e.g. to avoid peeling off

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  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート柱に壁が付属していても、繊維
強化樹脂複合材料シート自身の高い強度を十分に引き出
して、補強することを可能とした補強方法にある。 【解決手段】 コンクリート柱11は四角柱で、その1
面と一直線に連なる2つの壁12が延設された壁付き構
造に形成されている。この柱11の3面に強化繊維シー
ト5を、壁12との隅部13を経て壁12まで至らせて
貼り付け、柱11の壁側の1面に強化繊維シート6を、
壁12まで至らせて貼り付ける。シート5、6の繊維配
列方向は柱1の長手とは直角の方向とする。シート5、
6の含浸樹脂を硬化した後、シート5、6の端部位置で
壁12に貫通孔15を開け、隅部13に配置したアング
ル16および壁側に配置した鋼板17を介して貫通孔1
5に挿通したボルト18aと、その一端のナット18b
により、シート5、6の端部を両締めして固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、既存の建築物のコ
ンクリート柱の補強方法に関し、特に周囲の面から壁が
延設された壁付きのコンクリート柱の補強方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】先ごろ来、建築物の耐震性強化が叫ばれ
ており、既存の建築物についても耐震性向上を目的とし
た補強が要望されている。
【0003】従来、既存の建築物の耐震補強としては、
コンクリート壁の増設やブレースの設置などが効果的で
あることが知られているが、居住性の悪化や施工の簡便
さに欠けるなどの点から問題があった。
【0004】このようなことから、柱の補強により建築
物を耐震補強することが考えられている。従来、補強
は、コンクリート柱に鉄筋コンクリート(RC)を巻立
てて柱の体積を増す方法(RC巻立て工法)や、柱の周
囲に鋼板を巻き付けて接着する方法(鋼板接着工法)等
によって行なわれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】比較的最近では、コン
クリート柱に強化繊維シートを巻き付け、その繊維に含
浸した樹脂を硬化して、繊維強化樹脂複合材料に形成す
ることにより補強をなす、強化繊維シート巻き付け工法
が知られている。この工法は、施工が簡便で、コスト的
にも優位などの利点を有することから、施工例が増しつ
つある。
【0006】しかしながら、強化繊維シート巻き付け工
法による十分な補強が可能なのは、強化繊維シートを1
周巻き付けることができる独立柱に対してであり、コン
クリート柱の周囲から壁が延設された壁付き柱では不可
能であった。
【0007】なんとなれば、独立柱に対しては、強化繊
維シートを完全に1周巻き付けて、その端部同士を重ね
合わせ、含浸した樹脂により端部同士を強固に固着でき
るので、強化繊維シートによる繊維強化樹脂複合材料シ
ートは、柱に加わる変形に対して追随して、複合材料シ
ートが有する高い強度で耐えて、補強効果を発揮するこ
とができる。
【0008】これに対し、壁付き柱では、強化繊維シー
トを1周巻き付けることができず、強化繊維シートの端
部は柱の表面で自由端のままで終わっているので、柱に
加わる変形に対して、強化繊維シートによる繊維強化樹
脂複合材料シートがある程度変形した時点で、複合材料
シートの端部が柱の表面から剥離する。このため、繊維
強化樹脂複合材料シートの高い強度による補強効果を十
分に発揮させることができない。
【0009】以上の難点は、直角に交差する二方向に配
列した強化繊維、すなわち強化繊維の織物に樹脂を含浸
し、巻き付けて補強する場合も同様である。また、プリ
プレグにさらに樹脂を含浸し、巻き付けて補強する場合
も同様である。
【0010】本発明の目的は、コンクリート柱に壁が付
属していても、繊維強化樹脂複合材料シート自身の高い
強度を十分に引き出して、補強することを可能としたコ
ンクリート柱の補強方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にか
かるコンクリート柱の補強方法にて達成される。要約す
れば、本発明は、その周囲の面から少なくとも1つの壁
が延設されたコンクリート柱の該面に沿わせて、未硬化
の繊維強化樹脂複合材料シートを前記壁に及ぶ位置また
はその手前の位置まで少なくとも1層に貼り付け、この
繊維強化樹脂複合材料シートの硬化後、シート端部が位
置するコンクリート柱または壁の部分にシート端部上か
ら孔を開け、その孔にシート端部上から当て板を介して
挿通したボルトによりシート端部を締め付けて、シート
端部をコンクリート柱または壁に固定することを特徴と
するコンクリート柱の補強方法である。
【0012】本発明によれば、孔をコンクリート柱また
は壁の部分を貫通する貫通孔とし、その貫通孔にシート
端部上から当て板を介して挿通したボルトによりシート
端部を両締めし、シート端部をコンクリート柱または壁
に固定することができる。また、シートの繊維配列方向
をコンクリート柱の長手方向とは直角の方向にして、シ
ートを少なくとも1層に貼り付けることができる。さら
に、シートの繊維配列方向をコンクリート柱の長手方向
と直角方向および同方向にして、シートを少なくとも2
層に貼り付けることもできる。
【0013】また、シートがコンクリート柱と壁との隅
部を経て壁に及ぶ端部を有するとき、このシート端部に
当てる当て板を、隅部に位置させたアングルとすること
ができる。シートが壁に及ばずコンクリート柱と壁との
隅部に留まる端部を有するとき、このシート端部に当て
る当て板を平板とすることができる。コンクリート柱周
囲の壁が延設された箇所の面と壁の一方の面とが実質的
に隅部を持たず、シートがこのコンクリート柱を経て隅
部を持たない壁に及ぶ端部を有するとき、このシート端
部に当てる当て板を平板とすることができる。
【0014】さらに、当て板をシート端部に当てる前に
それらの間に樹脂を施すことができる。また、シートを
貼り付ける前に、コンクリート柱および壁の貼り付け部
分の表面の劣化層を研削し、パテ材を塗工して、貼り付
け部分の表面を予め平滑にすることができる。
【0015】さらにまた、支持シート上に接着剤層を介
して強化繊維を一方向に配列した強化繊維シートに、熱
硬化性樹脂を含浸することにより、未硬化の繊維強化樹
脂複合材料シートを調製することができる。強化繊維を
交差する二方向に配列した強化繊維織物に熱硬化性樹脂
を含浸することにより、未硬化の繊維強化樹脂複合材料
シートを調製することもでき、また、プリプレグにさら
に熱硬化性樹脂を含浸することにより、未硬化の繊維強
化樹脂複合材料シートを調製することもできる。また、
強化繊維を炭素繊維、ガラス繊維およびアラミド繊維か
らなる群より選ぶことができ、熱硬化性樹脂をエポキシ
樹脂、ビニルエステル樹脂および不飽和ポリエステルか
らなる群より選ぶことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の補強方法を実施するコン
クリート柱を示す図である。図1(a)、(b)に示す
ように、コンクリート柱11は、四角形断面の角柱から
なっており、その角柱の相対する2つの面には、これに
挟まれる1つの面と一直線に連なる2つの壁12、12
が延設され、壁付きコンクリート柱構造に形成されてい
る。
【0018】本発明では、この壁つきのコンクリート柱
11の周囲の面に繊維強化樹脂複合材料シートを貼り付
け、施工して、補強するものである。
【0019】さらに、本発明では、繊維強化樹脂複合材
料シートを、図12に示すような一方向強化繊維シート
から調製するものである。この一方向強化繊維シート1
は、支持シート2上に強化繊維4を接着剤層3を介して
一方向に配列して形成したもので、強化繊維4に熱硬化
性樹脂を含浸することにより、未硬化の繊維強化樹脂複
合材料シートを得ることができる。
【0020】強化繊維4としては、炭素繊維、ガラス繊
維およびアラミド繊維等が使用される。含浸する樹脂と
しては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂および不飽
和ポリエステル樹脂等が使用される。これらの樹脂は硬
化剤の調整により、室温硬化型樹脂として使用すること
ができる。支持シート2としては、ガラスクロス、ガラ
スペーパー(不織布)、アラミド繊維クロスおよびアラ
ミド繊維不織布等が使用される。
【0021】支持シート2の厚さは1〜500μm、好
ましくは5〜100μm、強化繊維4の量(糸目付け)
は50〜1000g/m2 、好ましくは100〜500
g/m2 、接着剤層3の厚さは1〜100μm、好まし
くは10〜30μmである。強化繊維シート1の全体の
厚さは10〜100μm程度である。
【0022】このような強化繊維シート1によれば、
(1)強化繊維4に樹脂を含浸してから強化繊維シート
1をコンクリート柱11の表面に貼り付ける;(2)コ
ンクリート柱11の表面に樹脂を塗工し、その上から強
化繊維シート1を貼り付けてからコンクリート柱11に
押圧することにより、塗工した樹脂を強化繊維4に含浸
させる;(3)コンクリート柱11の表面にプライマー
を塗工してから強化繊維シート1を貼り付け、その後、
強化繊維シート1に樹脂を塗工して擦りつけることによ
り、強化繊維4に樹脂を含浸するなど、種々の方法でコ
ンクリート柱11への繊維強化複合材料シートの貼り付
け、施工を行なうことができる利点がある。
【0023】まず、図2に示すように、大小2つの所定
幅の一方向強化繊維シート5、6を用意し、大きい方の
シート5を、コンクリート柱11の壁12とは反対側の
断面コ字状の3面に沿わせて貼り付け、さらにそのシー
ト5の端部を、コンクリート柱11と壁12との隅部1
3を経て壁12の部分まで至らせて貼り付ける。このシ
ート5の端部の壁12部分の長さは、200mm程度あ
ればよい。同様に、小さい方のシート6を、コンクリー
ト柱11の壁側の1面に沿わせて貼り付け、シート6の
端部は壁12の部分に貼り付けられる。このシート6の
端部は、シート5の端部とほぼ同じ位置とされる。シー
ト5、6の長さは、コンクリート柱11の長さ方向の補
強長さとするが、コンクリート柱の11の補強長さは、
一般にそのほぼ全長とする。
【0024】この繊維強化シート5、6は、上記した
(1)〜(3)のいずれかの方法で樹脂が含浸され、コ
ンクリート柱11への貼り付け、施工が行なわれる。
【0025】シート5、6の貼り付け層数は、最低1層
から始めて適宜の層数とすることができる。シート5、
6を貼り付けた際のシート5、6の繊維配列方向は、コ
ンクリート柱11の耐震補強では、コンクリート柱11
にかかる水平方向の剪断応力に対し、コンクリート柱1
1の強度を増すことが必要であるので、コンクリート柱
11の長さ方向(鉛直方向)と直角の水平方向とするこ
とが好ましい。しかし、本発明は、シート5、6の繊維
配列方向をコンクリート柱11の長手方向と同方向とす
ることを排除するものではない。また、シート5、6の
それぞれについて、水平方向の繊維配列方向で1層、長
さ方向の繊維配列方向で1層というような組合せた貼り
付け形態をとることも可能である。
【0026】コンクリート柱11および壁12の貼り付
け部分に劣化層があると、所望の補強強度を得られない
ことがあるので、これらシート5、6を貼り付け、施工
する前に、ディスクサンダーなどにより表面を研摩し
て、その表面部分の劣化層などを予め除去しておくこと
が好ましい。研摩した表面部分は、そこにパテ材を塗工
して、表面を平滑にしておく。
【0027】以上のようにして、樹脂を含浸した強化繊
維シート5、6を貼り付け、施工したならば、図3に示
すように、シート5、6をヒーター14で加熱して、シ
ート5、6中の樹脂を硬化する。あるいは、シート5、
6の樹脂に室温硬化型樹脂を使用している場合は、その
まま放置して硬化させてもよい。
【0028】シート5、6の樹脂の硬化後、ボルトナッ
トによりシート5、6の端部を壁12に固定する。ま
ず、ドリルで壁12にシート5、6の端部位置で、シー
ト5およびシート6ごと貫通孔15を開ける。貫通孔1
5を設ける間隔は限定はないが、一般に30〜300m
mの間隔を設ければよい。
【0029】次いで、図4(a)、(b)に示すよう
に、コンクリート柱11と壁12との隅部13にアング
ル16を配置し、アングル16をシート5の端部に当て
る。アングル16はシート5とほぼ同じ長さを有し、貫
通孔15に対応した位置にボルト挿通孔が設けられてい
る。一方、シート6の端部にも、ボルト挿通孔を有する
アングル16と同じ長さの鋼板17を当てる。そして、
アングル16および鋼板17を介して貫通孔15に挿通
したボルト18aの一端にナット18bを取付け、この
ボルトナット18によりアングル16、鋼板17を介し
てシート5、6の端部を両締めし、壁12に固定する。
【0030】このとき、シート5のアングル16の角部
による応力集中を避けるために、アングル16の角部は
R付け加工を行なっておくことが好ましい。また、アン
グル16がシート5の端部と、鋼板17がシート6の端
部と片当たりするのを防ぐために、ボルトナット18に
より締めつける前に、アングル16とシート5の端部と
の間、鋼板17とシート6の端部との間に予め樹脂を施
すことが好ましい。
【0031】本実施例のコンクリート柱の補強方法は以
上のように構成される。これによれば、コンクリート柱
11の周囲の面に施工した強化繊維シート5、6を壁1
2により固定したので、柱11に加わる変形に対して、
強化繊維シート5、6による繊維強化樹脂複合材料シー
トの端部が壁12表面から剥離することがなく、シート
5、6の繊維強化樹脂複合材料シート自身の高い強度に
よる補強効果を十分に発揮させて、コンクリート柱11
の補強をすることができる。
【0032】以上の実施例では、強化繊維シート5、6
による繊維強化樹脂複合材料シートによってコンクリー
ト柱11の4面を補強したが、図5に示すように、コン
クリート柱11の壁12とは反対側の3面だけを、繊維
強化シート5による繊維強化樹脂複合材料シートで補強
することもできる。この補強では、シート5の端部は壁
12に及ばせず、コンクリート柱11の隅部13に留ま
らせることができる。このようにシート5を貼り付け、
含浸されている樹脂を硬化したならば、シート5の端部
位置でコンクリート柱11に貫通孔15を開け、シート
5の端部に鋼板17を当てて、ボルトナット18により
鋼板17上からシート5の端部を両締めし、固定すれば
よい。
【0033】また、シート5の端部を固定するには、図
6に示すように、ボルト19により堅固に固定するのに
十分な深さまで、コンクリート柱11にシート5の端部
位置で孔15を開け、シート5の端部に鋼板17を当て
て、ボルト19により鋼板17上からシート5の端部を
締めて行なってもよい。
【0034】また、本発明の補強方法を適用することが
できるコンクリート柱は、図1の形式のコンクリート柱
11の他、図7(a)に示すように、コンクリート柱1
1の相対する2面の中央から2つの壁12が延設されて
いるもの、図7(b)に示すように、コンクリート柱1
1の1面から1つの壁12が延設されているもの、ある
いは図7(c)に示すように、断面円形のコンクリート
柱11の周面から2つの壁12が延設されているものな
ど、各種の形式の壁付きコンクリート柱が可能である。
【0035】また、以上では、一方向強化繊維シートを
用いこれに樹脂を含浸して、繊維強化樹脂複合材料シー
トに調製し、補強に使用したが、直角に交差する二方向
に配列した強化繊維、すなわち強化繊維の織物に樹脂を
含浸して、繊維強化樹脂複合材料シートに調製し、補強
に使用することもできる。また、プリプレグにさらに樹
脂を含浸して、繊維強化樹脂複合材料シートに調製し、
補強することもできる。
【0036】本発明の試験例について説明する。
【0037】実施例1 壁付きコンクリート柱の実物を模した2分の1の縮尺の
コンクリート柱を試験体として用意した。
【0038】この試験体のコンクリート柱は、図1に示
したタイプの壁付きコンクリート柱で、図8(a)〜
(c)に示すように、コンクリート柱11の正方形断面
の1辺が400mm、長さが400mmで、その1面に
一直線に連なる2つの壁12、12は、厚さが100m
m、長さが100mmである。コンクリート柱11のフ
ープ筋量は0.1%で、コンクリート柱11および壁1
2のコンクリート強度Fcは約180kg/cm2 であ
る。一方の壁12の外側端から他方の壁12の外側端ま
での長さMと、その壁12、12間のコンクリート柱1
1の1面の長さQDの比:M/QD=600/400=
1.5である。
【0039】強化繊維シートによる補強後、試験体を図
示しない曲げ試験機に取付けるために、図8に示すよう
に、コンクリート柱11の上面および下面に、縦600
mm、横1000mm、高さ600mmの角体のブロッ
ク20を取り付けた。ブロック20の取り付けは、コン
クリート柱11の2つの壁12、12の外側端面がブロ
ック20の横の辺上に来るようにして、コンクリート柱
11がブロック20の面の中央に位置する態様で取り付
けた。ブロック20には、曲げ試験機に取り付けるため
の貫通ボルト孔21が、2つの縦の辺に沿ってそこから
100mmの内側位置に4つずつ設けられている。
【0040】強化繊維シートによるコンクリート柱11
の補強は、図6の態様で行ない、コンクリート柱11の
3面に一方向強化繊維シート5を1層に貼り付け、樹脂
の硬化後、ボルト19により鋼板17を介してシート5
の端部をコンクリート柱11に固定した。シート5の端
部の高さ方向上の固定位置は、図9に示すように、壁1
2の上端および下端と同高さ位置から60mmの位置、
およびその間を120mmで区切った位置の合計10箇
所とした。
【0041】シート5の貼り付け、樹脂含浸は、上記し
た(2)の方法に準じて行なった。コンクリート柱11
の表面にエポキシ樹脂を塗工して、その上に強化繊維シ
ート5を貼り付け、さらにシート5上からエポキシ樹脂
を補充した。そしてシート5を塗布ローラにより押圧し
て、樹脂を強化繊維4に含浸させた。
【0042】用いた一方向強化繊維シート5は、東燃
(株)の一方向炭素繊維シート(フォルカトウシートF
TS−C1−20)で、この一方向炭素繊維シートは、
厚さ100μmのガラスクロスを支持シートとして、こ
の上に厚さ50μm程度のエポキシ系接着剤層を介し
て、炭素繊維を目付量200g/m2 で一方向に配列し
たものである。含浸した樹脂は東燃(株)製エポキシ樹
脂(FR−E3P)で、その樹脂目付量は600g/m
2 とした。
【0043】このようにして、コンクリート柱11の強
化繊維シート5による補強を行なった試験体を得、これ
をブロック20により曲げ試験機に取付けた。試験体に
軸力比0.2で水平荷重を与えて曲げ試験を行ない、そ
のときのコンクリート柱11の水平方向の変位δ(m
m)と水平荷重Q(tonf)との関係を調べた。その
結果を図10に示す。
【0044】比較例1 コンクリート柱11の補強を行なわず、実施例1と同様
にして曲げ試験を行ない、そのときのコンクリート柱1
1の水平方向の変位δ(mm)と水平荷重Q(ton
f)との関係を調べた。その結果を図11に示す。
【0045】図10および図11に示したδ−Q曲線に
おいて、その線図内の面積は、地震時のコンクリート柱
のエネルギー吸収量を示す。従ってコンクリート柱の大
変形時(たとえばδが50mm)、水平荷重Qが大きな
値を示せば、コンクリート柱の耐震性が向上しているこ
とになる。図10に示すように、実施例1は、図11に
示す比較例1よりも、コンクリート柱の耐震性が向上し
ている。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コンクリート柱に壁が付属していても、コンクリート柱
の周囲の面に施工した繊維強化樹脂複合材料シートの端
部をボルト等により、コンクリート柱または壁に固定し
たので、繊維強化樹脂複合材料シート自身の高い強度を
十分に引き出して、コンクリート柱を補強することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補強方法を実施するコンクリート柱を
示す図である。
【図2】本発明の補強方法の一実施例におけるコンクリ
ート柱への強化繊維シートの貼り付け法を示す説明図で
ある。
【図3】図2の貼り付けた強化繊維シートの樹脂を硬化
するところを示す断面図である。
【図4】図3の硬化した強化繊維シートの端部をコンク
リート柱の壁に固定するところを示す断面図である。
【図5】本発明の補強方法をコンクリート柱の3面に対
して行なうことを示す断面図である。
【図6】本発明の補強方法における強化繊維シート端部
の固定法の他の一例を示す断面図である。
【図7】本発明の補強方法を適用することができるコン
クリート柱の諸例を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例1および比較例1で使用したコ
ンクリート柱の試験体を示す断面図である。
【図9】実施例1のコンクリート柱補強における強化繊
維シート端部の固定位置を示す説明図である。
【図10】実施例1の補強したコンクリート柱の曲げ試
験における水平方向の変位δと水平荷重Qとの関係を示
す図である。
【図11】比較例1の無補強のコンクリート柱の曲げ試
験における水平方向の変位δと水平荷重Qとの関係を示
す図である。
【図12】本発明で使用した一方向強化繊維シートを示
す図である。
【符号の説明】
1 一方向強化繊維シート 4 強化繊維 5、6 強化繊維シート 11 コンクリート柱 12 壁 13 隅 15 貫通孔 16 アングル 17 鋼板 18a ボルト 18b ナット 19 ボルト

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その周囲の面から少なくとも1つの壁が
    延設されたコンクリート柱の該面に沿わせて、未硬化の
    繊維強化樹脂複合材料シートを前記壁に及ぶ位置または
    その手前の位置まで少なくとも1層に貼り付け、この繊
    維強化樹脂複合材料シートの硬化後、シート端部が位置
    するコンクリート柱または壁の部分にシート端部上から
    孔を開け、その孔にシート端部上から当て板を介して挿
    通したボルトによりシート端部を締め付けて、シート端
    部をコンクリート柱または壁に固定することを特徴とす
    るコンクリート柱の補強方法。
  2. 【請求項2】 孔をコンクリート柱または壁の部分を貫
    通する貫通孔とし、その貫通孔にシート端部上から当て
    板を介して挿通したボルトによりシート端部を両締め
    し、シート端部をコンクリート柱または壁に固定する請
    求項1の補強方法。
  3. 【請求項3】 シートの繊維配列方向をコンクリート柱
    の長手方向とは直角の方向にして、シートを少なくとも
    1層に貼り付ける請求項1または2の補強方法。
  4. 【請求項4】 シートの繊維配列方向をコンクリート柱
    の長手方向と直角方向および同方向にして、シートを少
    なくとも2層に貼り付ける請求項1または2の補強方
    法。
  5. 【請求項5】 シートがコンクリート柱と壁との隅部を
    経て壁に及ぶ端部を有するとき、このシート端部に当て
    る当て板を、隅部に位置させたアングルとする請求項
    1、2、3または4の補強方法。
  6. 【請求項6】 シートが壁に及ばずコンクリート柱と壁
    との隅部に留まる端部を有するとき、このシート端部に
    当てる当て板を平板とする請求項1、2、3、4または
    5の補強方法。
  7. 【請求項7】 コンクリート柱周囲の壁が延設された箇
    所の面と壁の一方の面とが実質的に隅部を持たず、シー
    トがこのコンクリート柱を経て隅部を持たない壁に及ぶ
    端部を有するとき、このシート端部に当てる当て板を平
    板とする請求項1、2、3、4または5の補強方法。
  8. 【請求項8】 当て板をシート端部に当てる前にそれら
    の間に樹脂を施す請求項1、2、3、4、5、6または
    7の補強方法。
  9. 【請求項9】 シートを貼り付ける前に、コンクリート
    柱および壁の貼り付け部分の表面の劣化層を研削し、パ
    テ材を塗工して、貼り付け部分の表面を予め平滑にする
    請求項1、2、3、4、5、6、7または8の補強方
    法。
  10. 【請求項10】 支持シート上に接着剤層を介して強化
    繊維を一方向に配列した強化繊維シートに熱硬化性樹脂
    を含浸することにより、未硬化の繊維強化樹脂複合材料
    シートを調製した請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8または9の補強方法。
  11. 【請求項11】 強化繊維を交差する二方向に配列した
    強化繊維織物に熱硬化性樹脂を含浸することにより、未
    硬化の繊維強化樹脂複合材料シートを調製した請求項
    1、2、3、4、5、6、7、8または9の補強方法。
  12. 【請求項12】 プリプレグにさらに熱硬化性樹脂を含
    浸させることにより、未硬化の繊維強化樹脂複合材料シ
    ートを調整した請求項1、2、3、4、5、6、7、8
    または9の補強方法。
  13. 【請求項13】 強化繊維が炭素繊維、ガラス繊維およ
    びアラミド繊維からなる群より選ばれる請求項1、2、
    3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の
    補強方法。
  14. 【請求項14】 熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂、ビニル
    エステル樹脂および不飽和ポリエステルからなる群より
    選ばれる請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、
    10、11、12または13の補強方法。
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