JPH09328675A - 金属部材間のすき間腐食防止方法およびすき間腐食防止用シーリング材ならびに防食機能を有するゴム成型品 - Google Patents

金属部材間のすき間腐食防止方法およびすき間腐食防止用シーリング材ならびに防食機能を有するゴム成型品

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JPH09328675A
JPH09328675A JP15110796A JP15110796A JPH09328675A JP H09328675 A JPH09328675 A JP H09328675A JP 15110796 A JP15110796 A JP 15110796A JP 15110796 A JP15110796 A JP 15110796A JP H09328675 A JPH09328675 A JP H09328675A
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corrosion
gap
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JP15110796A
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Tatsuo Fukui
龍雄 福井
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TACHIBANA KOGYO KK
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TACHIBANA KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステンレス鋼製海水ポンプケーシングとその
フランジ接続部分などに生じるすき間腐食およびこれに
類する腐食を防止すること。 【解決手段】粘弾性を有するゴム基材100部に対し、
分子量が160以下、溶融点が170℃以上の炭化水素
基とアミノ基またはイミノ基を含む化合物としてベンゾ
トリアゾール、ベンズイミダゾールチォコール、フェニ
ル尿素、アミノ安息香酸、フェニレンジアミン、フェニ
ルグリシン、アニリンなどから選ばれた化合物の単体あ
るいは複合物を0.06部から5.0部添加混合してシ
ーリング材を構成し、該シーリング材を金属部材間のす
き間に充填し、シーリング材から浸出した化合物をすき
間内表面に供給して腐食を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属部材間のすき
間腐食防止方法、例えば発電所のボイラー復水器に海水
を供給するステンレス鋼製海水ポンプケーシングとその
フランジ接続部分などに観察されるすき間腐食の防止方
法、および、すき間腐食防止用シーリング材、ならび
に、防食機能を有するゴム成型品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】河川や港湾施設における金属の腐食形態
として、全面的に腐食されるものと、表面に付着した赤
サビの下や物質移動が行われ難いすき間などの局部的に
腐食されるすき間腐食とがある。
【0003】材料からみた腐食形態の例として、前者の
全面腐食としては炭素鋼の腐食が代表され、後者のすき
間腐食は主としてステンレス鋼の腐食に代表される。前
記の全面腐食に対して、従来の技術には塗装防食、被覆
防食、電気防食あるいは腐食抑制剤などによる防食技術
があり、これらは防食技術便覧(社団法人腐食防食協会
編)など市販の参考書に詳細な説明がなされている。一
方、前記の物質移動が行なわれ難いすき間などで局部的
に発生するすき間腐食に対しては、前記の従来技術によ
り施工されている防食方法では技術的に困難であり、塗
装などでは塗膜下の金属との界面にすき間腐食を発生す
るなど、現状では十分な解決方法が開示されていない。
【0004】また、一部に、ゴム基材中に亜鉛を添加し
て、その流電防食作用によりすき間腐食を防止している
例がある。しかし、亜鉛粒子またはその集合体は平均粒
径が5〜15μmであるため、これが溶出するとその部
分に同程度のサイズのボイドが形成され、シール性が阻
害されるばかりでなく、そのボイドの中に塩素イオンが
濃縮されて腐食が促進されるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】自然環境において発生
するすき間腐食は主として通気差電池によるものと考え
られている。通気差電池は水溶液中の腐食過程において
生起する電池作用である。一般に、水溶液に接触してい
る一様な金属表面では酸化と還元反応が均等な状態で行
なわれて腐食が進行する。一方、一様な金属表面上に物
質移動が行われ難いすき間が存在すると、こうしたすき
間では溶存酸素が消費されても沖合いからの補給が追い
付かないためにすき間はアノード極の状態が維持される
ことになり、これに対してすき間に隣接する一様な金属
表面上ではすき間に比較して溶存酸素が容易に供給され
るためにすき間の周囲はカソード極となって通気差電池
が形成される。多くの場合、アノード極であるすき間面
積に対してカソード極である周囲の面積が大きいために
すき間に流れる腐食電流は大きくなり、これにより溶解
したすき間部分に腐食損傷が生じることになる。また、
ステンレス鋼や銅合金のすき間腐食に共通して認められ
る現象として、すき間内がアノード溶解により酸性環境
になり、腐食がより活性化することである。特にステン
レス鋼においては組成中のCrがすき間内に溶け出すた
めにすき間内の環境は酸性に移行して腐食が著しくな
る。
【0006】すき間腐食の実例としては、発電所のボイ
ラー復水器に海水を供給するステンレス鋼製海水ポンプ
ケーシングとその配管系のフランジ接続のゴムシーリン
グ部分やボルト締め付け部分に観察される腐食である。
また、理化学機械の銅合金製冷却水配管などで配管接続
部のゴムパッキングによるシーリング部と自由表面との
界面に観察される腐食現象である。これらの腐食は機械
部材に局部的に損傷を与えるにもかかわらず、機械やシ
ステムの性能を著しく低下させる場合が多い。このため
腐食損傷が機械やシステム全体の一部分であっても、そ
の稼働を停止して機械を分解して部品の修理交換をしな
ければならないことが多い。このように、すき間腐食損
傷の場合には経済的に損失が大きくなることがあるにも
かかわらず、狭いすき間内の腐食では前記の電気防食は
困難であり、現状ではその他に十分な解決方法が開示さ
れていない。
【0007】本発明は、前記の如き従来技術の問題点を
改善し、すき間内表面とすき間に隣接する自由表面の酸
化皮膜を安定化させて、通気差電池などが起り難いよう
にする、金属部材のすき間腐食防止方法、およびすき間
腐食防止用シーリング材、ならびに防食ゴム成型品を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
る手段として、シーリングしているすき間内表面とすき
間に隣接する自由表面の酸化皮膜を安定化させて通気差
電池などが起こり難くする方法が考えられる。炭素鋼や
ステンレス鋼の酸化皮膜は環境を中性から弱アルカリ性
の範囲に維持すると耐食性の皮膜を形成して腐食が抑制
されることが知られている。また、熱交換器における冷
却水循環型の銅配管系では、トリアゾールやその誘導体
であるベンゾトリアゾール、アロキルベンゾトリアゾー
ル、ベンゾイミダゾールなどを有機インヒビターとして
冷却水に添加して腐食を抑制することが知られている。
有機インヒビターとしてはこの他にもアミノアントラキ
ノン,アミノ安息香酸,アミノナフトールスルホン酸,
ヘキサメチレンテトラミン、ベンズイミダゾールチオコ
ール,フェニル尿素,フェニルーナフチルアミン,フェ
ニレンジアミン,アニリンなどが用いられたこともあ
る。これらは炭素鋼やステンレス鋼表面に吸着皮膜を形
成してその腐食を抑制する。
【0009】これらの化合物は基本的には、極性基であ
る親水性のアミンが金属表面に吸着して、一方、炭化水
素基はアミンを挾んで金属表面と反対側に配位する。従
って、炭化水素基は水や金属を腐食させる物質に対して
疎水性を示すから腐食抑制効果が出てくることになる。
【0010】すき間腐食は初期には一様な腐食現象であ
ったものが通気差電池が構成されて活性化したものであ
ると考えられる。このように考える場合、すき間腐食を
防止するためには初期の一様な腐食を抑制することが重
要である。このような目的に対してすき間内表面に絶え
ず炭化水素基とアミノ基またはイミノ基を含む化合物が
供給されるならば初期の一様な腐食に際してすき間内が
活性溶解することが避けられることになり腐食抑制に対
して効果的な作用を示すであろう。
【0011】本発明は、基本的には、ブチルゴム,イソ
プレンゴムなどからなる粘弾性に優れたゴム基材の10
0部に対して、分子量160以下、溶融点170℃以上
の炭化水素基とアミノ基またはイミノ基を含む化合物で
あるベンゾトリアゾール,ベンズイミダゾールチオコー
ル,フェニル尿素,アミノ安息香酸,フェニレンジアミ
ン,アニリンなどを単体もしくは複合して0.06部か
ら5.0部添加混練したシーリング材を構成し、該シー
リング材を金属部材間のすき間に充填し、該シーリング
材から浸出した前記化合物を金属部材間のすき間内表面
に供給すべくなしたことを特徴とする。
【0012】すなわち、本発明は、亜鉛粒子に代えて分
子量が160以下、溶融点が170℃以上の炭化水素基
とアミノ基またはイミノ基を含む化合物をゴムに添加し
て、すき間内表面を絶えず防食することを特徴としてい
る。
【0013】本発明に用いる化合物は、分子量が小さい
ためにこれが溶出してボイドが生成しても、その大きさ
は小さくてゴムシーリング材のシール性を阻害すること
はなく、かつ、本発明に用いる前記化合物は疎水基を含
むため、すき間内表面は防食された状態が維持される。
また、溶融温度が170℃以下の化合物は、ゴム加硫時
において融解,揮発するため防食効果を発揮しない。
【0014】従って、本発明で用いる前記化合物は溶融
温度170℃以上のものに限定される。
【0015】以上のように、従来技術では前記化合物は
水溶液環境に添加されて防食剤として用いられているの
に対して、本発明ではシーリング材中に添加して、シー
リングしているすき間内の腐食を抑制させる機能を持た
せてシーリング材としたことに特徴があり、そのために
は、前記の様な限定された化合物を使用することが必要
である。
【0016】また、本発明は、前記のシーリング材を、
任意所望の物理的ないし化学的物性を有する芯部材とそ
の表層部のすき間腐食防止用ゴム層との二層構造とな
し、その表層部のすき間腐食防止用ゴム層として、ブチ
ルゴム,イソプレンゴムなどからなる粘弾性に優れたゴ
ム基材の100部に対してベンゾトリアゾール,ベンズ
イミダゾールチオコール,フェニル尿素,アミノ安息香
酸,アニリンなどを単体あるいは複合して0.06部か
ら5.0部添加混練したものとすることを特徴とする。
【0017】本発明で述べた前記の化合物を混練した粘
弾性に優れた防食ゴム紐をすき間に充填あるいはシーリ
ング材として設置することによりすき間腐食が防止され
る。以下、一様な金属表面に隣接するすき間に防食ゴム
シーリング材を設置した場合の防食作用について述べ
る。
【0018】腐食の初期過程においては、一様な金属表
面とすき間において金属結晶粒界などの不完全な酸化皮
膜が壊れた部分では金属のアノード溶解が起こり、その
近傍ではカソード反応として溶存酸素の還元が行なわれ
て腐食が進行する。それとともに防食ゴムシーリング材
から分子量160以下、溶融点170℃以上の炭化水素
基とアミノ基またはイミノ基を含む化合物が浸出し、そ
のアミノ基またはイミノ基が金属表面に吸着して防食皮
膜を形成する。その結果、金属表面の腐食が抑制され
る。また、すき間においては物質移動が行なわれ難いた
めに吸着した該化合物が流体などに取り去られることも
なく安定な状態で防食皮膜を形成すると考えられる。こ
のため、すき間腐食を活性化する通気差電池が形成され
なくなり、すき間腐食が抑制される。従って、すき間腐
食を防止するためには、分子量160以下、溶融点17
0℃以上の炭化水素基とアミノ基またはイミノ基を含む
化合物であることが重要である。すき間内で腐食が生じ
ると金属の溶解反応によりすき間内の環境は酸性に移行
するが、酸性になると化合物のアミノ基またはイミノ基
は腐食により生成した水素イオンと反応して次式のよう
に変化して、金属イオンが溶出して負電荷を持つ部分と
ファンデンワールス力により吸着する。
【0019】
【化1】
【0020】ここに、R:炭化水素基 ここで、炭化水素基とアミノ基またはイミノ基を含む化
合物は低分子量のものが望ましい。すなわち、本発明に
おいては、炭化水素基とアミノ基またはイミノ基を含む
化合物としてベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール
チォコール、フェニル尿素、アミノ安息香酸、フェニレ
ンジアミン、フェニルグリシン、アニリンなどから選ば
れた単体あるいは複合物を使用する。その場合、使用さ
れる環境が淡水の場合には化合物は単体でも防食効果が
あるが、海水のように塩素イオン量が多く腐食性の強い
環境では単一の化合物だけでは十分な防食効果が期待で
きないことがあり、その場合には複数の化合物を組み合
わせて添加することにより十分な防食効果を維持するこ
とができる。
【0021】また、本発明に使用する化合物の添加量
は、ゴム質基材100部に対して0.06部以下では防
食効果がなく、5.0部以上では不経済になるために
0.06部から5.0部に限定される。好ましくは0.
06部から2.0部である。
【0022】前記のごとく、炭化水素基とアミノ基また
はイミノ基を含む化合物が添加されているゴム質材料に
よりシーリングされている部分に水が浸入した場合、す
き間内表面は吸着したアミンにより不動態化するために
腐食反応は抑制される。これらの化合物はゴム質材料の
加硫剤として用いられるものもあり、フッ素ゴム、アク
リルゴムなどに多量に添加すると必要以上に加硫が進行
してゴム質材料の粘弾性を損なうことがあると考えられ
るために化合物により加硫され難いゴム質材料を選定す
るべきである。特に、粘弾性と接着性を重要な要素とす
るゴム質材料としてはブチルゴムあるいはイソプレンゴ
ムが好適である。しかし、シーリング部分に要求される
物理的あるいは化学的性質の観点からシーリングゴムの
表層部のみを前記の防食作用を具備したゴムとし、芯部
は所要の性質を有するゴムとした二層構造のゴム質材料
とすることも重要なすき間腐食防止技術である。
【0023】これら芯部を構成するゴム質材料として
は、例えば、天然ゴム、ブタジェンゴム、ニトリルゴ
ム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、ウレタ
ンゴム、ポリエチレンゴム、クロロプレンゴムなどがあ
る。さらに、二層構造のゴム質材料の芯材料としてはゴ
ム質材料のみならず合成樹脂など有機質材料の他にセラ
ミックなどの無機質材料も重要な構成要素になる。例え
ば、耐圧性や耐熱性が要求されるすき間部分では芯材料
をアスベストやガラス繊維などの無機質材料あるいはテ
フロン、塩化ビニルやポリプロピレンなどの合成樹脂材
料として、表層部を前記防食ゴムとしたものは靭性に富
んだ防食シーリング材として有効である。また、アスベ
ストに水が浸入すると多量の塩素イオンが溶出してすき
間腐食を起こすことが知られていが、芯材料をアスベス
トとして表層部を前記防食ゴムとしたものはすき間腐食
を防止できる効果を有する。
【0024】これら二層構造からなる防食ゴムシーリン
グ材の防食ゴム被覆層の肉厚は、防食ゴムシーリング材
の直径に応じて0.1mmから2.0mmの太さが適当
である。例えば、腕時計などのような小型の精密機械の
シーリングに用いられる防食ゴムシーリング材の直径は
1.0mm以下であるから防食ゴム被覆層の肉厚は、最
大でも0.1mmが適当であろう。また、大型の配管系
では防食ゴムシーリング材の直径は12mmにも達する
ものがあるから防食ゴム被覆層の肉厚は2.0mm程度
必要になるものと考えられる。これら防食ゴムシーリン
グ材は単一材料からなることが望ましいが、経済的ある
いは要求される物理的性質や化学的性質に応じて二層構
造の材料からなり、防食ゴム被覆層の肉厚は決められる
ものである。さらに、二層構造からなる防食ゴムシーリ
ング材を複数本より合わせたシーリング材とすることも
できる。
【0025】前記は、本発明を金属部材間のすき間腐食
防止方法およびそのシーリング材に適用した場合につい
て述べたが、本発明は必ずしも前記の如きすき間腐食防
止方法およびその防食用シーリング材に限定されるもの
ではない。例えば、屋根上に設置されるアンテナはその
支柱の下端に屋根材の保護用ゴムキャップが取り付けら
れているが、保護用ゴムキャップと接触する屋根部分に
は前記すき間腐食と同様の腐食が生ずる。本発明は、こ
のような腐食が生ずるおそれがある各種のゴム成型品、
例えば前記アンテナ支柱用保護キャップ、ゴム継手、緩
衝用ゴム、アルミサッシュ用ゴム部品、ガスケット等の
各種防食ゴム成型品に適用することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明で述べた前記化合物を添加
混練した粘弾性と接着性に優れた防食ゴムシーリング材
の防食効果を調べるために以下の実験を行った。
【0027】先ず、表1に示す供試ゴム紐を準備した。
これらの供試ゴム紐のうち、本発明にかかる供試ゴム紐
はNo2〜No4,No6〜No11であって、そのゴ
ム質基材、及び、腐食抑制剤の種類ならびにその添加量
(部)はそれぞれ表1に示す通りである。また、表1
中、No11は芯部材をアスベストとした二層構造の防
食ゴム紐を使用した。
【0028】
【表1】
【0029】腐食試験のために市販のオーステナイト系
ステンレス鋼(SUS304)から図1に示すフランジ
付チューブ試験片1およびフランジ付チューブ試験片2
を加工した。そのフランジ付チューブ試験片のフランジ
接続面に図1に示すように供試ゴム紐試料3と供試ゴム
試料からなるシールパッキング4を設置した後にフラン
ジ接続面をボルト5とナット6により締め付け、フラン
ジ付チューブ試験片内に表2に示す組成の人工海水7を
流入させて最大6ヵ月の腐食試験を行った。
【0030】
【表2】
【0031】各々のフランジ付チューブ試験片の前後に
は図2に示すようにバルブ11を介してポンプ12によ
り人工海水を循環させた。また、ループを循環する人工
海水7の流量はバルブ13により調節し、流量計14に
より確認するものである。さらに、人工海水7の温度は
温度制御装置15により摂氏 25度に調節した。人工
海水7を交換する場合は、バルブ16を閉め、バルブ1
7を開いて使用後の人工海水7を廃棄するものである。
【0032】次に、実験結果について説明する。試験後
のフランジ付チューブ試験片1およびフランジ付チュー
ブ試験片2を取り外してフランジ付チューブ試験片の図
3に示す位置に生じた腐食損傷を調べた。その結果を表
3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】同表から、市販のゴムシーリング材を用い
た場合にはフランジ付チューブ試験片のシーリング面に
腐食損傷を生じるが、本発明に係るゴムシーリング材を
用いた場合にはすき間腐食が防止されることが分かっ
た。さらに、6ヵ月間の腐食試験を行ったフランジ付チ
ューブ試験片の図4に示すシーリング面の表面粗さを測
定した。その結果を図5に示す。同図によれば、市販の
ゴムシーリング材を用いた場合にはゴムシーリングです
き間が構成された部分と自由表面の部分との境界近傍に
溝状の腐食損傷が生じている。これに対して本発明に係
るゴムシーリング材を用いた場合には、腐食損傷が生じ
ていなかった。以上の結果から本発明がゴムシーリング
部分のすき間腐食防止に卓越した効果を有することが分
かった。
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、金
属部材のすき間腐食防止に卓越した効果を奏することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フランジ付チューブ試験片の構造を示す断面
図。
【図2】フランジ付チューブ試験片の腐食試験ループの
説明図。
【図3】フランジ付チューブ試験片の腐食状態の観察部
分を示す説明図。
【図4】ゴムシーリング部近傍の表面粗さ測定部分を示
す説明図。
【図5】ゴムシーリング部近傍の表面粗さ状態を示す
図。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘弾性を有するゴム基材100部に対し
    分子量が160以下、溶融点が170℃以上の炭化水素
    基とアミノ基またはイミノ基を含む化合物を0.06部
    から5.0部添加混練したシーリング材を構成し、該シ
    ーリング材を金属部材間のすき間に充填し、前記シーリ
    ング材から浸出した前記化合物をすき間内表面に供給す
    べくなしたことを特徴とする金属部材間のすき間腐食防
    止方法。
  2. 【請求項2】 任意所望の物理的ないし化学的物性を有
    する芯部材とその表層部の防食ゴム層とよりなり、か
    つ、該表層部の防食ゴム層は、粘弾性を有するゴム基材
    100部に対し分子量が160以下、溶融点が170℃
    以上の炭化水素基とアミノ基またはイミノ基を含む化合
    物を0.06部から5.0部添加混練したものにより構
    成し、前記芯部材とその表層部の防食ゴム層とよりなる
    二層構造のシーリング材を金属部材間のすき間に充填
    し、前記シーリング材から浸出した前記化合物を金属部
    材間のすき間内表面に供給すべくなしたことを特徴とす
    る金属部材間のすき間腐食防止方法。
  3. 【請求項3】 粘弾性を有するゴム基材100部に対
    し、分子量が160以下、溶融点が170℃以上の炭化
    水素基とアミノ基またはイミノ基を含む化合物を0.0
    6部から5.0部添加混練したものを紐状、パッキング
    状、シート状にに成型したことを特徴とするすき間腐食
    防止用シーリング材。
  4. 【請求項4】 任意所望の物理的ないし化学的物性を有
    する芯部材とその表層部の防食ゴム層とよりなり、該表
    層部の防食ゴム層は、粘弾性を有するゴム基材100部
    に対し分子量が160以下、溶融点が170℃以上の炭
    化水素基とアミノ基またはイミノ基を含む化合物を0.
    06部から5.0部添加混練したものにより構成し、前
    記芯部材とその表層部の防食ゴム層との二層構造のもの
    を紐状、パッキング状、シート状に成型したことを特徴
    とする、すき間腐食防止用シーリング材。
  5. 【請求項5】 粘弾性を有するゴム基材100部に対
    し、分子量が160以下、溶融点が170℃以上の炭化
    水素基とアミノ基またはイミノ基を含む化合物を0.0
    6部から5.0部添加混練した組成物を表層部として任
    意所望の形状に成型したことを特徴とする、防食機能を
    有するゴム成型品。
  6. 【請求項6】 粘弾性を有するゴム基材として、ブチル
    ゴムもしくはイソプレンゴムを使用したことを特徴とす
    る、請求項1または2に記載の金属部材間のすき間腐食
    防止方法。
  7. 【請求項7】 粘弾性を有するゴム基材として、ブチル
    ゴムもしくはイソプレンゴムを使用したことを特徴とす
    る、請求項3または4に記載のすき間腐食防止用シーリ
    ング材または請求項5に記載の防食機能を有するゴム成
    型品。
  8. 【請求項8】 ゴム基材に添加する化合物として、ベン
    ゾトリアゾール,ベンズイミダゾールチオコール,フェ
    ニル尿素,アミノ安息香酸,フェニレンジアミン,フェ
    ニルグリシン,アニリンから選ばれた単体あるいは複合
    物を使用することを特徴とする請求項1または2に記載
    の金属部材のすき間腐食防止方法。
  9. 【請求項9】 ゴム基材に添加する化合物として、ベン
    ゾトリアゾール,ベンズイミダゾールチオコール,フェ
    ニル尿素,アミノ安息香酸,フェニレンジアミン,フェ
    ニルグリシン,アニリンから選ばれた単体あるいは複合
    物を使用することを特徴とする請求項3または4に記載
    のすき間防食用シーリング材または請求項5に記載の防
    食機能を有するゴム成型品。
  10. 【請求項10】 天然ゴム,ブタジェンゴム,ニトリル
    ゴム,エチレンプロピレンゴム,ウレタンゴム,シリコ
    ーンゴム,ポリエチレンゴム,クロロプレンゴム,など
    のゴム質芯材、または、テフロン,ポリ塩化ビニル,ポ
    リプロピレン,シリコーン,(メタ)アクリル樹脂など
    の合成樹脂質芯材、あるいは、アラミド繊維,木綿など
    から構成される有機繊維質芯材、さらには、炭素系繊
    維,アスベスト繊維,ガラス繊維,岩綿繊維などから構
    成される無機繊維質芯材を芯部材とし、その表層部に、
    ブチルゴムもしくはイソプレンゴム100部に対してベ
    ンゾトリアゾール,ベンズイミダゾールチオコール,フ
    ェニル尿素,アミノ安息香酸,フェニレンジアミン,フ
    ェニルグリシン,アニリン,から選ばれた化合物の単体
    もしくは複合物を0.06部から5.0部添加混練した
    防食ゴム層を被覆した二層構造のシーリング材を構成
    し、該シーリング材を金属部材間のすき間に充填し、前
    記シーリング材から浸出した前記化合物を金属部材間の
    すき間内表面に供給すべくなしたことを特徴とする金属
    部材間のすき間腐食防止方法。
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