JPH09327868A - 製箱装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ブランクを移送しつつ折罫線を基準に折り曲げ
て製箱するに際し、ブランクの移送方向に対し正反対の
力を作用させてブレーキを掛けることなく正確な折り曲
げを実現する。 【解決手段】給紙部10，糊付部20に引き続き第１折り込
み部30，第２折り込み部40を配置し、第１，第２折り込
み部30，40に夫々ベルト対２ａ，２ｂによるブランク１
の移送方向と平行にレール31を配置し、該レール31上を
往復移動する移動部材32、移動部材32に前記移送方向と
直交する方向に往復回動し、ブランク１の第１側面１
ｂ，第２褄面１ｅと当接して折り曲げる折曲部材33を設
ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、板紙やダンボール
等から成形したブランクシートを折り曲げて箱を製造す
る製箱装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】板紙やダンボール等を用いてＡ式，Ｂ式
等の箱を製造する場合、予め目的の箱の寸法及び形状に
応じたブランクシートを成形し、このブランクシートを
連続的に移送しつつ、糊付片に対する糊付け、糊付片を
含む側面及び褄面の折り曲げを行って糊付片と褄面を接
着している。このような製箱装置としては、フォルダー
グルア或いはサックマシンと呼ばれる装置があり、且つ
前記装置の上流側にダイカッターを接続して構成した装
置、更に、ダイカッターの上流側に印刷装置を接続して
構成した装置がある。

【０００３】上記各製箱装置は、ブランクシートを厚さ
方向に挟持して移送する複数のベルト対と、ブランクシ
ートの側面，褄面に当接しベルト対によるブランクシー
トの移送に伴ってこれらの面を折り曲げる丸棒材やナイ
フ状に研削した板材等からなる曲げ部材と、ブランクシ
ートの折り罫線に沿って配置され該シートの側面或いは
褄面に折曲力が作用したとき隣接する他の面の浮き上が
りを防止するローラー列及び板状のガイド部材とを有し
て構成されている。

【０００４】上記の如く構成された製箱装置では、ベル
ト対によってブランクシートを移送する過程で該シート
の折り曲げるべき側面，褄面が曲げ部材に当接したと
き、これらの面は折り罫線を基準として折り曲げられ
る。そして糊付片を含む側面を先に折り曲げ、次いで褄
面を折り曲げて糊付片に重ねることで接着され目的の箱
が製造される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の製箱装置で
は、ブランクシートを折り曲げる際に折り曲げるべき面
が曲げ部材に当接し、該部材によって移送方向と正反対
の力と折曲方向の力が作用する。このため、移送方向に
対し正反対の力がブランクシートに対するブレーキとし
て作用し、ブランクシートの姿勢が変化する（折り罫線
の方向が移送方向に対して傾斜する。現場的にフィッシ
ュテールと呼ばれている）ことがあり、この結果、罫線
に沿って折り曲げることが出来ず変形した箱になること
が多いという問題が生じている。

【０００６】本発明の目的は、ブランクシートを折り曲
げる際に該シートの移送方向に対し正反対方向の力を作
用させることがなく、変形した箱を可及的に少なくする
ことが出来る製箱装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る製箱装置は、目的の箱に対応して成形さ
れたブランクシートを移送しつつ糊付片に糊付けし所定
の罫線で折り曲げて箱を製造する製箱装置に於いて、ブ
ランクシートを移送する移送部材と、前記移送部材によ
るブランクシートの移送方向と平行に配置されたレール
と、前記レールに対し往復移動可能に設けられた移動部
材と、前記移動部材に設けられ該移動部材の移動方向と
直交する方向に往復回動してブランクシートに該ブラン
クシートを折り曲げる力を付与する折曲部材と、前記移
送部材によるブランクシートの移送方向と平行に且つ折
るべき罫線に沿って配置され前記折曲部材からブランク
シートに折曲力が付与されたときブランクシートを押さ
えるガイドバーとを有して構成されるものである。

【０００８】上記製箱装置では、移送部材によって移送
されるブランクシート（以下「ブランク」という）の罫
線の近傍をガイドバーによって押さえると共に該シート
に対し折曲部材によって移送方向と直交する方向の力を
付与することで、罫線を基準として折り曲げることが出
来る。特に、折曲部材を移動部材によってブランクシー
トと同方向に移動させることで、該シートに移送方向と
正反対の力を作用させることがなく、ブランクシートの
姿勢を変化させることがない。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、上記製箱装置の好ましい実
施形態について図を用いて説明する。図１は本実施例に
係る製箱装置の模式平面図、図２は本実施例に係る製箱
装置の模式側面図、図３は図１の III−III 矢視図、図
４は図１のIV−IV矢視図である。

【００１０】図に於いて、本実施例に係る製箱装置は、
ブランク１を積み上げて保持すると共に一定のタイミン
グで供給する給紙部10と、移送されるブランク１に糊付
けする糊付部20と、糊付けされたブランク１の糊付け部
分を折る第１折り込み部30と、第１折り込み部30に引き
続き配置された第２折り込み部40と、接着されたブラン
ク１の形状を矯正する矯正部50とによって構成されてい
る。

【００１１】ブランク１は板紙やダンボールからなり、
目的の箱の寸法及び形状に応じて打ち抜き成形されてい
る。図１には底部分がアメリカンロック式に形成される
と共に蓋部分が差し込み式に形成された所謂Ｂ式の箱を
製造するためのブランク１が示されている。

【００１２】ブランク１は糊付片１ａを有しており、該
片１ａに連続して第１側面１ｂ，第１褄面１ｃ，第２側
面１ｄ，第２褄面１ｅが形成されている。そして第１側
面１ｂと第１褄面１ｃの間に第１折線１ｆが形成され、
且つ第２側面１ｄと第２褄面１ｅの間に第２折線１ｇが
形成されている。そして多数のブランク１が方向を揃え
た状態で給紙部10に積み上げられている。

【００１３】給紙部10は、互いに平行に配置された複数
の給紙ベルト11と、給紙ベルト11上に積み上げられたブ
ランク１の先端を規制すると共に給紙ベルト11との間に
ブランク１を通過させる間隙を形成したストッパー12
と、給紙ベルト11に積み上げられたブランク１の下面と
当接して予め設定されたタイミングでブランク１と給紙
ベルト11とを離接させる離接部材13とによって構成され
ている。

【００１４】上記の如く構成された給紙部10は通常のフ
ォルダーグルアの給紙部として一般的に利用されている
ものであり、離接部材13の作動に伴ってブランク１が給
紙ベルト11と接触したときの摩擦によって、積み上げた
ブランク１を下から順に１枚ずつ給紙することが可能で
ある。

【００１５】給紙部10から給紙されたブランク１は、糊
付部20，第１折り込み部30，第２折り込み部40に張り渡
された複数のベルト対２ａ，２ｂによって厚さ方向を挟
持されて移送される。そしてベルト対２ａ，２ｂによる
移送過程で糊付け，折り込みが順次なされる。

【００１６】糊付部20は移送されるブランク１の糊付片
１ａに糊を付着させる部位であり、使用する糊（エマル
ジョンタイプの糊、ホットメルトタイプの糊等）に応じ
た構造を有している。

【００１７】本実施例ではエマルジョンタイプの糊を使
用している。このため、ブランク１の糊付片１ａの通過
位置に対応させて糊壺21と糊ローラー22が配置されてい
る。そして糊付片１ａが糊ローラー22の上方を通過した
とき、該ローラー22によって糊を付着させている。

【００１８】第１折り込み部30は第１側面１ｂを第１折
線１ｆを基準として折り曲げる部位であり、ブランク１
の移送方向と平行に配置されたレール31と、レール31上
を往復移動する移動部材32と、移動部材32に設けた折曲
部材33と、ブランク１の第１折線１ｆに沿って配置され
たガイドバー34とを有して構成されている。

【００１９】移動部材32は常にレール31の移動方向上流
側にあり、給紙部10からのブランク１の給紙と同期した
モーター32ａに駆動されてブランク１の移送速度と同一
速度で同一方向に移動し、移動限に到達した後、初期位
置に復帰し得るように構成されている。

【００２０】折曲部材33はブランク１の移送方向と平行
に配置された回動軸33ａを有しており、該回動軸33ａに
ブランク１の第１側面１ｂと当接するバー33ｂを固着す
ると共に図示しないロータリーアクチュエーターを接続
して構成されている。従って、移動部材32の移動と同期
してロータリーアクチュエーターを約180 度駆動し、回
動軸33ａを中心にバー33ｂを回動させることで、該バー
33ｂによってブランク１の第１側面１ｂに折曲力を付与
することが可能である。

【００２１】バー33ｂから第１側面１ｂに付与される折
曲力の作用方向は、ブランク１の移送方向に対し直交方
向となり、該ブランク１の移送に対しブレーキをかける
ことはない。従って、移送されるブランク１の姿勢を変
化させることがない。

【００２２】ガイドバー34は先端が第１折線１ｆに沿っ
て配置され幅寸法が糊付片１ａと第１側面１ｂの和より
も大きい板状に形成されており、ブランク１に折曲部材
33のバー33ｂの回動に伴う折曲力が付与されたとき、ブ
ランク１が折曲力の作用方向に浮き上がることを防止す
る機能を有する。

【００２３】第２折り込み部40は、ブランク１の第２折
線１ｇを基準として第２褄面１ｅを折り曲げて該面１ｅ
を糊付片１ａに重ねて接着する部位であり、折曲部材の
動きが勝手違いになる以外の基本的な構造は第１折り込
み部30と同一である。従って、第１折り込み部30と同一
の符号を付して説明を省略する。

【００２４】矯正部50は、第１折線１ｆ，第２折線１ｇ
を基準として折り曲げられたブランク１の折り曲げ状態
を矯正するものであり、通常のフォルダーグルアに使用
されているものを用いている。即ち、矯正部50はベルト
対２ｂの下流側の端部に配置されたストッパー51と、ス
トッパー51に対し離接するように振動して接着されたブ
ランク１を矯正する振動板52とによって構成されてい
る。

【００２５】本発明に係る製箱装置ではブランク１の移
送に対するブレーキ力を掛けることなく折り曲げるた
め、正確な製箱を実現することが可能である。このた
め、矯正部50は必須ではない。しかし、本実施例に係る
製箱装置では、省力化をはかるために、ブランク１を移
送するベルト対２ａ，２ｂの下方にプレスコンベア60を
設けて接着されたブランク１を再度給紙部10側に搬送し
得るように構成している。このため、ベルト対２ｂの下
流側の端部でブランク１の方向転換をはかることが必要
となり、この方向転換を兼ねて矯正部50を設けている。

【００２６】プレスコンベア60は折り曲げられ且つ接着
されたブランク１の幅よりも大きい幅を持った２枚のベ
ルトによって構成され、ブランク１を押圧して高い接着
力を実現するものである。

【００２７】上記の如く構成された製箱装置によって箱
を製造する手順について説明する。給紙部10の給紙ベル
ト11上に積み上げられたブランク１は、離接部材13の作
動に伴って給紙ベルト11と接触し或いは離隔する。給紙
ベルト11と接触したブランク１は摩擦によって給紙さ
れ、ベルト対２ａに挟持されて移送される。

【００２８】ベルト対２ａによって移送されるブランク
１は、糊付片１ａが糊付ローラー22に接触して糊が付着
し、この状態で第１折り込み部30に移送される。第１折
り込み部30ではブランク１の移送と同期して移動部材32
が移動し、この移動過程で折曲部材33のバー33ｂが回動
軸33ａを中心に回動し、該バー33ｂが部嵐気１の第１側
面１ｂと当接して該面１ｂを第１折線１ｆを基準として
折り曲げる。

【００２９】折り曲げられた第１側面１ｂは第１褄面１
ｃ，第２側面１ｄに重なり、第２折り込み部40に移送さ
れベルト対２ｂによって挟持されて移送される。このと
き、糊付片１ａは糊が付着した面が上面になって移送さ
れる。

【００３０】第２折り込み部40では、ブランク１の移送
と同期して移動部材32が移動し、同時に折曲部材33が作
動して第２折線１ｇを基準として第２褄面１ｅを折り曲
げ糊付片１ａに重ねる。糊付片１ａに第２褄面１ｅが重
なることによって両者は接着され製箱される。このブラ
ンク１は更に移送され、矯正部50に於いて矯正されつつ
下方に落下し、プレスコンベア60に挟持されて給紙部10
側に搬送される。

【００３１】本実施例に係る製箱装置では、給紙部10と
プレスコンベア60による搬送方向の下流側端部を略同じ
位置で且つ上下方向になるように配置したので、一人の
オペレーターによって給紙と仕上がった箱の引き取りを
行うことが可能であり、大幅な省力化を実現することが
可能である。

【００３２】またブランク１を移送するのにベルト対２
ａ，２ｂを利用したが、ベルト対である必要はなく、ア
タッチメント付のチェンであっても良い。

【００３３】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
製箱装置では、移送されるブランクを折り曲げるに際
し、該ブランクに移送方向と正反対の力を作用させるこ
とがない。このため、折り曲げに起因するブランクの姿
勢変化が生じることがなく、折罫線に沿った正確な折り
曲げを実現することが出来る。このため、製品の歩留り
率を向上させることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例に係る製箱装置の模式平面図である。

【図２】本実施例に係る製箱装置の模式側面図である。

【図３】図１の III−III 矢視図である。

【図４】図１のIV−IV矢視図である。

【符号の説明】

１ ブランク １ａ 糊付片 １ｂ 第１側面 １ｅ 第２褄面 １ｆ 第１折線 １ｇ 第２折線 ２ａ，２ｂ ベルト対 10 給紙部 20 糊付部 30 第１折り込み部 31 レール 32 移動部材 32ａ モーター 33 折曲部材 33ａ 回動軸 33ｂ バー 34 ガイドバー 40 第２折り込み部 50 矯正部 60 プレスコンベア

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 目的の箱に対応して成形されたブランク
   シートを移送しつつ糊付片に糊付けし所定の罫線で折り
   曲げて箱を製造する製箱装置に於いて、ブランクシート
   を移送する移送部材と、前記移送部材によるブランクシ
   ートの移送方向と平行に配置されたレールと、前記レー
   ルに対し往復移動可能に設けられた移動部材と、前記移
   動部材に設けられ該移動部材の移動方向と直交する方向
   に往復回動してブランクシートに該ブランクシートを折
   り曲げる力を付与する折曲部材と、前記移送部材による
   ブランクシートの移送方向と平行に且つ折るべき罫線に
   沿って配置され前記折曲部材からブランクシートに折曲
   力が付与されたときブランクシートを押さえるガイドバ
   ーとを有することを特徴とする製箱装置。