JPH09327300A - ペニシリン耐性肺炎球菌の検査法およびキット - Google Patents

ペニシリン耐性肺炎球菌の検査法およびキット

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JPH09327300A
JPH09327300A JP15115796A JP15115796A JPH09327300A JP H09327300 A JPH09327300 A JP H09327300A JP 15115796 A JP15115796 A JP 15115796A JP 15115796 A JP15115796 A JP 15115796A JP H09327300 A JPH09327300 A JP H09327300A
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gene
streptococcus pneumoniae
penicillin
pbp2b
resistant streptococcus
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Kimiko Ubukata
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Wakunaga Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 肺炎球菌のlytA遺伝子、pbp1a遺伝子お
よびpbp2b遺伝子を遺伝子増幅法により同時に検出する
ことにより、ペニシリン耐性肺炎球菌の存在および耐性
度を判定する方法。 【効果】 ペニシリン耐性肺炎球菌を検体から直接、高
精度かつ迅速に検出することができ、肺炎球菌感染症患
者に対し、早期に適切な予防・治療を行うことが可能に
なった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感染症対策上重要
なペニシリン耐性肺炎球菌の存在および耐性度を判定す
る方法ならびにこのような判定を行うためのキットに関
する。
【0002】
【従来の技術】肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)
は、一般には肺炎などの気道感染症の起炎菌となる頻度
が最も高く、小児科領域では化膿性髄膜炎の起炎菌とな
る頻度が最も高いとされている。ペニシリン耐性肺炎球
菌は、海外では1980年代から大きな問題となってい
るが、近年わが国でも分離頻度が上昇し、臨床的にも本
菌による重篤な感染症が問題となってきつつある。
【0003】しかし、臨床材料からの肺炎球菌の検出
は、検体採取から処理までの時間あるいは検体の保存状
況・炭酸ガス培養の有無などによって左右されることが
多く、加えて薬剤耐性の確認に2日程度を要するといっ
た状況から、迅速かつ正確なペニシリン耐性肺炎球菌の
検査法が望まれていた。
【0004】肺炎球菌の薬剤耐性に係わる因子として
は、ペニシリン結合蛋白質(PBP)の変異が報告され
ており、ペニシリン耐性に関してはPBP1A〔Jabes
ら,J.Infect.Dis,159 p.16-25(1989) :Markiewiczら,
J.Clin.Microbiol.27 p.405-410(1989)〕またはPBP
2A・PBP2B〔Hakenbeckら,Antibicrob.AgentsCh
emother.17 p.364-371(1980)〕といったPBPが関与す
るとされ、セフォタキシム耐性に関してはPBP2X
〔Munozら,Mol.Microbiol.6 p.2461-2465(1992)〕が関
与するとされている。
【0005】このように、肺炎球菌の耐性化に係わる遺
伝子の変異は一様ではなく、一部の変異のみを指標に耐
性肺炎球菌を検索することは困難であった。例えば、本
発明者らは、これらのPBPのうち最もペニシリン耐性
へ寄与度が高いと考えられるPBP2Bをコードするpb
p2b遺伝子の変異〔Dowsonら,Mol.Microbiol.9 p.635-64
3(1993)〕を指標にペニシリン耐性肺炎球菌を検索する
試みを行っている〔Ubukataら,J.Clin.Microbiol.34 p.
592-596(1996)〕が、この方法ではペニシリン耐性肺炎
球菌の検出率は80%程度であり、さらに精度の高い判
定方法が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、ペニシリン耐性肺炎球菌存在および耐性度を迅速か
つ正確に判定する方法ならびにこれらの判定用キットを
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実状において、本
発明者らは種々の検討を行い、いずれも変異を起こして
いないpbp1a遺伝子とpbp2b遺伝子を遺伝子増幅法により
同時に増幅し、ペニシリン耐性肺炎球菌の検出精度を高
める方法を見出した。この方法によれば、変異を起こし
ていない正常な遺伝子を肺炎球菌が保有していれば遺伝
子の増幅が認められ、何らかの変異を起こした遺伝子を
保有していたときには遺伝子の増幅が認められない。
【0008】従って、pbp1a遺伝子とpbp2b遺伝子のいず
れもが変異を起こしていた場合にはこれら2種類の遺伝
子ともに増幅が認められないことになり、検査材料中に
肺炎球菌が存在しない場合と同じ結果となる。
【0009】そこで、本発明者らは、検査材料中の肺炎
球菌の存在を確認するため、肺炎球菌特異的な自己融解
酵素autolysin をコードするlytA遺伝子〔Rudolphら,
J.Clin.Microbiol.31 p.2661-2666〕をpbp1a遺伝子とpb
p2b遺伝子に加え、これらの3種類の遺伝子を同時に増
幅する方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は、肺炎球菌のlytA遺伝
子、pbp1a遺伝子およびpbp2b遺伝子を遺伝子増幅法によ
り同時に検出することを特徴とする、肺炎球菌の存在お
よび耐性度を判定する方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の検査法において、肺炎球
菌のlytA遺伝子としてはlytA遺伝子の694番目から9
66番目に相当するDNAが好ましく、pbp1a遺伝子と
してはpbp1a遺伝子の2256番目から2685番目に
相当するDNAが好ましく、pbp2b遺伝子としてはpbp2b
遺伝子の1636番目から1712番目に相当するDN
Aが好ましい。
【0012】本発明で用いる遺伝子増幅法においては下
記の3組のプライマーを使用する。すなわち、(1)肺
炎球菌のlytA遺伝子を特異的に増幅できるもの、(2)
変異のないpbp1a遺伝子を変異のあるpbp1a遺伝子と区別
して特異的に増幅できるもの、および(3)変異のない
pbp2b遺伝子を変異のあるpbp2b遺伝子と区別して特異的
に増幅できるものである。
【0013】このようなプライマーのうち、lytA遺伝子
の694番目から966番目に相当するDNAを増幅す
ることができるプライマーは、次のプライマー(1)と
(2)の組であり、pbp1a遺伝子の2256番目から2
685番目に相当するDNAを増幅することができるプ
ライマーは、次のプライマー(3)と(4)の組であ
り、pbp2b遺伝子の1636番目から1712番目に相
当するDNAを増幅することができるプライマーは、次
のプライマー(5)と(6)の組である。
【0014】 5'TGAAGCGGATTATCACTGGC3'・・・・・(1) 5'GCTAAACTCCCTGTATCAAGCG3' ・・・(2) 5'AAACAAGGTCGGACTCAACC3'・・・・・(3) 5'AGGTGCTACAAATTGAGAGG3'・・・・・(4) 5'CAATCTAGAGTCTGCTATGGA3' ・・・・(5) 5'GGTCAATTCCTGTCGCAGTA3'・・・・・(6)
【0015】これらのプライマー(1)〜(6)は、例
えばDNA自動合成機などを用いて化学的に合成するこ
とにより調製することができる。
【0016】前記プライマー(1)〜(6)は、前記D
NAを増幅できるものであれば、これらの標識体であっ
てもよい。プライマーの標識体は、上記プライマーに検
出可能な標識物を結合させたものが挙げられる。ここで
標識物としては、非放射性、放射性物質のどちらを用い
てもよいが、好ましくは非放射性物質である。非放射性
の標識物としては、直接測定可能なものとして蛍光物質
〔例えばフルオレッセインおよびその誘導体(フルオレ
ッセインイソチオシアネート等)、ローダミンおよびそ
の誘導体(テトラメチルローダミンイソチオシアネー
ト、テキサスレッド等)〕、化学発光物質(例えばアク
リジン等)や遅延蛍光を発する物質(DTTA:ファル
マシア社製)などが挙げられる。
【0017】なお、これらの標識物を検出するにあたっ
ては、標識物と特異的に、結合する物質を利用すれば、
間接的に標識物を検出することができる。こうした場合
の標識物としては、ビオチンあるいはハプテン等が挙げ
られ、ビオチンの場合は、これに特異的に結合するアビ
ジンあるいはストレプトアビジンが、ハプテンの場合
は、これに特異的に結合する抗体が利用できる。ハプテ
ンとしては2,4−ジニトロフェニル基を有する化合
物、ジゴキシゲニンを使うことができ、さらにはビチオ
ンあるいは蛍光物質などもハプテンとして使用すること
ができる。これらの標識物はいずれも単独または必要で
あれば複数種の組合わせで公知手段(特開昭59−93
098号、特開昭59−93099号各公報参照)によ
り、プライマーに導入することができる。
【0018】以下、本発明の検出法の操作を詳細に説明
する。 (1)検体の標準および前処理 まず、目的のペニシリン耐性肺炎球菌の存在の有無およ
び耐性度を判定しようとする検体を用意する。検体とし
ては、各種臨床検査材料、喀痰、咽頭拭い液、髄液、血
液など、あるいはそれらから得られた細菌培養液、単離
・培養された細菌コロニーなどが挙げられる。検査には
これらの材料から遺伝子増幅法の試料となる肺炎球菌の
核酸成分を抽出することが必要であるが、そのための方
法としては、アルカリや界面活性剤を用いる方法、プロ
テイナーゼKなどの蛋白質分解酵素を用いる方法が利用
できる。これらの核酸抽出溶液はその一部をそのまま遺
伝子増幅法に供することもできるが、核酸の精製や濃縮
の操作を加えることにより遺伝子増幅法の感度を上げる
こともできる。精製や濃縮のための方法としては、フェ
ノールなどの有機溶媒を蛋白質の変成剤として用いる方
法、その他の特異的な蛋白質変成剤を用いる方法〔Beut
lerら, Bio Techniques 9,p.166(1990)〕などが挙げら
れる。
【0019】(2)遺伝子増幅反応 上記検体に前記プライマー(1)〜(6)を加えること
により、検体中に目的とするペニシリン耐性肺炎球菌が
存在すれば、プライマーの伸長反応に基づく遺伝子増幅
反応を行うことができる。本発明における遺伝子増幅法
としては、公知のPCR(Polymerase Chain Reactio
n)法、LCR(Ligase Chain Reaction)法、3SR
(Self-sustained Sequence Replication)法、SDA
(Straind Displacement Amplification)法等が用いら
れ、(Manak,DNA Probes 2nd Edition p255-291,Sto
ckton Press(1993))、特にPCR法が好ましい。PCR
法はプライマーのほか耐熱性DNAポリメラーゼとDN
A合成の基質となる核酸を用い、通常の方法で実施する
ことができる。
【0020】(3)検出 プライマー伸長反応により生成した目的遺伝子と検出プ
ライマーとの結合物を検出すれば、被検体中のペニシリ
ン耐性肺炎球菌を検出することができる。本発明におけ
る遺伝子増幅法によるDNA増幅の判定は、生成した増
幅DNAのサイズを電気泳動で確認する方法や、ニトロ
セルロース膜などに反応物を固定し目的の増幅DNAの
配列に相補的な配列を持つ標識プローブとハイブリダイ
ゼーションを行わせる方法、あるいは識別可能な標識を
施したプライマーを用いた遺伝子増幅を行った増幅DN
Aをそれと相補的な配列を持つプローブを固定した固相
担体に捕獲して増幅DNAの標識で識別する方法〔特開
平1−252300号公報、Anal.biochem.209 p.63-69
(19)〕などにより行うことができる。
【0021】本発明キットは、上記本発明方法を用いて
肺炎球菌の存在および耐性度を判定するもので、lytA遺
伝子の694番目から966番目に相当するDNAおよ
びpbp1a遺伝子の2256番目から2685番目までに
相当するDNAならびにpbp2b遺伝子1636番目から
1712番目に相当するDNAを増幅することのできる
6種類のプライマー((1)、(2)、(3)、
(4)、(5)および(6))を具備してなるもので、
必要に応じて各プライマーに検出可能な任意の標識物を
導入しておいてもよい。また、本発明キットは、必要に
応じて増幅反応試薬と合わせることもできる。以下、こ
れらの試薬類について具体的に説明する。
【0022】(A)遺伝子増幅反応を行うための試薬 特定の遺伝子増幅反応を行うための前記プライマー、核
酸鎖を合成(増幅)するための単位核酸および核酸伸長
酵素を含むものである。核酸伸長酵素としては、任意の
DNAポリメラーゼを用いることができるが、好ましく
は熱安定性のDNAポリメラーゼを用いることにより迅
速かつ特異的に遺伝子増幅反応を行うことができる。こ
れらの具体例としては、Taq DNAポリメラーゼ、
TthDNAポリメラーゼおよびVent DNAポリ
メラーゼ等がある。
【0023】(B)遺伝子増幅反応生成物を固定化する
ための担体 本発明により増幅されたDNAを固定可能な固相担体
で、具体的にはマイクロタイターウエル、ポリスチレン
ボール、アガロースビーズ、ポリアクリルビーズ、ラテ
ックス粒子、磁性ラテックス粒子等の固相材料が挙げら
れる。好ましくは操作性及び機械化等に優れたマイクロ
タイターウエル又は磁性ラテックス粒子である。これら
の固相担体にDNAを非特異的吸着、共有結合、イオン
結合、化学結合等の任意の結合様式で固定化することが
できる。
【0024】(C)その他の試薬類 洗浄液は、未反応プライマー、試薬等を除去するための
洗浄液であって、本検出反応に影響が無いものであれば
特に限定されない。一般に緩衝液を用いることができ
る。標識を間接的に測定するための試薬は、プライマー
に直接検出可能な標識以外の標識を導入した場合、その
標識を間接的に測定するための試薬類を含むものであ
る。例えば、標識がハプテンである場合、a)ハプテン
と特異的に結合する抗体に酵素を結合させたもの、b)
該酵素の基質等が挙げられる。これらの具体例として
は、酵素がβ−D−ガラクトシダーゼの場合、基質とし
て2−ニトロフェノール、β−D−ガラクトシド、4−
メチルウンベリフェリル−β−D−ガラクトシド等、酵
素がペルオキシダーゼの場合、発色剤として2,2′−
アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホ
ン酸、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオニック
アシド、3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジ
ン、1,2−フェニレンジアミン等、酵素がアルカリフ
ォスファターゼの場合、基質として4−メチルウンベリ
フェリルフォスフェート、NADP、4−ニトロフェニ
ルフォスフェート等、酵素がグルコース−6−リン酸脱
水素酵素の場合、基質としてグルコース、NAD等、ま
た酵素がアルコール脱水素酵素である場合、基質として
エタノール、NAD等を用いることができる。
【0025】
【発明の効果】本発明によってペニシリン耐性肺炎球菌
を検体から直接、高精度かつ迅速に検出することがで
き、肺炎球菌感染症患者に対し、早期に適切な予防・治
療を行うことが可能になった。
【0026】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0027】実施例1 検体からのDNAの抽出:臨床
材料(咽頭拭い液)を2mlのミューラーヒントン液体培
地に混釈し、混釈液の1.5mlを遠心分離して肺炎球菌
の菌体を集めた。遠心分離後は上清をほぼ完全に捨て
て、沈渣に10μl の滅菌蒸留水を加えて懸濁した。次
いで懸濁液の2μl を溶菌液(100mMトリス塩酸緩衝
液(pH8.9)、0.1%トリトンX−100、200
μg /mlプロテイナーゼK、0.45%ツイーン20、
0.45%ノニデットP−40)20μl に加えて60
℃で20分間の溶菌処理を行い、さらに95℃で10分
間加熱して菌体からDNAを抽出させた。
【0028】実施例2 ポリメラーゼ増幅反応:PCR
は、上記のDNA溶液を2μl をPCR反応液20μl
に加えて行った。PCR反応液の組成は、各プライマー
(lytA遺伝子増幅用プライマー〔5'TGAAGCGGATTATCACTG
GC3'および5'GCTAAACTCCCTGTATCAAGCG3'〕とpbp1a遺伝
子増幅用プライマー〔5'AAACAAGGTCGGACTCAACC3'および
5'AGGTGCTACAAATTGAGAGG3'〕、pbp2b遺伝子増幅用プラ
イマー〔5'CAATCTAGAGTCTGCTATGGA3'および5'GGTCAATTC
CTGTCGCAGTA3'〕それぞれ2pmole/20μl 、Taq DN
Aポリメラーゼ0.5単位/20μl 、dATP・dG
TP・dCTP・dTTPそれぞれ1.6μg /20μ
l 、1.5mM塩化マグネシウム、50mM塩化カリウム、
0.001%ゼラチン、10mMトリス塩酸緩衝液(pH
8.3)である。PCRは、94℃で30秒の変性工程
・57℃で30秒のアニーリング工程・72℃で15秒
の伸長工程という3段階の温度サイクルを30回繰り返
して行った。
【0029】実施例3 増幅結果の判定:PCRによる
遺伝子増幅の判定は、PCR後の反応液10μl を3%
アガロースゲル上で電気泳動を行い、DNAのバンドの
有無を確認することによって行った。lytA遺伝子の増幅
物は273塩基対、pbp1a遺伝子の増幅物は430塩基
対、pbp2b遺伝子の増幅物は77塩基対の長さとなり、
電気泳動ゲル上での判別が可能である(図1)。
【0030】実施例4 肺炎球菌の耐性確認:肺炎球菌
の薬剤耐性は以下のようにして確認した。すなわち、5
%綿羊脱繊維血液を加えたミューラーヒントン寒天培地
に最終濃度が64μg /mlから0.008μg /mlまで
の2倍希釈系列濃度となるようにペニシリンGを加えた
培地を作製し、ペニシリン耐性判定用の培地とした。被
験肺炎球菌は血液寒天培地で前培養後、Todd Hewitt培
地に釣菌して6時間培養した。この培養液5μl をペニ
シリン耐性判定用の培地にスポットし、37℃で18時
間培養して、寒天表面上に明らかなコロニーの発育が見
られた場合を発育(+)、見られないものを発育(−)
として判定した。最小発育阻止濃度(MIC)は菌の発
育が(−)となった薬剤濃度とした。
【0031】米国臨床検査室標準法(NCCLS)によ
れば、ペニシリンに対するMICが2.0μg /ml以上
の株を耐性株、MICが0.1〜1.0μg /mlの株を
低度耐性株、MICが0.06以下の株を感性株として
いる。臨床分離肺炎球菌株2020株についての結果を
表1および図2に示す。ペニシリン耐性とされるMIC
が0.125以上の株880株中pbp1a遺伝子とpbp2b遺
伝子の両方が増幅された株は7株(0.8%)であり、
また逆にMICが0.1未満の株でpbp1a遺伝子とpbp2b
遺伝子の両方ともが増幅されなかった株は4株(0.4
%)のみであった。また、臨床的にβ−ラクラム系薬剤
が効かないと考えられるMIC0.5以上の株669株
のうちpbp1a遺伝子とpbp2b遺伝子の両方ともが増幅され
なかった株は633株(94.6%)であり、本法によ
る遺伝子検査結果は薬剤耐性と高い相関性を示してい
た。なお、何れの分離株においてもlytA遺伝子の存在が
確認できた。
【0032】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における電気泳動の結果を示す
図である。
【図2】本発明の実施例における臨床分離肺炎球菌株の
最小発育阻止濃度(MIC)を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肺炎球菌のlytA遺伝子、pbp1a遺伝子お
    よびpbp2b遺伝子を遺伝子増幅法により同時に検出する
    ことを特徴とする、ペニシリン耐性肺炎球菌の存在およ
    び耐性度を判定する方法。
  2. 【請求項2】 lytA遺伝子がlytA遺伝子の694番目か
    ら966番目に相当するDNAであり、pbp1a遺伝子がp
    bp1a遺伝子の2256番目から2685番目に相当する
    DNAであり、pbp2b遺伝子がpbp2b遺伝子の1636番
    目から1712番目に相当するDNAである請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 遺伝子増幅法が式(1)〜(6) 5'TGAAGCGGATTATCACTGGC3'・・・・・(1) 5'GCTAAACTCCCTGTATCAAGCG3' ・・・(2) 5'AAACAAGGTCGGACTCAACC3'・・・・・(3) 5'AGGTGCTACAAATTGAGAGG3'・・・・・(4) 5'CAATCTAGAGTCTGCTATGGA3' ・・・・(5) 5'GGTCAATTCCTGTCGCAGTA3'・・・・・(6) で表される塩基配列を有するプライマーを使用するもの
    である請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 遺伝子増幅法がポリメラーゼ増幅反応法
    である請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のプライマー(1)〜
    (6)を含むことを特徴とする、ペニシリン耐性肺炎球
    菌の存在および耐性度の判定用キット。
JP15115796A 1996-06-12 1996-06-12 ペニシリン耐性肺炎球菌の検査法およびキット Pending JPH09327300A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112646903A (zh) * 2020-12-28 2021-04-13 遵义医科大学珠海校区 肺炎链球菌对万古霉素耐药性诊断的标志物及其应用

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CN112646903A (zh) * 2020-12-28 2021-04-13 遵义医科大学珠海校区 肺炎链球菌对万古霉素耐药性诊断的标志物及其应用

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