JPH09326524A - 端面励起型固体レーザ装置 - Google Patents

端面励起型固体レーザ装置

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JPH09326524A
JPH09326524A JP8163786A JP16378696A JPH09326524A JP H09326524 A JPH09326524 A JP H09326524A JP 8163786 A JP8163786 A JP 8163786A JP 16378696 A JP16378696 A JP 16378696A JP H09326524 A JPH09326524 A JP H09326524A
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JP
Japan
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solid
laser
state laser
laser beam
optical axis
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Application number
JP8163786A
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English (en)
Inventor
Shinichi Nakayama
伸一 中山
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Miyachi Technos Corp
Original Assignee
Miyachi Technos Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 固体レーザの励起において、側面励起よりも
小型で高性能な端面励起の調整を容易にする。 【解決手段】 レーザ光LAの光軸の周りに複数の励起
レーザユニット12を配置する。励起用レーザビームE
Bは固体レーザ媒体10の端面10aの中心付近に焦点
を結び、そのスポットの位置と大きさは励起用レーザビ
ーム光軸調整機構90により調節する。励起レーザの載
置台66は圧縮コイルバネ98、2本の調整ネジ100
及び球面滑り軸受け92を介して円錐形のユニット支持
部材26の外周面26aに取り付けられている。2本の
調整ネジ100を調節すると、圧縮コイルバネ98と協
力して載置台66を球面滑り軸受け92の球面に沿って
任意の方向に回転させることができ、従って励起用レー
ザビームEBのスポットを固体レーザ媒体の端面10a
の中心付近で自由に制御できるので、複数の励起レーザ
ビームを同様に制御して容易に効率良く固体レーザを励
起できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0010】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体レーザ媒体の
端面に斜め方向から励起用レーザビームを照射する端面
励起方式の固体レーザ装置に関する。
【0020】
【従来の技術】従来より、固体レーザ媒体を励起する方
法として、レーザ光軸とほぼ直交する固体レーザ媒体の
端面に励起用のレーザビームを照射する端面励起方式が
知られている。端面励起方式は、固体レーザ媒体の側面
に励起光(一般にはランプ光)を照射する側面励起方式
と比較して、小型・軽量、高効率、低雑音等の利点があ
り、実用化が期待されている。
【0030】端面励起方式において高出力化を図るた
め、固体レーザ媒体の端面に斜め方向から多数の励起用
レーザビームを合成(集中)照射する幾何光学的合成励
起法が提案されている。この幾何光学的合成励起法によ
れば、多数の励起用レーザビーム発生手段が各々のレー
ザビーム出射口を固体レーザ媒体の端面に向けてレーザ
光軸の回りに同一の傾き角で環状に配置されることにな
る。励起用レーザビーム源には一般に半導体レーザが用
いられる。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】上記のような幾何光学
的合成励起法においては、各励起用レーザビーム発生手
段からの励起用レーザビームが固体レーザ媒体の端面に
正確な位置で入射することが幾何光学的に所望の励起分
布を形成する上で、ひいては高効率化および安定なレー
ザ出力特性を得る上で重要な要件である。ここで、励起
用レーザビームが固体レーザ媒体の端面に正確な位置で
入射するということは、固体レーザ媒体の端面における
各々の励起用レーザビームのスポットが基準点を中心に
正確に点対称になっていることと、基準点からスポット
中心点までの距離または合成スポットの径が所望のサイ
ズになっていることを意味する。
【0050】しかるに、従来のこの種固体レーザ装置
は、組立時に各々の励起用レーザビームの光軸を位置合
わせした上で各励起用レーザビーム発生手段を支持部材
に固定取付する構造であり、組立後に各励起用レーザビ
ームの光軸を簡単に調整できる機構を持ち合わせていな
かった。このため、何らかの原因でいずれかの励起用レ
ーザビームの光軸がずれてしまうとその調整や修理が大
変であったり、合成スポットのサイズを任意に調整する
ことができないという不便があった。
【0060】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
てなされたもので、幾何光学的合成励起法の端面励起方
式において各励起用レーザビームのスポット位置ないし
合成スポットのサイズを容易、正確かつ任意に調整でき
るようにし、高効率化および高出力化を実現する固体レ
ーザ装置を提供することを目的とする。
【0070】本発明は、さらに、固体レーザ媒体を安全
に保持し、レーザ出力特性の安定化および長寿命化をは
かる固体レーザ装置を提供することをも目的とする。
【0080】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明のうち請求項1記載の固体レーザ装置は、レ
ーザ光の光軸上に配置され、前記光軸とほぼ直交する端
面を有する固体レーザ媒体と、テーパ状の外周面を有
し、テーパ頂点側を前記固体レーザ媒体の端面に向けて
配置された支持部材と、前記固体レーザ媒体の端面に斜
め方向から励起用レーザビームを照射するように前記支
持部材のテーパ状外周面に取り付けられた1個または複
数個の励起用レーザビーム発生手段と、個々の前記励起
用レーザビーム発生手段より出射される前記レーザビー
ムの光軸を調整するための励起用レーザビーム光軸調整
手段とを具備する。
【0090】また、請求項2記載の固体レーザ装置は、
請求項1に記載の固体レーザ装置において、前記励起用
レーザビーム光軸調整手段が、前記固体レーザ媒体の端
面における前記レーザビームのスポットの位置を所定の
基準点を通る所定の直線上で調整するように構成された
ことを特徴とする。
【0100】また、請求項3記載の固体レーザ装置は、
請求項2に記載の固体レーザ装置において、前記励起用
レーザビーム光軸調整手段が、前記励起用レーザビーム
発生手段を載置する載置台と、前記支持部材のテーパ状
外周面に取り付けられ、かつ前記載置台を回転可能に支
持する載置台支持部材と、前記載置台を所定の向きに付
勢するように前記載置台と前記支持部材の外周面との間
に設けられたバネ部材と、前記バネ部材の付勢力に抗し
て前記載置台を支持し、かつ前記載置台の傾きの角度を
調整するように前記載置台と前記支持部材の外周面との
間に設けられた調整ネジ部材とを含むことを特徴とす
る。
【0110】また、請求項4記載の固体レーザ装置は、
請求項1〜3のいずれかに記載の固体レーザ装置におい
て、前記支持部材には前記レーザ光を通すための開口が
形成され、前記支持部材から見て前記固体レーザ媒体の
端面とは反対側で前記レーザ光の光軸上にレーザ共振器
の一方のミラーが配置されることを特徴とする。
【0120】また、請求項5記載の固体レーザ装置は、
レーザ光軸とほぼ直交する固体レーザ媒体の端面に斜め
方向から励起用レーザビームを照射して前記固体レーザ
媒体を励起するようにした端面励起型固体レーザ装置に
おいて、前記固体レーザ媒体の側面を囲むようにして前
記固体レーザ媒体を保持するレーザ媒体保持部材と、前
記固体レーザ媒体と前記レーザ媒体保持部材との間に介
在し、前記固体レーザ媒体と前記レーザ媒体保持部材に
良く密着し、柔軟性を有するリング状のスペーサ部材と
を有する。
【0130】また、請求項6記載の固体レーザ装置は、
請求項5に記載の固体レーザ装置において、前記スペー
サ部材の材質が鉛であることを特徴とする。
【0140】また、請求項7記載の固体レーザ装置は、
請求項5または6に記載の固体レーザ装置において、前
記レーザ媒体保持部材に設けられた冷却媒体通路と、前
記冷却媒体通路に冷却媒体を流す冷却媒体供給手段とを
さらに具備することを特徴とする。
【0150】
【発明の実施の形態】以下、添付図を参照して本発明の
実施例を説明する。
【0160】図1に、本発明の一実施例によるYAGレ
ーザ加工装置の全体の構成を模式的に示す。
【0170】このYAGレーザ加工装置におけるレーザ
発振部は、レーザ光LAの光軸上に配置され、その光軸
とほぼ直交する一対の相対抗する端面10a,10bを
有する円筒または円板状のNb:YAGからなる固体レ
ーザ媒体10と、この固体レーザ媒体10の片側の端面
10aに斜め方向から励起用レーザビームEBを照射す
る1個または複数個の励起レーザユニット12と、レー
ザ光LAの光軸上で固体レーザ媒体10の両端面10
a,10bと対向して平行に配置された全反射ミラー1
4および出力ミラー16からなる一対の光共振器ミラー
とから構成されている。
【0180】各励起レーザユニット12からの励起用レ
ーザビームEBが固体レーザ媒体10の端面10aに入
射すると、固体レーザ媒体10は励起用レーザビームE
Bの光エネルギーで励起されて、両端面10a,10b
より法線方向つまりレーザ光LAの光軸上に光を出す。
固体レーザ媒体10の両端面10a,10bより出た光
は光共振器ミラー14,16間で反射を繰り返して発振
増幅されたのち出力ミラー16を抜け、レーザ光LAと
して出射される。出力ミラー16より出射されたレーザ
光LAは、たとえば反射ミラー18あるいは光ファイバ
(図示せず)等の光学部品を介して加工場所に設置され
た出射部20へ送られ、そこで光学レンズ22により被
加工物24に向けて集光照射される。
【0190】固体レーザ媒体10は後述するレーザ媒体
保持手段110に保持された状態でレーザ光LAの光軸
上の所定位置に配置されており、各励起レーザユニット
12は後述するユニット支持部材26に支持された状態
でレーザ光LAの光軸の回りに均等に配置されている。
【0200】レーザ冷却装置30は、固体レーザ媒体1
0および各励起レーザユニット12内の半導体レーザ素
子の温度を制御するために、レーザ媒体保持部材110
および各励起レーザユニット12に所定の温度に温調さ
れた冷却媒体たとえば冷却水CWを循環供給する。レー
ザ電源装置32は、各励起レーザユニット12内の半導
体レーザに駆動電流を供給する。
【0210】図2に、レーザ冷却装置30の構成を示
す。純水タンク40より純水(冷却水)CWをポンプ4
2で汲み出してレーザ発振部の熱負荷26(10),2
8(12)に供給し、熱負荷からの熱を吸収して温度上
昇した純水CWを熱交換器44で所定温度まで冷やして
から純水タンク40に戻すようにしている。
【0220】熱交換器44は、たとえば水冷式の熱交換
器(水−水熱交換器)からなり、互いに熱的に結合され
た一次側および二次側の水路を内蔵し、一次側の水路で
市水または工業用水等の一次側冷却水を流しながら二次
側の水路でレーザ発振器からの二次側冷却水(純水)を
流すことにより、二次側冷却水の熱を一次側冷却水へ放
出させる形で熱交換を行うようにしている。このような
水−水熱交換器において二次側冷却水(純水)を温調す
るため、たとえばタンク40に温度センサ(図示せず)
を取り付けるとともに、一次側冷却水の供給管46に開
閉弁48を取り付け、二次側冷却水の温度が設定温度付
近に維持されるように温度コントローラ(図示せず)に
より開閉弁48を開閉制御するような温度制御が行われ
る。
【0230】図3に、励起レーザユニット12内の励起
レーザ発振部の構成を示す。この励起レーザ発振部は、
熱伝導率および導電率の高い金属たとえば銅からなる上
部および下部ホルダ50,52を重ね合わせ、このホル
ダ組立体の一端部(前面部)の隙間に半導体レーザとし
てレーザダイオード・アレイ54を設けている。
【0240】上部および下部ホルダ50,52は、レー
ザダイオード・アレイ54にレーザ発振用の駆動電流を
供給するための導電体として機能するだけでなく、レー
ザダイオード・アレイ54より発生する熱を取り除くた
めのヒートシンクとしても機能する。下部ホルダ52の
前部付近には、レーザダイオード・アレイ54の基板と
して熱膨張率の低い導電材が埋め込まれている。上部ホ
ルダ50の背面には電極棒(カソード端子)51が設け
られている。下部ホルダ52の背面には、レーザ冷却装
置30からの冷却水CWを下部ホルダ52内の冷却水通
路に供給するための冷却水入口58および冷却水出口5
9が設けられている。
【0250】図4〜図6に、励起レーザユニット12の
全体の構成およびこれを支持するユニット支持部材26
の構成を示す。図4は平面図、図5は一側面図、図6は
部分断面図である。
【0260】ユニット支持部材26は、円錐状の外周面
26aと円錐中心線に沿った貫通孔26bとを有するた
とえばアルミニウム製のブロックである。このユニット
支持部材26は、円錐頂点側を固体レーザ媒体10の端
面10aに向けて円錐中心線をレーザ光LAの光軸にほ
ぼ重ねるようにして支持板60に取り付けられる。図6
において、支持板60の取付穴60aに片側からユニッ
ト支持部材26の基端部26cが貫通して嵌め込まれ、
裏側から取付ボルト62が支持板60のボルト通し穴を
介してユニット支持部材26の中間部26dに螺着され
ている。
【0270】ユニット支持部材26の外周面上には、複
数個たとえば4個の励起レーザユニット12がそれぞれ
固体レーザ媒体10の端面10aを向いて等間隔(90
゜間隔)で取り付けられている。
【0280】各励起レーザユニット12は、上記した励
起レーザ発振部(図3)にたとえばアルミニウム製の支
持部材64とを一体に結合してなり、載置台66上に取
付ボルト68で固定されている。支持部材64は円筒部
64aとベース部64bとからなる。円筒部64a内に
はシリンドリカルレンズ70および集光レンズ72が設
けられている。励起レーザ発振部のレーザダイオード・
アレイ54より出射された励起用レーザビームEBは、
シリンドリカルレンズ70で平行光にされたのち集光レ
ンズ72により集光されて固体レーザ媒体10の片側端
面10aに照射されるようになっている。
【0290】支持部材64のベース部64bには、電極
用ボルト(アノード端子)74が取り付けられている。
図4に示すように、各励起レーザユニット12の電極用
ボルト(アノード端子)74は、電気ケーブル76を介
して一方の隣の励起レーザユニット12の電極棒(カソ
ード端子)51に電気的に接続されている。また、各励
起レーザユニット12の電極棒(カソード端子)51
は、電気ケーブル76を介して他方の隣の励起用レーザ
ユニット12の電極用ボルト(アノード端子)74に電
気的に接続されている。このように各励起レーザユニッ
ト12のレーザダイオード・アレイ54が電気ケーブル
76を介して直列に接続されている。電気ケーブル76
は、支持板60に取り付けられたコネクタ80,82お
よび裏側の電気ケーブル(図示せず)を介してレーザ電
源装置32に接続されている。
【0300】図5に示すように、各励起用レーザユニッ
ト12において、励起レーザ発振部の下部ホルダ52の
背面より突出している冷却水入口58および冷却水出口
59には冷却水供給管84が接続されている。各冷却水
供給管84はレーザ冷却装置30に通じている。
【0310】ユニット支持部材26には、各励起用レー
ザユニット12より出射される励起用レーザビームEB
の光軸を調整するための励起用レーザビーム光軸調整機
構90が取り付けられている。
【0320】図6に示すように、この励起用レーザビー
ム光軸調整機構90は、励起用レーザユニット12を載
置する載置台66と、ユニット支持部材26の外周面2
6aの所定位置に形成された螺子穴26eに螺合し、載
置台66を球面滑り軸受92を介して回転可能に支持す
るボルト94とを有している。球面滑り軸受92とユニ
ット支持部材26の外周面26aとの間にはカラー96
が配設されている。球面滑り軸受92の内側の凸面リン
グ部材92aはボルト94側に取り付けられ、外側の凹
面リング部材92bは半径方向に突出するネジ部92c
が載置台66の螺子穴66aに螺合することで載置台6
6側に固定されている。
【0330】励起用レーザビーム光軸調整機構90は、
さらに、球面滑り軸受92および円錐中心線を通る面内
で球面滑り軸受92を支点として載置台66を一方の向
き(図6では反時計回り)に付勢するように載置台66
とユニット支持部材26の外周面26aとの間に設けら
れた圧縮コイルバネ98と、このコイルバネ96の付勢
力に抗して載置台66を支持し、かつ載置台66の回転
可能な方向における傾きの角度を調整するように載置台
66とユニット支持部材26の外周面26aとの間に設
けられた調整ネジ100とを有している。
【0340】本実施例では、載置台66の中心軸の両側
(左右)にそれぞれ一対の圧縮コイルバネ98および調
整ネジ100が設けられている。各調整ネジ100は、
たとえば6角穴付きの頭部を有し、載置台66の後部に
形成された螺子穴に上方から垂直に貫通して螺合し、ネ
ジ先端(下端)部をユニット支持部材26の外周面26
aに付けている。載置台66の下面およびユニット支持
部材26の外周面26aには、各圧縮コイルバネ98を
保持するためのざくり穴66b,26fがそれぞれ形成
されている。
【0350】調整ネジ100を一方の向き(第1の向
き)に回すと、載置台66が球面滑り軸受92を中心に
圧縮コイルバネ98を縮める方向に回転し、これにより
載置台66上の励起用レーザユニット12より出射され
る励起用レーザビームEBの光軸はその回転方向(図6
において矢印L側)に傾くようになっている。
【0360】調整ネジ100を他方の向き(第2の向
き)に回すと、載置台66が球面滑り軸受92を中心に
圧縮コイルバネ98を延ばす方向に回転し、これにより
載置台66上の励起用レーザユニット12より出射され
る励起用レーザビームEBの光軸はその回転方向(図6
において矢印U側)に傾くようになっている。
【0370】上記の光軸調整に際しては、励起用レーザ
ユニット12におけるヒートシンク機構がコンパクトで
あることが、調整操作を容易にするとともに、調整精度
を高めている。
【0380】かかる構成の励起用レーザビーム光軸調整
機構90によれば、組立後でも、各励起用レーザユニッ
ト12より出射される励起用レーザビームEBの光軸を
容易かつ正確に、そして任意に調整することができる。
【0390】図7につき、励起用レーザビーム光軸調整
機構90の作用を説明する。
【0400】たとえば、図7の(A)に示すように、固
体レーザ媒体10の端面10aにおいて、或る1つの励
起用レーザユニット12からの励起用レーザビームEB
のスポットが実線SPで示す位置にあるとする。このス
ポット位置SPが中心点付近に設定された基準点Gより
も離れすぎている場合は、調整ネジ100を上記第1の
向きに回すと、スポットは基準点G側に移動する。スポ
ットが所望の位置(たとえば点線SP’で示す位置)ま
でシフトしたところで、調整ネジ100を止めれば、そ
の位置(SP’)でスポットは固定される。また、スポ
ット位置SPが基準点Gに近付きすぎている場合は、調
整ネジ100を上記第2の向きに回すことで、スポット
を所望の位置(たとえば一点鎖線SP”で示す位置)に
シフトさせることができる。
【0410】また、図7の(B),(C)に示すよう
に、全て(この例では4個)の励起用レーザユニット1
2で上記のような励起用レーザビームEBのスポットS
Pの位置を調整することで、個々の励起用レーザビーム
EBのスポットSPが幾何光学的に合成された合成スポ
ットのサイズを任意に調整することができる。
【0420】なお、本実施例では、載置台66の中心軸
の両側(左右)に一対の調整ネジ100が設けられてい
るため、左右の調整ネジ100間のバランスを調整する
ことにより、励起用レーザビームEBのスポットSPを
円周方向でもある程度までシフトさせることができる。
【0430】このように、本実施例の励起用レーザビー
ム光軸調整機構90によれば、固体レーザ媒体10の端
面10aにおける各々の励起用レーザビームEBのスポ
ットSPを基準点Gを中心に正確に点対称にすることが
可能であり、かつ基準点Gからスポット位置までの距離
または合成スポットの径を所望のサイズにすることも可
能である。したがって、固体レーザ媒体10の端面10
a上で複数個の励起用レーザビームEBを合成して幾何
光学的に所望の励起分布を形成し、高効率で安定なレー
ザ出力特性を得ることができ、ひいてはYAGレーザ加
工の生産性および品質を向上させることができる。
【0440】なお、図5および図6において、固体レー
ザ媒体10の裏側の端面10bにはレーザ反射鏡11が
直接蒸着されており、このレーザ反射鏡11が光共振器
の全反射ミラー14を構成している。光共振器の出力ミ
ラー16は、ユニット支持部材26から見て固体レーザ
媒体10とは反対側(支持板60の裏側)にてレーザ光
LAの光軸上に配置されている。
【0450】図8および図9に、本実施例のYAGレー
ザ加工装置におけるレーザ媒体保持手段110の構成を
示す。
【0460】このレーザ媒体保持手段110は、固体レ
ーザ媒体10の側面を包むリング状のスペーサ部材11
2と、このスペーサ部材112を介して固体レーザ媒体
10を側面から保持するレーザ媒体保持部材114とか
ら構成されている。レーザ媒体保持部材114は、固体
レーザ媒体10を両側から保持するための半円状の凹部
を有する一対のブロック114a,114bを突き合わ
せボルト116で結合してなる。
【0470】スペーサ部材112は、固体レーザ媒体1
0の材質(Nb:YAG)とレーザ媒体保持部材114
の両方に対して密着性が良く、かつ柔軟性の富む材質で
あることが要求される。本実施例では、このような要求
条件を満たす材質として鉛が選ばれる。この鉛のスペー
サ部材11は、柔軟性に富むので、固体レーザ媒体(N
b:YAG)10とレーザ媒体保持部材114との間の
熱膨張差に起因する応力を吸収して固体レーザ媒体10
に生じる歪を小さくし、レーザ出力を安定化することが
できる。
【0480】レーザ媒体保持部材114は、水冷式のヒ
ートシンク機能を備えている。レーザ媒体保持部材11
4内には、固体レーザ媒体10を付近を通るような冷却
水通路118が形成されており、この冷却水通路118
の両端に冷却水導入口120および冷却水出口122が
取り付けられている。レーザ冷却装置30からの冷却水
CWが冷却水通路118に供給されることで、レーザ媒
体保持部材114が冷却され、スペーサ部材112を介
して固体レーザ媒体10も冷却される。
【0490】冷却効果を上げるために、スペーサ部材1
12が固体レーザ媒体10およびレーザ媒体保持部材1
14の両方に良く密着して熱伝導路を確保することが要
求される。鉛はこの要求条件を満たしている。この水冷
式ヒートシンクの効率も高いため、25゜C程度の冷却
水CWでも十分な冷却が行える。特別な結露対策は不要
である。
【0500】上記した実施例では、ユニット支持部材2
6の外周面26aが円錐状に形成されていたが、他のテ
ーパ形状たとえば四角錐状に形成されていてもよい。ま
た、固体レーザ媒体10の片側の端面10aだけでな
く、反対側の端面10bにも励起用レーザビームEBを
照射することも可能である。上記した実施例はYAGレ
ーザ加工装置に係るものであったが、本発明は任意の端
面励起型固体レーザ装置に適用可能である。
【0510】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の端面励起
型固体レーザ装置によれば、幾何光学的合成励起法の端
面励起方式において、各励起用レーザビームのスポット
位置ないし合成スポットのサイズを容易、正確かつ任意
に調整する機構を備えることにより、所望の幾何光学的
な励起分布を形成し、高効率化および高出力化を実現す
ることができる。
【0520】また、固体レーザ媒体の側面を固体レーザ
媒体とレーザ媒体保持部材の両方に対して密着性が良
く、かつ柔軟性に富む材質からなるスペーサ部材を介し
て保持するようにしたので、レーザ出力特性の安定化を
はかることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるYAGレーザ加工装置
の全体の構成を模式的に示す図である。
【図2】実施例におけるレーザ冷却装置の構成例を示す
図である。
【図3】実施例における励起レーザユニット内の励起レ
ーザ発振部の構成を示す図である。
【図4】実施例における励起レーザユニットの全体の構
成およびこれを支持するユニット支持部材の構成を示す
平面図である。
【図5】実施例における励起レーザユニットの全体の構
成およびこれを支持するユニット支持部材の構成を示す
一側面図である。
【図6】実施例における励起レーザユニットの全体の構
成およびこれを支持するユニット支持部材の構成を示す
部分断面図である。
【図7】実施例における励起用レーザビーム光軸調整機
構の作用を説明するための図である。
【図8】実施例におけるレーザ媒体保持手段の構成を示
す斜視図である。
【図9】実施例におけるレーザ媒体保持手段の構成を示
す正面図である。
【符号の説明】
10 固体レーザ媒体 12 励起レーザユニット 14,16 光共振器ミラー 26 ユニット支持部材 30 レーザ冷却装置 32 レーザ電源装置 50 上部ホルダ 52 下部ホルダ 54 レーザダイオード・アレイ 62 冷却水通路 66 載置台 90 励起用レーザビーム光軸調整機構 92 球面滑り軸受 94 ホルト 98 圧縮コイルバネ 100 調整ネジ 110 レーザ媒体保持手段 112 スペーサ部材 114 レーザ媒体保持部材 118 冷却水通路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光の光軸上に配置され、前記光軸
    とほぼ直交する端面を有する固体レーザ媒体と、 テーパ状の外周面を有し、テーパ頂点側を前記固体レー
    ザ媒体の端面に向けて配置された支持部材と、 前記固体レーザ媒体の端面に斜め方向から励起用レーザ
    ビームを照射するように前記支持部材のテーパ状外周面
    に取り付けられた1個または複数個の励起用レーザビー
    ム発生手段と、 個々の前記励起用レーザビーム発生手段より出射される
    前記レーザビームの光軸を調整するための励起用レーザ
    ビーム光軸調整手段とを具備する端面励起型固体レーザ
    装置。
  2. 【請求項2】 前記励起用レーザビーム光軸調整手段
    が、前記固体レーザ媒体の端面における前記励起用レー
    ザビームのスポットの位置を所定の基準点を通る所定の
    直線上で調整するように構成されたことを特徴とする請
    求項1に記載の端面励起型固体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記励起用レーザビーム光軸調整手段
    が、前記励起用レーザビーム発生手段を載置する載置台
    と、前記支持部材のテーパ状外周面に取り付けられ、か
    つ前記載置台を回転可能に支持する載置台支持部材と、
    前記載置台を所定の向きに付勢するように前記載置台と
    前記支持部材の外周面との間に設けられたバネ部材と、
    前記バネ部材の付勢力に抗して前記載置台を支持し、か
    つ前記載置台の傾きの角度を調整するように前記載置台
    と前記支持部材の外周面との間に設けられた調整ネジ部
    材とを含むことを特徴とする請求項2に記載の端面励起
    型固体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 前記支持部材に前記レーザ光を通すため
    の開口が形成され、前記支持部材から見て前記固体レー
    ザ媒体の端面とは反対側で前記レーザ光の光軸上に光共
    振器の一方のミラーが配置されることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の端面励起型固体レーザ装
    置。
  5. 【請求項5】 レーザ光の光軸とほぼ直交する固体レー
    ザ媒体の端面に斜め方向から励起用レーザビームを照射
    して前記固体レーザ媒体を励起するようにした端面励起
    型固体レーザ装置において、 前記固体レーザ媒体の側面を囲むようにして前記固体レ
    ーザ媒体を保持するレーザ媒体保持部材と、 前記固体レーザ媒体と前記レーザ媒体保持部材との間に
    介在し、前記固体レーザ媒体と前記レーザ媒体保持部材
    に良く密着し、柔軟性を有するリング状のスペーサ部材
    とを有する端面励起型固体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記スペーサ部材の材質は鉛であること
    を特徴とする請求項5に記載の端面励起型固体レーザ装
    置。
  7. 【請求項7】 前記レーザ媒体保持部材に設けられた冷
    却媒体通路と、前記冷却媒体通路に冷却媒体を流す冷却
    媒体供給手段とをさらに具備することを特徴とする請求
    項5または6に記載の端面励起型固体レーザ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6301277B1 (en) 1998-11-20 2001-10-09 Trw Inc. Solid state laser master oscillator gain module
EP1492207A2 (en) * 2003-06-23 2004-12-29 Northrop Grumman Corporation Diode-pumped solid-state laser gain module
JP2006324321A (ja) * 2005-05-17 2006-11-30 Miyachi Technos Corp 高調波レーザ装置及びレーザ加工装置
KR100817277B1 (ko) * 2007-02-12 2008-03-27 (주)뮤텍코리아 테이퍼를 이용한 레이저 슬릿 제어 장치

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