JPH09326130A - 光導波素子及びその製造方法並びにそれを用いた光情報記録再生装置 - Google Patents

光導波素子及びその製造方法並びにそれを用いた光情報記録再生装置

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JPH09326130A
JPH09326130A JP8141975A JP14197596A JPH09326130A JP H09326130 A JPH09326130 A JP H09326130A JP 8141975 A JP8141975 A JP 8141975A JP 14197596 A JP14197596 A JP 14197596A JP H09326130 A JPH09326130 A JP H09326130A
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JP
Japan
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optical
optical waveguide
medium
light
probes
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Application number
JP8141975A
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English (en)
Inventor
Junsaku Nakajima
淳策 中嶋
Junji Hirokane
順司 広兼
Akira Takahashi
明 高橋
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Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Publication of JPH09326130A publication Critical patent/JPH09326130A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近接場光学顕微鏡の技術を光情報記録再生装
置の光ヘッドに応用し、トラック密度・線密度ともに光
の回折限界を超えて高密度に書かれた情報の記録・再生
を、高速でエラーなく行うことのできる方法は未だ考え
られていない。 【解決手段】 一方の末端部が尖鋭化された3本の帯状
の光導波路からなるプローブ2a,2b,2cを有し、
尖鋭化された各先端が同一直線上を等間隔で並ぶように
形成されてなる光導波素子3から光ヘッド5を構成し、
該光ヘッド5を、プローブ2a,2b,2cの各先端と
媒体とを対向させ、かつ、媒体と光ヘッド5との相対位
置がトラック方向6と直交する方向に変位した場合、両
端のプローブ2a,2cを用いて得られる2信号の平均
値が異なる変化を示すように、各先端を結ぶ直線の方向
がトラック方向6に傾きを有するように配設し、両端の
プローブ2a,2cを用いて得られる信号でトラッキン
グ制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近接場光学顕微鏡
(NSOM:Near−field Scanning
Optical Microscopy)の原理を用
いて、光情報の記録または再生の少なくとも一方を行う
光情報記録再生装置、及び該装置に備えられる光導波素
子及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光記録技術は既に、コンパクトディスク
(CD)やコンピュータ用の大容量外部メモリとして実
用化が成されている。市場ではメモリ大容量化への大き
な要求があるが、現行の光ディスクの記録密度は、概
ね、光ヘッドが光ディスク上に作るビームスポットの大
きさに制約を受け、ビームスポットの大きさ以下のビッ
トは再生できなくなる。これは一般に回折限界と呼ばれ
ており、例えば、通常の光学顕微鏡では試料により散乱
された光をレンズで集め、結像させようとしても、光の
回折により、像がわずかにぼけてしまうという現象と原
因を一にしている。このぼけの大きさは光の波長程度で
あるため、光学顕微鏡では光の波長以下の寸法の試料の
観察ができなくなり、また光記録では、光ピックアップ
の再生分解能に光の波長程度の限界を生じさせることと
なる。
【0003】これに対して、例えばR.E.Betzi
g等はScience,Vol.251,1991,
p.1468−1470において、光の波長を超えた高
い分解能を与えるプローブを用いた近接場光学顕微鏡を
開発している。
【0004】このプローブは、末端部が尖鋭化された光
ファイバーのテーパー部分が金属膜で覆われた構造を有
しており、尖鋭化された先端は光が透過するよう光学的
に開口されている。この開口部は数十nmの直径を有し
ており、プローブの分解能は、ほぼこの開口径により決
定される。試料はxyステージ平面上に置かれ、プロー
ブ先端と試料は数十nmの距離に近づけられる。xyス
テージは圧電素子を用いてxy平面内を移動し、プロー
ブ先端は試料表面を2次元走査することとなる。プロー
ブを通して得られた情報はコンピューターにより処理さ
れ、試料表面の光学像が得られることとなる。この方法
では、分解能はほぼプローブ先端の開口径により決定さ
れるため、通常の光学顕微鏡に比べ、非常に高い分解能
が得られている。
【0005】上述の文献では、プローブを1本用いて固
有振動数でプローブを振動させ、プローブを試料に近づ
けながら、このプローブの振動振幅や位相をモニターし
ている。プローブ/試料間の距離が小さくなると、試料
とプローブ先端とのファンデルワールス力等が増加し、
即ち、プローブに働くシャーフォースが増加する。この
シャーフォースの増加はプローブの振動振幅の減少や、
位相のずれを招く。そこで、これらをモニターしてプロ
ーブ/試料間距離制御機構にフィードバックすることで
プローブ/試料間の距離を一定に保っている。そして、
試料もしくはプローブを、圧電素子で精密に移動させ試
料の光学的な像を得ている。この場合、移動させる平面
をxy平面とすると、走査は、y座標を固定してx方向
にスキャンしたのち、y方向をわずかに変えて固定し、
−x方向にスキャンするということの繰り返し(ラスタ
ースキャン)が行われる。
【0006】一方、特開平6−235864号公報に
は、平面状導波路を用いて複数のプローブを作製する技
術が開示されている。これは、なるべく短い時間で試料
の像を得るにはプローブを複数用いることが考えられる
が、上述の文献のようにプローブとして光ファイバーを
用いると、円柱形状であるため近接した間隔の配列状態
で製造するのが困難であるといった問題に鑑み成された
ものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の近接場光学顕微
鏡の技術により得られる高い分解能を光情報記録再生装
置の光ヘッドに応用することで、光ディスク等の光記録
媒体の記録密度や記録容量を飛躍的に高められると考え
られる。
【0008】ところが、上記の文献では、走査中に一旦
ずれてしまったy座標をもとに戻す機能は具備されてい
ない。文献では、走査中に何らかの原因でy座標が変化
すると、真の像とは異なる像が得られることに鑑みて、
外乱は走査速度が速いほど大きくなることに着目し、比
較的遅いスピードで走査することで外乱による悪影響を
避けるようになっている。
【0009】一旦ずれてしまったy座標を元に戻すこと
ができないということは、光記録システムで言い換える
と、再生(もしくは記録)すべきトラックからプローブ
がずれていても、正しい位置にプローブを戻す(トラッ
キングする)ことができないことになり、つまりは、座
標ずれの起こり易い高速の再生(もしくは記録)に対応
できないということになる。
【0010】尚、特開平7−192280号公報には、
走査中にy座標がずれないようにする方法として、ファ
ーフィールド光学系とニアフィールド光学系をリンクさ
せた機構が開示されている。これにおいては、ファーフ
ィールド光学系でトラッキングエラー検知信号を発生さ
せることで、高速走査においても、走査すべきトラック
にニアフィールド光学系のプローブを位置させ得るよう
になっている。しかしながら、この方法ではトラッキン
グをファーフィールド光学系で行っているため、トラッ
クの間隔をファーフィールド光学系の光スポットより狭
くすることができない。したがって、線密度をニアフィ
ールド光学系を利用して大きくできても、トラック密度
はファーフィールド光学系の限界を超えて大きくするこ
とができず、抜本的な解決案とはなっていない。
【0011】本発明の目的とするところは、上記従来技
術の有する問題に鑑み、トラック密度、線密度ともに、
ファーフィールド光学系の限界、つまり光の回折限界を
超えて高密度に書かれた情報の記録・再生を、情報が記
録されているトラックもしくは情報を記録すべきトラッ
クへの正確なトラッキングを可能とすることで、高速で
エラーなく行うことのできる情報処理装置を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の請求項1記載の光導波素子は、近接場光
学顕微鏡の原理を用いた、媒体への光の回折限界を超え
た高密度な情報の書き込み、又は媒体からの光の回折限
界を超えて書き込まれた情報の読み出しのうち、少なく
とも何れか一方を行う光情報記録再生装置の光ヘッドに
用いられ、所定の波長で光伝送が可能な3本の帯状の光
導波路を有し、これら3本の光導波路は、同じ側の一方
の末端部が尖鋭化されると共に、尖鋭化された先端が同
一の直線上を等間隔で並ぶように形成されていることを
特徴としている。
【0013】本発明の請求項2記載の光導波素子は、請
求項1の構成において、上記の3本の光導波路が、一方
側の面に3段の段差がつけられた基板の各段差面にそれ
ぞれ形成されていることを特徴としている。
【0014】本発明の請求項3記載の光情報記録再生装
置は、請求項1又は2記載の光導波素子を備えた光ヘッ
ドを有し、該光ヘッドは、各光導波路の尖鋭化された先
端を媒体に対向させ、かつ、媒体と光ヘッドとの相対位
置がトラックの伸びる方向であるトラック方向と直交す
る方向に変位した場合、両端の光導波路を用いて得られ
る2信号の平均値が異なる変化を示すように、各光導波
路の先端を結ぶ直線の方向がトラック方向に対して傾き
を有するように配設されており、中央の光導波路を用い
て情報の記録再生を行い、両端の光導波路を用いて得ら
れる2信号の平均値の差を用いてトラッキング制御を行
うことを特徴としている。
【0015】上記の請求項1の構成によれば、光導波素
子は、3本の帯状の光導波路を有し、その尖鋭化された
先端が同一直線上を等間隔で並ぶように形成されてい
る。したがって、このような光導波素子を搭載した光ヘ
ッドを、上記の請求項3に記載したように、各光導波路
の先端と媒体とを対向させると共に、媒体と光ヘッドと
の相対位置がトラック方向と直交する方向に変位した場
合、両端の光導波路を用いて得られる2信号の平均値が
異なる変化を示すように、各光導波路の先端を結ぶ直線
の方向がトラック方向に対して傾きを有するように配設
し、中央の光導波路を用いて情報の記録再生を行い、両
端の光導波路を用いて得られる2信号の平均値の差を用
いてトラッキング制御を行うことで、トラック密度、線
密度ともに、光の回折限界を超えて高密度に書かれた情
報の再生時、又はその記録時に、情報が書き込まれてい
るトラックもしくは情報を書き込むべきトラックを、正
確にトラッキングして、高速でエラーのない記録再生を
行うことができる。
【0016】また、請求項2によれば、一方側の面に3
段の段差がつけられた基板の各段差面に3本の光導波路
を形成する構成としたので、段差付き基板の寸法を、そ
の段差面に形成される各光導波路の先端を結ぶ直線の方
向とトラック方向とが、トラッキング可能な角度を有す
るように設計することで、段差面の反対側の面方向をト
ラック方向に合わせるだけで、簡単に光ヘッドを位置合
わせできる。
【0017】本発明の請求項4記載の光導波素子の製造
方法は、末端部が尖鋭化された帯状の光導波路を有する
光導波素子の製造方法において、集束イオンビームを用
いて帯状の光導波路の末端部を尖鋭化することを特徴と
している。
【0018】これによれば、集束イオンビームを用いて
帯状の光導波路の末端部を尖鋭化するので、例えばリソ
グラフィック描画やエッチングを用いた場合に比べて、
より単純なプロセスで、請求項1,2に記載されている
ような精密な構造の光導波素子の作製が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について図1な
いし図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。
ここでは、近接場光学顕微鏡の原理を用いて、光の回折
限界を超えて媒体に書き込まれた情報を読み出す、再生
専用の光情報再生装置を例示する。
【0020】本光情報再生装置の光学系には、フライン
グヘッドとして構成された、図1に示す光ヘッド5が備
えられている。該光ヘッド5は、図示しないサスペンシ
ョン等により、光ディスク等の情報が記録された媒体上
を数十nmの高さで走行されるようになっている。
【0021】該光ヘッド5は、光導波素子3を一対の支
持体4a,4bで挟持した構成を有している。該光導波
素子3は、3つの段差面を有する基板1上に帯状の光導
波路からなる3本のプローブ2a,2b,2cが形成さ
れてなる。光導波素子3の各プローブ2a,2b,2c
は、一方の末端部から入った光を、他方の末端部へと光
伝搬するものであり、光は両末端部から入出射し得る。
各プローブ2a,2b,2cの一方の末端部は尖鋭化さ
れ、他方の末端部は平坦面に形成されている。プローブ
2a,2b,2cの具体的な寸法については一実施例の
ものを後述するが、その尖鋭化された末端部の大きさに
より、光ヘッド5の分解能が決定される。以下、尖鋭化
された末端部を先端と称し、平坦面に形成された末端部
を後端と称する。
【0022】上記光導波素子3におけるプローブ2a,
2b,2cの後端側には、図2に示すように、3つの光
ファイバー8a,8b,8cがそれぞれプローブ2a,
2b,2cに対応するように配置されており、さらにそ
れら光ファイバー8a,8b,8cと対応するように、
フォトディテクター9a,9b,9cが配置されてい
る。上記光ヘッド5は、これらの光ファイバー8a,8
b,8c及びフォトディテクター9a,9b,9cを含
んでいる。
【0023】媒体(図示せず)は、上記光ヘッド5の下
面側に配され、上記プローブ2a,2b,2cの各先端
と媒体表面とが向き合うようになっている。また、媒体
は、図1に示す矢印6の方向に走査され、この矢印6に
て示す方向が、媒体上に形成されたトラックの伸びる方
向、即ちトラック方向である。
【0024】再生光7は、媒体のさらに下方側から照射
され、図1では特に図示していないが、レーザーダイオ
ード等の光照射手段からの光がレンズ等を介して媒体に
再生光7として照射される。媒体を透過した再生光7
は、プローブ2a,2b,2cの各先端から内部に取り
込まれて伝送され、各後端から光ファイバー8a,8
b,8cに入り、光ファイバー8a,8b,8cを通っ
てフォトディテクター9a,9b,9cに導かれ、各々
の光の強度に応じた信号が検出されることとなる。尚、
光ファイバー8a,8b,8cを省略してプローブ2
a,2b,2cの各後端に直接フォトディテクター9
a,9b,9cが配置された構成とすることもできる。
【0025】そして、図1に示すように、3本のプロー
ブ2a,2b,2cは、両端の2本のプローブ2a,2
cを通して得られる再生光7の検出信号によりトラッキ
ング制御が行い得るように、各先端が直線上に等間隔で
並ぶように形成され、かつ、光ヘッド5は、プローブ2
a,2b,2cの各先端を結んだ直線の方向と媒体のト
ラック方向である矢印6の方向とが平行ではなく、後述
するある角度αをもつように位置合わせされている。記
録情報の読み出しは、中央のプローブ2bを通して得ら
れた再生光7の検出信号で行われる。
【0026】ここで、3本の光導波路2a,2b,2c
を有する光導波素子3を搭載した光ヘッド5で、トラッ
キングが可能な理由を説明する。図3に、あるプローブ
2(2a〜2cの何れか)が一定の高さを保持して矢印
11の方向に、凹凸のある光ディスク10を走査した際
の、媒体10の断面と得られる再生信号12とを示す。
この図より、媒体10の凹凸に対応した再生信号12が
得られることがわかる。尚、図3では特に図示していな
いが、再生光は前述の如く、媒体10に対してプローブ
2とは反対側から入射している。
【0027】また、図4(a)〜(c)に、再生時に、
光ヘッド5側から見た、媒体10に記録された情報と、
3本のプローブ2a,2b,2cの各先端との位置関係
を表す。プローブ2a,2b,2cの各先端を結んだ直
線の方向と矢印6にて示すトラック方向とは、角度αを
もつように位置合わせされている。媒体10上には、ラ
ンド部であるトラック14a,14b,14cに沿って
窪みからなるピット13が形成されており、媒体10は
矢印6の方向に走行されている。
【0028】同図(a)では、プローブ2a,2b,2
cの各先端はトラック14bにトラッキングされてい
る。これに対し、同図(b)(c)では、トラックずれが
生じて、プローブ2a,2b,2cの各先端がトラック
14bからずれてしまっている。 同図(b)は、プローブ2a,2b,2cの各先端
が矢印91の方向にずれた場合であり、プローブ2cの
先端はトラック14a,14b間のグルーブ部15aを
走行し、プローブ2aは、トラック14bを走行してい
る。図3を用いて説明したように各プローブ2a,2
b,2cから得られる信号は、媒体10の凹凸に対応し
たものとなるので、プローブ2cからは凹部のみで構成
されたグルーブ部15aに対応した信号が得られ、プロ
ーブ2aからは凹凸で構成されたトラック14bに対応
した信号が得られることとなる。したがって、このと
き、プローブ2cから得られる信号の平均値は減少し、
プローブ2aから得られる信号の平均値は増加すること
となる。
【0029】 同図(c)は、プローブ2a,2b,
2cの各先端が矢印90の方向にずれた場合であり、こ
の場合、プローブ2cはトラック14bを走行し、プロ
ーブ2aは、トラック14b,14c間のグルーブ部1
5bを走行している。したがって、プローブ2cから得
られる信号の平均値は増加し、プローブ2aから得られ
る信号の平均値は減少することとなる。
【0030】そこで、上記のような、光ヘッド5と
媒体10とが、トラック方向と直交する方向に相対的に
ずれたトラックずれは、両端のプローブ2a,2cから
得られた信号より検出することができ、これらの信号を
元に、光ヘッド5の動作にフィードバックをかけること
で、プローブ2a,2b,2cを、トラック14bを正
確にトラッキングさせ、また、中央のプローブ2bから
得られる信号により、トラック14bに書き込まれた情
報を再生できることとなる。
【0031】図5のブロック図を用いてより詳細に説明
すると、プローブ2a,2b,2cから入った光は、フ
ォトディテクター9a,9b,9cにより電気信号とな
り、このうち、フォトディテクター9bからの信号はア
ンプ80を通り、再生回路81に導かれ、再生信号とな
る。一方、フォトディテクター9cからの信号は、フィ
ルター82を通った後オペアンプ84の非反転端子に入
り、フォトディテクター9aからの信号は、フィルター
83を通った後オペアンプ84の反転端子に入り、オペ
アンプ84からの差信号が光ヘッド5のアクチュエータ
ー駆動回路85へと導かれる。
【0032】今、上記した図4(a)に示す状態で、矢
印90の方向に光ヘッド5がずれて、同図4(c)の状
態となると、前述の如くプローブ2cから得られる信
号の平均値が増加し、プローブ2aから得られる信号の
平均値が減少するので、このとき、上記アクチュエータ
ー駆動回路85には、正の信号が入ることとなる。アク
チュエーター駆動回路85は、正の信号が入ったとき、
光ヘッド5が矢印91の方向に移動するように光ヘッド
5のアクチュエーターを駆動する。
【0033】逆に、光ヘッド5が矢印91の方向にずれ
て同図(b)の状態となると、前述のの如くプローブ
2cから得られる信号の平均値が減少し、プローブ2a
から得られる信号の平均値が増加するので、このとき、
上記アクチュエーター駆動回路85には、負の信号が入
ることとなる。アクチュエーター駆動回路85は、負の
信号が入ったとき、光ヘッド5が矢印90の方向に移動
するように光ヘッド5のアクチュエータを駆動する。こ
のようにして、正確なトラッキングが可能となる。
【0034】ところで、媒体10のトラック方向と3本
のプローブ2a,2b,2cの各先端を結んだ直線とが
例えば平行になるように組み合わせられると、プローブ
2a,2cから得られる信号の平均値が同じものとな
り、上述したトラッキングが行えなくなる。また、図4
(a)の仮想線で示すように、中央のプローブ2bがト
ラック14bの中央に位置するとき、両端のプローブ2
a,2cがトラック14bに隣接するランド部15b,
15cの各中央にそれぞれ位置するように組み合わされ
ても、プローブ2a,2cから得られる信号の平均値が
同じものとなり、上述したトラッキングが行えなくな
る。
【0035】つまり、上述したある角度αとは、媒体1
0と光ヘッド5との相対位置がトラック方向と直交する
方向に変位した場合に、両端の光導波路2a,2cを用
いて得られる2信号の平均値が異なる変化を示すような
角度であり、図4(a)に示すように、中央のプローブ
2bがトラック14bの中央に位置するとき、両端のプ
ローブ2a,2cがトラック14bの両サイドにかかる
部分に位置するような、トラック幅とプローブ間の距離
にて決定される特定の範囲をもつ角度である。
【0036】上記光導波素子3では、図6(a)に示す
ように、予めこのような角度αの条件を満たすように設
計した段差を有するSiからなる基板1の各段差面1
a,1b,1cに、プローブ2a,2b,2cが形成さ
れている。したがって、基板1の底面1dがトラック方
向と平行になるようにセッティングするだけで、簡単
に、光ヘッド5を適切な角度を保持して組み付けること
ができる。
【0037】尚、図6(b)に示すような段差の無い基
板1’を用いて光導波素子3を構成することももちろん
可能であり、その場合は、トラック方向と3本のプロー
ブ2a,2b,2cの各先端を結んだ直線の方向とが、
上記した角度αの条件を満たすように、光ヘッド5の取
り付けを調整すればよい。
【0038】次に、上記光導波素子3の作製方法の一例
を説明する。まず、図7(a)〜(h)を用いて、段差
付きの基板1の作製方法について説明する。単結晶Si
の基板101の101a面上にレジスト110を塗布し
((a)参照)、図6(a)の段差面1cとなる領域の
み残して露光した後、露光部を洗い流し、非露光部のみ
にレジスト110aを残す((b)参照)。次いで、K
OH溶液で露出している基板101の101a面をエッ
チングして1つ目の段差を形成し((c)参照)、その
後、非露光領域に残ったレジスト110aをリムーバー
液で除去する((d)参照)。続いて、再びレジスト1
11を基板101の101b面(段差を有する)に塗布
し((e)参照)、図6(a)の段差面1aとなる領域
のみ露光し、露光部を洗い流し、非露光部のみにレジス
ト111aを残す((f)参照)。次いで、KOH溶液
で露出している基板101の101b面をエッチングし
て2つ目の段差を形成し((g)参照)、その後、非露
光領域に残ったレジスト111aをリムーバー液で除去
する((h)参照)。これにて、段差付きの基板1が得
られる。
【0039】次に、図8〜図13を用いて、光導波路か
らなる3本のプローブ2a,2b,2cの作製方法につ
いて説明する。尚、段差付きの基板1上に、プローブ2
a,2b,2cを作製する段階を図面で表すと複雑にな
るので、図面を簡略化するために、図8〜図13の基板
101においては段差を省略している。
【0040】まず、図8に示すように、基板101上に
レジスト層120を形成する。このとき、レジスト層1
20が形成されていない基板101表面の領域121に
プローブ2a,2b,2cとなる光導波路が形成される
こととなる。
【0041】次に、図9(a)〜(e)(図8の矢印1
6で示す方向より基板101を見た領域121の断面
図)に示すように、基板101の上に、下部金属層10
2、下部クラッド層103、コア層104、上部クラッ
ド層105をそれぞれ順に形成する。つまり、まず、基
板101上にA1からなる下部金属層102を形成する
((a)参照)。その後、マスク123を、基板101
や下部金属層102と離した位置に配置し((b)参
照)、SiO2 からなる下部クラッド層103をスパッ
タリングや蒸着法により形成する((c)参照)。この
とき、マスク123によりマスク下に形成される下部ク
ラッド層103はテーパーがつくこととなる。
【0042】続いて、GeSiO2 からなるコア層10
4、及びSiO2 からなる上部クラッド層105を順に
形成する((d)(e) 参照)。コア層104及び上部グ
ラッド層105も、下部グラッド層103と同様にマス
ク下の部位でテーパーがつくこととなる。この後、レジ
スト層120をリムーバー液により除去する。これによ
り、図10に示すように、基板101にテーパーのつい
た先端をもつ3つの光導波路107が形成される。
【0043】その後、図11(3つの光導波路107が
形成された基板101を真上から見た図であり、各図に
おける矢印17にて示す方向同士が対応する)に示すよ
うに、各光導波路107のテーパーのついた末端側にお
ける、図中斜線にて示す領域に、集束イオンビームエッ
チングにより切り込み124を入れて尖鋭化する。これ
により、各光導波路107のテーパーのついた末端側
は、プローブ2a,2b,2cとして機能する尖鋭化さ
れた領域107aと、不要な領域107bとに分割され
る。この領域107bは不要な部分であるが、完全に取
り除いても、除去しなくともどちらでもよく、理由につ
いては後述する。図12に、3つの光導波路107のテ
ーパーのついた末端側に切り込み124が入れられた基
板101の斜視図を示す。
【0044】最後に、図13に示すように、マスク12
5を用いて、テーパーと切り込み124がある末端側を
Alからなる上部金属層106で覆う。これにより、光
導波路107からなるプローブ2a,2b,2cが完成
される。このとき、切り込み124を上部金属層106
で完全に埋めることで、光情報は尖鋭化された領域10
7aの末端部からのみやりとりされることとなる。した
がって、不要な領域107bを残した状態であっても、
不要な領域107bの末端部から入射した光が、領域1
07aへ光伝送されることはないので、先端側を尖鋭化
する際、上記した集束イオンビームエッチングにより切
り込み124を入れるだけでもよいわけである。
【0045】また、上部金属層106を光導波路107
の末端側にのみ形成するのは、金属層とコア層104が
光導波路107の側面で接触している部位をなるべく少
なくするためである。つまり、光が伝搬するコア層と金
属のように複素屈折率に0でない消光係数をもつ物質と
が接触すると、その部分で光の吸収が起こりエネルギー
ロスが起こるため、このロスを最小限にするためであ
る。
【0046】図14に、上部金属層106まで形成し
た、プローブ2(2a〜2cの何れか)の図を示す。こ
こでは図面を簡素化するために、領域107bを省略し
ている。光は、開口部108から入出射されることとな
り、開口部108の大きさがこのプローブ2の分解能を
ほぼ決定している。
【0047】尚、光導波路107の上下部クラッド層1
03,105は、コア層104より小さな屈折率をもつ
誘電体であるように構成されていればよいので上述した
例に限られるものではなく、同様に、上下部金属層10
2,106も光の透過ないようにすればよいので、上述
した材料に限られるものではない。さらに、基板1の材
料も、上記の材料に限られるものではない。
【0048】ここで、上記の作製方法で作製して得た一
実施例の光導波素子3の具体的な寸法を例示するととも
に、該光導波素子3を光ヘッド5に組み立ててフライン
グヘッドを構成し、これを光ディスク上を数十nmの高
さで走行させて、トラック幅100nmで情報が書き込
まれている光ディスクを再生するテストを行った結果を
示す。
【0049】本実施例では、前述の方法で、図7(h)
に示す各寸法、幅w1 ,w2 ,w3が各々10μm、段
差h1 ,h2 が50nmの段差付きの基板1を作製し
た。そして、この基板1の上に、図14に示す各寸法、
光導波路107の幅W1 が3μm、高さH1 が1μm、
開口部108の幅W2 が80nm、高さH2 が40n
m、光導波路107のテーパー部の長さが8.5μm、
上部金属層106の奥行きL1 が9.0μm、上部金属
層106の厚みH3 がおよそ1.3μmのプローブ2
a,2b,2cを形成した。
【0050】そして、再生テストを行った結果、情報が
書き込まれている100nm幅のトラックを、正確にト
ラッキングしながら、光ディスク上に高密度に書かれた
情報を高速で再生することができた。
【0051】また、同様のテストを、平板状の基板1’
を用いて作製した光導波素子について行った場合にも、
同じ結果が得られた。
【0052】〔実施の形態2〕本発明の実施の他の形態
について図15、図16に基づいて説明すれば、以下の
通りである。尚、説明の便宜上、前述の実施の形態1に
て示した部材と同一の機能を有する部材には、同一の符
号を付記し、その説明を省略する。ここでは、実施の形
態1で示した光導波素子3を搭載した光ヘッドを用い
た、記録再生が可能な光情報記録再生装置について説明
する。
【0053】本実施の形態の光情報記録再生装置は、光
ディスク等の媒体に、ガイドトラックが設けられた相変
化型光記録媒体を用い、透過率の変化で再生信号を読み
取り、書き込みパワーの差で相変化を起こして透過率の
差を作り出し、記録を行うようになっている。
【0054】図15に、光ヘッドに搭載された光導波素
子3の3本のプローブ2a,2b,2cと媒体20との
関係を示す。媒体20にはガイドトラック21が設けら
れ、凹部を形成している。プローブ2bは凸部のランド
部22に位置する。プローブ2cがガイドトラック21
a側、つまり図において右側にずれるトラックずれが生
じた場合、プローブ2aは凸部のランド部22に位置す
ることとなる。逆に、プローブ2aがガイドトラック2
1b側、図において左側にずれるトラックずれが生じた
場合、プローブ2cは凸部のランド部22に位置するこ
ととなる。したがって、これら両端のプローブ2a,2
cからの信号を処理することでトラッキング制御が実施
できる。
【0055】図16に、本記録再生装置の光学系を示
す。該光学系は、媒体20を挟んで図において上方に配
された、光導波素子3、2つのフォトディテクター34
a,34c、及びレーザーダイオード32、図において
下方に配された、3枚のレンズ37,38,39、ビー
ムスプリッター35、レーザーダイオード30、及びフ
ォトディテクター34bから構成されている。
【0056】上記フォトディテクター34a,34c
は、それぞれ光導波素子3のプローブ2a,2cに対応
して、また、レーザーダイオード32は、プローブ2b
に対応して配設されており、光導波素子3、2つのフォ
トディテクター34a,34c、及びレーザーダイオー
ド32から光ヘッドが構成されている。
【0057】上記レーザーダイオード30は、31方向
(紙面に垂直方向)に偏光方向をもつ波長630nmの
直線偏光を放射するもので、レーザーダイオード32
は、33方向(紙面に平行)に偏光方向をもつ波長63
0nmの直線偏光を放射するものである。
【0058】まず、トラッキング制御系について説明す
る。レーザーダイオード30より31方向(紙面に垂直
方向)に偏光方向をもつ波長630nmの直線偏光が放
射されており、この光はレンズ37により平行光とな
る。ビームスプリッター35は31方向の直線偏光を全
反射し、反射された光はレンズ39により媒体20上に
集光される。この集光された位置に光ヘッド5の3本の
プローブ2a,2b,2cが位置している。プローブ2
a,2cの先端を通ってプローブ2a,2cに導入され
た光は、これら2つのプローブの後端からフォトディテ
クター34a,34cに入射してトラッキングを行う信
号となり、正確なトラッキングが行われる。
【0059】次に、再生系について説明する。レーザー
ダイオード32から出射された33方向(紙面に平行)
に偏光方向をもつ波長630nmの直線偏光が、プロー
ブ2bの後端からプローブ2bに導入され、ブロープ2
bの先端を通って放射される。この光は、媒体20の情
報(透過率)をもってレンズ39により平行光となる。
ビームスプリッター35は33方向の直線偏光を透過さ
せるので、この光はレンズ38により集光されフォトデ
ィテクター34bに入る。フォトディテクター34bか
らの信号が再生信号であり、媒体20に書き込まれてい
る情報が再生される。
【0060】記録系について説明する。レーザーダイオ
ード32に記録信号を入力し、該レーザーダイオード3
2より放射される光のパワーを変調する。図14で示し
たように、プローブ2bの先端は開口部108を残して
金属膜(上部金属層106と、下部金属層102)で覆
われており、レーザーダイオード32より放射される光
のパワーが変化することで、開口部108近傍の金属膜
の温度が変化する。プローブ2bの先端の開口部近傍の
微小領域の温度変化が媒体20の温度変化を生じさせ、
これにより媒体記録層の相変化が生じて、記録が行われ
る。
【0061】〔実施の形態3〕本発明の実施の他の形態
について図17に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、前述の実施の形態にて示した部
材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。ここでは、実施の形態1で示
した光導波素子3を搭載した光ヘッドを用いて、さらに
異なる形態の記録再生が可能な光情報記録再生装置につ
いて説明する。
【0062】本実施の形態の光情報記録再生装置も、実
施の形態2の装置と同様に、光ディスク等の媒体に、ガ
イドトラックが設けられた相変化型光記録媒体を用いて
いる。
【0063】図17に、本記録再生装置の光学系を示
す。該光学系は、媒体20を挟んで図において上方に配
された、光導波素子3、2つのフォトディテクター34
a,34c、及びレーザーダイオード41、図において
下方に配された、3枚のレンズ37,38,39、ダイ
クロイックミラー42、レーザーダイオード40、及び
フォトディテクター34bから構成されている。
【0064】上記フォトディテクター34a,34c
は、それぞれ光導波素子3のプローブ2a,2cに対応
して、また、レーザーダイオード41は、プローブ2b
に対応して配設されており、光導波素子3、2つのフォ
トディテクター34a,34c、及びレーザーダイオー
ド41から光ヘッドが構成されている。
【0065】上記レーザーダイオード40は波長830
nm、レーザーダイオード41は、波長630nmの光
をそれぞれ放射するものである。
【0066】まず、トラッキング制御系について説明す
る。レーザーダイオード40より波長830nmの光が
放射されており、この光はレンズ37により平行光とな
る。ダイクロイックミラー42は700nmより波長の
長い光を全反射し、反射された光はレンズ39により媒
体20上に集光される。この集光された位置に光ヘッド
5の3本のプローブ2a,2b,2cが位置している。
プローブ2a,2cの先端を通ってプローブ2a,2c
に導入された光は、これら2つのプローブの後端からフ
ォトディテクター34a,34cに入射してトラッキン
グを行う信号となり、正確なトラッキングが行われる。
【0067】次に、再生系について説明する。レーザー
ダイオード41から出射された波長630nmの光が、
プローブ2bの後端からプローブ2bに導入され、プロ
ーブ2bの先端を通って放射される。この光は、媒体2
0の情報(透過率)をもってレンズ39により平行光と
なる。ダイクロイックミラー42は700nmより波長
の短い光を透過させ、この光はレンズ38により集光さ
れフォトディテクター34bに入る。フォトディテクタ
ー34bからの信号が再生信号であり、これにて、媒体
20に書き込まれている情報が再生される。
【0068】記録系については、レーザーダイオード4
1の光のパワーを変調することで、前述の実施の形態2
と同様にして行えるので、説明の便宜上、ここではその
説明を省略する。
【0069】〔実施の形態4〕本発明の実施の他の形態
について図18に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、前述の実施の形態にて示した部
材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。ここでも、実施の形態1で示
した光導波素子3を搭載した光ヘッドを用いて、さらに
異なる形態の記録再生が可能な光情報記録再生装置につ
いて説明する。
【0070】本実施の形態の光情報記録再生装置も、実
施の形態2,3の装置と同様に、光ディスク等の媒体
に、ガイドトラックが設けられた相変化型光記録媒体を
用いている。
【0071】図18に、本記録再生装置の光学系を示
す。該光学系は、媒体20を挟んで図において上方に配
された、光導波素子3、及び3つのレーザーダイオード
50,51,52、図において下方に配された、4枚の
レンズ39,55,56,57、ダイクロイックミラー
53,54、及びフォトディテクター58a,58b,
58cから構成されている。
【0072】上記レーザーダイオード50,51,52
はそれぞれ、光導波素子3のプローブ2a,2b,2c
に対応して配設されており、光導波素子3、及びレーザ
ーダイオード50,51,52から光ヘッドが構成され
ている。上記レーザーダイオード50,51,52は順
に780nm,630nm,830nmの波長の光を出
射するものである。
【0073】トラッキング制御系及び再生系について説
明する。レーザーダイオード50,51,52からはそ
れぞれの波長の光が出射されており、プローブ2a,2
b,2cの先端から放射されたそれぞれの光は、媒体2
0を透過した後、レンズ39により平行光になる。ダイ
クロイックミラー53は波長800nm以上の光を反射
し、それ以下の波長の光を透過させるので、波長830
nmの光はレンズ55により集光されて、フォトディテ
クター58aに入る。また、波長780nmの光と波長
630nmの光はダイクロイックミラー54に到達す
る。ダイクロイックミラー54は波長700nm以上の
光を反射し、それ以下の波長の光を透過させるので、波
長780nmの光はレンズ56により集光されて、フォ
トディテクター58bに入る。そして、波長630nm
の光はダイクロイックミラー54を透過してレンズ57
により集光されフォトディテクター58cに入る。
【0074】フォトディテクター58a,58bからの
信号がトラッキングを行う信号となり、フォトディテク
ター58cからの信号が再生信号である。
【0075】記録を行う場合は、レーザーダイオード5
1の光のパワーを変調することで、前述の実施の形態2
と同様にして行えるので、説明の便宜上、ここではその
説明を省略する。
【0076】〔実施の形態5〕本発明の実施の他の形態
について図19に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、説明の便宜上、前述の実施の形態にて示した部
材と同一の機能を有する部材には、同一の符号を付記
し、その説明を省略する。ここでも、前述の実施の形態
1で示した光導波素子3を搭載した光ヘッドを用いて、
さらに異なる形態の記録再生が可能な光情報記録再生装
置について説明する。
【0077】本実施の形態の光情報記録再生装置も、実
施の形態2,3,4の装置と同様に、光ディスク等の媒
体に、ガイドトラックが設けられた相変化型光記録媒体
を用いている。
【0078】図19に、本記録再生装置の光学系を示
す。該光学系は、媒体20を挟んで図において上方に配
された、光導波素子3、及び3つのレーザーダイオード
60,61,62、図において下方に配された、4枚の
レンズ39,67,68,69、ダイクロイックミラー
65、ビームスプリッター66、及びフォトディテクタ
ー70a,70b,70cから構成されている。
【0079】上記レーザーダイオード60,61,62
はそれぞれ、光導波素子3のプローブ2a,2b,2c
に対応して配設されており、光導波素子3、及びレーザ
ーダイオード60,61,62から光ヘッドが構成され
ている。レーザーダイオード60,62は波長830n
mの光を放射するもので、レーザーダイオード60から
出た光は方向63(紙面に平行)に偏光方向をもつ直線
偏光であり、またレーザーダイオード62から出た光は
方向64(紙面に垂直)に偏光方向をもつ直線偏光であ
る。レーザーダイオード61は、波長630nmの光を
放射するものである。
【0080】トラッキング制御系及び再生系について説
明する。レーザーダイオード60,61,62からは上
記した波長、及び偏光方向をもつ光が放射されており、
プローブ2a,2b,2cの先端から放射された光は、
媒体20を通った後、レンズ39により平行光となりダ
イクロイックミラー65に到達する。ダイクロイックミ
ラー65は750nm以上の波長の光を反射し、それ以
下の波長の光を透過させるため、波長830nmの光は
ビームスプリッター66に入る。ビームスプリッター6
6は64方向の直線偏光を反射し、63方向の直線偏光
を透過させるため、フォトディテクター70aにはレー
ザーダイオード62から放射された光がレンズ67で集
光されて入射する。また、フォトディテクター70bに
はレーザーダイオード60から放射された光がレンズ6
8で集光されて入射する。さらにレーザーダイオード6
1から放射された光は、レンズ69で集光されてフォト
ディテクター70cに入射する。
【0081】フォトディテクター70a,70bからの
信号がトラッキング信号であり、フォトディテクター7
0cからの信号が再生信号となる。
【0082】記録を行う場合は、レーザーダイオード6
1の光のパワーを変調することで、前述の実施の形態2
と同様にして行えるので、説明の便宜上、ここではその
説明を省略する。
【0083】尚、上記実施の形態1から5で用いた媒体
は、それぞれ凹凸のついた再生専用の媒体又は相変化媒
体であるが、光学的な性質を変化させることにより記録
が成された媒体(例えば光磁気記録媒体、有機色素媒
体、フォトクロミック媒体等)であるならば、上述した
再生法、記録法、トラッキング制御を行うことが可能で
ある。
【0084】また、上記実施の形態1から5で用いた光
情報再生・記録録再生装置は、媒体に対して光を透過さ
せて信号検出を行っているが、媒体に対して光学系を全
てプローブど同じ側に配置することで反射光による信号
検出を行うことができる。したがって、本発明は透過型
装置に限られたものではなく、反射型装置にも適用でき
ることは言うまでもない。
【0085】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1記載の
光導波素子は、近接場光学顕微鏡の原理を用いた、媒体
への光の回折限界を超えた高密度な情報の書き込み、又
は媒体からの光の回折限界を超えて書き込まれた情報の
読み出しのうち、少なくとも何れか一方を行う光情報記
録再生装置の光ヘッドに用いられ、所定の波長で光伝送
が可能な3本の帯状の光導波路を有し、これら3本の光
導波路は、同じ側の一方の末端部が尖鋭化されると共
に、尖鋭化された先端が同一の直線上を等間隔で並ぶよ
うに形成されている構成である。
【0086】本発明の請求項2記載の光導波素子は、請
求項1の構成において、上記の3本の光導波路が、一方
側の面に少なくとも3段の段差がつけられた基板の各段
差面にそれぞれ形成されている構成である。
【0087】本発明の請求項3記載の光情報記録再生装
置は、上記請求項1又は2記載の光導波素子を備えた光
ヘッドを有し、該光ヘッドは、各光導波路の尖鋭化され
た先端を媒体に対向させ、かつ、媒体と光ヘッドとの相
対位置がトラックの伸びる方向であるトラック方向と直
交する方向に変位した場合、両端の光導波路を用いて得
られる2信号の平均値が異なる変化を示すように、各光
導波路の先端を結ぶ直線の方向がトラック方向に対して
傾きを有するように配設されており、中央の光導波路を
用いて情報の記録再生を行い、両端の光導波路を用いて
得られる2信号の平均値の差を用いてトラッキング制御
を行う構成である。
【0088】本発明の請求項4記載の光導波素子の製造
方法は、末端部が尖鋭化された帯状の光導波路を有する
光導波素子の製造方法において、集束イオンビームを用
いて帯状の光導波路の末端部を尖鋭化するものである。
【0089】これにより、請求項1、2に記載の光導波
素子を搭載した光ヘッドを、上記の請求項3に記載した
ように配設して情報の記録再生、及びトラッキング制御
を行うことで、トラック密度、線密度ともに、光の回折
限界を超えて高密度に書かれた情報の再生時、又はその
記録時に、情報が書き込まれているトラックもしくは情
報を書き込むべきトラックを、正確にトラッキングする
ことが可能となり、高速でエラーのない記録再生を行う
ことができるという効果を奏する。
【0090】さらに、請求項2に係る発明では、段差付
き基板の寸法を、その段差面に形成される各光導波路の
先端を結ぶ直線の方向とトラック方向とが、トラッキン
グ可能な角度を有するように設計することで、段差面の
反対側の面方向をトラック方向に合わせるだけで、簡単
に光ヘッドを位置合わせできるという効果も併せて奏す
る。
【0091】また、請求項4に係る発明では、例えばリ
ソグラフィック描画やエッチングを用いた場合に比べ
て、より単純なプロセスで、請求項1,2に記載されて
いるような精密な構造の光導波素子の作製が可能になる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の光情報再生装置に搭載
される、光ヘッドの要部を示す説明図である。
【図2】上記光ヘッドにおける、3本のプローブとフォ
トディテクターとの位置関係を示す説明図である。
【図3】凹凸のある媒体上を、プローブが一定の高さで
走査された場合に得られる信号を表す説明図である。
【図4】(a)〜(c)共に、媒体を真上から眺めた場
合のトラックと3本のプローブの位置関係を示す説明図
である。
【図5】トラッキング制御を行う系のブロック図であ
る。
【図6】(a)は段差付きの基板上に3本のプローブが
形成されている光導波素子の断面図で、(b)は段差の
ない基板上に3本のプローブが形成されている光導波素
子の断面図である。
【図7】基板上に3つの段差面を形成する工程を説明す
るための断面図である。
【図8】基板上に3本のプローブとなる3本の光導波路
を形成する工程を説明するためのもので、基板上にレジ
ストが形成された状態を示す斜視図である。
【図9】基板上に上記3本の光導波路を形成する工程を
説明するための断面図である。
【図10】3本の上記光導波路が基板上に形成された状
態を示す斜視図である。
【図11】上記光導波路の末端側を尖鋭化する方法につ
いて説明する平面図である。
【図12】上記光導波路の末端側が尖鋭化された状態を
示す斜視図である。
【図13】尖鋭化された先端を上部金属層で被う工程を
説明する断面図である。
【図14】先端が上部金属層で被われたプローブの形状
を説明する斜視図である。
【図15】本発明の他の実施の形態の光情報記録再生装
置における、記録再生が可能な媒体と、光ヘッドの3本
のプローブとの位置関係を示す説明図である。
【図16】上記光情報記録再生装置の光学系の構成を示
す説明図である。
【図17】本発明の他の実施の形態の光情報記録再生装
置の光学系の構成を示す説明図である。
【図18】本発明の他の実施の形態の光情報記録再生装
置の光学系の構成を示す説明図である。
【図19】本発明の他の実施の形態の光情報記録再生装
置の光学系の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板 1’ 基板 2a プローブ 2b プローブ 2c プローブ 3 光導波素子 5 光ヘッド 10 媒体 20 媒体 170 光導波路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】近接場光学顕微鏡の原理を用いた、媒体へ
    の光の回折限界を超えた高密度な情報の書き込み、又は
    媒体からの光の回折限界を超えて書き込まれた情報の読
    み出しのうち、少なくとも何れか一方を行う光情報記録
    再生装置の光ヘッドに用いられ、所定の波長で光伝送が
    可能な3本の帯状の光導波路を有し、これら3本の光導
    波路は、同じ側の一方の末端部が尖鋭化されると共に、
    尖鋭化された先端が同一の直線上を等間隔で並ぶように
    形成されていることを特徴とする光導波素子。
  2. 【請求項2】上記の3本の光導波路が、一方側の面に3
    段の段差がつけられた基板の各段差面にそれぞれ形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の光導波素子。
  3. 【請求項3】上記請求項1又は2記載の光導波素子を備
    えた光ヘッドを有し、該光ヘッドは、各光導波路の尖鋭
    化された先端を媒体に対向させ、かつ、媒体と光ヘッド
    との相対位置がトラックの伸びる方向であるトラック方
    向と直交する方向に変位した場合、両端の光導波路を用
    いて得られる2信号の平均値が異なる変化を示すよう
    に、各光導波路の先端を結ぶ直線の方向がトラック方向
    に対して傾きを有するように配設されており、中央の光
    導波路を用いて情報の記録再生を行い、両端の光導波路
    を用いて得られる2信号の平均値の差を用いてトラッキ
    ング制御を行うことを特徴とする光情報記録再生装置。
  4. 【請求項4】末端部が尖鋭化された帯状の光導波路を有
    する光導波素子の製造方法において、集束イオンビーム
    を用いて帯状の光導波路の末端部を尖鋭化することを特
    徴とする光導波素子の製造方法。
JP8141975A 1996-06-04 1996-06-04 光導波素子及びその製造方法並びにそれを用いた光情報記録再生装置 Pending JPH09326130A (ja)

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JP8141975A Pending JPH09326130A (ja) 1996-06-04 1996-06-04 光導波素子及びその製造方法並びにそれを用いた光情報記録再生装置

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