JPH09325286A - 波長可変光フィルタモジュール - Google Patents

波長可変光フィルタモジュール

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JPH09325286A
JPH09325286A JP8140547A JP14054796A JPH09325286A JP H09325286 A JPH09325286 A JP H09325286A JP 8140547 A JP8140547 A JP 8140547A JP 14054796 A JP14054796 A JP 14054796A JP H09325286 A JPH09325286 A JP H09325286A
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JP
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polarization
interference filter
wavelength
light
filter module
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Application number
JP8140547A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Oguri
均 小栗
Takashi Nakamura
隆 仲村
Takaaki Ogata
孝昭 緒方
Tadashi Koga
正 古賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
NEC Corp
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
NEC Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長可変光フィルタモジュールで生じるPD
Lを小さくして、ここから出力される信号光強度がその
波長帯によって変動するのを抑制できるようにする。 【解決手段】 波長多重信号光を平行なビームとして照
射する照射部1と、このビームの少なくとも一部を受光
する受光部2とからなる対向光学系の光路に、照射側か
ら順に、照射部1から出射されたビームをP偏波の偏波
面およびS偏波の偏波面に対してそれぞれ40〜50度
の角度を有する面をそれぞれ偏波面とする第1の偏波お
よび第2の偏波に分離する偏波分離素子3と、光路に対
する傾斜角度θが可変である透過型干渉フィルタ4と、
第1の偏波および第2の偏波の偏波面をそれぞれ90度
回転させる位相板5と、第1の偏波と第2の偏波とを合
波して出射する偏波合波素子6を設けて波長可変光フィ
ルタモジュールを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は波長多重分割光通信
などに用いられる波長可変光フィルタモジュールに係
り、特に偏波依存損失を改善できるようにした波長可変
光フィルタモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】波長多重分割光通信において、伝送され
ている複数の波長の信号光から任意の波長の信号光を選
択し追尾するために波長可変光フィルタモジュールが用
いられる。特に多層膜干渉フィルタを用いた波長可変光
フィルタモジュールは小型であり、かつ低電圧駆動がで
きるので好ましく用いられている。図3は、従来の多層
膜干渉フィルタを用いた波長可変光フィルタモジュール
の例を示した概略構成図である。この波長可変光フィル
タモジュールは、対向する照射コリメータ11および受
光コリメータ12と、これらの間に配置された多層膜干
渉フィルタ13とから概略構成されている。
【0003】照射コリメータ11は、入力用光ファイバ
14で伝送されてきた波長多重化された信号光を平行ビ
ームa1にして照射する。多層膜干渉フィルタ13は、
ガラス基板上に高屈折率誘電体薄膜と低屈折率誘電体薄
膜とを交互に、40〜50層程度積層させてなる透過型
の干渉フィルタである。多層膜干渉フィルタ13は、平
行ビームa1に対する入射面の傾斜角度θを変えること
ができるように回転可能に構成されており、この傾斜角
度θを調整することによって、受光コリメータ12で受
光されるビームa2の中心波長を変えることができる。
照射コリメータ11から出射された平行ビームa1は、
この多層膜干渉フィルタ13に入射され、多層膜干渉フ
ィルタ13の傾斜角度θに応じて、平行ビームa1に含
まれている複数の波長帯の信号光のうち特定波長の信号
光が分離されて出射される。受光コリメータ12は、多
層膜干渉フィルタ13で分離され出射された信号光のう
ち特定波長帯の信号光のビームa2を受光し、出力用光
ファイバ15を経由して、光検知装置(図示せず)など
へ伝送する。また、通常、入力用光ファイバ14および
出力用光ファイバ15はシングルモード光ファイバで構
成されている。
【0004】しかしながら、入力用光ファイバ14を伝
送されてくる信号光は、通常、偏光しているので、この
信号光が上記構成の波長可変光フィルタモジュールを透
過する際に偏波依存損失(以下、PDLという)が発生
する。このため多層膜干渉フィルタ13から受光コリメ
ータ12へ出射されるビームa2の中心波長を変化させ
たときに、出力用光ファイバ15から出力される信号光
の強度が変動するという問題があった。すなわち、シン
グルモード光ファイバを信号光が伝搬するときには2つ
の偏波状態が存在する。この2つの偏波状態は、それぞ
れの偏波面が互いに直交している2つの直線偏波(P偏
波とS偏波)である。図4は図3に示す従来の波長可変
光フィルタモジュールにおける光透過特性の例を示した
グラフであり、Aは信号光の偏波状態をP偏波のみに調
整して入射させた場合、BはS偏波とP偏波とが存在す
る通常の偏波状態で入射させた場合、Cは信号光の偏波
状態をS偏波のみに調整して入射させた場合をそれぞれ
示している。尚、多層膜干渉フィルタ13の傾斜角度θ
は受光コリメータ12で受光される透過光ビームa2
中心波長が1555nmとなるように調整した。
【0005】このグラフに示されるようにP偏波とS偏
波とでは波長可変光フィルタモジュールにおける透過損
失の大きさが異なっている。PDLは、入射光の偏波状
態が変動すること、すなわち入射光ビームa1における
S偏波とP偏波の光強度比が変動することに起因して生
じる透過損失の大きさであり、このグラフではP偏波の
透過損失とS偏波の透過損失との差(図中、Dで示す)
で表される。このグラフの例においては、PDLの大き
さは2dB程度もある。
【0006】ところで、入力用光ファイバ14を伝送さ
れてくる多重化された複数の波長帯の信号光はそれぞれ
異なった偏波状態を有しており、P偏波とS偏波の光強
度比は波長帯によって異なっている。したがって、多層
膜干渉フィルタ13の傾斜角度θを変えて、受光コリメ
ータ12で受光されるビームa2の中心波長を変える
と、PDLの大きさが変化するので、出力用光ファイバ
15から出力される信号光の強度が変動してしまう。例
えば多層膜干渉フィルタ13の半値幅が1nmより小さ
い場合には、多層膜干渉フィルタ13の傾斜角度θを変
えて、受光コリメータ12で受光されるビームa2の中
心波長を10nm以上変化させるとPDLの大きさが1
dB以上変化する。波長多重分割光通信システムにおい
ては、多層膜干渉フィルタ13の半値幅はより小さいこ
とが要求されているが、半値幅が小さくなるほどPDL
もより大きくなってしまう。そして、PDLが大きいほ
ど、波長可変光フィルタモジュールを透過した後の信号
光の強度が、波長帯によって大きく変動することにな
り、通信システム上好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よって、この発明にお
ける課題は、波長可変光フィルタモジュールで生じるP
DLを小さくして、ここから出力される信号光強度がそ
の波長帯によって変動するのを抑制できるようにするこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に請求項1記載の発明は、波長多重信号光を平行なビー
ムとして照射する照射部と、この波長多重信号光の少な
くとも一部を受光する受光部とからなる対向光学系の光
路に、前記照射部から出射されたビームを、P偏波の偏
波面およびS偏波の偏波面をそれぞれ同一方向に40〜
50度回転させた面をそれぞれ偏波面とする第1の偏波
および第2の偏波に分離する偏波分離素子と、前記偏波
分離素子を通過した後の光が入射され、その光路に対す
る傾斜角度が可変である透過型干渉フィルタと、前記透
過型干渉フィルタの照射部側または受光部側のいずれか
一方に配され、前記第1の偏波および第2の偏波の偏波
面をそれぞれ90度回転させる位相板と、前記偏波分離
素子、位相板、および透過型干渉フィルタを通過した後
の光の、前記第1の偏波と第2の偏波とを合波して出射
する偏波合波素子を有することを特徴とする波長可変光
フィルタモジュールである。
【0009】前記透過型干渉フィルタは多層膜干渉フィ
ルタであることが好ましい。前記照射部および受光部
は、それぞれ光ファイバに接続されたコリメータである
ことが好ましい。前記位相板は、1/2波長板の結晶軸
をS偏波の偏波面と同一方向±5度の角度を有するよう
に配置してなることが好ましい。前記偏波分離素子およ
び偏波合波素子は、それぞれ偏波分離素子の結晶軸をP
偏波の偏波面またはS偏波の偏波面に対して40〜50
度の角度となるように配置してなることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
図1は本発明の波長可変光フィルタモジュールの一実施
例を示した概略構成図である。この波長可変光フィルタ
モジュールは、照射部1と受光部2とからなる対向光学
系の光路に、照射側から順に、偏波分離素子3、透過型
干渉フィルタ4、位相板5、および偏波合波素子6が配
されてなっている。図1中の□は、偏波分離素子3、位
相板5および偏波合波素子6の入射端面および出射端面
における信号光の伝搬状態をそれぞれ表したもので、○
は端面内における信号光の伝搬位置を示し、矢印は偏波
面の向きを示し、交差している矢印は円偏波または楕円
偏波を示す。
【0011】照射部1は、波長多重信号光を平行なビー
ムb1として照射するもので、受光部2はこの波長多重
信号光の少なくとも一部を受光するものである。本実施
例において照射部1および受光部2は、シングルモード
光ファイバの先端にレンズを固定してなるコリメータを
対向配置させて構成されている。照射部1から照射され
る平行ビームb1のビーム径は、好ましくは100〜1
000μm程度に好ましく設定される。また照射部1
は、入力用光ファイバ7で、波長多重信号光を発振する
光源(図示せず)に接続されており、受光部2は、出力
用光ファイバ8で、適宜の光検出器(図示せず)に接続
されている。入力用光ファイバ7および出力用光ファイ
バ8はいずれもシングルモード光ファイバで構成されて
いるが、これに限定されるものでなく、分散シフト光フ
ァイバも使用することができる。また好ましくは、照射
部1および受光部2は、照射部1から出射される平行ビ
ームb1の光路に対して平行な方向、およびこれに垂直
な2方向の3軸方向に移動可能な微動台に固定されてい
る。照射部1から出射されるビームb1は、P偏波成分
とS偏波成分が混在した偏波状態、すなわち円偏波状態
または楕円偏波状態となっている。P偏波成分とS偏波
成分の振幅が等しい場合には円偏波状態となるが、一般
にこれらの振幅は同じではなく、通常は楕円偏波状態と
なっている。
【0012】偏波分離素子3は、照射部1から出射され
た平行ビームb1を、P偏波の偏波面およびS偏波の偏
波面をそれぞれ同一方向に40〜50度、好ましくは4
5度回転させた面をそれぞれ偏波面とする第1の偏波c
1および第2の偏波c2に分離するものである。本実施例
において偏波分離素子3は、方解石の結晶軸をP偏波の
偏波面またはS偏波の偏波面に対して40〜50度、好
ましくは45度の角度となるように配置した偏波分離素
子で構成されている。偏波分離素子3の出射端面におけ
る第1の偏波c1の伝搬位置と第2の偏波c2の伝搬位置
との距離(分離幅)は、偏波分離素子3の光路方向の長
さ(素子長)によって調整することができ、好ましくは
200〜2000μm程度に設定される。また好ましく
は、偏波分離素子3は、対空気の無反射コートが施され
ており、かつ照射部1から出射される平行ビームb1
光路に対して平行な方向、およびこれに垂直な2方向の
3軸方向に移動可能な微動台に固定されている。
【0013】透過型干渉フィルタ4は、入射光に対する
入射面の傾斜角度θが可変であり、この傾斜角度を調整
することによって、入射される波長多重信号光のうち所
望の波長帯の信号光を、受光部2側に出射するものであ
る。本実施例において透過型干渉フィルタ4は、ガラス
基板上に高屈折率誘電体薄膜と低屈折率誘電体薄膜とを
交互に、40〜50層程度積層させてなる多層膜干渉フ
ィルタで構成されている。また図示しないが、透過型干
渉フィルタ4を回転させて傾斜角度θを微調整するため
の駆動機構が設けられている。この駆動機構としては、
例えばパルスモータを好適に用いることができる。また
好ましくは、透過型干渉フィルタ4は、照射部1から出
射される平行ビームb1の光路に対して平行な方向およ
びこれに垂直な2方向の3軸方向に移動可能な微動台に
固定されている。透過型干渉フィルタ4は、面内分布が
均一であり、入射面における信号光の入射位置が異なっ
ても透過損失特性および透過波長帯の中心波長特性が等
しいことが必要である。偏波分離素子3から出射された
波長多重信号光の第1の偏波c1および第2の偏波c2
この透過型干渉フィルタ4に入射され、第1の偏波c1
および第2の偏波c2の信号光のうち、特定の波長帯λ1
の第1の偏波d1および第2の偏波d2が位相板5に向か
う方向に出射される。また偏波分離素子3を通過するこ
とにより信号光の偏波状態は変化しない。
【0014】位相板5は、透過型干渉フィルタ4から出
射された第1の偏波d1および第2の偏波d2の偏波面を
それぞれ90度回転させて出射するものである。ここか
ら出射される2つの偏波をそれぞれe1、e2とする。本
実施例において位相板5は、水晶製の1/2波長板であ
り、その結晶軸がS偏波の偏波面と同一方向±5度の角
度を有するように配置されている。また好ましくは、位
相板5は、対空気の無反射コートが施されており、かつ
照射部1から出射される平行ビームb1の光路に対して
平行な方向、およびこれに垂直な2方向の3軸方向に移
動可能な微動台に固定されている。ここで、位相板5
は、ここに入射される第1の偏波d1および第2の偏波
2の偏波面を回転させた結果、一方の偏波面の方向が
他方の偏波面の方向へとそれぞれ変化するように構成す
る必要がある。したがって1/2波長板の結晶軸の方向
とS偏波の偏波面との角度は、上記の範囲内で、ここに
入射される第1の偏波d 1および第2の偏波d2の偏波面
の方向に応じて適切に設定される。
【0015】偏波合波素子6は、位相板5から出射され
る2つの偏波e1,e2を合波するもので、偏波分離素子
3と同一構成の素子が用いられる。したがって、本実施
例において偏波合波素子6は、方解石の結晶軸をP偏波
の偏波面またはS偏波の偏波面に対して40〜50度、
好ましくは45度の角度となるように配置してなる偏波
分離素子で構成されており、結晶軸の方向および素子長
は偏波分離素子3と同一に構成される。尚、本実施例で
は偏波分離素子3および偏波合波素子6として方解石を
用いたが、これに限定されるものでなく、ルチル結晶、
LN結晶等の複屈折性結晶や、LPS(Laminated pola
rization splitter)等も使用できる。LPSは、屈折
率が異なる薄膜を交互に積層させ、P偏波とS偏波とで
屈折率が異なる構造とした偏波分離素子である。また好
ましくは、偏波合波素子6は偏波分離素子3と同様に、
対空気の無反射コートが施されており、かつ照射部1か
ら出射される平行ビームb1の光路に対して平行な方
向、およびこれに垂直な2方向の3軸方向に移動可能な
微動台に固定されている。偏波合波素子6に入射される
2つの偏波e1,e2のうち、偏波分離素子3から出射さ
れた第1の偏波c1に由来する偏波e1の偏波面は、偏波
分離素子3出射時の第2の偏波c2の偏波面と同一方向
である。また偏波分離素子3から出射された第2の偏波
2に由来する偏波e2の偏波面は、偏波分離素子3出射
時の第1の偏波c1の偏波面と同一方向となっている。
したがって、偏波合波素子6では、偏波分離素子3にお
ける光の分離とは逆向きの光の結合が生じるので、ここ
から出射されるビームb2は、2つの偏波e1,e2が合
波された円偏波状態あるいは楕円偏波状態となってい
る。
【0016】このように構成された波長可変光フィルタ
モジュールにあっては、波長多重信号光の平行ビームb
1を、P偏波の偏波面およびS偏波の偏波面とそれぞれ
約45度の角度を有する2つの面をそれぞれ偏波面とす
る2つのビーム(第1の偏波c1,第2の偏波c2)に分
離した状態で透過型干渉フィルタ4を通過させ、その後
にこれら2つのビームを合波して出力させることによ
り、PDLが発生しないようにしたものである。
【0017】すなわち、第1の偏波c1の偏波面とS偏
波の偏波面との角度、および第1の偏波c1の偏波面と
P偏波の偏波面との角度をいずれも45度とすることに
より、第1の偏波c1におけるS偏波成分とP偏波成分
との比は1:1となる。平行ビームb1の偏波状態が変
化する場合、すなわち平行ビームb1におけるS偏波と
P偏波との光強度比が変動する場合、それにしたがって
第1の偏波c1の光強度は変化するが、このS偏波成分
とP偏波成分との比(1:1)は変わらない。よって、
第1の偏波c1が透過型干渉フィルタ4を透過するとき
の透過損失は、第1の偏波c1の偏波状態をS偏波成分
のみとしたときの透過損失とP偏波成分のみとしたとき
の透過損失との平均となる。この透過損失の大きさは、
第1の偏波c1の光強度の変化に伴って変化するが、S
偏波成分とP偏波成分との比は常に1:1なので、PD
Lは発生しない。第2の偏波c2についても同様であ
り、第2の偏波c2が透過型干渉フィルタ4を透過する
ときの透過損失は、第2の偏波c2の偏波状態をS偏波
成分のみとしたときの透過損失とP偏波成分のみとした
ときの透過損失との平均となる。この透過損失の大きさ
は、平行ビームb1の偏波状態が変化して第2の偏波c2
の光強度が変化すると、それに伴って変化するが、S偏
波成分とP偏波成分との比は常に1:1なので、PDL
は発生しない。
【0018】また透過型干渉フィルタ4は、面内分布が
均一であり、入射面における信号光の入射位置が異なっ
ても透過損失特性および透過波長帯の中心波長特性は等
しいので、透過型干渉フィルタ4を通過した第1の偏波
1と第2の偏波d2とを合波した後のビームb2の透過
損失は、(透過型干渉フィルタ4以外の光学系における
透過損失を0と仮定すると、)透過型干渉フィルタ4に
おける第1の偏波c1の透過損失と第2の偏波c2の透過
損失との合計となる。そして、上記のように第1の偏波
1が透過型干渉フィルタ4を通過する際も、第2の偏
波c2が透過型干渉フィルタ4を通過する際にもPDL
は発生しないので、ビームb2の透過損失においてもP
DLは発生しない。
【0019】そして透過型干渉フィルタ4から出射され
た特定波長λ1の第1の偏波d1、第2の偏波d2は、位
相板5で偏波面が90度回転されることにより、偏波分
離素子3と同一構成の偏波合波素子6で合波可能とな
る。したがって、本実施例の波長可変光フィルタモジュ
ールによれば、出力される信号光の波長帯を変化させた
ときの、このモジュール全体で発生するPDLを0.2
dB以下に抑えることができ、よって透過型光フィルタ
4の傾斜角度θを変えて受光部2から出力される信号光
の波長帯を変化させたときの出力光強度を安定化するこ
とができる。
【0020】また、通常、出力される信号光の波長帯を
変えるために透過型干渉フィルタ4の傾斜角度θを変え
ると、透過型干渉フィルタ4から出射される光(d1
2)の光路が変化するが、本実施例の波長可変フィル
タモジュールの構成では、このような光路の変更によっ
て光フィルタモジュールの作用効果が変化することはな
く、傾斜角度θを変化させても安定した出力を得ること
ができる。また本実施例では、偏波分離素子3で分離さ
れた2つの偏波(c1,c2)は、同じ光学素子(透過型
干渉フィルタ4、位相板5および偏波合波素子6)を同
時に通過するので、この2つの偏波間での誤差が生じ難
い。したがって出力の精度が良く、これら光学素子の調
整も容易に行うことができる。さらに、本実施例の波長
可変光フィルタモジュールは、従来の対向光学系中に透
過型干渉フィルタを挿入した光フィルタモジュールの構
成に、偏波分離素子と位相板と偏波合波素子を加えただ
けの構成で、PDLの発生を大幅に抑えることができ
る。したがって、部品点数が比較的少ないので、コスト
が安くて済み、また各部品(光学素子)間の調整も簡単
である。
【0021】尚、本実施例では位相板5を透過型光フィ
ルタ4と偏波合波素子6との間に配置したが、これを偏
波分離素子3と透過型光フィルタ4の間に配してもよ
く、同様の作用効果が得られる。また、偏波分離素子3
により分離して得られる2つの偏波c1,c2の偏波面は
それぞれP偏波およびS偏波の偏波面と45度の角度を
有することが好ましく、その場合には波長可変光フィル
タモジュール全体で発生するPDLを0.1dB以下に
抑えることができる。ただし波長可変光フィルタモジュ
ールの用途等によってはPDLをそれ程小さくしなくて
もよい場合もあり、偏波c1,c2の偏波面とP偏波およ
びS偏波の偏波面との角度は45度±5度程度の範囲で
許容できる。
【0022】
【実施例】以下、具体的な実施例を示して、本発明の効
果を明らかにする。 (実施例1)図1に示す波長可変光フィルタモジュール
を構成し、PDL特性を測定した。照射部1および受光
部2は光ファイバコリメータ対を対向配置して構成し
た。照射部1は入力用光ファイバ7で光源に接続した。
光源は、波長約1530〜約1570nmで発振可能な
波長可変レーザ発光器から出射されるレーザ光を、その
偏波状態を光ファイバ型偏波コントローラで制御した後
に照射部1に入力するように構成した。照射部1から出
射される平行ビームb1のビーム径は0.18mmとし
た。また受光部2は、出力用光ファイバ8で測定系に接
続した。測定系は、波長可変光フィルタモジュールの透
過光の、中心波長を光スペクトルアナライザで測定し、
PDLをパワーメータで測定するように構成した。偏波
分離素子3および偏波合波素子6には、結晶軸がP偏波
の偏波面またはS偏波の偏波面に対して45度の角度に
配された方解石製偏波分離素子を用い、偏波分離素子3
における分離幅が0.4mmとなるようにこれらの素子
長を設定した。
【0023】位相板5には結晶軸がS偏波の偏波面と同
一方向に配された水晶製の1/2波長板を用いた。透過
型干渉フィルタ4は、ガラス基板にTa25薄膜とSi
2薄膜とを交互に積層させた多層膜干渉フィルタ4を
用いた。この多層膜干渉フィルタ4の特性は、その入射
面に対して垂直に信号光を入射させたときに、出射面か
ら垂直方向に出射される信号光の中心波長が1571n
mのとき、半値幅が0.3nm、透過損失が0.3dB
とした。またこの多層膜干渉フィルタ4をパルスモータ
の回転軸に固定して入射面の傾斜角度θを調整できるよ
うに構成するとともに、照射部1、偏波分離素子3、多
層膜干渉フィルタ4、位相板5、偏波合波素子6および
受光部2をそれぞれ3軸方向に移動可能な微動台に固定
した。
【0024】測定に際しては、まず平行ビームb1を多
層膜干渉フィルタ4の入射面に対して垂直に入射させた
状態で、照射部1、偏波分離素子3、位相板5、偏波合
波素子6および受光部2の相対位置を微調整して、波長
可変光フィルタモジュール全体における透過損失を2d
B以下に調整した。次いで、受光部2から出力される透
過光の中心波長が1570nmとなるように、波長可変
レーザの発振波長および多層膜干渉フィルタ4の傾斜角
度を調整した。そして偏波コントローラにより照射部1
から出射される平行ビームb1の偏波状態をP偏波のみ
とした場合、およびS偏波のみとした場合について、そ
れぞれ受光部2からの出力光強度を測定し、これらの
差、すなわちPDLを調べた。透過光の中心波長が15
70nmのとき、PDLの値は0.06dBであった。
【0025】同様に、波長可変レーザの発振波長および
多層膜干渉フィルタ4の傾斜角度を調整して、受光部2
から出力される透過光の中心波長を1530,153
5,1540,1545,1550,1560,および
1565nmとし、それぞれの波長についてPDLを調
べた。その結果を図2に示す。この図に示されるよう
に、透過光の波長範囲が1530〜1570nmの範囲
で、PDLは0.1dB以下であった。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明の波長可変光
フィルタモジュールは、波長多重信号光を平行なビーム
として照射する照射部と、この波長多重信号光の少なく
とも一部を受光する受光部とからなる対向光学系の光路
に、前記照射部から出射されたビームを、P偏波の偏波
面およびS偏波の偏波面をそれぞれ同一方向に40〜5
0度回転させた面をそれぞれ偏波面とする第1の偏波お
よび第2の偏波に分離する偏波分離素子と、前記偏波分
離素子を通過した後の光が入射され、その光路に対する
傾斜角度が可変である透過型干渉フィルタと、前記透過
型干渉フィルタの照射部側または受光部側のいずれか一
方に配され、前記第1の偏波および第2の偏波の偏波面
をそれぞれ90度回転させる位相板と、前記偏波分離素
子、位相板、および透過型干渉フィルタを通過した後の
光の、前記第1の偏波と第2の偏波とを合波して出射す
る偏波合波素子を有することを特徴とするものである。
【0027】したがって、波長多重信号光の平行ビーム
は、P偏波の偏波面およびS偏波の偏波面とそれぞれ4
0〜50度の角度を有する2つの面を偏波面とする2つ
のビーム(第1の偏波,第2の偏波)に分離された状態
で透過型干渉フィルタを通過し、その後にこれら2つの
ビームが合波されて出力される。したがって、透過型干
渉フィルタに入射される第1の偏波および第2の偏波の
それぞれにおけるP偏波成分とS偏波成分との比は、波
長多重信号光の偏波状態に拘わらず常に凡そ1:1とな
る。よって、透過型干渉フィルタに入射される信号光ビ
ームの偏波状態の変動を防止してPDLの発生を抑制す
ることができ、波長可変光フィルタモジュールの出力光
強度を安定化することができる。
【0028】また、出力される信号光の波長帯を変える
ために透過型干渉フィルタの傾斜角度θを変えたことに
より、透過型干渉フィルタから出射される光の光路が変
化しても、波長可変光フィルタモジュールの作用効果が
変化することはなく、安定した出力を得ることができ
る。また偏波分離素子で分離された2つのビーム(第1
の偏波、第2の偏波)は、同じ光学素子を同時に通過す
るように構成されているので、この2つのビーム間での
誤差が生じ難い。したがって出力の精度が良く、波長可
変光フィルタモジュールを構成している光学素子の調整
も容易である。さらに本発明の波長可変光フィルタモジ
ュールは、対向光学系の光路に透過型干渉フィルタを配
した従来の光フィルタモジュールの構成に、少なくとも
偏波分離素子と位相板と偏波合波素子を加えただけの構
成で、PDLの発生を大幅に抑えることができる。した
がって、部品点数が比較的少ないので、コストが安くて
済み、また波長可変光フィルタモジュールを構成してい
る光学素子間の調整も簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の波長可変光フィルタモジュールの実
施例を示す概略構成図である。
【図2】 実施例で測定した波長可変光フィルタモジュ
ールのPDL波長特性を示すグラフである。
【図3】 従来の波長可変光フィルタモジュールの例を
示した概略構成図である。
【図4】 波長可変光フィルタモジュールにおけるPD
Lを説明するためのグラフである。
【符号の説明】
1 照射部 2 受光部 3 偏波分離素子 4 透過型干渉フィルタ 5 位相板 6 偏波合波素子
フロントページの続き (72)発明者 緒方 孝昭 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 古賀 正 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長多重信号光を平行なビームとして照
    射する照射部と、この波長多重信号光の少なくとも一部
    を受光する受光部とからなる対向光学系の光路に、 前記照射部から出射されたビームを、P偏波の偏波面お
    よびS偏波の偏波面をそれぞれ同一方向に40〜50度
    回転させた面をそれぞれ偏波面とする第1の偏波および
    第2の偏波に分離する偏波分離素子と、 前記偏波分離素子を通過した後の光が入射され、その光
    路に対する傾斜角度が可変である透過型干渉フィルタ
    と、 前記透過型干渉フィルタの照射部側または受光部側のい
    ずれか一方に配され、前記第1の偏波および第2の偏波
    の偏波面をそれぞれ90度回転させる位相板と、 前記偏波分離素子、位相板、および透過型干渉フィルタ
    を通過した後の光の、前記第1の偏波と第2の偏波とを
    合波して出射する偏波合波素子を有することを特徴とす
    る波長可変光フィルタモジュール。
  2. 【請求項2】 前記透過型干渉フィルタが多層膜干渉フ
    ィルタであることを特徴とする請求項1記載の波長可変
    光フィルタモジュール。
  3. 【請求項3】 前記照射部および受光部が、それぞれ光
    ファイバに接続されたコリメータからなることを特徴と
    する請求項1記載の波長可変光フィルタモジュール。
  4. 【請求項4】 前記位相板が、1/2波長板の結晶軸を
    S偏波の偏波面と同一方向±5度の角度を有するように
    配置してなることを特徴とする請求項1記載の波長可変
    光フィルタモジュール。
  5. 【請求項5】 前記偏波分離素子および偏波合波素子
    が、それぞれ偏波分離素子の結晶軸をP偏波の偏波面ま
    たはS偏波の偏波面に対して40〜50度の角度となる
    ように配置してなることを特徴とする請求項1記載の波
    長可変光フィルタモジュール。
JP8140547A 1996-06-03 1996-06-03 波長可変光フィルタモジュール Pending JPH09325286A (ja)

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EP97108815A EP0812074A3 (en) 1996-06-03 1997-06-02 Optical receiver board, optical wavelength-tuning filter module used for optical receiver board, and actuator for optical wavelenth-tuning filter module
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2777993A1 (fr) * 1998-04-24 1999-10-29 Nec Corp Procede et appareil de surveillance de lumiere laser
CN109883587A (zh) * 2019-01-08 2019-06-14 河北大学 一种保偏光纤定轴布纤装置及方法

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