JPH09323989A - トリオキサンの製造プロセス - Google Patents

トリオキサンの製造プロセス

Info

Publication number
JPH09323989A
JPH09323989A JP14156796A JP14156796A JPH09323989A JP H09323989 A JPH09323989 A JP H09323989A JP 14156796 A JP14156796 A JP 14156796A JP 14156796 A JP14156796 A JP 14156796A JP H09323989 A JPH09323989 A JP H09323989A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trioxane
diethylbenzene
aqueous solution
formaldehyde
formaldehyde aqueous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14156796A
Other languages
English (en)
Inventor
Keizo Tanimura
圭造 谷村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Polyplastics Co Ltd
Original Assignee
Polyplastics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Polyplastics Co Ltd filed Critical Polyplastics Co Ltd
Priority to JP14156796A priority Critical patent/JPH09323989A/ja
Publication of JPH09323989A publication Critical patent/JPH09323989A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリオキサンを経済的・効率的に合成する製
造プロセスを提供する。 【解決手段】 ホルムアルデヒド水溶液を酸触媒の存在
下で反応させてトリオキサンを合成し、これをジエチル
ベンゼンで抽出し、抽出残液であるホルムアルデヒド水
溶液を合成反応器に回収するトリオキサンの製造プロセ
スにおいて、反応器に回収するホルムアルデヒド水溶液
中に溶解して存在するジエチルベンゼンを蒸留あるいは
蒸発によって除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホルムアルデヒド
水溶液を酸触媒の存在下で反応させてトリオキサンを合
成する方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】トリオ
キサンはホルムアルデヒドの環状3量体であり、主とし
てポリオキシメチレンの製造原料として用いられ、一般
にホルムアルデヒド水溶液の加熱により得られる。工業
的には、30〜80%のホルムアルデヒド水溶液を酸性触媒
の存在下で加熱反応することによって製造される。この
ようにして得られたトリオキサンを未反応ホルムアルデ
ヒドを含む水溶液から分離精製するにあたり、一般的に
は抽出法が用いられる場合が多いが、トリオキサンと共
沸する抽剤は使用できない。従来知られている抽剤とし
ては、二塩化メチレン、アセトン、エーテル、ベンゼン
等のトリオキサンよりも低沸点の抽剤があるが、装置、
取扱いの点で煩雑になる上、最後のトリオキサンと抽剤
の分離工程において高沸点不純物が混じり、トリオキサ
ンの純度を低下させることがある。この欠点を解消する
ための抽剤として、ジエチルベンゼンのような高沸点抽
剤が知られている(特公昭42−12671 号公報)。このジ
エチルベンゼンは工業的にはエチルベンゼンの副生成物
として得られる3種の異性体(オルト体、メタ体、パラ
体)の混合物で、それぞれが約3℃以内の沸点差での沸
点を有しており、通常の蒸留法では分離が困難であるた
め、通常入手可能なジエチルベンゼンはこの混合ジエチ
ルベンゼン(以下、混合DEBZと言う)であり、概ね
の組成はオルト体5〜15%、メタ体50〜70%、パラ体20
〜30%である。しかし、混合ジエチルベンゼンとホルム
アルデヒドは、酸性物質、例えば加熱ホルムアルデヒド
水溶液中には必然的に存在する蟻酸等が共存するとこの
酸性物質を触媒としてメチロール化物、更にはメチロー
ル化物同士の縮合物が多量に生成し(以下、DEBZ変
性物と言う)、ジエチルベンゼンよりも高沸点の不純物
となり、トリオキサンの製造工程上の欠点となる上に、
抽剤のロスにつながるので、経済的に好ましくない。
尚、このDEBZ変性物は蟻酸等の酸性物質を触媒とし
ているので、酸性物質の低減化により経済的な精製方法
が達成できるように思われるが、実質的には困難であ
る。なぜなら、例えばここで説明している抽出工程の場
合、抽出残液中には未反応ホルムアルデヒドが多く含ま
れているので、前工程であるトリオキサンの合成反応器
に戻されるのが経済的観点から一般的であるが、この戻
される抽出残液中には溶解度分の抽剤が存在しており、
且つトリオキサンの合成反応には硫酸のような均一系酸
性触媒或いは固体酸のような不均一酸性触媒が使用され
るため、同じ反応が起こりDEBZ変性物が生成してし
まうからである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる従
来技術の課題を解決し、トリオキサンを経済的・効率的
に合成する製造プロセスについて鋭意検討を重ねた結
果、抽出工程から抽出残液を合成反応器に戻すに際し、
ジエチルベンゼンを蒸留あるいは蒸発によって除去する
ことにより、DEBZ変性物が少なく経済的にトリオキ
サンの製造が可能であることを見出し、本発明を完成す
るに到った。即ち本発明は、ホルムアルデヒド水溶液を
酸触媒の存在下で反応させてトリオキサンを合成し、こ
れをジエチルベンゼンで抽出し、抽出残液であるホルム
アルデヒド水溶液を合成反応器に回収するトリオキサン
の製造プロセスにおいて、反応器に回収するホルムアル
デヒド水溶液中に溶解して存在するジエチルベンゼンを
蒸留あるいは蒸発によって除去することを特徴とするト
リオキサンの製造プロセスである。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製造プロセスを詳
細に説明する。本発明は上記の如く、トリオキサンをホ
ルムアルデヒド水溶液から合成するにあたり、リサイク
ル液である抽出残液の蒸留あるいは蒸発により溶解して
いるジエチルベンゼンを除去することを特徴とする。本
発明を実施するに際し、抽出残液中のジエチルベンゼン
の除去方法としては、一般的に蒸留塔あるいは蒸発器が
使用されるが、その形式は、通常用いられる装置であれ
ば特に限定されない。具体的に例示すると、蒸留塔であ
れば棚段塔、充填塔などが用いられ、蒸発器であれば強
制循環式、垂直管上昇液膜式、垂直管下降液膜式などが
用いられ、これらを一段あるいは多段直列に設置して使
用してもよい。ジエチルベンゼンは沸点が高い抽剤であ
るが、水との共沸点があるため、本発明で使用される条
件では蒸発留分に多く含まれ、非常に少ない蒸発留分/
供給量比で除去することができる。また、ジエチルベン
ゼンは、通常入手可能な混合ジエチルベンゼンが使用で
きるが、特定のジエチルベンゼンの変性体を使用しても
よい。特に、p−ジエチルベンゼンはホルムアルデヒド
との反応による変性物の生成が少なく、本発明において
も好ましい。
【0005】このようにして、抽出工程において、抽出
残液であるホルムアルデヒド水溶液から溶解分のジエチ
ルベンゼンを除去することにより、本合成工程中でのD
EBZ変性物の生成量を著しく減少させることができ、
経済的なトリオキサンの合成方法を達成することができ
た。
【0006】尚、本発明において、ホルムアルデヒド水
溶液を酸触媒の存在下で反応させてトリオキサンを合成
する方法自体は、従来公知の技術によればよく、反応器
に供給するホルムアルデヒド水溶液の濃度も特に限定さ
れないが、通常は30〜80重量%であり、好ましくは40〜
75重量%のものが用いられる。又、使用する酸触媒も特
に限定されないが、固体酸が好ましい。ここで用いられ
る固体酸としては有機物固体酸、無機物固体酸のいずれ
でもよい。有機固体酸としては、スルホン酸基、フルオ
ロアルカンスルホン酸基等を有するイオン交換樹脂、無
機固体酸としては、酸性白土、シリカ、アルミナ、シリ
カアルミナ、アルミナボリア、ゼオライト等の無機物酸
化物複合体、あるいは固体単体に硫酸、燐酸、ほう酸等
を含浸させたものが例示される。中でも有機物固体酸で
ある上記の如きイオン交換樹脂が好ましく、特に好まし
くは強酸性陽イオン交換樹脂である。
【0007】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが本発明はこれらに限定されるものではない。以下
の実施例、比較例で使用されるホルムアルデヒド水溶液
は60重量%のホルムアルデヒドを含んでいる。溶剤とし
ては試薬(和光特級)の混合DEBZ及び純度96%のジ
エチルベンゼンのパラ体を使用した。トリオキサンの合
成反応器としては、100 ℃に保持された陽イオン交換樹
脂(三菱化成製ダイアイオンPK216 )50gを充填した
カラムを使用した。また、反応器で副生するDEBZ変
性物の主体であるモノメチロール化物の定量にはガスク
ロマトグラフ法を使用した。下記実施例1〜2、比較例
1〜2において、生成するトリオキサンの濃度は、反応
器からの流出液中において何れも約3重量%であった。 実施例1 混合ジエチルベンゼンが飽和溶解度分含まれているホル
ムアルデヒド水溶液を蒸発器に連続的に供給し、供給液
の約90%を缶出液として得、この液を1リットル/hで
トリオキサン合成反応器に供給し、反応器から流出した
液中のDEBZ変性物量を測定した。結果を表1に示
す。 比較例1 混合ジエチルベンゼンが飽和溶解度分含まれているホル
ムアルデヒド水溶液をそのまま1リットル/hでトリオ
キサン合成反応器に供給し、反応器から流出した液中の
DEBZ変性物量を測定した。結果を表1に示す。 実施例2 ジエチルベンゼンのパラ体が飽和溶解度分含まれている
ホルムアルデヒド水溶液を蒸発器に連続的に供給し、供
給液の約90%を缶出液として得、この液を1リットル/
hでトリオキサン合成反応器に供給し、反応器から流出
した液中のDEBZ変性物量を測定した。結果を表1に
示す。 比較例2 ジエチルベンゼンのパラ体が飽和溶解度分含まれている
ホルムアルデヒド水溶液をそのまま1リットル/hでト
リオキサン合成反応器に供給し、反応器から流出した液
中のDEBZ変性物量を測定した。結果を表1に示す。
【0008】
【表1】
【0009】
【発明の効果】以上の説明及び実施例によって明らかな
如く、本発明の方法によれば、ホルムアルデヒド水溶液
からトリオキサンを経済的に合成することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホルムアルデヒド水溶液を酸触媒の存在
    下で反応させてトリオキサンを合成し、これをジエチル
    ベンゼンで抽出し、抽出残液であるホルムアルデヒド水
    溶液を合成反応器に回収するトリオキサンの製造プロセ
    スにおいて、反応器に回収するホルムアルデヒド水溶液
    中に溶解して存在するジエチルベンゼンを蒸留あるいは
    蒸発によって除去することを特徴とするトリオキサンの
    製造プロセス。
  2. 【請求項2】 酸触媒が固体酸である請求項1記載のト
    リオキサンの製造プロセス。
JP14156796A 1996-06-04 1996-06-04 トリオキサンの製造プロセス Pending JPH09323989A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14156796A JPH09323989A (ja) 1996-06-04 1996-06-04 トリオキサンの製造プロセス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14156796A JPH09323989A (ja) 1996-06-04 1996-06-04 トリオキサンの製造プロセス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09323989A true JPH09323989A (ja) 1997-12-16

Family

ID=15294986

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14156796A Pending JPH09323989A (ja) 1996-06-04 1996-06-04 トリオキサンの製造プロセス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09323989A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0812815B1 (en) Process for manufacture of bisphenol
US5180847A (en) Processes for preparing 2,2,4-trimethyl-1,3-pentanediol derivatives
CN1061772A (zh) 从羰基化过程物流中除去羰合物杂质的方法
CN106588589A (zh) 聚甲醛二甲基醚的提纯方法
US3972955A (en) Process for preparation of isoprene
EP2305630B1 (en) Process for recovering valued compounds from a stream derived from purification of methyl methacrylate
US6307111B1 (en) Method for continuous production of dihydroxydiarylalkanes
EP0583907B1 (en) Process for producing trioxan
US4775447A (en) Process for the production of 2,2-dimethoxypropane
JPH09110766A (ja) ビスフェノールaの製造方法
CN112739675A (zh) 回收高品质3-甲基-丁-3-烯-1-醇的方法
CN106588597A (zh) 提纯聚甲醛二甲基醚的方法
EP0322245A2 (en) Process for preparation of resorcinol
US3972951A (en) Process for the formation of 2,6-diphenyl-phenol
KR100871212B1 (ko) 쿠밀페놀의 제조방법
JPH09323989A (ja) トリオキサンの製造プロセス
JP3553256B2 (ja) トリオキサンの精製方法
US6245907B1 (en) Process for producing a high purity caprolactam
US2673222A (en) Separation of isomeric alcohols by selective acetalization
JPH0569095B2 (ja)
RU2255936C1 (ru) Способ получения 4,4-диметил-1,3-диоксана
US4855516A (en) Method of manufacturing 2-propyn-1-ol
US3470208A (en) Method for the preparation of polymerization-grade trioxane
EP2684860B1 (en) Method for concentrating aqueous 3-hydroxy-2,2-dimethylpropanal solution
JP2001525832A (ja) ジヒドロキシジフェニルアルカンの連続製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040406

A02 Decision of refusal

Effective date: 20040810

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02