JPH09320351A

JPH09320351A - 水・光・電力複合海底ケーブル及びこれの輸送方法

Info

Publication number: JPH09320351A
Application number: JP12968596A
Authority: JP
Inventors: Shinya Kodama; 新也児玉
Original assignee: Hitachi Cable Ltd
Current assignee: Hitachi Cable Ltd
Priority date: 1996-05-24
Filing date: 1996-05-24
Publication date: 1997-12-12

Abstract

(57)【要約】【課題】水と電力及び情報を１回線で全て供給すること
ができ、その上に導体の発熱を吸収してケーブルの送電
容量を増大することのできる、水・光・電力複合海底ケ
ーブル及びこれの有効な輸送方法を提供すること。【解決手段】導体上に内部半導電層、絶縁体、外部半導
電層を同時に押出被覆したコア上に遮蔽層を施し、情報
伝達用ケーブル、介在とともに撚り合わせ、遮水層、シ
ース、保護層、送水パイプ、保護層、座床、鉄線鎧装、
座床を順次設けた。この海底ケーブルを用いて、該ケー
ブルの片端を防水コンパウンド、ビニル製のキャップを
施し、もう一方の片端に送水ポンプまたは圧力ポンプを
取り付け、送水パイプ内に水を入れこれを輸送するか、
または、送水パイプ内の気圧を一定にして輸送する方法
を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、海底ケーブルに関
し、特に水・光・電力複合の海底ケーブルに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の海底ケーブルでは、光・電力複合
ケーブルが開発されていた。図５は、その光・電力複合
ケーブルの例を示すもので、導体１６上に内部半導電層
１７、絶縁体１８、外部半導電層１９を同時押出被覆し
たコア上に、遮蔽層２０を施し、押えテープを巻き、情
報伝達用ケーブル２２、介在２１とともに撚り合わせ、
押えテープ２３を巻き、シース２４、座床２７、鉄線鎧
装２６、座床２７を順次設けてなるものである。

【０００３】一方、海底ケーブルとは別に、送水管が独
自に開発されていた。図６は、その送水管の海底用例を
示すもので、ポリエチレン管２８上に保護層２９，３０
を施し、その上に鉄線鎧装３１、座床３２を順次設けて
なるものである。

【０００４】図７は、ケーブル３７と水冷管３６とをト
ラフ３８内に布設した例、図８は、水循環ポンプ３４に
よりケーブル３３における水冷管内の水を循環させ、そ
の水の温度を降下させるため、熱交換器３５を付帯させ
た例である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術で
は、送水管（図６）と光電力複合ケーブル（図５）は別
個に開発されたものであることから、それら両方を必要
とする場合には、送水管と光電力複合ケーブルを別々に
布設しなければならず、そのために莫大な費用と時間が
かかっていた。例えば、本島から比較的大きな島へ大電
力を送電し、その島を中継島にして、周辺に点在する小
島に光、情報、電力を供給する場合には、上記のような
問題が生じてくる。

【０００６】尚また、ケーブルと併設する水冷管（図
７，図８）では、水冷用として循環させるものであるか
ら、送水用として利用できなかった。

【０００７】そこで、本発明の解決すべき課題（目的）
は、水と電力及び情報を１回線で全て供給することがで
き、その上に導体の発熱を吸収してケーブルの送電容量
を増大することのできる、水・光・電力複合海底ケーブ
ル及びこれの有効な輸送方法を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明により提供する水
・光・電力複合海底ケーブルは、導体上に内部半導電
層、絶縁体、外部半導電層を同時に押出被覆したコア上
に遮蔽層を施し、情報伝達用ケーブル、介在とともに撚
り合わせ、遮水層、シース、保護層、送水パイプ、保護
層、座床、鉄線鎧装、座床を順次設けてなるものであ
る。

【０００９】上記の手段において、導体上の内部半導電
層、絶縁体、外部半導電層は、耐水トリーを考慮し、３
層同時押出しとしている。上記のように、電力ケーブル
コアに複合された送水パイプにおいて、送水すると水の
潜熱によりケーブルコアの導体発生熱量の一部をケーブ
ル長さ方向に持ち去り、延いては電流容量の増大を図れ
るのである。

【００１０】送水パイプの材質は、硬質ポリエチレンで
扇形の形状のものを４本或いは全て押出しで製造された
ものとしてなると良い。また、情報伝達用ケーブルの挿
入位置には、空気圧送工法形、多心スペーサ形などの光
ファイバケーブル、制御用多心ケーブルなどが挿入され
てなると良い。

【００１１】本発明は、請求項１の海底ケーブルを用い
て、該ケーブルの片端を防水コンパウンド、キャップを
施し、もう一方の片端に送水ポンプを取り付け、送水パ
イプ内に水を入れこれを輸送する、水・光・電力複合海
底ケーブルの輸送方法を提供する。

【００１２】また、請求項１の海底ケーブルを用いて、
該ケーブルの片端を防水コンパウンド、キャップを施
し、もう一方の片端に圧力ポンプを取り付け、送水パイ
プ内の気圧を一定にして輸送する、水・光・電力複合海
底ケーブルの輸送方法を提供する。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施例にして、
水・光・電力複合海底ケーブルの横断面構造を示したも
ので、図２〜図４に情報伝達用ケーブルの具体例を示し
た。

【００１４】この実施例の水・光・電力複合海底ケーブ
ルは、図１に示すように、導体１上に内部半導電層２、
絶縁体３、外部半導電層４を同時に押出被覆して電力ケ
ーブルコアを構成し、該コア上に遮蔽層５を施してあ
る。この遮蔽層付きケーブルコアの３本と情報伝達用ケ
ーブル７の３本とを介在６とともに撚り合わせ、その外
側に、遮水層８、シース９、保護層１０、送水パイプ１
１、保護層１２、座床１３、鉄線鎧装１４、座床１５を
順次設けてなるものである。

【００１５】しかして、送水パイプ１１は、硬質ポリエ
チレンにて扇形の横断面形状のものを４本或いは全て押
出しで製造したものとする。

【００１６】一方、情報伝達用ケーブル７は、図２のよ
うな空気圧送工法形７Ａ、図３のような多心スペーサ形
７Ｂ、或いは図４のような制御用多心ケーブル７Ｃなど
を用いる。尚、図２の空気圧送工法形７Ａにおいて、７
１は圧送用チューブ本体、７２はシースである。また、
図３の多心スペーサ形７Ｂにおいて、７３はテンション
メンバ、７４はスペーサ、７５は光ファイバ、７６は遮
水層、７７はシースである。さらに、図４の制御多心ケ
ーブルにおいて、７８は導体、７９は絶縁体、７１０は
保護層、７１１は送水パイプ、７１２はシースである。

【００１７】尚、上記の情報伝達用ケーブル７の挿入位
置には、布設距離が１０００ｍ以内なら、空気圧送工法
形７Ａ、多心スペーサ形７Ｂなどの光ファイバケーブ
ル、制御用多心ケーブル７Ｃなど、どのタイプでも使用
できるが、１０００ｍを越える場合には、多心スペーサ
形７Ｂ、制御用多心ケーブル７Ｃを用いれば良い。

【００１８】上記のように構成してなる、水・光・電力
複合海底ケーブルは、次のようにして輸送すると良い。
第一の方法は、水・光・電力複合海底ケーブルの片端を
防水コンパウンド、ビニル製のキャップを施し、もう一
方の片端に送水ポンプを取り付け、そして、送水パイプ
内に水を入れ、その状態で当該ケーブルを輸送する方法
である。また、第二の方法は、水・光・電力複合海底ケ
ーブルの片端を防水コンパウンド、ビニル製のキャップ
を施し、もう一方の片端に圧力ポンプを取り付け、送水
パイプ内の気圧を一定にして輸送に供する方法である。
これらの輸送方法では、当該複合ケーブルをドラムに巻
いた状態でも、送水パイプを傷めることがなく、ドラム
巻きのまま輸送に供することができる。

【００１９】図９は、上記のような水・光・電力複合海
底ケーブルの離れ島への布設例を示したもので、海に点
在する数百ｍ間隔の島々４０，４３に本島３９から水、
情報、電力を供給する場合の当該ケーブルの布設方法か
らなる。本島３９から比較的大きな島４０には光・電力
複合ケーブル４１で大電力を送電し、その島４０から図
１（図２〜４）のような水・光・電力複合海底ケーブル
４２で、水、情報、電力を、点在する島々４３に供給す
るのである。上記の比較的大きな島４０には、浄水設備
を整え、水供給の基点にする。尚、光・電力複合ケーブ
ル４１は、図１に示すような水・光・電力複合海底ケー
ブルを利用することができる。

【００２０】上記の布設例では、離れ小島への海底布設
であるが、それに限らず、湖に浮かぶ島やプラントにも
水、情報、電力を１回線で全て供給することができる。

【００２１】以上の実施例では、水・情報・電力を供給
する構造としたが、水の代わりに、沸点が９０℃以下の
燃料も供給できる。また、図１に示す送水パイプ１１内
に液体を充填し、所定の圧力をかけた状態で輸送する方
法を提供し得る。また、送水パイプ１１は、用途により
数分割にすることもできる。尚また、図１の座床１５上
に、さらに、鉄線鎧装、座床を施すことができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したような本発明によれば、水
と電力及び情報を１回線で全て供給することができ、そ
の上に導体の発熱を吸収してケーブルの送電容量を増大
することのできる、水・光・電力複合海底ケーブル及び
これの有効な輸送方法を提供するという所期の課題（目
的）を達成することができる。

【００２３】そして、この発明の水・光・電力複合海底
ケーブルによれば、水と光と電力を１回線により全て供
給することができる上に、従来の光複合電力ケーブルよ
りも送電容量を大きくすることができるという効果があ
る。これは、送水パイプによりケーブル長さ方向に送水
するので、送水パイプの下のシース表面温度が低下する
ため、従来の光複合電力ケーブルのシース表面温度との
差（ΔＴ）だけ、熱抵抗が一定と考えて電流が流せるか
らである。実際は、かかる送水による強制冷却にて交流
導体抵抗は低下する。

【００２４】また、当該水・光・電力複合海底ケーブル
を用いた輸送方法によれば、送水パイプ内に圧力（水圧
または空気圧）を加えた状態でドラム巻きにて輸送する
ことから、送水パイプを延いてはケーブル全体を傷める
ことなく運ぶことができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例にして、水・光・電力複合海底
ケーブルの横断面図。

【図２】本発明の実施例にして、海底ケーブルに複合さ
れる光ファイバ圧送用チューブの横断面図。

【図３】本発明の実施例にして、海底ケーブルに複合さ
れる多心スペーサ形光ファイバケーブルの横断面図。

【図４】本発明の実施例にして、海底ケーブルに複合さ
れる制御多心ケーブルの横断面図。

【図５】従来例にして、光・電力複合海底ケーブルの横
断面図。

【図６】従来例にして、海底送水管の横断面図。

【図７】従来例にして、ケーブル強制冷却システムの説
明図。

【図８】従来にして、トラフ内ケーブル強制冷却システ
ムの横断面説明図。

【図９】本発明の実施例にして、水・光・電力複合海底
ケーブルの離れ島への布設例を示す説明図。

【符号の説明】

１導体２内部半導電層３絶縁体４外部半導電層５遮蔽層６介在７情報伝達用ケーブル７Ａ光ファイバ空気圧送工法形７１圧送用チューブ７２シース７Ｂ多心スペーサ形光ファイバケーブル７３テンションメンバ７４スペーサ７５光ファイバ７６遮水層７７シース７Ｃ制御多心ケーブル７８導体７９絶縁体７１０介在７１１遮水層７１２シース８遮水層９シース１０保護層１１送水パイプ１２保護層１３座床１４鉄線鎧装１５座床３９本島４０比較的大きな中継島４１光電力複合ケーブル４２水・光・電力複合海底ケーブル４３小島

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】導体上に内部半導電層、絶縁体、外部半導
電層を同時に押出被覆したコア上に遮蔽層を施し、情報
伝達用ケーブル、介在とともに撚り合わせ、遮水層、シ
ース、保護層、送水パイプ、保護層、座床、鉄線鎧装、
座床を順次設けてなる、水・光・電力海底ケーブル。
【請求項２】請求項１の海底ケーブルにおいて、送水パ
イプの材質は、硬質ポリエチレンで扇形の形状のものを
４本或いは全て押出しで製造されたものとしてなる、水
・光・電力複合海底ケーブル。
【請求項３】請求項１の海底ケーブルにおいて、情報伝
達用ケーブルの挿入位置には、空気圧送工法形、多心ス
ペーサ形などの光ファイバケーブル、制御用多心ケーブ
ルなどが挿入されてなる、水・光・電力複合海底ケーブ
ル。
【請求項４】請求項１の海底ケーブルを用いて、該ケー
ブルの片端を防水コンパウンド、キャップを施し、もう
一方の片端に送水ポンプを取り付け、送水パイプ内に水
を入れこれを輸送する、水・光・電力複合海底ケーブル
の輸送方法。
【請求項５】請求項１の海底ケーブルを用いて、該ケー
ブルの片端を防水コンパウンド、キャップを施し、もう
一方の片端に圧力ポンプを取り付け、送水パイプ内の気
圧を一定にして輸送する、水・光・電力複合海底ケーブ
ルの輸送方法。