JPH09320137A - 磁気ヘッド装置 - Google Patents

磁気ヘッド装置

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Publication number
JPH09320137A
JPH09320137A JP13367296A JP13367296A JPH09320137A JP H09320137 A JPH09320137 A JP H09320137A JP 13367296 A JP13367296 A JP 13367296A JP 13367296 A JP13367296 A JP 13367296A JP H09320137 A JPH09320137 A JP H09320137A
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JP
Japan
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magnetic head
magneto
bobbin
optical disk
magnetic
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JP13367296A
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English (en)
Inventor
Tomoyuki Takahashi
伴幸 高橋
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体に対する摺動特性の優れた樹脂材料
の使用量が少なくて済み、しかも、磁気ヘッド素子を支
持する支持部の成形に使用される金型に対して高い精度
を要求することなく製造することができる磁気ヘッド装
置を提供する。 【解決手段】 コイルが巻回されたボビンと、ボビンに
形成された磁気コア挿入孔に少なくとも一部が挿入され
た磁気コアとを有する磁気ヘッド素子を備えるととも
に、上記磁気ヘッド素子のコイルに接続される導電部材
と、導電部材と一体成形された支持部材とからなり、基
端部側が固定され、先端部側に上記磁気ヘッド素子が配
設された支持部を備えた磁気ヘッドにおいて、上記ボビ
ンの記録媒体対向面側に、記録媒体に対して摺接する摺
接部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気ディスク等
の光磁気記録媒体を記録媒体に用いる光磁気記録再生装
置に用いられる磁気ヘッド装置に関し、特に、情報信号
が記録される光磁気記録媒体上を摺接する磁気ヘッドを
備えた磁気ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光透過性を有する透明な基板に垂
直磁化膜からなる光磁気記録層を設けた光磁気ディスク
を記録媒体に用いる光磁気ディスク記録再生装置が用い
られている。
【0003】この光磁気ディスク記録再生装置は、ディ
スク回転駆動機構によって回転操作される光磁気ディス
クの一方の面側に、光磁気記録層に照射される光ビーム
を出射する光ピックアップ装置を対向配置し、光磁気デ
ィスクの他方の面側に、光磁気記録層に外部磁界を印加
する磁気ヘッド装置を対向配置している。
【0004】光磁気ディスク記録再生装置は、回転操作
される光磁気ディスクの光磁気記録層に、磁気ヘッド装
置から記録すべき情報信号に応じて磁界の向きが変調さ
れた磁界を印加するとともに、光ピックアップ装置から
出射される光ビームを集光して照射する。そして、光ビ
ームが照射されることによってキュリー温度以上に加熱
されて保磁力を消失した部分が、磁気ヘッド装置から印
加される磁界の方向に応じて磁化された後、光磁気ディ
スクの回転によって光ビームが相対移動することによっ
てキュリー温度以下に低下することによって、この磁化
の方向が固定されることによって情報信号の記録が行わ
れる。
【0005】ところで、従来の光磁気ディスク記録再生
装置は、情報信号の記録時に、回転操作される光磁気デ
ィスクに磁気ヘッドを接触させることなく一定の間隔を
隔てて対向させている。これは、磁気ヘッドを構成する
フェライト等の金属製のコア等が摺接することにより、
光磁気ディスクに損傷を与えることを防止するためであ
る。
【0006】そこで、従来の磁気ヘッド装置には、光磁
気ディスクの反りや厚みのむらによって、光磁気ディス
クを回転操作した時に面振れが発生した場合であって
も、磁気ヘッドが光磁気ディスクに接触することなく一
定の間隔を保持するようになすため、光磁気ディスクの
面振れに追従して磁気ヘッドを変位させる電磁制御機構
が設けられている。
【0007】このように磁気ヘッドと光磁気ディスクと
の間隔を一定に保持するための電磁制御機構を設けた磁
気ヘッド装置にあっては、この電磁制御機構を駆動させ
るための電力が必要であり、消費電力の増大を招いてし
まう。さらに、磁気ヘッドと光磁気ディスクとの間隔を
検出する検出機構も必要であり、磁気ヘッド装置を制御
するための機構が複雑となるばかりか、記録再生装置の
構成も複雑となり、装置自体の小型化及び薄型化を図る
ことが極めて困難である。
【0008】そこで、回転操作され面振れを生ずる可能
性を有する光磁気ディスクに対し、磁気ヘッドを一定の
間隔を保持して対向するように制御する磁気ヘッド装置
に代えて、光磁気ディスクに対し磁気ヘッドを摺接させ
た状態で情報信号の記録を行う磁気ヘッド装置を備えた
光磁気記録再生装置が提案されている。
【0009】この種の光磁気ディスク記録再生装置に用
いられる磁気ヘッド装置は、回転操作される光磁気ディ
スクの主面上を摺接する摺接体に磁気コア及びコイルが
取付けられたボビンとからなる磁気ヘッド素子を取付け
ている。この磁気ヘッド素子を取付けた摺接体は、弾性
体を介してヘッド支持アームの先端側に支持されてい
る。そして、摺接体を光磁気ディスクに摺接させた状態
でこの光磁気ディスクを回転操作させたとき、この光磁
気ディスクが面振れを発生させた場合であっても、弾性
体が弾性変位することによって摺接体が常に一定の摺接
姿勢を保持して光磁気ディスクに摺接するように制御す
る必要がある。
【0010】このような磁気ヘッド装置の構成例を、図
17を参照して説明する。
【0011】図17に示すように、従来の磁気ヘッド装
置101は、互いに略平行に配置された弾性を有する一
対の導電部材102,102を備えている。これら導電
部材102,102の先端部側には、コイルが巻回され
たボビンと磁気コアとからなる磁気ヘッド素子103の
コイルに電気的に接続される給電端子が設けられ、基端
部側には、磁気ヘッド素子103のコイルに給電を行う
外部接続ケーブルが接続される外部回路接続部を構成す
る端子部が設けられている。
【0012】そして、一対の導電部材102,102の
基端側には、この磁気ヘッド装置101を光磁気記録再
生装置内に配置される取付け基台に取付けるための固定
部104が、合成樹脂材料をモールド成形して一体に設
けられている。また、一対の導電部材102,102の
先端側には、磁気ヘッド素子103が取付けられて磁気
ヘッド105を構成する摺接体106が、合成樹脂材料
をモールド成形して一体に設けられている。さらに、一
対の導電部材102,102の固定部104が設けられ
た基端部と摺接体106が設けられた先端部との間に
は、ヘッド支持体107が合成樹脂材料をモールド成形
して一体に設けられている。すなわち、固定部104、
ヘッド支持体107及び摺接体106は、弾性を有する
導電部材102,102が内部に埋め込まれるように、
いわゆるインサート成形されている。
【0013】ここで、ヘッド支持体107は、固定部1
04との間に一対の導電部材102,102の一部を外
方に臨ませるとともに、摺接体106との間に一対の導
電部材102,102の一部を外方に臨ませるようにし
て、上記一対の導電部材102,102の中途部に一体
に設けられる。一対の導電部材102,102の固定部
104とヘッド支持体107との間で外方に臨まされた
部分は、摺接体106及びヘッド支持体107を光磁気
ディスクに対し接離させる方向に回動操作させるときの
回動中心となる第1の弾性変位部108,108となさ
れる。また、一対の導電部材102,102の摺接体1
06とヘッド支持体107との間で外方に臨まされた部
分は、磁気ヘッド素子103を取付けた摺接体106が
回転操作される光磁気ディスクの面振れ等に追随して揺
動変位するように弾性変位する第2の弾性変位部10
9,109となされる。
【0014】一方、一対の導電部材102,102の先
端側に一体に設けられる摺接体106は、磁気コアとボ
ビンとからなる磁気ヘッド素子103が取付けられて磁
気ヘッド105を構成している。そして、光磁気ディス
クに情報信号の記録を行う際、この摺接体106は、磁
気ヘッド素子103と光磁気ディスクの間に一定の間隙
が形成されるように、回転操作される光磁気ディスクの
一方の主面上に摺接する。
【0015】ここで、摺接体106に取付けられて磁気
ヘッド105を構成する磁気ヘッド素子103は、フェ
ライト等の磁性材料により形成された磁気コアと、コイ
ルが巻回されたボビンとから構成されてなる。そして、
ボビンに巻回されたコイルからの端子は、摺接体106
に一体的に設けられる給電端子と電気的に接続されてい
る。
【0016】磁気ヘッド素子103を構成する磁気コア
及びボビンが取付けられる摺接体106は、非導電性の
合成樹脂材料をモールド成形して形成されてなるもので
あって、中央部に磁気ヘッド素子103の取付け部を有
し、この取付け部の一端側から光磁気ディスクの主面に
摺接する摺接部110を突設している。また、この摺接
部110が突設された基端部側と対向する先端部側に
は、摺接体106がヘッド支持体107と共に光磁気デ
ィスクから離間する方向に回動されたとき、回動姿勢規
制アーム111に当接する当接部112が突設されてい
る。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上記磁気ヘッド装置1
01において、固定部104、ヘッド支持体107及び
摺接体106は、導電部材102,102が内部に埋め
込まれるようにインサート成形されており、当然の事な
がら、これらは同じ材料から形成される。そして、これ
らの材料は、任意の材料を選択することができるわけで
はなく、光磁気ディスクに対して摺動特性の優れたもの
を選択する必要がある。すなわち、光磁気ディスクに情
報信号を記録する際に、摺接体106の摺接部110が
光磁気ディスクに接触し摺動するため、これらの材料
は、光磁気ディスクに対して摺動特性の優れたものを選
択する必要がある。
【0018】このため、上記磁気ヘッド装置101で
は、固定部104、ヘッド支持体107及び摺接体10
6に使用可能な樹脂材料の選択範囲が非常に狭くなって
いた。そして、光磁気ディスクに対する摺動特性が優れ
た樹脂材料は、比較的に高価であり、これが磁気ヘッド
装置101のコストの昇騰を招いていた。
【0019】また、上記磁気ヘッド装置101におい
て、摺接部110は、光磁気ディスクに対して直接に接
触する部分であるので、非常に精密な加工精度が求めら
れる。そして、上記磁気ヘッド装置101では、精密成
形が要求される摺接部110が形成される摺接体106
を、固定部104及びヘッド支持体107とともに、一
体成形している。したがって、上記磁気ヘッド装置10
1を製造する際には、摺接体106、固定部104及び
ヘッド支持体107を成形するための金型に対して、非
常に高い精度が要求される。そして、これも磁気ヘッド
装置101の製造コストの昇騰の原因となっている。
【0020】本発明は、以上のような従来の実情を鑑み
て提案されたものであり、記録媒体に対する摺動特性の
優れた樹脂材料の使用量が少なくて済み、しかも、磁気
ヘッド素子を支持する支持部の成形に使用される金型に
対して高い精度を要求することなく製造することができ
る磁気ヘッド装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気ヘッド
装置は、コイルが巻回されたボビンと、ボビンに形成さ
れた磁気コア挿入孔に少なくとも一部が挿入された磁気
コアとを有する磁気ヘッド素子を備えるとともに、上記
磁気ヘッド素子のコイルに接続される導電部材と、導電
部材と一体成形された支持部材とからなり、基端部側が
固定され、先端部側に上記磁気ヘッド素子が配設された
支持部を備えており、上記ボビンの記録媒体対向面側に
は、記録媒体に対して摺接する摺接部が形成されている
ことを特徴とする。
【0022】上記磁気ヘッド装置では、記録媒体に情報
信号を記録する際に、磁気ヘッド素子のボビンに形成さ
れた摺接部が、記録媒体に対して摺接する。このとき、
磁気ヘッド素子を支持する支持部は、記録媒体に接する
ことはない。したがって、摺接部が形成されるボビン
は、記録媒体に対する摺動特性の優れた材料を用いて形
成することが好ましいが、支持部については、記録媒体
に対する摺動特性を考慮することなく、任意の材料を用
いて形成することができる。
【0023】また、上記磁気ヘッド装置では、記録媒体
に情報信号を記録する際に摺動するのは、ボビンに形成
された摺接部だけであるので、成型時に高い加工精度が
要求されるのは、摺接部が形成されるボビンだけであ
る。一方、支持部については、記録媒体に接することが
ないため、特に高い加工精度を必要としない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について図面を参照して説明する。
【0025】図1及び図2に示すように、本実施の形態
に係る磁気ヘッド装置1は、互いに略平行に配置された
弾性を有する長尺な一対の導電部材2,2を備えてい
る。これら導電部材2,2は、リン青銅やBeCu等の
導電性を有する薄板状の金属板を打ち抜いて形成されて
なるものである。特に、導電部材2,2は、熱処理する
時間に応じて硬化度が変化するBeCuの如き時効硬化
材により形成される。導電部材2,2を時効硬化材によ
って形成することにより、導電部材2,2の弾性力を容
易に所望のものとなすことができる。
【0026】これら導電部材2,2の先端部側には、後
述するようにヘッド取付部5に取付けられる磁気ヘッド
素子4のコイルと電気的に接続される給電端子が設けら
れ、基端部側には、後述するように磁気ヘッド素子4の
コイルに給電を行う外部接続ケーブルが接続される外部
回路接続部を構成する端子部が設けられている。
【0027】そして、一対の導電部材2,2の基端側に
は、光磁気記録再生装置内に配置される取付け基台に、
この磁気ヘッド装置1を取付けるための固定部3が、合
成樹脂材料をモールド成形して一体に設けられている。
また、一対の導電部材2,2の先端側には、磁気コア及
びコイル等からなる磁気ヘッド素子4が取付けられて磁
気ヘッド9を構成するヘッド取付部5が、合成樹脂材料
をモールド成形して一体に設けられている。さらに、一
対の導電部材2,2の固定部3が設けられた基端部と、
ヘッド取付部5が設けられた先端部との間には、ヘッド
支持体6が合成樹脂材料をモールド成形して一体に設け
られている。
【0028】すなわち、この磁気ヘッド装置1は、磁気
ヘッド素子のコイルに接続される導電部材2,2を備え
るとともに、これらの導電部材2,2と一体成形された
支持部材として、固定部3、ヘッド取付部5及びヘッド
支持部6が形成されている。そして、支持部材の基端部
側、すなわち固定部3が、光磁気記録再生装置内に配置
される取付け基台に固定され、支持部材の先端部側、す
なわちヘッド取付部5に、磁気ヘッド素子4が配設され
る。
【0029】ここで、ヘッド支持体6は、固定部3との
間に一対の導電部材2,2の一部を外方に臨ませるとと
もに、ヘッド取付部5との間に一対の導電部材2,2の
一部を外方に臨ませるようにして、上記一対の導電部材
2,2の中途部に一体に設けられる。そして、一対の導
電部材2,2のうち、固定部3とヘッド支持体6との間
で外方に臨まされた部分は、ヘッド取付部5及びヘッド
支持体6を光磁気ディスクに対し接離させる方向に回動
操作させるときの回動中心となる第1の弾性変位部7,
7となされる。また、一対の導電部材2,2のうち、ヘ
ッド取付部5とヘッド支持体6との間で外方に臨まされ
た部分は、磁気ヘッド素子4を取付けたヘッド取付部5
が、回転操作される光磁気ディスクの面振れ等に追随し
て揺動変位するように弾性変位する第2の弾性変位部
8,8となされる。
【0030】そして、一対の導電部材2,2の第2の弾
性変位部8,8を構成する部分は、第1の弾性変位部
7,7を構成する部分に比し幅狭となされ、第1の弾性
変位部7,7に比し僅かの負荷によって容易に弾性変位
するように形成されている。第1の弾性変位部7,7
は、ヘッド取付部5に取付られた磁気ヘッド素子4が回
転操作される光磁気ディスクに対し一定の摺接圧をもっ
て摺接するように、ヘッド支持体6に付勢力を付与する
ものである。したがって、第1の弾性変位部7,7は、
回転操作される光磁気ディスクに面振れ等が生じた場合
であっても、ヘッド取付部5が光磁気ディスクから浮上
しない程度の付勢力をヘッド支持体6に付与するに足る
弾性力が必要である。これに対し、第2の弾性変位部
8,8は、ヘッド取付部5が光磁気ディスクに摺接した
状態で光磁気ディスクに面振れ等が生じた場合であって
も、この光磁気ディスクの回転に追随して摺接姿勢を一
定の状態を維持するようにヘッド取付部5を揺動変位さ
せるものである。したがって、第2の弾性変位部8,8
の弾性力は、第1の弾性変位部7,7の弾性力に比し小
さいものとなされている。
【0031】ここで、一対の導電部材2,2の先端側に
一体に設けられるヘッド取付部5と、ヘッド取付部5に
取り付けられる磁気ヘッド素子4とについて、具体的に
説明する。
【0032】ヘッド取付部5は、磁気コア及びコイルを
備えた磁気ヘッド素子4が取付けられて、磁気ヘッド9
を構成する。そして、光磁気ディスクに情報信号の記録
を行う際、この磁気ヘッド9は、回転操作される光磁気
ディスクの一方の主面上に摺接し、磁気ヘッド素子4を
構成する磁気コアを、光磁気ディスクの信号記録層に対
し一定の距離となるように維持する。
【0033】ヘッド取付部5に取付けられて磁気ヘッド
9を構成する磁気ヘッド素子4は、図3に示すように、
フェライト等の磁性材料により形成された磁気コア10
と、コイル11が巻回されたボビン12とから構成され
てなる。磁気コア10は、中心磁極コア10aと、この
中心磁極コア10aの両側に設けられた一対の側磁極コ
ア10b,10bと、これら磁極コア10a,10b,
10bの基端側を連結する連結部10cとを有し、全体
をもって略E字状に形成されている。この磁気コア10
の中心磁極コア10aは、先端部が側磁極コア10b,
10bの先端部から稍々突出するように、側磁極コア1
0b,10bより長尺に形成されている。
【0034】また、磁気コア10とともに磁気ヘッド素
子4を構成するボビン12は、極めて高精度の成形が可
能である液晶ポリマーやポリフェニレンサルファイド等
の合成樹脂材料を成形して形成されてなる。このボビン
12は、図3、図4、図5及び図6に示すように、中心
部に磁気コア10の中心磁極コア10aが挿入される磁
気コア挿入孔13を備えており、この磁気コア挿入孔1
3を取り囲むようにして凹形状に形成されたコイル巻回
部が設けられている。また、ボビン12の一端側には、
磁気コア挿入孔13の軸方向と直交する方向に突出する
フランジ部14が一体に形成されている。このフランジ
部14の下側の面14aは、光磁気ディスクの主面に対
向する面となる。
【0035】さらに、フランジ部14の一端からは、支
持部材の固定部3側に向かって、光磁気ディスクの主面
に摺接する摺接部15が突設している。ここで、摺接部
15の摺接面15aは、図4に示すように、フランジ部
15の光磁気ディスクの主面に対向する面14aよりも
稍々突出するようにして形成されており、光磁気ディス
クの主面に摺接するようになされている。すなわち、ボ
ビン12は、磁気コア挿入孔13の近傍において光磁気
ディスクの主面に対向する面14aと、摺接部15の摺
接面15aにおいて光磁気ディスクの主面に対向する面
との間に段差を有しており、摺接部15が光磁気ディス
ク上を摺接したときに、磁気コア挿入孔13の近傍と光
磁気ディスクとの間に所定の間隙が形成されるようにな
されている。
【0036】また、摺接部15は、図5に示すように、
磁気ヘッド9を光磁気ディスク上に摺接させたときに光
磁気ディスクの外周に位置する側が、光磁気ディスクの
外周に沿うような傾斜部15bとされている。これによ
り、回転操作される光磁気ディスク上に摺接して磁気ヘ
ッド9が移動していく際に、摺動部15の摺動面15a
は、光磁気ディスクの外周近傍を含めて全面にわたっ
て、円滑に摺接することとなる。
【0037】ボビン12の他端側には、リン青銅等の導
電性材料により形成された一対のコイル接続端子16,
16を支持する一対の端子支持部17,17が突設され
ている。これら端子支持部17,17は、磁気コア挿入
孔13の軸方向と直交する方向に相対向して平行に突設
されている。そして、一対のコイル接続端子16,16
は、一方の端部を端子支持部17,17から突出させ
て、これら端子支持部17,17に埋設するように一体
に取付けられている。ここで、一対のコイル接続端子1
6,16は、ボビン12を金型で成形する際、金型内に
配置されて端子支持部17,17の成形と同時に一体に
取付けられるものであって、いわゆるインサート成形に
よって端子支持部17,17に取付けられてなる。
【0038】コイル接続端子16,16には、ボビンに
巻回されたコイル11の接続端末18,18が、数回巻
回されて電気的に接続される。ここで、コイル11の接
続端末18,18とコイル接続端子16,16との確実
な電気的な接続を図るため、接続端末18,18は、導
電性接着剤や半田を用いてコイル接続端子16,16に
接続される。
【0039】ここで、一対の端子支持部17,17を相
対向して突設することによってボビン12に形成される
2箇所の凹状部19,19は、磁気コア10の嵌合部と
なる。
【0040】また、端子支持部17,17の上端側の一
側には、ボビン12をヘッド取付部5に設けた取付け孔
に嵌合させるように取付けたとき、この取付け孔内に設
けられた被係合部となる係合段差部に相対係合する係合
部となる係合爪部20,20が設けられている。これら
係合爪部20,20は、ボビン12に設けた磁気コア挿
入孔13の軸線方向に延長して形成され、先端側の一側
に係合爪20a,20aが突設されてなる。
【0041】磁気ヘッド素子4を構成する磁気コア10
及びボビン12が取付けられるヘッド取付部5は、図
7、図8、図9及び図10に示すように、非導電性の合
成樹脂材料をモールド成形して形成されてなるものであ
って、中央部に磁気ヘッド素子4が取り付けられる。
【0042】ヘッド取付部5には、磁気コア10及びボ
ビン12が嵌合する如く設けられた取付け孔21が形成
されている。この取付け孔21は、光磁気ディスクに対
向する面側を開口部となす有底の凹状に形成されてい
る。取付け孔21の長手方向の相対向する各面には、取
付け孔21に挿入される磁気コア10の両側に設けられ
た側磁極コア10b,10bを挾持する第1の挾持片2
2,22及び第2の挾持片23,23が突設されてい
る。これらの挾持片22,22及び23,23は、相対
向するように取付け孔21の長手方向の相対向する面か
ら突設されている。ここで、第1の挾持片22,22の
間隔及び第2の挾持片23,23の間隔は、磁気コア1
0の厚さより稍々幅狭となされており、これらの挾持片
22,22及び23,23は、取付け孔21に挿入され
る磁気コア10の側磁極コア10b,10bを圧着挾持
する。
【0043】また、取付け孔21の両側面には、取付け
孔21内に挿入されるボビン12に設けられた係合爪部
20,20の係合爪20a,20aが相対係合する被係
合部となる係合段差部24,24が設けられている。こ
れら係合段差部24,24は、取付け孔21の長手方向
の相対向する面に、取付け孔21の底部側となる面側か
ら、すなわちヘッド取付部5の上面側から、略コ字状を
なす切込み溝25,25を穿設することによって形成さ
れる弾性変位片26,26の上端面部分に形成されてな
る。すなわち、係合段差部24,24は、取付け孔21
の長手方向の相対向する面に穿設された切込み溝25,
25により形成されてなるものであり、弾性変位片2
6,26の一部をもって構成されてなる。
【0044】ここで、弾性変位片26,26の一部をも
って構成された係合段差部24,24の上面、すなわち
ボビン12に形成された係合爪20a,20aと相対係
合する面には、一方の端部に凸部24a,24aが形成
されており、他方の端部にも同様な凸部24b,24b
が形成されている。そして、これらの凸部24a,24
a及び24b,24bの上面は平坦な面とされており、
係合段差部24,24と係合する係合爪20a,20a
は、これらの凸部24a,24a及び24b,24bの
上面において、係合段差部24,24に当接する。
【0045】ここで、係合段差部24,24と係合爪2
0a,20aは、ボビン12がヘッド取付部5に対して
高精度に平行となるようにするため、高精度に平行に当
接している必要がある。そして、係合段差部24,24
が上述のように2つの凸部24a,24a及び24b,
24bを有しておらず、係合段差部24,24の上面が
一様に平坦な面とされていると、係合段差部24,24
と係合爪20a,20aとを係合する際に、これらを高
精度に平行に当接させることが難しい。すなわち、係合
段差部24,24の上面を一様に平坦な面として係合爪
20a,20aと係合させようとしたときには、広範囲
の面にわたって精度良く平坦化する必要があり、これら
が当接する面に少しでも凹凸等が存在していると、その
凹凸等に起因して、係合段差部24,24と係合爪20
a,20aとが非平行となってしまう。
【0046】これに対して、本実施の形態のように、係
合段差部24,24の上面に2つの凸部24a,24a
及び24b,24bを設け、これらの凸部24a,24
a及び24b,24bが係合段差部24,24に当接す
るようにしたときには、2つの凸部24a,24a及び
24b,24bの上面が平行となるように係合段差部2
4,24を形成するだけで、係合段差部24,24と係
合爪20a,20aとは、高精度に平行に当接すること
となる。したがって、本実施の形態のように、係合段差
部24,24の上面に2つの凸部24a,24a及び2
4b,24bを設けることにより、容易にボビン12が
ヘッド取付部5に対して高精度に平行となるようにする
ことができる。
【0047】上記係合段差部24,24を形成するた
め、切込み溝25,25を穿設することによって係合段
差部24,24が形成された弾性変位片26,26の上
端側は、図9に示すように、取付け孔21の内方に突出
するように傾斜されている。これら弾性変位片26,2
6の傾斜された相体対向する面は、取付け孔21内に挿
入されるボビン12の外周部の一部と当接し、ボビン1
2の挿入方向及び挿入位置をガイドする挿入ガイド部2
7,27となされている。
【0048】また、取付け孔21内には、図10に示す
ように、導電性を有する一対の導電部材2,2の先端側
を折曲して形成した給電端子28,28が突設されてい
る。これら給電端子28,28は、取付け孔21内に挿
入されるボビン12に巻回されたコイル11に給電を行
うためのものであり、コイル11の接続端末18,18
が巻回されたコイル接続端子16,16に電気的に接触
するようになされる。これら給電端子28,28は、取
付け孔21にボビン12を取付けたとき、このボビン1
2に巻回されたコイル11の接続端末18,18が巻回
されたコイル接続端子16,16に接触可能な位置に設
けられてなるものであって、図7に示すように、第1の
挾持片22,22が突設される側に位置して、取付け孔
21の相対向する側面に突設されている。
【0049】一対の導電部材2,2の先端側を折曲して
形成される給電端子28,28は、図10に示すよう
に、取付け孔21内に突出し、コイル接続端子16,1
6に弾性的に接触する屈曲部28a,28aと、合成樹
脂からなるヘッド取付部5がモールド成形された部分2
8b,28bとを備えている。ここで、屈曲部28a,
28aは、取付け孔21にボビン12を挿入する方向に
沿ってヘッド取付部5の一端部から給電端子28,28
を折り曲げることによって形成されており、この屈曲に
よって生じる応力によって、給電端子28,28がコイ
ル接続端子16,16に弾性的に接触するようになされ
ている。
【0050】ここで、導電部材2,2の一方の端部であ
る屈曲部28a,28aは、図7に示すように、先細り
に形成されており、当該屈曲部28a,28aの弾性に
より生じる応力によって、コイル接続端子16,16に
圧接する。もし、屈曲部28a,28aが先細りに形成
されておらず、全体が同様な弾性を有するように形成さ
れていると、コイル接続端子16,16に圧接させたと
きに屈曲部28a,28aに加わる応力は、モールド成
形された部分28b,28bに近い方の側に集中し、モ
ールド成形された部分28b,28bに近い方の側が大
きく屈曲することとなる。そして、このような応力の集
中は、屈曲部28a,28aの破壊の原因となる。これ
に対して、本実施の形態では、屈曲部28a,28aの
先端が先細りに形成されているので、コイル接続端子1
6,16に圧接させたときに屈曲部28a,28aに加
わる応力は、モールド成形された部分28b,28bに
近い方の側に集中することなく、屈曲部28a,28a
の全体にほぼ均一に加わることとなる。したがって、本
実施の形態における屈曲部28a,28aは、応力の集
中によって破壊してしまうようなことがない。
【0051】そして、先端がこのような給電端子28,
28となされた導電部材2,2は、ヘッド取付部5と一
体に形成された部分を経て、ヘッド取付部5の重心位置
近傍の側方において外方に臨んでおり、この部分が第2
の弾性変位部8,8となっている。すなわち、ヘッド取
付部5は、重心位置近傍が一対の導電部材2,2によっ
て支持されている。
【0052】なお、給電端子28,28のうち、少なく
ともコイル接続端子16,16に接触する屈曲部28
a,28aの部分は、接触時の電気的抵抗を小さくする
ため、金メッキ処理、ニッケルメッキ処理、ハンダメッ
キ処理のいずれかのメッキ処理が施されている。メッキ
処理に用いられる材料は、接触時の電気的抵抗を小さく
するため、給電端子28,28よりも電気抵抗の小さな
材料を用いることが望ましい。同様に、接触時の電気的
抵抗を小さくなすため、コイル接続端子16,16のう
ち、少なくとも屈曲部28a,28aと接触する部分に
も、金メッキ処理、ニッケルメッキ処理、ハンダメッキ
処理のいずれかのメッキ処理を施しておくことが望まし
い。
【0053】また、取付け孔21の底面21a、すなわ
ちヘッド取付部5の天板側の内面には、図3、図7、図
8及び図9に示すように、磁気コア10を光磁気ディス
ク側に押圧する押圧部材29が膨出形成されている。こ
の押圧部材29は、弾性を有しており、取付け孔21に
取付けられる磁気ヘッド素子4を構成する磁気コア10
の連結部10cに当接し、磁気コア10を光磁気ディス
ク側へ押圧するようになされている。すなわち、図12
に示すように、押圧部材29の両端部29a,29b
が、磁気コア10の連結部10cに当接し、磁気コア1
0を光磁気ディスク側へ押圧する。
【0054】以上のように、本実施の形態に係る磁気ヘ
ッド装置1において、磁気ヘッド素子4は、ボビン12
に形成された係合爪部20,20がヘッド取付部5に形
成された係合段差部24,24に係合されるとともに、
磁気コア10がヘッド取付部5に形成された押圧部材2
9により光磁気ディスク側に押圧されることによって、
固定されている。
【0055】なお、押圧部材29の周囲には、図7に示
すように、間隙30が形成されており、押圧部材29に
よって押圧される磁気コア10は、この間隙30から外
方に露呈している。すなわち、磁気コア10は、光磁気
ディスクに対向しない側の面である上面の一部が、ヘッ
ド取付部5の外方に露呈している。このように磁気コア
10が外方に露呈していると、磁気コア10の状態を外
部から視認することができる。したがって、例えば、磁
気ヘッド素子4をヘッド取付部5に取り付けた際に、磁
気コア10に折れ等が生じたとしても、外部から視認に
よって異常が直ぐに分かることとなる。すなわち、磁気
コア10の一部を外方に露呈し、その状態を視認できる
ようにすることにより、磁気コア10に折れ等が生じた
不良な磁気ヘッド装置を直ぐに検出することが可能とな
る。
【0056】つぎに、上述のように構成された磁気ヘッ
ド9を組み立てる工程を説明し、さらに、組み立てられ
た磁気ヘッド9について詳細に説明する。
【0057】磁気ヘッド9を組み立てるには、ヘッド取
付部5の取付け孔21内に磁気コア10を取付ける。磁
気コア10は、連結部10c側を挿入端として、図3に
示すように、ヘッド取付部5の光磁気ディスク側に開口
した開口端31から取付け孔21内に挿入される。取付
け孔21内に挿入された磁気コア10は、側磁極コア1
0b,10b側の両側部が第1及び第2の挾持片22,
22及び23,23間に嵌合されることにより、これら
挾持片22,22及び23,23に挾持されて取付け孔
21内に仮固定される。このとき、磁気コア10の上面
は押圧部材29に当接する。
【0058】次いで、磁気コア10が配置された取付け
孔21内に、コイル11が巻回されたボビン12を挿入
する。ボビン12は、係合爪部20,20が突設された
側を取付け孔21の係合段差部24,24が設けられた
面に対応させ、コイル接続端子16,16を取付け孔2
1内に突設された給電端子28,28に対応させて、開
口端31から取付け孔21内に挿入される。このとき、
ボビン12の磁気コア挿入孔13に磁気コア10の中心
磁極コア10aを挿入する。さらに、ボビン12を取付
け孔21内に挿入していくと、ボビン12は、取付け孔
21内に突出する弾性変位片26,26の相対向する面
に形成された挿入ガイド部27,27にコイル接続端子
16,16を取付けた側の外側面を摺接させて取付け孔
21の内方に挿入される。このとき、ボビン12は、挿
入ガイド部27,27に外側面をガイドされて取付け孔
21内に挿入されていくことにより、取付け孔21に対
する挿入方向が規制される。したがって、ボビン12
は、取付け孔21内に仮固定して配設された磁気コア1
0の中心磁極コア10aが磁気コア挿入孔13に正確に
挿入された状態で、取付け孔21に挿入されていく。
【0059】また、ボビン12が取付け孔21に挿入さ
れていくとき、係合爪部20,20によって弾性変位片
26,26が取付け孔21の外方に弾性変位される。こ
こからさらに、ボビン12が挿入されると、係合爪部2
0,20の先端の係合爪20a,20aが弾性変位片2
6,26の先端に形成された係合段差部24,24に至
り、弾性変位片26,26が弾性復帰することにより、
図11に示すように、係合爪部20,20と係合段差部
24,24との相対係合が実現される。このとき、ボビ
ン12は、図12に示すように、磁気コア10を介し
て、押圧部材29によって光磁気ディスク側に押圧され
ている。これにより、ボビン12は、フランジ部14が
ヘッド取付部5の光磁気ディスクに対向する面側に臨む
ように、取付け孔21内に取付けられ固定される。
【0060】さらに、ボビン12が取付け孔21内に取
付けられたとき、図11に示すように、コイル接続端子
16,16は、取付け孔21内に突出する給電端子2
8,28に圧接し、これにより、コイル11と導電部材
2,2との電気的な接続が図られる。これら給電端子2
8,28は、弾性を有する屈曲部28a,28aを有し
ており、当該屈曲部28a,28aがコイル接続端子1
6,16に弾性力を付与した状態で圧接し、これによ
り、確実な電気的な接触が実現される。
【0061】上述のように組み立てられる磁気ヘッド9
は、磁気コア10及びコイル11を巻回したボビン12
を順次取付け孔21に挿入していくだけで組み立てるこ
とができ、磁気コア10及びコイル11をヘッド取付部
5に固定するために接着剤を用いる必要がないので、組
み立てが極めて容易である。また、磁気ヘッド素子4の
ヘッド取付部5に対する取付け位置は、係合爪20a,
20aと係合段差部24,24との相対係合位置により
決定できるため、取付け位置精度の位置出しを正確且つ
容易に行うことができる。さらに、この磁気ヘッドで
は、ボビン12に設けたコイル接続端子16,16と給
電端子28,28間の接続にも、半田等を必要としな
い。したがって、磁気ヘッド9の組み立て作業は極めて
簡単である。
【0062】ところで、この磁気ヘッドにおいて、ボビ
ン12は、磁気コア挿入孔13の近傍において光磁気デ
ィスクの主面に対向する面と、摺接部15において光磁
気ディスクの主面に対向する面との間に段差を有してお
り、摺接部15が光磁気ディスク上を摺接したときに、
磁気コア挿入孔13の近傍と光磁気ディスクとの間に所
定の間隙が形成されるようになされている。
【0063】したがって、光磁気ディスクに摺接させた
とき、磁気コア挿入孔13に挿入される磁気コア10の
中心磁極コア10aと、光磁気ディスクとの間隙は、上
記段差と、磁気コア挿入孔13の軸方向におけるボビン
12の高さと、連結部10cから先端部に至る中心磁極
コア10aの長さとによって決定される。したがって、
ボビン12及び磁気コア10を精度良く形成すれば、中
心磁極コア10aと光磁気ディスクの間隙、すなわち光
磁気ディスク上における磁気コア10の浮上量を、精度
良く一定に保持することが可能となる。
【0064】換言すれば、この磁気ヘッド装置1におい
て、光磁気ディスク上における磁気コア10の浮上量
は、ボビン12及び磁気コア10の形状だけによって規
制される。したがって、この磁気ヘッド装置1におい
て、特に高い加工精度が要求されるのは、ボビン12と
磁気コア10だけであり、導電部材2,2と一体成形さ
れるヘッド取付部5、ヘッド支持部6及び固定部3から
なる支持部に関しては、高い加工精度は必要とされな
い。すなわち、この磁気ヘッド装置1の支持部の成形に
使用される金型に対しては高い精度が要求されず、支持
部については容易に製造することができる。
【0065】以上のように構成された磁気ヘッド9を第
2の弾性変位部8,8を介して先端側に支持したヘッド
支持体6は、一対の導電部材2,2間に亘って合成樹脂
をモールド成形して形成されてなる。このヘッド支持体
6は、一対の導電部材2,2間に亘って合成樹脂をモー
ルド成形して形成されることにより、一対の導電部材
2,2の互いの位置を固定するとともにこれら導電部材
2,2に剛性を付与し、導電部材2,2の先端に取付け
た磁気ヘッド9を構成するヘッド取付部5を第2の変位
部8,8を中心にして回動変位可能に支持するものであ
る。
【0066】このヘッド支持体6のヘッド取付部5が支
持される側には、図1に示すように、ヘッド取付部5に
取り付けられた磁気ヘッド素子4の摺接部15側が臨む
凹部6aが形成されている。そして、ヘッド取付部5
は、第2の弾性変位部8,8を中心に回動変位されたと
き、摺接部15側をヘッド支持体6の凹部6a内に進入
させるように回動変位される。
【0067】さらに、ヘッド支持体6の固定部3側に位
置する基端側の一側には、図1及び図2に示すように、
固定部6の方向に向かって延長されるように連結アーム
32が設けられ、この連結アーム32の先端側に重量体
33が設けられている。この重量体33は、一対の導電
部材2,2の一部をもって構成された第1の弾性変位部
7,7を介して固定部3に支持されたヘッド支持体6の
重心が第1の弾性変位部7,7の略近傍に位置するよう
に設けられるものであって、第1の弾性変位部7,7を
中心にして一方の側にヘッド支持体6が延長され他方の
側に先端に重量体33を設けた連結アーム32が延長さ
れている。したがって、重量体33は、第1の弾性変位
部7,7から固定部3側に位置にして設けられている。
【0068】なお、本実施の形態では、重量体33は、
連結アーム32とともにヘッド支持体6と一体に、ヘッ
ド支持体6と同じ材料の合成樹脂材料によって形成され
ているが、小さい体積で大きな重量をかせぐため、比重
の大きな金属材料により形成したものであってもよい。
金属材料からなる重量体33は、例えば、合成樹脂から
なる連結アーム32を成形する際、この連結アーム32
にインサートすることによって一体に取付けられる。ま
た、重量体33は、連結アーム32と一体に成形される
合成樹脂体内に比重の大きな金属材料を埋設するように
して形成したものであってもよい。
【0069】この重量体33は、第1の弾性変位部7,
7を中心にしてヘッド支持体6を回動操作する回動操作
部としても機能する。すなわち、重量体33を押圧操作
することによって、第1の弾性変位部7,7が弾性変位
されることによりヘッド支持体6が第1の弾性変位部
7,7を中心にして回動操作される。
【0070】また、一対の導電部材2,2の基端側に設
けられる固定部3は、光磁気記録再生装置内に配置され
る光ピックアップ装置と同期して光磁気ディスクの径方
向に亘って移動する取付け基台に、この磁気ヘッド装置
1を固定支持するためのものであって、取付け基台に固
定される固定ネジ等の固定部材が挿通する固定部材挿通
孔34が穿設されている。また、固定部3の底面側に
は、取付け基台に突設される一対の位置決めピンが係合
する係合凹部が穿設されている。
【0071】また、固定部3の重量体33と対向する一
側面には、重量体33が押圧操作されてヘッド支持体6
が第1の弾性変位部7,7を中心にして回動操作される
とき、その回動範囲を規制する回動規制部35が設けら
れている。この回動規制部35は、重量体33が押圧操
作されたとき、重量体33の固定部3と対向する面が当
接することによって、第1の弾性変位部7,7を中心と
したヘッド支持体6の回動を規制する。
【0072】図13及び図14に示すように、上述のよ
うな構成を備えた磁気ヘッド装置1は、光磁気記録再生
装置内に移動可能に取付けられた移動基台40に取付け
られる。ここで、移動基台40には、光ピックアップ装
置41も取付けられる。したがって、磁気ヘッド装置1
は、光磁気記録再生装置内において、光ピックアップ装
置41と同期して移動する。
【0073】磁気ヘッド装置1及び光ピックアップ装置
41が取付けられる移動基台40は、ディスク回転駆動
機構等の機構部が取付けられるシャーシ基板42に取付
けられたスライドガイド軸43に、中途部に穿設した貫
通孔44を挿通させ、一端側に突設した上下一対の係合
片45,46によりシャーシ基板42の一側に設けたス
ライドガイド部47を支持することによって、光磁気記
録再生装置装置内に装着されたディスクカートリッジ4
8に収納された光磁気ディスク49の径方向に亘って移
動可能に支持されている。この移動基台40は、図示し
ない駆動モータによって駆動されるピックアップ送り機
構を介して光磁気ディスク49の径方向に亘って移動操
作される。
【0074】光ピックアップ装置41は、光源から出射
される光ビームを光磁気ディスク49の信号記録層に集
光させて照射させる対物レンズが、上記光磁気ディスク
49に対向するように、移動基台40の先端側に取付け
られている。このとき、光ピックアップ装置41は、対
物レンズの光軸が光磁気ディスク49の中心線上に位置
するようにして、移動基台40に取付けられている。
【0075】移動基台40の光ピックアップ装置41が
取付けられた一端側と対向する他端側には、磁気ヘッド
装置1が取り付けられている。ここで、磁気ヘッド装置
1は、ヘッド支持体6をカートリッジ装着部に装着され
るディスクカートリッジ48上に延在させるようにし
て、固定部3が移動基台40に取付けられる。ここで、
磁気ヘッド装置1は、固定部3の底面に設けられた係合
凹部を移動基台40の上端面に突設した位置決めピンに
係合させて移動基台40に対する取付け位置を位置決め
し、固定部材挿通孔34に挿通されて移動基台40に螺
合される固定ネジによって移動基台40に取付けられ
る。
【0076】磁気ヘッド装置1は、移動基台40上に取
付けられたとき、ヘッド支持体6の先端に第2の弾性変
位部8,8を介して支持されたヘッド取付部5に取付け
られた磁気ヘッド素子4を構成する磁極コア10の中心
磁極10aが、光磁気ディスク49を挟んで光ピックア
ップ装置41の対物レンズに対向させられる。これは、
光磁気ディスク49に対する光ビームの照射位置に外部
磁界を印加させるためである。
【0077】そして、移動基台40に取付けられた磁気
ヘッド装置1は、移動基台40がピックアップ送り機構
により駆動されることにより、光ピックアップ装置41
と一体に、光磁気ディスク49の径方向に送り操作され
る。なお、磁気ヘッド装置1の光磁気ディスク49に対
する移動方向は、ヘッド支持体6の長手方向と直交する
方向とされる。
【0078】ところで、磁気ヘッド装置1と光ピックア
ップ装置41は、光磁気ディスク49を挟んで相対向さ
せられてなるので、磁気ヘッド装置1と光ピックアップ
装置41との間には、カートリッジ装着部に装着される
ディスクカートリッジ48を装脱させるための空間が必
要となる。そこで、磁気ヘッド装置1の固定部3は、デ
ィスクカートリッジ48を装脱させるための空間を保持
させるに足る高さH1を有するように形成されている。
【0079】また、ディスクカートリッジ48を装脱さ
せるための空間を保持させる高さH1 を有する固定部3
から、第1の弾性変位部7,7を介して、ディスクカー
トリッジ48上に延長されたヘッド支持体6は、先端に
支持したヘッド取付部5をカートリッジ装着部に装着さ
れた光磁気ディスク49に摺接させるため、第1の弾性
変位部7,7側からヘッド取付部5を支持した先端部側
に向かって傾斜して形成されている。
【0080】そして、ヘッド支持体6は、重量体33部
分が押圧操作されないときには、図13に示すように、
先端側に支持したヘッド取付部5をディスクカートリッ
ジ48内に進入させて、ボビン12に形成された摺接部
15を光磁気ディスク49に摺接させる。摺接部15が
光磁気ディスク49に摺接された状態にあるとき、第1
の弾性変位部7,7は、弾性変位されヘッド支持体6を
光磁気ディスク49側に付勢する付勢力を付与する。し
たがって、摺接部15は、光磁気ディスク49に所定の
摺接圧をもって摺接させられている。
【0081】ところで、ヘッド支持体6は、カートリッ
ジ装着部に装着されたディスクカートリッジ48を装脱
する際、ヘッド取付部5をディスクカートリッジ48内
から離脱させ、光ピックアップ装置41との間にディス
クカートリッジ48の装脱を行うに足る空間を形成する
ように第1の弾性変位部7,7を中心にして回動操作さ
れる。
【0082】そこで、この磁気ヘッド装置1が取付けら
れる光磁気記録再生装置内には、重量体33を押圧操作
して、ヘッド支持体6を第1の弾性変位部7,7を中心
にしてディスクカートリッジ48側から離間する方向に
回動操作する図示しないヘッド回動操作機構が設けられ
ている。このヘッド回動操作機構は、重量体33を押圧
操作し、ヘッド支持体6を第1の弾性変位部7,7を中
心にしてディスクカートリッジ48側から離間する方向
に回動変位させる。このとき、ヘッド支持体6は、図1
4に示すように、カートリッジ装着部に装着された光磁
気ディスク49と略平行な位置である光磁気記録再生装
置内のシャーシ基板42と平行な水平な位置まで回動操
作される。このようにヘッド支持体6が回動変位される
ことにより、ヘッド取付部5がディスクカートリッジ4
8内から離脱され、光ピックアップ装置41との間にデ
ィスクカートリッジ48の装脱を行うに足る空間を形成
される。
【0083】このように、磁気ヘッド装置1では、ディ
スクカートリッジ48の装脱を行う際、ヘッド支持体6
がカートリッジ装着部に装着された光磁気ディスク49
と略平行な位置である光磁気記録再生装置内のシャーシ
基板42と略平行な水平な位置まで回動操作され、ヘッ
ド支持体6の先端に支持されたヘッド取付部5がヘッド
支持体6と略平行となされるので、ヘッド支持体6と光
ピックアップ装置41との間に十分に大きなディスクカ
ートリッジ48を挿脱するための空間を構成することが
できる。
【0084】なお、本実施の形態において、ヘッド取付
部5の先端部分は、先端側に向かって先細りとなる傾斜
面5aとされている。これにより、図14に示すよう
に、ヘッド支持体6が回動変位され、光ピックアップ装
置41との間にディスクカートリッジ48の挿脱を行う
に足る空間が形成されたとき、ヘッド取付部5の最上面
の高さは低く保たれる。すなわち、ヘッド取付部5の先
端を傾斜面5aとすることにより、光ピックアップ装置
41との間にディスクカートリッジ48の挿脱を行うに
足る空間が十分に得られるようにしつつ、磁気ヘッド装
置1の動作に要する空間の高さを低く抑えることができ
る。
【0085】ところで、磁気ヘッド素子4が取付けられ
たヘッド取付部5は、ヘッド支持体6が第1の弾性変位
部7,7を中心にして回動操作されない自然状態では、
図13に示すように、光磁気ディスク49に摺接する摺
接部15の摺接面が光磁気ディスク49の主面に対し略
水平となるようにして重心位置近傍の両側を第2の弾性
変位部8,8により支持されてヘッド支持体6に取付け
られている。したがって、ヘッド支持体6が第1の弾性
変位部7,7を中心にして回動変位された状態から、第
1の弾性変位部7,7の弾性復帰力を受けて光磁気ディ
スク49側に回動変位していくとき、摺接部15の摺接
面は光磁気ディスク49の主面に対して水平に摺接して
いく。
【0086】そして、ヘッド取付部5は、重心位置近傍
の両側を第2の弾性変位部8,8により支持されてなる
ので、回転操作される光磁気ディスク49に対し安定し
た状態で相対摺接させることができる。例えば、光磁気
ディスク49の主面に凹凸があって、これら凹凸によっ
てヘッド取付部5が第2の弾性変位部8,8を中心にし
て揺動変位された場合にも、大きな振動を発生させるこ
となく安定した状態で光磁気ディスク49に摺接させる
ことが可能となる。また、光磁気ディスク49が回転操
作されたときに面振れを発生させても、ヘッド取付部5
は、光磁気ディスク49の面振れに追随して第2の弾性
変位部8,8を中心にして揺動変位し、不要な振動を発
生させることなく安定した状態で光磁気ディスク49に
相対摺接させることが可能となる。
【0087】この磁気ヘッド装置1では、ヘッド取付部
5が、重心位置近傍の両側を第2の弾性変位部8,8に
より支持されている。また、摺接部15は、第2の弾性
変位部8,8の位置より、ヘッド支持体6に付勢力を付
与する第1の弾性変位部7,7側である固定部3側に位
置している。したがって、摺接部15を光磁気ディスク
49に摺接させたとき、ヘッド取付部5を光磁気ディス
ク49側に所定に弾性付勢する付勢力を付与するヘッド
支持体6を支持する第1の弾性変位部7,7は、光磁気
ディスク49側である下方に突出するように湾曲変位さ
れるのに対し、ヘッド取付部5を支持する第2の弾性変
位部8,8は、第1の弾性変位部7,7とは逆向きに上
方に突出するように湾曲変位する。
【0088】そして、第2の弾性変位部8,8が第1の
弾性変位部7,7とは逆向きに上方に突出するように湾
曲変位するため、第2の弾性変位部8,8の弾性復帰力
を受けて、ヘッド取付部5には、第2の弾性変位部8,
8を中心にして摺接部15を光磁気ディスク49側に付
勢する回動付勢力が付与される。そのため、摺接部15
が、ヘッド取付部5の他の部分に優先して確実に光磁気
ディスク49に接触させられることになり、光磁気ディ
スク49に対して安定に摺接することととなる。
【0089】ところで、光磁気記録再生装置に取付けら
れた磁気ヘッド装置1は、ヘッド支持体6の延長方向と
直交する方向を移動方向として、光磁気ディスク49の
径方向に移動される。そして、磁気コア10の中心磁極
コア10aが光磁気ディスク49の信号記録領域の最外
周側に位置するまでヘッド取付部5が移動されると、摺
接部15の一側が光磁気ディスク49の外周に突出して
しまう。そこで、ヘッド取付部5が光磁気ディスク49
の最外周側に移動された場合であっても、光磁気ディス
ク49から突出することを防止するため、摺接部15の
一側は、光磁気ディスク49の外周に沿って傾斜した傾
斜部15bとなされている。すなわち、光磁気ディスク
の外周側に位置する摺接部15の一側が、傾斜部15b
となされているので、肉厚に形成される光磁気ディスク
49の外周側にヘッド取付部5が移動されても、この肉
厚となっている光磁気ディスク49の外周部に摺接部1
5が乗り上がるようなことがなく、光磁気ディスクの全
面にわたって、摺接部15の摺接面15aが光磁気ディ
スク49の信号記録領域部分に確実に摺接することとな
る。
【0090】ところで、摺接部15が形成されるボビン
12は、回転する光磁気ディスク49と相対摺接するも
のであるので、摺動性及び耐摩耗性に優れ、軽量であ
り、しかもモールド成形した場合に高い寸法精度が得ら
れる材料で形成されることが望ましい。そこで、ボビン
12を構成する材料としては、ポリフェニレンサルファ
イド(PPS)、ポリアセール(POM)、ポリアリレ
ート(PAR)、ポリイミド6、ポリアミド66、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレ
フタレート(PBT)、超高分子ポリエチレン(UHM
W−PE)、高分子ポリエチレン(HMW−PE)等の
合成樹脂材料が用いられる。
【0091】また、固定部3、ヘッド支持体6及びヘッ
ド取付部5を構成する支持部材は、光磁気ディスクに接
触することがないため、摺動性及び耐摩耗性に優れた材
料を使用する必要が無く、安価な樹脂材料を使用するこ
とが可能である。ここで、合成樹脂材料で形成される固
定部3、ヘッド取付部5及びヘッド支持体6は、一対の
導電部材2,2が配置された成形用の金型装置のキャビ
ティ内に合成樹脂材料を射出して成形するインサート成
形によって同時に成形する。なお、固定部3、ヘッド取
付部5及びヘッド支持体6を、それぞれ適宜の材料を選
択して成形する場合には、2色成形法によって形成する
ようにしてもよい。
【0092】さらに、固定部3には、図1、図15及び
図16に示すように、ヘッド支持体6の先端側に支持さ
れたヘッド取付部5に取付けられた磁気ヘッド素子4と
外部回路を電気的に接続するためのフレキシブルプリン
ト配線基板やフレキシブルフラットケーブル等の平板状
をなす接続ケーブル60が接続される外部回路接続部6
1が設けられている。この外部回路接続部61は、固定
部3の基端側に突設した端子部支持片62を有し、この
端子部支持片62の一主面上に一対の導電部材2,2の
基端部側に形成された端子部63,63が延在されてい
る。
【0093】これら端子部63,63は、給電端子2
8,28を介して磁気ヘッド素子4のコイル11に電気
的に接続される一対の導電部材2,2に先端先細り状の
略コ字状をなす切込みを設けることによって形成されて
なるものであって、導電部材2,2への連設部側を支点
に弾性変位可能となされている。また、端子部63,6
3は、端子部支持片62上に突出するように折曲され、
先端側に屈曲部64,64が形成されている。したがっ
て、端子部63,63は、端子部支持片62上に突出し
た屈曲部64,64が押圧操作されることにより、導電
部材2,2への連設部側を支点にして端子部支持片62
側に弾性変位する。
【0094】端子部支持片62には、端子部63,63
が弾性変位されたときに、これら端子部63,63の先
端側を進入させるための切欠き穴が設けられている。
【0095】また、端子部支持片62の相対向する両側
には、この端子部支持片62と共同して端子部63,6
3に電気的に接続される接続ケーブル60を挿入するた
めの挿入溝65を形成する一対の接続ケーブル支持片6
6,66が設けられている。これら接続ケーブル支持片
66,66は、固定部3から端子部支持片62上に突出
するように形成され、端子部支持片62と相俟って挿入
溝65を形成している。また、接続ケーブル支持片6
6,66の端子部支持片62に対向する下面側には、挿
入溝65に挿入される接続ケーブル60の両側に切欠き
形成した切欠き溝67,67が係合する係止爪68が突
設されている。
【0096】そして、接続ケーブル60は、先端側から
挿入溝65に挿入されることにより、端子部支持片62
と接続ケーブル支持片66,66とにより挾持されるよ
うにして外部回路接続部61に接続される。このとき、
接続ケーブル60は、撓み変形されて端子部支持片62
上に延在する端子部63,63に接続パターン部を圧接
させる。接続パターンが端子部63,63に圧接される
ことにより、接続ケーブル60は一対の導電部材2,2
に電気的に接続される。そして、磁気ヘッド素子4のコ
イル11は、接続ケーブル60及び一対の導電部材2,
2を介して外部回路に電気的に接続され、外部回路から
の給電が行われる状態となる。
【0097】ところで、一対の弾性部材2,2に形成さ
れる給電端子28,28及び端子部63,63には、金
メッキ処理、ニッケルメッキ処理、ハンダメッキ処理の
いずれかのメッキ処理が施されている。このようなメッ
キ処理を施すことによって、給電端子28,28及び端
子部63,63の接触抵抗が低減され、良好な電気的な
接触が実現される。
【0098】さらに、図1に示すように、固定部3の上
面側には、この固定部3に埋設された弾性部材2,2の
一部を外方に臨ませる透孔69,69が穿設されてい
る。同様に、ヘッド支持部6の上面側には、このヘッド
支持部6に埋設された弾性部材2,2の一部を外方に臨
ませる透孔70,70が穿設されている。弾性部材2,
2のこれら透孔69,69及び70,70に臨まされた
部分は、弾性部材2,2と磁気ヘッド素子4のコイル1
1との接続状態や磁気ヘッド素子4の電気特性を検査す
るための検査器具の接触部となされる。
【0099】また、一対の弾性部材2,2の外部に臨む
第1の弾性変位部7,7及び第2の弾性変位部8,8を
構成する部分にも金メッキ処理、ニッケルメッキ処理、
ハンダメッキ処理のいずれかのメッキ処理が施される。
これにより、これら部分のサビ留めが図られる。
【0100】
【発明の効果】本発明に係る磁気ヘッド装置では、情報
信号の記録時に記録媒体に摺接するのはボビンに形成さ
れた摺接部だけであるので、記録媒体に対する摺動特性
に優れた材料で形成する部分は、ボビンの部分だけでよ
い。すなわち、本発明に係る磁気ヘッド装置において、
樹脂材料で形成される部分のうちの大部分を占める支持
部は、記録媒体に対する摺動特性を考慮することなく、
任意の材料を用いて形成することができる。したがっ
て、本発明に係る磁気ヘッド装置は、記録媒体に対する
摺動特性の優れた樹脂材料の使用量が非常に少なくて済
み、製造コストの大幅な低減を図ることができる。
【0101】また、本発明に係る磁気ヘッドでは、情報
信号の記録時に記録媒体に摺接するのはボビンに形成さ
れた摺接部だけであるので、特に高い加工精度が要求さ
れるのは、摺接部が形成されるボビンの部分だけであ
る。すなわち、本発明に係る磁気ヘッド装置において、
樹脂材料で形成される部分のうちの大部分を占める支持
部は、記録媒体に接することがないため、支持部の成形
に使用される金型に対しては、特に高い精度が要求とさ
れない。したがって、本発明に係る磁気ヘッド装置は、
従来の磁気ヘッド装置に比べて製造が非常に容易であ
り、低コストで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気ヘッド装置の平面図である。
【図2】本発明に係る磁気ヘッド装置の側面図である。
【図3】本発明に係る磁気ヘッド装置を構成する磁気ヘ
ッドの分解断面図である。
【図4】磁気ヘッド素子を構成するボビン及びコイルの
側面図である。
【図5】磁気ヘッド素子を構成するボビン及びコイルの
平面図である。
【図6】磁気ヘッド素子を構成するボビン及びコイルの
正面図である。
【図7】ヘッド取付部の平面図である。
【図8】ヘッド取付部の側面図である。
【図9】図7のA3−A4線断面図である。
【図10】図7のA1−A2線断面図である。
【図11】図1のA5−A6線断面図である。
【図12】図1のA7−A8線断面図である。
【図13】本発明に係る磁気ヘッド装置の磁気ヘッドが
光磁気ディスクに摺接した状態を示す側面図である。
【図14】本発明に係る磁気ヘッド装置の磁気ヘッドが
光磁気ディスクから離間した状態を示す側面図である。
【図15】固定部に設けられた外部回路接続部を示す斜
視図である。
【図16】外部回路接続部の断面図である。
【図17】従来の磁気ヘッド装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 磁気ヘッド装置、 2,2 導電部材、 3 固定
部、 4 磁気ヘッド素子、 5 ヘッド取付部、 6
ヘッド支持部、 7,7 弾性変位部、 8,8 第
2の弾性変位部、 9 磁気ヘッド、 10 磁気コ
ア、 11 コイル、 12 ボビン、 13 磁気コ
ア挿入孔、 14 フランジ部、 15摺接部、 1
6,16 コイル接続端子、 17,17 端子支持
部、 18,18 接続端末、 19,19 凸状部、
20,20 係合爪部、 20a,20a 係合爪、
21 取付け孔、 22,22 第1の狭持片、 2
3,23 第2の狭持片、24,24、 係合段差部、
25,25、 切込み溝、 26,26 弾性変位片、
27,27 挿入ガイド部、 28,28 給電端
子、 29 押圧部材、 32 連結アーム、 33
重量体、 34 固定部材挿通孔、 35 回動規制部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルが巻回されたボビンと、ボビンに
    形成された磁気コア挿入孔に少なくとも一部が挿入され
    た磁気コアとを有する磁気ヘッド素子と、 上記磁気ヘッド素子のコイルに接続される導電部材と、
    導電部材と一体成形された支持部材とからなり、基端部
    側が固定され、先端部側に上記磁気ヘッド素子が配設さ
    れた支持部と、 を備え、 上記ボビンの記録媒体対向面側には、記録媒体に対して
    摺接する摺接部が形成されていることを特徴とする磁気
    ヘッド装置。
  2. 【請求項2】上記ボビンは、磁気コア挿入孔の近傍にお
    ける記録媒体対向面と、摺接部における記録媒体対向面
    との間に段差を有し、磁気コア挿入孔の近傍と記録媒体
    との間に所定の間隙が形成されることを特徴とする請求
    項1記載の磁気ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 上記磁気ヘッド素子は、ボビンに形成さ
    れた係合爪部が支持部材に形成された係合段差部に係合
    されるとともに、磁気コアが支持部材に形成された押圧
    部材により記録媒体側に押圧されることによって、支持
    部材に固定されていることを特徴とする請求項1記載の
    磁気ヘッド装置。
  4. 【請求項4】 上記係合段差部は2以上の凸部を有し、
    各凸部において上記係合爪部と当接していることを特徴
    とする請求項3記載の磁気ヘッド装置。
  5. 【請求項5】 上記導電部材の一方の端部は、先端側に
    向かって先細りに形成されており、当該端部の弾性によ
    り生じる付勢力によって、上記コイルの端子に圧接して
    いることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド装置。
  6. 【請求項6】 上記磁気コアは、記録媒体に対向しない
    側の面の少なくとも一部が、支持部材の外方に露呈して
    いることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド装置。
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