JPH09318036A - 焼却灰の表面溶融炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 飛灰の混入及び、水砕処理時の炉内温度降下
を防止し、任意の大きさのスラグが得られる表面溶融炉
を提供する。 【解決手段】 原灰１ａを一方向へ流下させる傾斜炉床
を有し耐火構造の溶融室６ａと、この溶融室の下方に設
置され該溶融室と連通した耐火構造の排煙室６ｂと、こ
の排煙室の下方のスラグ送り出し用のスクリューコンベ
ヤー１７を備えた水槽１２と、原灰に対して高温の炎を
噴出させるバーナー５とを含み、原灰の溶融物が傾斜炉
床から水槽内へ落下するように構成し、水槽にはその上
部にエアー噴出手段７を取り付ける。更に、原灰を一方
向へ落下させる傾斜炉床を有し耐火構造を備えた溶融室
と、この溶融炉６の下方に設置され該溶融炉と連通した
排煙室と、前記傾斜炉床を流下する原灰に対して噴射さ
せるバーナーとを含み、溶融された原灰の溶融物が外部
へ取り出されるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、一般廃棄物或は
産業廃棄物等のゴミを焼却した際に生じる焼却灰を溶融
処理する際に用いて好適な焼却灰の表面溶融炉に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】一般家庭や各種工場から出るゴミは、環
境破壊や汚染を防止するためにこれをそのまま投棄する
わけには行かないのでこれを焼却処分することが行われ
ている。しかし、その際に生じる焼却灰もこれをそのま
ま投棄すると、水中に溶け出して水を汚染したり、或は
風で灰が空気中に飛散したりして生活環境を汚染破壊す
るので、これを溶融炉を用いて溶融固化させて建築資材
の骨材として再利用を図ることが考えられている。

【０００３】そのための装置として、焼却灰を溶融炉で
溶融させて水槽に貯留させた水中に落下させて水砕させ
るようにした装置が種々公知であるが、いずれも焼却灰
の原灰を受け入れ装置で受け入れる前に、粉砕して細か
くする破砕機や再焼却或は乾燥させるための焼却乾燥炉
を溶融炉の他に備えている他、飛灰を多く含んでいる排
煙をクリーンにするために、バグフィルターや電気集塵
機、さらには高温の排煙の温度を下げるための何層にも
渡る冷却装置等をも備えている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、この従来公
知の表面溶融炉は、溶融してガラス化されてスラグとな
ったものの中に飛灰の混入が多い上に、水槽内へ溶融物
を落下させて水砕するものは、その時に生ずる水蒸気が
溶融室内へ回って溶融室の温度を降下せしめ、燃料効率
を良くする他、この温度降下がまた飛灰の量を多くする
という問題があった。

【０００５】さらに、原灰の溶融物を水槽へ落下させる
ものは、出来上がったスラグが細粒化しており、建築資
材としての用途が狭められるという問題もあった。

【０００６】この発明の目的の一つは、飛灰の混入を極
力防止し、水砕処理する場合にも、炉内の温度降下を防
止できるように構成した、表面溶融炉を提供せんとする
にある。

【０００７】この発明のもう一つの目的は、飛灰の混入
を極力防止した上で、任意の大きさのスラグを得ること
のできる、表面溶融炉を提供せんとするにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ためにこの発明は、原灰を一方向へ流下させる傾斜炉床
を有し、耐火構造を備えた溶融室と、この溶融室の下方
に設置され該溶融室と連通した同じく耐火構造の排煙室
と、この排煙室の下方に設けられたスラグ送り出し用の
スクリューコンベヤーを備えた水槽と、前記傾斜炉床を
流下する原灰に対して高温の炎を噴出させるバーナーと
を含み、このバーナーによって溶融された原灰の溶融物
が傾斜炉床から排煙室を介して水槽内へ落下するように
構成すると共に、水槽にはその上部にエアー噴出手段を
取り付けたものである。

【０００９】この発明はさらに、原灰を一方向へ流下さ
せる傾斜炉床を有し耐火構造を備えた溶融室と、この溶
融炉の下方に設置され該溶融炉と連通した排煙室と、前
記傾斜炉床を流下する原灰に対して高温の炎を噴射させ
るバーナーとを含み、このバーナーによって溶融された
原灰の溶融物が排煙室を介して外部へ取り出されるよう
に構成するものである。

【００１０】この発明は上記いずれの場合にも溶融炉に
溶融室の傾斜炉床へ定量ずつ原灰を送り出すホッパーを
取り付けることができる。

【００１１】

【作用】請求項１のように構成すると、溶融室内へ供給
された原灰は傾斜炉床を流下移動する間に充分に加熱さ
れ、バーナーの噴射炎によって溶融されてさらに流下
し、その下部に設けられた排煙室内を滴下して水槽内へ
落下し、水砕されて細粒化したスラグとなり、スクリュ
ーコンベヤーで水槽外へと排出されることになる。その
際に、排煙室内を一方向へ高速移動している排煙により
飛灰が吹きとばされることにより、溶融物内や水槽内へ
飛灰が混入するのを極力防止することができるものであ
る。

【００１２】また、溶融物が水槽内で水砕される際に生
ずる水蒸気は、エアー噴出手段に遮られ、溶融室内へ浸
入することがないので、溶融室内の温度がこの水蒸気に
よって低下させられるのを防止することができるもので
ある。

【００１３】請求項２のように構成すると、排煙室を介
して外部へ排出された溶融物は、例えばバケットのよう
なものに貯められて固化されるので、これを破砕機にか
けて任意の粒度のスラグを得ることが可能となるもので
ある。

【００１４】請求項３のように構成すると、定量ずつ間
欠的に原灰が傾斜炉床へ供給されて来るので、溶融が容
易となり、均一に溶融され、未溶融物の発生を極力押さ
えることができるものである。

【００１５】

【発明の実施の形態】図面はこの発明の一実施例を示
し、図１と図２において、１は原灰受入用のホッパーで
あり、２はこのホッパー１へ原灰を供給する例えばベル
トコンベヤーのような移送手段である。このホッパー１
は溶融炉６に附設されており、シャッタープランジャー
３と切り出しプランジャー４を備えている。

【００１６】溶融炉６は上部に設けた溶融室６ａとこの
溶融室６ａの下方に互いに連通して設けられた排煙室６
ｂとを有し、炉受台１６上に載置されている。この溶融
炉６は内側を例えば高アルミナ質キャスタブル等の耐火
物６ｃで覆い、外側のとくに高温となる部分は、水冷式
となっており、冷却水８が循環させられる構造となって
いる。

【００１７】溶融室６ａ内には傾斜炉床６ｄが設置さ
れ、上部にはバーナー５が、一側部には熱風供給口６ｅ
が設置されている。排煙室６ｂの下部にはさらに互いに
連通して水槽１２が設置され、この水槽１２内には、ス
ラグ排出用のスクリューコンベヤー１７が設置されてい
る。１２ａはエアーカーテン用のエアー噴出手段であ
る。

【００１８】今、移送手段２より図示してない原灰スト
ックヤードより送られて来た原灰１ａは、所定量ずつホ
ッパー１内へ収容され、さらにシャッタープランジャー
３によって区分けされ、切り出しプランジャー４によっ
て、定量ずつ溶融室６ａの傾斜炉床６ｄ上へ間欠的に送
り出される。ホッパー１内には、例えば図示してないセ
ンサーが附設されており、ホッパー１内の原灰の量が一
定量以下になると、移送手段が動作し、原灰を供給す
る。また、シャッタープランジャー３も、切り出しプラ
ンジャー４が原灰１ａを溶融室６ａ内へ供給し原灰１ａ
の量が少なくなると、図示してないセンサーが作動し次
の原灰を供給するというように動作する。尚、原灰の供
給は、各プランジャー３と４の動作回数によって、行う
ようにしても良いであろう。

【００１９】溶融室６ａ内の傾斜炉床６ｄへ供給された
原灰１ａは、該傾斜炉床６ｄを流下する間に加熱され、
超耐火物の特殊セラミック９製の部分でバーナー５より
噴射される炎によって溶融される。溶融した溶融物１０
は、特殊セラミック９製の傾斜炉床６ｄをさらに流下
し、溶融室６ａより排煙室６ｂ内を経由して滴下しつ
つ、水槽１２の水１２ａ内へ落下して水砕され細粒状の
スラグ１３となる。このスラグ１３はスクリューコンベ
ヤー１７により外部へ排出される。

【００２０】バーナー５は重油、石油、及び廃油等を用
いることができ、このバーナー５へは図示してないブロ
ワーにより溶融室６ａや排煙室６ｂ内の高温の燃焼ガ
ス、或は溶融室６ａや排煙室６ｂより排出された高温の
排煙を冷却する図示してない冷却用の空冷式熱交換器よ
り排出される熱風が供給口５ａより導入される。この熱
風は溶融室６ａ内へはもう一つの熱風供給口６ｅより供
給し、炉内温度の維持が図られる。尚、１４は覗き窓、
１５は熱電対である。溶融室６ａ内の飛灰を含む熱風は
該溶融室６ａ内で渦を巻いたあと、連通口６ｆより排煙
室６ｂ内へ至り、飛灰と共に滴下する溶融物１０に吹き
つけ、飛灰を排出口１１へ向けて排出する。

【００２１】溶融物１０が傾斜炉床６ｄより排煙室６ｄ
内を滴下して水槽１２内へ落下し水砕された際に発生す
る水蒸気は、大部分は蒸気排出口１２ｂにより外部へ放
出されるが、排煙室６ｂの方へ上昇しようとするもの
は、エアー噴出手段７より噴出するエアーによって吹き
飛ばされて、その排出口７ａより外部へ排出され、図示
してないパイプを介して煙突より大気へ放出される。し
たがって、水蒸気が排煙室６ｂより溶融室６ａ内へ浸入
して炉内の温度を降下させる心配はない。そして、溶融
炉６は外側より冷却水８によって冷却されている。

【００２２】図３は溶融炉の他の実施例を示し、溶融炉
２０の排煙室２１の下部には、水槽は設けられていず、
排出口部２２ａを構成する例えば排出樋２２が取り付け
られており、溶融室内より滴下した原灰の溶融物２３は
排煙室２１より排出樋２２内へ落下し、その出口２２ａ
より外部へ取り出される。この出口２２ａの下部には例
えばバケット２４が置かれており、このバケット２４内
へ貯留され、自然冷却されることになる。

【００２３】

【発明の効果】この発明は以上のように構成したので次
のような効果を奏し得る。

【００２４】請求項１のように構成すると、原灰の溶融
物の落下によって発生する水槽内からの水蒸気がエアー
カーテンによって阻止され、溶融室や廃棄室内へ上昇し
てくることがないので、この溶融室や廃棄室内の温度低
下を防止して、飛灰の発生を防止し、燃料の節約を図る
ことができるものである。さらに、溶融室より飛灰と共
に滴下する原灰の溶融物は、排煙室内において一方向へ
移動する高温のガスが一方向より吹きつけられることに
より、飛灰のみを排煙口の方向へ排出させることができ
るものである。さらに、炉内の温度低下がないので、原
灰は完全に溶融し、硬度のあるスラグを得ることができ
る。

【００２５】請求項２のように構成すると、原灰は大き
な塊りのスラグとなるので、これを破砕することによ
り、任意の粒度の硬度のあるスラグを得ることができる
ので、コンクリート砂利の代用品としても利用すること
が可能となる。

【００２６】請求項３のように構成すると、装置全体を
自動化できる上に、常に適量の原灰の供給ができるの
で、未溶融の原灰がを極めて少なくすることができると
いう効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る焼却灰の表面溶融炉を概略的に
示す縦断面図である。

【図２】図１に示した溶融炉の水槽の部分を概略的に示
す断面図である。

【図３】この発明に係る溶融炉の他の実施例を説明する
ための説明図である。

【符号の説明】

１ ホッパー １ａ 原灰 ３ シャッタープランジャー ４ 切り出しプランジャー ５ バーナー ６ 溶融炉 ６ａ 溶融室 ６ｂ 排煙室 ７ エアー噴出手段 ８ 水 １０ 溶融物 １１ 排煙口 １２ 水槽 １２ａ 水 １３ スラグ １７ スクリューコンベヤー ２２ 排出樋 ２２ａ 排出口

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原灰を一方向へ流下させる傾斜炉床を有
   し耐火構造を備えた溶融室と、この溶融室の下方に設置
   され該溶融室と連通した同じく耐火構造の排煙室と、こ
   の排煙室の下方に設けられたスラグ送り出し用のスクリ
   ューコンベヤーを備えた水槽と、前記傾斜炉床を流下す
   る原灰に対して高温の炎を噴出させるバーナーとを含
   み、このバーナーによって溶融された原灰の溶融物が傾
   斜炉床から排煙室を介して水槽内へ落下するように構成
   すると共に、水槽にはその上部にエアー噴出手段を取り
   付けたことを特徴とする、焼却灰の表面溶融炉。
2. 【請求項２】 原灰を一方向へ流下させる傾斜炉床を有
   し耐火構造を備えた溶融室と、この溶融炉の下方に設置
   され該溶融炉と連通した排煙室と、前記傾斜炉床を流下
   する原灰に対して高温の炎を噴射させるバーナーとを含
   み、このバーナーによって溶融された原灰の溶融物が排
   煙室を介して外部へ取り出されるように構成したことを
   特徴とする、焼却灰の表面溶融炉。
3. 【請求項３】 溶融炉にはさらに溶融室の傾斜炉床へ定
   量ずつ原灰を送り出すホッパーが取り付けられているこ
   とを特徴とする、請求項１乃至２のいずれかに記載の焼
   却炉の表面溶融炉。