JPH09317658A - ロータリ型ポンプ - Google Patents

ロータリ型ポンプ

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JPH09317658A
JPH09317658A JP13145596A JP13145596A JPH09317658A JP H09317658 A JPH09317658 A JP H09317658A JP 13145596 A JP13145596 A JP 13145596A JP 13145596 A JP13145596 A JP 13145596A JP H09317658 A JPH09317658 A JP H09317658A
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JP
Japan
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rotor
eccentric
eccentric member
housing
peripheral surface
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JP13145596A
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English (en)
Inventor
Shoji Morita
正二 盛田
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンプ効率の向上と、構造の簡素化を図りつ
つ、駆動軸と偏心部材の成形加工作業能率の向上を図る
と共に、設備の大型化及びコストを抑制する。 【解決手段】 ハウジング1のトロコイド面6に沿って
回転運動するロータ5を、駆動軸4の外周に有するエキ
セントリックカラー10を介し回転させることにより、
各作動室16a〜16cの容積を変化させてポンプ作用
を行う。前記駆動軸4とエキセントリックカラー10を
別体に形成すると共に、該エキセントリックカラー10
を焼結鍛造法などによる焼結合金材で成形した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の潤
滑油や作動油のオイルポンプとして用いられるロータリ
型ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、自動車用内燃機関へ潤滑
油を供給したり、パワーステアリングへ作動油を供給す
るオイルポンプとしては、内接式ギアポンプやプランジ
ャポンプ等、種々のものが存在している。
【0003】ところで、一般に自動用内燃機関として
は、いわゆるレシプロエンジンの他に、トロコイド曲面
をロータが摺接しながら1回転運動を行う毎に吸入,圧
縮,膨張,排気の4行程が連続して行われるバンケル形
のロータリエンジンが知られている(実開昭62−40
202号,実開昭64−15726号公報等参照)。
【0004】このバンケル形ロータリエンジンの概略を
説明すれば、内周面にペリトロコイド面を有するロータ
リハウジングの両側面にサイドハウジングが設けられて
いると共に、ロータリハウジングの内部にはほぼ三角形
状のロータがペリトロコイド曲面に摺接しながら回動自
在に収納されており、このロータ外周面とペリトロコイ
ド曲面との間に3つの作動室が形成されている。また、
両サイドハウジングを貫通したクランクシャフトである
出力軸の所定外周面には、中心が該出力軸の軸心と偏心
した円板状のエキセントリック部が一体に設けられてお
り、このエキセントリック部の外周でロータの内周面が
軸受けされている。さらに、一方のサイドハウジングの
出力軸貫通孔の内周面には小径な固定歯車が作動室内に
臨んで固着されている一方、ロータの一端側内周面に固
定歯車を噛合するロータ歯車が形成されている。
【0005】また、前記ロータリハウジングは、一側部
に吸気ポートと排気ポートが並行に形成されていると共
に、その反対側に一対の点火プラグが取り付けられてい
る。
【0006】そして、エンジン始動後のロータの回転に
伴いエキセントリック部及び出力軸が回転すると共に、
ロータ歯車が固定歯車とかみ合って回転することによ
り、ロータの頂点がロータハウジングの基本曲線である
ペリトロコイド曲線を画いて回転運動をしながら、動力
を出力軸に伝達する。すなわち、ロータの回転に伴い吸
気ポートが開き、吸入行程が始まり、2つの作動室の容
積が徐々に大きくなって最大となった時点で、吸気ポー
トが自動的に閉成される。その後、該作動室内の混合気
が圧縮され、圧縮上死点付近で点火されて膨張行程に移
行する。次に、膨張行程を経た後、排気ポートが開き、
排気行程が完了した後、再び吸入行程に移行する。これ
によって、ロータの1回転ごとに出力軸が3回転して、
該出力軸に動力が伝達されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ロ
ータリエンジンにあっては、出力軸とエキセントリック
部が一体に形成されているため、成形加工作業が煩雑に
なると共に、成形加工する鍛造装置等の設備が大型化
し、加工コスト及び設備のコストの大巾な高騰が余儀な
くされている。すなわち、出力軸はエキセントリック部
との一体化によりその外形が複雑になり、また長手方向
の外径変化が大きくなっている。しかも、出力軸は高い
捩り剛性等が要求されることから一般に熱間鍛造法によ
って成形されているが、この熱間鍛造は、大きな鍛造圧
力や熱負荷等が発生するため、必然的に鍛造装置が大型
化し、かつ高い精度の工具鋼などが要求される。したが
って、エキセントリック部との一体化に伴い鍛造装置等
の設備の一層の大型化と加工精度を得るために加工工数
の増加が余儀なくされている。この結果、加工作業能率
の低下と加工及び設備コストの大巾な高騰を招いてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロータリエン
ジンの基本構成を利用した例えばオイルポンプを実用化
するに際し、ロータリエンジンのもつ課題を解決するた
めに案出されたもので、請求項1記載の発明は、一端面
にほぼまゆ状の凹部が形成されたハウジングと、該凹部
の一端開口を閉塞するカバーと、ハウジングの凹部内に
回転自在に収納され、各頂部が前記凹部の内周面に形成
されたトロコイド曲面に沿って回転運動するほぼ三角形
状のロータと、前記ハウジングおよびカバーに貫通配置
され、偏心部材を介して前記ロータに回転力を伝達する
駆動軸と、前記トロコイド曲面とロータ外周面との間に
形成された複数の作動室と、ロータの回転に伴う圧縮行
程中に容積が減少する一の作動室内の非圧縮流体を外部
に流出させる通路部とを備えたロータリ型ポンプであっ
て、前記駆動軸と偏心部材とを別体に形成したことを特
徴としている。
【0009】請求項2記載の発明は、前記偏心部材を焼
結合金材で形成したことを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明は、前記偏心部材に回
転バランス用の肉抜き部を形成したことを特徴としてい
る。
【0011】請求項4記載の発明は、前記偏心部材をエ
キセントリックカラーとしたことを特徴としている。
【0012】請求項5記載の発明は、前記偏心部材をエ
キセントリック歯車としたことを特徴としている。
【0013】したがって、本発明によれば、駆動軸と偏
心部材との別体化により駆動軸の形状を単純化できると
共に、偏心部材を粉末冶金法による焼結合金材によって
成形できるため、装置の大型化と加工工数の増加を抑制
できる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明に係るロー
タリ型ポンプの一実施例を示し、内燃機関のシリンダブ
ロック等に固定されたハウジング1と、該ハウジング1
の一端部に平ボルト3によって固定されてハウジング1
内部に形成されたまゆ状の凹部1bの一端開口を閉塞す
るカバー2と、ハウジング1とカバー2の各中央部に有
する貫通孔1a,2a内に挿通配置された駆動軸4と、
前記ハウジング1内部の凹部1bとカバー2とで画成さ
れた内部に回転自在に収納されたほぼ三角形状のロータ
5とを備えている。
【0015】前記ハウジング1は、凹部1bの内周面が
まゆ状のトロコイド曲面6に形成されていると共に、カ
バー2と反対側の内周部外面に筒状の突起部7が一体に
設けられている。前記カバー2は、外形がハウジング1
と同じ矩形状に形成され、図外の位置決めピンによって
ハウジング1に位置決め固定されている。
【0016】前記駆動軸4は、図外の内燃機関のクラン
クシャフトに直結されて、該クランクシャフトと1対1
の回転比で回転するようになっていると共に、外周面に
偏心部材であるエキセントリックカラー10が固定され
ている。すなわち、この駆動軸4とエキセントリックカ
ラー10は別体に形成され、このエキセントリックカラ
ー10が駆動軸4の外周面凹溝に長手方向に配置された
キー11によって固定されている。したがって、駆動軸
4は、大小径の段差は有しているものの、外形が単純な
円柱状に形成されている。また、駆動軸4の先端部4a
には、駆動プーリ12が軸方向から螺着したボルト13
によって固定されている一方、駆動軸4の基端側段差部
4bには、歯車部14が固定されている。
【0017】前記、駆動プーリ12は、本体の内周部に
駆動軸4の外周に被嵌する筒部12aを有していると共
に、タイミングベルトを介して駆動軸4に回転力を伝達
するようになっている。尚、ハウジング1の突起部7と
駆動プーリ12の筒部12aとの間にはシール部材15
が介装されている。
【0018】前記エキセントリックカラー10は、粉末
冶金法によって焼結合金材で成形され、図2及び図3に
も示すように駆動軸4の外周面に被嵌する筒状部10a
と、該筒状部10aの駆動プーリ12側外周面に一体に
形成された偏心板10bとからなり、その中心Pが駆動
軸4の軸心Xからε分だけ偏心している。また、前記筒
状部10aは、前後端部がハウジング1の挿通孔1aと
カバー2の挿通孔2aまで延設されて、前端部が駆動プ
ーリ12の筒部12aの端縁に、後端部が歯車部14の
端面に夫々当接して軸方向の位置決めがされている。ま
た、偏心板10bには、重量回転バランスを取るための
肉抜き部である大小複数の孔Hが周方向に配置されてい
る。
【0019】前記ロータ5は、その厚さ巾がハウジング
1の凹部1bの巾よりも若干小さく設定され、各頂部5
a〜5c間の外面とトロコイド面6との間に3つの作動
室16a,16b,16cを形成していると共に、各頂
部5a〜5cがトロコイド曲面6に沿ってペリトロコイ
ド曲線を画きながら回転運動を行うようになっている。
また、ロータ5の中央には、図2に示すように円形孔が
形成されており、この円形孔の内周面5dが前記エキセ
ントリックカラー10の偏心板10bの外周面に嵌合支
持されて、該偏心板10bから内周面5dを介してロー
タ5に回転力が伝達されるようになっている。
【0020】また、前記ハウジング1は、図2に示すよ
うに一側壁内に凹部1bに連通する下側の吸入ポート1
8と上側の吐出ポート19が略水平方向に沿って貫通形
成されていると共に、吸入,吐出ポート18,19と反
対側の他側壁の内部には、圧縮行程時に容積が減少する
第1作動室16aと、該第1作動室16aにロータ5回
転方向の隣接する第2作動室16bとを連通する通路部
である連通路20が形成されている。
【0021】すなわち、この連通路20は、ほぼ横U字
形状に折曲形成されて、一端開口20aはロータ5の回
転に伴い一つの頂部5bが他側壁側のトロコイド曲面6
に摺接している状態で隔成される第1作動室16aに連
通配置され、他端開口20bは第2作動室16bに連通
配置されるように形成されている。また、連通路20の
最大容積値は、第1作動室16aの最大容積値から図2
に示すように、一つの頂部5bが他端開口20bを閉止
した状態時における第1作動室16aの容積値を差し引
いた容積値と同一かあるいはそれ以上の大きさに設定さ
れている。
【0022】そして、前記カバー2とロータ5との間に
は、図1及び図2に示すように該ロータ5をトロコイド
曲面6に沿って回転案内する案内手段が設けられてい
る。この案内手段は、カバー2の内側面2b外周側に形
成された無端状のガイド溝8と、ロータ5の前記カバー
内側面2b側の一側面5eに形成された有底状の3つの
ピン保持孔17と、該ピン保持孔17内に圧入固定され
たガイドピン9とから構成されている。
【0023】前記ガイド溝8は、図1及び図2に示すよ
うに横断面ほぼ矩形状を呈し、トロコイド曲面6に沿っ
てまゆ形状に切欠形成されている。また、前記各ピン保
持孔17は、有底円柱状を呈し、ロータ5一側面5eの
頂部5a,5b,5c付近つまり各頂部5a〜5cの頂
点とロータ5の中心Pを結ぶ線上でかつ頂点5a〜5c
近傍に配置形成されて、ガイド溝8に対向している。さ
らに、金属製のガイドピン9は、基端部9aが各ピン保
持孔17内に圧入固定されていると共に、先端部9bが
ガイド溝8内に摺動自在に嵌挿している。
【0024】また、前記ガイド溝8とガイドピン9の先
端部9b外周面との間には、図4に示すように円環状の
クリアランスC1が径方向に形成されており、このクリ
アランスC1はロータ5の外周面とトロコイド曲面6と
の間に形成されたクリアランスC2よりも小さく設定さ
れている。すなわち、ガイド溝8に対するガイドピン9
の円滑な摺動性を確保するために該両者8,9間にクリ
アランスC1が形成され、一方、ロータ5の外周面とト
ロコイド曲面6との間には、該ロータ5の自由な回転運
動を確保するために、クリアランスC2が形成されてい
るが、本実施例では、ロータ5の案内手段としてのガイ
ド溝8とガイドピン9との間のクリアランスC1を前記
クリアランスC2よりも径方向で小さく設定したもので
ある。このため、ロータ5は、案内手段によって正規な
回転方向に案内されるが、駆動軸を中心とした正逆の自
由な回転規制され、つまりはロータ5の径方向の自由移
動が規制されて、ロータ5の外周面とトロコイド曲面6
との間に形成されクリアランスC2が、前記トロコイド
曲面6に沿った均一な巾に形成される。
【0025】以下、本実施例の作用を説明すれば、4行
程ロータリエンジンと入出力経路が反対になり、駆動プ
ーリ12を介して駆動軸4が回転駆動すると、エキセン
トリックカラー10も同期回転して外周面とロータ内周
面5dを介してロータ5に回転力を伝達する。このた
め、該ロータ5は、案内手段の各ガイドピン9の先端部
9bがガイド溝8内を摺動しながらスムーズに案内され
てトロコイド曲線に沿って回転運動する。このとき、吸
入ポート18に連通した例えば第1作動室16a内に潤
滑油が吸入されて、ロータ5の回転により最大容積とな
った第1作動室16a内に潤滑油が満たされて、そのま
ま圧縮行程に移行する。そして、圧縮行程が開始(第1
作動室16aの容積減少開始)すると同時に、第1作動
室16aが連通路20によって第2作動室16bと連通
するため、第1作動室16a内の潤滑油が第2作動室1
6b内に流入して、第1作動室16aの移行に伴う容積
減少を許容する。その後、膨張行程に移行して第2作動
室16b内に満たされた潤滑油は、該第2作動室16b
に連通した吐出ポート19内にロータ5回転力によって
圧送される。これによって、一連のポンプ作用がスムー
ズに行われる。
【0026】このように、本実施例によれば、ロータリ
エンジンの基本構造に若干の改良を加えることによっ
て、ロータリ型のオイルポンプを実用化することが可能
になったため、各作動室16a〜16cの容積増加に伴
いロータ5の1回転当たりの吐出量を増加させることが
でき、ポンプ効率の向上が図れる。つまり、各作動室1
6a〜16cの最大容積が他の内接式ギアポンプなどに
比較して大きいため、1回の吐出量が多くなる。この結
果、従前のオイルポンプと同一のポンプ容量であれば、
全体の構造を十分に小さくすることが可能になり、ポン
プのコンパクト化と軽量化が図れる。
【0027】また、従前のポンプに比較して構造が簡単
であるため、製造作業能率の向上とコストの大巾な低廉
化が図れる。
【0028】さらに、本実施例では、駆動軸4とエキセ
ントリックカラー10を夫々別体に形成したため、駆動
軸4の長手方向の形状を横断面ほぼ円形状の単純な形状
にすることができると共に、エキセントリックカラー1
0を粉末冶金法の焼結鍛造法などによる焼結合金材によ
り成形することが可能になる。したがって、駆動軸4を
たとえ熱間鍛造方法によって成形するとしても、形状が
単純かつ小径であるため大型な熱間鍛造装置が不要にな
ると共に、高い加工精度が要求されないため該加工工数
の増加が十分に抑制できる。また、エキセントリックカ
ラー10を焼結成形法によって成形したことにより、成
形加工作業が容易になる。
【0029】この結果、駆動軸4とエキセントリックカ
ラー10全体の成形加工作業能率の向上と設備の大型化
が抑制されて、加工,設備コストの大巾な低廉化が図れ
る。
【0030】また、エキセントリックカラー10には、
回動バランス用の複数の孔Hを形成したため、アンバラ
ンスによる振動低減や軽量化が図れる。また、エキセン
トリックカラー10を、前述のように粉末冶金法による
焼結合金材により成形できるため、孔Hの大きさや個数
も自由に選択できる。したがって、より最適な回転バラ
ンスを確保できる。
【0031】しかも、本実施例では、歯車に代えて主と
してガイド溝8及びピン保持孔17に保持された各ガイ
ドピン9をロータ5の案内手段として構成したため、構
造の大巾な簡素化と部品点数の削減が図れる。このた
め、案内手段の製造作業能率の向上とコストの低廉化が
図れる。
【0032】また、前述のようにガイド溝8と各ガイド
ピン9との間のクリアランスC1を、ロータ5とトロコ
イド曲面6との間のクリアランスC2よりも小さく設定
したため、前述のように、ロータ5は駆動軸4を中心と
した正逆自由な回転をクリアランスC1の小さいガイド
ピン9で規制されて、クリアランスC2は均一な巾に形
成されることになる。したがって、回転運動中における
ロータ5は、外周面がトロコイド曲面6に直接摺接する
ことなく、いずれの部位においても常に非接触状態で回
転する。このため、ロータ5とトロコイド曲面6との摺
動摩耗の発生が防止される。
【0033】この結果、ポンプの耐久性が大幅に向上す
ると共に、ロータ5外周面やトロコイド曲面6に耐摩耗
材を施したり、ロータ5やハウジング1全体を耐摩耗材
で形成する必要がなくなる。このため、ポンプの製造や
材料コストの高騰を抑制することができる。
【0034】また、ガイド溝8とガイドピン9とは摺接
するため、ここに摩耗の発生するおそれがあるが、夫々
の外表面はロータ外周面やトロコイド曲面6に比較して
極めて小さいので、ここに耐摩耗材を施したり、ガイド
ピン9全体を耐摩耗材で形成したとしても、製造,材料
コストの大巾な高騰を招来しない。
【0035】また、ここで、ロータ5外周面とトロコイ
ド曲面6との間にクリアランスC2が形成されて常に非
接触状態となるため、このクリアランスC2から油がリ
ークしてポンプ効率に影響するようにも考えられるが、
本発明はエンジン潤滑油やパワーステアリング用の作動
油等の非圧縮性の粘性流体を対象としており、しかも他
のプランジャポンプ等におけるシリンダとピストンとの
間のクリアランスと同様な大きさであるからポンプ効率
に影響を与えることはない。
【0036】さらに、本実施例では従来例のような歯車
を取り付けるためのスペースが全く不要になるため、ポ
ンプの小型化と軽量化が図れる。
【0037】また、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、例えば案内手段のガイド溝8をハウ
ジング1の凹部1bの底面にトロコイド曲面6に沿って
形成すると共に、ロータ5の凹部1b側他側面5fに3
つのピン保持孔17を形成し、ここに各ガイドピン9を
圧入固定し、さらにこのガイドピン9とガイド溝との間
のクリアランスをロータ5とトロコイド曲面6との間の
クリアランスよりも小さく設定することも可能である。
【0038】さらに、案内手段のガイド溝を、ロータ5
の外周部側の一側面5eあるいは他側面5f側に形成す
る一方、複数のピン保持孔をカバー2の内側面2bある
いはハウジング1の凹部1b底面に形成して、ここにガ
イドピンを圧入固定すると共に、該ガイドピンとガイド
溝との間のクリアランスをロータ5とトロコイド曲面6
との間のクリアランスよりも小さく設定することも可能
である。
【0039】また、案内手段としては、前記ガイド溝と
ガイドピンに限定されるものではなく、均一なクリアラ
ンスC2を確保できるものであれば、他の構成による案
内手段でもよい。さらに、肉抜き部を孔Hに代えて溝と
してもよい。また、偏心部材はエキセントリックカラー
10だけではなく、歯車形式のものであってもよい。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係るロータリ型ポンプによれば、ロータリエンジンの基
本構造を利用したロータリ型ポンプの実用化が可能にな
ったことは勿論のこと、駆動軸と偏心部材を別体に形成
したため、駆動軸全体の小径化と形状の簡素化が図れ、
該駆動軸を成形加工する鍛造装置等の設備の大型化が不
要になる共に、加工工数の増加を十分に抑制できる。ま
た、偏心部材を粉末冶金法の焼結鍛造法による焼結合金
材によって成形したため、成形加工が容易になる。この
結果、駆動軸と偏心部材全体の成形作業能率の向上と加
工,設備コストの低廉化が図れる。
【0041】しかも、前述のように偏心部材を粉末冶金
法によって成形したことにより回転バランス用の肉抜き
部の大きさや個数等を自由に選択することが可能になる
ので、より最適な回転バランスが得られ、振動低減効果
が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロータリ型ポンプの実施例を示す縦断
面図。
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】本実施例に供されるエキセントリックカラーの
斜視図。
【図4】本実施例の一部拡大図。
【符号の説明】
1…ハウジング 1b…凹部 1c…一側面 2…カバー 2b…内側面 4…駆動軸 5…ロータ 5a〜5c…頂部 6…トロコイド曲面 8…ガイド溝 9…ガイドピン 10…エキセントリックカラー(偏心カラー) 16a〜16c…作動室 17…ピン保持孔 20…連通路(通路部)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端面にほぼまゆ状の凹部が形成された
    ハウジングと、該凹部の一端開口を閉塞するカバーと、
    ハウジングの凹部内に回転自在に収納され、各頂部が前
    記凹部の内周面に形成されたトロコイド曲面に沿って回
    転運動するほぼ三角形状のロータと、前記ハウジングお
    よびカバーに貫通配置され、偏心部材を介して前記ロー
    タに回転力を伝達する駆動軸と、前記トロコイド曲面と
    ロータ外周面との間に形成された複数の作動室と、ロー
    タの回転に伴う圧縮行程中に容積が減少する一の作動室
    内の非圧縮流体を外部に流出させる通路部とを備えたロ
    ータリ型ポンプであって、 前記駆動軸と偏心部材とを別体に形成したことを特徴と
    するロータリ型ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記偏心部材を焼結合金材で形成したこ
    とを特徴とする請求項1記載のロータリ型ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記偏心部材に回転バランス用の肉抜き
    部を形成したことを特徴とする請求項1記載のロータリ
    型ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記偏心部材をエキセントリックカラー
    としたことを特徴とする請求項1記載のロータリ型ポン
    プ。
  5. 【請求項5】 前記偏心部材をエキセントリック歯車と
    したことを特徴とする請求項1記載のロータリ型ポン
    プ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114215753A (zh) * 2021-12-20 2022-03-22 珠海格力电器股份有限公司 一种曲轴、泵体结构、压缩机及空调器

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CN114215753A (zh) * 2021-12-20 2022-03-22 珠海格力电器股份有限公司 一种曲轴、泵体结构、压缩机及空调器

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