JPH0931759A - 力学特性の優れた活性炭素繊維およびその製造方法 - Google Patents

力学特性の優れた活性炭素繊維およびその製造方法

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JPH0931759A
JPH0931759A JP17527395A JP17527395A JPH0931759A JP H0931759 A JPH0931759 A JP H0931759A JP 17527395 A JP17527395 A JP 17527395A JP 17527395 A JP17527395 A JP 17527395A JP H0931759 A JPH0931759 A JP H0931759A
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activated carbon
fiber
carbon fiber
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excellent mechanical
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JP17527395A
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Katsuhiko Shinada
勝彦 品田
Hidehiko Ohashi
英彦 大橋
Nobuyuki Yamamoto
伸之 山本
Akihiro Sakimae
明宏 崎前
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工する際にも糸切れ、ほつれなどの問題が
ない、優れた力学的特性を有するので、多様な形態への
加工が可能で従来の活性炭、活性炭素繊維にない用途を
創出でき、吸着能においても優れた性能を発揮する活性
炭素繊維とその製造方法を提供する。 【構成】 引張強度50kg/mm2以上、引張弾性率
5ton/mm2以上、表面積500m2/g以上、繊維
直径5〜10μmの力学特性の優れた活性炭素繊維とア
クリロニトリル系共重合体からなる繊維を酸化性ガス雰
囲気中耐炎化処理し繊維密度1.35g/cm3以上の
耐炎化糸とした後、水蒸気中で賦活化することにより引
張強度50kg/mm2以上、引張弾性率5ton/m
2以上、表面積500m2/g以上、繊維直径5〜10
μmとすることを特徴とする力学特性の優れた活性炭素
繊維の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、力学特性の優れる
活性炭素繊維とその製造法に関するものであり、さらに
詳しくはアクリロニトリル系共重合体からなる繊維を原
料として用い、これを耐炎化し、次いで水蒸気賦活する
ことによる力学特性の優れる活性炭素繊維とその製造法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より活性炭は水処理、溶剤回収、空
気の清浄化、触媒の架体等、種々の用途に用いられてき
たが、近年はより一層公害防止の見地からその用途、使
用量は大きくのびつつある。活性炭は多く粒状、粉状の
形態で利用されてきたが、その使用面、加工面には、大
きな制約があった。その点、活性炭素繊維は、織布、不
織布、フェルトへの加工が可能なことから使用面で大き
な広がりが期待されている。
【0003】しかしながら、上記の加工を可能にするた
めには十分な力学的特性を有することが必要であり、ま
た、十分な吸着性能を発揮するためには繊維状としても
500m2/g以上の比表面積を有することが必要であ
る。
【0004】このような見地から、ポリアクリロニトリ
ル系、ピッチ系、セルロース系、フェノール系の繊維か
ら得られた活性炭素繊維がすでに検討されている。その
中でも、ポリアクリロニトリル系繊維から得られる活性
炭素繊維は力学的特性において、他を凌ぐ特性を有する
ことが知られている。
【0005】特開昭51−137694号公報には、活
性炭素繊維が脆弱な力学特性を改良することを目的とし
て、繊維を紡糸する際、溶媒として塩化亜鉛系水溶液を
使用し、耐炎化する際は自由収縮率を50〜90%に調
節する、さらには酸化工程おいては、繊維に高張力を付
与し配向を高め、また、付与酸素結合量があまり多くな
らない段階で炭素化工程に移行する、といった手法が開
示されている。
【0006】また、特開昭53−45426号公報に
は、繊維の引張強度が31〜36kg/mm2、繊維直
径が5〜15μm、比表面積が1000〜1050m2
/gの活性炭素繊維が開示されている。
【0007】さらに、特開昭59−7534号公報に
は、張力が付与された下で耐炎化されたMg、Zn、S
b、CaまたはPを含む化合物を特定量含有する耐炎化
繊維を300〜800℃の不活性雰囲気下で熱処理し、
次いで張力下700〜1000℃でガス賦活する方法が
開示され、この方法によって得られた活性炭素繊維が繊
維の引張強度が31〜43kg/mm2、比表面積が8
50〜1100m2/gという性能を有することも開示
されている。
【0008】ところで、現在市販されている東邦レーヨ
ン株式会社製の活性炭素繊維「ファインガード」は、繊
維の引張強度が20〜50kg/mm2、繊維直径7〜
15μm、比表面積500〜1200m2/gである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の活性炭
素繊維は脆弱な力学特性の改善は見られるものの、やは
り加工する際には糸切れ、ほつれなどの問題があり、優
れた力学的特性を有するとは言い難い。
【0010】本発明の目的は、力学特性に優れるだけで
なく吸着能においても優れた性能を発揮する活性炭素繊
維とその製造方法を提供することにある。そして、これ
によって、取扱性、加工性、形態保持性に優れ、その形
態の多様性から従来の活性炭、活性炭素繊維にない用途
を創出するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の要旨は、
引張強度50kg/mm2以上、引張弾性率5ton/
mm2以上、比表面積500m2/g以上、繊維直径5〜
10μmの力学特性の優れた活性炭素繊維にあり、第2
の要旨はアクリロニトリル系共重合体からなる繊維を酸
化性ガス雰囲気中耐炎化処理し繊維密度1.35g/c
3以上の耐炎化糸とした後、水蒸気中で賦活化するこ
とにより引張強度50kg/mm2以上、引張弾性率5
ton/mm2以上、比表面積500m2/g以上、繊維
直径5〜10μmとすることを特徴とする力学特性の優
れた活性炭素繊維の製造法にある。
【0012】
【発明の実施形態】以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明において、繊維直径、引張強度および弾性率、比
表面積、繊維密度はそれぞれ、レーザー法、JIS R
7601オートグラフ法、BET法(N2)、密度勾配
管法に準じて測定される値である。
【0013】本発明の活性炭素繊維は、引張強度50k
g/mm2以上、引張弾性率5ton/mm2以上という
極めて優れた力学的特性を示し、織物、フェルト、不織
布への加工、すなわち織機、ニードルパンチ、カード機
といった繊維へのダメージが大きな加工によっても糸切
れ、ほつれが発生することがなく、様々な形態の活性炭
素繊維材が形成可能となり、様々な用途への展開が可能
となり工業的、商業的その意義は極めて高い。
【0014】しかも、本発明の活性炭素繊維は、繊維直
径が5〜10μmと小さく、比表面積が500m2/g
以上と大きいので、通常の活性炭と比較しても見劣りし
ない吸着能力を発揮できるものである。
【0015】つぎに本発明の活性炭素繊維の製造方法に
ついて説明する。本発明の活性炭素繊維の原料となる繊
維は、アクリロニトリルを主成分とするアクリロニトリ
ル系共重合体であることが必要である。この繊維を構成
するアクリロニトリル系重合体としては、アクリロニト
リル96%以上を含み、かつ共重合体としてアクリルア
ミドまたはメタアクリル酸を含むものが好ましい。原料
繊維がアクリロニトリル系共重合体からなる繊維でない
場合は力学的特性があまり優れたものは得られない。
【0016】本発明において、耐炎化処理とは上記の繊
維を緊張下200〜300℃において酸性ガス雰囲気中
で1〜10時間処理することを指す。このとき、繊維の
密度は1.35g/cm3以上となるまで耐炎化するこ
とが上記した優れた力学特性を得るために必要である。
【0017】また、耐炎化処理の温度が200℃未満で
処理すると十分に耐炎化されず、300℃より高い温度
では耐炎化が急速に進み十分に均一な耐炎化ができず、
活性炭としての性能が劣ったものしかできない。耐炎化
処理が完了しているか否かはマッチテストで簡単に判定
できる。耐炎化処理では酸素結合量ができるだけ高い方
が、性能の優れた活性炭を得ることができ、耐炎化処理
条件により活性炭素繊維の性能を制御しうる。
【0018】本発明において、賦活処理とは、得られた
耐炎性繊維を600℃〜1200℃好ましくは800〜
1000℃にて水蒸気中で加熱することである。600
℃未満の温度では十分に賦活が進まず、また1200℃
より高い温度では水蒸気の拡散速度に影響がでて活性炭
として吸着能および繊維としての引張強度が下がりすぎ
て形態保持性が低下して好ましくない。
【0019】賦活時間は過賦活にならぬ限り収率が低下
するに従って吸着能は向上するが、形態保持力は収率が
減少するにしたがって下がつてくるので目的とする性能
から自由に制御することができる。一般に1分〜200
分の範囲で賦活は行われる。好ましくは3分〜30分の
範囲である。
【0020】このようにして得られた活性炭素繊維は、
取扱の大きさに応じて加工され通常の活性炭の用途に向
けることができる。その性能は吸着能は十分であり、ま
た取り扱い性、加工性も良好で工業的に優れた活性炭を
得ることができる。 また、吸着材としての利用以外に
も高強度を生かし、セメント・コンクリートなどに混入
させ、建築・土木材料として利用することができる。表
面積が大きいことから、従来問題とされていたセメント
・コンクリートなどとの接着性が向上し、今までにない
強度材としても利用できる。
【0021】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、実施例中において、ベンゼン吸着量
は、JIS K‐1470に準拠し測定した値である。
【0022】(実施例1)アクリロニトリル98%およ
びメタアクリル酸2%からなる繊維を空気中240℃の
温度にて1時間、緊張下加熱して耐炎化処理した。この
ときの重量減少は、5%であつた。この耐炎化繊維を炉
にいれ800℃の温度で3分間、水蒸気を5g/分の割
合で供給して賦活処理した。この賦活処理した活性炭素
繊維の賦活収率は35%、比表面積は800m2/g、
ベンゼン吸着量は30%で、非常に吸着能がよいことが
わかった。 さらに、単繊維引張強度を測定したとこ
ろ、引張強度150kg/mm2、引張弾性率15to
n/mm2であった。
【0023】(実施例2)アクリロニトリル96%およ
びアクリルアミド3%メタアクリル酸1%からなる繊維
を空気中230℃の温度にて2時間緊張下加熱して耐炎
化処理した。このときの重量減少は10%であった。こ
の耐炎化繊維を炉にいれ800℃の温度で5分間水蒸気
量10g/分の割合に供給して賦活処理した。この賦活
処理した活性炭素繊維の賦活収率は25%で、比表面積
は1500m2/g、ベンゼン吸着量は45%で非常に
吸着能がよいことがわかった。 さらに単繊維引張強度
を測定したところ、引張強度l60kg/mm2、引張
弾性率17ton/mm2であった。
【0024】(実施例3)賦活処理する炉の温度を10
00℃とした他は、実施例1と同様な処理を行い活性炭
素繊維を得た。賦活処理した活性炭素繊維の賦活収率は
33%で、比表面積は900m2/g、ベンゼン吸着量
は35%で非常に吸着能がよいことがわかった。さらに
単繊維引張強度を測定したところ、引張強度250kg
/mm2、引張弾性率25ton/mm2であった。
【0025】(実施例4)賦活処理する炉の温度を10
00℃とした他は、実施例1と同様な処理を行い活性炭
素繊維を得た。賦活処理した活性炭素繊維の賦活収率は
20%で、比表面積は1400m2/g、ベンゼン吸着
量は50%で非常に吸着能がよいことがわかった。さら
に単繊維引張強度を測定したところ、引張強度240k
g/mm2、引張弾性率24.5ton/mm2であっ
た。
【0026】
【発明の効果】本発明の活性炭素繊維は、加工する際に
も糸切れ、ほつれなどの問題がない、優れた力学的特性
を有するので、多様な形態への加工が可能で従来の活性
炭、活性炭素繊維にない用途を創出でき、吸着能におい
ても優れた性能を発揮する。
フロントページの続き (72)発明者 崎前 明宏 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張強度50kg/mm2以上、引張弾
    性率5ton/mm2以上、表面積500m2/g以上、
    繊維直径5〜10μmの力学特性の優れた活性炭素繊
    維。
  2. 【請求項2】 アクリロニトリル系共重合体からなる繊
    維を酸化性ガス雰囲気中耐炎化処理し繊維密度1.35
    g/cm3以上の耐炎化糸とした後、水蒸気中で賦活化
    することにより引張強度50kg/mm2以上、引張弾
    性率5ton/mm2以上、比表面積500m2/g以
    上、繊維直径5〜10μmとすることを特徴とする力学
    特性の優れた活性炭素繊維の製造方法。
JP17527395A 1995-07-11 1995-07-11 力学特性の優れた活性炭素繊維およびその製造方法 Pending JPH0931759A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3592636B2 (ja) * 1998-02-17 2004-11-24 カネボウ株式会社 気体化合物吸着貯蔵用活性炭
JP2007070742A (ja) * 2005-09-05 2007-03-22 Toray Ind Inc 炭素繊維の製造方法およびその装置

Cited By (3)

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