JPH09317242A - 電柱の支持方法 - Google Patents
電柱の支持方法Info
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- JPH09317242A JPH09317242A JP8157642A JP15764296A JPH09317242A JP H09317242 A JPH09317242 A JP H09317242A JP 8157642 A JP8157642 A JP 8157642A JP 15764296 A JP15764296 A JP 15764296A JP H09317242 A JPH09317242 A JP H09317242A
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- Japan
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- tension
- utility pole
- arm
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来より小さな支線張力で電柱を支持するこ
とを可能とすることにより支線の根開きを幅狭に抑え
る。 【解決手段】 架空電線路の張力に対抗可能な支線を、
所定の取付角度をもって電柱上部と地面との間に張設す
る電柱の支持方法において、電柱1に作用する張力Pと
反対側に、電柱から略水平に張り出す所定長のアーム1
1を設け、このアームを介して支線2を電柱に取り付け
る。アームの長さlは、例えば0.5〜1.0m程度と
することが出来る。支線取付角αを小さくして根開きh
を幅狭にできる。
とを可能とすることにより支線の根開きを幅狭に抑え
る。 【解決手段】 架空電線路の張力に対抗可能な支線を、
所定の取付角度をもって電柱上部と地面との間に張設す
る電柱の支持方法において、電柱1に作用する張力Pと
反対側に、電柱から略水平に張り出す所定長のアーム1
1を設け、このアームを介して支線2を電柱に取り付け
る。アームの長さlは、例えば0.5〜1.0m程度と
することが出来る。支線取付角αを小さくして根開きh
を幅狭にできる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電柱の支持方法に係
り、とくに小さな支線張力で電柱を支持することを可能
とする支線の取付構造に関する。
り、とくに小さな支線張力で電柱を支持することを可能
とする支線の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】架空電線路の支持物である電柱は、下端
部を所定の長さ地中に埋めて設置され、それ自体では自
立できるものであるが、例えば電線の引留箇所や電線路
がカーブしている箇所、あるいは両側の架線条数に差が
ある場合などには、電柱に偏った張力が働くため、これ
を打ち消し、電柱の傾斜や倒壊事故を防ぐために支線が
取付けられる。
部を所定の長さ地中に埋めて設置され、それ自体では自
立できるものであるが、例えば電線の引留箇所や電線路
がカーブしている箇所、あるいは両側の架線条数に差が
ある場合などには、電柱に偏った張力が働くため、これ
を打ち消し、電柱の傾斜や倒壊事故を防ぐために支線が
取付けられる。
【0003】かかる支線は、一般に図7に示すように電
柱1の上部から所定仕様のワイヤ2を斜め下方に張設
し、地中に埋設したアンカ3により支線端部を地面に固
定する構造をとる。
柱1の上部から所定仕様のワイヤ2を斜め下方に張設
し、地中に埋設したアンカ3により支線端部を地面に固
定する構造をとる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の支線
による支持方法では、電柱からの支線の張り出しh
0(いわゆる根開き)が大きくなってしまう不都合があ
った。すなわち図8に示すように電線4による水平張力
Pが電柱1に作用する場合には、これと反対方向の水平
張力T0(=P)で電柱1を支持すれば張力Pが打ち消
され、電柱1のバランスをとることが出来る。この支持
張力T0は、前記図7に示すように支線の取付角度をθ
とすると、支線張力tの水平分力となるから、 T0=t・sinθ…(式1) となる。従って同式からも明らかなように、θが小さく
なるほど支持張力T0は小さくなってしまうから、電線
の張力Pを支えるためにはθ=0とすることはできず、
ある程度以上の取付角度θが必要となって、これに伴い
根開きh0が生じる。
による支持方法では、電柱からの支線の張り出しh
0(いわゆる根開き)が大きくなってしまう不都合があ
った。すなわち図8に示すように電線4による水平張力
Pが電柱1に作用する場合には、これと反対方向の水平
張力T0(=P)で電柱1を支持すれば張力Pが打ち消
され、電柱1のバランスをとることが出来る。この支持
張力T0は、前記図7に示すように支線の取付角度をθ
とすると、支線張力tの水平分力となるから、 T0=t・sinθ…(式1) となる。従って同式からも明らかなように、θが小さく
なるほど支持張力T0は小さくなってしまうから、電線
の張力Pを支えるためにはθ=0とすることはできず、
ある程度以上の取付角度θが必要となって、これに伴い
根開きh0が生じる。
【0005】この根開きは、とくに住宅や建物が密集し
た都市部市街地において厄介な問題を引き起こす。支線
が歩道を跨いで住宅敷地内に達することとなったり、玄
関や車庫出入口、あるいは歩道縁石を低段差とした車輌
出入り箇所などを遮ってこれらを塞いでしまうことがあ
るのである。このため、建柱箇所に位置する住民の承諾
が得られず、線路の敷設に支障をきたすことも少なくな
い。
た都市部市街地において厄介な問題を引き起こす。支線
が歩道を跨いで住宅敷地内に達することとなったり、玄
関や車庫出入口、あるいは歩道縁石を低段差とした車輌
出入り箇所などを遮ってこれらを塞いでしまうことがあ
るのである。このため、建柱箇所に位置する住民の承諾
が得られず、線路の敷設に支障をきたすことも少なくな
い。
【0006】一方、支線角度θを小さくしてもその分、
支線の設計張力tを大きくとれば理論上同様の支持張力
Tが得られるから、根開きを小さく抑えることが可能と
も考えられる。しかしながら支線の設計張力tを増大す
るには、太径で高強度のワイヤを使用する必要があるか
ら材料コストが嵩むとともに、支線を固定するアンカ
(3)も大型化してその埋設作業が容易ではない。さら
に、支線張力tが大きくなれば電柱に作用する垂直分力
も増大するから、この垂直分力により電柱が沈下すると
の新たな問題も生じる。
支線の設計張力tを大きくとれば理論上同様の支持張力
Tが得られるから、根開きを小さく抑えることが可能と
も考えられる。しかしながら支線の設計張力tを増大す
るには、太径で高強度のワイヤを使用する必要があるか
ら材料コストが嵩むとともに、支線を固定するアンカ
(3)も大型化してその埋設作業が容易ではない。さら
に、支線張力tが大きくなれば電柱に作用する垂直分力
も増大するから、この垂直分力により電柱が沈下すると
の新たな問題も生じる。
【0007】他方、支線の取付け方向を邪魔にならない
別方向に変えることは一般的に云って困難である。支線
の取付方向は線路の配設状態(電線張力が働く方向)に
よって必然的に決まってくるからである。さらに、例え
ば図9に示すように根開き方向に道路空間5がある場合
には、道路反対側に別の支持柱6を建てて道路を横断す
る支線7により電柱1を支持する方法も行われたが、施
工の煩雑さやコストの点で難があった。
別方向に変えることは一般的に云って困難である。支線
の取付方向は線路の配設状態(電線張力が働く方向)に
よって必然的に決まってくるからである。さらに、例え
ば図9に示すように根開き方向に道路空間5がある場合
には、道路反対側に別の支持柱6を建てて道路を横断す
る支線7により電柱1を支持する方法も行われたが、施
工の煩雑さやコストの点で難があった。
【0008】そこで本発明の目的は、より小さな支線張
力で電柱を支持することを可能とすることにより支線の
根開きを幅狭に抑える点にある。
力で電柱を支持することを可能とすることにより支線の
根開きを幅狭に抑える点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成して課題
を解決するため、本発明に係る電柱の支持方法は、架空
電線路の張力に対抗可能な支線を、所定の取付角度をも
って電柱上部と地面との間に張設する電柱の支持方法に
おいて、電柱に作用する前記張力と反対側に、電柱から
略水平に張り出す所定長のアームを設け、このアームを
介して前記支線を電柱上部に取り付ける。
を解決するため、本発明に係る電柱の支持方法は、架空
電線路の張力に対抗可能な支線を、所定の取付角度をも
って電柱上部と地面との間に張設する電柱の支持方法に
おいて、電柱に作用する前記張力と反対側に、電柱から
略水平に張り出す所定長のアームを設け、このアームを
介して前記支線を電柱上部に取り付ける。
【0010】
【作用】本発明に係る電柱の支持方法では、電線張力が
作用する側とは反対側の電柱上部に、所定長のアームを
設置し、このアームを介して支線を取り付ける。従来で
は単に、支線の取付けに一定の角度をもたせることによ
り、電線張力に対抗する水平分力を得るだけであった
が、本発明では、電柱から略水平に張出するアームを介
して支線を取り付けることにより、水平分力に加えて垂
直分力に基づく支持力を利用することが可能となる。
作用する側とは反対側の電柱上部に、所定長のアームを
設置し、このアームを介して支線を取り付ける。従来で
は単に、支線の取付けに一定の角度をもたせることによ
り、電線張力に対抗する水平分力を得るだけであった
が、本発明では、電柱から略水平に張出するアームを介
して支線を取り付けることにより、水平分力に加えて垂
直分力に基づく支持力を利用することが可能となる。
【0011】従って、従来より支線張力が小さいにもか
かわらず大きな支持張力を得ることができ、同じ支線張
力(支線の設計張力)でも取付角度を小さくして、支線
の根開きを幅狭に抑えることが可能となる。また、根開
きを小さくしても、従来と同様の、あるいは従来より大
きな支持張力が得られるから、支線ワイヤを太径で高強
度のものとしたり、アンカを大型化する必要もない。
かわらず大きな支持張力を得ることができ、同じ支線張
力(支線の設計張力)でも取付角度を小さくして、支線
の根開きを幅狭に抑えることが可能となる。また、根開
きを小さくしても、従来と同様の、あるいは従来より大
きな支持張力が得られるから、支線ワイヤを太径で高強
度のものとしたり、アンカを大型化する必要もない。
【0012】一方、スペース的に余裕があって支線の根
開きをとくに狭める必要のない施工箇所においては、従
来と同様の根開きを確保しても勿論構わない。本発明は
小さな根開きで従来同様の支持力を得られるものである
が、根開きを従来と同様にすれば支線の設計張力を一層
小さくすることができるから、従来より細径の支線ワイ
ヤと小型のアンカで電柱の支持が可能となって、材料コ
ストの低減と施工の簡略化を図ることが出来る。
開きをとくに狭める必要のない施工箇所においては、従
来と同様の根開きを確保しても勿論構わない。本発明は
小さな根開きで従来同様の支持力を得られるものである
が、根開きを従来と同様にすれば支線の設計張力を一層
小さくすることができるから、従来より細径の支線ワイ
ヤと小型のアンカで電柱の支持が可能となって、材料コ
ストの低減と施工の簡略化を図ることが出来る。
【0013】
【実施例】添付図面に基づいて本発明の実施例を説明す
る。図1は本発明に係る電柱支持方法の一例を示すもの
である。同図に示すように本支持方法では、電線張力P
が作用する側とは反対側の電柱上部に、所定長のアーム
11を設置し、このアーム11を介して支線2を取り付
ける。尚、アーム11の破損を防止するために、補強用
の斜材12をさらに設けてある。
る。図1は本発明に係る電柱支持方法の一例を示すもの
である。同図に示すように本支持方法では、電線張力P
が作用する側とは反対側の電柱上部に、所定長のアーム
11を設置し、このアーム11を介して支線2を取り付
ける。尚、アーム11の破損を防止するために、補強用
の斜材12をさらに設けてある。
【0014】本発明者は、このようなアームを用いた支
持方法によれば、電線張力Pを打ち消す水平方向の支持
力T(前記図8のT0)として、支線張力tの水平分力
(t・sinα)より大きな力が得られることを実験に
より確認した。この支持力の増加分は、支線張力の垂直
分力に基づくものと考えられる。
持方法によれば、電線張力Pを打ち消す水平方向の支持
力T(前記図8のT0)として、支線張力tの水平分力
(t・sinα)より大きな力が得られることを実験に
より確認した。この支持力の増加分は、支線張力の垂直
分力に基づくものと考えられる。
【0015】そこで、電柱1の地上高(地面から電線お
よび支線取付位置までの高さ)をL、アーム11の長さ
をl、支線2の取付角度をαとすると、電柱基端部まわ
りのモーメントの釣合いから、次式が成立する。尚、同
式において(t・cosα)は、支線張力tの垂直分力
である。 T・L=t・sinα・L+t・cosα・l…(式2) 従って支線の支持張力Tは、次式の通りとなる。 T=t・sinα+t・cosα・l/L =t(sinα+cosα・l/L)…(式3)
よび支線取付位置までの高さ)をL、アーム11の長さ
をl、支線2の取付角度をαとすると、電柱基端部まわ
りのモーメントの釣合いから、次式が成立する。尚、同
式において(t・cosα)は、支線張力tの垂直分力
である。 T・L=t・sinα・L+t・cosα・l…(式2) 従って支線の支持張力Tは、次式の通りとなる。 T=t・sinα+t・cosα・l/L =t(sinα+cosα・l/L)…(式3)
【0016】従来の支持方法(図7)では、支線の支持
張力T0は、 T0=t・sinθ…(式1) であった。これに対し、本支持方法によれば支持張力が
(t・cosα・l/L)だけ増加することとなるか
ら、支線の取付角度αを小さく(α<θ)抑えて根開き
hを従来より幅狭にしても同様の支持張力が得られる。
張力T0は、 T0=t・sinθ…(式1) であった。これに対し、本支持方法によれば支持張力が
(t・cosα・l/L)だけ増加することとなるか
ら、支線の取付角度αを小さく(α<θ)抑えて根開き
hを従来より幅狭にしても同様の支持張力が得られる。
【0017】尚、本支持方法では、電柱に直接支線を取
付けた場合と較べて、アームの長さ分lが根開きに加わ
り、lだけ根開きが増えることになるが、アームの長さ
は例えば0.5乃至1.0m程度とすることが出来るか
ら、取付角度αを小さくできることによる根開きの減少
量の方がアームの長さより大きいから、アームの張出分
は問題とならず、結局、h<h0とすることが出来る。
付けた場合と較べて、アームの長さ分lが根開きに加わ
り、lだけ根開きが増えることになるが、アームの長さ
は例えば0.5乃至1.0m程度とすることが出来るか
ら、取付角度αを小さくできることによる根開きの減少
量の方がアームの長さより大きいから、アームの張出分
は問題とならず、結局、h<h0とすることが出来る。
【0018】以下、本方法によれば従来に較べどの程度
根開きを狭めることができるか、引留支線と片支線を例
として、具体的に検討を行う。尚、従来の方法としては
日本電信電話株式会社(NTT)の規格、設計仕様に基
づいて施工を行うこととし、これと本方法とを対比す
る。
根開きを狭めることができるか、引留支線と片支線を例
として、具体的に検討を行う。尚、従来の方法としては
日本電信電話株式会社(NTT)の規格、設計仕様に基
づいて施工を行うこととし、これと本方法とを対比す
る。
【0019】(A)引留支線の場合 まず従来の方法(図7)では、電柱の地上高Lを6.5
m、支持すべき電線張力P(=T0)を1670kg
(NTT規格30CR線に相当、以下同様)、支線張力
tを3866kg(65CR線)とした場合、NTTの
設計仕様によれば、支線取付角θは25゜以上とされ
る。従って、根開きh0は、 h0=6.5×tan25゜=3.03…(式4) となって、従来では少なくとも3.03mの根開きが生
じる。
m、支持すべき電線張力P(=T0)を1670kg
(NTT規格30CR線に相当、以下同様)、支線張力
tを3866kg(65CR線)とした場合、NTTの
設計仕様によれば、支線取付角θは25゜以上とされ
る。従って、根開きh0は、 h0=6.5×tan25゜=3.03…(式4) となって、従来では少なくとも3.03mの根開きが生
じる。
【0020】これに対し本方法(図1)によれば、前記
式3から、 1670×(9/10)=3866×(sinα+cosα×0.7/6.5 )…(式5) となり、同式から支線取付角αを求めると、α=16.
6゜となる。尚、同式において左辺に(9/10)を乗
じたのは、電線張力の90%を支線で、残りの10%を
電柱自身で支持するとするNTTの設計仕様に合致させ
るためである。またアーム11の長さlは0.7mとし
た。従って本方法による根開きhは、 h=0.7+6.5tan16.6゜=2.64…(式6) となって、従来(3.03m)に較べ、約0.4m根開
きを小さくすることが出来る。
式3から、 1670×(9/10)=3866×(sinα+cosα×0.7/6.5 )…(式5) となり、同式から支線取付角αを求めると、α=16.
6゜となる。尚、同式において左辺に(9/10)を乗
じたのは、電線張力の90%を支線で、残りの10%を
電柱自身で支持するとするNTTの設計仕様に合致させ
るためである。またアーム11の長さlは0.7mとし
た。従って本方法による根開きhは、 h=0.7+6.5tan16.6゜=2.64…(式6) となって、従来(3.03m)に較べ、約0.4m根開
きを小さくすることが出来る。
【0021】さらに本方法において、支線2として45
CR支線(t=2656kg)を2条使用することとし
た場合には、前記式3は次式の通りとなる。 1670×(9/10)=2656×2×(sinα+cosα×0.7/6 .5)…(式7) よって同式からαを求めると、α=10.2゜となる。
従って根開きhは、 h=0.7+6.5tan10.2゜=1.87…(式8) となって、約1.2m根開きを狭めることが可能とな
る。
CR支線(t=2656kg)を2条使用することとし
た場合には、前記式3は次式の通りとなる。 1670×(9/10)=2656×2×(sinα+cosα×0.7/6 .5)…(式7) よって同式からαを求めると、α=10.2゜となる。
従って根開きhは、 h=0.7+6.5tan10.2゜=1.87…(式8) となって、約1.2m根開きを狭めることが可能とな
る。
【0022】(B)片支線の場合 図2(a)に示すように線路がカーブしており、電線4
の開き角が例えば140゜の場合には、従来の方法で
は、45CR支線を使用すると、支線2の取付角θは2
5゜以上とされ、従って根開きh0は、 h0=6.5×tan25゜=3.03[m]…(式9) となる。
の開き角が例えば140゜の場合には、従来の方法で
は、45CR支線を使用すると、支線2の取付角θは2
5゜以上とされ、従って根開きh0は、 h0=6.5×tan25゜=3.03[m]…(式9) となる。
【0023】一方、同図(b)に示すように、アーム1
1を介して支線2(65CR支線;t=3866kg)
を取付けた場合には、前記式3は次式の通りとなる。 1670×2×cos70゜×(9/10)=3866×(sinα+cos α×0.7/6.5)…(式10) 同式より、α=9.2゜となって、根開きhは、 h=0.7+6.5tan9.2゜=1.75…(式11) となる。したがって従来(3.03m)に較べ、約1.
3m根開きを小さくすることが出来る。
1を介して支線2(65CR支線;t=3866kg)
を取付けた場合には、前記式3は次式の通りとなる。 1670×2×cos70゜×(9/10)=3866×(sinα+cos α×0.7/6.5)…(式10) 同式より、α=9.2゜となって、根開きhは、 h=0.7+6.5tan9.2゜=1.75…(式11) となる。したがって従来(3.03m)に較べ、約1.
3m根開きを小さくすることが出来る。
【0024】さらに支線2として45CR支線(t=2
656kg)を2条使用した場合には、前記式3は次の
通りとなる。 1670×2×cos70゜×(9/10)=2656×2×(sinα+c osα×0.7/6.5)…(式12) 同式からα=5゜となり、根開きhは、 h=0.7+6.5tan5゜=1.27…(式13) となって、従来に較べ、約1.8m根開きを小さくでき
る。このように本支持方法によれば、従来の方法に較
べ、根開きを確実に小さくすることが出来る。
656kg)を2条使用した場合には、前記式3は次の
通りとなる。 1670×2×cos70゜×(9/10)=2656×2×(sinα+c osα×0.7/6.5)…(式12) 同式からα=5゜となり、根開きhは、 h=0.7+6.5tan5゜=1.27…(式13) となって、従来に較べ、約1.8m根開きを小さくでき
る。このように本支持方法によれば、従来の方法に較
べ、根開きを確実に小さくすることが出来る。
【0025】さらに、本実施例のようにアーム11を斜
材12により支持した場合、斜材支持位置Sに不平衡荷
重が加わることとなるが、この荷重による曲げモーメン
トが電柱の設計強度以内となるか検討を行う。図3に示
すようにアーム11の基端部Aと斜材12の支持位置S
との距離をx、アーム11と斜材12がなす角をβ、斜
材支持位置Sに作用する不平衡荷重をt1とし、本構造
物を図4に示す片持トラスとして考えると、A点まわり
のモーメントの釣合いから、次式が成立する。 t・cosα・l−t1・x=0…(式14) 従って同式よりS点に作用する不平衡荷重t1は、次の
通りとなる。 t1=t・cosα・l/x=t・cosα/tanβ…(式15)
材12により支持した場合、斜材支持位置Sに不平衡荷
重が加わることとなるが、この荷重による曲げモーメン
トが電柱の設計強度以内となるか検討を行う。図3に示
すようにアーム11の基端部Aと斜材12の支持位置S
との距離をx、アーム11と斜材12がなす角をβ、斜
材支持位置Sに作用する不平衡荷重をt1とし、本構造
物を図4に示す片持トラスとして考えると、A点まわり
のモーメントの釣合いから、次式が成立する。 t・cosα・l−t1・x=0…(式14) 従って同式よりS点に作用する不平衡荷重t1は、次の
通りとなる。 t1=t・cosα・l/x=t・cosα/tanβ…(式15)
【0026】電柱1を図5に示すように一端固定・一端
支持のはりとして考え、固定端Bの曲げモーメントMB
を求める。図6(a)に示すようにA点支持がないとし
た場合のA点のたわみyAは、 yA=t1(L−x)3/3EI+t1(L−x)2x/2EI…(式16) である。一方、同図(b)に示すように自由端AにA点
の支持反力RAが作用したときのA点のたわみyA0は、 yA0=RAL3/3EI…(式17) である。A点は支点であり、実際には変位しないから、
yA=yA0であり、 t1(L−x)3/3EI+t1(L−x)2x/2EI=RAL3/3EI…(式 18) となって、同式からRAを求めれば次の通りとなる。 RA=t1(2L+x)(L−x)2/2L3…(式19) 従って固定端Bの曲げモーメントMBは、次式の通りと
なる。 MB=t1・(L−x)−RA・L=t1(L−x)(L+x)x/2L2…(式 20)
支持のはりとして考え、固定端Bの曲げモーメントMB
を求める。図6(a)に示すようにA点支持がないとし
た場合のA点のたわみyAは、 yA=t1(L−x)3/3EI+t1(L−x)2x/2EI…(式16) である。一方、同図(b)に示すように自由端AにA点
の支持反力RAが作用したときのA点のたわみyA0は、 yA0=RAL3/3EI…(式17) である。A点は支点であり、実際には変位しないから、
yA=yA0であり、 t1(L−x)3/3EI+t1(L−x)2x/2EI=RAL3/3EI…(式 18) となって、同式からRAを求めれば次の通りとなる。 RA=t1(2L+x)(L−x)2/2L3…(式19) 従って固定端Bの曲げモーメントMBは、次式の通りと
なる。 MB=t1・(L−x)−RA・L=t1(L−x)(L+x)x/2L2…(式 20)
【0027】例えば電柱の地上高Lを6.5m、アーム
の長さlを0.7m、アームと斜材との角度βを45゜
(x=0.7m)とし、さらに電柱が分担する最も厳し
い条件を考慮して、支線取付角αを25゜、支線の耐引
張強度tを3866kg(65CR支線)、電柱の設計
荷重を400kgとすると、電柱の設計モーメントMr
は、 Mr=400×6.5=2600[kgm]…(式21) となる。
の長さlを0.7m、アームと斜材との角度βを45゜
(x=0.7m)とし、さらに電柱が分担する最も厳し
い条件を考慮して、支線取付角αを25゜、支線の耐引
張強度tを3866kg(65CR支線)、電柱の設計
荷重を400kgとすると、電柱の設計モーメントMr
は、 Mr=400×6.5=2600[kgm]…(式21) となる。
【0028】これに対し斜材支持位置の荷重t1による
電柱基端部(B点)の曲げモーメントMBは、式15か
ら、 t1=3866×cos25゜/tan45゜=3504…(式22) であるから、式20により、 MB=3504×(6.5−0.7)×(6.5+0.7)×0.7/(2× 6.52)=1212[kgm]…(式23) となって、MB<<Mrであり、実用上問題がないことが
わかる。
電柱基端部(B点)の曲げモーメントMBは、式15か
ら、 t1=3866×cos25゜/tan45゜=3504…(式22) であるから、式20により、 MB=3504×(6.5−0.7)×(6.5+0.7)×0.7/(2× 6.52)=1212[kgm]…(式23) となって、MB<<Mrであり、実用上問題がないことが
わかる。
【0029】尚、本発明は前記実施例に限定されるもの
ではない。例えば、アームの長さや支線の取付角度等の
具体的数値は一例として示したものであって、適宜変更
が可能である。また、実施例のようにアームを斜材によ
り支持する構造とする場合、電柱の口径や材質(設計強
度)によっては、斜材支持位置(S)を上方または下方
にずらして前記曲げモーメントMBを加減することも可
能である。また、支線は1本に限られず、複数本(例え
ば2本)設けても良い。この場合、(1本の)アームに
対し複数本の支線を取付けても良いし、各支線に対応し
て複数のアームを(1本の)電柱に設置しても構わな
い。さらに電柱へのアームの固定方法はとくに問わな
い。例えば電柱周囲に巻回したベルト(リング)を介し
てアームを電柱表面に固定するようにしても良いし、電
柱周面に適宜穴を穿設し、この穴にアームを差し込んで
固定する方式その他であっても構わない。
ではない。例えば、アームの長さや支線の取付角度等の
具体的数値は一例として示したものであって、適宜変更
が可能である。また、実施例のようにアームを斜材によ
り支持する構造とする場合、電柱の口径や材質(設計強
度)によっては、斜材支持位置(S)を上方または下方
にずらして前記曲げモーメントMBを加減することも可
能である。また、支線は1本に限られず、複数本(例え
ば2本)設けても良い。この場合、(1本の)アームに
対し複数本の支線を取付けても良いし、各支線に対応し
て複数のアームを(1本の)電柱に設置しても構わな
い。さらに電柱へのアームの固定方法はとくに問わな
い。例えば電柱周囲に巻回したベルト(リング)を介し
てアームを電柱表面に固定するようにしても良いし、電
柱周面に適宜穴を穿設し、この穴にアームを差し込んで
固定する方式その他であっても構わない。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る電柱の
支持方法によれば、小さな支線張力で電柱を支持するこ
とができ、支線の根開きを幅狭に抑えることが可能とな
る。
支持方法によれば、小さな支線張力で電柱を支持するこ
とができ、支線の根開きを幅狭に抑えることが可能とな
る。
【図1】本発明に係る電柱支持方法の一例を示す図であ
る。
る。
【図2】線路カーブ箇所における支線の取付け例を示す
斜視図である。(a)は従来の方法、(b)は本発明の
方法を示すものである。
斜視図である。(a)は従来の方法、(b)は本発明の
方法を示すものである。
【図3】本発明により支持した電柱の上部拡大図であ
る。
る。
【図4】アームによる支持部を片持トラスに置き換えた
図である。
図である。
【図5】本支持方法を用いた電柱に作用する荷重を示す
図である。
図である。
【図6】アーム配設位置に作用する反力を求めるための
図である。
図である。
【図7】従来の電柱支持方法の一例を示す図である。
【図8】電柱の支持原理を示す図である。
【図9】従来の電柱支持方法の別の例を示す図である。
1 電柱 2 支線 3 アンカ 4 電線 11 アーム 12 斜材 P 電線による張力 t 支線張力 h,h0 根開き
Claims (1)
- 【請求項1】架空電線路の張力に対抗可能な支線を、所
定の取付角度をもって電柱上部と地面との間に張設する
電柱の支持方法において、 電柱に作用する前記張力と反対側に、電柱から略水平に
張り出す所定長のアームを設け、このアームを介して前
記支線を電柱に取り付けたことを特徴とする電柱の支持
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8157642A JPH09317242A (ja) | 1996-05-28 | 1996-05-28 | 電柱の支持方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8157642A JPH09317242A (ja) | 1996-05-28 | 1996-05-28 | 電柱の支持方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09317242A true JPH09317242A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15654194
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8157642A Withdrawn JPH09317242A (ja) | 1996-05-28 | 1996-05-28 | 電柱の支持方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09317242A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100423033C (zh) * | 2006-12-14 | 2008-10-01 | 魏有平 | 电杆拉索监控报警系统 |
JP2014169612A (ja) * | 2013-03-04 | 2014-09-18 | Furuta Tetto Kensetsu Kk | 支柱用の支線ワイヤー、及び該支柱用の支線ワイヤーの取り付け方法 |
JP2015042817A (ja) * | 2013-08-26 | 2015-03-05 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 電化柱の耐震補強構造及び電化柱の耐震補強方法 |
JP2016108866A (ja) * | 2014-12-09 | 2016-06-20 | 株式会社Ihi | 構造物の支持装置 |
US9416555B2 (en) | 2007-02-28 | 2016-08-16 | Seccional Brasil SA | Structure for supporting electric power transmission lines |
-
1996
- 1996-05-28 JP JP8157642A patent/JPH09317242A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100423033C (zh) * | 2006-12-14 | 2008-10-01 | 魏有平 | 电杆拉索监控报警系统 |
US9416555B2 (en) | 2007-02-28 | 2016-08-16 | Seccional Brasil SA | Structure for supporting electric power transmission lines |
JP2014169612A (ja) * | 2013-03-04 | 2014-09-18 | Furuta Tetto Kensetsu Kk | 支柱用の支線ワイヤー、及び該支柱用の支線ワイヤーの取り付け方法 |
JP2015042817A (ja) * | 2013-08-26 | 2015-03-05 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 電化柱の耐震補強構造及び電化柱の耐震補強方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030805 |