JPH09316021A - α−分枝長鎖脂肪酸の製造法 - Google Patents
α−分枝長鎖脂肪酸の製造法Info
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- JPH09316021A JPH09316021A JP15311296A JP15311296A JPH09316021A JP H09316021 A JPH09316021 A JP H09316021A JP 15311296 A JP15311296 A JP 15311296A JP 15311296 A JP15311296 A JP 15311296A JP H09316021 A JPH09316021 A JP H09316021A
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- chain fatty
- alkyl group
- chain
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Abstract
(57)【要約】
【課題】α−分枝長鎖脂肪酸の製造法の提供。
【解決手段】α−分枝長鎖脂肪酸の製造において、ジア
ルキルマロネートにハロゲン化アルキルを作用させて得
られる反応生成物を単離することなくアルカリ加水分解
に付した後、溶媒を留去して残留物を得、次いで、当該
残留物に酢酸を作用させて得られる2,2-ジアルキルマロ
ン酸を単離することなく、加熱して脱炭酸させることを
特徴とする下式(I) 【化1】 (式中、R1は長鎖の直鎖アルキル基を表す。)で示され
るα−分枝長鎖脂肪酸の製造法。 【効果】本発明により、ジアルキルマロネートから実質
的に1ポットで、しかも収率良く、α−分枝長鎖脂肪酸
(I) を製造し得る。
ルキルマロネートにハロゲン化アルキルを作用させて得
られる反応生成物を単離することなくアルカリ加水分解
に付した後、溶媒を留去して残留物を得、次いで、当該
残留物に酢酸を作用させて得られる2,2-ジアルキルマロ
ン酸を単離することなく、加熱して脱炭酸させることを
特徴とする下式(I) 【化1】 (式中、R1は長鎖の直鎖アルキル基を表す。)で示され
るα−分枝長鎖脂肪酸の製造法。 【効果】本発明により、ジアルキルマロネートから実質
的に1ポットで、しかも収率良く、α−分枝長鎖脂肪酸
(I) を製造し得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬品等の製造原
料として有用な化合物の製造法に関する。更に詳しく
は、医薬品等の製造原料として有用な下式(I)
料として有用な化合物の製造法に関する。更に詳しく
は、医薬品等の製造原料として有用な下式(I)
【0002】
【化6】 (式中、R1は長鎖の直鎖アルキル基を表す。)で示され
るα−分枝長鎖脂肪酸の製造法に関する。
るα−分枝長鎖脂肪酸の製造法に関する。
【0003】
【従来の技術】α−分枝長鎖脂肪酸は、医薬品等の原料
として有用な化合物であり(例えば、特開平8-99989 号
公報、WO 9608257号公報参照)、種々の製造法により製
造されている。これらの製造法は、工程数が長い、操作
が煩雑である、収量(収率)が充分でない、および/ま
たは製造コストが高い等、未だ改良の余地がある。
として有用な化合物であり(例えば、特開平8-99989 号
公報、WO 9608257号公報参照)、種々の製造法により製
造されている。これらの製造法は、工程数が長い、操作
が煩雑である、収量(収率)が充分でない、および/ま
たは製造コストが高い等、未だ改良の余地がある。
【0004】例えば、Chem.Ber.,753-754(1932) には、
下式
下式
【0005】
【化7】 (式中、R1a は炭素原子数12の直鎖アルキル基を表
し、R2a はエチル基を表し、Xa はヨウ素原子を表
す。)で示されるα−分枝長鎖脂肪酸の製造法が記載さ
れている。
し、R2a はエチル基を表し、Xa はヨウ素原子を表
す。)で示されるα−分枝長鎖脂肪酸の製造法が記載さ
れている。
【0006】上記α−分枝長鎖脂肪酸の製造法では、ジ
エチルマロネート(IIa) に1−ヨウ化ドデシル(IIIa)を
作用させ、反応終了後、常法により化合物(IVa) を単離
し、次に、化合物(IVa) に水酸化カリウムの含水アルコ
ール溶液を加えて、化合物(IVa) をアルカリ加水分解に
付した後、溶媒を留去し、希塩酸で酸性にした後、エー
テル抽出を行い、エーテル抽出液を飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を留去し、化合物(Va)を得(酸処理工
程)、次に、化合物(Va)を加熱して脱炭酸することによ
りα−分枝長鎖脂肪酸(Ia)を得ている(後記比較例1参
照)。
エチルマロネート(IIa) に1−ヨウ化ドデシル(IIIa)を
作用させ、反応終了後、常法により化合物(IVa) を単離
し、次に、化合物(IVa) に水酸化カリウムの含水アルコ
ール溶液を加えて、化合物(IVa) をアルカリ加水分解に
付した後、溶媒を留去し、希塩酸で酸性にした後、エー
テル抽出を行い、エーテル抽出液を飽和食塩水で洗浄
し、乾燥後、溶媒を留去し、化合物(Va)を得(酸処理工
程)、次に、化合物(Va)を加熱して脱炭酸することによ
りα−分枝長鎖脂肪酸(Ia)を得ている(後記比較例1参
照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記製造法は、α−分
枝長鎖脂肪酸の代表的な製造法であるが、酸処理工程に
おいて、抽出操作を必要とする等、操作が煩雑であり、
また、収量(収率)が充分でない等、改良の余地があ
る。
枝長鎖脂肪酸の代表的な製造法であるが、酸処理工程に
おいて、抽出操作を必要とする等、操作が煩雑であり、
また、収量(収率)が充分でない等、改良の余地があ
る。
【0008】本発明は、上記製造法の改良法を提供する
ことを目的とする。
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は種々検討を行
った結果、α−分枝長鎖脂肪酸(I) の製造において、有
機溶媒中、塩基の存在下、下式(II)
った結果、α−分枝長鎖脂肪酸(I) の製造において、有
機溶媒中、塩基の存在下、下式(II)
【0010】
【化8】 (式中、R2は低級アルキル基を表す。)で示されるジア
ルキルマロネートに下式(III)
ルキルマロネートに下式(III)
【0011】
【化9】 (式中、Xは臭素原子またはヨウ素原子を表し、R1は前
記に同じ。)で示されるハロゲン化アルキルを作用させ
て得られる下式(IV)
記に同じ。)で示されるハロゲン化アルキルを作用させ
て得られる下式(IV)
【0012】
【化10】 (式中、R1およびR2は前記に同じ。)で示される反応生
成物を単離することなくアルカリ加水分解に付した後、
反応溶媒を留去して残留物を得、次いで、当該残留物に
酢酸を作用させて下式(V)
成物を単離することなくアルカリ加水分解に付した後、
反応溶媒を留去して残留物を得、次いで、当該残留物に
酢酸を作用させて下式(V)
【0013】
【化11】 (式中、R1は前記に同じ。)で示される化合物に変換
し、当該化合物(V) を単離することなく加熱して脱炭酸
させることを特徴とするα−分枝長鎖脂肪酸(I) の製造
法が上記の目的に適うことを見いだして、本発明を完成
させた。
し、当該化合物(V) を単離することなく加熱して脱炭酸
させることを特徴とするα−分枝長鎖脂肪酸(I) の製造
法が上記の目的に適うことを見いだして、本発明を完成
させた。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】α−分枝長鎖脂肪酸(I) の本発明
による製造法は、有機溶媒中、塩基の存在下、ジアルキ
ルマロネート(II)にハロゲン化アルキル(III) を還流条
件下、4〜24時間作用させて得られる反応生成物(IV)
を単離することなくアルカリ加水分解に付した後、溶媒
を留去して残留物を得、次いで、当該残留物に酢酸を作
用させて化合物(V) に変換し、当該化合物(V) を単離す
ることなく加熱して脱炭酸させることによって実施する
ことができる。
による製造法は、有機溶媒中、塩基の存在下、ジアルキ
ルマロネート(II)にハロゲン化アルキル(III) を還流条
件下、4〜24時間作用させて得られる反応生成物(IV)
を単離することなくアルカリ加水分解に付した後、溶媒
を留去して残留物を得、次いで、当該残留物に酢酸を作
用させて化合物(V) に変換し、当該化合物(V) を単離す
ることなく加熱して脱炭酸させることによって実施する
ことができる。
【0016】前記式中、R1で表される長鎖の直鎖アルキ
ル基としては、例えば、ウンデシル基、ドデシル基、テ
トラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプ
タデシル基およびエイコシル基等の炭素原子数11〜2
0の直鎖アルキル基が挙げられる。特に好ましい当該ア
ルキル基としては、テトラデシル基が挙げられる。R2で
表される低級アルキル基としては、例えば、メチル基、
エチル基、n-プロピル基およびiso-プロピル基が挙げら
れる。特に好ましい当該アルキル基としては、エチル基
が挙げられる。
ル基としては、例えば、ウンデシル基、ドデシル基、テ
トラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプ
タデシル基およびエイコシル基等の炭素原子数11〜2
0の直鎖アルキル基が挙げられる。特に好ましい当該ア
ルキル基としては、テトラデシル基が挙げられる。R2で
表される低級アルキル基としては、例えば、メチル基、
エチル基、n-プロピル基およびiso-プロピル基が挙げら
れる。特に好ましい当該アルキル基としては、エチル基
が挙げられる。
【0017】前記式中、Xは、臭素原子またはヨウ素原
子を表すが、特に、ヨウ素原子が好ましい。
子を表すが、特に、ヨウ素原子が好ましい。
【0018】本発明の製造法で、ジアルキルマロネート
(II)にハロゲン化アルキル(III) を作用させる工程に用
いられる有機溶媒としては、例えば、エタノール、プロ
パノール等、水と混和する溶媒が挙げられるが、特にエ
タノールが好ましい。塩基としては、例えば、アルコラ
ートが挙げられるが、特にナトリウムエトキシドが好ま
しい。ナトリウムエトキシドは、別途調製したものを使
用してもよいが、エタノールに計算量の金属ナトリウム
を溶解させて調製した方が好ましい。当該塩基の使用量
は、ジアルキルマロネート(II)1モルに対して少なくと
も2モル以上、好ましくは2.1〜2.2モルである。
(II)にハロゲン化アルキル(III) を作用させる工程に用
いられる有機溶媒としては、例えば、エタノール、プロ
パノール等、水と混和する溶媒が挙げられるが、特にエ
タノールが好ましい。塩基としては、例えば、アルコラ
ートが挙げられるが、特にナトリウムエトキシドが好ま
しい。ナトリウムエトキシドは、別途調製したものを使
用してもよいが、エタノールに計算量の金属ナトリウム
を溶解させて調製した方が好ましい。当該塩基の使用量
は、ジアルキルマロネート(II)1モルに対して少なくと
も2モル以上、好ましくは2.1〜2.2モルである。
【0019】また、同工程に用いられるハロゲン化アル
キル(III) は、ジアルキルマロネート(II)1モルに対し
て2倍モル以上、好ましくは2.1〜2.2モル程度が
使用される。
キル(III) は、ジアルキルマロネート(II)1モルに対し
て2倍モル以上、好ましくは2.1〜2.2モル程度が
使用される。
【0020】本発明の製造法で、アルカリ加水分解工程
には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ
水溶液が用いられるが、60〜70%の水酸化カリウム
水溶液を用いるのが好ましい。当該アルカリの使用量
は、出発原料のジアルキルマロネート(II)1モル当た
り、少なくとも2モル以上、好ましくは、4〜5モル程
度が使用される。アルカリ加水分解工程は、上記反応生
成物(IV)を単離することなく、反応混合物中へ、アルカ
リ水溶液を加え、2〜4時間還流させることにより行わ
れる。
には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ
水溶液が用いられるが、60〜70%の水酸化カリウム
水溶液を用いるのが好ましい。当該アルカリの使用量
は、出発原料のジアルキルマロネート(II)1モル当た
り、少なくとも2モル以上、好ましくは、4〜5モル程
度が使用される。アルカリ加水分解工程は、上記反応生
成物(IV)を単離することなく、反応混合物中へ、アルカ
リ水溶液を加え、2〜4時間還流させることにより行わ
れる。
【0021】本発明の製造法で、酸処理工程は、アルカ
リ加水分解終了後、反応溶媒を留去して得られる当該残
留物に酢酸を加えて、60〜80℃で30〜60分間攪
拌し、次いで、減圧下で酢酸を留去することにより、抽
出操作を要せずに、行うことができる。
リ加水分解終了後、反応溶媒を留去して得られる当該残
留物に酢酸を加えて、60〜80℃で30〜60分間攪
拌し、次いで、減圧下で酢酸を留去することにより、抽
出操作を要せずに、行うことができる。
【0022】本発明の製造法における脱炭酸工程は、酸
処理工程後、化合物(V) を単離することなく、減圧下、
150℃程度で3〜12時間加熱することによって行う
ことができる。また、脱炭酸工程を減圧下で行うことに
より、低沸点の副生成物を除去することができる。
処理工程後、化合物(V) を単離することなく、減圧下、
150℃程度で3〜12時間加熱することによって行う
ことができる。また、脱炭酸工程を減圧下で行うことに
より、低沸点の副生成物を除去することができる。
【0023】上記のようにして得られるα−分枝長鎖脂
肪酸(I) は常法により、単離精製されるが、メタノー
ル、酢酸等で再結晶すれば、更に純度が向上する。
肪酸(I) は常法により、単離精製されるが、メタノー
ル、酢酸等で再結晶すれば、更に純度が向上する。
【0024】
【実施例】次に、実施例および比較例を挙げて、本発明
を更に具体的に説明する。
を更に具体的に説明する。
【0025】実施例12−テトラデシルヘキサデカン酸の製造 :無水エタノー
ル70mlに金属ナトリウム3.9g (0.17モル) を加え、室温
下で攪拌、溶解後、氷冷攪拌下にジエチルマロネート1
2.8g (0.08 モル) と1−ヨウ化テトラデカン50.0g (0.
17 モル) とを加え、7 時間還流後、氷冷し、水酸化カ
リウム 20.2g (0.36モル) の水11ml溶液を加え、3時間
還流した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し、残留物
に酢酸100ml を加えて70℃に加熱し、30分間攪拌後、
減圧下で酢酸を留去し、更に、0.2mmHg の減圧下で150
℃まで加熱し、同温度で6時間加熱した後、放冷した。
水を加え、エーテルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去
し、残留物をメタノールより再結晶して、無色結晶の2
−テトラデシルヘキサデカン酸26.7g を得た(収率:74
%) 。
ル70mlに金属ナトリウム3.9g (0.17モル) を加え、室温
下で攪拌、溶解後、氷冷攪拌下にジエチルマロネート1
2.8g (0.08 モル) と1−ヨウ化テトラデカン50.0g (0.
17 モル) とを加え、7 時間還流後、氷冷し、水酸化カ
リウム 20.2g (0.36モル) の水11ml溶液を加え、3時間
還流した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し、残留物
に酢酸100ml を加えて70℃に加熱し、30分間攪拌後、
減圧下で酢酸を留去し、更に、0.2mmHg の減圧下で150
℃まで加熱し、同温度で6時間加熱した後、放冷した。
水を加え、エーテルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去
し、残留物をメタノールより再結晶して、無色結晶の2
−テトラデシルヘキサデカン酸26.7g を得た(収率:74
%) 。
【0026】融点 72℃1 H-NMR (CDCl3): δ 0.88(6H,m),1.26(48H,m),1.48(2H,
m),1.61(2H,m),2.34(1H,m). 元素分析(C30H60O2として): 計算値(%) C, 79.55; H, 13.38 実測値(%) C, 79.47; H, 13.38
m),1.61(2H,m),2.34(1H,m). 元素分析(C30H60O2として): 計算値(%) C, 79.55; H, 13.38 実測値(%) C, 79.47; H, 13.38
【0027】比較例12−テトラデシルヘキサデカン酸の製造 : (1) 2, 2−テトラデシルマロン酸の製造:無水エタノ
ール45mlに金属ナトリウム2.5g (0.11モル) を加え、室
温下で攪拌、溶解後、氷冷攪拌下にジエチルマロネート
8.1g (0.05モル) 、1−ヨウ化テトラデカン32.5g(0.11
モル) とを加え、7 時間還流後、氷水を加えてエーテル
抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し、溶媒を留去した。次に、残留物に水酸
化カリウム9.0g (0.16モル) の水4ml 、エタノール31ml
溶液を加え、4 時間還流した。反応終了後、減圧下で溶
媒を留去した後、残留物にエーテルを加え、エーテル可
溶部を除去した。次いで、不溶部に、水を加え、希塩酸
で酸性にした後、エーテルで抽出し、抽出液を飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
留去し、残留物を酢酸より再結晶して、無色結晶の2,
2−ジテトラデシルマロン酸16.9g を得た (収率:68%)
。
ール45mlに金属ナトリウム2.5g (0.11モル) を加え、室
温下で攪拌、溶解後、氷冷攪拌下にジエチルマロネート
8.1g (0.05モル) 、1−ヨウ化テトラデカン32.5g(0.11
モル) とを加え、7 時間還流後、氷水を加えてエーテル
抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥し、溶媒を留去した。次に、残留物に水酸
化カリウム9.0g (0.16モル) の水4ml 、エタノール31ml
溶液を加え、4 時間還流した。反応終了後、減圧下で溶
媒を留去した後、残留物にエーテルを加え、エーテル可
溶部を除去した。次いで、不溶部に、水を加え、希塩酸
で酸性にした後、エーテルで抽出し、抽出液を飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
留去し、残留物を酢酸より再結晶して、無色結晶の2,
2−ジテトラデシルマロン酸16.9g を得た (収率:68%)
。
【0028】融点 86℃1 H-NMR (CDCl3): δ 0.88(6H,m),1.25(48H,m),1.92(4H,
m),10.10(2H,bs). 元素分析(C31H60O4として): 計算値(%) C, 74.93; H, 12.20 実測値(%) C, 74.72; H, 12.09 (2) 2−テトラデシルヘキサデカン酸の製造:2, 2−
ジテトラデシルマロン酸8g(0.016モル) を8mmHg の減圧
下で6時間加熱し、冷却後、残留物をメタノールより再
結晶して、無色結晶の2−テトラデシルヘキサデカン酸
7.1gを得た (収率:98%) 。得られた化合物の物性値は、
実施例1のそれに一致した[(1)から(2) までの総収率:
67%]。
m),10.10(2H,bs). 元素分析(C31H60O4として): 計算値(%) C, 74.93; H, 12.20 実測値(%) C, 74.72; H, 12.09 (2) 2−テトラデシルヘキサデカン酸の製造:2, 2−
ジテトラデシルマロン酸8g(0.016モル) を8mmHg の減圧
下で6時間加熱し、冷却後、残留物をメタノールより再
結晶して、無色結晶の2−テトラデシルヘキサデカン酸
7.1gを得た (収率:98%) 。得られた化合物の物性値は、
実施例1のそれに一致した[(1)から(2) までの総収率:
67%]。
【0029】
【発明の効果】本発明の製造法により、ジアルキルマロ
ネート(II)から実質的に1ポットで、しかも収率良く、
α−分枝長鎖脂肪酸(I) を製造し得る。
ネート(II)から実質的に1ポットで、しかも収率良く、
α−分枝長鎖脂肪酸(I) を製造し得る。
Claims (6)
- 【請求項1】 下式(I) 【化1】 (式中、R1は長鎖の直鎖アルキル基を表す。)で示され
るα−分枝長鎖脂肪酸の製造において、有機溶媒中、塩
基の存在下、下式(II) 【化2】 (式中、R2は低級アルキル基を表す。)で示されるジア
ルキルマロネートに下式(III) 【化3】 (式中、R1は長鎖の直鎖アルキル基を表し、Xは臭素原
子またはヨウ素原子を表す。)で示されるハロゲン化ア
ルキルを作用させて得られる下式(IV) 【化4】 (式中、R1は長鎖の直鎖アルキル基を表し、R2は低級ア
ルキル基を表す。)で示される反応生成物を単離するこ
となくアルカリ加水分解に付した後、溶媒を留去して残
留物を得、次いで、当該残留物に酢酸を作用させて下式
(V) 【化5】 (式中、R1は長鎖の直鎖アルキル基を表す。)で示され
る化合物に変換し、当該化合物(V) を単離することなく
加熱して脱炭酸させることを特徴とするα−分枝長鎖脂
肪酸(I) の製造法。 - 【請求項2】R1が炭素原子数11〜20の直鎖アルキル
基である請求項1に記載のα−分枝長鎖脂肪酸の製造
法。 - 【請求項3】R1が炭素原子数14の直鎖アルキル基であ
る、請求項1または請求項2に記載のα−分枝長鎖脂肪
酸の製造法。 - 【請求項4】R2がエチル基である、請求項1から請求項
3の何れかに記載のα−分枝長鎖脂肪酸の製造法。 - 【請求項5】Xがヨウ素原子である、請求項1から請求
項4の何れかに記載のα−分枝長鎖脂肪酸の製造法。 - 【請求項6】ジエチルマロネートにハロゲン化アルキル
を作用させる工程において、有機溶媒がエタノールであ
り、塩基がナトリウムエトキシドである、請求項1から
請求項5の何れかに記載のα−分枝長鎖脂肪酸の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15311296A JPH09316021A (ja) | 1996-05-24 | 1996-05-24 | α−分枝長鎖脂肪酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15311296A JPH09316021A (ja) | 1996-05-24 | 1996-05-24 | α−分枝長鎖脂肪酸の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09316021A true JPH09316021A (ja) | 1997-12-09 |
Family
ID=15555242
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15311296A Pending JPH09316021A (ja) | 1996-05-24 | 1996-05-24 | α−分枝長鎖脂肪酸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09316021A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007119352A (ja) * | 2005-10-25 | 2007-05-17 | Ube Ind Ltd | 2−アリール又はヘテロアリール酢酸化合物の製法 |
-
1996
- 1996-05-24 JP JP15311296A patent/JPH09316021A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007119352A (ja) * | 2005-10-25 | 2007-05-17 | Ube Ind Ltd | 2−アリール又はヘテロアリール酢酸化合物の製法 |
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