JPH0931472A - タール酸の回収方法 - Google Patents
タール酸の回収方法Info
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- JPH0931472A JPH0931472A JP18748195A JP18748195A JPH0931472A JP H0931472 A JPH0931472 A JP H0931472A JP 18748195 A JP18748195 A JP 18748195A JP 18748195 A JP18748195 A JP 18748195A JP H0931472 A JPH0931472 A JP H0931472A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フェノレート類の炭酸ガス分解を簡便にかつ
低コストで行うことができ、これによって芳香族油から
効率良くタール酸を回収することができるタール酸の回
収方法を提供する。 【解決手段】 アルカリ水溶液によって芳香族油から抽
出されたフェノレート類を炭酸ガス含有ガスで分解し、
タール酸類を生成させる際に、タール酸類100重量部
に対して炭素数が6以上の液状炭化水素を10〜500
重量部の割合で共存させるタール酸の回収方法である。
低コストで行うことができ、これによって芳香族油から
効率良くタール酸を回収することができるタール酸の回
収方法を提供する。 【解決手段】 アルカリ水溶液によって芳香族油から抽
出されたフェノレート類を炭酸ガス含有ガスで分解し、
タール酸類を生成させる際に、タール酸類100重量部
に対して炭素数が6以上の液状炭化水素を10〜500
重量部の割合で共存させるタール酸の回収方法である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルカリ水溶液
によって芳香族油から抽出されたフェノレート類を炭酸
ガスで分解してタール酸を回収するタール酸の回収方法
に関する。
によって芳香族油から抽出されたフェノレート類を炭酸
ガスで分解してタール酸を回収するタール酸の回収方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】コールタール、石炭液化油、オイシェー
ル、石炭熱分解タール等の芳香族油にはフェノール、ク
レゾール及びキシレノールに代表されるタール酸類が含
まれており、これらを回収することが行われている。こ
の芳香族油からタール酸を回収する一般的な方法として
は、先ず、芳香族油とアルカリ水溶液を混合して接触さ
せ、芳香族油中のタール酸類とアルカリとの反応で生じ
るフェノレート類を水層に抽出し、次いで、抽出された
フェノレート類を炭酸ガスで分解して油層としてタール
酸を回収する方法がある。
ル、石炭熱分解タール等の芳香族油にはフェノール、ク
レゾール及びキシレノールに代表されるタール酸類が含
まれており、これらを回収することが行われている。こ
の芳香族油からタール酸を回収する一般的な方法として
は、先ず、芳香族油とアルカリ水溶液を混合して接触さ
せ、芳香族油中のタール酸類とアルカリとの反応で生じ
るフェノレート類を水層に抽出し、次いで、抽出された
フェノレート類を炭酸ガスで分解して油層としてタール
酸を回収する方法がある。
【0003】ここで、炭酸ガスによるフェノレート類の
分解は、フェノレート類の水溶液に高炉ガス等の炭酸ガ
スを含む炭酸ガス含有ガスを吹き込むことにより実施さ
れ、例えば「芳香族及びタール工業ハンドブック」(日
本芳香族工業会)の第82頁には、コールタールからの
タール酸回収方法が示されている。フェノールとカセイ
ソーダの反応で生成したフェノレートの炭酸ガスによる
分解反応を式で示せば、下記の通りである。 2C6 H5 ONa+CO2 +H2 O→2C6 H5 OH+
Na2 CO3
分解は、フェノレート類の水溶液に高炉ガス等の炭酸ガ
スを含む炭酸ガス含有ガスを吹き込むことにより実施さ
れ、例えば「芳香族及びタール工業ハンドブック」(日
本芳香族工業会)の第82頁には、コールタールからの
タール酸回収方法が示されている。フェノールとカセイ
ソーダの反応で生成したフェノレートの炭酸ガスによる
分解反応を式で示せば、下記の通りである。 2C6 H5 ONa+CO2 +H2 O→2C6 H5 OH+
Na2 CO3
【0004】しかるに、この方法では、炭酸ガスによる
フェノレート類の分解を完全に行うことが難しく、一段
の分解操作では100%に近い十分な分解率が得られな
いため、通常は多段分解処理が行われている。すなわ
ち、一回の分解反応が終わった後に油水分離を行い、油
層に水を添加して再度炭酸ガスを吹き込んで分解を行
う。この操作を所定の分解率が得られるまで繰り返す方
法である。
フェノレート類の分解を完全に行うことが難しく、一段
の分解操作では100%に近い十分な分解率が得られな
いため、通常は多段分解処理が行われている。すなわ
ち、一回の分解反応が終わった後に油水分離を行い、油
層に水を添加して再度炭酸ガスを吹き込んで分解を行
う。この操作を所定の分解率が得られるまで繰り返す方
法である。
【0005】しかしながら、この多段分解処理の方法で
は、プロセスが複雑になって設備建設費が高くなるだけ
でなく、多量の水を使用する必要が生じて処理すべき水
量が増えるという問題がある。しかも、アルカリとして
通常は苛性ソーダが使用され、また、この時分解後の水
層には炭酸ソーダが含まれており、この炭酸ソーダ水溶
液は苛性化工程で生石灰との反応により苛性ソーダと炭
酸カルシウムに転化され、そして、苛性ソーダはアルカ
リとして循環使用されるが、多段抽出で多量の水が使用
されるためにこの苛性化工程に送られてくる炭酸ソーダ
水溶液が希釈され、増量して効率的ではない。
は、プロセスが複雑になって設備建設費が高くなるだけ
でなく、多量の水を使用する必要が生じて処理すべき水
量が増えるという問題がある。しかも、アルカリとして
通常は苛性ソーダが使用され、また、この時分解後の水
層には炭酸ソーダが含まれており、この炭酸ソーダ水溶
液は苛性化工程で生石灰との反応により苛性ソーダと炭
酸カルシウムに転化され、そして、苛性ソーダはアルカ
リとして循環使用されるが、多段抽出で多量の水が使用
されるためにこの苛性化工程に送られてくる炭酸ソーダ
水溶液が希釈され、増量して効率的ではない。
【0006】また、この多段分解処理の方法における他
の問題点としては、排水中へのアルカリの混入が挙げら
れる。すなわち、炭酸ガスによるフェノレート類の分解
で回収されたタール酸はカルボン酸を除去するために水
洗されるが、この時にタール酸中へのアルカリの同伴が
多いと洗浄水中へアルカリが混入し、このアルカリが排
水処理の大きな負担となる。
の問題点としては、排水中へのアルカリの混入が挙げら
れる。すなわち、炭酸ガスによるフェノレート類の分解
で回収されたタール酸はカルボン酸を除去するために水
洗されるが、この時にタール酸中へのアルカリの同伴が
多いと洗浄水中へアルカリが混入し、このアルカリが排
水処理の大きな負担となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、芳香族油からタール酸を回収するに際し、フェノレ
ート類の炭酸ガス分解のメカニズムに着目し、フェノレ
ート類を炭酸ガスで操作性良くかつコスト的に有利に分
解することができる方法について鋭意研究を重ねた結
果、液状炭化水素の共存下に炭酸ガス分解を行えば効率
的に分解反応が進むことを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、フェノレート類の炭酸ガス分
解を簡便にかつ低コストで行うことができ、これによっ
て芳香族油から効率良くタール酸を回収することができ
るタール酸の回収方法を提供することにある。
は、芳香族油からタール酸を回収するに際し、フェノレ
ート類の炭酸ガス分解のメカニズムに着目し、フェノレ
ート類を炭酸ガスで操作性良くかつコスト的に有利に分
解することができる方法について鋭意研究を重ねた結
果、液状炭化水素の共存下に炭酸ガス分解を行えば効率
的に分解反応が進むことを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、フェノレート類の炭酸ガス分
解を簡便にかつ低コストで行うことができ、これによっ
て芳香族油から効率良くタール酸を回収することができ
るタール酸の回収方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ア
ルカリ水溶液によって芳香族油から抽出されたフェノレ
ート類を炭酸ガス含有ガスで分解し、タール酸類を生成
させる際、タール酸類100重量部に対して炭素数が6
以上の液状炭化水素を10〜500重量部の割合で共存
させるタール酸の回収方法である。
ルカリ水溶液によって芳香族油から抽出されたフェノレ
ート類を炭酸ガス含有ガスで分解し、タール酸類を生成
させる際、タール酸類100重量部に対して炭素数が6
以上の液状炭化水素を10〜500重量部の割合で共存
させるタール酸の回収方法である。
【0009】ここで、本発明でいう芳香族油とは、コー
ルタール、石炭液化油、オイルシェール、石炭熱分解タ
ールや、これらを蒸留して得られるタール油等のタール
酸類を含有する油であり、アルカリ水溶液による抽出の
前に蒸留、晶析、洗浄等の処理を受けている場合もあ
る。また、タール酸類には、フェノール、クレゾール、
キシレノール、トリメチルフェノール、ナフトール等が
含まれる。これらは1種のみ含まれていても、数種以上
含まれていてもよい。
ルタール、石炭液化油、オイルシェール、石炭熱分解タ
ールや、これらを蒸留して得られるタール油等のタール
酸類を含有する油であり、アルカリ水溶液による抽出の
前に蒸留、晶析、洗浄等の処理を受けている場合もあ
る。また、タール酸類には、フェノール、クレゾール、
キシレノール、トリメチルフェノール、ナフトール等が
含まれる。これらは1種のみ含まれていても、数種以上
含まれていてもよい。
【0010】本発明方法において、抽出に使用されるア
ルカリ水溶液としては、苛性ソーダ、苛性カリ、アンモ
ニア等の水溶液が挙げられるが、苛性ソーダ水溶液が最
も一般的である。この抽出操作により、タール酸はフェ
ノレート類となって水溶液中に移行する。
ルカリ水溶液としては、苛性ソーダ、苛性カリ、アンモ
ニア等の水溶液が挙げられるが、苛性ソーダ水溶液が最
も一般的である。この抽出操作により、タール酸はフェ
ノレート類となって水溶液中に移行する。
【0011】また、炭酸ガス含有ガスとしては、炭酸ガ
スを含むガスであれば特に限定されるものではないが、
炭酸ガス分解を実質的に進めるためには、ガス中の炭酸
ガス濃度が10容量%以上であることが望ましい。この
ような炭酸ガス含有ガスとしては、例えば、製鉄用高炉
から発生するいわゆる高炉ガス、ボイラー排ガス等が挙
げられるが、苛性化工程で生成する炭酸カルシウムの熱
分解によって回収される炭酸ガスを再使用してもよい。
スを含むガスであれば特に限定されるものではないが、
炭酸ガス分解を実質的に進めるためには、ガス中の炭酸
ガス濃度が10容量%以上であることが望ましい。この
ような炭酸ガス含有ガスとしては、例えば、製鉄用高炉
から発生するいわゆる高炉ガス、ボイラー排ガス等が挙
げられるが、苛性化工程で生成する炭酸カルシウムの熱
分解によって回収される炭酸ガスを再使用してもよい。
【0012】本発明で使用される炭素数が6以上の液状
炭化水素としては、ベンゼンやトルエン、キシレン、エ
チルベンゼン、トリメチルベンゼン等のアルキルベンゼ
ンを含む芳香族炭化水素を始めとして、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素等
が挙げられる。これらの液状炭化水素は単独で使用して
もよいし、混合物で使用することもでき、更には異性体
混合物であってもよい。炭素数が5以下では沸点が低す
ぎて炭酸ガス分解時に揮発するおそれがあり、好ましく
ない。また、炭素数が6以上であれば本発明の目的に問
題はないが、後工程でのタール酸類と液状炭化水素の分
離を考慮すると、目的とするタール酸類と沸点に差があ
るものが好ましく、更にはフェノールよりも低沸点であ
るものが望ましく、具体的には、ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ノナン等が好ましい。より好ましくは、炭素数7
〜9のアルキルベンゼン又はこれを主とする炭化水素で
ある。
炭化水素としては、ベンゼンやトルエン、キシレン、エ
チルベンゼン、トリメチルベンゼン等のアルキルベンゼ
ンを含む芳香族炭化水素を始めとして、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素等
が挙げられる。これらの液状炭化水素は単独で使用して
もよいし、混合物で使用することもでき、更には異性体
混合物であってもよい。炭素数が5以下では沸点が低す
ぎて炭酸ガス分解時に揮発するおそれがあり、好ましく
ない。また、炭素数が6以上であれば本発明の目的に問
題はないが、後工程でのタール酸類と液状炭化水素の分
離を考慮すると、目的とするタール酸類と沸点に差があ
るものが好ましく、更にはフェノールよりも低沸点であ
るものが望ましく、具体的には、ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ノナン等が好ましい。より好ましくは、炭素数7
〜9のアルキルベンゼン又はこれを主とする炭化水素で
ある。
【0013】液状炭化水素の添加量は、水溶液中に存在
するタール酸類(フェノール類として存在するタール酸
を含む)100重量部に対して10〜500重量部が好
ましく、より好ましくは50〜300重量部である。液
状炭化水素の添加量が10重量部より少ないと十分な効
果を得ることができず、また、500重量部より多く添
加しても効果があまり向上せず、かえって分離に手間が
かかって好ましくない。
するタール酸類(フェノール類として存在するタール酸
を含む)100重量部に対して10〜500重量部が好
ましく、より好ましくは50〜300重量部である。液
状炭化水素の添加量が10重量部より少ないと十分な効
果を得ることができず、また、500重量部より多く添
加しても効果があまり向上せず、かえって分離に手間が
かかって好ましくない。
【0014】この液状炭化水素は炭酸ガス含有ガスで分
解させる際に存在させるが、その添加は、炭酸ガス含有
ガスを吹き込む前に予めフェノレート水溶液中に添加し
ておいてもよいが、炭酸ガス分解が50〜90%進んだ
時点で添加することが好ましい。これは後に説明するよ
うに、液状炭化水素の効果が炭酸ガス分解の後半から発
現するからである。炭酸ガス分解の反応条件は、特に従
来法と変わるところはなく、20〜80℃の温度範囲で
行われ、また、炭酸ガス(炭酸ガス含有ガス)の流量は
任意に決められる。
解させる際に存在させるが、その添加は、炭酸ガス含有
ガスを吹き込む前に予めフェノレート水溶液中に添加し
ておいてもよいが、炭酸ガス分解が50〜90%進んだ
時点で添加することが好ましい。これは後に説明するよ
うに、液状炭化水素の効果が炭酸ガス分解の後半から発
現するからである。炭酸ガス分解の反応条件は、特に従
来法と変わるところはなく、20〜80℃の温度範囲で
行われ、また、炭酸ガス(炭酸ガス含有ガス)の流量は
任意に決められる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明者らの研究によれば、フェ
ノレート類の炭酸ガス分解反応は、その分解の初期には
反応が水層のみの単一層で円滑に進行するが、分解が進
行するにつれて生成したタール酸類が油層を形成し、こ
の油層にフェノレート類の一部が取り込まれて炭酸ガス
との接触が阻害され、分解率が容易には100%に達し
ないことが分かった。すなわち、炭酸ガス分解反応は、
水層に炭酸として溶解した炭酸ガスとフェノレート類と
の反応であり、油層に存在するフェノレート類の分解は
非常に困難になる。
ノレート類の炭酸ガス分解反応は、その分解の初期には
反応が水層のみの単一層で円滑に進行するが、分解が進
行するにつれて生成したタール酸類が油層を形成し、こ
の油層にフェノレート類の一部が取り込まれて炭酸ガス
との接触が阻害され、分解率が容易には100%に達し
ないことが分かった。すなわち、炭酸ガス分解反応は、
水層に炭酸として溶解した炭酸ガスとフェノレート類と
の反応であり、油層に存在するフェノレート類の分解は
非常に困難になる。
【0016】そこで、このタール酸類が形成する油層中
に液状炭化水素を添加すると、この液状炭化水素は当然
に油層中に溶解し、これにより油層の疎水性が増加して
フェノレート類の溶解度が低下し、結果としてフェノレ
ート類の水層への移行が促進され、炭酸ガス分解が完全
に行われるものと考えられる。また同様の理由でアルカ
リの移行も促進され、油層中のアルカリ量も低減される
と考えられる。
に液状炭化水素を添加すると、この液状炭化水素は当然
に油層中に溶解し、これにより油層の疎水性が増加して
フェノレート類の溶解度が低下し、結果としてフェノレ
ート類の水層への移行が促進され、炭酸ガス分解が完全
に行われるものと考えられる。また同様の理由でアルカ
リの移行も促進され、油層中のアルカリ量も低減される
と考えられる。
【0017】このような観点からは、分解塔を2つ設
け、第1の分解塔では液状炭化水素を存在させずに所定
の分解率となるまで炭酸ガス分解させ、次いでこれに液
状炭化水素を所定量添加し、第2の分解塔で、ほぼ10
0%となるまで炭酸ガス分解することが有利である。
け、第1の分解塔では液状炭化水素を存在させずに所定
の分解率となるまで炭酸ガス分解させ、次いでこれに液
状炭化水素を所定量添加し、第2の分解塔で、ほぼ10
0%となるまで炭酸ガス分解することが有利である。
【0018】
【実施例】以下、添付図面のフローシートに示す実施例
に基づいて、本発明を具体的に説明する。
に基づいて、本発明を具体的に説明する。
【0019】実施例1 コールタールを蒸留して得た150〜250℃留分を1
0%苛性ソーダ水溶液で抽出し、フェノレート類の水溶
液を得た。このフェノレート類の水溶液1kg中には
0.15kgのタール酸が含まれていた。
0%苛性ソーダ水溶液で抽出し、フェノレート類の水溶
液を得た。このフェノレート類の水溶液1kg中には
0.15kgのタール酸が含まれていた。
【0020】このフェノレート類の水溶液を1kg/h
の速度でライン1から第1の分解カラム4内に装入し、
同時にこの第1の分解カラム4内に炭酸ガス20%を含
む炭酸ガス含有窒素ガスをライン2から200リットル
/hの速度で装入し、第1の分解カラム4内の温度を6
0℃に維持して約1時間滞留させた後、この第1の分解
カラム4のライン5から連続的に抜き出して混合槽7に
移送した。第1の分解カラム4に装入されたガスはライ
ン3より排出された。
の速度でライン1から第1の分解カラム4内に装入し、
同時にこの第1の分解カラム4内に炭酸ガス20%を含
む炭酸ガス含有窒素ガスをライン2から200リットル
/hの速度で装入し、第1の分解カラム4内の温度を6
0℃に維持して約1時間滞留させた後、この第1の分解
カラム4のライン5から連続的に抜き出して混合槽7に
移送した。第1の分解カラム4に装入されたガスはライ
ン3より排出された。
【0021】混合槽7には、ライン6からキシレンを
0.3kg/hの速度で装入して混合し、得られた混合
液をライン8から第2の分解カラム9に装入し、同時に
この第2の分解カラム9にはそのカラム下部のライン2
から第1の分解カラム4に装入したものと同じ炭酸ガス
含有窒素ガスを200リットル/hで装入した。第2の
分解カラム9に装入されたガスはライン3より排出され
た。
0.3kg/hの速度で装入して混合し、得られた混合
液をライン8から第2の分解カラム9に装入し、同時に
この第2の分解カラム9にはそのカラム下部のライン2
から第1の分解カラム4に装入したものと同じ炭酸ガス
含有窒素ガスを200リットル/hで装入した。第2の
分解カラム9に装入されたガスはライン3より排出され
た。
【0022】第2の分解カラム9内で炭酸ガスと接触し
た後の分解処理液をライン10から分離槽11に移送
し、この分離槽11で油水分離させ、水層はライン12
から排出すると共に、油層はライン13から水洗塔15
へ移送した。この水洗塔15にはライン14から水0.
06l/hを装入し、油層を水洗し、この水洗に使用さ
れた水層は塔底のライン17から排出し、塔頂のライン
16からタール酸を抜き出して回収した。
た後の分解処理液をライン10から分離槽11に移送
し、この分離槽11で油水分離させ、水層はライン12
から排出すると共に、油層はライン13から水洗塔15
へ移送した。この水洗塔15にはライン14から水0.
06l/hを装入し、油層を水洗し、この水洗に使用さ
れた水層は塔底のライン17から排出し、塔頂のライン
16からタール酸を抜き出して回収した。
【0023】この操作を10時間連続的に実施し、ライ
ン12及びライン13の液について、フェノレート類の
濃度を測定したところ、ライン12では10ppm以
下、ライン13では800ppm(キシレンを除いた
値)であり、ほぼ完全にフェノレート類が分解している
ことが判明した。また、ライン17の排水中のナトリウ
ム濃度は670ppmであった。
ン12及びライン13の液について、フェノレート類の
濃度を測定したところ、ライン12では10ppm以
下、ライン13では800ppm(キシレンを除いた
値)であり、ほぼ完全にフェノレート類が分解している
ことが判明した。また、ライン17の排水中のナトリウ
ム濃度は670ppmであった。
【0024】実施例2 ワイオミング炭をNEDOL法により液化して得られた
石炭液化油のナフサ留分を10%苛性ソーダ水溶液で抽
出し、フェノレート類の水溶液を得た。このフェノレー
ト類の水溶液1kgには0.18kgのタール酸が含ま
れていた。このフェノレート類の水溶液を用いた以外
は、上記実施例1と同様の操作を行い、ライン12及び
ライン13の液中のフェノレート類の濃度を測定した。
結果はそれぞれ10ppm以下及び750ppmであっ
た。また、ライン17の排水中のナトリウム濃度は62
0ppmであった。
石炭液化油のナフサ留分を10%苛性ソーダ水溶液で抽
出し、フェノレート類の水溶液を得た。このフェノレー
ト類の水溶液1kgには0.18kgのタール酸が含ま
れていた。このフェノレート類の水溶液を用いた以外
は、上記実施例1と同様の操作を行い、ライン12及び
ライン13の液中のフェノレート類の濃度を測定した。
結果はそれぞれ10ppm以下及び750ppmであっ
た。また、ライン17の排水中のナトリウム濃度は62
0ppmであった。
【0025】比較例 実施例1と同じフェノレート類の水溶液を用い、ライン
6からのキシレン添加を行わなかった他は実施例1と同
様の操作を行った。ライン12の液中のフェノレート類
の濃度は10ppm以下であったが、ライン13の液中
の濃度は10,000ppmであった。また、ライン1
7の排水中のナトリウム濃度は1.7%であった。
6からのキシレン添加を行わなかった他は実施例1と同
様の操作を行った。ライン12の液中のフェノレート類
の濃度は10ppm以下であったが、ライン13の液中
の濃度は10,000ppmであった。また、ライン1
7の排水中のナトリウム濃度は1.7%であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、フェノレート類の炭酸
ガス分解を容易に、かつ、効率的に実施することがで
き、芳香族油から効率良くタール酸を回収することがで
きる。
ガス分解を容易に、かつ、効率的に実施することがで
き、芳香族油から効率良くタール酸を回収することがで
きる。
【図1】 図1は、本発明の実施例に係るフェノレート
類の炭酸ガス分解法のフローチャートである。
類の炭酸ガス分解法のフローチャートである。
1〜3,5,6,8,10,12〜14,16,17…
ライン、4,9…分解カラム、7…混合槽、11…分離
槽、15…水洗塔。
ライン、4,9…分解カラム、7…混合槽、11…分離
槽、15…水洗塔。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
Claims (2)
- 【請求項1】 アルカリ水溶液によって芳香族油から抽
出されたフェノレート類を炭酸ガス含有ガスで分解し、
タール酸類を生成させる際、タール酸類100重量部に
対して炭素数が6以上の液状炭化水素を10〜500重
量部の割合で共存させることを特徴とするタール酸の回
収方法。 - 【請求項2】 液状炭化水素がキシレンである請求項1
記載のタール酸の回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18748195A JPH0931472A (ja) | 1995-07-24 | 1995-07-24 | タール酸の回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18748195A JPH0931472A (ja) | 1995-07-24 | 1995-07-24 | タール酸の回収方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0931472A true JPH0931472A (ja) | 1997-02-04 |
Family
ID=16206833
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18748195A Pending JPH0931472A (ja) | 1995-07-24 | 1995-07-24 | タール酸の回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0931472A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018198428A1 (ja) * | 2017-04-26 | 2018-11-01 | Jfeケミカル株式会社 | タール酸塩の回収方法およびタール酸の製造方法 |
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1995
- 1995-07-24 JP JP18748195A patent/JPH0931472A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018198428A1 (ja) * | 2017-04-26 | 2018-11-01 | Jfeケミカル株式会社 | タール酸塩の回収方法およびタール酸の製造方法 |
JP6450501B1 (ja) * | 2017-04-26 | 2019-01-09 | Jfeケミカル株式会社 | タール酸塩の回収方法およびタール酸の製造方法 |
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Legal Events
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