JPH09312129A - Dc型プラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法 - Google Patents
Dc型プラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法Info
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- JPH09312129A JPH09312129A JP8126709A JP12670996A JPH09312129A JP H09312129 A JPH09312129 A JP H09312129A JP 8126709 A JP8126709 A JP 8126709A JP 12670996 A JP12670996 A JP 12670996A JP H09312129 A JPH09312129 A JP H09312129A
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- phosphor
- layer
- barrier
- cell
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- Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
- Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 各色の蛍光体ペーストの研削速度に依存する
ことなく、蛍光体量が充分に確保でき、しかも膜厚及び
形状が安定した蛍光体層を得るようにする。 【解決手段】 放電セルの障壁31空間内に蛍光体ペー
ストを充填して乾燥、沈降させることによってセル内の
放電空間を確保し、その後に陽極と陰極とが交叉する面
積程度の開口32aを設けたドライフィルムレジスト3
2をマスク層34としてサンドブラスト加工を行って、
沈降した蛍光体層42の最底部の前記開口32aに規定
された領域のみの蛍光体を研削除去する。蛍光体の無駄
が抑えられ、研削時間も少なくて済み、蛍光面表層は全
く損傷を受けず、さらに各色蛍光体ペーストの研削速度
の相違に依存することなくセル内に充分な蛍光体量が確
保できる。
ことなく、蛍光体量が充分に確保でき、しかも膜厚及び
形状が安定した蛍光体層を得るようにする。 【解決手段】 放電セルの障壁31空間内に蛍光体ペー
ストを充填して乾燥、沈降させることによってセル内の
放電空間を確保し、その後に陽極と陰極とが交叉する面
積程度の開口32aを設けたドライフィルムレジスト3
2をマスク層34としてサンドブラスト加工を行って、
沈降した蛍光体層42の最底部の前記開口32aに規定
された領域のみの蛍光体を研削除去する。蛍光体の無駄
が抑えられ、研削時間も少なくて済み、蛍光面表層は全
く損傷を受けず、さらに各色蛍光体ペーストの研削速度
の相違に依存することなくセル内に充分な蛍光体量が確
保できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(以下、PDPと記す)の製造工程に係わる
ものであり、詳しくはDC型PDPのセル障壁に蛍光面
を形成する方法に関するものである。
レイパネル(以下、PDPと記す)の製造工程に係わる
ものであり、詳しくはDC型PDPのセル障壁に蛍光面
を形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、PDPの輝度向上を目的と
し、放電空間を規定するセル障壁の壁面に蛍光面を設け
ることが提案されている。そして、セル障壁の壁面に蛍
光面を形成する方法としては、スクリーン印刷法により
赤(R),緑(G),青(B)の3種類の蛍光体ペース
トをそれぞれ所定のセル障壁内に選択充填して乾燥させ
た後、サンドブラスト法などにより底面部分の放電に必
要な電極などの露出を行って所定の蛍光面を形成する方
法が知られている(例えば、特開平6−5205号公報
参照)。また、蛍光体ペーストをセル障壁内に障壁の頂
部と平滑になるように完全充填し、その後壁面のみに蛍
光体が残留するように耐サンドブラストマスクを形成し
た後、サンドブラスト処理により壁面のみに蛍光面を形
成する方法も知られている(例えば、特開平5−205
636号公報参照)。
し、放電空間を規定するセル障壁の壁面に蛍光面を設け
ることが提案されている。そして、セル障壁の壁面に蛍
光面を形成する方法としては、スクリーン印刷法により
赤(R),緑(G),青(B)の3種類の蛍光体ペース
トをそれぞれ所定のセル障壁内に選択充填して乾燥させ
た後、サンドブラスト法などにより底面部分の放電に必
要な電極などの露出を行って所定の蛍光面を形成する方
法が知られている(例えば、特開平6−5205号公報
参照)。また、蛍光体ペーストをセル障壁内に障壁の頂
部と平滑になるように完全充填し、その後壁面のみに蛍
光体が残留するように耐サンドブラストマスクを形成し
た後、サンドブラスト処理により壁面のみに蛍光面を形
成する方法も知られている(例えば、特開平5−205
636号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたよ
うなサンドブラスト法を用いる蛍光面形成方法では、セ
ルに略一杯充填された蛍光体ペーストを研削除去して、
セル内の放電空間を形成しながらセル底部の電極を露出
させることを目的としていた。しかしながら、このよう
な方法では、除去されて無駄になる蛍光体の量が多かっ
た。さらには、放電空間に露出した蛍光体表層は粉体に
よる研削にさらされるので、粗面化、脆弱化してしま
い、焼成後に崩れ易くなるという不具合があった。ま
た、このような蛍光面化方法においては、放電に支障を
きたさないように電極を充分に露出させながら、輝度の
確保のためには電極以外の部分の蛍光体を充分残存させ
る必要がある。ところが、一般に蛍光体ペーストは3色
それぞれに研削速度が異なるため、最も研削速度の遅い
蛍光体ペーストが充填されたセルの電極露出を行うと、
最も研削速度の速い蛍光体ペーストが充填されたセルの
蛍光体量が不充分になってしまうという問題があった。
研削速度の不一致を、蛍光体ペーストの初期充填量を制
御して補償しようとする方法があるが、充填工程のプロ
セス条件だけで所望の充填量に一致させることは困難で
あり、蛍光体ペーストの材料組成を改変して粘弾性的特
性を適正化する必要がある。しかしながら、材料組成を
改変すると必然的に研削速度も変化するので、所望の充
填量と所望の研削速度を同時に達成するには、材料に対
して極めて厳しい要求を課す結果になっていた。
うなサンドブラスト法を用いる蛍光面形成方法では、セ
ルに略一杯充填された蛍光体ペーストを研削除去して、
セル内の放電空間を形成しながらセル底部の電極を露出
させることを目的としていた。しかしながら、このよう
な方法では、除去されて無駄になる蛍光体の量が多かっ
た。さらには、放電空間に露出した蛍光体表層は粉体に
よる研削にさらされるので、粗面化、脆弱化してしま
い、焼成後に崩れ易くなるという不具合があった。ま
た、このような蛍光面化方法においては、放電に支障を
きたさないように電極を充分に露出させながら、輝度の
確保のためには電極以外の部分の蛍光体を充分残存させ
る必要がある。ところが、一般に蛍光体ペーストは3色
それぞれに研削速度が異なるため、最も研削速度の遅い
蛍光体ペーストが充填されたセルの電極露出を行うと、
最も研削速度の速い蛍光体ペーストが充填されたセルの
蛍光体量が不充分になってしまうという問題があった。
研削速度の不一致を、蛍光体ペーストの初期充填量を制
御して補償しようとする方法があるが、充填工程のプロ
セス条件だけで所望の充填量に一致させることは困難で
あり、蛍光体ペーストの材料組成を改変して粘弾性的特
性を適正化する必要がある。しかしながら、材料組成を
改変すると必然的に研削速度も変化するので、所望の充
填量と所望の研削速度を同時に達成するには、材料に対
して極めて厳しい要求を課す結果になっていた。
【0004】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、各色の蛍光
体ペーストの研削速度に依存することなく、単位セル当
たりの蛍光体量が充分に確保でき、しかも膜厚及び形状
が安定した蛍光体層を得ることのできるDC型PDPの
蛍光面形成方法を提供することにある。
れたものであり、その目的とするところは、各色の蛍光
体ペーストの研削速度に依存することなく、単位セル当
たりの蛍光体量が充分に確保でき、しかも膜厚及び形状
が安定した蛍光体層を得ることのできるDC型PDPの
蛍光面形成方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、前面板及び背面板にそれぞれ複数の電極
が設けられ、前記両基板がセル障壁を挟んで互いに平行
かつ対向するように配設され、前記背面板上の前記セル
障壁によって区画された障壁空間の底面と前記セル障壁
の壁面を被覆するように蛍光体層が設けられ、なおかつ
前記セル底面の蛍光体層には電極の少なくとも一部が露
出するような開口が設けられてなるDC型PDPの蛍光
面を形成する方法において、少なくとも次の各工程を含
むことを特徴としている。 (1)前記障壁空間に蛍光体ペーストを充填して乾燥さ
せることにより、前記蛍光体ペーストに含まれる溶媒を
気化させてすり鉢状に窪んだ蛍光体層を形成する工程。 (2)耐サンドブラスト性を有するフィルム状の感光性
樹脂膜を前記セル障壁上にラミネートしてレジスト層を
形成する工程。 (3)前記前面板上の電極の幅程度の開口を前記レジス
ト層に設ける工程。 (4)前記開口が設けられたレジスト層をマスクとして
サンドブラスト処理により蛍光体層を除去して電極を露
出させる工程。 (5)前記レジスト層を剥離する工程。 (6)基板全体を焼成して前記蛍光体ペースト中の有機
バインダーを焼失させる工程。
に、本発明は、前面板及び背面板にそれぞれ複数の電極
が設けられ、前記両基板がセル障壁を挟んで互いに平行
かつ対向するように配設され、前記背面板上の前記セル
障壁によって区画された障壁空間の底面と前記セル障壁
の壁面を被覆するように蛍光体層が設けられ、なおかつ
前記セル底面の蛍光体層には電極の少なくとも一部が露
出するような開口が設けられてなるDC型PDPの蛍光
面を形成する方法において、少なくとも次の各工程を含
むことを特徴としている。 (1)前記障壁空間に蛍光体ペーストを充填して乾燥さ
せることにより、前記蛍光体ペーストに含まれる溶媒を
気化させてすり鉢状に窪んだ蛍光体層を形成する工程。 (2)耐サンドブラスト性を有するフィルム状の感光性
樹脂膜を前記セル障壁上にラミネートしてレジスト層を
形成する工程。 (3)前記前面板上の電極の幅程度の開口を前記レジス
ト層に設ける工程。 (4)前記開口が設けられたレジスト層をマスクとして
サンドブラスト処理により蛍光体層を除去して電極を露
出させる工程。 (5)前記レジスト層を剥離する工程。 (6)基板全体を焼成して前記蛍光体ペースト中の有機
バインダーを焼失させる工程。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の蛍光面形成方法を利用す
るのが好適なDC型PDPの一構成例を図1(a),
(b)に示す。
るのが好適なDC型PDPの一構成例を図1(a),
(b)に示す。
【0007】これらの図に示されるように、このDC型
PDPは前面板1と背面板2の2枚のガラス基板を合わ
せてパネル化されたもので、前面板1上には陰極3から
なる第1の電極群とブラックマスク4が形成され、背面
板2上には電気的に接続した表示陽極5と電極体6とか
らなる第2の電極群が形成されており、陰極3と表示陽
極5が略直交するように前面板1と背面板2とが障壁7
とブラックマスク4により対向保持されて放電セル8が
形成され、放電セル8内の陰極3と電極体6とによって
単位放電電極対が構成されている。そして、隣接する表
示陽極5の間にはそれと平行に補助陽極9が設けられて
おり、陰極3と交わる箇所には補助陽極9上にも電極体
6が設けられている。
PDPは前面板1と背面板2の2枚のガラス基板を合わ
せてパネル化されたもので、前面板1上には陰極3から
なる第1の電極群とブラックマスク4が形成され、背面
板2上には電気的に接続した表示陽極5と電極体6とか
らなる第2の電極群が形成されており、陰極3と表示陽
極5が略直交するように前面板1と背面板2とが障壁7
とブラックマスク4により対向保持されて放電セル8が
形成され、放電セル8内の陰極3と電極体6とによって
単位放電電極対が構成されている。そして、隣接する表
示陽極5の間にはそれと平行に補助陽極9が設けられて
おり、陰極3と交わる箇所には補助陽極9上にも電極体
6が設けられている。
【0008】上記のDC型PDPでは、陰極3と表示陽
極5の間に所定の電圧を印加すると、表示陽極5から電
極体6に電流が流れ、放電セル8内において陰極3と電
極体6との間で放電が起こり、この放電により発生する
紫外線でRGB3色の蛍光体10を発光させるようにな
っており、この発光は前面板1を通して外部に放射され
フルカラーの画像表示が行われる。この場合、補助陽極
9は放電セル8内に放電の種火となる荷電粒子をプライ
ミングスリット11を通して供給する役目を持つ。な
お、12は白バック層となる絶縁体層でカラー表示を鮮
明にするためのものである。また、ブラックマスク4は
画像表示のコントラストを高めるためのものである。
極5の間に所定の電圧を印加すると、表示陽極5から電
極体6に電流が流れ、放電セル8内において陰極3と電
極体6との間で放電が起こり、この放電により発生する
紫外線でRGB3色の蛍光体10を発光させるようにな
っており、この発光は前面板1を通して外部に放射され
フルカラーの画像表示が行われる。この場合、補助陽極
9は放電セル8内に放電の種火となる荷電粒子をプライ
ミングスリット11を通して供給する役目を持つ。な
お、12は白バック層となる絶縁体層でカラー表示を鮮
明にするためのものである。また、ブラックマスク4は
画像表示のコントラストを高めるためのものである。
【0009】以下、上記構造のDC型PDPの製造工程
を例に挙げて本発明の蛍光面形成方法の実施形態を説明
する。最初に蛍光面形成までを説明する。
を例に挙げて本発明の蛍光面形成方法の実施形態を説明
する。最初に蛍光面形成までを説明する。
【0010】まず、図2(a)に示すように、ガラス基
板21上にフォトエッチング法により表示陽極及び補助
陽極となるAu電極22を形成する。ここでは、表示陽
極の幅を180μm、隣接する表示陽極のピッチを35
0μm、補助陽極の幅を120μmとした。次いで、図
2(b)に示すように基板上に白バック層23となるガ
ラスペーストを塗布して乾燥させた後、図2(c)に示
すように耐サンドブラスト性を有するフィルム状のネガ
型感光性樹脂膜24をラミネートし、図2(d)に示す
ように120μm径の電極体パターンを配したフォトマ
スク25を用いて紫外線露光を施した。続いて、30℃
の1%炭酸ナトリウム水溶液で現像して図2(e)に示
す如く電極体が配される部分の感光性樹脂膜24に開口
を設けた後、基板を170℃に保ったクリーンオーブン
内で加熱し、感光性樹脂膜を完全に硬化させた。
板21上にフォトエッチング法により表示陽極及び補助
陽極となるAu電極22を形成する。ここでは、表示陽
極の幅を180μm、隣接する表示陽極のピッチを35
0μm、補助陽極の幅を120μmとした。次いで、図
2(b)に示すように基板上に白バック層23となるガ
ラスペーストを塗布して乾燥させた後、図2(c)に示
すように耐サンドブラスト性を有するフィルム状のネガ
型感光性樹脂膜24をラミネートし、図2(d)に示す
ように120μm径の電極体パターンを配したフォトマ
スク25を用いて紫外線露光を施した。続いて、30℃
の1%炭酸ナトリウム水溶液で現像して図2(e)に示
す如く電極体が配される部分の感光性樹脂膜24に開口
を設けた後、基板を170℃に保ったクリーンオーブン
内で加熱し、感光性樹脂膜を完全に硬化させた。
【0011】引き続き、図3(a)に示すように褐色溶
融アルミナ(#1000)を研削用粉体としてサンドブ
ラストを行い、図3(b)に示す如く電極体となるべき
部分のガラスペースト23を除去することで開口23a
を形成した後、粉体の除去のために水洗を施した。次
に、電極体用材料であるRuO2 ペーストを基板の一端
に載せ、ナイロン製のスキージを走査して、図3(c)
に示す如く前記開口23aにRuO2 ペースト26を埋
め込むようにした。この埋め込み工程と、RuO2 ペー
スト26の乾燥工程とを2〜3回繰り返し、前記開口2
3aの最上部までRuO2 ペースト26を充填した。さ
らに、水洗しながら感光性樹脂膜24の表面をサンドペ
ーパー(#1000〜4000)で研磨し、図3(d)
に示すように感光性樹脂膜24の表層に残ったRuO2
ペースト26の残渣26aを除去するとともに、充填さ
れたRuO2 ペースト26の下層電極22からの高さを
基板内で均一にした。このようにした基板を、50℃の
モノエタノールアミン10%水溶液に約2分間浸漬して
感光性樹脂膜を剥離し、水洗した後で乾燥させ、ピーク
温度580℃で焼成し、図3(d)に示すように白バッ
ク層23と電極体27を同時に形成した。
融アルミナ(#1000)を研削用粉体としてサンドブ
ラストを行い、図3(b)に示す如く電極体となるべき
部分のガラスペースト23を除去することで開口23a
を形成した後、粉体の除去のために水洗を施した。次
に、電極体用材料であるRuO2 ペーストを基板の一端
に載せ、ナイロン製のスキージを走査して、図3(c)
に示す如く前記開口23aにRuO2 ペースト26を埋
め込むようにした。この埋め込み工程と、RuO2 ペー
スト26の乾燥工程とを2〜3回繰り返し、前記開口2
3aの最上部までRuO2 ペースト26を充填した。さ
らに、水洗しながら感光性樹脂膜24の表面をサンドペ
ーパー(#1000〜4000)で研磨し、図3(d)
に示すように感光性樹脂膜24の表層に残ったRuO2
ペースト26の残渣26aを除去するとともに、充填さ
れたRuO2 ペースト26の下層電極22からの高さを
基板内で均一にした。このようにした基板を、50℃の
モノエタノールアミン10%水溶液に約2分間浸漬して
感光性樹脂膜を剥離し、水洗した後で乾燥させ、ピーク
温度580℃で焼成し、図3(d)に示すように白バッ
ク層23と電極体27を同時に形成した。
【0012】続いて、図4(a)に示すように、セル障
壁となるガラスペースト28をブレードコート法により
基板全面に塗布し、乾燥後に約200μmの膜厚になる
ようにした。次いで、図4(b)に示すように、このガ
ラスペースト28の厚膜層の上に耐サンドブラスト性を
有するフィルム状のネガ型感光性樹脂膜29をラミネー
トしてから、図4(c)に示すようにセル障壁となる部
分が透光部であるパターンを配したフォトマスク30を
介して紫外線露光を施した後、図5(a)に示すように
30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液にて現像を行って、
硬化した感光性樹脂膜29をパターン状に残した。ここ
では、セルの縦ピッチが490μm、セル障壁の線幅が
70μmのパターンを用いた。引き続き、図5(b)に
示すように、褐色溶融アルミナ(#1000)を研削用
粉体としてサンドブラスト処理を施して不要な部分のガ
ラスペースト28を除去した。この後、45℃の1%水
酸化ナトリウム水溶液に約2分間浸漬して感光性樹脂膜
29を剥離し、水洗して乾燥させてから、ピーク温度5
80℃で焼成を行って、図5(c)に示す如くセル障壁
31を形成した。
壁となるガラスペースト28をブレードコート法により
基板全面に塗布し、乾燥後に約200μmの膜厚になる
ようにした。次いで、図4(b)に示すように、このガ
ラスペースト28の厚膜層の上に耐サンドブラスト性を
有するフィルム状のネガ型感光性樹脂膜29をラミネー
トしてから、図4(c)に示すようにセル障壁となる部
分が透光部であるパターンを配したフォトマスク30を
介して紫外線露光を施した後、図5(a)に示すように
30℃の1%炭酸ナトリウム水溶液にて現像を行って、
硬化した感光性樹脂膜29をパターン状に残した。ここ
では、セルの縦ピッチが490μm、セル障壁の線幅が
70μmのパターンを用いた。引き続き、図5(b)に
示すように、褐色溶融アルミナ(#1000)を研削用
粉体としてサンドブラスト処理を施して不要な部分のガ
ラスペースト28を除去した。この後、45℃の1%水
酸化ナトリウム水溶液に約2分間浸漬して感光性樹脂膜
29を剥離し、水洗して乾燥させてから、ピーク温度5
80℃で焼成を行って、図5(c)に示す如くセル障壁
31を形成した。
【0013】図6及び図7は上記のようにして作製した
障壁空間の底面とセル障壁の壁面を被覆するように蛍光
体層を設ける手順を示す連続した工程図であり、以下、
同図の各工程に沿って実施形態を説明する。なお、これ
らの図ではセル配置を模式的に表示している。
障壁空間の底面とセル障壁の壁面を被覆するように蛍光
体層を設ける手順を示す連続した工程図であり、以下、
同図の各工程に沿って実施形態を説明する。なお、これ
らの図ではセル配置を模式的に表示している。
【0014】まず、図6(a)に示すように、セル障壁
31によって囲まれる放電空間としての障壁空間内に蛍
光体ペースト41をスクリーン印刷法により充填した
後、170℃で30分間乾燥させる。このように障壁空
間内に蛍光体ペースト41を充填して乾燥させることに
より、ペースト中に含まれる溶媒が気化し、図6(b)
に示すように、蛍光体層42は沈降してセルの中央部で
すり鉢状にへこんだ状態になる。この工程を赤(R)、
緑(G)、青(B)の蛍光体ペーストについて計3回行
い、図6(c)に示すように、所定のセル障壁31内に
それぞれ各色の蛍光体層42を形成した。
31によって囲まれる放電空間としての障壁空間内に蛍
光体ペースト41をスクリーン印刷法により充填した
後、170℃で30分間乾燥させる。このように障壁空
間内に蛍光体ペースト41を充填して乾燥させることに
より、ペースト中に含まれる溶媒が気化し、図6(b)
に示すように、蛍光体層42は沈降してセルの中央部で
すり鉢状にへこんだ状態になる。この工程を赤(R)、
緑(G)、青(B)の蛍光体ペーストについて計3回行
い、図6(c)に示すように、所定のセル障壁31内に
それぞれ各色の蛍光体層42を形成した。
【0015】蛍光体ペーストとしては、蛍光体粉末を主
とし、これにエチルセルロースと溶剤からなるバインダ
ーを混合したものを使用した。蛍光体粉末としては、赤
色蛍光体にY2 O3 :Eu、緑色蛍光体にBaAl12O
19:Mn、青色蛍光体にBaMgAl14O23:Eu2+を
使用した。なお、蛍光体ペーストの充填手段にスクリー
ン印刷法を利用したが、これは本発明を限定するもので
はなく、例えばスプレー法等その他の手段で充填するよ
うにしてもよい。
とし、これにエチルセルロースと溶剤からなるバインダ
ーを混合したものを使用した。蛍光体粉末としては、赤
色蛍光体にY2 O3 :Eu、緑色蛍光体にBaAl12O
19:Mn、青色蛍光体にBaMgAl14O23:Eu2+を
使用した。なお、蛍光体ペーストの充填手段にスクリー
ン印刷法を利用したが、これは本発明を限定するもので
はなく、例えばスプレー法等その他の手段で充填するよ
うにしてもよい。
【0016】次いで、図6(d)に示すように、フィル
ム状のネガ型感光性樹脂膜(日本合成化学工業製「NC
P225」、25μm厚)をラミネーター(温度120
℃)により貼り付けてレジスト層32を形成した。
ム状のネガ型感光性樹脂膜(日本合成化学工業製「NC
P225」、25μm厚)をラミネーター(温度120
℃)により貼り付けてレジスト層32を形成した。
【0017】その後、図7(a)に示すように、ドット
パターンを有するマスク33を介して露光を行った。露
光条件は365nmで測定した時に強度8mW/c
m2 、照射量30mJ/cm2 である。露光後、1%炭
酸ナトリウム水溶液により液温30〜50℃でスプレー
現像を行い、水洗した後、50℃で1時間乾燥させた。
これにより、図7(b)に示すように、ドット状の開口
32aを有するマスク層34を形成した。本実施例で
は、マスク層34を蛍光体充填セルの中央部に120μ
m角の開口32aが形成されるようにした。
パターンを有するマスク33を介して露光を行った。露
光条件は365nmで測定した時に強度8mW/c
m2 、照射量30mJ/cm2 である。露光後、1%炭
酸ナトリウム水溶液により液温30〜50℃でスプレー
現像を行い、水洗した後、50℃で1時間乾燥させた。
これにより、図7(b)に示すように、ドット状の開口
32aを有するマスク層34を形成した。本実施例で
は、マスク層34を蛍光体充填セルの中央部に120μ
m角の開口32aが形成されるようにした。
【0018】続いて、図7(c)に示すように、サンド
ブラスト処理によりマスク層34の開口32aに対応す
る部分の蛍光体層42を除去した。具体的には、粉体と
して褐色溶融アルミナ#800を用い、噴射圧力3.0
kgf/cm2 、ノズルと基板との距離190mm、ス
キャン速度17m/minの条件でサンドブラスト処理
を行って電極体27の上の蛍光体を除去し、電極体27
を露出させた。
ブラスト処理によりマスク層34の開口32aに対応す
る部分の蛍光体層42を除去した。具体的には、粉体と
して褐色溶融アルミナ#800を用い、噴射圧力3.0
kgf/cm2 、ノズルと基板との距離190mm、ス
キャン速度17m/minの条件でサンドブラスト処理
を行って電極体27の上の蛍光体を除去し、電極体27
を露出させた。
【0019】その後、モノエタノールアミン15%水溶
液に2分間浸漬してマスク層34の剥離を行った。さら
に、水洗してから120℃で1時間乾燥させた後、蛍光
体ペースト中に含まれる樹脂成分を消失させるため、ピ
ーク温度450℃、保持時間15分の条件で焼成した。
これにより、図7(d)に示すように、セル障壁31内
の電極体27が露出した蛍光面43が形成できた。
液に2分間浸漬してマスク層34の剥離を行った。さら
に、水洗してから120℃で1時間乾燥させた後、蛍光
体ペースト中に含まれる樹脂成分を消失させるため、ピ
ーク温度450℃、保持時間15分の条件で焼成した。
これにより、図7(d)に示すように、セル障壁31内
の電極体27が露出した蛍光面43が形成できた。
【0020】このようにして作製した背面板に合わせる
前面板は、従来の技術を利用して作製するものであり、
以下にその工程について簡単に述べる。まず、ガラス基
板上にNiペーストをスクリーン印刷法により塗布して
焼成し、線幅120μm、ピッチ490μmの陰極を形
成した。続いて、黒色ガラスペーストをスクリーン印刷
法により基板全面に塗布して乾燥させた後、耐サンドブ
ラスト性を有するフィルム状の感光性樹脂をラミネート
し、露光、現像してブラックマスクパターンを設け、サ
ンドブラスト法により不要な部分のガラスペーストを除
去した。この後、アルカリ性の水溶液で感光性樹脂膜を
剥離してから焼成し、ガラスペーストを基板上に固着せ
しめて、線幅70μm、プライミングスリット幅70μ
mのブラックマスクを形成し、前面板を完成した。そし
て、前記の背面板とこの前面板をセル障壁とブラックマ
スクの各パターンが整合するように封着し、ガス(Ne
−Xe或いはHe−Xe)の封入を行って目的とするP
DPを作製した。
前面板は、従来の技術を利用して作製するものであり、
以下にその工程について簡単に述べる。まず、ガラス基
板上にNiペーストをスクリーン印刷法により塗布して
焼成し、線幅120μm、ピッチ490μmの陰極を形
成した。続いて、黒色ガラスペーストをスクリーン印刷
法により基板全面に塗布して乾燥させた後、耐サンドブ
ラスト性を有するフィルム状の感光性樹脂をラミネート
し、露光、現像してブラックマスクパターンを設け、サ
ンドブラスト法により不要な部分のガラスペーストを除
去した。この後、アルカリ性の水溶液で感光性樹脂膜を
剥離してから焼成し、ガラスペーストを基板上に固着せ
しめて、線幅70μm、プライミングスリット幅70μ
mのブラックマスクを形成し、前面板を完成した。そし
て、前記の背面板とこの前面板をセル障壁とブラックマ
スクの各パターンが整合するように封着し、ガス(Ne
−Xe或いはHe−Xe)の封入を行って目的とするP
DPを作製した。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るDC
型PDPの蛍光面形成方法は、放電セルの障壁空間内に
蛍光体ペーストを充填して乾燥、沈降させることによっ
てセル内の放電空間を確保し、その後に陽極と陰極が交
叉する面積程度の開口を設けた感光性樹脂膜をマスクと
してサンドブラスト加工を行って、沈降した蛍光体層最
底部の前記開口に規定された領域のみの蛍光体を研削除
去するので、蛍光体の無駄が抑えられ、研削時間も少な
くて済み、蛍光面表層は全く損傷を受けず、さらに各色
蛍光体ペーストの研削速度の相違に依存することなくセ
ル内に充分な蛍光体量を確保することが可能となった。
型PDPの蛍光面形成方法は、放電セルの障壁空間内に
蛍光体ペーストを充填して乾燥、沈降させることによっ
てセル内の放電空間を確保し、その後に陽極と陰極が交
叉する面積程度の開口を設けた感光性樹脂膜をマスクと
してサンドブラスト加工を行って、沈降した蛍光体層最
底部の前記開口に規定された領域のみの蛍光体を研削除
去するので、蛍光体の無駄が抑えられ、研削時間も少な
くて済み、蛍光面表層は全く損傷を受けず、さらに各色
蛍光体ペーストの研削速度の相違に依存することなくセ
ル内に充分な蛍光体量を確保することが可能となった。
【図1】本発明の蛍光面形成方法を利用するのが好適な
DC型PDPの一構成例を示すもので、(a)は断面
図、(b)は平面図である。
DC型PDPの一構成例を示すもので、(a)は断面
図、(b)は平面図である。
【図2】背面板に障壁を形成するまでの手順の一例を示
す前半の工程図である。
す前半の工程図である。
【図3】図2に続く後半の工程図である。
【図4】背面板に障壁を形成する手順の一例を示す前半
の工程図である。
の工程図である。
【図5】図4に続く後半の工程図である。
【図6】蛍光面形成の手順の一例を示す前半の工程図で
ある。
ある。
【図7】図6に続く後半の工程図である。
1 前面板 2 背面板 3 陰極 4 ブラックマスク 5 表示陽極 6 電極体 7 障壁 8 放電セル 9 補助陽極 10 蛍光体 11 プライミングスリット 12 白バック層 21 ガラス基板 22 Au電極 23 白バック層 23a 開口 24 感光性樹脂膜 25 フォトマスク 26 RuO2 ペースト 27 電極体 28 ガラスペースト 29 感光性樹脂膜 30 フォトマスク 31 障壁 32 レジスト層 33 マスク 34 マスク層 41 蛍光体ペースト 42 蛍光体層 43 蛍光面
Claims (1)
- 【請求項1】 前面板及び背面板にそれぞれ複数の電極
が設けられ、前記両基板がセル障壁を挟んで互いに平行
かつ対向するように配設され、前記背面板上の前記セル
障壁によって区画された障壁空間の底面と前記セル障壁
の壁面を被覆するように蛍光体層が設けられ、なおかつ
前記セル底面の蛍光体層には電極の少なくとも一部が露
出するような開口が設けられてなるDC型プラズマディ
スプレイパネルの蛍光面を形成する方法において、少な
くとも次の各工程を含むことを特徴とするDC型プラズ
マディスプレイパネルの蛍光面形成方法。 (1)前記障壁空間に蛍光体ペーストを充填して乾燥さ
せることにより、前記蛍光体ペーストに含まれる溶媒を
気化させてすり鉢状に窪んだ蛍光体層を形成する工程。 (2)耐サンドブラスト性を有するフィルム状の感光性
樹脂膜を前記セル障壁上にラミネートしてレジスト層を
形成する工程。 (3)前記前面板上の電極の幅程度の開口を前記レジス
ト層に設ける工程。 (4)前記開口が設けられたレジスト層をマスクとして
サンドブラスト処理により蛍光体層を除去して電極を露
出させる工程。 (5)前記レジスト層を剥離する工程。 (6)基板全体を焼成して前記蛍光体ペースト中の有機
バインダーを焼失させる工程。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8126709A JPH09312129A (ja) | 1996-05-22 | 1996-05-22 | Dc型プラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8126709A JPH09312129A (ja) | 1996-05-22 | 1996-05-22 | Dc型プラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09312129A true JPH09312129A (ja) | 1997-12-02 |
Family
ID=14941924
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8126709A Pending JPH09312129A (ja) | 1996-05-22 | 1996-05-22 | Dc型プラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09312129A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6541914B1 (en) | 1998-11-18 | 2003-04-01 | Lg Electronics Inc. | Plasma display panel including grooves in phosphor |
-
1996
- 1996-05-22 JP JP8126709A patent/JPH09312129A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6541914B1 (en) | 1998-11-18 | 2003-04-01 | Lg Electronics Inc. | Plasma display panel including grooves in phosphor |
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