JPH09309153A - 成形型及びその製造方法 - Google Patents

成形型及びその製造方法

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JPH09309153A
JPH09309153A JP8148717A JP14871796A JPH09309153A JP H09309153 A JPH09309153 A JP H09309153A JP 8148717 A JP8148717 A JP 8148717A JP 14871796 A JP14871796 A JP 14871796A JP H09309153 A JPH09309153 A JP H09309153A
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JP
Japan
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molding die
molding
fibrous material
manufacturing
mold
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JP8148717A
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English (en)
Inventor
Junichi Kuzusako
淳一 葛迫
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層造形法による繊維質材料の成形(例えば
パルプモールド)用の成形型及びその製造方法の特長を
生かしながら、成形型の耐久性、寿命及び成形時の生産
性を向上させること。 【解決手段】 積層造形法によって得られたパルプモー
ルディング時の繊維質材料成形用の成形型であって、フ
リーネス値が 400〜600ml でありかつ繊維長が 0.3〜3
mm程度である繊維質材料の成形用として、3mm以下の空
孔径を有している成形型21。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維質材料の成形
に用いられる成形型及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】繊維質材料の成形方法としては、例え
ば、パルプモールディングと称される、パルプ繊維を使
った方法が知られている。これは、例えば、古紙等を使
用することによって、リサイクルや省資源化に貢献しか
つ環境を汚染することのない梱包材等の製造に利用され
ている。
【0003】このパルプモールディングにおいては、水
中に攪拌懸濁されたパルプ繊維に、必要に応じて熱硬化
性樹脂の初期縮合物等を添加して懸濁、付着させた後、
所定形状の成形型(金型)を通して減圧吸引を行い、予
備成形を行った後、乾燥工程等を経て圧縮成形又は加熱
硬化を行うことによって、最終的にパルプ成形品を得て
いる。
【0004】パルプモールディングの成形型としては、
抄型と称されるものが主に用いられ、図16にその例が示
されている。この成形型50は、鋳物により凸形ブロック
状に形成されていてその本体58には上方に開口した凹部
51が形成されており、その開口52が蓋体53によって閉塞
されると共に、凹部51内が吸引管55を介して真空吸引装
置54によって減圧されるようになっている。
【0005】そして、成形型50には、凹部52と外部とを
連通する多数の吸引孔56が形成されている。
【0006】成形型50には、その本体表面を覆うための
金網57が取り付けられる。このため、成形型50は、形状
が複雑な場合には、型分割して複数の型本体部分58A、
58B、58C・・・から構成される。なお、金網57の孔径
(通常1mm以下)は吸引孔56の孔径に比して十分に小さ
くされている。
【0007】図17は、図16の成形型50を用いた、パルプ
モールディングによる成形方法を概略的に示すものであ
る。
【0008】液槽59内には、個々の長さが数mm程度のパ
ルプ繊維を含む溶液60が満たされており、金網57に覆わ
れた成形型50を溶液60中に浸した後、成形型50の凹部51
内を真空吸引すると、成形型50の表面、つまり金網57に
パルプ繊維を吸着させ、予備成形を行う。この予備成形
の後に、乾燥等の所定の工程を経て、成形型50の形状に
対応した形状を有するパルプ成形品が製造される。
【0009】しかしながら、このパルプモールディング
に用いられる成形型50においては、その表面を金網57に
よって覆う作業(金網張り作業)が必要であり、作業性
の効率化や短時間化を図るのが難しいという問題があ
る。
【0010】即ち、成形型50の形状が複雑であり、表面
側の凹凸の度合いが大きい場合には、その表面を金網57
で覆うことは、成形型の表面からの金網57の浮き上がり
等によって容易な作業ではない。また、成形型50の本体
58を幾つかの部分58A、58B、58C・・・に分割すると
きには、金網57を別々に取り付けることをはじめ、成形
型50の或る場所では金網57を延伸したり、更には余分な
金網57を切断するといった複雑な手作業を要し、そし
て、これらの作業には作業者に高い熟練度が要求され
る。
【0011】しかも、設計変更等に伴って上記の金網張
り作業をやり直す場合は、上記の作業プロセスを再び繰
り返す必要があり、作業時間やコスト面で問題がある。
【0012】
【発明に至る経過】そこで、本出願人は、いわゆる積層
造形法により、パルプ繊維の如き繊維質材料の型成形
(例えば、パルプモールド)に用いられる成形型とし
て、最適な構造を持つ金型を短時間かつ自動的に一体成
形することが可能となる発明を、特願平7−53723
号(平成7年2月20日出願)として既に提案した。こ
れを以下、先願発明と称する。
【0013】この先願発明によれば、例えば光硬化樹脂
法を用いた積層造形法により得られる成形型において、
積層される材料に所定の処理を施すことにより立体形状
を形成する積層造形法を用いて、積層された各層におけ
る材料の欠落部分として多数の吸引孔を成形型に形成し
ている。
【0014】また、先願発明の積層造形法により成形型
を製造する方法として、積層材料の各層に材料の欠落部
分を形成し、その各層を順次積層していくことによっ
て、多数の吸引孔を成形型に形成する。
【0015】従って、この先願発明では、成形型に多数
の吸引孔を各層の積層時に形成することによって、既述
した従来の抄型に形成される吸引孔と金網との両機能を
兼ね備えた代替手段として、多数の吸引孔を成形型に容
易に形成することができる。
【0016】このため、成形型が複雑な場合でも、成形
型を幾つかの部分に分割する必要がなくなる。また、既
述した従来の抄型のように金網を用いる必要がないの
で、成形型に金網を取り付ける作業等が全く不要とな
り、作業者に高い熟練度が要求されることなく、成形型
を効率的かつ短時間で作製することができる。しかも、
設計変更や型の追加製造等に対しても迅速に対応でき
る。
【0017】このように先願発明は顕著に優れた利点を
有しているが、本発明者が検討を加えた結果、改善すべ
き点がなお存在していることが判明した。
【0018】即ち、繊維質材料の成形型の空孔への目詰
まりや成形型内への繊維質材料の過剰な透過が生じるこ
とがあり、成形型の耐久性、寿命及び成形時の生産性の
面でなお改善すべき問題があった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、積層造形法による繊維質材料成形(例えば、パルプ
モールド)用の成形型及びその製造方法において、先願
発明の上記した特長を生かしながら、成形時の繊維質材
料による成形型の目詰まりや、成形型内への繊維質材料
の過剰な透過を回避し、成形型の耐久性、寿命及び成形
時の生産性を向上させることにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、積層造
形法によって得られた繊維質材料成形用の成形型であっ
て、フリーネス値が 400〜600ml でありかつ繊維長が
0.3〜3mm程度である繊維質材料の成形用として、3mm
以下の空孔径を有する成形型に係るものである。
【0021】本発明はまた、フリーネス値が 400〜600m
l でありかつ繊維長が 0.3〜3mm程度である繊維質材料
の成形用として、3mm以下の空孔径を有している成形型
を製造するに際し、積層造形法により積層材料を層状に
順次積層する、成形型の製造方法も提供するものであ
る。
【0022】本発明の成形型及びその製造方法によれ
ば、積層造形法を適用しているから、上記した先願発明
と同様に、成形型に多数の吸引孔(空孔:以下、同様)
を各層の積層時に形成することによって、既述した従来
の抄型に形成される吸引孔と金網との両機能を兼ね備え
た代替手段として、多数の吸引孔を成形型に容易に形成
することができる。
【0023】このため、成形型が複雑な場合でも、成形
型を幾つかの部分に分割する必要がなくなる。また、既
述した従来の抄型のように金網を用いる必要がないの
で、成形型に金網を取り付ける作業等が全く不要とな
り、作業者に高い熟練度が要求されることなく、成形型
を効率的かつ短時間で作製することができる。しかも、
設計変更や型の追加製造等に対しても迅速に対応でき
る。
【0024】そして、先願発明と同様の利点に加えて、
本発明では更に、積層造形法によって作製された成形型
の空孔径(吸引孔径)を繊維質材料(通常、フリーネス
値:400 〜600ml 、繊維長 0.3〜3mm程度)に対して3
mm以下と特定しているので、成形時の繊維質材料による
成形型の目詰まりや、成形型内への繊維質材料の過剰な
透過を回避し、成形型の耐久性、寿命及び成形時の生産
性を向上させることができる。
【0025】こうした空孔(従来型の吸引孔及び金網の
双方の機能を兼用)を有する成形型は、積層造形時に製
造パラメータにより決定して、一体的かつ自動的に成形
型を作成することができる。例えば、あらかじめCAD
(Computer Aided Design)等の外部入力データ上で作成
しておいてもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明における積層造形法は、具
体的には、2次元断面を積層して3次元物体を形成する
ものであり、また、紫外線又は可視光硬化タイプの光硬
化樹脂法、粉末溶着法、溶融紡糸堆積法又は薄板積層法
が適用される。
【0027】そして、この積層造形法では、多数の吸引
孔が、積層された各層における材料の欠落部分として形
成される。或いは、積層材料の各層に材料の欠落部分を
形成しつつ前記層を順次積層することによって、前記欠
落部分として多数の吸引孔を成形型に形成する。
【0028】本発明においては、フリーネス値が 400〜
600ml でありかつ繊維長が 0.3〜3mm程度である繊維質
材料の成形用として、3mm以下の空孔径を有している成
形型(例えばパルプモールディング用)としているが、
繊維質材料は、パルプ繊維が好適であるが、その他にも
紙や植物、金属繊維等であってもよい。ここで、「フリ
ーネス値」とは、濾水度(繊維の水切れの程度を示す数
値)であって、その測定法はJIS P8121,TA
P・PI T227,ISO 5267/1〜2,SC
AN M3,4等に示されている(以下、同様)。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0030】本実施例では、積層造形法を利用すること
によって、多数の吸引孔を有する成形型を得るものであ
り、この成形型を用いて繊維質材料から種々の成形品を
得ることができるようにしたものである。
【0031】ここで、「積層造形法」とは、積層される
材料に加圧や加熱硬化等の所定の処理を施すことによっ
て所望の形状を形成する方法のことであり、後述する光
硬化樹脂法(紫外線又は可視光硬化樹脂法等)、粉末溶
着法、溶融紡糸堆積法、薄板積層法等の各種の方法を挙
げることができ、2次元断面形状を所定の方向に沿って
積層することによって3次元物体を形成する方法が全て
含まれる。
【0032】図1は、積層造形法として、光硬化性樹脂
(光によって硬化の度合いが変化する性質をもった樹脂
であり、例えば、ウレタンアクリレートの如き紫外線硬
化樹脂等が含まれる。)を用いた光硬化樹脂法を適用し
た場合の光学的造形装置1を概略的に示すものである。
【0033】3次元CAD(Computer Aided Design)シ
ステムによって作成された形状モデルに関するデータ
(以下、「形状データ」と称する。)は、まず、計算機
2に取り込まれる。
【0034】計算機2は、造形装置1における操作卓と
しての役割を有しており、製造における各種パラメータ
の設定等、データ加工の指令中枢となるものである。
【0035】計算機2は、上記形状データから断面形状
に係るデータへの変換処理や編集作業を行うのに必要と
される。即ち、形状データに基づいて所定の積層軸に沿
って切断することによって、断面形状に係るデータ(例
えば、積層軸を鉛直方向に選んだ場合には、等高断面で
のデータであり、以下、これを「等高断面データ」と称
する。)を得て、このデータに対してプログラム処理に
よるデータ加工を施すことができる。
【0036】製造対象である成形型の製造に際しては、
フリーネス値等の成形される繊維質材料のデータや、成
形型に形成される多数の吸引孔の径や形成ピッチ等に係
るパラメータを含む各種のパラメータ(以下、これを
「製造パラメータ」と称する。)が必要であり、この製
造パラメータに基づいて計算機2は、成形型の構造に係
るデータを自動的に作成する。
【0037】そして、計算機2は、上記等高断面データ
や製造パラメータに応じた制御情報を後段の制御部3に
送出する。
【0038】制御部3は、計算機2からの制御情報に基
づいて光走査部4や移動機構5等の制御を行うものであ
る。
【0039】光走査部4は、光源6からの光を自在に走
査して、樹脂液槽7内の光硬化性樹脂8の液面8a上の
所望の位置に光Lを照射するために設けられる。
【0040】例えば、図2に示すように、光源6として
レーザーを用いて、レーザー光Lを走査する場合には、
レーザー9、音響光学変調器(以下、「AOM」と略記
する。)10a及びその駆動制御に係るAOMドライバー
10b、フォーカス制御部11、スキャニング部12や、これ
らを統括して制御するレーザースキャン制御部13等が設
けられる。
【0041】即ち、レーザー光Lは、レーザー9からミ
ラーMを介し、AOM10aを通った後、フォーカス制御
部11、スキャニング部12を介して光硬化性樹脂8の液面
8a上を走査される。この際、レーザースキャン制御部
13は制御部3からの指令を受けて、AOMドライバー11
を介してAOM10aの変調制御を行ったり、フォーカス
制御部11の制御やスキャニング部12でのガルバノミラー
GMの回動制御等を行っている。
【0042】移動機構5は、光硬化性樹脂8の積層段階
に応じて光硬化性樹脂液槽7内に配置されたステージ14
を移動させるものであり、例えば、ステージ14を鉛直方
向に移動させるエレベータ機構として、ボールネジを用
いた機構を挙げることができる。図示するように、ステ
ッピングモーター15によって回転される送りネジ16aが
鉛直方向に延びており、これにナット16bが螺合され、
かつ、ナット16bの移動に伴ってステージ14が上下方向
に移動される機構を用いることができる。
【0043】なお、ナット16bの位置等の情報は、位置
検出部16cから制御部3に送出され、制御部3からステ
ッピングモーター15に送られる制御信号によってステー
ジ14の位置制御が行われるようになっている。また、移
動機構5としては、ステージ14上で上記の光走査によっ
て硬化した樹脂槽を所定の方向に沿って積層させるため
に、ステージ14を積層方向に沿って段階的に移動させる
ことができれば、如何なる構成でも構わない。
【0044】図2では、レーザー9を光源としたため、
光源6と光走査部4とを別個に構成した例を示したが、
これに限らず、例えば、図3に示す面照射による露光方
式では、陰極線管(以下、「CRT」と略記する。)17
を用いることによって、光源6と光走査部4とを一部品
で構成することができる。
【0045】即ち、CRT17のパネル面17aを光硬化性
樹脂8の液面8aの上方に配管し、CRT17内の電子ビ
ーム17bを偏向コイル等によって走査すると共に、電子
ビーム17bのエネルギーを螢光面で光エネルギーに変化
して、光を直接又は光学素子を介して光硬化性樹脂8の
液面8aに照射するようにすればよい。
【0046】そして、図1〜図3において、光硬化性樹
脂8の光照射による硬化と、移動機構5によるステージ
14の送りとを繰り返すことによって、液槽7中にて樹脂
8を液面8a側から硬化させていき、硬化樹脂からなる
所定形状の積層成形物18を形成することができる。図1
及び図2では、ステージ14を下降させた状態(成形物18
の完成)を示し、図3では、実線位置から仮想線位置へ
とステージ14を下降させる状況を示している。
【0047】こうして得られる積層成形物18としての成
形型は、例えば、繊維質材料の成形時の吸引の均一化を
考慮して、図16と同様に、その内部に中空部を有し、こ
の中空部と外部とを連通するために多数の吸引孔を有す
る構造とされる。但し、中空部が必要でない場合もあ
り、この場合には、成形型のある面に真空吸引装置の吸
引部を密着させて吸引を行えばよい。
【0048】次に、成形型の構造に係るデータの作成手
順について図4〜図8に従って説明する。なお、理解容
易のために、成形型の基本形状が凸形ブロック状をなし
ているものとする。
【0049】(1)基本形状の設定 まず、図4に示すように、凸形ブロック状をした成形型
の基本形状19を設計データとして用意する。基本形状19
に対する直交座標系の設定において、凸部19aが突設さ
れた方向をZ軸方向とし、これに直交するX軸、Y軸に
ついては、基本形状19の凸部19aのベース部19bの長手
方向をX軸方向に選んでいる。
【0050】(2)等高断面データの作成 次に、図5に示すように、Z軸方向に対して直交する面
(X−Y面)で基本形状19を切断することによって、Z
方向に所定のピッチ(例えば 0.1mm又は 0.2mm)でスラ
イシング処理を行う。即ち、Z軸方向に対して直交しか
つZ軸方向に沿って所定のピッチで配置される多数の平
面20、20、・・・で基本形状19を切断することによっ
て、各平面についての等高断面データを作成する。
【0051】(3)型構造データの作成 図6は、基本形状19に対して、X軸、Y軸、Z軸の各方
向に延びる多数の吸引孔21a、21a、・・・を形成する
ことによって得られる成形型21を示している。これらの
吸引孔21a、21a、・・・は、繊維質材料を吸着させる
ために必要とされるものである。
【0052】図7及び図8は、図6に示す円形のA部に
おける吸引孔21a、21a、・・・の形成の要領を示すも
のであり、図7がX−Y平面に対して平行な平面におい
て孔を形成する例を示し、図8がZ−X平面又はZ−Y
平面に対して平行な平面において孔を形成する例を示し
ている。
【0053】図7(a)は、Z軸方向から見て縦横に延
びる例えば直線によって構成される網目状の格子22を示
しており、「N」は孔径を表し、「n」は格子幅を表し
ている。即ち、幅nの格子部分22a、22a、・・・は光
硬化性樹脂8のうち光走査により硬化した部分であり、
この例では、一辺Nの正方形状の孔がX軸やY軸方向に
沿って配列されて、隣接する孔同士が幅nの壁によって
仕切られている。
【0054】図7(b)は、図7(a)において示す長
円のB部について格子を形成するときの状況を概念的に
示すものである。
【0055】即ち、小円23はレーザースポットを表して
おり、その直径「D」がスポット径を示しており、格子
幅nは、横並びに配列された複数の小円23、23、・・・
の数とこれらの重なり具合によって決まる。
【0056】例えば、レーザースポットのスキャン間隔
を「L」とし、隣接し合う小円の中心間距離が一律にL
に等しい場合には、格子幅nはLの整数倍にDを加えた
長さとなる。特に、図示するように、小円23、23、・・
・が一列に連接されている場合には、L=Dであるの
で、格子幅nを得るのに必要なビームスポットの数、つ
まり、X軸方向に沿う単位格子当たりの走査数はn/D
となる。
【0057】図7(b)中の「SK」はスキップ幅を示
しており、この区間においては孔の形成のためにX軸方
向に沿ったレーザー光の走査を一時的に中断する必要が
ある。従って、スキップ幅SKは孔径Nに等しい。
【0058】また、「SD」はスキップ間隔を示してお
り、孔径Nに格子幅nを加えた長さに等しい。即ち、ス
キップ間隔SDは、格子幅nの区間について光走査を開
始してからスキップ幅SKを置いて次の区間について光
走査を開始するまでの間隔である。
【0059】例えば、パルプモールディングにおいて、
パルプ繊維がフリーネス値 400〜 600ml、長さが 0.3〜
3mm(例えば2〜3mm程度)である場合には、吸引孔21
aの孔径NはX−Y平面においてそれ以下の値である3
mm以下(好ましくは 0.3〜 1.2mm、例えば0.5mm)とし、
スキップ間隔SDも3mm以下(例えば1mm程度)に設定
すればよい。吸引孔21aのZ方向のサイズN’は、孔径
Nの1〜2倍がよく、例えば0.8mm としてよい。なお、
レーザースポット径Dは 0.1mm、格子幅nは 1.0mmとし
てよい。
【0060】また、使用するレーザーとしては、アルゴ
ンレーザー(波長 360nm)、ヘリウムカドミウムレーザ
ー(波長 325nm)、その他に半導体レーザー、CO2
ーザー、YAGレーザー等が挙げられ、ビーム径1mm以
下、エネルギー1ワット/cm2以上で照射を行うことがで
きる。
【0061】このようにX−Y平面に対して平行な面に
おける孔の形成に際しては、孔径N、N’、格子幅n、
レーザースポット径Dに基づいて各種のパラメータ値を
決定することができ、格子22を積層していくことによっ
てZ軸方向に延びる、例えば角孔を形成することができ
る。
【0062】図8は、X軸又はY軸に対して直交する平
面における孔の形成について示すものであり、「r
(1)〜r(c)」はX軸方向の光走査によって形成さ
れる筋状の樹脂部を示し、「r(c+1)〜r(2
c)」は、Y軸方向の光走査によってr(c)上に順次
積層される筋状の樹脂部を示し、また「r(2c+1)
〜r(3c)」は、X軸方向の光走査によってr(2
c)上に順次積層される筋状の樹脂部を示している。つ
まり、括弧内の添え字は、Z軸の正方向(図8の上方)
に沿って増大するように選ばれており、添え字が大きい
ものが添え字の小さいものの上に次々と積層されてい
く。
【0063】r(1)〜r(3c)のZ軸方向における
各厚み「Zp」は、積層ピッチを示しており、またZ軸
方向の孔径「M」は、積層ピッチZpが一定値の場合に
その整数倍の長さとなる。例えば、r(1)〜r(c)
に係る孔径「M」は、積層ピッチZpにr(1)〜r
(c)の積層数(つまり、c)を掛けたものに等しい。
【0064】このことは、r(c)〜r(2c)やr
(2c+1)〜r(3c)に係る孔径についても同様で
ある。なお、Z軸方向における孔の形成間隔(つまりr
(c)とr(2c+1)との間の間隔)は、Y軸方向に
延びるr(c+1)〜r(2c)の積層数によって決ま
る。
【0065】このように、Z−Y平面やZ−X平面に平
行な平面における孔の径Mは、積層ピッチZpや積層数
cに基づいて決定することができ、これによってX軸又
はY軸方向に延びる角孔を形成することができる。
【0066】図9は、上記した手順(3)を含む成形型
の作成の流れを示すフローチャート図である。
【0067】ステップS1では、図7において説明した
ように、X−Y平面に平行な平面における孔の形成に必
要なデータの入力が行われ、ステップS2では、図8に
おいて説明したように、Z−X平面、Z−Y平面に平行
な平面における孔の形成に必要なデータの入力が行われ
る。
【0068】そして、ステップS1に続くステップS3
では、X−Y平面における光走査のためのパラメータを
ステップS1での入力データから自動的に設定する。即
ち、このパラメータは光走査部4によるレーザー光の走
査についての基礎情報となる。
【0069】また、ステップS2に続くステップS4で
は、積層方向の制御に必要なパラメータをステップS2
での入力データから自動的に設定する。即ち、このパラ
メータは移動機構5によるステージ14の制御についての
基礎情報となる。
【0070】ステップS3、S4で得られるパラメータ
は、ステップS5において製造パラメータの一部として
組み込まれる。製造パラメータには成形型21の作成に必
要な全情報が含まれており、この製造パラメータの情報
を計算機2においてデータベース化することによって、
データの蓄積が可能である。即ち、蓄積された各種のデ
ータを適宜に選択することによって、既存のデータを選
択することができることは勿論、蓄積データの編集やC
AE(Computer Aided Engineering)を活用した成形型
の最適設計のための基礎データとして利用することがで
きる。
【0071】製造パラメータに対応する制御情報は、ス
テップS6において制御部3にデータ転送され、制御部
3の指示に従って光走査部4や移動機構5が制御され
る。
【0072】そして、ステップS7において、移動機構
5によりステージ14が1段階ずつ下降する度にレーザー
光の走査により断面体(積層体)の形成が行われ、幾層
もの薄い断面体が積層された結果として、成形型21が次
第に形成されていく。
【0073】ステージ14が光硬化性樹脂液槽7から引き
上げられた後に、成形品に対して所定の処理(例えば、
紫外線硬化処理等)が施されると、成形型21が完成す
る。
【0074】以上のように、積層造形法によれば、図6
(更には図10)に示すように、成形型21に形成される多
数の吸引孔21a、21a、・・・を、積層された各層にお
ける材料の欠落部分として形成することによって、多孔
質の構造を有する成形型21を作成することができる。
【0075】なお、上記の例では、レーザー光の走査に
よって筋状の樹脂を積層していく方法について説明した
が、図3に示したような面照射方式の場合には、図7の
ような格子縞に対応する画像情報をCRT17に送ってそ
の照射面に格子縞のパターンを表示させればよい。
【0076】また、上記の例では、成形型21の基本形状
19に対して直交座標系を設定して、各軸に沿う方向に孔
を形成するようにしたが、成形型の基本形状に対して斜
交座標系を設定して、孔の形成方向が斜め方向になるよ
うにしたり、或いは、孔の中心点を所定の曲線に沿って
移動させることによって孔の形成方向をより自由に設定
する等の方法を採ることができる。そして、孔の形状に
ついても上記の角孔に限られるものではなく、積層造形
法上、支障を来さない範囲において、各種の形状(円
孔、六角孔等)を選択することができることは勿論であ
る。
【0077】更に、上記の例では、装置1内において製
造パラメータを作成し、これを制御部3に転送する構成
となっていたが、製造パラメータを外部の計算機上で作
成することができる場合には、その過程を省略して、製
造パラメータに係るデータをそのままの形で利用するこ
とができる。
【0078】即ち、この場合には、図1において計算機
2による処理を予め別の計算手段によって行っておき、
製造パラメーターに係るデータをオフライン又はオンラ
イン経由で光学的造形装置1に転送してこれを制御部3
での制御情報として利用すればよい。
【0079】なお、成形型21の作成にあたっては、光硬
化性樹脂(例えば、ウレタンアクリレート、エポキシア
クリレート、ビニルエーテル樹脂、エポキシ樹脂)を使
った方法に限らず、電子ビームや放射線等の所定の波動
に反応する積層材料を用いる方法や、上述したように各
種の積層造形法を用いることができるが、光硬化性樹脂
法を用いることの利点として、材料費が安いことや作成
時間が短いことを挙げることができる。
【0080】また、上記の例では、一個の成形型を作成
するものとして説明したが、積層造形法を用いる利点と
して、複数個又は複数種の成形型を同時に作成すること
ができる点が挙げられる。つまり、断層面での形状が一
の部材に係る形状に限られることがないので、複数の個
体についての断層面の形状を設定すれば、同じ積層工程
で複数の個体を作成することができ、生産効率を上げる
ことができる。
【0081】また、本発明に基づく本実施例の成形型21
では、吸引孔(空孔)21aの径Nを3mm以下としたこと
によって、従来の成形型と比べて約30%も生産性が向上
(抄紙時間の短縮等)が実現可能である。
【0082】即ち、成形型の空孔径を繊維質材料(通常
フリーネス値:400 〜600ml 、繊維長 0.3〜3mm程度)
に対して3mm以下とし、繊維質材料の成形型への目詰ま
りや、成形型内への繊維質材料の過剰な透過を回避する
ことにより、下記効果を奏することができる。
【0083】(a)繊維質材料の成形型への目詰まりに
よる成形型の劣化及び寿命の短縮が防止され、成形型の
耐久性が向上する。
【0084】(b)繊維質材料の成形型への目詰まりに
よる繊維質材料の成形型への吸着むらの発生が回避さ
れ、繊維質材料の成形型への均一な吸着を可能とし、成
形品の品質が向上する。
【0085】(c)繊維質材料の成形型への目詰まりに
よる成形型の補修作業に伴う生産ラインからの型おろし
工程が不要となり、連続稼働を可能としたことにより、
生産性が向上する。
【0086】(d)繊維質材料の成形型への過剰な透過
を回避することにより、成形時の繊維質材料の使用量が
軽減され、生産性が向上する。
【0087】(e)各種繊維質材料の特性(例えばフリ
ーネス値)に適した成形型の空孔径を製造パラメータに
より設定したり、データを蓄積することが可能なため、
熟練者でなくても最適な成形型の作成が可能である。
【0088】なお、この空孔径は3mm以下とするのがよ
いが、あまり小さいと、コーティング材や繊維質材料に
よる目詰まりが生じ易いので、その下限は 0.1mmとする
のがよい。また、繊維質材料の繊維長は 0.3mm未満であ
ると空孔を通過し易くなり、3mmを超えると、目詰まり
を生じ、成形性が悪くなり易いので、 0.3〜3mmとする
のがよい。
【0089】なお、上記の例では、積層造形法として光
硬化樹脂法を用いたが、これに代えて粉末溶着法、溶融
紡糸堆積法又は薄板積層法を用いて、同様の成形型を作
成することもできる。
【0090】粉末溶着法(例えばDTM社のSinter S
tationを使用)によれば、例えば図11に示すように、処
理槽87の両側に配した容器80、81に粉末成形材料(例え
ば、熱可塑性の粉末樹脂)88を収容し、一方の容器80の
表面域にある材料88を矢印83方向のローラー82の転動に
よって処理槽87内のステージ84上に搬入して分布させ、
ローラー82を他方の容器81まで移動させた後に逆方向84
に再び転動させて容器81内の材料88をステージ84上に搬
入して分布させる。
【0091】このようにしてステージ84上に分布させた
粉末成形材料88に対し、レーザー光L’(例えばCO2
レーザー光)を選択的に照射して材料88の照射部分を所
定パターンに焼き固め、これを上述したと同様の制御情
報に基づいて順次行い、これに応じてステージ84を下降
させることによって、図6に示した如き成形型を作成す
る(なお、非照射部分の材料88は適当な方法で除去す
る)。
【0092】この粉末溶着法では、材料88を短時間に成
形型に仕上げることができると共に、種々の材料を選
べ、樹脂以外にも金属も使用可能であって樹脂製の成形
型のみならず、金属製の金型も作成可能である。
【0093】溶融紡糸堆積法(例えば株式会社丸紅ハイ
テック・コーポレーション販売の3D MODELER
を使用)によれば、図12に示すように、巻回した線状の
成形材料(例えば、熱可塑性の樹脂ワイヤ)98をX−Y
平面で移動可能なノズル97へ供給し、ノズル97を所定温
度に加熱して材料98を溶かし、この溶融材料98Aを支持
台90上に吐出させて固化させる。この操作を上述したと
同様の制御情報に基づいて行うことにより、図6に示し
た如き成形型を作成する。
【0094】薄板積層法(例えば、株式会社吉良鉄工所
製のKIRA Solid Center を使用)は、図13に示
すように、上述した制御情報に基づいて予めスライシン
グし、孔を加工した紙又は金属板108 を順次ホットプレ
スで積層していく方法であり、これも図6に示した如き
成形型の作成を可能とする。
【0095】以上のように、多数の吸引孔21aを有する
多孔質構造の成形型21を積層造形法を用いて作成するこ
とができるから、従来のように型分割の必要がなく、金
網を用いる必要がなくなる。即ち、金網の孔及び成形型
の吸引孔に等価な小孔を最初から成形型に形成すること
ができるので、成形型の形状が複雑な場合でも、型分割
の必要がなくなり、成形型の表面に金網を取り付けると
いう熟練度を要する作業や、成形型の設計変更に伴う面
倒な金網張りの作業から解放され、成形型の作成時間を
短縮して低コスト化を図ることができる。
【0096】例えば、電気製品等の梱包用部材につい
て、その成形型の作成に要する時間を、従来の方法を用
いた場合と、本発明に基づく方法を用いた場合とで比較
すると、前者では数週間の日数を要するのに対して、後
者によれば十数時間程度で済み、作成時間を大幅に短縮
することができる。
【0097】また、従来の抄型を用いる場合には、上記
吸引孔21aに比して大径の吸引孔56(図16参照)を通し
て繊維が吸着されるため、吸引孔56の位置を適切に選ば
ないと、吸引孔56に近い場所と吸引孔56から遠いところ
で繊維の成長の度合いに差が生じ、均一な成長を得るの
が難しい場合あるが、上記の成形型21によれば、小径の
多数の吸引孔21aによって、型の表面における繊維の成
長を均一化させることが可能となり、更には、吸引孔21
aの分布や孔径を成形型の形状及び吸引圧力に応じて自
由に設計することができる。
【0098】そして、型の成形に積層造形法を用いるこ
とによって、型の設計変更や追加追加製造等に対して迅
速かつ柔軟に対応することができる。
【0099】次に、上記した積層造形法によって成形さ
れた成形型21を用いた繊維質材料の成形(例えば、パル
プモールディング)について、図14及び図15で説明す
る。
【0100】成形型21には上記の積層成形によって多数
の吸引孔21a、21a、・・・が形成されており、これら
が図17に示した従来法における金網57と吸引孔56との双
方の機能を兼ね備えている。
【0101】即ち、図14に示すように、凸形ブロック状
をした成形型21(ここでは中空状の型)を上下逆にし
て、液槽59内のパルプ繊維の溶液60中に沈め、成形型21
の上方を向いた開口72を蓋体53によって閉塞して、成形
型21の凹部73内を吸引管55を介して真空吸引装置54によ
って減圧する。この結果、液槽59内のパルプ繊維の溶液
60が成形型21の吸引孔21a、21a、・・・に侵入すると
共に、成形型21の表面にパルプ繊維が吸着されて堆積
し、予備成形生成物が成長する。
【0102】この予備成形による生成物は、これに対応
する雌型によって整形され、乾燥等の所定の工程を経
て、成形型21から取り出される。こうして、図15に示す
ように、成形型21の形状に対応した形状を有する梱包材
等のパルプ成形品74が製造される。
【0103】次に、本実施例による積層造形法(例えば
光硬化樹脂法)で得られた成形型21について、図16に示
した従来法による成形型50と比較しながら行った具体例
を説明する。
【0104】上述した方法によって、カセットレコーダ
用梱包材をパルプモールディングするのに用いる成形型
21を作成したところ、本実施例の方法では、下記の結果
が得られた。
【0105】本実施例の積層造形法によるパルプモール
ディング用成形型本体の製造例 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 作業内容 時間 ───────────────────── パラメーター設定 0.1 型構造データ作成 0.1 型作成(光造形) 8.1 後処理(後硬化等) 8.1 ───────────────────── 合計 16.2 時間 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0106】このように、本発明に基づく本実施例の方
法では、短時間に成形型を作成することができた(これ
は成形型材料としてウレタン系、エポキシ系のいずれで
も同様)。これに反し、従来法による場合、成形型の作
成に約3〜4週間も要した。
【0107】こうして作成された成形型を用いて、図14
に示した如くにパルプモールドの成形(抄紙)を行った
ところ、従来の成形型と比べて約30%も生産性が向上
(抄紙時間の短縮等)が実現可能であった。これは、本
発明に基づく本実施例の成形型21では、吸引孔(空孔)
21aの径Nを3mm以下としたことによるものと考えられ
る。
【0108】以上、本発明の実施例を説明したが、上述
の実施例は本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可
能である。
【0109】例えば、成形型材料、更には成形される繊
維質材料の材質をはじめ、そのサイズ、形状等は様々に
変更してよく、成形型の積層造形時の製造条件も上述し
たものに限定されることはない。
【0110】また、成形型の吸引孔(空孔)の形状、サ
イズ、分布状態等や、成形型の形状も様々であってよ
い。
【0111】
【発明の作用効果】本発明は、上述した如く、積層造形
法によって得られた繊維質材料成形用の成形型であるの
で、成形型に多数の吸引孔を各層の積層時に形成するこ
とによって、従来の抄型に形成される吸引孔と金網との
両機能を兼ね備えた代替手段として多数の吸引孔を成形
型に容易に形成することができる。
【0112】このため、成形型が複雑な場合でも、成形
型を幾つかの部分に分割する必要がなくなる。また、既
述した従来の抄型のように金網を用いる必要がないの
で、成形型に金網を取り付ける作業等が全く不要とな
り、作業者に高い熟練度が要求されることなく、成形型
を効率的かつ短時間で作製することができる。しかも、
設計変更や型の追加製造等に対しても迅速に対応でき
る。
【0113】そして、成形型の空孔径(吸引孔径)を繊
維質材料(通常、フリーネス値:400 〜600ml 、繊維長
0.3〜3mm程度)に対して3mm以下と特定しているの
で、成形時の繊維質材料による成形型の目詰まりや、成
形型内への繊維質材料の過剰な透過を回避し、成形型の
耐久性、寿命及び成形時の生産性を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による光硬化樹脂法を用いた積
層造形装置を示す概略図である。
【図2】同積層造形装置の光走査部と移動機構を示す概
略図である。
【図3】同積層造形を面照射方式で行うときの状況を説
明するための概略図である。
【図4】成形型に係る構造のデータの作成における成形
型の基本形状の一例を示す斜視図である。
【図5】同基本形状に対して等高断面で切断したときの
様子を示す斜視図である。
【図6】多数の吸引孔が形成された成形型本体を示す斜
視図である。
【図7】同基本形状に設定されるX−Y−Z座標系にお
いて、Z軸に対して直交する平面での孔の形成について
説明するための図であり、(a)は図6のA部における
格子を示す平面図、(b)は(a)のB部を形成する光
走査について説明するための概略図である。
【図8】同基本形状に設定されるX−Y−Z座標系にお
いて、X軸又はY軸に対して直交する平面での孔の形成
について説明するための斜視図である。
【図9】本発明の実施例による成形型の作成の手順を説
明するためのフローチャート図である。
【図10】(a)はZ軸に対して直交する平面での格子
を示す平面図、(b)は(a)のA−A線断面図であ
る。
【図11】本発明の他の実施例による粉末溶着法を用い
た積層造形装置を示す概略断面図である。
【図12】本発明の他の実施例による溶融紡糸堆積法を
用いた積層造形装置を示す概略断面図である。
【図13】本発明の更に他の実施例による薄板積層法を
用いた積層造形装置を示す概略断面図である。
【図14】本発明の実施例による成形型を用いたパルプ
モールディングについて説明するための概略断面図であ
る。
【図15】同パルプモールディングで得られたパルプ成
形品の断面図である。
【図16】従来の抄型の概略断面図である。
【図17】同パルプモールディングについて説明するた
めの概略断面図である。
【符号の説明】
4…光走査部、5…移動機構、8…光硬化性樹脂、14…
ステージ、18…積層成形物、19…基本形状、20…平面、
21…成形型、21a、56…吸引孔、22…格子、22a…格子
部分、23…スポット、53…蓋体、54…真空吸引装置、55
…吸引管、57…金網、60…パルプ繊維溶液、74…パルプ
成形品、n…格子幅、N…孔径、SK…スキップ幅、S
D…スキップ間隔、r(1)〜r(3c)…樹脂部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層造形法によって得られた繊維質材料
    成形用の成形型であって、フリーネス値が 400〜600ml
    でありかつ繊維長が 0.3〜3mm程度である繊維質材料の
    成形用として、3mm以下の空孔径を有している成形型。
  2. 【請求項2】 積層造形法が、2次元断面を積層して3
    次元物体を形成するものである、請求項1に記載した成
    形型。
  3. 【請求項3】 積層造形法として、光硬化樹脂法、粉末
    溶着法、溶融紡糸堆積法又は薄板積層法が適用されてい
    る、請求項1に記載した成形型。
  4. 【請求項4】 多数の吸引孔が、積層された各層におけ
    る材料の欠落部分として形成されている、請求項1に記
    載した成形型。
  5. 【請求項5】 パルプモールディングに用いられる、請
    求項1に記載した成形型。
  6. 【請求項6】 フリーネス値が 400〜600ml でありかつ
    繊維長が 0.3〜3mm程度である繊維質材料の成形用とし
    て、3mm以下の空孔径を有している成形型を製造するに
    際し、積層造形法により積層材料を層状に順次積層す
    る、成形型の製造方法。
  7. 【請求項7】 積層造形法によって、2次元断面を積層
    して3次元物体を形成する、請求項6に記載した製造方
    法。
  8. 【請求項8】 積層造形法として、光硬化樹脂法、粉末
    溶着法、溶融紡糸堆積法又は薄板積層法を適用する、請
    求項6に記載した製造方法。
  9. 【請求項9】 積層材料の各層に材料の欠落部分を形成
    しつつ前記層を順次積層することによって、前記欠落部
    分として多数の吸引孔を成形型に形成する、請求項6に
    記載した製造方法。
  10. 【請求項10】 パルプモールディングに用いられる成
    形型を製造する、請求項6に記載した製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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