JPH09304079A - 自律走行車の走行制御装置 - Google Patents

自律走行車の走行制御装置

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JPH09304079A
JPH09304079A JP8120431A JP12043196A JPH09304079A JP H09304079 A JPH09304079 A JP H09304079A JP 8120431 A JP8120431 A JP 8120431A JP 12043196 A JP12043196 A JP 12043196A JP H09304079 A JPH09304079 A JP H09304079A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 地磁気センサによる検出方位の平行度誤差を
補正し、作業領域での往復作業走行における往路・復路
の平行性を確保して確実かつ効率的な作業走行を可能と
する。 【解決手段】 芝刈作業車を一定速度で設定周回数だけ
旋回させて車両を停止させ、設定周回数の車両旋回中に
得られた地磁気センサの方位データ列の中から方位N度
のデータを検索するとともに、この方位N度のデータが
得られた周回の次の周回での方位N度のデータを検索
し、両者のデータ間隔から1周に要した時間を求め、こ
の時間の半分に該当する時刻で得られた方位データDn
をデータ列の中から検索し、設定周回数分の各方位デー
タDnの平均値を方位N度のときの復路方位補正値とし
て180度補正テーブルに登録する。そして、往復直線
走行を行う場合、地磁気センサの出力を直接使用して決
定した往路方位に対し、180度補正テーブルを参照し
て往路と平行な復路方位を決定することで、往路・復路
での略完全な平行直線走行を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、草刈、芝刈作業等
の作業領域での往復走行の平行性を確保する自律走行車
の走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴルフ場、河川敷堤防、公園等の
各種フィールドで行う草刈、芝刈作業等を無人で行なう
ことのできる自律走行車が開発されている。このような
自律走行車においては、特開平4−369424号公報
に開示されているように、測位衛星から送信される電波
を受信して自己位置を測定する衛星利用測位装置や、走
行距離と進行方向から車輌の位置を推測する推測航法測
位装置等が搭載され、これらの装置からの情報に従って
自己位置を測位し、自律な走行を行うようになってい
る。
【0003】ところで、無人で作業を行う自律走行車で
は、作業の関係上、所定の領域で車体の旋回あるいは切
り返しを伴った往復直線走行を行う場合が多く、上記推
測航法測位装置によって進行方向を検出し、往復直線走
行を行う場合、進行方向を検出するため、地球磁界を検
出して自車両の進行方位を検出する地磁気センサが使用
される。
【0004】この場合、上記地磁気センサは、実際の正
確な方向を検出するためには、予め精密なキャリブレー
ションを行っておく必要があり、特開平4−11071
7号公報や特開平4−346020号公報等に地磁気セ
ンサの検出誤差を補正し、精度を向上する技術が開示さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、地磁気
センサで進行方位を検出して往復直線走行を行う場合、
往路の走行方向と復路の走行方向とが互いに180度と
なり、この互いに180度の方向を地磁気センサによっ
て検出しようとすると、キャリブレーションの僅かなず
れや検出分解能の限界から生じる制約によって往路・復
路で完全に平行な走行を行うことは困難であり、往復走
行が長距離に渡ったとき、刈り残しやオーバーラップ量
が増加するばかりでなく、作業跡から逸脱する虞があ
る。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、地磁気センサによる検出方位の平行度誤差を補正
し、作業領域での往復作業走行における往路・復路の平
行性を確保して確実かつ効率的な作業走行を可能とする
ことのできる自律走行車の走行制御装置を提供すること
を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
地磁気センサにより進行方位を検出し、作業領域での作
業に伴う往復直線走行を制御する自律走行車の走行制御
装置において、図1の基本構成図に示すように、上記地
磁気センサによって検出する任意の方位に対して180
度となる方位を決定するための補正テーブルを作成する
180度補正テーブル作成手段と、上記地磁気センサに
よって検出した方位に基づいて往路走行を制御する一
方、上記補正テーブルを参照して決定した方位に基づい
て復路走行を制御する往復走行制御手段とを備えたこと
を特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記180度補正テーブル作成手段は、自
車両を一定速度で旋回させたときに上記地磁気センサに
よって得られる方位データ列と半周に要する時間とに基
づいて上記補正テーブルを作成することを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、上記180度補正テーブル作成手段は、上
記半周に要する時間をジャイロスコープからのデータに
基づいて求めることを特徴とする。
【0010】すなわち、請求項1記載の発明では、地磁
気センサによって検出する任意の方位に対して180度
となる方位を決定するための補正テーブルを予め作成し
ておき、往復直線走行を制御する際に、地磁気センサに
よって検出した方位に基づく往路に対し、補正テーブル
を参照して決定した方位に基づいて復路走行を制御す
る。
【0011】この場合、請求項2の発明では、自車両を
一定速度で旋回させたときに地磁気センサによって得ら
れる方位データ列と半周に要する時間とに基づいて補正
テーブルを作成し、この半周に要する時間は、請求項3
記載の発明ではジャイロスコープからのデータに基づい
て求める。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図2〜図16は本発明の実施の第
1形態を示し、図2は制御装置のブロック図、図3はD
−GPS用移動局を備えた芝刈作業車及びD−GPS用
固定局を示す説明図、図4は埋設磁鋼検出用センサ部の
構成を示す説明図、図5は磁気センサ群の出力に基づく
磁鋼検出の説明図、図6は操舵制御系の構成を示す説明
図、図7は走行経路及び作業領域を示す説明図、図8及
び図9は180度補正テーブル作成ルーチンのフローチ
ャート、図10及び図11は主制御ルーチンのフローチ
ャート、図12及び図13は移動走行制御ルーチンのフ
ローチャート、図14はD−GPS・推測航法相互補正
値算出ルーチンのフローチャート、図15は現在位置算
出ルーチンのフローチャート、図16はD−GPS無線
通信ルーチンのフローチャートである。
【0013】図3の(a)において、符号1は無人で自
走可能な自律走行作業車を示し、本形態においては、ゴ
ルフ場等の草・芝刈作業を行なう芝刈作業車である。こ
の芝刈作業車は、エンジン駆動で走行し、前後輪の操舵
角が独立に制御されて高精度の自律走行が可能となって
おり、この高精度の自律走行のため、衛星からの電波を
受信して自己位置を測定するための衛星電波受信機、走
行履歴に基づいて現在位置を測定するための推測航法用
センサ、走行障害物を検出するためのセンサ等を搭載
し、さらに、障害物が多い場合や起伏の激しい地形など
において精密な位置決めが必要な場合に対処するため、
走行誘導のための磁界を発生する磁気誘導路からの磁界
を検出するセンサ等が搭載され、車両本体下部に、草・
芝刈作業を行うためのモーア等の刈刃機構9が設けられ
ている。
【0014】上記衛星電波受信機は、本形態において
は、全世界測位衛星システム(GlobalPositioning Syst
em;以下、GPSと略記する)によるGPS衛星からの
電波を受信して自己位置を測定するためのGPS受信機
であり、既知の地点に配置された固定局で位置観測を行
なって補正情報(ディファレンシャル情報)を移動局に
フィードバックする、いわゆるディファレンシャルGP
S(以下、D−GPSと略記する)用の移動局GPS受
信機である。
【0015】周知のように、GPSによる測位誤差の要
因としては、衛星及び受信機の時計の誤差、衛星の軌道
の誤差、電離層による電波の遅れ、大気圏による電波の
遅れ、マルチパス等があり、その他に、最も大きな誤差
要因としてセレクタブル・アベイラビリティ(S/A)
と呼ばれる運用者による意図的な精度劣化がある。これ
らの要因による誤差のうち、同位相の誤差は既知の地点
の固定局で捕捉した各衛星に対応する補正情報を利用す
ることにより除去することができ、移動局での測位精度
を数m程度まで飛躍的に向上することができる。
【0016】このため、上記芝刈作業車1には、移動局
GPS受信機のアンテナ2と、固定局からのディファレ
ンシャル情報を受信するための無線通信機のアンテナ3
とが立設されており、車外の既知の地点には、図3の
(b)に示すように、固定局GPS受信機のアンテナ3
1と、移動局GPS受信機へディファレンシャル情報を
送信するための無線通信機のアンテナ32とを備えた固
定局30が配置されるようになっている。
【0017】また、上記推測航法用センサとしては、地
磁気センサ4と車輪エンコーダ5とが上記芝刈作業車1
に備えられ、上記障害物検出用センサとしては、超音波
センサあるいは光センサ等の無接触型センサ6a,6b
が上記芝刈作業車1の前後部に取付けられるとともに、
マイクロスイッチ等を使用した接触型センサ7a,7b
が上記芝刈作業車1の前後端に取付けられている。
【0018】また、磁気誘導路からの磁界を検出するセ
ンサとして、車体前端の上記接触型センサ7aの後側に
位置する部位に、複数の磁気センサを連装したセンサ部
8が設けられている。本形態においては、磁化された鋼
材(以下、磁鋼と称する)を磁石として埋設した磁気誘
導路に対し、図4に示すように、車体の幅方向に設置さ
れた横長の非磁性材料からなるマウントベース8aに、
9個の磁気センサ8b#0〜8b#8が感度方向を地面に向
けて取り付けられ、上記センサ部8が構成されている。
【0019】以上の構成による芝刈作業車1には、図2
に示すように、マイクロコンピュータ等から構成される
制御装置50が搭載されており、この制御装置50に上
述の各センサ類や後述するアクチュエータ類が接続され
て、本発明に係わる180度補正テーブル作成手段、往
復走行制御手段、及び、その他の制御手段の機能を実現
するようになっている。
【0020】以下、上記制御装置50の詳細について説
明する。上記制御装置50には、上記磁気センサ部8の
各磁気センサ8b#0〜8b#8が接続される埋設磁鋼検出
部51、上記地磁気センサ4及び上記車輪エンコーダ5
が接続される推測航法位置検出部53、上記移動局GP
S受信機15及び上記無線通信機16が接続されるD−
GPS位置検出部54、上記無接触型センサ6a,6b
及び上記接触型センサ7a,7bが接続される障害物検
出部55、これらの各検出部51,53,54,55が
接続される走行制御部56、この走行制御部56によっ
て参照される作業データ・マップや、作業領域での往復
作業走行の際に上記地磁気センサ4によって検出した走
行方位による往路と復路との平行誤差を補正するための
180度補正テーブル等が格納される作業データ蓄積部
57、上記走行制御部56からの指示によって車両制御
を行なう車両制御部58が備えられ、さらに、この車両
制御部58からの出力に基づいて芝刈作業車1の各機構
部を駆動制御するため、駆動制御部59、操舵制御部6
0、及び、刈刃制御部61が備えられている。
【0021】上記埋設磁鋼検出部51では、磁気誘導路
に埋設された磁鋼からの磁力線を検出し、磁鋼の埋設位
置を算出する。すなわち、各磁気センサ8b#0〜8b#8
の各出力から、その平均値AVEと最大値MAXとを求
め、平均値AVEと最大値MAXとの差が設定値以上で
あればセンサ下部の地中に磁鋼が埋設されていると判断
し、地面に対して横方向に設置された各磁気センサ8b
#0〜8b#8の位置から磁鋼位置を算出する。
【0022】例えば、図5に示すように、各磁気センサ
8b#0〜8b#8の出力とセンサ位置との関係を、各セン
サに対応する#0〜#8の位置を横軸とし、各センサの
出力を縦軸として表すと、図5(a)に示すように、磁
気センサ8b#4に対応する#4の位置で最大値MAXが
得られ、この最大値MAXと各磁気センサ8b#0〜8b#
8の出力の平均値AVEとの差が設定値以上である場
合、センサ出力が最大を示す#4の位置に隣接する#3
から#5の位置の間に磁鋼が埋設されていると判断し、
線形補間演算によって磁鋼の位置を#4.5と推定す
る。
【0023】一方、図5(b)に示すように、磁気セン
サ8b#1に対応する#1の位置でセンサ出力の最大値M
AXが得られ、この最大値MAXと各磁気センサ8b#0
〜8b#8のセンサ出力の平均値AVEとの差が設定値よ
り小さい場合には、センサ下部の地中に磁鋼は存在しな
いと判断する。
【0024】また、上記推測航法位置検出部53では、
上記車輪エンコーダ5によって検出される車速を積分し
て走行距離を求め、この走行距離を上記地磁気センサ4
により検出した走行方向の変化に対応させて累積するこ
とにより、基準地点からの走行履歴を算出して自車両の
現在位置を測定し、測位データを上記走行制御部56に
出力する。
【0025】上記D−GPS位置検出部54では、上記
移動局GPS受信機15を介して捕捉したGPS衛星群
(3次元測位の場合には少なくとも4個、2次元測位の
場合には少なくとも3個)70からの航法メッセージ、
すなわち、衛星の時計補正係数、軌道情報、衛星の暦、
衛星の配置等の測位情報と、無線通信機16を介して受
信した固定局30からのディファレンシャル情報とから
自車両の位置を高精度に測定し、その測位データを上記
走行制御部56に出力する。
【0026】上記D−GPS位置検出部54に対する固
定局30は、固定局GPS受信機33が接続されるD−
GPS固定局部34、このD−GPS固定局部34から
のディファレンシャル情報を送信するためのD−GPS
情報送信部35、このD−GPS情報送信部35に接続
される無線通信機36等から構成されている。
【0027】上記D−GPS固定局部34では、上記固
定局GPS受信機33を介して受信した上記衛星群70
からの測位情報を処理してディファレンシャル補正デー
タを作成する。このディファレンシャル補正データは、
上記D−GPS情報送信部35において無線通信のパケ
ットデータに変換され、無線通信機36を介して送信さ
れる。
【0028】尚、本形態においては、D−GPSの固定
局30を、上記芝刈作業車1の移動局を対象とした特定
の装置として設置するようにしているが、ディファレン
シャル情報を送信する無線局を備えた既存のD−GPS
固定局、あるいは、通信衛星を介してディファレンシャ
ル情報を送信する既存のD−GPS固定局等を利用する
ことも可能である。
【0029】一方、上記障害物検出部55は、上記無接
触型センサ6a,6b、及び、上記接触型センサ7a,
7bによって予測できない障害物を検出し、検出信号を
上記走行制御部56に出力する。
【0030】上記走行制御部56では、上記埋設磁鋼検
出部51、上記推測航法位置検出部53、及び、上記D
−GPS位置検出部54からの各測位データを適宜選択
及び処理し、上記作業データ蓄積部57の作業データを
参照して現在位置と目標位置との誤差量を算出して走行
経路や車両制御指示を決定する。尚、上記障害物検出部
55により障害物が検出されたときには、障害物回避あ
るいは車両停止を指示する。
【0031】ここで、芝刈作業車1の走行制御は、主と
して、上記推測航法位置検出部53からの測位データ
と、この推測航法測位データに対して上記D−GPS位
置検出部54からのD−GPS測位データによって補正
したデータ(相互補正値データ)とを適応的に切り換え
るD−GPS・推測航法による自律走行制御と、上記埋
設磁鋼検出部51からのデータに基づく磁気誘導走行制
御と、作業領域における草・芝刈作業に伴う往復直線走
行制御とに分けられる。
【0032】この場合、比較的障害物や起伏の少ない通
常の地形を広範囲に自律走行するときには、後述するよ
うに、D−GPS・推測航法に基づいて目標地点までの
移動距離の大小に応じてD−GPSによる測位データと
推測航法による測位データとを切り換えて自律走行する
が、障害物や起伏の多い地形では、D−GPS・推測航
法による自律走行のみでは正確な位置決めが困難であ
る。このため、既設の磁気誘導路からの磁界を検出し、
自動的にD−GPS・推測航法による自律走行から磁気
誘導走行に切り換え、磁気誘導路において検出した磁鋼
の位置が常に自車両の中心となるよう、前後輪の操舵を
指示して走行を行う。
【0033】また、作業領域での草・芝刈作業に伴う往
復直線走行においては、地磁気センサ4によって検出し
た走行方位によって進行方位を決定し、往路及び復路の
方向転換を行うようにしているが、ある走行方位に対し
て180度シフトした走行方位を地磁気センサ4によっ
て検出すると、往路・復路の平行度に誤差が生じ、刈り
残しやオーバーラップ量が増加する虞がある。
【0034】すなわち、実際の方位を検出するには、予
め地磁気センサ4をキャリブレーションしておくが、例
えば、地磁気センサ4によって10度の方位を検出した
後、190度の方位が検出されるまで芝刈作業車1を移
動させても、地磁気センサ4のキャリブレーションのず
れや誤差により必ずしも完全に平行にはならない。
【0035】このため、往復走行を行う前に、予め地磁
気センサ4の180度方向の誤差を補正する180度補
正テーブルを作成して上記作業データ蓄積部57内にス
トアしておき、作業領域での直線走行の行程終端点にお
ける方向転換に際して180度補正テーブルを参照する
ことで地磁気センサ4による走行方位を補正して往路と
復路との平行度を確保し、蛇行発生等を防止するように
している。
【0036】上記作業データ蓄積部57は、固定データ
が記憶されるROMエリアと、制御実行中のワークデー
タ等が記憶されるRAMエリアとから構成され、ROM
エリアには、草・芝刈作業を行なう作業領域の地形デー
タや複数の作業領域を含む領域全体の地形データ、この
領域全体の地形に含まれる磁気誘導路の位置データ等が
予め格納されており、RAMエリアには、各センサから
の信号を処理したデータ、D−GPSによる測位デー
タ、推測航法による測位データ、後述するD−GPS・
推測航法の相互補正値データ、この相互補正値データあ
るいは推測航法による測位データに基づいて算出される
自車両の現在位置データ、磁気誘導路における磁鋼検出
位置データ、上記180度補正テーブル等が記憶される
ようになっている。
【0037】上記車両制御部58では、上記走行制御部
56からの指示を具体的な制御指示量に変換し、駆動制
御部59、操舵制御部60、及び、刈刃制御部61に出
力する。これにより、駆動制御部59では、スロットル
開度を調整してエンジン出力を制御するためのスロット
ルアクチュエータ、変速アクチュエータ、前後進切換ア
クチュエータ、ブレーキアクチュエータ等の走行制御ア
クチュエータ20を駆動し、また、油圧ポンプ21を制
御して各機能部を駆動するための油圧を発生させる。
【0038】操舵制御部60では、前輪舵角センサ25
a、後輪舵角センサ25bからの入力に基づいて前輪操
舵用油圧制御弁22a、後輪操舵用油圧制御弁22bを
介して操舵制御(操舵量フィードバック制御)を行な
い、刈刃制御部61では、刈刃制御用油圧制御弁26を
介して刈刃機構9のサーボ制御を行なう。
【0039】図6に示すように、芝刈作業車1の操舵系
は、エンジン19によって駆動される上記油圧ポンプ2
1に、上記操舵制御部60によって制御される前輪操舵
用油圧制御弁22a及び後輪操舵用油圧制御弁22bが
接続されるとともに、各油圧制御弁22a,22bに、
前輪用油圧シリンダ23a、後輪用油圧シリンダ23b
がそれぞれ接続されており、各油圧シリンダ23a,2
3bにより、前輪操舵機構24a、後輪操舵機構24b
が独立して駆動される構成となっている。
【0040】そして、各操舵機構24a,24bに取付
けられた各舵角センサ25a,25bより検出された前
後輪の各舵角が上記操舵制御部60に入力されると、検
出された舵角と目標舵角との偏差をなくすよう、上記操
舵制御部60によって各油圧制御弁22a,22bを介
して各操舵機構24a,24bが制御される。
【0041】以下、図7に示すような複数の区画の作業
領域に対し、無人で草・芝刈作業を行なう例について説
明する。本形態では、芝刈作業車1は作業開始に当たっ
て任意の準備位置80に待機しているものとし、図中、
破線で示すように、準備位置80から作業領域82に通
じる経路81の一部、及び、作業領域85から戻り位置
88に通じる経路87の一部が障害物や起伏の多い地形
となっており、それぞれに磁鋼を埋設した磁気誘導路8
1a,87aが設けられているものとする。
【0042】そして、準備位置80から最初の作業領域
82への移動、作業領域82における草・芝刈作業走
行、作業領域82から次の作業領域85への移動、作業
領域85における草・芝刈作業走行、及び、戻り位置8
8への移動が、図10及び図11に示す主制御ルーチ
ン、図12及び図13に示す移動走行制御ルーチンに従
って自律的に行われる。
【0043】この場合、最初の作業領域82での草・芝
刈作業走行を行う前に往復直線走行の平行度を確保する
ため180度補正テーブルを作成しておく必要があり、
準備位置80からの走行開始前に、図8及び図9の18
0度補正テーブル作成ルーチンを実行する。
【0044】この180度補正テーブル作成ルーチン
は、芝刈作業車1に備えられた図示しないスイッチをO
Nすることにより、あるいは、図示しないハンディータ
ーミナル等からのコマンド入力によって起動され、ま
ず、ステップS11で走行制御アクチュエータ20の1つ
を構成するスロットルアクチュエータを介してエンジン
19の出力を制御するとともに操舵系を制御し、芝刈作
業車1を一定速度で旋回させると、ステップS12で、こ
の時点での方位を180度補正テーブル作成処理開始時
の方位として記憶し、次に、ステップS13へ進んで車両
旋回中に地磁気センサ4から得られる方位データのデー
タ列を次々に記憶する。
【0045】そして、ステップS14で予め設定された周
回数だけ旋回したか否かを調べ、車両の旋回が設定周回
数(例えば、2、3周)に達していないときには、上記
ステップS14からステップS13へ戻って地磁気センサ4か
らの方位データのサンプリングを続け、車両の旋回が設
定周回数に達したとき、上記ステップS14からステップS
15へ進んで車両を停止させ、ステップS16へ進む。
【0046】ステップS16では、角度指示値Nをクリア
してN=0とし、ステップS17で設定周回数だけ車両を
旋回させて記憶した地磁気センサ4の方位データ列の中
から方位N度のデータを検索すると、ステップS18で、
この方位N度のデータが得られた周回の次の周回での方
位N度のデータを検索し、ステップS19で両者のデータ
間隔から1周に要した時間を求める。
【0047】次いで、ステップS20へ進み、上記ステッ
プS19で求めた1周に要した時間に対し、この時間の半
分に該当する時刻で得られた方位データDnをデータ列
の中から検索して記憶すると、ステップS21へ進んで設
定周回数分の処理が終わったか否かを調べる。
【0048】そして、設定周回数分の処理が終わってい
ないときには、上記ステップS21からステップS18へ戻っ
て上述の処理を繰り返し、設定周回数分の処理が終了し
たとき、上記ステップS21からステップS22へ進んで設定
周回数分の処理で得られた各方位データDnの平均値を
求め、方位N度のときの復路方位補正値として180度
補正テーブルに登録する。この復路方位補正値は、例え
ば、N=0のときの上記ステップS22での平均値が18
1度のとき、方位0度の往路に対して平行な復路の方位
が181度として登録される。
【0049】続くステップS23では、角度指示値Nをイ
ンクリメントし(N=N+1)、ステップS24で角度指
示値Nが360度に達したか否かを調べる。そして、角
度指示値Nが360度に達していないときには、上述の
ステップS17へ戻って、角度指示値Nの増分1度毎に復
路方位補正値を求めて180度補正テーブルに登録する
処理を繰り返し、360度分の処理が済んだとき、ルー
チンを終了して180度補正テーブル作成を完了する。
【0050】以上により、180度補正テーブル作成が
完了すると、図10及び図11に示す主制御ルーチンが
実行されて作業領域への自律走行が開始される。このル
ーチンでは、まず、ステップS101で、D−GPSを用い
て現在の自己位置である準備位置80を計測する。この
位置計測は、経度、緯度等のD−GPSの測位データ
(必要に応じて高度データも加えられる)を、作業デー
タ蓄積部57に格納されている測地系のデータに変換す
ることにより行われる。尚、この測地系へのデータ変換
は、D−GPS位置検出部54で行っても良く、あるい
は、走行制御部56において行っても良い。
【0051】次いで、ステップS102へ進むと、作業デー
タ蓄積部57を参照して最初の作業領域82の地形デー
タを読出し、計測した準備位置80から作業開始地点ま
で、磁気誘導路81aを含む経路81を生成し、ステッ
プS103へ進む。ステップS103では、後述する図12及び
図13の移動走行制御ルーチンを実行し、経路81を通
って作業開始位置へ車両を移動する。この経路81の移
動に際しては、D−GPS・推測航法による自律走行中
に磁気誘導路81aの存在を検出すると、自動的に磁気
誘導路に沿った走行に切換えられる。
【0052】そして、上記ステップS103からステップS1
04へ進み、刈刃制御用油圧制御弁26を開弁して刈刃機
構9に油圧を供給すると、刈刃を作動させて草・芝刈作
業を開始する。尚、草・芝刈作業は、一定速走行(例え
ば、3〜6km/h)により行なう。草・芝刈時の走行
速度は、あまり遅いと草・芝刈作業効率が悪化し、また
速すぎると刈ムラが生じるため、3〜6km/h程度が
望ましい。
【0053】続くステップS105では、作業1回目か否か
を調べ、作業1回目であるときには、ステップS105から
ステップS106へ進んで、後述する図15の現在位置算出
ルーチンによって得られるD−GPS・推測航法による
車両現在位置を作業データ蓄積部57から読み出した
後、ステップS107で、作業データ蓄積部57の作業デー
タを参照し、作業領域82における作業1回目の1行程
(1列)の経路に対する現在位置との誤差量を求める。
【0054】次に、ステップS108へ進み、上記ステップ
S107で求めた誤差量に応じて前後輪の各目標舵角に対す
る操舵量を決定し、ステップS109で、前輪操舵用油圧制
御弁22a、後輪操舵用油圧制御弁22bを介して、前
輪操舵機構24a、後輪操舵機構24bをそれぞれ駆動
し、前輪舵角センサ25a及び後輪舵角センサ25bに
より前輪舵角及び後輪舵角を検出して目標舵角を得るよ
う制御する。
【0055】その後、ステップS110で、1行程(1列)
の終端点に達したか否かを調べ、終端点に達していない
とき、前述のステップS106へ戻って草・芝刈作業を続行
し、終端点に達したとき、ステップS118で1区画(現在
の作業対象の作業領域)の作業を終了したか否かを判断
する。
【0056】この場合、作業1回目であるため、ステッ
プS118から前述のステップS105へ戻って、再び作業1回
目か否かを調べ、作業2回目以降になったとき、上記ス
テップS105からステップS111へ分岐し、走行制御アクチ
ュエータ20を駆動して刈刃の幅分だけ車体をシフトさ
せて次作業位置へ移動させ、ステップS112へ進む。
【0057】尚、この次作業位置への移動は、D−GP
S・推測航法による車両位置に基づいて行われるが、移
動距離が極短距離のため、後述する図15の現在位置算
出ルーチンにおいて、推測航法による測位データを直接
使用して現在位置が求められる。
【0058】ステップS112では、作業1回目の行程と進
行方向が同方向の往路か、作業1回目の行程に対して進
行方向が180度方向となる復路かを調べ、偶数列(作
業2,4,…回目)の復路のとき、ステップS113へ進
み、地磁気センサ4の出力を直接使用して決定した1行
程目の進行方位に対し、180度補正テーブルを参照し
て1列目の走行方位と平行な復路方位を決定し、前後輪
の操舵量を決定する。
【0059】すなわち、作業1行程目の進行方向が例え
ば10度であった場合、この1行程目の往路に対し、1
80度補正テーブルを参照した結果、181度の復路方
位が得られたときには、地磁気センサ4によって検出さ
れる181度の方位を復路方位として決定し、この復路
方位に対する前後輪の操舵量を決定する。
【0060】一方、上記ステップS112で奇数列(作業
3,5,…回目)の往路のときには、上記ステップS112
からステップS114へ進み、地磁気センサ4の出力を直接
使用して作業1回目の行程と同方向の進行方位すなわち
往路方位を検出し、前後輪の操舵量を決定する。例え
ば、作業1行程目の進行方向が10度であった場合に
は、地磁気センサ4によって検出される10度の方位を
往路方位として、この往路方位に対する前後輪の操舵量
を決定する。
【0061】そして、上記ステップS113あるいはステッ
プS114で前後輪の操舵量を決定すると、ステップS115へ
進み、前輪操舵用油圧制御弁22a、後輪操舵用油圧制
御弁22bを介して前輪操舵機構24a、後輪操舵機構
24bをそれぞれ駆動し、目標舵角を得るよう制御し、
草・芝刈作業を行いながらの走行を制御する。
【0062】これにより、従来、地磁気センサ4のキャ
リブレーションを精密に行っても、ある走行方位に対し
て180度シフトした位置での平行度に限界があった
が、往路・復路で略完全な平行直線走行を実現すること
ができ、作業領域での往復直線走行における蛇行の発生
を回避し、刈り残しやオーバーラップ量の増加を防止し
て品質の高い草・芝刈作業を行うことができる。
【0063】その後、ステップS116で、再度、作業デー
タ蓄積部57からD−GPS・推測航法による車両現在
位置を読み出すと、ステップS117で、1行程終端点に達
したか否かを調べ、1行程終端点に達していないときに
は、前述のステップS112へ戻って作業走行を続け、1行
程終端点に達したとき、ステップS118へ進んで1区画
(作業領域82)の作業を終了したか否か判断する。
【0064】そして、1区画(作業領域82)での作業
を終了するまでステップS105〜S118を繰返し、1区画の
作業を終了したとき、ステップS118からステップS119へ
進んで、全作業を終了したか否かを判断する。ここで
は、まだ、次の作業領域85での作業を終了していない
ため、前述のステップS102へ戻って、同様の手順で作業
領域82から作業領域85への経路84を生成すると、
図12及び図13の移動走行制御ルーチンに従って次の
作業領域85に移動し、同様に最初の1行程のみD−G
PS・推測航法により草・芝刈作業を行ない、2回目以
降は経路86の作業走行により草・芝刈作業を行なう。
【0065】やがて、全作業を終了すると、ステップS1
19からステップS120へ進み、作業データ蓄積部57を参
照して、作業領域85から戻り位置88まで磁気誘導路
87aを含む経路87を生成すると、ステップS121で、
図12及び図13の移動走行制御ルーチンに従って戻り
位置88まで移動し、ルーチンを終了して車両を停止さ
せる。
【0066】次に、図12及び図13に示す移動走行制
御ルーチンによる経路81,84,87における走行制
御について説明する。尚、前述の主制御ルーチンにおい
ては、自己位置の測位データと作業データ蓄積部57の
作業データとから経路81,84,87を生成するよう
にしているが、経路81,84,87そのものを予め作
業データ蓄積部57に記憶させておいても良い。
【0067】このルーチンでは、ステップS201で、作業
データ蓄積部57に記憶されている目標地点、目標軌
跡、予め設定した指定進行速度を読み出すと、ステップ
S202で、移動終了か否かを判断し、移動終了ならばステ
ップS203で車両を停止してルーチンを抜け、移動終了で
ない場合には、ステップS204へ進む。
【0068】ステップS204では、車輪エンコーダ5によ
って検出される芝刈作業車1の移動速度が上記ステップ
S201で読み出した指定進行速度となるよう、走行制御ア
クチュエータ20の1つを構成するスロットルアクチュ
エータを介してエンジン19の出力を制御し、指定進行
速度で走行した後、ステップS205で、磁気誘導走行が許
可されているか否か、すなわち、磁気誘導路(本形態で
は、経路81に含まれる磁気誘導路81aあるいは経路
87に含まれる磁気誘導路87a)の開始点が当面の目
標地点であり、磁気誘導走行へ切換えるための準備が許
可されているか否かを調べる。
【0069】そして、磁気誘導走行が許可されていると
きには、上記ステップS205からステップS206以降へ進ん
で埋設磁鋼の検出位置に基づく走行制御を行い、磁気誘
導走行が許可されていないとき、上記ステップS205から
ステップS211以降へ進んで、D−GPS及び推測航法に
よる走行制御を行う。
【0070】まず、磁気誘導走行が許可状態となって上
記ステップS205からステップS206へ進んだ場合について
説明する。ステップS206では、磁気センサ8b#0〜8b
#8からの出力を調べて埋設磁鋼が検出されたか否かを判
断し、埋設磁鋼が検出されないときには、磁気誘導路
(磁気誘導路81aあるいは磁気誘導路87a)に達し
ていないと判断してD−GPS及び推測航法による自己
位置検出を実行すべくステップS211以降へ進み、埋設磁
鋼が検出されたとき、磁気誘導路に達したと判断してス
テップS207へ進む。
【0071】ステップS207では、磁気センサ8b#0〜8
b#8の情報から磁鋼の埋設位置を計算し、ステップS208
で磁鋼検出位置が車体の中心となるよう前後輪の各操舵
量を計算すると、ステップS209で前輪操舵用油圧制御弁
22a、後輪操舵用油圧制御弁22bを介して前輪操舵
機構24a、後輪操舵機構24bをそれぞれ駆動し、目
標舵角を得るよう制御する。
【0072】その後、ステップS210へ進み、磁気誘導走
行路の終端点を示す終了マークとなる磁鋼を検出したか
否かを調べる。例えば、磁気誘導路がN極の磁鋼で構成
されている場合、この磁気誘導路の終端点にS極の磁鋼
を終了マークとして埋設しておくことにより、極性の異
なる磁鋼を検出したとき、磁気誘導路の終端点に達した
と判断することができる。
【0073】そして、終了マークの磁鋼が検出されない
ときには、ステップS207へ戻って埋設磁鋼の検出による
磁気誘導路(磁気誘導路81aあるいは磁気誘導路87
a)に沿った走行制御を続行し、終了マークの磁鋼を検
出したとき、ステップS201へ戻り、D−GPS・推測航
法によって自律走行する新たな目標地点に向けての処理
を行う。
【0074】すなわち、D−GPS・推測航法による自
律走行中に、障害物や起伏の多い地形に達したとき、予
め設けられている磁気誘導路からの磁界を検出して自動
的に磁気誘導走行に切り換えるため、障害物や地形の起
伏に拘わらず正確な位置決めが可能となり、走行経路か
ら逸脱することなしに目標地点に確実に到達することが
できる。しかも、通常はD−GPS・推測航法による自
律走行を行い、精密な位置決めが必要な場合にのみ磁気
誘導路による誘導走行を行うため、磁気誘導路の設置を
必要最小限として設置費用を抑えることができる。
【0075】一方、ステップS211以降のD−GPS及び
推測航法による走行制御では、ステップS211で、後述す
る図15の現在位置算出ルーチンによって求められた自
車両の現在位置を作業データ蓄積部57から読み出す
と、ステップS212で、目標地点と現在位置とを比較し、
目標進行方位角を算出する。
【0076】次に、ステップS213へ進むと、地磁気セン
サ4によって刻々と検出される現在の進行方位角を読み
出し、ステップS214で、目標進行方位角と現在の進行方
位角とから進行方位の誤差量を求め、その誤差量に応じ
て前後輪の操舵量を決定し、ステップS215へ進んで、決
定した前後輪操舵量に応じて前輪操舵用油圧制御弁22
a、後輪操舵用油圧制御弁22bを介して前輪操舵機構
24a、後輪操舵機構24bをそれぞれ駆動し、目標舵
角を得るよう制御する。
【0077】その後、ステップS216で、現在位置と目標
位置とを比較し、ステップS217へ進んで目標位置に到達
したか否かを判断する。その結果、目標位置に到達して
いないときには、ステップS212へ戻って再び目標進行方
位角を算出して走行を続け、目標位置に到達したとき、
ステップS201へ戻って目標地点、目標軌跡、指定進行速
度を読み出して同様の処理を繰り返す。
【0078】ここで、D−GPS・推測航法による自車
両の現在位置測定について説明する。D−GPSによる
自己位置の測定では、単独のGPSに比較してはるかに
良好な精度が得られるが、衛星の捕捉状態や電波の受信
状態等によっては、自律走行制御時に必要とするタイミ
ングで必要とする精度が得られない場合がある。
【0079】このため、図14のD−GPS・推測航法
相互補正値算出ルーチンでは、自車両1が走行中である
か停止中であるかに拘らず常にD−GPS及び推測航法
の両者を含めた相互の位置補正値(相互補正値)を算出
しておき、図15の現在位置算出ルーチンにより、目標
地点までの移動距離が予め設定された設定値を越えると
き、D−GPS測位データと推測航法測位データとの差
を平均化処理した値で推測航法測位データを補正して現
在位置を算出し、目標地点までの移動距離が上記設定値
以下のときには、推測航法測位データを直接使用して現
在位置を算出する。
【0080】以下、D−GPS・推測航法相互補正値算
出ルーチンについて説明する。このD−GPS・推測航
法相互補正値算出ルーチンは、タイムシェアリング等に
よりバックグランドで処理され、常に最新の補正値を参
照できるようになっており、ステップS301で、後述する
図16のD−GPS無線通信ルーチンからのディファレ
ンシャル演算による測位結果Pgの入力を待ち、このD
−GPS測位結果Pgが入力されると、ステップS302へ
進んでD−GPS測位時刻に対応した時刻での推測航法
による位置データPsを読み出す。
【0081】次いで、ステップS303へ進み、D−GPS
による測位結果Pgと推測航法による位置データPsと
の差を相互補正値Kとして算出すると(K=Pg−P
s)、ステップS304で、今回算出した相互補正値Kを含
めた過去n点の移動平均値Kaを算出して作業データ蓄
積部57のRAMエリアに記憶されている移動平均値K
aを更新し、上記ステップS301へ戻って次のD−GPS
測位結果Pgの入力を待つ。尚、nの値は、推測航法の
精度や累積誤差の大小等により予め最適な値に決定して
おく。
【0082】以上のようにバックグランドで算出される
最新の平均化された相互補正値Kaは、図15の現在位
置算出ルーチンに読み込まれ、目標地点までの移動距離
が比較的長い場合、推測航法による測位データに相互補
正値Kaを適用して現在位置が算出され、極短距離の移
動の場合には、推測航法による測位データによって現在
位置が算出される。
【0083】まず、ステップS401で、推測航法による現
在位置データPsnを読み出すと、ステップS402で、目
標地点までの移動距離Sを、予めシステムの制御性を考
慮して設定された設定値Dfと比較し、S>Dfのと
き、ステップS403へ進んで、推測航法による現在位置デ
ータPsnに、前述のD−GPS・推測航法相互補正値
算出ルーチンによって算出された最新の平均化された相
互補正値Kaを加算して現在位置Pを求め、このデータ
を作業データ蓄積部57にストアしてルーチンを抜け
る。
【0084】すなわち、常時、D−GPSの測位データ
と推測航法の測位データとの差を相互補正値として求め
て蓄積し、移動平均するため、衛星の捕捉状態や電波の
受信状態等によって一時的にD−GPSの測位精度が低
下した場合においても、推測航法の測位データを移動平
均した最新の相互補正値で補正することにより、一定の
地点に自車両1を停止させて所定時間D−GPSの測位
データを蓄積し精度を高めるといった処置をとる必要が
なく、常に正確に現在位置を算出することができる。
【0085】一方、上記ステップS402においてS≦Df
であり、目標地点までの移動距離が極短い場合には、上
記ステップS402からステップS404へ分岐し、上記ステッ
プS401で読み出した推測航法による現在位置データPs
nを、直接、現在位置Pとして作業データ蓄積部57に
ストアし、ルーチンを抜ける。
【0086】この推測航法による現在位置データPsn
をD−GPSによる測位データで補正せずに直接使用す
る状況は、本形態においては、作業領域における次作業
位置への移動(主制御ルーチンにおけるステップS111;
図10参照)の際に生じ、D−GPSの測位精度では対
処困難な極短距離の移動の際に、推測航法の測位データ
に対するD−GPSの測位データによる補正を中止する
ことにより、制御安定性を向上させることができる。
【0087】一方、D−GPSにおける固定局30と移
動局との間のデータ通信は、図16に示すD−GPS無
線通信ルーチンによりパケットデータで行なわれる。こ
のデータ通信では、ステップS601で、移動局GPS受信
機15を初期化し、ステップS602で、固定局GPS受信
機33を、無線通信機16,36を介したデータ送信で
初期化すると、ステップS603へ進み、固定局30からの
ディファレンシャル情報を無線データ通信により得る。
【0088】次いで、ステップS604へ進むと、D−GP
S位置検出部54で、固定局30からのディファレンシ
ャル情報を移動局GPS受信機15から得られる測位デ
ータに適用し、ディファレンシャル演算を行なって自車
両位置を測定する。そして、その測位情報を走行制御部
56に送ると、ステップS603へ戻り、次のデータ処理を
繰返す。この場合、固定局30とのディファレンシャル
演算は、移動局受信機15固有の機能によって行なって
も良い。
【0089】図17〜図19は本発明の実施の第2形態
に係り、図17は制御装置のブロック図、図18及び図
19は180度補正テーブル作成ルーチンのフローチャ
ートである。
【0090】本形態は、図17に示すように、推測航法
位置検出部53に接続されるセンサとして、地磁気セン
サ4、車輪エンコーダ5の他に、車両の旋回角速度を検
出するジャイロスコープ100(以下、ジャイロと略記
する)を加え、地磁気センサ4及びジャイロ100の両
者からのデータに基づいて180度補正テーブルを作成
するものである。
【0091】すなわち、本形態の180度補正テーブル
作成ルーチンでは、図18及び図19に示すように、前
述の第1形態における180度補正テーブル作成ルーチ
ンと同様のステップS51〜S53を経て一定速度の車両旋回
下で地磁気センサ4から得られる方位データ列を記憶
し、ステップS54でジャイロ100のデータを積分し
て、その積分値を記憶する。
【0092】次いで、ステップS55へ進んで設定周回数
だけ旋回したか否かを調べ、旋回が設定周回数に達して
いないときには、ステップS53へ戻って、ステップS53,S
54でで地磁気センサ4からの方位データのサンプリン
グ、及び、ジャイロ100のデータの積分を続け、車両
の旋回が設定周回数に達すると、ステップS56へ進んで
車両を停止させる。
【0093】続くステップS57では、角度指示値Nをク
リアしてN=0とし、ステップS58へ進んで、記憶した
方位データ列すなわち設定周回数だけ車両を旋回させて
サンプリングした地磁気センサ4の方位データ列の中か
ら方位N度のデータを検索し、同時に、この方位データ
とともに記録されたジャイロ100のデータ積分値を検
索する。
【0094】そして、上記ステップS58からステップS59
へ進み、上記ステップS58で検索した方位N度のデータ
に対して次の周回で得られた方位N度のデータを検索
し、同時に、この次の周回の方位データとともに記録さ
れたジャイロ100のデータ積分値を検索してステップ
S60へ進む。
【0095】ステップS60では、上記ステップS58,S59に
おいて検索した両者のデータ間隔から1周分のジャイロ
100のデータ積分値を求め、ステップS61で、この1
周分の積分値の半分に該当する時点の方位データDnを
データ列の中から検索し、記憶する。
【0096】次いで、ステップS62へ進んで設定周回数
だけの処理が終わったか否かを調べ、設定周回数分の処
理が終わっていないときには、ステップS59へ戻って上
述の処理を繰り返し、設定周回数分の処理が終了したと
き、ステップS63へ進んで設定周回数分の処理で得られ
た各方位データDnの平均値を求め、方位N度のときの
復路方位として180度補正テーブルに登録する。
【0097】その後、ステップS64へ進んで角度指示値
Nをインクリメントし(N=N+1)、ステップS65で
角度指示値Nが360度に達したか否かを調べる。そし
て、360度に達するまで上述のステップS58からの処
理(角度指示値Nの増分1度毎の処理)を繰り返し、3
60度分の処理が済んだとき、ルーチンを終了して18
0度補正テーブル作成を完了する。
【0098】すなわち、本形態では、ジャイロ100を
用いて車両旋回中の角速度を検出し、地磁気センサ4で
検出する所定の方位(往路方位)に対し、正確に1周の
半分の時点での地磁気センサ4による復路方位を求める
ため、前述の第1形態よりも一層正確に往復作業走行に
おける平行性を確保することができる。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、地
磁気センサによって検出する任意の方位に対して180
度となる方位を決定するための補正テーブルを予め作成
しておき、往復直線走行を制御する際に、地磁気センサ
によって検出した方位に基づく往路に対し、補正テーブ
ルを参照して決定した方位に基づいて復路走行を制御す
るため、従来、地磁気センサのキャリブレーションを精
密に行っても、ある走行方位に対して180度シフトし
た位置での平行度に限界があったが、往路・復路で略完
全な平行直線走行を実現することができ、作業領域での
往復直線走行における蛇行の発生等を回避し、確実かつ
効率的な作業走行を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成図
【図2】本発明の実施の第1形態に係り、制御装置のブ
ロック図
【図3】同上、D−GPS用移動局を備えた芝刈作業車
及びD−GPS用固定局を示す説明図
【図4】同上、埋設磁鋼検出用センサ部の構成を示す説
明図
【図5】同上、磁気センサ群の出力に基づく磁鋼検出の
説明図
【図6】同上、操舵制御系の構成を示す説明図
【図7】同上、走行経路及び作業領域を示す説明図
【図8】同上、180度補正テーブル作成ルーチンのフ
ローチャート(その1)
【図9】同上、180度補正テーブル作成ルーチンのフ
ローチャート(その2)
【図10】同上、主制御ルーチンのフローチャート(そ
の1)
【図11】同上、主制御ルーチンのフローチャート(そ
の2)
【図12】同上、移動走行制御ルーチンのフローチャー
ト(その1)
【図13】同上、移動走行制御ルーチンのフローチャー
ト(その2)
【図14】同上、D−GPS・推測航法相互補正値算出
ルーチンのフローチャート
【図15】同上、現在位置算出ルーチンのフローチャー
【図16】同上、D−GPS無線通信ルーチンのフロー
チャート
【図17】本発明の実施の第2形態に係り、制御装置の
ブロック図
【図18】同上、180度補正テーブル作成ルーチンの
フローチャート(その1)
【図19】同上、180度補正テーブル作成ルーチンの
フローチャート(その2)
【符号の説明】
1 …芝刈作業車(自律走行車) 4 …地磁気センサ 50 …制御装置(180度補正テーブル作成手段、往
復走行制御手段) 100…ジャイロスコープ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地磁気センサにより進行方位を検出し、
    作業領域での作業に伴う往復直線走行を制御する自律走
    行車の走行制御装置において、 上記地磁気センサによって検出する任意の方位に対して
    180度となる方位を決定するための補正テーブルを作
    成する180度補正テーブル作成手段と、 上記地磁気センサによって検出した方位に基づいて往路
    走行を制御する一方、上記補正テーブルを参照して決定
    した方位に基づいて復路走行を制御する往復走行制御手
    段とを備えたことを特徴とする自律走行車の走行制御装
    置。
  2. 【請求項2】 上記180度補正テーブル作成手段は、
    自車両を一定速度で旋回させたときに上記地磁気センサ
    によって得られる方位データ列と半周に要する時間とに
    基づいて上記補正テーブルを作成することを特徴とする
    請求項1記載の自律走行車の走行制御装置。
  3. 【請求項3】 上記180度補正テーブル作成手段は、
    上記半周に要する時間をジャイロスコープからのデータ
    に基づいて求めることを特徴とする請求項2記載の自律
    走行車の走行制御装置。
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