JPH0930386A - アンチロックブレーキ装置 - Google Patents

アンチロックブレーキ装置

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JPH0930386A
JPH0930386A JP20986495A JP20986495A JPH0930386A JP H0930386 A JPH0930386 A JP H0930386A JP 20986495 A JP20986495 A JP 20986495A JP 20986495 A JP20986495 A JP 20986495A JP H0930386 A JPH0930386 A JP H0930386A
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修 磯辺
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育朗 野津
Sadahiro Takahashi
貞博 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ブレーキトルクもしくは路面とタイヤとのスリ
ップ率を正確に制御する 【構成】スリップ率が目標値と一致した時に符号を変化
する判定関数と、判定関数を時間積分した積分項を含む
切換関数とを設定し、切換関数に比例するようにブレー
キトルク目標値を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明が属する技術分野】本発明は、自動車の制動時の
ブレーキトルクを最適化するための制御技術に関する。
【従来の技術】自動車の制動時に車輪がロックしないよ
うに、車輪速と車体速の差に基づきブレーキトルクをフ
ィードバック制御するアンチスキッドブレーキは例えば
以下の文献に開示されている。 [1]Tan and Chin:vehicle T
raction Control:Variable
Structure Control Approac
h,Trans.of ASME Dynamic
Systems,Measurement,and C
ontrol,113 223/230(1991) [2]Chin,William,Sidlosky,
Rule and Sparschu:Sliding
−Mode ABS Wheel−Slip Cont
rol,Proc.of Am.Control Co
nf.1/5(1992)
【発明が解決しようとする課題】これらの文献に開示さ
れる装置は車体速、車輪速を引数とする関数を設定し、
図8のグラフ(b)に示すように関数値の正負に応じて
ブレーキトルクを切り換えることで路面とタイヤのスリ
ップ率を目標値へと制御しているが、ブレーキトルクを
発生させるアクチュエータの動作遅れや、関数計算の所
要時間に起因してブレーキトルクの制御に応答遅れが発
生し、ブレーキトルクやスリップ率がハンチングを起こ
しやすいという問題がある。ハンチングを抑制するには
ブレーキトルクの切り換えを急激に行わず、図8のグラ
フ(a)に示すように、ブレーキトルクが最大値から最
小値まで滑らかに変化するように関数値の特性を設定す
れば良い。しかしながら、このようにブレーキトルクを
漸変的に変化させると制御誤差が大きくなり、スリップ
率の目標値と実際値とが正確に一致しない場合がある。
本発明は上記問題点を解決すべくなされたもので、簡単
な制御アルゴリズムで路面とタイヤのスリップ率を正確
に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、図9
に示すように、車輪速度の検出手段101と、車体速度
の検出手段102と、車輪速度と車体速度から車輪のス
リップ率を計算する珪103と、スリップ率があらかじ
め設定された目標値と一致するようにブレーキトルクを
制御する手段104とを備えたアンチロックブレーキ装
置において、前記スリップ率が目標値と一致した時に符
号を変化する判定関数を設定する手段105と、判定関
数を時間積分した積分項を含む切換関数を設定する手段
106と、切換関数の値に応じてブレーキトルク目標値
を決定する手段107とを備え、前記ブレーキトルク制
御手段104がブレーキトルクをブレーキトルク目標値
へと制御する。請求項2の発明は、請求項1の発明にお
いて前記判定関数を次式(A)で、前記切換関数を次式
(B)でそれぞれ定義する。 請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記ブレ
ーキトルク目標値を次式(C)により決定する。
【作用】検出手段101と102が検出した車輪速度と
車体速度からスリップ率計算手段103が車輪のスリッ
プ率を計算する。設定手段105がスリップ率に基づく
判定関数を設定し、設定手段106が判定関数を時間積
分した積分項を含む切換関数を設定する。この切換関数
に応じて決定手段107かブレーキトルク目標値を決定
する。このとき、判定関数を時間積分した積分項がスリ
ップ率を目標値に一致させる。制御手段104がブレー
キトルクをこの目標値へと制御することにより、スリッ
プ率を早期に目標スリップ率へと収束させる。
【発明の実施の形態】図1〜図8を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。図1に示すように、ブレーキ1
はブレーキ圧調整機構2を介して供給される圧油により
車輪10を制動する。ブレーキ圧調整機構2は例えば油
圧ポンプとサーボバルブなどで構成され、コントロール
ユニット3が出力する信号に比例した圧力をブレーキ1
に供給する。コントロールユニット3には、車輪10の
回転速度x(t)を検出する車輪速センサ4、自動車
の車体の速度x(t)を検出する車速センサ5、ブレ
ーキペダル8の踏込角θ(t)を検出するブレーキペダ
ル踏込角センサ6からの信号が入力される。車速センサ
5は例えば車体に作用する前後方向の加速度を検出する
加速度センサと、その出力を積分する積分器によって構
成する。コントロールユニット3は例えばマイクロコン
ピュータで構成され、入力される車輪速x(t)、車
体速x(t)、ブレーキベダル踏込角θ(t)の各信
号に対して、以下の式(1)〜(7)により目標ブレー
キトルクUcmd(t)を求めて、ブレーキ圧調整機構
2に信号を出力する。なお、ブレーキ1と車輪速センサ
4は車輪10ごとに設けられ、ブレーキ圧信号も車輪1
0ごとに出力される。 σ(t)=η・x(t)+xwi(t)(1) ここで、iは車輪番号を示す添字である。例えば、車輪
が4個の場合には右前 hは所定値であり、路面とタイヤとのスリップ率の目標
値λから以下の式で決める。 η=λ−1 なお、路面とタイヤとのスリップ率λは次式で定義す
る。 定義からσ(t)=0はスリップ率λが目標値λ
に一致したことを意味する。σ(t)>0はスリップ
率が目標値より小さく、σ(t)<0はスリップ率が
目標値より大きすぎることを意味する。次に切換関数s
(t)を次式で演算する。 ただし、tま現在の時刻、kはあらかじめ定めた正の
定数である。 ここで、f(s)はf(0)=q ,f(δ)=q
を満たす滑らかな単調増加関数、δは正の所定値で
ある。q ,q は次の条件を満たす定数である。 と(7)を満たすようなq ,q が必ず存在す
る。式(5)を図に示すと図4のグラフ(a)になる。
コントロールユニット3による上記の計算と制御を図2
と3のフローチャートを用いて説明する。まず、図2の
フローチャートは基本ルーチンであり、ステップS1に
おいて、サンプル時刻かどうかを判定する。このステッ
プはこのルーチンを一定周期で実行するために設けられ
る。サンプル時刻であれば、ステップS2においてブレ
ーキペダルの踏込角θ(t)が所定値もθ以上である
かどうかを判定する。一般に、アンチロック制御が必要
になるのはブレーキペダルがある程度以上踏み込まれた
ときであり、それ以外の場合はアンチロック制御の必要
がないので以後のブレーキトルク制御を行わずにルーチ
ン終了する。ブレーキペダルの踏込角がもθ以上の場
合は、ステップS3において図3に示すブレーキトルク
制御ルーチンを実行する ステップS12〜S15で式(1)〜(7)の計算を実
行して、各輪のブレーキトルク目 のブレーキ1に供給する圧油の圧力を調整する。ここ
で、自動車の車輪数ηとすると、ブレーキングの運動
方程式は次のように表すことができる。 ただし、 ここで、 である。 となる。このとき、s(t)も一定値となる。s
(t)が一定値になるには定義から、σ(t)=0す
なわちλ=λとならなくてはならない。 式(5)のq(t)を式(10)に代入すると、s
(t)>0となることが容易に分かる。 (t)が安定するのでs(t)も一定値で安定す
る。これはλ=λを意味する。このようにして、ス
リップ率λは目標値λと正確に制御される。図5は
目標スリップ率λを0.2として行った上記制御のシ
ミュレーション結果を示す。ここでは、スリップ率λは
目標値の0.2へ速やかに制御され、制動距離xは10
0mとなる。図6は式(3)の積分項を0として同じ条
件を与えた場合のシミュレーション結果を示す。図7は
さらに式(5)のδを0とした場合、すなわち切換関数
の特性を図4のグラフ(b)に示すように設定した場合
のシミュレーション結果を示す。式(3)の積分項と式
(5)のδとをいずれも0とした場合には、図7(C)
に示すようにスリップ率λがハンチングを起こし、図7
(D)に示すようにブレーキトルクがこれに追随して大
きく変動する。制動による停止距離xは図7(E)に示
すように110mとなる。また、δを0とせずに式
(3)の積分項のみを0とする制御では、図6(C)に
示すうにスリップ率λはハンチングを起こさないが、ス
リップ率が目標スリップ率λ=0.2からずれた位置
で安定するため、制動距離はx=140mと大幅に増加
する。このように、切換関数に積分項を設けることによ
り制動距離の短縮と安定した制動動作を実現することが
できる。
【発明の効果】以上のように本発明は、スリップ率が目
標値と一致した時に符号を変化する判定関数と、判定関
数を時間積分した積分項を含む切換関数とによりブレー
キトルク目標値を決定するようにしたので、積分項がブ
レーキトルクのハンチングを減少させ、スリップ率を目
標値へと早期に収束させる。したがって、ブレーキ時の
車両の挙動を安定させるとともに、制動距離を短くする
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すアンチロックブレー
キの概略構成図である。
【図2】同じく、アンチロック制御条件の成立判定ルー
チンを説明するフローチャートである。
【図3】同じく、ブレーキトルク制御ルーチンを説明す
るフローチャートである。
【図4】同じく切換関数の特性を示すグラフである。
【図5】同じく、制動特性を示すダイヤグラムである。
【図6】従来例の制動特性を示すダイヤグラムである。
【図7】別の従来例の制動特性を示すダイヤグラムであ
る。
【図8】従来例のブレーキトルクの制御特性を示すグラ
フである
【図9】本発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
1 ブレーキ 2 ブレーキ圧調整機構 3 コントロールユニット 4 車輪速センサ 5 車速センサ 6 ブレーキペダル踏込角センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 貞博 埼玉県上尾市大字壱丁目一番地 日産ディ ーゼル工業株式会社内 (72)発明者 中澤 雅生 埼玉県上尾市大字壱丁目一番地 日産ディ ーゼル工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪速度の検出手段と、車体速度の検出
    手段と、車輪速度と車体速度から車輪のスリップ率を計
    算する手段と、スリップ率があらかじめ設定された目標
    値と一致するようにブレーキトルクを制御する手段とを
    備えたアンチロックブレーキ装置において、前記スリッ
    プ率が目標値と一致した時に符号を変化する判定関数を
    設定する手段と、判定関数を時間積分した積分項を含む
    切換関数を設定する手段と、切換関数の値に応じてブレ
    ーキトルク目標値を決定する手段と、ブレーキトルクを
    ブレーキトルク目標値へと制御する手段とを備えたこと
    を特徴とするアンチロックブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記判定関数が次式(A)で、前記切換
    関数が次式(B)でそれぞれ定義される請求項1に記載
    のアンチロックブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 前記ブレーキトルク目標値が次式(C)
    により決定される請求項2に記載のアンチロックブレー
    キ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100370974B1 (ko) * 1998-05-30 2003-03-17 주식회사 만도 차량용 핸드브레이크

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100370974B1 (ko) * 1998-05-30 2003-03-17 주식회사 만도 차량용 핸드브레이크

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