JPH09303359A - 結合部材及びその結合方法 - Google Patents

結合部材及びその結合方法

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JPH09303359A
JPH09303359A JP14354096A JP14354096A JPH09303359A JP H09303359 A JPH09303359 A JP H09303359A JP 14354096 A JP14354096 A JP 14354096A JP 14354096 A JP14354096 A JP 14354096A JP H09303359 A JPH09303359 A JP H09303359A
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JP
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sleeve
bolt shaft
wall
work
notch
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Application number
JP14354096A
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English (en)
Inventor
Kanji Ishii
完治 石井
Tatsuhiko Yoshimura
達彦 吉村
Masahiko Hamada
政彦 浜田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボルト及びナットによる結合部材の信頼性を
向上させる。 【解決手段】 ボルト軸4にワークW1 、W2 の下穴1
6、17を挿通する。次に、スリーブ10を挿通する。そし
てスリーブ10の胴部11をかしめ、スリーブ内壁14を縮径
させる。ボルト軸4の中間部6に設けたねじ山に内壁14
が密着し、ねじ山18が形成される。また、ボルト軸4の
中間部6には、前記ねじ山を分断する切り欠き部9を有
しており、この切り欠き部9にも、スリーブ内壁14の肉
を食い込ませる。そして、切り欠き部9をキー溝とし
て、切り欠き部9に食い込んだスリーブ内壁の肉をキー
として用いる。これにより、ボルト軸4に対するスリー
ブ10の回転を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パネル同士の結合
等、面接触する複数のワークを結合するための結合部材
と、その結合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のボデーパネル等を組み立てる際
の手法の一つとして、ボルトとナットとによる結合を行
う場合がある。また、ボルトとナットとを用いた結合部
材における緩み防止の手法として、塑性変形可能なスリ
ーブをボルトに挿通してかしめることによりナットとし
て用いる手法が、従来から用いられている。図14には、
このボルト軸1とスリーブ2とを用いた結合例を示す。
【0003】ボルト軸1はワークW1 に溶着されてい
る。スリーブ2はボルト軸1の径に比して内径が大きく
形成されており、ボルト軸1に対する挿通を容易に行う
ことができる。ワークW1 及びW2 の結合の際には、ま
ず、ボルト軸1にワークW2 の下穴を挿通し、さらにス
リーブ2をボルト軸1に挿通する。そして、スリーブ2
をワークW2 に密着させてから、スリーブ2をかしめて
その内壁を縮小させて、ボルト軸1のねじ部に圧着させ
る。これにより、スリーブ2の内壁にボルト軸1のねじ
山が転写され、ボルト軸1とスリーブ2とは螺合する。
この、ボルト軸1とスリーブ2との結合により、ワーク
1 とワークW2 とが固定される。この手法によると、
スリーブ2の内壁にはボルト軸1のねじ山が直に転写さ
れるので、密着性は十分に高く、通常のボルト及びナッ
トを用いた場合に比べ、緩みの発生は低いものとなる。
【0004】ところで、ボルト軸1とスリーブ2との結
合力は、ボルト軸1に形成されたねじ山と、スリーブ2
に転写されたねじ山とが互いに密着することにより生ず
る摩擦力から得ている。したがって、この摩擦力を上回
る回転トルクをスリーブ2に加えることにより、スリー
ブ2の取り外しが可能となる。また、スリーブ2の取り
外しを容易とするために、スリーブ2の外壁には、六角
形をなす工具係合部3を形成している。この工具係合部
3にレンチ等を係合させ、スリーブ2を回転させること
によって、スリーブ2を取り外すことができる。さら
に、一度取り外したスリーブ2を、再びボルト軸1に捩
込むことによって、結合部材として再使用することが可
能である。上記従来例としては、WO94/01687 号公報
にその詳細が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例には次のような欠点があった。前述のごとく、ボル
ト軸1とスリーブ2との結合力は、ボルト軸1に形成さ
れたねじ山と、スリーブ2に転写されたねじ山とが密着
することにより生ずる摩擦力から得ている。ところが、
ワークW1 、W2 に変形や摩耗等が発生してスリーブ2
とワークW2 との間に隙間を生じ、ボルト軸1とスリー
ブ2との間の軸力が減少した場合には、スリーブ2に緩
みを生ずるおそれがあった。したがって、スリーブ2の
緩みを防止するためには、ねじ止め剤をボルト軸1とス
リーブ2との間に充填する等の対策が必要であり、ワー
クの結合に要する工数を増加させるものであった。
【0006】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、ボルト軸に対するス
リーブの緩みを防止し、かつ、必要なときに限り前記ス
リーブの取り外しが可能な結合部材を提供することによ
り、ボルト及びナットによる結合部材の信頼性を向上さ
せることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
の本発明に係る手段は、ワークを固定するための結合部
材であって、ボルト軸とスリーブとを有し、前記ボルト
軸はねじ山を分断する切り欠き部を有し、前記スリーブ
は縮径可能な塑性変形部を有することを特徴とする。
【0008】本発明においては、前記ボルト軸にスリー
ブを挿通した後に、該スリーブの塑性変形部をかしめ、
スリーブ内壁を縮径させて前記ボルト軸のねじ部に密着
させることにより、前記スリーブ内壁にボルト軸のねじ
山を転写する。また、前記ねじ山を分断する切り欠き部
に、縮径させたスリーブ内壁の肉を食い込ませる。そし
て、切り欠き部をキー溝として、該切り欠き部に食い込
んだスリーブ内壁の肉をキーとして用いる。
【0009】ところで、前記切り欠き部は、前記ボルト
軸の軸線方向に設けることが望ましい。そして、切り欠
きの形成を容易とする。
【0010】また、前記切り欠き部は、前記ボルト軸の
軸線方向と交差させて設けることも可能である。前記切
り欠き部を軸方向と交差させて設け、スリーブ内壁の肉
が前記切り欠き部に食い込むことにより形成される突起
部を、ねじ部に発生する軸力の方向と交差させるように
形成する。
【0011】また、上記問題を解決するための本発明に
係る手段は、ワークを固定するための結合方法であっ
て、ねじ山に切り欠き部を有するボルト軸を、ワークに
形成した下穴に挿通し、さらに、該ボルト軸を中空のス
リーブに挿通して該スリーブをワークに密着させ、該ス
リーブを前記ボルト軸に対してかしめる各工程を有する
ことを特徴とする。
【0012】一方のワークをボルト軸で支持し、該ボル
トに挿通した他のワークを、前記スリーブで押え、該ス
リーブをボルト軸のねじ山にかしめることにより、ねじ
山に形成した切り欠き部にスリーブ内壁の肉を食い込ま
せ、該切り欠き部をキー溝として、また、前記切り欠き
に食い込む肉をキーとして用いスリーブの回転を阻止す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。従来例と同一部分または相当
する部分については同一符号で示し、詳しい説明は省略
する。
【0014】図1には、本発明の第1の実施の形態にか
かるボルト軸4を示しており、図1(a)は側面図を、
図1(b)は図1(a)のA−A線における断面図を示
している。ボルト軸4は、フランジ付頭5を有する。フ
ランジ付頭5のフランジ径は、結合されるワークW1
(図3参照)に形成された下穴16よりも大径をなし、ワ
ークW1 をこのフランジ付頭5のフランジで支持する。
また、ボルト軸4の軸部に形成されるねじの呼び径は、
中間部6に比べ先端部7の方が小さいものとする。本実
施の形態においては、中間部6の呼び径はM6、先端部
7の呼び径はM5となっている。中間部6と先端部7と
の間には、先端部7よりさらに小径のくびれ部8を設け
ている。さらに、中間部6には、ねじ山を軸方向に分断
する切り欠き部9を形成している。ところで、第1の実
施の形態に係るボルト4の切り欠き部9は、ねじの谷よ
りも深い溝である。
【0015】図2には、ボルト軸4に挿通するためのス
リーブ10を示している。スリーブ10は、ボルト軸4に比
して軟質の材料を用いる。例えば、ボルト軸4が鉄の場
合には、スリーブ10はアルミニウムを用いる等の組み合
わせとする。また、ボルト軸4及びスリーブ10に同一の
材料を用いる場合でも、スリーブ10の硬度をボルト軸4
の硬度より低くする。スリーブ10の外壁は、胴部11、工
具係合部12及びフランジ部13からなる。また、内壁14の
径はボルト軸4の中間部6の径より若干大きく形成され
ることにより、ボルト軸4への挿通が容易となってい
る。胴部11の先端部には、面取り部15が形成され、後述
する結合工程において、かしめ治具がこの面取り部15に
当接するようになっている。そして、胴部11は、かしめ
治具によって変形される塑性変形部である。工具係合部
12は六角柱状をなし、この部分にレンチ等を係合させ
て、スリーブ10に軸線回りのトルクを付与することがで
きる。また、フランジ部13の径は、結合されるワークW
2 (図3参照)に形成された下穴17よりも大径をなすも
のとする。
【0016】図3は、ボルト軸4及びスリーブ10でワー
クW1 、W2 を挟持した状態を示すものである。図3
(a)には、ボルト軸4にワークW1 、W2 の下穴16、
17を挿通し、さらに、ボルト軸4にスリーブ10を挿通し
た状態を示している。図3(b)には、図3(a)のB
−B線における断面図を示している。ワークW1 及びW
2 は、ボルト軸4のフランジ付頭5と、スリーブ10のフ
ランジ部13とで挟持された状態にある。図3(b)に示
されるように、スリーブ10の内壁14は、ボルト軸4の中
間部6に対して若干の隙間を有しており、ボルト軸4へ
のスリーブ10の挿通は容易に行われる。この状態で、後
述するかしめ治具によりスリーブ10のかしめ作業と、ボ
ルト軸4の先端部7の除去作業が行われる。
【0017】図4は、ボルト軸4及びスリーブ10でワー
クW1 、W2 を挟持し、さらにスリーブ10をかしめた状
態を示すものである。図4の(a)には、ボルト軸4と
スリーブ10とが結合した状態を示している。図4(b)
には、図4(a)のC−C線における断面図を示してい
る。ボルト軸4はくびれ部8で先端部7(図3)が除去
されている。また、スリーブ10は、胴部11の上方が縮径
するようにかしめられ、内壁14の上方はボルト軸4の中
間部6に密着している。そして、内壁14にはねじ山18が
転写される。図4(b)に示されるように、中間部6に
形成された切り欠き部9には、縮径したスリーブ10の肉
が食い込み、突起部19が形成される。図5には、図4の
状態における、スリーブ10単体の縦断面を示している。
胴部11の上方はかしめにより縮径し、内壁14にはねじ山
18が転写されている。また、ねじ山18を分断するよう
に、軸方向に突起部19が形成されている。
【0018】すなわち、図4に示すボルト軸4とスリー
ブ10との結合状態では、切り欠き部9がキー溝となり、
突起部19がキー溝に係合するキーとなるので、スリーブ
10の軸線回りの動きを防止し、スリーブ10の緩みの発生
を防いでいる。ところで、スリーブ10はボルト軸4に比
べ軟質の材料で形成されている。よって、工具係合部12
にレンチを係合させて、所定の回転トルクを加えること
により、突起部19のみが破壊されて回転止めとしての機
能を失い、スリーブ10は回転を開始する。すると、突起
部19が存在した部分には、新たにボルト軸4の中間部6
によってねじ山が切られ、スリーブ4を取り外すことが
可能となる。図6は、取り外し後のスリーブ10の縦断面
図を示している。(19)で示される部分には、形成され
た突起部が破壊され、新たにねじ山18が形成されてい
る。
【0019】ここで、ボルト軸4およびスリーブ10を用
いてワークW1 、W2 の結合を行う工程についての説明
を、図7に基づいて順に説明する。図7(a)ないし
(f)に示すように、結合工程は6工程で完了する。
【0020】(1) まず最初に、ワークW1 、W2 を密着
させ、双方の下穴16、17を一致させる。そしてボルト軸
4を下穴16、17に挿通し、ボルト軸4のフランジ付頭5
をワークW1 に密着させる(図7(a))。 (2) 次に、ボルト軸4にスリーブ10を挿通し、スリーブ
10のフランジ部13をワークW2 に密着させる(図7
(b))。なお、このときのボルト軸4及びスリーブ10
の状態は、図3に示す状態と同じである。 (3) かしめ治具20のチャック21で、ボルト軸4の先端部
7に設けたねじ部をチャックする。そして、チャック21
を上方に引き上げ、ノーズ22を下方に押し下げる(図7
(c))。 (4) ノーズ22に設けた円錐状の押圧面23を、ボルト軸4
の面取り部15に押し付け、さらにチャック21及びノーズ
22を移動させて、スリーブ10の胴部11をかしめる。この
とき、ボルト軸4は上方に引っ張られ、スリーブ10は下
方に押し下げられるので、ワークW1 、W2 を十分に挟
持することができる(図7(d))。 (5) ある程度スリーブ10の胴部11のかしめが進行する
と、変形抵抗が大きくなり、その反力を受けて、ボルト
軸4のくびれ部8が破断する。すなわち、スリーブ10の
かしめ作業と、結合後には不要となる先端部7の除去作
業とが、同時に終了する(図7(e))。 (6) 最後に、かしめ治具20を離間させ、締結工程を終了
する(図7(e))。なお、このときのボルト軸4及び
スリーブ10状態は、図4に示す状態と同じである。
【0021】上記構成をなす本発明の第1の実施の形態
から得られる作用効果は、以下の通りである。ボルト軸
4の中間部6には、ねじ山を軸方向に分断する切り欠き
部9を形成している。そして、この中間部6に対してス
リーブ10をかしめることにより、スリーブ10の内壁14を
縮径させる。そして、スリーブ10の内壁14に中間部6の
ねじ山を転写させ、雌ねじを形成する。同時に、内壁14
の肉を切り欠き部9に食い込ませる。このように、スリ
ーブ10の内壁14に中間部6のねじ山を転写させることに
よって、双方のねじ山が密着することにより生ずる摩擦
力から、ボルト軸4とスリーブ10との結合力を得ること
ができる。また、切り欠き部9がキー溝となり、突起部
19がキー溝に係合するキーとなり、スリーブ10の回転を
防止することができるので、スリーブ10の緩み止めを、
確実にしかも締結工程で同時に施すことができる。
【0022】スリーブ10は、ボルト軸4に比して軟質の
材料を用いるので、スリーブ10をかしめる際に、ボルト
軸4を破損することがない。同様の理由から、締結され
たスリーブ10の工具係合部12にレンチを係合させ、所定
の回転トルクを加えた場合には、突起部19のみを破壊し
て、スリーブ10を回転させることができる。よって、通
常はスリーブ10に十分な回り止めを施し、スリーブ10の
取り外しが必要なときに限り、突起部19を破壊してスリ
ーブ10を回転させることができる。もし、ワークW1
2 にへたり、なじみ、摩耗等が生じて、ボルト軸4及
びスリーブ10の間に働く軸力が失われても、切り欠き部
9と突起部19とがキー溝とキーとの関係で結合している
ために、スリーブ10が回転して脱落することがない。
【0023】ところで、切り欠き部9は軸線方向に設け
られた溝であり、その形成は容易なので、製造コストに
与える悪影響は僅かである。
【0024】次に、本発明の第2の実施の形態を、図8
及び図9に示して説明する。第2の実施の形態におい
て、第1の実施の形態と同一部分または相当する部分に
ついては同一符号で示し、詳しい説明は省略する。
【0025】図8には、ボルト軸24を示しており、図8
(a)は側面図を、図8(b)は図8(a)のD−D線
における断面図を示している。ボルト軸24の中間部6に
は、ねじ山を軸線方向に分断するV字形切り欠き部25を
形成している。このV字形切り欠き部25の深さは、中間
部6に形成されたねじ山の高さと略同一である。図9に
は、ボルト軸24にスリーブ10をかしめることにより、内
壁14に生じる変形の様子を示している。内壁14にはねじ
山18が転写されており、かつ、ねじ山18を分断するよう
に、軸線方向に複数のV字形突起部26が形成されてい
る。上記構成をなす本発明の第2の実施の形態から得ら
れる作用効果は、第1の実施の形態と同様であるが、V
字形突起部26を破壊するために要する回転トルクの大き
さが、第1の実施の形態と異なるので、必要に応じてど
ちらかを選択すれば良い。
【0026】また、図10及び図11には、本発明の第3の
実施の形態に係るボルト軸27及びスリーブ10を示してい
る。図10(a)は、ボルト軸27の側面図を、図10(b)
には、図10(a)のE−E線における断面図を示してい
る。第2の実施の形態との差異は、ボルト軸27の中間部
6に形成されるV字形切り欠き部25の数が2本から3本
に増加している点である。したがって、図11に示すよう
に、スリーブ10の内壁14に形成されるV字形突起部26の
数及び位置も、図9に示されたものとは異なる。第3の
実施の形態では、V字形突起部26を破壊するために要す
る回転トルクが、第2の実施の形態に比して若干大きく
なる。その他の作用効果は、第1及び第2の実施の形態
と同様であり、ここでの説明は省略する。
【0027】次に、本発明の第4の実施の形態を、図12
及び図13に示して説明する。図12(a)にはボルト軸28
の側面図を、図12(b)には図12(a)のF−F線にお
ける断面図を示している。ボルト軸28の中間部6には、
軸線方向と交差するようにねじ山を分断する螺旋状切り
欠き部29を形成している。この螺旋状切り欠き部29は、
第2の実施の形態におけるV字形切り欠き部25を、軸線
回りにずらして螺旋状に配置したものである。図13に
は、ボルト軸28にスリーブ10をかしめることにより、内
壁14に生じる変形の様子を示している。内壁14にはねじ
山18が転写され、かつ、ねじ山18を螺旋状に分断する螺
旋状突起部30が形成されている。
【0028】第4の実施の形態により得られる作用効果
としては、切り欠き部29を螺旋状に並べることにより、
スリーブ内壁14の肉が螺旋状切り欠き部29に食い込むこ
とによって形成される螺旋状突起部30も、軸線方向と交
差するように形成することができる。よって、ねじ山18
が分断される部分(螺旋状突起部30が形成された部分)
の並びが軸線方向に平行でないため、軸力に対向するた
めの強度の低下を抑えることができる。その他、第1な
いし第3の実施の形態と同様の作用効果については、こ
こでの説明を省略する。なお、本発明の実施の形態にお
いては、2つのワークをボルト軸及びスリーブを利用し
て結合する技術に対して、本発明を適用した例を説明し
たが、図14に示すような、1つのワークに形成されたボ
ルト軸を利用して、これに他のワークを結合するような
場合にも、本発明が適用可能であることはいうまでもな
い。
【0029】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。本発明においては、前記ボルト
軸にスリーブを挿通した後に、該スリーブの塑性変形部
を縮径させて、前記ボルト軸のねじ部に対してかしめる
ことにより、前記スリーブ内壁にボルト軸のねじ山を転
写する。また、前記ねじ山を分断する切り欠き部に、縮
径したスリーブ内壁の肉を食い込ませる。そして、前記
切り欠き部をキー溝として、該切り欠き部に食い込んだ
スリーブ内壁の肉をキーとして用いるので、ボルト軸に
対するスリーブの回転を防止することができる。すなわ
ち、スリーブの緩み止めを確実にしかも締結工程と共に
施すことができるので、ねじ止め剤の塗布等緩み防止の
対策を別工程で行う必要もなくなり、ボルト及びナット
による結合部の信頼性も向上させることができる。
【0030】また、前記切り欠き部を、前記ボルト軸の
軸線方向に設けることにより、該切り欠き部の形成を容
易とし、製造コストに与える影響を抑えることができ
る。
【0031】また、前記切り欠き部をボルト軸の軸線方
向と交差させて設けた場合には、ねじ山が分断される部
分の並びが軸線方向に平行でないため、軸力に対向する
ための強度の低下を抑えることができる。
【0032】さらに本発明によれば、一方のワークをボ
ルト軸で支持し、他のワークをスリーブで支持し、さら
にスリーブをボルト軸のねじ山にかしめることによっ
て、スリーブにボルト軸のねじ山を転写する。そして、
ボルト軸およびスリーブねじ山が密着することにより生
ずる摩擦力より、ボルト軸およびスリーブの結合力を得
る。同時に、ねじ山に形成した切り欠き部にスリーブ内
壁の肉を食い込ませ、切り欠き部をキー溝として、ま
た、該切り欠き部と食い込む肉をキーとして用いること
により、スリーブの回転を阻止する。よって、スリーブ
の緩み止めを、ボルト軸およびスリーブの結合工程と同
時に施すことが可能となり、結合部材としての信頼性を
高めつつ、結合に要する工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るボルト軸であ
り、(a)はその側面を、(b)は(a)のA−A線に
おける横断面を示す摸式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るスリーブの部
分断面図である。
【図3】図1に示すボルト軸及び図2に示すスリーブ
で、ワークを挟持した状態を示すものであり、(a)は
側面及び部分縦断面を、(b)は(a)のB−B線にお
ける横断面を示す図である。
【図4】図1に示すボルト軸及び図2に示すスリーブで
ワークを挟持し、さらにスリーブをかしめた状態を示す
ものであり、(a)は側面及び部分縦断面を、(b)は
(a)のC−C線における横断面を示す図である。
【図5】図4の状態におけるスリーブの縦断面図であ
る。
【図6】図4に示すスリーブをボルト軸から取り外した
ときの、スリーブ10の縦断面図である。
【図7】図1に示すボルト軸及び図2に示すスリーブの
結合工程を、(a)ないし(f)に示した摸式図であ
る。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るボルト軸であ
り、(a)はその側面を、(b)は(a)のD−D線に
おける横断面を示す摸式図である。
【図9】図8のボルト軸にスリーブをかしめた場合の、
該スリーブの内壁の様子を示す縦断面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係るボルト軸で
あり、(a)はその側面を、(b)は(a)のE−E線
における横断面を示す摸式図である。
【図11】図10のボルト軸にスリーブをかしめた場合
の、該スリーブの内壁の様子を示す縦断面図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態に係るボルト軸で
あり、(a)はその側面を、(b)は(a)のF−F線
における横断面を示す摸式図である。
【図13】図12のボルト軸にスリーブをかしめた場合
の、該スリーブの内壁の様子を示す縦断面図である。
【図14】ボルト軸及びスリーブを用いた、従来の結合
部材を示す側面図及び部分縦断面図である。
【符号の説明】
4 ボルト軸 6 中間部 9 切り欠き部 10 スリーブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを固定するための結合部材であっ
    て、ボルト軸とスリーブとを有し、前記ボルト軸はねじ
    山を分断する切り欠き部を有し、前記スリーブは縮径可
    能な塑性変形部を有する結合部材。
  2. 【請求項2】 前記切り欠き部は、前記ボルト軸の軸線
    方向に設けることを特徴とする請求項1に記載の結合部
    材。
  3. 【請求項3】 前記切り欠き部は、前記ボルト軸の軸線
    方向と交差させて設けることを特徴とする請求項1に記
    載の結合部材。
  4. 【請求項4】 ワークを固定するための結合方法であっ
    て、ねじ山に切り欠き部を有するボルト軸を、ワークに
    形成した下穴に挿通し、さらに、該ボルト軸を中空のス
    リーブに挿通して該スリーブをワークに密着させ、該ス
    リーブを前記ボルト軸に対してかしめる各工程を有する
    結合方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012071708A (ja) * 2010-09-29 2012-04-12 Yokohama Rubber Co Ltd:The カート用ホイール
JP2014114863A (ja) * 2012-12-10 2014-06-26 Hino Motors Ltd ナットの回転抑制構造
JP2016126000A (ja) * 2014-12-27 2016-07-11 株式会社ミツトヨ スケール固定装置

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