JPH09303306A - フィールド機器の調整機構 - Google Patents

フィールド機器の調整機構

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JPH09303306A
JPH09303306A JP12441896A JP12441896A JPH09303306A JP H09303306 A JPH09303306 A JP H09303306A JP 12441896 A JP12441896 A JP 12441896A JP 12441896 A JP12441896 A JP 12441896A JP H09303306 A JPH09303306 A JP H09303306A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 腐食性ガスの侵入による腐食を防止する。 【解決手段】 筐体14の調整部材取付部41に貫通孔
27を形成する。調整部材取付部41の表面に非腐食性
部材43をOリング44を介して密接し、止めねじ45
によって固定する。ゼロ点調整用部材24を非腐食性部
材43の挿通孔46から貫通孔27にOリング28を介
して挿通する。このようにすると、腐食性ガスが貫通孔
27に侵入するのを確実に防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、現場に設置される
電空ポジショナ、電空変換器、差圧発信器等に適用して
好適なフィールド機器の調整機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から現場に設置される電空ポジショ
ナ、電空変換器、差圧発信器等のフィールド機器(現場
型機器)においては、通常アルミニウム合金からなるダ
イキャスト製の筐体を備え、この筐体の内部に各種機
構、電気部品等を収納し、筐体外部からゼロ点調整やス
パン調整等の各種調整を行うようにしている。そのた
め、筐体に貫通孔を設け、この貫通孔に調整部材を取付
けている。また、アルミニウム合金製の筐体は、塩素ガ
ス等によって腐食し易いため、表面に塗装を施し腐食防
止を図っている。さらに、爆発ガス雰囲気中で使用され
るフィールド機器においては、防爆基準により十分な防
爆性能を有することが義務付けられていることから、耐
圧防爆型の筐体が要求される。防爆基準は、炎や火花が
筐体外部に漏洩しないようにするために防爆隙の隙間と
奥行(長さ)を規定している。
【0003】図3はフィールド機器の一種である耐圧防
爆型調節弁用電空ポジショナの従来例を示す概略断面
図、図4は調整部材の取付構造を示す断面図である。こ
れらの図において、電空ポジショナ1は、調節弁2の作
動軸3の変位量をポテンショメータ等の変位検出部4に
よって電気信号I1 に変換し制御演算部5にフィードバ
ックする。制御演算部5は、入力検出部、CPU等を有
し、前記電気信号I1 とポジショナ1への入力信号I0
(例えば4〜20mA)を比較し、その差を電空変換部
6に導いて空気圧信号に変換した後、パイロットリレー
12によって増幅することにより所要の出力圧Pout
を得るようにしている。
【0004】前記電空変換部6は、入力信号I0 をマグ
ネット7の変位に変換するマグネットユニット8、マグ
ネット7の変位に応じてフラッパ9が揺動し、ノズル1
0の背圧を変化させるノズルフラッパ機構11等からな
り、耐圧防爆型の筐体14内に収納されている。
【0005】前記筐体14はアルミニウム合金のダイキ
ャスト製で、内部が防爆室15を形成し、前記変位検出
部4、制御演算部5、電空変換部6、端子盤16、ゼロ
点調整用可変抵抗器17、スパン調整用可変抵抗器18
等を収納し、表面には塩素ガス等による腐食を防止する
ために塗料19が全面にわたって塗装されている。ま
た、筐体14の上面側には、パイロットリレー12を収
納するケース21と、フレームアレスタ22,23が設
けられ、一側面にはゼロ点調整用部材24とスパン調整
用部材25が前記ゼロ点調整用可変抵抗器17、スパン
調整用可変抵抗器18にそれぞれ対応して設けられてい
る。パイロットリレー12は、ノズル10の背圧(ノズ
ル背圧)を増幅し出力圧Poutとして調節弁2の駆動
装置13に出力する。
【0006】フレームアレスタ22,23は、前記筐体
14の上側壁に設けた貫通孔内にそれぞれ取付けられ、
その一方がノズル背圧用、他方が排気用とされる。これ
らのフレームアレスタ22,23としては種々のものが
知られているが、例えば径の異なる複数個の金属製円筒
体26を略同軸に嵌挿して構成したものが用いられる。
このようなフレームアレスタ22,23においては、円
筒体26間の隙間と円筒体26の長さが、防爆基準に適
合する防爆隙の隙間g(例えば0.1mm)と、隙間g
の奥行L(例えば10mm)とを与えている。
【0007】ゼロ点調整用部材24(スパン調整用部材
25も同様)は、円柱体に形成されて外端部に頭部24
Aを一体に有し、筐体14の側壁に設けた貫通孔27に
シール部材としてのOリング28を介して回転自在に挿
通され、止め輪29によって抜けを防止されている。ゼ
ロ点調整用部材24の内端は、前記ゼロ点調整用可変抵
抗器17の回転軸に連結されている。頭部24Aの表面
中央には、回転操作部を形成するプラスまたはマイナス
の溝30が形成されている。貫通孔27の内周面とゼロ
点調整用部材24との隙間は、防爆基準に適合する防爆
隙の隙間gを与え、筐体14の内面からOリング28が
嵌着されている溝31までの長さが隙間gの奥行Lを与
えている。このゼロ点調整用部材24を筐体14の外部
からドライバ等によって回転させて前記ゼロ点調整用可
変抵抗器17の抵抗値を変化させると、電空ポジショナ
1のゼロ点を調整することができる。なお、32は圧力
計、33は減圧弁、34は自動と手動に切り替えるため
の切替スイッチ、35は配管である。
【0008】このような構造からなる電空ポジショナ1
において、ポジショナへの入力信号I0 は、例えば4m
Aから20mAの範囲で変化し、4mAの時、調節弁2
を全閉状態に保持し、20mAの時、全開状態に保持す
るものとする。調節弁2の全閉状態において、作動軸3
に連動して回動するレバー36は下方へ最大角度回動し
た位置に停止している。この状態において、変位検出部
4の電気信号I1 は入力信号I0 と等しく、A/D変換
されフィードバック信号として制御演算部5に入力され
る。制御演算部5に入力される入力信号I0 と電気信号
I1 とは同じ値であるため、その差電圧は零で、電空変
換部6に対する補正信号の送出は行われない。入力信号
I0 が設定値に応じて変化し、制御演算部5において変
位検出部4からの電気信号I1 と偏差が生じると、それ
に応じた補正信号を電空変換部6に出力する。したがっ
て、マグネット7が変位してフラッパ9を図3において
反時計方向に揺動させ、ノズル10との隙間、すなわち
ノズルギャップを減少させる。ノズルギャップが減少す
ると、ノズル背圧が増大するため、パイロットリレー1
2の出力空気圧が増加してPoutとなり、駆動装置1
3を動作させる。この結果、作動軸3が上方へ移動して
調節弁2を開く。この作動軸3の動きはレバー36を反
時計方向へ回動変位させる力として伝達される。レバー
36が回動すると、変位検出部4から制御演算部5にフ
ィードバック信号として入力される電気信号I1 の電圧
値が徐々に大きくなり、設定値に応じた入力信号I0 の
電圧値との間の差が減少し、この差電圧が零になるとこ
ろで弁開度が安定する。弁開状態から全閉状態に戻る動
作は上記と反対の動作をする。なお、マグネットユニッ
ト8、フラッパ機構11、パイロットリレー12等は従
来周知のものであり、また本発明と直接関係しないた
め、その詳細については説明を省略する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の電空ポ
ジショナ1においては、筐体14の表面全体を塗装する
ことにより腐食防止を図っている。しかしながら、塗装
しても塗料19が貫通孔27の奥にまで十分に行き渡ら
ず、そのため塩素ガス等の腐食性ガスが用いられる過酷
な雰囲気中に設置される場合、貫通孔27の内周面で外
気に近い部分、すなわち筐体外部側開口端部が腐食する
と、ゼロ点調整用部材24が動かなくなり、調整不能に
なるという問題があった。
【0010】そこで、従来は電空ポジショナを現場に設
置してゼロ点調整を行なった後、ゼロ点調整用部材24
の頭部24Aの周囲を熱硬化性樹脂38によってポッテ
ィングし、腐食性ガスが筐体表面と頭部24Aとの隙間
から貫通孔27内に侵入しないようにしていた。しかし
ながら、このような耐食構造においては、調整時に熱硬
化性樹脂38を取り除き、調整した後に再度ポッティン
グしなければならないので、その作業が煩わしいという
問題があった。
【0011】本発明は上記した従来の問題点を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、簡単
な構造で調整部材が挿通される貫通孔内へ腐食性ガスが
侵入するのを確実に阻止することができ、耐腐食性を向
上させるようにしたフィールド機器の調整機構を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、腐食性金属からなる筐体の調整部材取付部
に貫通孔を設け、この貫通孔に調整部材をシール部材を
介して挿通し、この調整部材を筐体外部から操作するこ
とによりゼロ点等の調整を行うフィールド機器の調整機
構において、前記調整部材がシール部材を介して挿通さ
れる挿通孔を有する非腐食性部材を前記調整部材取付部
の表面にシール部材を介して固定したことを特徴とす
る。また、本発明は、調整部材取付部の表面側に凹陥部
を設け、この凹陥部内に非腐食性部材をシール部材を介
して嵌挿したことを特徴とする。
【0013】本発明において、調整部材取付部の表面を
覆う非腐食性部材はステンレス等からなり、シール部材
とともに腐食性ガスが貫通孔内に侵入するのを阻止す
る。凹陥部は、非腐食性部材が調整部材取付部の表面か
ら突出しないようにする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るフ
ィールド機器の調整機構を電空ポジショナに適用した一
実施の形態を示す断面図である。なお、従来技術の欄で
説明した構成部材等と同一のものについては同一符号を
もって示し、その説明を適宜省略する。同図において、
本実施の形態においては筐体14の側壁にゼロ点調整用
部材(調整部材)24が挿通される貫通孔27を形成し
て調整部材取付部41とし、この調整部材取付部41の
表面を非腐食性部材43によって覆っている。非腐食性
部材43としては、ステンレス等の金属板によって形成
され、Oリング44を介して調整部材取付部41の表面
に密接され、複数個の止めねじ45によって固定されて
いる。非耐食性部材43の中央には、貫通孔27と略同
一の穴径を有する挿通孔46が形成されており、これら
の孔に前記ゼロ点調整用部材24がOリング28を介し
て回転自在に挿通され、止め輪29によって抜けを防止
されている。Oリング28は、挿通孔46の内周面に形
成した環状溝に嵌着されている。
【0015】このような構造からなる調整機構において
は、調整部材取付部41の表面を非腐食性部材43によ
って覆うとともに、ゼロ点調整用部材24と挿通孔46
との隙間および、調整部材取付部41の表面と非腐食性
部材43との隙間をOリング28,44によってそれぞ
れシールしているので、塩素ガス等の腐食性ガスが貫通
孔27内に侵入するのを確実に阻止することができる。
そのため、貫通孔27の内奥まで塗料19を塗布しなく
ても内周面が腐食してゼロ点調整用部材24が動かなく
なったりすることがなく、耐食性を向上させることがで
きる。また、ポッティングの場合は、調整する前にポッ
ティングしてある合成樹脂を取り除き、調整後に新たな
合成樹脂をポッティングする必要があったが、非腐食性
部材43を用いるとその必要がなく、調整作業がきわめ
て容易である。
【0016】図2は本発明の他の実施の形態を示す断面
図である。この実施の形態においては、調整部材取付部
41の表面に凹陥部50を形成し、この凹陥部50に非
腐食性部材43をOリング44を介して嵌挿し、複数個
の止めねじ45によって固定している。凹陥部50の深
さは、非腐食性部材43の板厚と略等しい。止めねじ4
5としては、皿ねじが用いられる。また、非腐食性部材
43の表面中央には、ゼロ点調整用部材24の頭部24
Aを収納する凹部51を形成している。その他の構成は
上記した実施の形態と同一である。
【0017】このような構造においては、調整部材取付
部41の表面、非腐食性部材43の表面およびゼロ点調
整用部材24の頭部24Aの表面を略同一面にすること
ができるので、突出物がなく調整部材取付部41の外観
を向上させることができる。
【0018】なお、上記した実施の形態においては、電
空ポジショナのゼロ点調整部材24に適用した例を示し
たが、本発明はこれに何等特定されるものではなく、図
3に示したスパン調整用部材25についてもそのまま適
用することができる。また、電空ポジショナに限らず、
アルミニウム合金等の腐食性金属からなる筐体に調整部
材を設けたフィールド機器であれば何でもよい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るフィー
ルド機器の調整機構は、腐食性金属からなる筐体の調整
部材取付部に貫通孔を設け、この貫通孔に調整部材をシ
ール部材を介して挿通し、この調整部材を筐体外部から
操作することによりゼロ点等の調整を行うフィールド機
器の調整機構において、前記調整部材がシール部材を介
して挿通される挿通孔を有する非腐食性部材を前記調整
部材取付部の表面にシール部材を介して固定したので、
腐食性ガスが貫通孔内に侵入するのを確実に防止するこ
とができる。したがって、腐食により調整部材が動かな
くなったりするおそれがなく、また機器の設置時に非腐
食性部材を介して調整部材を取付けるだけでよく、ポッ
ティング作業を不要にする。
【0020】また、本発明は、調整部材取付部の表面側
に凹陥部を設け、この凹陥部内に非腐食性部材をシール
部材を介して嵌挿したので、非腐食性部材が突起部とし
て調整部材取付部の表面から突出しないようにすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る調整機構を電空ポジショナに適
用した一実施の形態を示す断面図である。
【図2】 本発明の他の実施の形態を示す断面図であ
る。
【図3】 防爆型調節弁用空電ポジショナの従来例を示
す概略構成図である。
【図4】 ゼロ点調整用部材の取付構造を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
14…筐体、24…ゼロ点調整用部材、24A…頭部、
27…貫通孔、28…Oリング、41…調整部材取付
部、43…非腐食性部材、44…Oリング、46…挿通
孔、50…凹陥部、51…凹部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腐食性金属からなる筐体の調整部材取付
    部に貫通孔を設け、この貫通孔に調整部材をシール部材
    を介して挿通し、この調整部材を筐体外部から操作する
    ことによりゼロ点等の調整を行うフィールド機器の調整
    機構において、前記調整部材がシール部材を介して挿通
    される挿通孔を有する非腐食性部材を前記調整部材取付
    部の表面にシール部材を介して固定したことを特徴とす
    るフィールド機器の調整機構。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフィールド機器の調整機
    構において、調整部材取付部の表面側に凹陥部を設け、
    この凹陥部内に非腐食性部材をシール部材を介して嵌挿
    したことを特徴とするフィールド機器の調整機構。
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Cited By (4)

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