JPH09303082A - 浮力対抗型シールドトンネル及びその施工方法 - Google Patents

浮力対抗型シールドトンネル及びその施工方法

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JPH09303082A
JPH09303082A JP12483496A JP12483496A JPH09303082A JP H09303082 A JPH09303082 A JP H09303082A JP 12483496 A JP12483496 A JP 12483496A JP 12483496 A JP12483496 A JP 12483496A JP H09303082 A JPH09303082 A JP H09303082A
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buoyancy
segment
shield tunnel
tunnel
shield
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JP12483496A
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Koichi Ochiai
紘一 落合
Takayoshi Otsuka
孝義 大塚
Kazuhisa Tomizuka
一寿 富塚
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NIPPON SHIBITSUKU CONSULTANT K
NIPPON SHIBITSUKU CONSULTANT KK
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NIPPON SHIBITSUKU CONSULTANT K
NIPPON SHIBITSUKU CONSULTANT KK
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
  • Piles And Underground Anchors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 海底や河川の下の地盤において、被覆土の薄
いシールドトンネルを構築し、これにより、地上出口ま
での陸上部トンネルの距離を短縮することができるシー
ルドトンネル及びその施工方法を提供すること。 【解決手段】 シールド機械30内で新たにセグメント
31を組み立てると共に、この新設セグメントを既設セ
グメント31に連結し、セグメントの組み立て・連結の
後にシールド機械を掘進し、シールド機械掘進に前後し
て、地山に当接するセグメントに作用する浮力に対抗す
るため、セグメントの上に仮設の浮力対抗手段20を配
置し、仮設浮力対抗手段の配置により浮力に対抗しなが
ら、セグメントに本設の浮力対抗手段10,50を設
け、本設の浮力対抗手段を設けたセグメント上からシー
ルド機械掘進方向へ仮設の浮力対抗手段を移動し、以上
の工程を順次繰り返して浮力対抗型シールドトンネルを
構築する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、河川又は海等の水
底下の地盤中に構築するシールドトンネル及びその施工
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】臨海地域において海底にトンネルを構築
する場合、地上の道路や鉄道にアクセスするために、陸
上部にも所定長のトンネルを構築する必要がある。ま
た、道路や鉄道のトンネルには縦断勾配に制限があり、
自動車用トンネルでは縦断勾配は概ね3.5%であり、
鉄道用トンネルでは、この10分の1以下となってい
る。したがって、海底トンネルでは、海底区間の被覆土
の厚さが少ないほど、陸上部のトンネルの長さを短くす
ることができ、逆に、海底区間の被覆土の厚さが大きい
ほど、陸上部のトンネルの長さは長くなる。例えば、海
底トンネルの接岸地点の被覆土が10mとすれば、地上
出口までの陸上部トンネルは600mとなる。
【0003】また、臨海地域の都市では、海岸に接近し
て都市施設が設けられていることが多く、陸上部のトン
ネルが長くなれば、その地上出口も都市中心部に近づく
ことになって、都市機能上や土地の有効利用上において
好ましくない。したがって、海底トンネルでは、被覆土
の厚さを薄くすることが望まれている。
【0004】従来、臨海地域においては、沈埋トンネル
又はシールドトンネルが、海底に構築されている。この
沈埋トンネルは、地上のドライドックにて壁の厚さが数
メートルの沈埋函を製作し、この沈埋函を海上に浮かべ
て船で曳航し、予め海底の所定位置に形成された溝に、
沈埋函を一函ずつ沈めて、海底で沈埋函どうしを連結
し、更に沈埋函のうえに砂礫等を被覆して構築するトン
ネルである。かような沈埋トンネルにおいて、沈埋函の
壁が数メートルの厚さであるため、沈埋函重量は浮力よ
りも若干下回る程度になり、海上に浮かべて曳航するこ
とが可能であるが、海底に沈設した後は、概ね2m程度
の厚さの覆土を形成すれば、この覆土重量によって沈埋
函の浮上は防止することができる。したがって、沈埋ト
ンネルでは、被覆土の厚さを薄くするという上記要求が
達成できる。
【0005】しかしながら、従来の沈埋トンネルでは、
海底に溝を掘削したり、この溝に沈設した沈埋函を被覆
するために土砂を投入する際、海水を汚濁してしまい、
漁業資源に悪影響を与えるという欠点が有る。また沈埋
函を海上で曳航したり、沈設する際に、他の船舶の航行
を阻害することもある。したがって、沈埋トンネルの施
工に着手するまでに、漁業補償問題や、船舶航行安全確
保のための航路切り替え等の諸問題を解決しなければな
らないという欠点が有る。
【0006】一方、シールドトンネルでは、上述したよ
うな漁業補償問題や、航路切り替え問題等は生じないも
のの、陸上部に構築するトンネルの長さが長くなるとい
う欠点が生じる。すなわち、上記沈埋函では壁の厚さを
数メートルに形成したのに対し、シールドトンネルを構
成するセグメントでは可能な限り厚さを薄く形成してい
る。例えば、直径14m程度の道路トンネルでは、概ね
60cm程度の厚さのセグメントを使用し、この場合、ト
ンネルには延長方向に単位メートル当たり150トンの
浮力が作用するが、セグメントリングの単位メートル当
たりの重量は、浮力の半分の75トン程度であるため、
被覆土の荷重によって、シールドトンネルの浮上を防止
する必要がある。この被覆土の厚さは、地質により異な
るが、概ねセグメントリングの直径と同じ程度(上記道
路トンネルの場合には14m程度)に形成する必要があ
る。また、海底部では、被覆土がセグメントリングの直
径と同じ程度の厚さであっても、海底と陸上面とでは段
差が有るため、海底トンネルの接岸地点では、被覆土の
厚さが20m以上になってしまうこともあり、したがっ
て、地上出口までの陸上部トンネルは、1.2km以上の
長距離になってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題点を
解決せんとしたものであり、その目的は、海底や河川の
下の地盤において、被覆土の薄いシールドトンネルを構
築し、これにより、地上出口までの陸上部トンネルの距
離を短縮することができるシールドトンネル及びその施
工方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的に鑑
みてなされたものであり、その要旨は、河川又は海等の
水底下の地盤中に構築するシールドトンネルにおいて、
土被りを薄くした場合に該シールドトンネルに作用する
浮力に対抗するための浮力対抗手段を備えた浮力対抗型
シールドトンネルにある。
【0009】また本発明の別の要旨は、シールド機械内
で新たにセグメントリングを組み立てると共に、この新
設セグメントリングを既設セグメントリングに連結する
工程と、該セグメントリングの組み立て・連結工程の後
にシールド機械を掘進する工程と、該シールド機械掘進
工程に前後して、地山に当接するセグメントリングに作
用する浮力に対抗するため、該セグメントリングの上に
仮設の浮力対抗手段を配置する工程と、仮設浮力対抗手
段の配置により浮力に対抗しながら、該セグメントリン
グに、本設の浮力対抗手段を設ける工程と、本設の浮力
対抗手段を設けた後にシールド機械掘進方向へ、仮設の
浮力対抗手段を移動する工程とを含む浮力対抗型シール
ドトンネルの施工方法にある。
【0010】以下に本発明の構成及びその実施態様を列
挙する。 1.河川又は海等の水底下の地盤中に構築するシールド
トンネルにおいて、土被りを薄くした場合に該シールド
トンネルに作用する浮力に対抗するための浮力対抗手段
を備えた浮力対抗型シールドトンネル。
【0011】2.前記シールドトンネルの各セグメント
リングに、下方に延長する一以上のアンカーを貫通させ
て、該アンカーの上端を各セグメントリングに固定し
て、これにより前記浮力対抗手段を構成した上記1記載
の浮力対抗型シールドトンネル。
【0012】3.前記シールドトンネルに設ける床版を
浮力に対抗可能な重量に形成し、これにより前記浮力対
抗手段を構成した上記1記載の浮力対抗型シールドトン
ネル。
【0013】4.前記床版を、内部が中空の空洞体と、
該空洞体の内部に充填するコンクリート等の硬化性の流
動体とで形成した上記3記載の浮力対抗型シールドトン
ネル。
【0014】5.シールド機械内で新たにセグメントリ
ングを組み立てると共に、この新設セグメントリングを
既設セグメントリングに連結する工程と、該セグメント
リングの組み立て・連結工程の後にシールド機械を掘進
させる工程と、該シールド機械掘進工程に前後して、地
山に当接するセグメントリングに作用する浮力に対抗す
るため、該セグメントリングの上に仮設の浮力対抗手段
を配置する工程と、仮設浮力対抗手段の配置により浮力
に対抗しながら、該セグメントリングに、本設の浮力対
抗手段を設ける工程と、本設の浮力対抗手段を設けた後
にシールド機械掘進方向へ、仮設の浮力対抗手段を移動
する工程とを含む、浮力対抗型シールドトンネルの施工
方法。
【0015】ここで、前記本設浮力対抗手段の配設作業
は、仮設浮力対抗手段が配置されたセグメントリングに
対して行ない、該配設作業時には仮設浮力対抗手段の後
方(シールド機械掘進方向の逆方向)の全てのセグメン
トリングに、既に本設浮力対抗手段が配設されているよ
うにしても良い。また、以上とは異なり、前記本設浮力
対抗手段の配設作業は、前進する仮設浮力対抗手段を後
追いするように、仮設浮力対抗手段の後方のセグメント
リングに対して順次実施するようにしても良く、この
時、仮設浮力対抗手段の直ぐ後方には、本設浮力対抗手
段が未配設のセグメントリングが所定数(例えば1〜3
リング程度)あっても良く、この未配設のセグメントリ
ングには、本設浮力対抗手段を順次配設していく。
【0016】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明するが、本発明は添付図面に限定されるも
のではない。図1は本発明の浮力対抗型シールドトンネ
ルの施工途中の縦断方向断面図であり、図2は図1のII
−II線に沿った断面図であり、図3(a)は本発明の浮力
対抗型シールドトンネルの施工方法に用いる仮設浮力対
抗手段の斜視図であり、図3(b)は図3(a)におけるIIIb
−IIIb線に沿った断面図であり、図3(c)は図3(a)にお
けるIIIc−IIIc線に沿った断面図である。また図4(a)
は本発明に用いるセグメントのアンカーホール周りを示
す拡大断面図であり、図4(b)は図4(a)におけるアンカ
ーホールにアンカーロッドを貫入させる直前の断面図で
あり、図4(c)は図4(a)におけるアンカーホールにアン
カーロッドを貫入させた状態を示す断面図である。さら
に図5は図1とは異なる浮力対抗手段を設けた浮力対抗
型シールドトンネルの縦断方向断面図である。
【0017】図1及び図2において、本発明の浮力対抗
型シールドトンネルは、河川又は海等の水底下の地盤中
に構築するシールドトンネルであって、シールドトンネ
ルに作用する浮力に対抗するためのアンカー10を備え
たことを特徴とする。
【0018】この浮力対抗手段としてのアンカー10
は、中空のアンカー用ボーリングロッドを複数本連結し
て形成し、上端のロッドには外周にネジ山が設けられた
ものを使用する。
【0019】また各セグメントリングの最下端部に位置
するセグメント31aには、アンカー10を取り付ける
ため、図4(a)に示したように、内ネジを形成したアン
カーホール31bを予め設け、このアンカーホール31
bの地山側には逆止弁31cを螺合し、アンカーホール
31bのシールドトンネル内部側にはキャップ31aを
螺合している。ここで、逆止弁31cは、アンカーロッ
ド12を容易に貫通させることができるように、プラス
チック等の材料により形成されたものを使用する。かよ
うに逆止弁31cを設けると、キャップ31aを取外し
た際にも、地山側からシールドトンネル内への地下水や
土砂の浸入を防止することができる。
【0020】上記アンカーホール31bにアンカーロッ
ド12を貫通させる際には、図4(b)に示したように、
キャップ31aを外し、インナーチューブ32をアンカ
ーホール31bに螺合させ、アンカーロッド12の先端
をインナーチューブ32内に通し、アンカーロッド12
で逆止弁31cを突き破って貫入させる。ここで、上記
インナーチューブ32の下端部外周には外ネジが形成さ
れており、上端部内周には止水リング33が設けられて
おり、この止水リング33としてはアンカーロッド12
に密着する大きさのものを用いる。かようにインナーチ
ューブ32の内周に止水リング33が設けられているた
め、アンカーロッド12が逆止弁31cを突き破って
も、地下水や土砂が、シールドトンネル内へ浸入するの
を防止することができる。
【0021】アンカーロッド12が、所定の引き抜き耐
力を備えるまで地中に貫入したら、アンカーロッド12
の内部を通してモルタルやセメントミルク等のグラウト
材36を注入し、アンカーロッド12の下端部分にアン
カー定着部13を形成する。またアンカーロッド12の
上端部分には、ワッシャー35を介してナット34を螺
合してセグメント31aに固定する。なお、グラウト材
36は、アンカーロッド12を地中に貫入させながら逐
次注入し、アンカーロッド12の外側全長に沿ってグラ
ウト材36の硬化体を形成しても良い。
【0022】次に、本発明の施工方法に用いる仮設浮力
対抗手段としての荷重台車20について図3を参照して
説明する。荷重台車20は、水平版21と、この水平版
21に直行する配置で一体に形成された支持部22,2
2と、この支持部22,22の下端および水平版21の
両端にそれぞれ固定された複数の車輪23,24とを備
え、水平版21には図1に示したように、複数のアンカ
ー10と同じ配置で複数の作業用孔25が形成されてい
る。また、車輪23,24はセグメントリングの内面に
当接して走行できるように形成するか、またはセグメン
トに敷かれたレール(図示せず)の上を走行するように
形成する。
【0023】また前記水平版21と前記支持部22,2
2とは、中空の空洞体として内部が連通するように、鋼
板等の板体を複数枚連結することにより形成し、支持部
22,22又は水平版21の何れかには注入孔(図示せ
ず)を設け、この注入孔から水等の非硬化性の流体か、
あるいはセメント等の硬化性の流体を充填する。ここ
で、荷重台車20は、図3に示したように予め組み立て
られたものをシールドトンネル内に搬送するか、または
複数の板体をシールドトンネル内で連結して組み立てて
も良い。また、流体もシールドトンネル内外の何れかの
場所で充填すれば良いが、シールドトンネルに浮力が作
用する直前に充填すれば、荷重台車20の移動作業や搬
入作業を簡易にすることができる。
【0024】更に、荷重台車20は、アンカー10で固
定される前のシールドトンネルに作用する浮力に対抗す
ることができる重量に形成すれば良い。例えば、約60
cm程度の厚さのセグメントにより、被覆土2m程度の地
中に直径14m程度のシールドトンネルを構築した場
合、シールドトンネルには単位mあたり約150トン程
度の浮力が上向きに作用し、土質によって異なるものの
被覆土の重量は単位mあたり約30トン程度になり、ま
たセグメントリングの自重は単位mあたり約70トンに
なり、したがって、シールドトンネルには約50トン程
度の上向きの力が作用する。したがって、これに対抗す
るためには、荷重台車20を50トン以上になるように
形成する必要があるが、例えば、水平版21と支持部2
2の厚さを1.5m、荷重台車20の全長を11m、更
に支持部22の高さを3mに形成し、内部にコンクリー
トを充填すると荷重台車20は概ね60トン程度にな
り、シールドトンネルに作用する上向きの力には充分対
抗することができる。
【0025】以上の構成の荷重台車20は、シールドト
ンネル内に配置すると、図2に示したように、水平版2
1の下に作業スペース32を確保することができる。し
たがって、アンカー10を地中に打ち込む作業は、この
作業スペース32で行なうか、あるいはアンカー10を
作業孔25に通して水平版21の上で行なうことができ
る。
【0026】なお、荷重台車20には走行用モータ(図
示せず)を設けて自走させるか、または、シールド機械
30と荷重台車20とをジャッキあるいはウインチ等の
牽引装置(図示せず)で連結し、これにより荷重台車2
0を牽引して移動させても良い。以上に、荷重台車20
の具体的な形状について説明したが、要するに荷重台車
20は、浮力に対抗するための荷重を備え、またシール
ド機械30の掘進にしたがって移動できる移動手段を備
え、更にアンカー施工のための作業スペースを提供する
ことができる形状であれば良いのである。
【0027】次に、浮力対抗型シールドトンネルの施工
方法について説明する。陸上部に設けた立坑からシール
ド機械30を発進させて、陸上部の地中にシールドトン
ネルを構築し、海岸または河川の近くまで延長する。陸
上部では、従来通りに、アンカーホールを備えていない
セグメントを使用してシールドトンネルを構築し、浮力
対抗手段としてのアンカーは設置しない。
【0028】海岸または河川の付近にシールド機械30
が到達したら、シールド機械30内またはシールド機械
30後方のシールドトンネル内で荷重台車20を組み立
てて、セグメント31,31aのうえにレールを敷設
し、このレールの上に荷重台車20を載せる。そして、
ジャッキ(図示せず)を介してシールド機械30の後端
に荷重台車20を連結し、図1に示したように、その先
端の車輪23,24が、シールド機械30のテールエン
ドに位置するセグメント31a’の上に載るように配置
し、更に、荷重台車20の中には、浮力に対抗可能な所
定量の水またはコンクリートを注入する。
【0029】かように荷重台車20をシールドトンネル
内に配置したら、シールド機械30内でセグメントリン
グを組み立てて既設のセグメントリングに連結し、シー
ルド機械30を掘進させる。シールド機械30の掘進に
ともなって荷重台車20は前進し、セグメントリングは
シールド機械30の内部から出て地山に当接し、このセ
グメントリングの上には荷重台車20の先端の車輪2
3,24が載る。この時、セグメントリングには、上向
きの力として浮力が作用するものの、この浮力よりも大
きく且つ逆方向の力として、セグメントリング、被覆土
42及び荷重台車20の重力が下向きに作用しており、
これによりセグメントリングの浮き上がりが防止され
る。
【0030】次に、荷重台車20が積載されたセグメン
トリングに、アンカー10を打ち込んで固定する作業を
行なう。ここで、荷重台車20はシールド機械30の掘
進にともなって移動するので、荷重台車20がアンカー
未施工のセグメントリングから外れないようにすること
が望ましい。したがって、シールド機械30の掘進速度
と、アンカー10の施工速度との兼ね合いで、複数本の
アンカー10を並行して施工したり、または荷重台車2
0のトンネル延長方向の長さを増やしたり、あるいはシ
ールド機械30の掘進と、アンカー10の施工とを、昼
夜に分けて順次行なうことにより対処しても良い。
【0031】以上のように、セグメントリングを組み立
てて連結し、シールド機械30を掘進させながら荷重台
車20をセグメントリングに積載し、このセグメントリ
ングにアンカー10を施工し、陸上部に到達するまでシ
ールドトンネルを構築する。シールドトンネルが陸上部
に到達したら、アンカー施工を終了し、荷重台車20を
解体してシールドトンネル内から搬出する。
【0032】次に、アンカー10以外の浮力対抗手段と
しての荷重床版50(図5参照)について説明する。荷
重床版50は、荷重台車20に作業用孔25を設けず、
且つ、車輪23,24を取り除いた形状に形成し、それ
ぞれ独立した床版ユニット50aを連結して形成する。
この床版ユニット50aのトンネル延長方向の長さは、
セグメントの巾と略同じに形成し、各床版ユニット50
aはそれぞれ内部が、他の床版ユニット50aと連通し
ないように形成し、その内部に鉄筋等の補強筋を配筋し
ながら、荷重台車20の後方の作業スペース43で組み
立てる。そして、床版ユニット50aの支持部や水平版
の先端をセグメントに固定し、最後に、各床版ユニット
50aの内部にコンクリートを充填すれば、浮力対抗手
段としての荷重床版50が完成する。
【0033】なお、作業スペース43では、場合によ
り、セグメントリングの上から荷重台車20が外れてし
まうことも考えられるが、各セグメントリングは隣接す
るセグメントリングにボルトで連結されているので、作
業スペース43において荷重台車20及び荷重床版50
が積載されていないセグメントリングが1〜3リング程
度生じても、浮力によりセグメントリングが浮き上がる
ことを防止できる。このことは他の浮力対抗手段(例え
ば、上記アンカー10)を用いた場合にも同様である。
したがって、アンカー10および荷重床版50の配設作
業は、前進する荷重台車20を後追いするように1〜3
リング程度後方で実施するようにしても良い。
【0034】さらに、図示はしないが、アンカー10以
外の浮力対抗手段として、砂等のバラストを使用するこ
とができる。すなわち、荷重台車20の水平版21の下
方にバラストを充填し、荷重台車20を掘進方向に移動
させれば、セグメント31の上にはバラストのみが残さ
れて浮力対抗手段になる。そして、このバラストは道床
として使用することができる。なお、土質性状によって
は、シールド機械30の掘進による排土をバラストとし
て使用しても良い。
【0035】
【発明の効果】本発明の浮力対抗型シールドトンネルで
は浮力対抗手段を設け、また浮力対抗型シールドトンネ
ルの施工方法では、仮設及び本設の浮力対抗手段を用い
てシールドトンネルを構築するので、河川又は海等の水
底下の地盤中においてシールドトンネルに作用する浮力
にも対抗することができて、従来のシールドトンネルよ
りも薄い土被り、例えば、沈埋函トンネルのように2m
程度の土被りのシールドトンネルを構築することがで
き、したがって、接岸地点から地上出口までのシールド
トンネルの長さを、従来のシールドトンネルよりも短く
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浮力対抗型シールドトンネルの施工途
中の縦断方向断面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】(a)は本発明の浮力対抗型シールドトンネルの
施工方法に用いる仮設浮力対抗手段の斜視図であり、
(b)は(a)におけるIIIb−IIIb線に沿った断面図であり、
更に(c)は(a)におけるIIIc−IIIc線に沿った断面図であ
る。
【図4】(a)は本発明に用いるセグメントのアンカーホ
ール周りを示す拡大断面図であり、(b)は(a)におけるア
ンカーホールにアンカーロッドを貫入させる直前の断面
図であり、(c)は(a)におけるアンカーホールにアンカー
ロッドを貫入させた状態を示す断面図である。
【図5】図1とは異なる浮力対抗手段を設けた浮力対抗
型シールドトンネルの縦断方向断面図である。
【符号の説明】
10 アンカー(本設の浮力対抗手段) 20 荷重台車(仮設の浮力対抗手段) 30 シールド機械 31,31a,31’,31a’ セグメント 50 荷重床版(本設の浮力対抗手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 河川又は海等の水底下の地盤中に構築す
    るシールドトンネルにおいて、土被りを薄くした場合に
    該シールドトンネルに作用する浮力に対抗するための浮
    力対抗手段を備えた浮力対抗型シールドトンネル。
  2. 【請求項2】 シールド機械内で新たにセグメントリン
    グを組み立てると共に、この新設セグメントリングを既
    設セグメントリングに連結する工程と、 該セグメントリングの組み立て・連結工程の後にシール
    ド機械を掘進する工程と、 該シールド機械掘進工程に前後して、地山に当接するセ
    グメントリングに作用する浮力に対抗するため、該セグ
    メントリングの上に仮設の浮力対抗手段を配置する工程
    と、 仮設浮力対抗手段の配置により浮力に対抗しながら、該
    セグメントリングに、本設の浮力対抗手段を設ける工程
    と、 本設の浮力対抗手段を設けた後にシールド機械掘進方向
    へ、仮設の浮力対抗手段を移動する工程とを含む、浮力
    対抗型シールドトンネルの施工方法。
JP12483496A 1996-05-20 1996-05-20 浮力対抗型シールドトンネル及びその施工方法 Pending JPH09303082A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011256524A (ja) * 2010-06-04 2011-12-22 Ohbayashi Corp 覆工体の浮き上がり防止方法、トンネルの構築方法及びこの方法にて構築されたトンネル
JP2012149394A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 Ohbayashi Corp シールドトンネル
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CN112983470A (zh) * 2021-05-11 2021-06-18 北京中矿创新联盟能源环境科学研究院 软岩隧道tbm支护系统和支护方法
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