JPH09302410A - レーザ焼入れ装置 - Google Patents

レーザ焼入れ装置

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Publication number
JPH09302410A
JPH09302410A JP11767296A JP11767296A JPH09302410A JP H09302410 A JPH09302410 A JP H09302410A JP 11767296 A JP11767296 A JP 11767296A JP 11767296 A JP11767296 A JP 11767296A JP H09302410 A JPH09302410 A JP H09302410A
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JP
Japan
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temperature
hardening
laser
quenching
laser light
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JP11767296A
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English (en)
Inventor
Masahiro Katayama
雅弘 片山
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、焼入れの際に、雰囲気の違いや材
料の固体差などがあっても、再現性良く均一に焼入れ加
工を施すことができ、もって、焼入れ加工の安定性の向
上を図る。 【解決手段】 非接触温度測定手段(11)がレーザ光
の照射位置の温度(17)を非接触で測定し、温度範囲
判定手段(12)が、非接触温度測定手段による測定結
果に基づいて、レーザ光の照射位置の温度と所定の焼入
れ温度範囲(15,16)との関係を判定し、レーザ光
制御手段(12,13,14)が、温度範囲判定手段に
よる判定結果に基づいて、照射位置の温度を焼入れ温度
範囲に入れるように、少なくともレーザ光の出力制御又
はレーザ光の光軸上にてシャッタの開閉制御を行なうレ
ーザ焼入れ装置

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光にて焼入
れ加工を行なうレーザ焼入れ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザ光にて歯車等の部品に焼
入れを行なう場合、焼入れ部分の面積に応じてレーザ照
射位置を焦点からずらすというデフォーカス法のレーザ
焼入れ装置が用いられている。
【0003】図6はこの種のレーザ焼入れ装置の構成を
示す模式図である。このレーザ焼入れ装置では、加工テ
ーブル1上に戴置された焼入れ対象としての歯車2に対
し、レーザ発振器3から出射されたレーザ光4がベンダ
ーミラー5及びレーザ光集光装置6を介して照射され
る。なお、照射位置7における照射範囲は、レーザ光集
光装置6により形成される焦点からのデフォーカス量8
に比例して制御可能となっている。
【0004】ここで、歯車2に必要な硬度、焼入れ深さ
を得るためには、レーザ光4出力、加工速度9、デフォ
ーカス量8、照射位置7という4つの照射条件が適切に
設定される必要がある。そこで、予め歯車2(サンプル
部品)毎に、これら4つの照射条件を変えながらレーザ
光4が照射されることにより、各照射条件の適切な値が
決定されている。
【0005】このレーザ焼入れ装置では、このように決
定された各照射条件に従い、歯車2の焼入れ部の一端部
より他端部に向けて一定速度でレーザ光4を連続照射す
ることにより、焼入れ加工がなされている。
【0006】また、焼入れされた歯車2の品質は、切断
されて硬度が測定されることにより、管理可能である。
実際には、全ての歯車2を切断して硬度を測定するわけ
にはいかないので、前述した4つの照射条件の管理によ
り、歯車2の品質が管理される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ようなレーザ焼入れ装置では、次の(a)〜(g)に示
すように、再現性が得られない問題や焼入れが不均一と
なる問題がある。 (a)図7に示すように、歯車2の歯の角部2aは、そ
れ以外の斜線で示す歯面部2bに比べ、熱の逃げ場が少
ないことから同一の照射条件でレーザ光4を照射しても
溶け易いため、焼入れが不均一になる問題がある。 (b)加工速度9が遅い場合、レーザ光4の照射スピー
ドより熱伝導の方が早く、焼入れ開始直後の部分と焼入
れ終了の部分とで焼きの入り方に違いが生じる。 (c)同一規格の歯車2でも寸法、表面粗さ、レーザ光
反射率に若干の違い(固体差)があるため、同一の照射
条件でレーザ光4を照射しても違いを生じることがあ
る。 (d)レーザ発振器3が焼入れ開始から焼入れ終了まで
一定の出力を保持する能力がないと、開始直後の部分と
終了の部分とで焼きの入り方に違いを生じる。 (e)焼入れ現場の雰囲気が時により異なると、焼きの
入り方に違いを生じる。具体的には、焼入れ加工中、水
蒸気、レーザ光4を吸収するガスなどがレーザ照射位置
7に漂ってくると、レーザ光4の吸収によりレーザ光4
出力が実効的に低下され、照射条件が変わるので、再現
性を低下させる問題がある。 (f)硬度必要な深さが深い場合や照射面積が広い場
合、歯車2を切断して又は全てのポイントについて硬度
を測定する必要がある。しかしながら、この測定は現実
的には不可能であるため、焼入れの均一性や再現性を確
保する手段がないという問題がある。 (g)レーザ光4による焼入れの場合、一般には局所加
熱のために強制冷却をしなくても急速冷却になるが、シ
ャフトのように焼入れ面積の広いものは強制冷却しない
と急速冷却にならずに焼きが入らないことがある。その
ため、照射条件、強制冷却の要否の判断に手間がかかる
と共に、判断する作業者の熟練度に応じて焼入れの均一
性が大きく異なるという問題がある。
【0008】本発明は上記実情を考慮してなされたもの
で、焼入れの際に、雰囲気の違いや材料の固体差などが
あっても、再現性良く均一に焼入れ加工を施すことがで
き、もって、焼入れ加工の安定性を向上し得るレーザ焼
入れ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に対応する発明
は、レーザ光を焼入れ対象の表面に照射して前記焼入れ
対象を焼入れするレーザ焼入れ装置において、前記レー
ザ光の照射位置の温度を非接触で測定する非接触温度測
定手段と、前記非接触温度測定手段による測定結果に基
づいて、前記レーザ光の照射位置の温度と所定の焼入れ
温度範囲との関係を判定する温度範囲判定手段と、前記
温度範囲判定手段による判定結果に基づいて、前記照射
位置の温度を前記焼入れ温度範囲に入れるように、少な
くとも前記レーザ光の出力制御又は前記レーザ光の光軸
上にてシャッタの開閉制御を行なうレーザ光制御手段と
を備えたレーザ焼入れ装置である。
【0010】また、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応するレーザ焼入れ装置において、前記非接触温
度測定手段による測定結果に基づいて、前記レーザ光の
照射位置の温度が所定の値を越えたとき、この温度の持
続時間を計測する持続時間計測手段と、前記持続時間計
測手段による計測時間に基づいて、焼入れ深さが充分か
否かを判定する焼入れ深さ判定手段とを備えたレーザ焼
入れ装置である。
【0011】さらに、請求項3に対応する発明は、レー
ザ光を集光装置を介して焼入れ対象の表面に照射して前
記焼入れ対象を焼入れするレーザ焼入れ装置において、
前記焼入れの進行に追従して移動する移動手段と、前記
移動手段に取付けられ、前記レーザ光の照射位置の温度
を非接触で測定する非接触温度測定手段と、前記非接触
温度測定手段による測定結果に基づいて、所定の焼入れ
範囲にわたって前記照射位置の温度が所定の焼入れ温度
を越えたか否かを判定し、この判定の結果、前記焼入れ
範囲の一部が前記焼入れ温度を越えない旨を示すとき、
前記集光装置を前記レーザ光の光軸上に沿って移動させ
て前記レーザ光のデフォーカス量を調整するデフォーカ
ス量調整手段とを備えたレーザ焼入れ装置である。
【0012】また、請求項4に対応する発明は、レーザ
光を焼入れ対象の表面に照射して前記焼入れ対象を焼入
れするレーザ焼入れ装置において、前記レーザ光の照射
位置の温度を非接触で測定する第1の非接触温度測定手
段と、前記照射位置とは異なる前記レーザ光の照射済み
位置の温度を非接触で測定する第2の非接触温度測定手
段と、前記第1及び第2の非接触温度測定手段による測
定結果に基づいて、前記照射位置の温度及び前記照射済
み位置の温度と所定の焼入れ温度範囲との関係を判定す
る温度分布判定手段と、前記温度分布判定手段による判
定結果に基づいて、前記照射位置の温度及び前記照射済
み位置の温度の両方を前記焼入れ温度範囲に入れるよう
に、少なくとも前記レーザ光の出力制御又は前記レーザ
光の光軸上にてシャッタの開閉制御を行なうレーザ光制
御手段とを備えたレーザ焼入れ装置である。
【0013】さらに、請求項5に対応する発明は、レー
ザ光を焼入れ対象の表面に照射して前記焼入れ対象を焼
入れするレーザ焼入れ装置において、前記レーザ光の照
射済み位置の温度を非接触で測定する非接触温度測定手
段と、前記非接触温度測定手段による測定結果に基づい
て、前記照射済み位置の温度が所定の値を越えたとき、
前記照射済み位置の温度の持続時間を計測する持続時間
計測手段と、前記持続時間計測手段による計測結果及び
前記非接触温度測定手段による測定結果に基づいて、冷
却速度を算出し、この冷却速度と所定の限界冷却速度と
を比較する冷却速度比較手段と、前記冷却速度比較手段
による比較の結果、前記算出された冷却速度が前記限界
冷却速度よりも遅いとき、所定の冷却媒体を前記照射位
置と前記照射済み位置との間に吹付ける強制冷却手段と
を備えたレーザ焼入れ装置である。 (作用)従って、請求項1に対応する発明は以上のよう
な手段を講じたことにより、非接触温度測定手段がレー
ザ光の照射位置の温度を非接触で測定し、温度範囲判定
手段が、非接触温度測定手段による測定結果に基づい
て、レーザ光の照射位置の温度と所定の焼入れ温度範囲
との関係を判定し、レーザ光制御手段が、温度範囲判定
手段による判定結果に基づいて、照射位置の温度を焼入
れ温度範囲に入れるように、少なくともレーザ光の出力
制御又はレーザ光の光軸上にてシャッタの開閉制御を行
なうので、焼入れの際に、雰囲気の違いや材料の固体差
などがあっても、再現性良く均一に焼入れ加工を施すこ
とができ、もって、焼入れ加工の安定性を向上させるこ
とができる。
【0014】また、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する作用に加え、持続時間計測手段が、非接触
温度測定手段による測定結果に基づいて、レーザ光の照
射位置の温度が所定の値を越えたとき、この温度の持続
時間を計測し、焼入れ深さ判定手段が、持続時間計測手
段による計測時間に基づいて、焼入れ深さが充分か否か
を判定するので、焼きが所定の深さまで入ったかどうか
の品質検査を実行することができる。
【0015】さらに、請求項3に対応する発明は、移動
手段が、焼入れの進行に追従して、レーザ光の照射位置
の温度を非接触で測定する非接触温度測定手段を移動さ
せ、デフォーカス量調整手段が、非接触温度測定手段に
よる測定結果に基づいて、所定の焼入れ範囲にわたって
前記照射位置の温度が所定の焼入れ温度を越えたか否か
を判定し、この判定の結果、前記焼入れ範囲の一部が前
記焼入れ温度を越えない旨を示すとき、集光装置をレー
ザ光の光軸上に沿って移動させてレーザ光のデフォーカ
ス量を調整するので、広範囲の焼入れ加工であっても、
焼入れのもれを無くし、安定性良く実現させることがで
きる。
【0016】また、請求項4に対応する発明は、第1の
非接触温度測定手段がレーザ光の照射位置の温度を非接
触で測定し、第2の非接触温度測定手段が照射位置とは
異なるレーザ光の照射済み位置の温度を非接触で測定
し、温度分布判定手段が、第1及び第2の非接触温度測
定手段による測定結果に基づいて、照射位置の温度及び
照射済み位置の温度と所定の焼入れ温度範囲との関係を
判定し、レーザ光制御手段が、温度分布判定手段による
判定結果に基づいて、照射位置の温度及び照射済み位置
の温度の両方を焼入れ温度範囲に入れるように、少なく
ともレーザ光の出力制御又はレーザ光の光軸上にてシャ
ッタの開閉制御を行なうので、広範囲の焼入れ加工であ
っても、安定性良く実現させることができる。
【0017】さらに、請求項5に対応する発明は、非接
触温度測定手段がレーザ光の照射済み位置の温度を非接
触で測定し、持続時間計測手段が、非接触温度測定手段
による測定結果に基づいて、照射済み位置の温度が所定
の値を越えたとき、照射済み位置の温度の持続時間を計
測し、冷却速度比較手段が、持続時間計測手段による計
測結果及び非接触温度測定手段による測定結果に基づい
て、冷却速度を算出してこの冷却速度と所定の限界冷却
速度とを比較し、強制冷却手段が、冷却速度比較手段に
よる比較の結果、算出された冷却速度が限界冷却速度よ
りも遅いとき、所定の冷却媒体を照射位置と照射済み位
置との間に吹付けるので、広範囲に焼入れ加工を施す場
合であっても、的確に強制冷却の要否を判定して必要な
ときに強制冷却を行なうので、一層、焼入れ加工の安定
性を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
レーザ焼入れ装置について説明する。 (第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態
に係るレーザ焼入れ装置の構成を示す模式図であり、図
6と同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省
略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0019】すなわち、本実施の形態に係る装置は、レ
ーザ焼入れの安定化を図るものであり、具体的には図1
に示すように、非接触温度測定装置11、判断部12、
出力調整部13、シャッタ14を備えている。
【0020】ここで、非接触温度測定装置11は、レー
ザ照射位置7の温度を非接触で測定し、測定結果を判断
部12に与える機能をもっている。判断部12は、予め
焼入れ対象に関して焼きの入る温度15並びに材料の融
点16が設定されており、この設定内容と、非接触温度
測定装置から受けた測定結果17とに基づいて、「焼き
の入る温度15<レーザ照射位置の温度17<材料の融
点16」の関係を満たすように、出力調整部13及びシ
ャッタ14を制御する機能をもっている。
【0021】出力調整部13は、判断部12の制御によ
り、レーザ発振器3の出力を調整する機能をもってい
る。シャッタ14は、開状態でレーザ光4を通過させ、
閉状態でレーザ光4を遮断する位置に設けられ、判断部
12の制御により、開状態又は閉状態をとるものであ
る。
【0022】次に、以上のように構成されたレーザ焼入
れ装置の動作を説明する。レーザ発振器3は、レーザ光
4を出射する。レーザ光4はベントミラー5及びレーザ
光集光装置6を介して加工テーブル1に向けて照射され
る。また、予め決定されたデフォーカス量の照射位置7
となるように歯車2が加工テーブル1に戴置される。
【0023】次に、加工テーブル1は、歯車2を図中矢
印方向に平行移動させる。これにより、照射位置7が歯
車2の全幅にわたって移動するようにレーザ光4が照射
され、歯車2が焼入れ加工される。なお、レーザ光4の
照射条件は、前述した通り、予め設定されている。
【0024】ここで、非接触温度測定装置11は、レー
ザ光4の照射開始と共に、照射位置7の温度を測定し続
け、測定結果17をリアルタイムで判断部12に与え
る。判断部12は、この測定結果17に基づいて、照射
位置の温度17が焼きの入る温度16よりも低いとき、
レーザ発振器3出力を上昇させるように出力調整部13
を制御し、照射位置の温度17が融点16よりも高いと
き、レーザ光4を遮断するようにシャッタ14を閉状態
に制御する。これにより、照射位置の温度17は、焼き
の入る温度16よりも高く、融点17よりも低い値に制
御される。
【0025】以上の処理は、リアルタイムで照射開始か
ら終了まで行なわれる。なお、歯車2の一つの歯につい
て焼入れが終了すると、図示しない回転機構により歯車
2を回転させ、次の歯の焼入れが行なわれる。
【0026】上述したように第1の実施の形態によれ
ば、非接触温度測定装置11がレーザ光4の照射位置の
温度17を非接触で測定し、判断部12が、この測定結
果に基づいて、レーザ光4の照射位置の温度17と所定
の焼入れ温度範囲(焼きの入る温度16と材料の融点1
7との間の温度範囲)との関係を判定し、この判定結果
に基づいて、照射位置の温度17を焼入れ温度範囲に入
れるように、レーザ光4の出力制御又はレーザ光4の光
軸上にてシャッタ14の開閉制御を行なうので、焼入れ
の際に、雰囲気の違いや材料の固体差などがあっても、
再現性良く均一に焼入れ加工を施すことができ、もっ
て、焼入れ加工の安定性を向上させることができる。 (第2の実施の形態)次に、本発明の第2の実施の形態
に係るレーザ焼入れ装置について説明する。図2はこの
レーザ焼入れ装置の構成を示す模式図であり、図1と同
一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0027】すなわち、本実施の形態に係る装置は、焼
入れ深さを深くすることが可能なものであり、具体的に
は図1に示す構造に加え、時間計測装置21及び焼入れ
深さ判定装置22を備えている。
【0028】ここで、時間計測装置21は、非接触温度
測定装置11から受ける照射位置温度17に基づいて、
ある照射位置7での所定の温度以上の持続時間を計測
し、計測結果を焼入れ深さ判定装置22に与えるもので
ある。
【0029】焼入れ深さ判定装置22は、予め所望の焼
入れ深さを奏する照射位置温度17の持続時間を示すし
きい値情報が設定されており、この設定内容と時間計測
装置21から受けた計測結果とに基づいて、焼入れ深さ
が十分か否かを判定する機能をもっている。
【0030】次に、以上のように構成されたレーザ焼入
れ装置の動作を説明する。いま、前述同様に、歯車2の
所定の照射位置7にレーザ光4が照射されているとす
る。
【0031】非接触温度測定装置11は、レーザ光4の
照射開始と共に、照射位置7の温度17を測定し続け、
測定結果17をリアルタイムで時間計測装置21及び判
断部12に与える。なお、判断部12以降の動作は第1
の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0032】時間計測装置21は、この測定結果が示す
照射位置温度17が所定の温度以上になると、その所定
の温度以上の持続時間を計測し、計測結果を焼入れ深さ
判定装置22に与える。
【0033】焼入れ深さ判定装置22は、この計測結果
としきい値情報とを比較し、この計測結果がしきい値情
報を満たすとき、すなわち所定の温度以上の持続時間が
しきい値を越えたとき、焼入れ深さが充分である旨を判
定して当該照射位置7の焼入れを終了させる。
【0034】上述したように第2の実施の形態によれ
ば、第1の実施の形態の効果に加え、時間計測装置21
が、非接触温度測定装置11による測定結果に基づい
て、レーザ光の照射位置7の温度17が所定の値を越え
たとき、この温度17の持続時間を計測し、焼入れ深さ
判定装置22が、この計測結果に基づいて、焼入れ深さ
が充分か否かを判定するので、焼きが所定の深さまで入
ったかどうかの品質検査を実行することができ、もっ
て、一定の品質を確保することができる。 (第3の実施の形態)次に、本発明の第3の実施の形態
に係るレーザ焼入れ装置について説明する。図3はこの
レーザ焼入れ装置の構成を示す模式図であり、図1と同
一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0035】すなわち、本実施の形態に係る装置は、所
定の幅で充分な焼入れ深さを有するか否かの確認を図る
ものであり、具体的には、非接触温度測定装置11に移
動装置23を設けると共に、レーザ集光装置6にZ軸調
整装置24を設け、さらに、判断部12に代えて、非接
触温度測定装置11と出力調整部13との間に、出力調
整部13とZ軸調整装置24とを制御可能なビーム径算
出部25を備えている。
【0036】ここで、移動装置23は、非接触温度測定
装置11を加工方向に対して垂直方向23aに移動させ
るものである。ビーム径算出部25は、予めデフォーカ
ス量とビーム径計算値とが設定され、非接触温度測定装
置11により測定された照射位置温度17に基づいて、
所望の焼入れ範囲26にわたって照射位置の温度17が
所定の焼入れ温度27を越えたか否かを判定し、この判
定の結果、焼入れ範囲の一部が焼入れ温度を越えない旨
を示すとき、所定のビーム径に変換するためにデフォー
カス量を算出し、この算出結果をZ軸調整装置24に与
える機能と、デフォーカス量を変換するとき、出力密度
を一定にするためにレーザ出力を算出し、この算出結果
に基づいて、前述同様に出力調整部13及びシャッタ1
4を制御する機能をもっている。
【0037】Z軸調整装置24は、ビーム径算出部25
により算出されたデフォーカス量に基づいて、レーザ集
光装置6をレーザ光軸に沿って位置調整する機能をもっ
ている。
【0038】次に、このようなレーザ焼入れ装置の動作
を説明する。いま、前述同様に、歯車2の所定の照射位
置7にレーザ光4が照射されているとする。
【0039】移動装置23は、非接触温度測定装置11
を加工方向に対して垂直方向23aに移動させる。非接
触温度測定装置11は、レーザ光4の照射開始と共に、
照射位置7の温度17を測定し続け、測定結果をリアル
タイムでビーム径算出部25に与える。
【0040】ビーム径算出部25は、この照射位置温度
17に基づいて、所定の焼入れ範囲26にわたって照射
位置温度17が所定の焼入れ温度27を越えたか否かを
判定し、この判定の結果、所定の焼入れ範囲26にわた
って分布しているときには現在のデフォーカス量及びレ
ーザ出力を維持する。しかしながら、判定結果が否を示
すとき、所定の焼入れ範囲26に対応してデフォーカス
量を算出し、この算出結果をZ軸調整装置24に与える
一方、出力密度を一定にするために次の(1)式に従っ
てレーザ出力を算出し、この算出結果に基づいて出力調
整部13を制御する。 出力密度=レーザ出力/ビーム半径2 /π レーザ出力=ビーム半径2 ・π・出力密度 …(1) Z軸調整装置24は、ビーム径算出部25により算出さ
れたデフォーカス量に基づいて、レーザ集光装置6の位
置をレーザ光軸に沿って調整する。
【0041】出力調整部13は、ビーム径算出部25の
制御によりレーザ発振器13を調整する。これにより、
所定の焼入れ範囲26で焼入れ加工を行なうことができ
る。
【0042】上述したように第3の実施の形態によれ
ば、移動装置11が、焼入れの進行に追従して、レーザ
光4の照射位置温度17を非接触で測定する非接触温度
測定装置11を移動させ、ビーム径算出部25が、この
測定結果に基づいて、所定の焼入れ範囲26にわたって
照射位置温度17が所定の焼入れ温度27を越えたか否
かを判定し、この判定の結果、焼入れ範囲の一部が焼入
れ温度を越えない旨を示すとき、Z軸調整装置24を介
してレーザ集光装置6をレーザ光4の光軸上に沿って移
動させてレーザ光4のデフォーカス量を調整するので、
広範囲の焼入れ加工であっても、安定性良く実現させる
ことができる。 (第4の実施の形態)次に、本発明の第4の実施の形態
に係るレーザ焼入れ装置について説明する。図4はこの
レーザ焼入れ装置の構成を示す模式図であり、図1と同
一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0043】すなわち、本実施の形態に係る装置は、広
範囲にわたり焼入れ加工を施すためのものであり、具体
的には、1台の非接触温度測定装置31を付加し、判断
部12に代えて、この判断部12の2つ分の機能を有す
る温度分布判定装置32を備えている。
【0044】ここで、付加された非接触温度測定装置3
1は、現在のレーザ照射位置7とは異なるがレーザ光4
の照射された位置の温度(照射済温度)を非接触で測定
し、測定結果を温度分布判定装置32に与える機能をも
っている。
【0045】温度分布判定装置32は、予め焼入れ対象
に関して焼きの入る温度16並びに材料の融点17が設
定されており、この設定内容と、2台の非接触温度測定
装置11,31から個別に受けた測定結果とに基づい
て、「焼きの入る温度16<照射位置温度17及び照射
済温度33<材料の融点17」の関係を満たすように、
出力調整部13及びシャッタ14を制御する機能をもっ
ている。
【0046】次に、以上のように構成されたレーザ焼入
れ装置の動作を説明する。なお、広範囲にわたり焼入れ
を施す関係上、焼入れ対象をシャフト34とし、且つシ
ャフト34がその軸を中心に高速回転されている。
【0047】いま、前述同様に、シャフト34の所定の
照射位置7にレーザ光4が照射されているとする。非接
触温度測定装置11は、レーザ光4の照射開始と共に、
照射位置温度17を測定し続け、測定結果をリアルタイ
ムで温度分布判定装置32に与える。
【0048】同様に、非接触温度測定装置31は、レー
ザ光4の照射開始と共に、現在の照射位置7とは異なる
が、レーザ光の照射された位置の温度(照射済温度)3
3を測定し続け、測定結果を温度分布判定装置32に与
える。
【0049】温度分布判定装置32は、2台の非接触温
度測定装置11,31から個別に受けた測定結果17,
33が双方ともに、焼きの入る温度16とシャフト材料
の融点17との間の温度範囲内にあるか否かを判定し、
この温度範囲を測定結果17,33のいずれか一方又は
両方が逸脱したとき、前述同様に出力調整部13又はシ
ャッタ14を制御する。
【0050】例えば、温度分布判定装置32は、照射位
置温度17及び照射済温度33のいずれか一方又は両方
が焼きの入る温度16よりも低いとき、レーザ出力を上
昇させるように出力調整部13を制御する。また、温度
分布判定装置32は、照射位置温度17及び照射済温度
33のいずれか一方又は両方がシャフトの融点16より
も高いとき、レーザ光4を遮断するようにシャッタ14
を閉状態に制御する。このように、照射位置温度17及
び照射済温度33を焼きの入る温度16よりも高く、且
つ融点17よりも低い値に制御でき、もって、広範囲に
わたり焼入れ加工を施すことができる。
【0051】上述したように第4の実施の形態によれ
ば、非接触温度測定装置11がレーザ光4の照射位置7
の温度17を非接触で測定し、非接触温度測定装置31
が照射位置7とは異なるレーザ光の照射済み位置の温度
33を非接触で測定し、温度分布判定装置32が、各非
接触温度測定装置11,31による測定結果17,33
に基づいて、照射位置温度17及び照射済み温度33と
所定の焼入れ温度範囲との関係を判定し、この判定結果
に基づいて、照射位置温度17及び照射済み温度33の
両方を焼入れ温度範囲に入れるように、出力調整部13
を介したレーザ光4の出力制御又はレーザ光4の光軸上
のシャッタ14の開閉制御を行なうので、広範囲の焼入
れ加工であっても、安定性良く実現させることができ
る。 (第5の実施の形態)次に、本発明の第5の実施の形態
に係るレーザ焼入れ装置について説明する。図5はこの
レーザ焼入れ装置の構成を示す模式図であり、図2と同
一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略し、
ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0052】すなわち、本実施の形態に係る装置は、広
範囲にわたって焼入れを施した場合であっても確実に急
速冷却を行なうものであり、具体的には図2に示す構成
に加え、非接触温度測定装置41に接続された時間計測
装置42、この時間計測装置42に接続された冷却温度
算出部43及びこの冷却温度算出部43に接続された強
制冷却装置44を備えている。
【0053】但し、焼入れ対象としては、焼入れ範囲の
狭い歯車2に代えて、焼入れ範囲の広いシャフト34を
例に挙げて説明する。また、これに伴い、付加された非
接触温度測定装置41は、レーザ光4の照射開始と共
に、現在の照射位置とは異なるが、レーザ光4の照射さ
れた位置の温度(照射済温度)を測定し続け、測定結果
を時間計測装置42に与えるものとしている。
【0054】ここで、時間計測装置42は、非接触温度
測定装置41の測定結果を冷却温度算出部43に与える
機能と、この測定結果が示す照射済温度が所定の温度以
上になると、その所定の温度以上の持続時間を計測し、
計測結果を冷却温度算出部43に与える機能とをもって
いる。
【0055】冷却温度算出部43は、焼きを入れるため
の冷却速度で最も遅い限界値(以下、限界冷却速度とい
う)が予め設定されており、時間計測装置42から受け
る照射済温度とその持続時間とに基づいて、冷却速度
(=照射済温度の変化/時間)を算出する機能と、算出
した冷却速度と、設定された限界冷却速度とを比較し、
比較結果に応じて強制冷却装置44を制御する機能とを
もっている。
【0056】強制冷却装置44は、冷却温度算出部43
の制御に応じて、レーザ照射後の部分に水を吹付けて強
制冷却するものである。次に、このようなレーザ焼入れ
装置の動作を説明する。
【0057】いま、前述同様に、シャフト34の所定の
照射位置7にレーザ光4が照射されているとする。非接
触温度測定装置41は、レーザ光4の照射開始と共に、
レーザ光照射後の部分の照射済温度を測定し続け、測定
結果をリアルタイムで時間計測装置42に与える。
【0058】時間計測装置42は、この照射済温度を冷
却温度算出部43に与えると共に、この照射済温度が所
定の温度以上になると、その所定の温度以上の持続時間
を計測し、計測結果が冷却温度算出部43に与える。
【0059】冷却温度算出部43は、時間計測装置42
から受ける照射済温度とその持続時間とに基づいて冷却
速度を算出し、この冷却速度と、予め設定された限界冷
却速度とを比較し、比較結果に応じて強制冷却装置44
を制御する。
【0060】具体的には、冷却温度算出部43は、算出
された冷却速度が限界冷却速度よりも速いとき、強制冷
却装置44をオフ状態に制御して水の吹付けを停止させ
るが、算出された冷却速度が限界冷却速度よりも遅いと
き、強制冷却装置44をオン状態に制御して水を吹付け
させる。
【0061】強制冷却装置44は、冷却温度算出部43
の制御に応じて、レーザ照射後の部分に水を吹付けて強
制冷却する。これにより、レーザ照射後の部分は、常に
限界冷却速度よりも速い値の冷却速度にて強制冷却され
るので、焼入れに必要な急冷を確実に施すことができ
る。なお、それ以外の動作については第1及び第2の実
施の形態と同様であるため、説明を省略する。
【0062】上述したように第5の実施の形態によれ
ば、第1及び第2の実施の形態の効果に加え、非接触温
度測定装置41がレーザ光の照射済み位置の温度を非接
触で測定し、時間計測装置42が、非接触温度測定装置
41による測定結果に基づいて、照射済み位置の温度が
所定の値を越えたとき、照射済み位置の温度の持続時間
を計測し、冷却速度算出部43が、時間計測装置42に
よる計測結果及び非接触温度測定装置41による測定結
果に基づいて、冷却速度を算出してこの冷却速度と所定
の限界冷却速度とを比較し、強制冷却装置44が、この
比較の結果、算出された冷却速度が限界冷却速度よりも
遅いとき、水などの冷却媒体を照射位置と照射済み位置
との間に吹付けるので、広範囲に焼入れ加工を施す場合
であっても、的確に強制冷却の要否を判定して必要なと
きに強制冷却を行なうので、一層、焼入れ加工の安定性
を向上させることができる。 (他の実施の形態)上記各実施の形態では、照射位置温
度を低下させるのにシャッタ14を閉状態にする場合を
説明したが、これに限らず、出力調整部13によりレー
ザ発振器3の出力を低下させることにより照射位置温度
を低下させる構成としても、本発明を同様に実施して同
様の効果を得ることができる。その他、本発明はその要
旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、非接触温度測定手段がレーザ光の照射位置の温
度を非接触で測定し、温度範囲判定手段が、非接触温度
測定手段による測定結果に基づいて、レーザ光の照射位
置の温度と所定の焼入れ温度範囲との関係を判定し、レ
ーザ光制御手段が、温度範囲判定手段による判定結果に
基づいて、照射位置の温度を焼入れ温度範囲に入れるよ
うに、少なくともレーザ光の出力制御又はレーザ光の光
軸上にてシャッタの開閉制御を行なうので、焼入れの際
に、雰囲気の違いや材料の固体差などがあっても、再現
性良く均一に焼入れ加工を施すことができ、もって、焼
入れ加工の安定性を向上できるレーザ焼入れ装置を提供
できる。
【0064】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の効果に加え、持続時間計測手段が、非接触温度測定手
段による測定結果に基づいて、レーザ光の照射位置の温
度が所定の値を越えたとき、この温度の持続時間を計測
し、焼入れ深さ判定手段が、持続時間計測手段による計
測時間に基づいて、焼入れ深さが充分か否かを判定する
ので、焼きが所定の深さまで入ったかどうかの品質検査
を実行できるレーザ焼入れ装置を提供できる。
【0065】さらに、請求項3の発明によれば、移動手
段が、焼入れの進行に追従して、レーザ光の照射位置の
温度を非接触で測定する非接触温度測定手段を移動さ
せ、デフォーカス量調整手段が、非接触温度測定手段に
よる測定結果に基づいて、所定の焼入れ範囲にわたって
前記照射位置の温度が所定の焼入れ温度を越えたか否か
を判定し、この判定の結果、前記焼入れ範囲の一部が前
記焼入れ温度を越えない旨を示すとき、集光装置をレー
ザ光の光軸上に沿って移動させてレーザ光のデフォーカ
ス量を調整するので、広範囲の焼入れ加工であっても、
焼入れのもれを無くし、安定性良く実現できるレーザ焼
入れ装置を提供できる。
【0066】また、請求項4の発明によれば、第1の非
接触温度測定手段がレーザ光の照射位置の温度を非接触
で測定し、第2の非接触温度測定手段が照射位置とは異
なるレーザ光の照射済み位置の温度を非接触で測定し、
温度分布判定手段が、第1及び第2の非接触温度測定手
段による測定結果に基づいて、照射位置の温度及び照射
済み位置の温度と所定の焼入れ温度範囲との関係を判定
し、レーザ光制御手段が、温度分布判定手段による判定
結果に基づいて、照射位置の温度及び照射済み位置の温
度の両方を焼入れ温度範囲に入れるように、少なくとも
レーザ光の出力制御又はレーザ光の光軸上にてシャッタ
の開閉制御を行なうので、広範囲の焼入れ加工であって
も、安定性良く実現できるレーザ焼入れ装置を提供でき
る。
【0067】さらに、請求項5の発明によれば、非接触
温度測定手段がレーザ光の照射済み位置の温度を非接触
で測定し、持続時間計測手段が、非接触温度測定手段に
よる測定結果に基づいて、照射済み位置の温度が所定の
値を越えたとき、照射済み位置の温度の持続時間を計測
し、冷却速度比較手段が、持続時間計測手段による計測
結果及び非接触温度測定手段による測定結果に基づい
て、冷却速度を算出してこの冷却速度と所定の限界冷却
速度とを比較し、強制冷却手段が、冷却速度比較手段に
よる比較の結果、算出された冷却速度が限界冷却速度よ
りも遅いとき、所定の冷却媒体を照射位置と照射済み位
置との間に吹付けるので、広範囲に焼入れ加工を施す場
合であっても、的確に強制冷却の要否を判定して必要な
ときに強制冷却を行なうので、一層、焼入れ加工の安定
性を向上できるレーザ焼入れ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るレーザ焼入れ
装置の構成を示す模式図。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るレーザ焼入れ
装置の構成を示す模式図。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るレーザ焼入れ
装置の構成を示す模式図。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係るレーザ焼入れ
装置の構成を示す模式図。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係るレーザ焼入れ
装置の構成を示す模式図。
【図6】従来のレーザ焼入れ装置の構成を示す模式図。
【図7】一般的な歯車の焼入れ加工を説明するための模
式図。
【符号の説明】
1…加工テーブル。 2…歯車。 3…レーザ発振器。 4…レーザ光。 5…ベンダーミラー。 6…レーザ光集光装置。 7…照射位置。 11,31,41…非接触温度測定装置。 12…判断部。 13…出力調整部。 14…シャッタ。 21,42…時間計測装置。 22…焼入れ深さ判定装置。 23…移動装置。 24…Z軸調整装置。 25…ビーム径算出部。 32…温度分布判定装置。 43…冷却温度算出部。 44…強制冷却装置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を焼入れ対象の表面に照射して
    前記焼入れ対象を焼入れするレーザ焼入れ装置におい
    て、 前記レーザ光の照射位置の温度を非接触で測定する非接
    触温度測定手段と、 前記非接触温度測定手段による測定結果に基づいて、前
    記レーザ光の照射位置の温度と所定の焼入れ温度範囲と
    の関係を判定する温度範囲判定手段と、 前記温度範囲判定手段による判定結果に基づいて、前記
    照射位置の温度を前記焼入れ温度範囲に入れるように、
    少なくとも前記レーザ光の出力制御又は前記レーザ光の
    光軸上にてシャッタの開閉制御を行なうレーザ光制御手
    段とを備えたことを特徴とするレーザ焼入れ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のレーザ焼入れ装置にお
    いて、 前記非接触温度測定手段による測定結果に基づいて、前
    記レーザ光の照射位置の温度が所定の値を越えたとき、
    この温度の持続時間を計測する持続時間計測手段と、 前記持続時間計測手段による計測時間に基づいて、焼入
    れ深さが充分か否かを判定する焼入れ深さ判定手段とを
    備えたことを特徴とするレーザ焼入れ装置。
  3. 【請求項3】 レーザ光を集光装置を介して焼入れ対象
    の表面に照射して前記焼入れ対象を焼入れするレーザ焼
    入れ装置において、 前記焼入れの進行に追従して移動する移動手段と、 前記移動手段に取付けられ、前記レーザ光の照射位置の
    温度を非接触で測定する非接触温度測定手段と、 前記非接触温度測定手段による測定結果に基づいて、所
    定の焼入れ範囲にわたって前記照射位置の温度が所定の
    焼入れ温度を越えたか否かを判定し、この判定の結果、
    前記焼入れ範囲の一部が前記焼入れ温度を越えない旨を
    示すとき、前記集光装置を前記レーザ光の光軸上に沿っ
    て移動させて前記レーザ光のデフォーカス量を調整する
    デフォーカス量調整手段とを備えたことを特徴とするレ
    ーザ焼入れ装置。
  4. 【請求項4】 レーザ光を焼入れ対象の表面に照射して
    前記焼入れ対象を焼入れするレーザ焼入れ装置におい
    て、 前記レーザ光の照射位置の温度を非接触で測定する第1
    の非接触温度測定手段と、 前記照射位置とは異なる前記レーザ光の照射済み位置の
    温度を非接触で測定する第2の非接触温度測定手段と、 前記第1及び第2の非接触温度測定手段による測定結果
    に基づいて、前記照射位置の温度及び前記照射済み位置
    の温度と所定の焼入れ温度範囲との関係を判定する温度
    分布判定手段と、 前記温度分布判定手段による判定結果に基づいて、前記
    照射位置の温度及び前記照射済み位置の温度の両方を前
    記焼入れ温度範囲に入れるように、少なくとも前記レー
    ザ光の出力制御又は前記レーザ光の光軸上にてシャッタ
    の開閉制御を行なうレーザ光制御手段とを備えたことを
    特徴とするレーザ焼入れ装置。
  5. 【請求項5】 レーザ光を焼入れ対象の表面に照射して
    前記焼入れ対象を焼入れするレーザ焼入れ装置におい
    て、 前記レーザ光の照射済み位置の温度を非接触で測定する
    非接触温度測定手段と、 前記非接触温度測定手段による測定結果に基づいて、前
    記照射済み位置の温度が所定の値を越えたとき、前記照
    射済み位置の温度の持続時間を計測する持続時間計測手
    段と、 前記持続時間計測手段による計測結果及び前記非接触温
    度測定手段による測定結果に基づいて、冷却速度を算出
    し、この冷却速度と所定の限界冷却速度とを比較する冷
    却速度比較手段と、 前記冷却速度比較手段による比較の結果、前記算出され
    た冷却速度が前記限界冷却速度よりも遅いとき、所定の
    冷却媒体を前記照射位置と前記照射済み位置との間に吹
    付ける強制冷却手段とを備えたことを特徴とするレーザ
    焼入れ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007523285A (ja) * 2004-01-08 2007-08-16 エムテーウー・アエロ・エンジンズ・ゲーエムベーハー 部品の加熱方法
JP2007537877A (ja) * 2003-05-17 2007-12-27 エムテーウー・アエロ・エンジンズ・ゲーエムベーハー 部品の加熱方法
JP2013015824A (ja) * 2011-06-09 2013-01-24 Nidek Co Ltd 染色方法及び染色装置
CN111730211A (zh) * 2020-06-23 2020-10-02 江苏理工学院 一种激光加工渐开线圆柱齿轮表面的装置

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