JPH09299479A - 点滴監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 患者に施す輸液の確認、滴下速度の調整維
持、異常が発生した場合の迅速な対応処置、患者に与え
る不安の解消及び患者看護に携わる看護婦の労働負担を
軽減し得る点滴監視装置の提供。 【解決手段】 患者識別とその処置内容及び滴下センサ
が感知した滴下速度を滴下速度監視モニターによりセン
ター装置に送信し、センター装置から送信される情報を
前記滴下速度監視モニターで表示すると共に、異常や処
置終了をランプ点滅により知らせる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は点滴監視装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、患者への点滴は看護婦が輸液の種
類に応じた点滴速度を腕時計等により調整し、点滴が終
了した時点を見計らって巡回し、輸液が無くなった時点
で輸液を交換して点滴を続行し、または、点滴を終了し
ていた。

【０００３】しかしながら、看護婦は多数の患者を受け
持っておりその看護内容は非常に広範囲であり、点滴１
つを取っても、前述したように輸液の種類に応じて点滴
速度が異なるため、ナースステーションと病室との間を
何度も往復して処置しなくてはならず、その作業に要す
る労力は大変なものである等の問題点があった。

【０００４】上記問題点を解消する手段として、点滴セ
ットにセンサを取り付け、このセンサにより輸液の有無
を感知させ、輸液が無くなった時点で離れた場所、例え
ば、ナースステーション等に設置されたセンター装置に
信号を送信し、点滴の終了を表示すると共にアラーム等
により点滴終了を知らせ、看護婦の作業を軽減すること
が実開平２ー１５１５４号公報、実開平３ー９６８５１
号公報、実開平４ー４２８３７号公報、特開平４ー３２
２６６１号公報、特開平４ー２８２１６６号公報等によ
り知られている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た各点滴監視装置においては、輸液が無くなったことを
ナースステーション等に設置されたセンター装置におい
て単に表示すると共に、アラーム等により知らせる機能
しか有さないために、患者毎に異なる輸液の種類や、適
正滴下速度の確認が病室内における看護婦サイドではで
きないために、輸液の過誤や思い込みによる点滴速度の
過誤のおそれがあり、また、病室内での点滴中、また
は、点滴を受けたままでの歩行中や車椅子等による移動
中、或いは、処置室での処置中に滴下速度の異常等が生
じた場合においても、これの対処はナースステーション
等に詰めている看護婦や医師に限られるために迅速な処
置が行なえない等の問題点があった。

【０００６】本発明は上記点に鑑みなされたもので、患
者に点滴する輸液の確認、適正滴下速度の調整及び維
持、滴下速度の異常、処置終了等を病室内は勿論のこと
点滴をしたままでの歩行中や車椅子等による移動中、或
いは、処置室での処置中でもその内容を表示すると共
に、ランプ点滅により知らせることのできる点滴監視装
置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を決するための手段】本発明は、点滴セットを構
成する点滴筒に設置され輸液の滴下速度を感知する滴下
センサと、患者識別とその処置内容及び前記滴下センサ
が感知した滴下速度を離れた場所に設置されたセンター
装置に送信し、センター装置からの情報を受信し表示す
る交信機能と、異常時及び処置終了時のランプ点滅機能
を有する滴下速度監視モニターとで点滴監視装置を構成
し、従来の問題点を解消したものである。

【０００８】点滴筒に設置された滴下センサは輸液の滴
下速度を感知する。滴下速度監視モニターは患者識別と
処置内容及び前記滴下センサが感知した滴下速度を病室
から離れた場所、例えば、ナースステーションに設置さ
れたセンサー装置に送信し、これをもとにセンター装置
から送信される適正処置を受信しこれを表示する。従っ
て、輸液の種類、適正滴下数等を看護婦が目視により確
認した上で点滴処置を施すことができるので、輸液の過
誤や点滴速度の思い込みによる過誤を確実に防止するこ
とができる。また、異常時や処置終了時にはこれを表示
すると共に、ランプ点滅により知らせ、同時に異常又は
処置終了をセンター装置に送信することで、病室内はも
とより点滴を受けながらの歩行中や車椅子等による移動
中、或いは、処置室での処置中であっても最寄りの看護
婦や医師、ナースステーションに詰めている看護婦によ
る処置が極めて迅速に行える。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
により説明する。図１は本発明の一実施の形態を示す説
明図、図２は点滴監視装置のブロック図で、図１及び図
２において１はホトセンサ等からなる滴下センサで、こ
の滴下センサ１は点滴セット２０を構成する点滴筒２３
にクリップ等により着脱自在に取り付けられる。なお、
滴下センサ１は輸液の滴下が目視により確認できる位置
に取り付けることが好ましく、また、複数の輸液ビンか
ら同時に点滴処置を施す場合には、点滴セット２０を構
成する点滴筒２３に個別に取り付けられる。

【００１０】２は滴下速度監視モニター、３ａ・・３ｎ
は滴下速度監視モニター２を構成する複数個のランプボ
タンで、点滴を行う箇所のランプボタンを押すことによ
り滴下速度監視モニター２は作動し、同時に離れた場所
（例えば、ナースステーション）に設置されたセンター
装置１５の表示部１７には、どのランプボタンが押され
て滴下速度監視モニター２が作動したかが表示される。
また、この各ランプボタン３ａ・・３ｎは点滴等が正常
に行われている場合には点灯状態にあり、滴下速度の異
常や処置終了時等には前述した滴下センサ１と連動した
ランプボタンのみが点滅する。４は滴下速度検出部で、
前述した滴下センサ１が感知した輸液の滴下数はこの滴
下速度検出部４によりカウントされ、また、輸液が無く
なったことを検出する。５は患者識別及び処置内容入力
部で、この患者識別及び処置内容入力部５に患者識別及
び処置内容をカード読み取り、バーコード、テンキー等
により入力する。６は液晶ディスプレイ等からなる表示
部で、この表示部６には適正滴下速度等の処置内容や点
滴中に生じた異常に対する処置内容等が簡潔に、且つ、
的確に表示される。７はコントロール部、８は送受信
部、９は滴下速度監視モニター２に設けられた取付部
で、この取付部９により滴下速度監視モニター２を後述
するガートル台２１に設けた輸液ビン垂下バー２１ａに
ボルト等により着脱自在に取り付けし得るようになって
いる。なお、滴下速度監視モニター２は病室に設置して
もよいことは勿論である。

【００１１】１５は病室と離れた場所、例えば、ナース
ステーションに設置された入出力、記憶、計算機能等を
有するセンター装置で、このセンター装置１５には患者
識別や処方内容（処方箋の指示による輸液の種別、単位
時間当たりの点滴量）等が入力される。１６は送受信部
で、この送受信部１６により前述した滴下速度監視モニ
ター２から送信される患者識別や処置内容を受信し、こ
れに対応した処置内容を滴下速度監視モニター２に送信
する。１７は表示部で、この表示部１７には滴下速度監
視モニター２から送信された患者識別や処置内容等が表
示される。１８は音響発生部で、異常が発生した場合や
点滴が終了した際に作動し、その内容は前記表示部１７
に表示される。

【００１２】なお、滴下速度監視モニター２とセンター
装置１５との交信は有線、無線、有線と無線の併用等に
より交信するもので、無線又は有線と無線を併用した場
合には、点滴を受けながらの歩行中や車椅子等による移
動中、処置室での処置中であっても滴下速度の異常や点
滴終了等を患者はもとより看護婦や医師に即時に知らせ
ることができる。

【００１３】２０は点滴セット、２１は点滴セット２０
を構成するガートル台、２１ａはガートル台２１に設け
られた輸液ビン２２を垂下する輸液ビン垂下バーで、前
述した滴下速度監視モニター２をこの垂下バー２１ａに
設置することにより、歩行中や車椅子等による移動中、
或いは、処置室での処置中であっても滴下速度の以上や
点滴終了を患者はもとより、最寄りの看護婦や医師、ナ
ースステーションに詰めている看護婦や医師に即時に知
らせることができるので、適切な処置が迅速に行える。
２３は点滴筒、２４は滴下速度を調整するためのクレン
メである。

【００１４】次に、点滴処置の具体例について説明す
る。

【００１５】先ず、ランプボタン３ａを押して滴下速度
監視モニター２を作動させる。ランプボタン３ａは点灯
状態を維持する。

【００１６】ランプボタン３ａを押して滴下速度監視モ
ニター２を作動させることにより、センター装置１５の
表示部１７には、ランプボタン３ａが押されて滴下速度
監視モニター２が作動したことが表示され、同時に患者
識別を要求する旨が滴下速度監視モニター２に送信され
る。

【００１７】滴下速度監視モニター２の表示部６には
「患者識別を入力して下さい」が表示される。この表示
に基づき患者識別を入力する。

【００１８】患者識別を受診したセンター装置１５は点
滴の必要があるか否かを入力された患者の処方箋指示に
従い滴下速度監視モニター２に送信する。

【００１９】滴下速度監視モニター２の表示部６には点
滴の必要の有無が表示され、点滴の必要がある場合には
「輸液ナンバー入力」が表示され、点滴の必要がない場
合には「点滴の必要無し」が表示される。「輸液ナンバ
ー入力」が表示された場合には輸液ナンバーを入力す
る。

【００２０】輸液ナンバーを受信したセンター装置１５
は入力された患者の処方箋指示に従い輸液ナンバーが適
切か否かを滴下速度監視モニター２に送信する。

【００２１】滴下速度監視モニター２の表示部６には
「点滴開始」、または、「輸液ナンバーチェック」が表
示される。「輸液ナンバーチェック」であれば再度輸液
ナンバーをセンター装置１５に送信しその判断を仰ぎ、
「点滴開始」であれば点滴を開始すると共に滴下速度を
クレンメ２４により調整する。

【００２２】この滴下速度はセンター装置１５に送信さ
れ、入力された患者の処方箋指示に従い適正滴下速度が
滴下速度監視モニター２に送信され、滴下速度監視モニ
ター２の表示部６に滴下速度が速すぎれば「＋＋＋」が
表示され、遅すぎれば「−−−」が表示され、同時にラ
ンプボタン３ａが点滅する。滴下速度が適正であれば
「○○○」が表示され、ランプボタン３ａは点灯状態を
維持する。表示部６に「○○○」が表示された場合には
点滴を続行し、「＋＋＋」又は「−−−」が表示された
場合には適正滴下速度「○○○」が表示されるようにク
レンメ２４により滴下速度を調整する。適正滴下速度
「○○○」が表示された時点でランプボタン３ａは点灯
状態となる。

【００２３】点滴が終了すると、滴下速度監視モニター
２の表示部６に「点滴終了」が表示されると共に、ラン
プボタン３が点滅する。同時に点滴終了がセンター装置
１５に送信され、センター装置１５の表示部１７には入
力された患者の処方箋指示に従い「点滴終了」、また
は、「継続する輸液有り」が表示され、同時にその指示
が滴下速度監視モニター２に送信される。この時点で看
護婦が病室におもむき点滴を終了し、または、継続して
患者に点滴を施す。

【００２４】前述した処置内容は滴下速度監視モニター
２の表示部６にも「点滴終了」、または、「継続する輸
液有り」と表示される。従って、病室におもむいた看護
婦は滴下速度監視モニター２の表示部６に表示された内
容を目視により確認し、「点滴終了」であれば点滴を終
了し、ランプボタン３ａを押して滴下速度監視モニター
２をＯＦＦにする。「継続する輸液有り」であれば、再
度、輸液ナンバーをセンター装置１５に送信し、輸液の
種類に応じた点滴速度をクレンメ２４により調整し点滴
を続行する。従って、看護に要する労力を著しく軽減す
ることができるばかりでなく、患者に施す輸液の過誤
や、思い込みによる滴下速度等の過誤を極めて有効に防
止し得る。

【００２５】而して、病室内での点滴中、または、点滴
を受けながらの歩行中や車椅子等による移動中、或い
は、処置室での処置中に滴下速度等に異常が生じた場合
には、この異常は滴下速度監視モニター２の表示部６に
表示されると共に、ランプボタン３ａが点滅する。同時
に、この異常はセンター装置１５に送信され、センター
装置１５の表示部１７に表示されると共に音響発生部１
８が作動して音声等によりナースステーションに詰めて
いる看護婦や医師に異常が知らされる。従って、患者の
付近に居る看護婦や医師、ナースステーションに詰めて
いる看護婦や医師による処置が極めて迅速に行えるの
で、患者の精神的不安を極めて有効に解消し得る。

【００２６】また、点滴中に中断を余儀なくされた場合
であっても、滴下速度監視モニター２とセンター装置１
５との交信により病室内はもとより、歩行中等の患者に
適切な処置を施すことができる。

【００２７】なお、以上は滴下センサ１と連動したラン
プボタン３ａによる点滴処置について説明したが、複数
の輸液ビン２２・・２２から異なる輸液を同時に点滴す
る場合には、前述したように点滴筒２３・・２３に個別
に滴下センサ１・・１を取り付け、ランプボタン３ａ・
・３ｎにより点滴処置を施す。この場合、ランプボタン
３ａ・・３ｎ毎に処置内容（輸液ナンバー等）を滴下速
度監視モニター２からセンター装置１５に順次送信し、
センター装置１５から順次送信される処置内容により点
滴処置を施す。この処置内容は滴下速度監視モニター２
の表示部６に表示されるので、これを目視により確認し
ながら点滴処置を施すことにより、輸液の過誤や点滴速
度の思い込みによる過誤は確実に防止される。また、点
滴終了や異常時には、ランプボタンのナンバーと処置内
容が表示部６に表示され、表示されたランプボタンは点
滅する。同時にナースステーション等に設置されたセン
ター装置１５の表示部１７にもランプボタンのナンバー
と処置内容が表示されるので、歩行中や車椅子等による
移動中、或いは、処置室での処置中であっても看護婦や
医師による処置が極めて迅速に行える。

【００２８】また、本発明は前述した実施の形態に限定
されるものではなく、滴下速度監視モニター２に体温、
脈拍、血圧、尿（便）の回数等の数値を入力する機能を
持たせ、この情報をセンター装置に送信することによ
り、患者の様体等をセンター装置においてリアルタイム
に把握することができる。

【００２９】

【発明の効果】本発明によれば上述のように、患者に施
す輸液の確認、適正滴下速度の調整維持、異常が発生し
た場合の迅速な対応処置は勿論のこと、患者に与える不
安の解消及び患者看護に携わる看護婦の労働負担を著し
く軽減し得る等の優れた利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態を示す説明図。

【図２】本発明の実施の形態を示すブロック図。

【符号の説明】

１ 滴下センサ ２ 滴下速度監視モニター ３ａ・・３ｎ ランプボタン ４ 滴下速度検出部 ５ 患者識別及び処置内容入力部 ６ 表示部 ７ コントロール部 ８ 送受信部 ９ 取付部 １５ センター装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 点滴セットを構成する点滴筒に設置され
   輸液の滴下速度を感知する滴下センサと、 患者識別とその処置内容及び前記滴下センサが感知した
   滴下速度を離れた場所に設置されたセンター装置に送信
   し、センター装置からの情報を受信し表示する交信機能
   と、異常時及び処置終了時のランプ点滅機能を有する滴
   下速度監視モニターとからなることを特徴とする点滴監
   視装置。