JPH09298690A - 固体撮像素子 - Google Patents

固体撮像素子

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JPH09298690A
JPH09298690A JP8109865A JP10986596A JPH09298690A JP H09298690 A JPH09298690 A JP H09298690A JP 8109865 A JP8109865 A JP 8109865A JP 10986596 A JP10986596 A JP 10986596A JP H09298690 A JPH09298690 A JP H09298690A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な回路構成で、光電変換素子での受光量
に応じて、高精度のデジタルデータを出力する固体撮像
素子を提供する。 【解決手段】 光電変換素子100が受光すると、受光
光量に応じた電荷が発生し、電流信号として出力され
る。このとき、暗電流除去回路700によって暗電流を
除去する。この電流信号は、積分回路220に入力して
時間積分される。一方、ステップ電荷発生器230は、
クロック信号CLK1およびクロック信号CLK2に応
じて、基準電位+Vrefまたは基準電位−Vrefの
一方に応じた電荷を発生して、クロック信号に同期して
帰還容量素子221に電荷を供給する。積分回路220
で、帰還容量素子221に光電変換素子で発生した電荷
蓄積して積分動作を実行しつつ、ステップ電荷を供給し
てΣΔ変調を実行する。ΣΔ変調の結果からAD変換値
を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光電変換素子にお
ける受光量をデジタルデータとして出力する固体撮像素
子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、画像処理技術の普及に伴い光電変
換機能を有するMOS型固体撮像デバイスなどが開発さ
れており、これらを利用した種々の固体撮像装置が知ら
れている。そして、画像の高解像度化の要請に伴い、撮
像時の画素を構成するフォトダイオードを微細化すると
ともに、撮像面積の確保のために多数のフォトダイオー
ドを使用する傾向にある。
【0003】しかし、フォトダイオードの数が増加する
と、高速処理のためには、フォトダイオードの受光量と
いうアナログ値を、画像処理演算にあたって好適なデー
タ形態であるデジタル値に変換するアナログデジタル変
換器(以後、AD変換器と呼ぶ)が必然的に増大するこ
とになる。
【0004】そこで、フォトダイオードから電流信号と
して出力される電荷を増幅する電荷増幅器やAD変換器
を集積してアレイ化して、低コスト化および小型化を目
指す提案がなされている。電荷増幅器の回路方式はほぼ
確立されているので、集積化にあたっての工夫は、AD
変換器の回路方式に集中している。
【0005】こうした提案の1つが、「S.L.Garverick
et al., Journal of Solid-State Circuits, Vol.30, N
o.5, May 1995, pp.533-541」(以後、従来例1と呼
ぶ)になされている。従来例1では、受光の結果として
フォトダイオードで発生した電荷を、電荷増幅器を使用
し、帰還容量素子に蓄積して電圧信号に変換し、この電
圧値をホールドする。この後、全アレイに共通な階段状
に変化する電圧信号の電圧値との比較を逐次行うことに
より(いわゆる、デュアルスロープAD変換方式によ
り)、AD変換を行っている。
【0006】また、Burr−Brown社から、CT
(Computer Tomography)用フォトダイオード読み出し
専用のAD変換器として、型名「DDC101」(以
後、従来例2と呼ぶ)が発表されている。従来例2は、
AD変換にΔ変調器の原理を応用したものであり、各動
作は、積分時間に比べて数十分の1から数百分の1とい
う周期の高速クロックに同期して行われる。
【0007】すなわち、高速クロック信号のクロック周
期の切り替わりごとに、小刻みにステップ電圧を発生し
て容量素子に印加する。その結果として生じる容量の蓄
積電荷の変化量をフォトダイオードからの電荷量と比較
し、電荷の過不足分を次回のクロック周期で補正してい
く。そして、各クロック周期での比較の結果に応じて
「0」または「1」のデジタル信号パルス列を発生す
る。そして、このデジタル信号パルス列をデジタルフィ
ルタ(FIRフィルタ等)を通過させて、高精度のAD
変換結果を得ている。
【0008】また、AD変換にΣΔ変調器の原理を応用
した技術が、「R.H.Nixon et al.,Proc. SPIE, vol.190
0, 1993, pp.31-39」(以後、従来例3と呼ぶ)に開示
されている。従来例3では、各画素に対応するフォトダ
イオードで発生した電荷量を電圧信号に変換した上でホ
ールドする。このホールド結果に、1段のΣΔ変調器で
1次のΣΔ変調を施し、変調結果である「0」または
「1」のデジタル信号パルス列の「1」のパルスの総数
をカウンタで計数して、AD変換値を得ている。
【0009】また、ΣΔ変調器の原理を応用したAD変
換器の技術が、特開平6−237175号公報(以後、
従来例4と呼ぶ)に開示されている。従来例4では、電
圧信号を入力して、2段のΣΔ変調器で2次のΣΔ変調
を施し、変調結果である「0」または「1」のデジタル
信号パルス列を出力するとともに、AD変換結果である
デジタル信号パルス列の「1」のパルスの総数に対応し
た電圧信号をデジタルアナログ変換器で発生して、ΣΔ
変調器の基準電圧に加えることで、ΣΔ変調器のオフセ
ットを除去している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の固体撮像素子は
上記のように構成されるので、以下のような問題点があ
った。
【0011】従来例1では、比較対象となる階段状の電
圧信号にノイズが重畳した場合には、その影響を除去す
ることが出来ないので、安定して変換精度を維持するこ
とが困難である。
【0012】また、従来例1では、変換精度、すなわ
ち、AD変換の分解能を向上しようとすると、変換時間
を長くする必要があるが、X線CT用フォトダイオード
読み出し専用のAD変換器として用いられる場合、撮像
対象への曝射量を下げる必要性を考慮すると、むやみに
は変換時間を長くすることができない。結果として、変
換精度が制約されることになる。
【0013】従来例2の方式では、ステップ電圧が印加
される容量に如何に正確にステップ電荷量を付与するか
が技術的なポイントとなるが、従来例2では、電荷蓄積
量に相当する値をデジタル値として保存するとともに、
当該容量を構成する容量素子アレイに電荷蓄積量を付与
するため、回路サイズが大きくなってしまう。すなわ
ち、従来例2は、本来、単素子のフォトダイオードを目
的として提案されている技術であり、多素子の集積化に
は向いていない。
【0014】また、従来例2では、Δ変調を採用するが
故に、光電変換素子からの電流値の変化量が小さい場合
には高精度を実現できるが、光電変換素子からの電流値
の変化量が大きい場合には、変換の直線性が悪くなって
しまう。
【0015】従来例3では、フォトダイオードで発生し
た電荷量を、一旦、電圧に変換してホールドした後、Σ
Δ変調器へ入力するので、ホールドされた直流電圧に対
してしかオーバサンプリングが行われない。この結果、
積分期間の最中に発生したノイズはそのまま蓄積される
ことになり、安定して変換精度を維持することが困難で
ある。
【0016】また、従来例3では、一般にΣΔ変調器に
はオフセット電圧が存在するので、積分にあたっては、
このオフセット電位が一緒に積分されることとなるた
め、変換精度が低下してしまう。
【0017】こうした、オフセット電圧に関する問題点
は、従来例4のΣΔ変調型AD変換器では解消している
が、解消手段にDA変換器を使用するため、回路規模が
大きくなり、集積化には向いていない。
【0018】また、従来例1〜3では、いずれもフォト
ダイオード特有の問題である暗電流については何等の対
策を施していない。この結果、比較的受光面積が大きな
フォトダイオードを使用する場合には暗電流が増える
が、従来例1〜3では、暗電流と信号電流とを区別する
手段を有さないが故に、精度の良い撮像結果を得ること
ができない。
【0019】本発明は、上記を鑑みてなされたものであ
り、簡易な回路構成で、光電変換素子での受光量に応じ
て、暗電流の影響を低減して、高精度のデジタルデータ
を出力する固体撮像素子を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の固体撮像素子
は、暗電流を除去しつつ、ΣΔ変調を行う方式を採用す
るとともに、信号入力時にΣΔ変調器のオフセット電位
が本来的には問題とならない、直接電流入力方式を採用
して、高精度のデジタルデータを出力する固体撮像素子
を実現するものである。
【0021】すなわち、請求項1の固体撮像素子は、
(a)第1の基準電位と第2の基準電位との間の第3の
基準電位に第1の端子が設定され、受光量に応じた電荷
を発生するとともに第2の端子から電荷を流出する、少
なくとも1つの光電変換素子と、(b)光電変換素子の
暗電流を除去する暗電流除去回路と、(c)光電変換素
子の信号出力端子と第1の端子とが直接電気的に接続さ
れる第1の帰還容量素子と、(d)光電変換素子の信号
出力端子と信号入力端子とが直接電気的に接続され、出
力端子が第1の帰還容量素子の第2の端子と接続された
第1の電荷増幅器と、(e)第1の基準電位と第2の基
準電位とから、ステップ電荷を発生し、第1の帰還容量
素子にステップ電荷を供給する第1のステップ電荷発生
器と、(f)第1の電荷増幅器から出力された第1の積
分電圧信号を入力し、第1の積分電圧信号の電位と第3
の基準電位とを比較し、比較結果に応じた比較結果信号
を出力する電位比較器と、(g)比較結果信号を入力
し、比較結果信号を2値サンプルする2値サンプル回路
と、(h)第1のクロック信号と、第1のクロック信号
が有意レベルでは非有意であり、第1のクロック信号の
非有意レベル期間の一部の期間で有意となる第2のクロ
ック信号とを発生し、第1のステップ電荷発生器へ向け
て前記第1のクロック信号と第2のクロック信号とを出
力するとともに、2値サンプル回路に向けて前記第1の
クロック信号を出力する基本タイミング発生回路とを備
えることを特徴とする。
【0022】ここで、暗電流除去回路は、(i)第1の
電荷増幅器の信号入力端子にソース端子が接続されると
ともに、ドレイン端子が第3の基準電位に設定されたM
OS等の電界効果トランジスタ(FET)と、(ii)電
界効果トランジスタのゲート端子と第1の端子が接続さ
れるとともに、第2の端子が第3の基準電位に設定され
た暗電流記憶容量素子と、(iii)暗電流記憶容量素子
の第1の端子と第1の端子が接続され、第1の電荷増幅
器の出力端子と第2の端子が接続された電流保持用スイ
ッチ素子とを備えて、好適に構成可能である。
【0023】また、2値サンプル回路からの出力信号を
入力し、2値サンプル回路からの出力信号と2値サンプ
ル回路からの出力信号の反転信号を、ステップ電荷発生
指示として第1のステップ電荷発生器へ向けて出力する
第1のステップ電荷発生制御回路を更に備えることが好
適である。
【0024】請求項1の固体撮像素子では、受光に先立
って、暗電流成分検出期間である所定の期間にわたっ
て、光電変換素子を受光しない状態に設定し、この期間
にわたって暗電流と検出し、この暗電流量を暗電流除去
回路に記憶するとともに、記憶した暗電流量と同一の量
の電流を、常時、電荷増幅器への入力電流から除去す
る。
【0025】たとえば、光電変換素子を受光しない状態
で電流保持用スイッチ素子を閉じて、このとき発生して
いる暗電流量に応じた電圧を暗電流記憶容量素子に発生
される。この電圧は電界効果トランジスタのゲート端子
に印加されるので、暗電流は電界効果トランジスタのソ
ースからドレインを介して流れる。
【0026】次いで、電流保持用スイッチ素子を開く
と、その時点での暗電流記憶容量素子で発生した電圧が
保持され、この後に、暗電流は電荷増幅器への入力電流
から除去される。以後、この状態で撮像を実施する。
【0027】光電変換素子が受光すると、受光量に応じ
た電荷が発生し、電流信号として出力される。そして、
この電流信号は、第1の帰還容量素子と第1の電荷増幅
器とで構成される第1の積分回路に入力し、時間積分さ
れる。
【0028】ここで、光電変換素子の信号出力端子と第
1の帰還容量素子の第1の端子および第1の電荷増幅器
の信号入力端子とは直接電気的に接続されており、電流
の積分作用自体はオフセット電圧の影響を本来的に受け
ないものなので、上記の積分動作の結果出力される電圧
値は、オフセット電圧の影響を一切受けない。
【0029】なお、上記の「直接電気的に接続される」
とは、信号伝達経路に信号の態様を変化させる部品(抵
抗素子、インダクタ素子、容量素子、増幅器、減衰器な
ど)が存在しないことをいい、信号伝達経路に一切の部
品がないこと、および、スイッチ素子のみが信号伝達に
あたって介在することをいう。
【0030】一方、第1のステップ電荷発生器には、基
本タイミング発生回路から供給された第1のクロック信
号および第2のクロック信号に応じて、第1の基準電位
または第2の基準電位の一方に応じた電荷を発生して、
クロック信号に同期して第1の帰還容量素子に電荷を注
入する(あるいは、第1の帰還容量素子から電荷を抜き
取る)。ここで、電荷の発生については、2値サンプル
回路から供給された2値サンプル回路の出力信号および
その反転信号に応じて、第1の基準電位または第2の基
準電位の一方に応じた電荷を発生することが好適であ
る。
【0031】こうして、第1の積分回路で、第1の帰還
容量素子に光電変換素子で発生した電荷を蓄積して積分
動作を実行しつつ、基本タイミング発生回路が発生する
タイミングの周期ごとに第1の帰還容量素子に更に電荷
を蓄積したり、第1の帰還容量素子から電荷を抜き取っ
たりして、ΣΔ変調を実行する。ΣΔ変調の結果は、第
1の帰還容量素子に蓄積された電荷量に応じた第1の電
荷増幅器の出力電圧である第1の積分回路の出力信号と
して得られる。すなわち、第1の積分回路と第1のステ
ップ電荷発生器とで、オフセット電圧の影響の無い、電
流入力の第1のΣΔ変調器を構成している。
【0032】第1の電荷増幅器から出力された第1の積
分電圧信号は、電位比較器に入力する。電位比較器は、
入力した第1の積分電圧信号の電位と第3の基準電位と
を比較し、比較結果に応じた、2値化された比較結果信
号を出力する。この比較信号は、2値サンプル回路に入
力し、基本タイミング発生回路が発生するタイミングの
周期と同一の周期で(例えば、第1のクロック信号に同
期して)サンプルされて、「0」または「1」を表すデ
ジタル信号列として出力される。このデジタル信号列を
処理する(例えば、積分期間の「1」の数を計数する)
ことによりAD変換結果を得ることができる。
【0033】請求項1の固体撮像素子では、第1のステ
ップ電荷発生器を、(i)第1の基準電位を第1の端子
から入力し、前記2値サンプル回路からの出力信号に応
じて開閉する第1のスイッチ素子と、(ii)第2の基準
電位を第1の端子から入力し、2値サンプル回路からの
出力信号の反転信号に応じて開閉する第2のスイッチ素
子と、(iii)第3の基準電位を第1の端子から入力
し、第1のクロック信号に応じて開閉する第3のスイッ
チ素子と、(iv)第3の基準電位を第1の端子から入力
し、第1のクロック信号に応じて開閉する第4のスイッ
チ素子と、(v)第3のスイッチ素子の第2の端子に第
1の端子が接続され、第4のスイッチ素子の第2の端子
に第2の端子が接続された第1のステップ電荷発生用容
量素子と、(vi)第1のステップ電荷発生用容量素子の
第1の端子と第1の端子が接続され、第1の電荷増幅器
の入力端子と第2の端子が接続されるとともに、第2の
クロック信号に応じて開閉する第5のスイッチ素子と、
(vii)第1のスイッチ素子の第2の端子および第2の
スイッチ素子の第2の端子と第1の端子が接続され、第
1のステップ電荷発生用容量素子の第2の端子と第2の
端子が接続されるとともに、第2のクロック信号に応じ
て開閉する第6のスイッチ素子とを備えて好適に構成さ
れる。
【0034】上記の第1のステップ電荷発生器によれ
ば、第1のクロック信号が有意になると、第3のスイッ
チ素子および第4のスイッチ素子が閉じて、第1のステ
ップ電荷発生用容量素子の両端の電位が第3の基準電位
となるので、第1のステップ電荷発生用容量素子に蓄積
される電荷は零となる。第1のクロック信号が有意とな
り、第3のスイッチ素子および第4のスイッチ素子が開
いた後に第2のクロック信号が有意となると、第5のス
イッチ素子および第6のスイッチ素子が閉じる。この結
果、第1のステップ電荷発生用容量素子には、第1の基
準電位または第2の基準電位のいずれか一方に応じたス
テップ電荷が発生することとなる。
【0035】ステップの電荷の発生に応じて、第1の帰
還容量素子にステップ電荷分だけ電荷が付与されたり、
第1の帰還容量素子からステップ電荷分だけ電荷が除去
されたりする。この結果、上記の第1の積分回路と共働
して、好適にΣΔ変調を実行する。
【0036】請求項5の固体撮像素子は、請求項1の固
体撮像素子において、第1の電荷増幅器と電位比較器と
の間に、(a)第1の積分信号を指示されたタイミング
でサンプルし、交流成分を出力する信号サンプル回路
と、(b)信号サンプル回路から出力された信号を第1
の端子から入力する第2の帰還容量素子を有する帰還容
量回路と、(c)信号サンプル回路から出力された信号
を入力端子から入力し、出力端子が第2の帰還容量回路
と接続された第2の電荷増幅器と、(d)第1の基準電
位と第2の基準電位とから、ステップ電荷を発生し、第
2の帰還容量素子にステップ電荷を供給する第2のステ
ップ電荷発生器とを更に備え、電位比較器は、第2の電
荷増幅器から出力された第2の積分信号を入力すること
を特徴とする。
【0037】ここで、2値サンプル回路からの出力信号
を入力し、2値サンプル回路からの出力信号と2値サン
プル回路からの出力信号の反転信号とを、ステップ電荷
発生指示として第1のステップ電荷発生器および第2の
ステップ電荷発生器へ向けて出力する第2のステップ電
荷発生制御回路を更に備えることが好適である。
【0038】請求項5の固体撮像素子では、帰還増幅回
路および第2の電荷増幅器とからなる第2の積分回路と
第2のステップ電荷発生器とで、電圧入力の第2のΣΔ
変調器を構成している。
【0039】そして、第1のΣΔ変調器から出力された
変調結果を、更に、第2のΣΔ変調器でΣΔ変調する。
この結果、通常は1段のΣΔ変調で発生する、光電変換
素子の電流放出に伴う出力基準電位の変化を解消する。
この結果、後の第3の基準電位との比較により、精度良
くAD変化値を得ることができる。
【0040】請求項5の固体撮像素子では、第1のΣΔ
変調器から出力信号を、信号サンプル回路で、第1のク
ロック信号および第2のクロック信号に同期してサンプ
ルし、サンプル結果として発生した電荷を第2の積分回
路で蓄積して積分する。
【0041】一方、第2のステップ電荷発生器には、基
本タイミング発生回路から供給された第1のクロック信
号および第2のクロック信号に応じて、第1の基準電位
または第2の基準電位の一方に応じた電荷を発生して、
クロック信号に同期して第2の帰還容量素子に電荷を注
入する(あるいは、第2の帰還容量素子から電荷を抜き
取る)。ここで、電荷の発生については、2値サンプル
回路から供給された2値サンプル回路の出力信号および
その反転信号に応じて、第1の基準電位または第2の基
準電位の一方に応じた電荷を発生することが好適であ
る。
【0042】こうして、第2の積分回路で、第2の帰還
容量素子に第1のΣΔ変調器の出力のサンプルで発生し
た電荷を蓄積して積分動作を実行しつつ、基本タイミン
グ発生回路が発生するタイミングの周期ごとに第2の帰
還容量素子に更に電荷を蓄積したり、第2の帰還容量素
子から電荷を抜き取ったりして、ΣΔ変調を実行する。
ΣΔ変調の結果は、第2の帰還容量素子に蓄積された電
荷量に応じた第2の電荷増幅器の出力電圧である第2の
積分回路の出力信号として得られる。
【0043】第2の電荷増幅器から出力された第2の積
分電圧信号は、電位比較器に入力する。電位比較器は、
入力した第2の積分電圧信号の電位と第3の基準電位と
を比較し、比較結果に応じた、2値化された比較結果信
号を出力する。この比較信号は、2値サンプル回路に入
力し、基本タイミング発生回路が発生するタイミングの
周期と同一の周期で(例えば、第1のクロック信号に同
期して)サンプルされて、「0」または「1」を表すデ
ジタル信号列として出力される。このデジタル信号列を
処理する(例えば、積分期間の「1」の数を計数する)
ことによりAD変換結果を得ることができる。
【0044】請求項5の固体撮像素子では、信号サンプ
ル回路を、(i)第1の電荷増幅器の出力端子と第1の
端子が接続され、第1のクロック信号に応じて開閉する
第7のスイッチ素子と、(ii)第7のスイッチ素子の第
2の端子と第1の端子が接続され、第2の電荷増幅器の
入力端子と第2の端子が接続された信号伝達用容量素子
とを備えて構成することが可能である。
【0045】この場合、第2のステップ電荷発生器は、
(i)第1の基準電位を第1の端子から入力し、2値サ
ンプル回路からの出力信号に応じて開閉する第8のスイ
ッチ素子と、(ii)第2の基準電位を第1の端子から入
力し、2値サンプル回路からの出力信号の反転信号に応
じて開閉する第9のスイッチ素子と、(iii)第8のス
イッチ素子の第2の端子および第9のスイッチ素子の第
2の端子と第1の端子が接続され、信号伝達用容量素子
の第1の端子と第2の端子が接続されるとともに、第2
のクロック信号に応じて開閉する第10のスイッチ素子
とを備え、帰還容量回路は、(i)第2の電荷増幅器の
信号入力端子に第1の端子が接続された第2の帰還容量
素子と、(ii)第2の帰還容量素子の第2の端子と第1
の端子が接続され、第2の電荷増幅器の出力端子と第2
の端子が接続されるとともに、第1のクロック信号の反
転信号に応じて開閉する第11のスイッチ素子と、(ii
i)第2の電荷増幅器の信号入力端子に第1の端子が接
続され、第2の電荷増幅器の出力端子に第2の端子が接
続されるとともに、第1のクロック信号に応じて開閉す
る第12のスイッチ素子とを備えることが好適である。
【0046】上記の信号サンプル回路と第2のステップ
電荷発生器と帰還容量回路との組合せによれば、第1の
クロック信号に応じて、第1のΣΔ変調器の出力信号を
信号サンプル回路でサンプルしている間には、第12の
スイッチ素子が閉じて第2の電荷増幅器の入力端子と出
力端子とは短絡しており、オフセット電圧が発生してい
る。しかし、この期間では、第11のスイッチ素子は開
いているので、第2の帰還容量素子に蓄積された電荷は
そのまま保存されている。また、信号伝達用容量素子の
第2の端子は第2の電荷増幅器の入力端子に接続された
ままであるので、オフセット電圧が印加されたままであ
る。したがって、第12のスイッチ素子が開いた後、第
2のクロック信号に応じて第11のスイッチ素子が閉
じ、第2の帰還容量素子に電荷を蓄積する状態に遷移し
ても、オフセット電圧の影響は現れない。こうして、オ
フセット影響の無いΣΔ変調が実行される。
【0047】また、請求項5の固体撮像素子では、信号
サンプル回路を、(i)第1の電荷増幅器の出力端子と
第1の端子が接続され、第1のクロック信号に応じて開
閉する第13のスイッチ素子と、(ii)第13のスイッ
チ素子の第2の端子と第1の端子が接続された信号伝達
用容量素子と、(iii)信号伝達用容量素子の第2の端
子と第1の端子が接続され、第2の電荷増幅器の信号入
力端子に第2の端子が接続されるとともに、第2のクロ
ック信号に応じて開閉する第14のスイッチ素子と、
(iv)第3の基準電位を第1の端子から入力し、信号伝
達用容量素子の第1の端子と第2の端子が接続されると
ともに、第2のクロック信号に応じて開閉する第15の
スイッチ素子と、(v)第3の基準電位を第1の端子か
ら入力し、信号伝達用容量素子の第2の端子と第2の端
子が接続されるとともに、第1のクロック信号に応じて
開閉する第16のスイッチ素子とを備えて構成すること
ができる。
【0048】この場合、第2のステップ電荷発生器は、
(i)第1の基準電位を第1の端子から入力し、2値サ
ンプル回路からの出力信号に応じて開閉する第17のス
イッチ素子と、(ii)第2の基準電位を第1の端子から
入力し、2値サンプル回路からの出力信号の反転信号に
応じて開閉する第18のスイッチ素子と、(iii)第3
の基準電位を第1の端子から入力し、第1のクロック信
号に応じて開閉する第19のスイッチ素子と、(iv)第
3の基準電位を第1の端子から入力し、第1のクロック
信号に応じて開閉する第20のスイッチ素子と、(v)
第19のスイッチ素子の第2の端子に第1の端子が接続
され、第20のスイッチ素子の第2の端子に第2の端子
が接続された第2のステップ電荷発生用容量素子と、
(vi)第2のステップ電荷発生用容量素子の第1の端子
と第1の端子が接続され、第2の電荷増幅器の入力端子
と第2の端子が接続されるとともに、第2のクロック信
号に応じて開閉する第21のスイッチ素子と、(vii)
第17のスイッチ素子の第2の端子および第18のスイ
ッチ素子の第2の端子と第1の端子が接続され、第2の
ステップ電荷発生用容量素子の第2の端子と第2の端子
が接続されるとともに、第2のクロック信号に応じて開
閉する第22のスイッチ素子とを備え、帰還容量回路
は、前記第2の電荷増幅器の信号入力端子に第1の端子
が接続され、前記第2の電荷増幅器の出力端子に第2の
端子が接続された前記第2の帰還容量素子を備えること
が好適である。
【0049】上記の信号サンプル回路と第2のステップ
電荷発生器と帰還容量回路との組合せによれば、信号サ
ンプル回路で、第1のクロック信号に応じて第13のス
イッチ素子と第16のスイッチ素子が閉じて、第1のΣ
Δ変調器の出力信号をサンプルする時には、信号伝達用
容量素子の第2の端子は第3の基準電位に設定されてい
る。また、第13のスイッチ素子と第16のスイッチ素
子が開いた後、第2のクロック信号に応じて第14のス
イッチ素子と第15のスイッチ素子とが閉じて、第2の
帰還容量素子へ電荷を転送している間は、信号伝達用容
量素子の第1の端子は第3の基準電位に設定されてい
る。したがって、サンプル時と電荷転送時の間でオフセ
ット電圧差は発生せず、オフセット電圧に影響されない
ΣΔ変調が実行される。
【0050】請求項11の固体撮像素子は、請求項1記
載の固体撮像素子において、2値サンプル回路から出力
された、デジタルデータ信号列を入力して、デジタルフ
ィルタリングを施したデータ信号を出力する、デジタル
フィルタ回路を更に備えることを特徴とする。
【0051】請求項11の固体撮像素子によれば、2値
サンプル回路から出力された、デジタルデータ信号列に
デジタルフィルリングを施した後、データとして得るの
で、精度の良いAD変換を実行できる。
【0052】請求項12の固体撮像素子は、請求項1の
固体撮像素子において、第1の帰還容量素子の容量値と
第1のステップ電荷発生用容量素子の容量値とは、前記
光電変換素子の出力電流の時間変化特性に応じて選択さ
れることを特徴とする。
【0053】請求項12の固体撮像素子によれば、採用
する光電変換素子の電流レンジに応じて、変換精度と変
換速度との観点から、第1の帰還容量素子の容量値と第
1のステップ電荷発生用容量素子の容量値が選択される
ので、最適な変換精度と変換速度とを達成できる。な
お、第1の帰還容量素子の容量値と第1のステップ電荷
発生用容量素子の容量値との比を一定として、種類の異
なる第1の帰還容量素子と第1のステップ電荷発生用容
量素子とを対で用意しておき、これらの対の中から選択
できる構成とすることが好適である。
【0054】請求項13の固体撮像素子は、請求項1記
載の固体撮像素子において、光電変換素子は複数、か
つ、1次元または2次元状に配列されるとともに、第1
の帰還容量素子の第1の端子に接続される、1つの前記
光電変換素子を選択する選択回路を更に備えることを特
徴とする。
【0055】ここで、選択回路は、(i)光電変換素子
を所定の順序、または、(ii)ランダムな順序で選択す
ることとすることが可能である。
【0056】請求項13の固体撮像素子によれば、1つ
のAD変換器で、複数の光電変換素子に関するAD変換
を行うので、実装するAD変換器を低減でき、集積化が
容易となる。
【0057】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の固体撮像素子の実施の形態を説明する。なお、図面の
説明にあたって同一の要素には同一の符号を付し、重複
する説明を省略する。
【0058】(第1実施形態)図1は、本発明の固体撮
像素子の第1の実施形態の回路構成図である。本実施形
態では、1段のΣΔ変調を行ってAD変換を実行する。
図1に示すように、本実施例の固体撮像素子は、(a)
カソードが接地され、受光量に応じた電荷を発生し、ア
ノードから電荷を流出するフォトダイオード100と、
(b)フォトダイオード100の暗電流を除去する暗電
流除去回路700と、(c)フォトダイオード100か
ら出力された電流信号を入力し、流入した電荷を積分す
るとともに、ΣΔ変調をするΣΔ変調器210と、
(d)ΣΔ変調器210から出力された変調信号MSを
入力し、変調信号MSの電位と接地電位とを比較し、比
較結果に応じた2値の比較結果信号CMPを出力する比
較器300と、(e)比較結果信号CMPを入力し、ク
ロックCLK1に同期してサンプルし、2値のデジタル
信号D1を出力する2値サンプル回路400と、(f)
信号D1を入力し、信号D1と信号D1の反転信号D1
*とを、ΣΔ変調器210へ向けて出力するステップ電
荷発生制御回路460と、(g)デジタル信号D1を入
力し、デジタルフィルタリングを施した後、AD変換結
果を得るデジタルフィルタ回路500と、(h)クロッ
ク信号CLK1と、クロック信号CLK1が有意レベル
では非有意であり、クロック信号CLK1の非有意レベ
ル期間の一部の期間で有意となるクロック信号CLK2
とを発生し、ΣΔ変調器210へ向けてクロック信号C
LK1とクロック信号CLK2とを出力するとともに、
2値サンプル回路400およびデジタルフィルタ回路5
00に向けてクロック信号CLK1を出力し、リセット
信号RST、および電流保持指示信号IHを出力する基
本タイミング発生回路610とを備える。
【0059】暗電流除去回路700は、(i)電荷増幅
器222の信号入力端子にソース端子が接続されるとと
もに、ドレイン端子が接地されたMOS等の電界効果ト
ランジスタ(FET)710と、(ii)電界効果トラン
ジスタ710のゲート端子と第1の端子が接続されると
ともに、第2の端子が接地された暗電流記憶容量素子7
20と、(iii)暗電流記憶容量素子720の第1の端
子と第1の端子が接続され、電荷増幅器222の出力端
子と第2の端子が接続されるとともに、電流保持指示信
号IHに応じて開閉する電流保持用スイッチ素子730
とを備える。
【0060】ΣΔ変調器210は、(i)フォトダイオ
ード100からの電荷を蓄積して積分する積分回路22
0と、(ii)基準電位+Vrefと基準電位−Vref
とに基づいて、クロック信号CLK1およびクロック信
号CLK2に同期してステップ電荷を発生し、積分回路
220に供給するステップ電荷発生器230とを備え
る。
【0061】積分回路220は、(i)フォトダイオー
ド100の電流出力端子と第1の端子とが直接電気的に
接続される帰還容量素子221(容量値=C11)と、
(ii)フォトダイオード100の電流出力端子と信号入
力端子(以後、単に入力端子とも呼ぶ)である負入力端
子とが直接電気的に接続されるとともに、正入力端子が
フォトダイオード100のカソードの電位と同一電位と
すべく接地され、出力端子が帰還容量素子221の第2
の端子と接続された電荷増幅器222と、(iii)電荷
増幅器222の入力端子と第1の端子が接続され、電荷
増幅器222の出力端子と第2の端子が接続されるとと
もに、リセット信号RSTに応じて開閉するスイッチ素
子223とを備える。
【0062】ステップ電荷発生器230は、(i)基準
電位+Vrefを第1の端子から入力し、信号D1に応
じて開閉するスイッチ素子231と、(ii)基準電位−
Vrefを第1の端子から入力し、反転信号D1*に応
じて開閉するスイッチ素子232と、(iii)第1の端
子が接地され、クロック信号CLK1に応じて開閉する
スイッチ素子233と、(iv)第1の端子が接地され、
クロック信号CLK1に応じて開閉するスイッチ素子2
34と、(v)スイッチ素子233の第2の端子に第1
の端子が接続され、スイッチ素子234の第2の端子に
第2の端子が接続されたステップ電荷発生用容量素子2
35(容量値=C12)と、(vi)ステップ電荷発生用
容量素子235の第1の端子と第1の端子が接続され、
電荷増幅器222の入力端子と第2の端子が接続される
とともに、クロック信号CLK2に応じて開閉するスイ
ッチ素子236と、(vii)スイッチ素子231の第2
の端子およびスイッチ素子232の第2の端子と第1の
端子が接続され、ステップ電荷発生用容量素子235の
第2の端子と第2の端子が接続されるとともに、クロッ
ク信号CLK2に応じて開閉するスイッチ素子237と
を備える。
【0063】2値サンプル回路400は、データ入力端
子に比較結果信号CMPを入力するとともに、トリガ端
子にクロック信号CLK1を入力し、クロック信号CL
K1の立ち上がり時に比較結果信号CMPをサンプルし
て、データ出力端子から出力するとともに、リセット信
号RSTによってデータ出力端子をリセット可能なD型
フリップフロップを備える。
【0064】ステップ電荷発生制御回路460は、信号
D1を入力して反転出力するインバータを備える。
【0065】図2は、デジタルフィルタ回路500の回
路構成図である。図2に示すように、デジタルフィルタ
回路500は、(i)クロック信号CLK1をトリガ端
子に入力し、クロック信号CLK1を計数し、計数値を
出力する、リセット信号RSTによってリセット可能な
カウンタ510と、(ii)カウンタ510から出力され
た計数値信号CNTを入力し、計数値に応じた重み付け
データDWTを出力するデータテーブル520と、(ii
i)重み付けデータDWTと信号D1とを入力し、計数
値と信号D1の値との積を演算して積信号D2を出力す
る乗算器530と、(iv)第1のデータ入力端子から積
データ信号D2を入力し、第2のデータ入力端子から入
力したデータ信号D3との和を演算して和信号DSを出
力する加算器540と、(v)和信号DSをラッチし、
データ信号D3を出力する保持回路550とを備える。
【0066】本実施形態の固体撮像素子は、以下のよう
にして、フォトダイオード100での受光量に応じたデ
ジタルデータを得る。図3は、本実施形態の固体撮像素
子の動作のタイミングチャートである。
【0067】受光量の測定に先立って、フォトダイオー
ド100を受光しない状態に設定するとともに、リセッ
ト信号RSTを一時的に有意とした後、電流保持指示信
号IHを有意にして、電流保持用スイッチ素子730を
閉じる。この結果、フォトダイオード100で発生した
暗電流が積分回路220に入力する。暗電流の入力によ
り積分回路210から、暗電流量に応じた電圧信号が出
力され、この電圧信号がスイッチ素子730を介してF
ET710のゲート端子に印加される。FET710の
ゲート端子に印加されると、暗電流がFET710のソ
ースからドレインを介して流れる。
【0068】次いで、スイッチ素子730を開くと、そ
の時点での容量素子720で発生していた電圧が保持さ
れ、この後に、暗電流は電荷増幅器220への入力電流
から除去される。
【0069】次に、基本タイミング発生回路610がリ
セット信号RSTを有意として、スイッチ素子223を
閉じて、帰還容量素子221の蓄積電荷を除去するとと
もに、カウンタ510の出力する計数値を0とする。
【0070】また、2値サンプル回路400をリセット
する。この結果、スイッチ素子232が閉じる。
【0071】次に、リセット信号RSTを非有意とし
て、クロック信号CLK1およびクロック信号CLK2
に同期して、以後のフォトダイオードでの受光量を計測
する。
【0072】本実施形態の固体撮像素子では、フォトダ
イオード100が受光すると、受光量に応じた電荷が発
生し、電流信号として出力される。そして、この電流信
号は、帰還容量素子221と電荷増幅器222とで構成
される積分回路220に入力し、蓄積され、積分され
る。
【0073】ここで、フォトダイオード100の信号出
力端子と帰還容量素子221の第1の端子および電荷増
幅器222の信号入力端子とは直接電気的に接続されて
おり、電流の積分作用自体はオフセット電圧の影響を本
来的に受けないものなので、積分動作の結果出力される
電圧値は、オフセット電圧の影響を一切受けない。
【0074】一方、ステップ電荷発生器230には、基
本タイミング発生回路610から供給されるクロック信
号CLK1が有意になると、スイッチ素子233および
スイッチ素子234が閉じて、ステップ電荷発生用容量
素子235の両端の電位が接地電位となるので、ステッ
プ電荷発生用容量素子235に蓄積される電荷は零とな
る。クロック信号CLK1が非有意となり、スイッチ素
子233およびスイッチ素子234が開いた後にクロッ
ク信号CLK2が有意となると、スイッチ素子236お
よびスイッチ素子237が閉じる。この結果、ステップ
電荷発生用容量素子235には、基準電位−Vrefに
応じたステップ電荷Q21が発生し、帰還容量素子22
1に付与される。ここで、 となる。
【0075】この電荷Q21と、クロック信号CLK1
が2回目の有意となるまでにフォトダイオード100か
ら流入した電荷Q11とが、帰還容量素子221に蓄積
され、電荷Q21と電荷Q11との和の電荷Q01に応
じて、 V11=Q01/C11 で表される電位V11が、クロック信号CLK1が2回
目の有意となる時点で出力される。
【0076】電位V11は比較器300に入力し、0電
位と比較される。V11>0であると、比較器300か
らは比較結果信号CMPとして「1」が出力され、2値
サンプル回路400へ入力する。一方、V11≦0であ
ると、比較器300からは比較結果信号CMPとして
「0」が出力され、2値サンプル回路400へ入力す
る。
【0077】2値サンプル回路400は、クロック信号
CLK1の立ち上がり時の比較結果信号CMPをサンプ
ルして、デジタル信号D1を出力する。
【0078】信号D1は、ステップ電荷発生制御回路4
60に入力する。ステップ電荷発生制御回路460は信
号D1をそのままの値で出力するとともに、反転信号D
1*を出力する。つまり、いずれか一方が有意となる1
対の信号を出力する。この1対の信号が、夫々、スイッ
チ231、232を閉じる指示を行う。すなわち、比較
結果信号CMPが「0」の場合には反転信号D1*が有
意となり、基準電位−Vrefがステップ電荷発生の基
準電位となり、比較結果信号CMPが「1」の場合には
信号D1が有意となり、基準電位+Vrefがステップ
電荷発生の基準電位となる。
【0079】以下、クロック信号CLK1が2回目の有
意となる時点で、V11>0であるとして説明を続け
る。
【0080】信号D1(=「1」)は、デジタルフィル
タ回路500に入力する。カウンタ510はクロック信
号CLK1を計数しており、データテーブル520から
は、この時点での信号D1に対する重み付けデータDW
Tが出力されている。乗算器530は、重み付けデータ
DWTと信号D1の値である1との積を演算し、積値と
して重み付けデータDWTの値の積値信号D2を出力す
る。積値信号D2は、加算器540に入力し、積値と保
持回路550に保持されている前回の加算結果との和を
演算し、和信号DSとして出力する。そして、保持回路
550に演算結果を保持し、信号D3として出力する。
【0081】クロック信号CLK1が2回目の有意とな
ると、スイッチ素子233およびスイッチ素子234が
閉じて、ステップ電荷発生用容量素子235の両端の電
位が接地電位となるので、ステップ電荷発生用容量素子
235に蓄積される電荷は零となる。第1のクロック信
号が非有意となり、スイッチ素子233およびスイッチ
素子234が開いた後にクロック信号CLK2が有意と
なると、スイッチ素子236およびスイッチ素子237
が閉じる。この結果、ステップ電荷発生用容量素子23
5には、基準電位+Vrefに応じたステップ電荷Q2
2が発生し、帰還容量素子221に付与される。ここ
で、 Q22=C12・(+Vref) …(2) となる。
【0082】そして、電荷Q01に加えて、電荷Q22
と、クロック信号CLK1が2回目の有意後、3回目の
有意となるまでにフォトダイオード100から流入した
電荷Q12とが、帰還容量素子221に蓄積され、以上
の電荷の総和の電荷Q02に応じて、 V12=Q02/C11 で表される電位V12が、クロック信号CLK1が3回
目の有意となる時点で出力される。
【0083】信号D1は、ステップ電荷発生制御回路4
60に入力する。ステップ電荷発生制御回路460は信
号D1をそのままの値で出力するとともに、反転信号D
1*を出力する。
【0084】以下、クロック信号CLK1が3回目の有
意となる時点で、V11≦0であるとして説明を続け
る。
【0085】信号D1(=「0」)は、デジタルフィル
タ回路500に入力する。カウンタ510はクロック信
号CLK1を計数しており、データテーブル520から
は、この時点での信号D1に対する重み付けデータDW
Tが出力されている。乗算器530は、重み付けデータ
DWTと信号D1の値である0との積を演算し、積値と
して0の値の積値信号D2を出力する。積値信号D2
は、加算器540に入力し、積値と保持回路550に保
持されている前回の加算結果との和を演算し、和信号D
Sとして出力する。そして、保持回路550に演算結果
を保持し、信号D3として出力する。
【0086】以下同様にして、AD変換結果の所望の分
解能に応じた期間にわたって、フォトダイオード100
から入力する電流信号を、ΣΔ変調器210でΣΔ変調
し、変調結果を比較器300で2値化後に、2値サンプ
ル回路でサンプルして得られたシリアルデジタル信号に
デジタルフィルタ回路500で、デジタルフィルタリン
グを施すとともに処理して、AD変換結果を得る。こう
して、オフセット電圧の影響の無い、AD変換結果を得
る。
【0087】なお、AD変換結果の所望の分解能に応じ
た期間とは、Nビットの分解能が所望であればクロック
信号CLK1の周期の2N倍の時間である。
【0088】また、容量値C11および容量値C12
は、フォトダイオード100の電流レンジに応じて、変
換精度と変換速度との観点から選択される。なお、容量
値C11と容量値C12との比を一定として、種類の異
なる帰還容量素子とステップ電荷発生用容量素子とを対
で用意しておき、これらの対の中から選択できる構成と
することが好適である。
【0089】以上は、フォトダイオードが1個の場合に
ついての実施形態であるが、フォトダイオードが複数で
あり、1次元または2次元状に配列されていてもよい。
この場合には、フォトダイオード選択回路を新たに設
け、フォトダイオードを所定の順序、または、ランダム
な順序で選択した後、上記の動作を実行すればよい。ま
たは、上記に述べたフォトダイオードとAD変換部を1
対として、これを複数並列に並べて構成することも可能
である。
【0090】(第2実施形態)図4は、本発明の固体撮
像素子の第2の実施形態の回路構成図である。本実施形
態では、2段のΣΔ変調を行ってAD変換を実行する。
図4に示すように、本実施例の固体撮像素子は、(a)
カソードが接地され、受光量に応じた電荷を発生し、ア
ノードから電荷を流出するフォトダイオード100と、
(b)フォトダイオード100から出力された電流信号
を入力し、流入した電荷を積分するとともに、ΣΔ変調
をするΣΔ変調器210と、(c)ΣΔ変調器210か
ら出力された変調信号MS1を入力し、サンプルする信
号サンプル回路240と、(d)信号サンプル回路24
0から出力されたサンプル信号を積分するとともに、Σ
Δ変調をするとΣΔ変調器251、(e)ΣΔ変調器2
51から出力された変調信号MS2の電位と接地電位と
を比較し、比較結果に応じた2値の比較結果信号CMP
を出力する比較器300と、(f)比較結果信号CMP
を入力し、クロックCLK1に同期してサンプルし、2
値のデジタル信号D1を出力する2値サンプル回路40
0と、(g)信号D1を入力し、信号D1と信号D1の
反転信号D1*とを、ΣΔ変調器210およびΣΔ変調
器251へ向けて出力するステップ電荷発生制御回路4
70と、(f)デジタル信号D1を入力し、デジタルフ
ィルタリングを施した後、AD変換結果を得るデジタル
フィルタ回路500と、(g)クロック信号CLK1
と、クロック信号CLK1が有意レベルでは非有意であ
り、クロック信号CLK1の非有意レベル期間の一部の
期間で有意となるクロック信号CLK2とを発生し、Σ
Δ変調器210、信号サンプル回路240、およびΣΔ
変調器251へ向けてクロック信号CLK1とクロック
信号CLK2とを出力するとともに、2値サンプル回路
400に向けてクロック信号CLK1を出力し、リセッ
ト信号を出力する基本タイミング発生回路620とを備
える。
【0091】本実施形態の固体撮像装置の構成は、第1
実施形態と比べて、ΣΔ変調210と比較器300との
間に、信号サンプル回路240とΣΔ変調器251とを
更に備える点が異なる。
【0092】信号サンプル回路240は、(i)ΣΔ変
調器210の出力端子と第1の端子が接続され、クロッ
ク信号CLK1に応じて開閉するスイッチ素子241
と、(ii)スイッチ素子241の第2の端子と第1の端
子が接続され、ΣΔ変調器251の入力端子と第2の端
子が接続された信号伝達用容量素子242(容量値=C
21)とを備える。
【0093】ΣΔ変調器251は、(i)信号サンプル
回路240からの電荷を蓄積して積分する積分回路26
0と、(ii)基準電位+Vrefと基準電位−Vref
とに基づいて、クロック信号CLK2に同期してステッ
プ電荷を発生し、積分回路260に供給するステップ電
荷発生器270とを備える。
【0094】積分回路260は、(i)信号サンプル回
路240の信号出力端子と第1の端子が接続される帰還
容量回路261と、(ii)信号サンプル回路240の信
号出力端子と信号入力端子である負入力端子とが接続さ
れるとともに、正入力端子が接地され、帰還容量回路2
61の第2の端子と出力端子が接続された電荷増幅器2
62とを備える。
【0095】帰還容量回路261は、(i)電荷増幅器
262の信号入力端子に第1の端子が接続された帰還容
量素子263(容量値=C22)と、(ii)帰還容量素
子263の第2の端子と第1の端子が接続され、電荷増
幅器262の出力端子と第2の端子が接続されるととも
に、クロック信号CLK1の反転信号CLK1*または
リセット信号RSTに応じて開閉するスイッチ素子26
4と、(iii)電荷増幅器262の信号入力端子に第1
の端子が接続され、電荷増幅器262の出力端子に第2
の端子が接続されるとともに、クロック信号CLK1ま
たはリセット信号に応じて開閉するスイッチ素子265
とを備える。
【0096】ステップ電荷発生器270は、(i)基準
電位+Vrefを第1の端子から入力し、2値サンプル
回路400からの出力信号D1に応じて開閉するスイッ
チ素子271と、(ii)基準電位−Vrefを第1の端
子から入力し、2値サンプル回路400からの出力信号
の反転信号D1*に応じて開閉するスイッチ素子272
と、(iii)スイッチ素子271の第2の端子およびス
イッチ素子272の第2の端子と第1の端子が接続さ
れ、信号伝達用容量素子242の第1の端子と第2の端
子が接続されるとともに、クロック信号CLK2に応じ
て開閉するスイッチ素子273とを備える。
【0097】本実施形態の固体撮像素子は、以下のよう
にして、フォトダイオード100での受光量に応じたデ
ジタルデータを得る。図5は、本実施形態の固体撮像素
子の動作のタイミングチャートである。
【0098】受光量の測定に先立って、第1実施形態と
同様にして、暗電流除去回路700を設定後、基本タイ
ミング発生回路620がリセット信号RSTを有意とし
て、スイッチ素子223、スイッチ素子264、および
スイッチ素子265を閉じて、帰還容量素子221およ
び帰還容量素子263の蓄積電荷を除去するとともに、
カウンタ510の出力する計数値を0とする。
【0099】また、2値サンプル回路400をリセット
する。この結果、スイッチ素子232が閉じる。
【0100】次に、リセット信号RSTを非有意とし
て、クロック信号CLK1およびクロック信号CLK2
に同期して、以後のフォトダイオードでの受光量を計測
する。
【0101】本実施形態の固体撮像素子では、フォトダ
イオード100が受光すると、受光量に応じた電荷が発
生し、電流信号として出力される。そして、この電流信
号が、第1実施形態で説明したように、ΣΔ変調器21
0でΣΔ変調され、変調信号MS1が出力される。
【0102】通常は1段のΣΔ変調では、光電変換素子
の電流放出に伴う出力基準電位の変化が発生する。
【0103】変調信号MS1は信号サンプル回路240
に入力する。信号サンプル回路240のスイッチ素子2
41は、クロック信号CLK1が有意となると閉じ、変
調信号MS1の電位値に応じた電荷Q31を信号伝達用
容量素子242に蓄積する。クロック信号CLK1が有
意の間、スイッチ素子265は閉じており、電荷増幅器
262の入力端子と出力端子とは短絡しているが、スイ
ッチ素子264は開いているので、帰還容量素子263
に蓄積された電荷はそのまま保存される。
【0104】クロック信号CLK1が非有意となると、
反転信号CLK1*が有意となり、スイッチ素子241
およびスイッチ素子265が開くとともに、スイッチ素
子264が閉じる。
【0105】この後、クロック信号CLK2が有意とな
ると、スイッチ素子273が閉じ、ステップ電荷Q32
が発生する。ステップ電荷Q32は、信号D1が「0」
の場合には、スイッチ素子272が閉じ、−Vrefが
選択されているので、 Q32=C21・(−Vref) …(3) であり、信号D1が「1」の場合には、スイッチ素子2
71が閉じ、+Vrefが選択されているので、 Q32=C21・(+Vref) …(4) である。
【0106】こうして、電荷Q31とステップ電荷Q3
2との和の電荷Q03が帰還容量素子263に供給され
る。電荷Q03とそれまで帰還容量素子263に蓄積さ
れていた電荷との和である電荷Q04に応じて、 V21=Q04/C22 で表される電位V21が変調信号MS2として出力され
る。
【0107】ところで、変調信号MS1を信号サンプル
回路240でサンプルしている期間、すなわち、クロッ
ク信号CLK1が有意の期間は、スイッチ素子265が
閉じ、電荷増幅器262の入力端子と出力端子とは短絡
しており、オフセット電圧が発生している。しかし、こ
の期間では、スイッチ素子264は開いているので、帰
還容量素子263に蓄積された電荷はそのまま保存され
ている。また、信号伝達用容量素子242の第2の端子
は電荷増幅器262の入力端子に接続されたままである
ので、オフセット電圧が印加されたままである。したが
って、スイッチ素子265が開いた後、反転信号CLK
1*に応じてスイッチ素子264が閉じ、帰還容量素子
263に電荷を蓄積する状態に遷移しても、オフセット
電圧の影響は現れない。こうして、オフセット影響の無
いΣΔ変調が実行される。
【0108】ΣΔ変調器251から出力された変調信号
MS2は、比較器300に入力し、以後、第1実施形態
と同様にして、オフセット電圧の影響の無く、AD変換
結果を得る。
【0109】なお、第1実施形態と同様に、容量値C1
1および容量値C12は、フォトダイオード100の電
流レンジに応じて、変換精度と変換速度との観点から選
択される。なお、容量値C11と容量値C12との比を
一定として、種類の異なる帰還容量素子とステップ電荷
発生用容量素子とを対で用意しておき、これらの対の中
から選択できる構成とすることが好適である。
【0110】以上は、フォトダイオードが1個の場合に
ついての実施形態であるが、第1実施形態と同様に、フ
ォトダイオードが複数であり、1次元または2次元状に
配列されていてもよい。この場合には、フォトダイオー
ド選択回路を新たに設け、フォトダイオードを所定の順
序、または、ランダムな順序で選択した後、上記の動作
を実行すればよい。または、上記に述べたフォトダイオ
ードとAD変換部を1対として、これを複数並列に並べ
て構成することも可能である。
【0111】また、複数の本実施形態の固体撮像素子を
アレイ化して1チップした場合には、出力選択回路を新
たに設け、各デジタルフィルタ回路の出力を順次選択し
て読み出すことが、1チップのピン数や、後段の回路規
模の観点から好適である。
【0112】(第3実施形態)図6は、本発明の固体撮
像素子の第3の実施形態の回路構成図である。本実施形
態では、第2実施形態と同様に、2段のΣΔ変調を行っ
てAD変換を実行する。図6に示すように、本実施例の
固体撮像素子は、信号サンプル回路244とΣΔ変調器
252とを使用することが第2実施形態と異なる。
【0113】信号サンプル回路244は、(i)ΣΔ変
調器210の出力端子と第1の端子が接続され、クロッ
ク信号CLK1に応じて開閉するスイッチ素子245
と、(ii)スイッチ素子245の第2の端子と第1の端
子が接続された信号伝達用容量素子246と、(iii)
信号伝達用容量素子246の第2の端子と第1の端子が
接続され、ΣΔ変調器252の信号入力端子に第2の端
子が接続されるとともに、クロック信号CLK2に応じ
て開閉するスイッチ素子247と、(iv)第1の端子が
接地され、信号伝達用容量素子246の第1の端子と第
2の端子が接続されるとともに、クロック信号CLK2
に応じて開閉するスイッチ素子248と、(v)第1の
端子が接地され、信号伝達用容量素子246の第2の端
子と第2の端子が接続されるとともに、クロック信号C
LK1に応じて開閉するスイッチ素子249とを備え
る。
【0114】ΣΔ変調器252は、(i)信号サンプル
回路244からの電荷を蓄積して積分する積分回路28
0と、(ii)基準電位+Vrefと基準電位−Vref
とに基づいて、クロック信号CLK1およびクロック信
号CLK2に同期してステップ電荷を発生し、積分回路
280に供給するステップ電荷発生器290とを備え
る。
【0115】積分回路280は、(i)信号サンプル回
路244の出力端子と第1の端子とが接続される帰還容
量素子281(容量値=C23)と、(ii)信号サンプ
ル回路244の出力端子と信号入力端子である負入力端
子とが接続されるとともに、正入力端子が接地され、出
力端子が帰還容量素子281の第2の端子と接続された
電荷増幅器282と、(iii)電荷増幅器282の入力
端子と第1の端子が接続され、電荷増幅器282の出力
端子と第2の端子が接続されるとともに、リセット信号
RSTに応じて開閉するスイッチ素子283とを備え
る。
【0116】ステップ電荷発生器290は、(i)基準
電位+Vrefを第1の端子から入力し、信号D1に応
じて開閉するスイッチ素子291と、(ii)基準電位−
Vrefを第1の端子から入力し、反転信号D1*に応
じて開閉するスイッチ素子292と、(iii)第1の端
子が接地され、クロック信号CLK1に応じて開閉する
スイッチ素子293と、(iv)第1の端子が接地され、
クロック信号CLK1に応じて開閉するスイッチ素子2
94と、(v)スイッチ素子293の第2の端子に第1
の端子が接続され、スイッチ素子294の第2の端子に
第2の端子が接続されたステップ電荷発生用容量素子2
95(容量値=C24)と、(vi)ステップ電荷発生用
容量素子295の第1の端子と第1の端子が接続され、
電荷増幅器282の入力端子と第2の端子が接続される
とともに、クロック信号CLK2に応じて開閉するスイ
ッチ素子296と、(vii)スイッチ素子291の第2
の端子およびスイッチ素子292の第2の端子と第1の
端子が接続され、ステップ電荷発生用容量素子295の
第2の端子と第2の端子が接続されるとともに、クロッ
ク信号CLK2に応じて開閉するスイッチ素子297と
を備える。
【0117】すなわち、ΣΔ変調器210とΣΔ変調器
252とは、同様の回路構成を有するΣΔ変調器であ
り、信号サンプル回路244を介して直列に接続され、
2次のΣΔ変調を行う。
【0118】本実施形態の固体撮像素子は、以下のよう
にして、フォトダイオード100での受光量に応じたデ
ジタルデータを得る。図7は、本実施形態の固体撮像素
子の動作のタイミングチャートである。
【0119】受光量の測定に先立って、第1実施形態と
同様にして、暗電流除去回路700を設定後、基本タイ
ミング発生回路610がリセット信号RSTを有意とし
て、スイッチ素子223およびスイッチ素子283を閉
じて、帰還容量素子221および帰還容量素子281の
蓄積電荷を除去するとともに、カウンタ510の出力す
る計数値を0とする。
【0120】また、2値サンプル回路400をリセット
する。この結果、スイッチ素子232が閉じる。
【0121】次に、リセット信号RSTを非有意とし
て、クロック信号CLK1およびクロック信号CLK2
に同期して、以後のフォトダイオードでの受光量を計測
する。
【0122】本実施形態の固体撮像素子では、フォトダ
イオード100が受光すると、受光量に応じた電荷が発
生し、電流信号として出力される。そして、この電流信
号が、第1実施形態で説明したように、ΣΔ変調器21
0でΣΔ変調され、変調信号MS1が出力される。
【0123】変調信号MS1は信号サンプル回路244
に入力する。信号サンプル回路244のスイッチ素子2
45およびスイッチ素子249は、クロック信号CLK
1が有意となると閉じ、変調信号MS1の電位値に応じ
た電荷Q41を信号伝達用容量素子246に蓄積する。
【0124】また、クロック信号CLK1が有意となる
と、スイッチ素子293およびスイッチ素子294が閉
じ、ステップ電荷発生用容量素子295の電荷が0とな
る。
【0125】クロック信号CLK1が非有意となり、ス
イッチ素子245およびスイッチ素子249が開いた
後、クロック信号CLK2が有意となると、スイッチ素
子247およびスイッチ素子248が閉じ、電荷Q41
が帰還容量素子281に伝達される。また、クロック信
号CLK1が非有意となり、スイッチ素子293および
スイッチ素子294が開いた後、クロック信号CLK2
が有意となると、スイッチ素子296およびスイッチ素
子297が閉じ、ステップ電荷発生用容量素子295に
ステップ電荷Q42が発生する。ステップ電荷Q42
は、信号D1が「0」の場合には、スイッチ素子292
が閉じ、−Vrefが選択されているので、 Q42=C24・(−Vref) …(5) であり、信号D1が「1」の場合には、スイッチ素子2
91が閉じ、+Vrefが選択されているので、 Q42=C24・(+Vref) …(6) である。
【0126】こうして、電荷Q41とステップ電荷Q4
2との和の電荷Q05が帰還容量素子281に供給され
る。電荷Q05とそれまで帰還容量素子281に蓄積さ
れていた電荷との和である電荷Q06に応じて、 V31=Q06/C23 で表される電位V31が変調信号MS2として出力され
る。
【0127】ところで、変調信号MS1を信号サンプル
回路244でサンプルしている期間、すなわち、クロッ
ク信号CLK1が有意の期間は、信号サンプル回路24
4で、クロック信号CLK1に応じてスイッチ素子24
5とスイッチ素子249が閉じて、ΣΔ変調器210の
出力信号MS1をサンプルする時には、信号伝達用容量
素子246の第2の端子は接地されている。また、スイ
ッチ素子245とスイッチ素子249が開いた後、クロ
ック信号CLK2に応じてスイッチ素子247とスイッ
チ素子248とが閉じて、帰還容量素子281へ電荷を
転送している間は、信号伝達用容量素子246の第1の
端子は接地されている。したがって、サンプル時と電荷
転送時の間でオフセット電圧差は発生せず、オフセット
電圧に影響されないΣΔ変調が実行される。
【0128】ΣΔ変調器252から出力された変調信号
MS2は、比較器300に入力し、以後、第1実施形態
と同様にして、オフセット電圧の影響の無く、AD変換
結果を得る。
【0129】なお、第1実施形態と同様に、容量値C1
1および容量値C12は、フォトダイオード100の電
流レンジに応じて、変換精度と変換速度との観点から選
択される。なお、容量値C11と容量値C12との比を
一定として、種類の異なる帰還容量素子とステップ電荷
発生用容量素子とを対で用意しておき、これらの対の中
から選択できる構成とすることが好適である。
【0130】以上は、フォトダイオードが1個の場合に
ついての実施形態であるが、第1実施形態と同様に、フ
ォトダイオードが複数であり、1次元または2次元状に
配列されていてもよい。この場合には、フォトダイオー
ド選択回路を新たに設け、フォトダイオードを所定の順
序、または、ランダムな順序で選択した後、上記の動作
を実行すればよい。または、上記に述べたフォトダイオ
ードとAD変換部を1対として、これを複数並列に並べ
て構成することも可能である。
【0131】また、複数の本実施形態の固体撮像素子を
アレイ化して1チップした場合には、出力選択回路を新
たに設け、各デジタルフィルタ回路の出力を順次選択し
て読み出すことすることが、1チップのピン数や、後段
の回路規模の観点から好適である。
【0132】以上の実施形態では、フォトダイオード、
比較器の正入力端子、電荷増幅器の正入力端子、スイッ
チ素子233、234の第1の端子は接地されている
が、基準電位+Vrefと基準電位−Vrefとの間の
電位であればよい。
【0133】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、請求項1の
固体撮像素子によれば、光電変換素子の暗電流を除去し
つつ、ΣΔ変調器に電流入力にするとともに、フォトダ
イオードなどの光電変換素子からの電流信号をそのまま
の形態で直接的に入力してAD変換することとしたの
で、ΣΔ変調器におけるオフセット電圧の影響無しに、
集積化に適した簡易な回路構成で、光電変換素子での受
光量に応じて、高精度のデジタルデータを得ることがで
きる。
【0134】また、請求項5の固体撮像素子によれば、
ΣΔ変調器を直列的に2段配置し、2次のΣΔ変調を実
施することとしたので、第1段目のΣΔ変調器の性能で
は除去しきれない、光電変換素子の特性に由来する精度
低下要因を除去することが可能となり、光電変換素子で
の受光量に応じて、高精度のデジタルデータを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の固体撮像素子の構成図
である。
【図2】デジタルフィルタ回路の構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態の固体撮像素子の動作の
タイミングチャートである。
【図4】本発明の第2実施形態の固体撮像素子の構成図
である。
【図5】本発明の第2実施形態の固体撮像素子の動作の
タイミングチャートである。
【図6】本発明の第3実施形態の固体撮像素子の構成図
である。
【図7】本発明の第3実施形態の固体撮像素子の動作の
タイミングチャートである。
【符号の説明】
100…フォトダイオード、210,251,252…
ΣΔ変調器、220,260,280…積分回路、22
1,263,281…帰還容量素子、222,262,
282…電荷増幅器、223,264,265,283
…スイッチ素子、261…帰還容量回路、230,27
0,290…ステップ電荷発生器、231,232,2
33,234,236,237,271,272,27
3,291,292,293,294,296,297
…スイッチ素子、235,295…ステップ電荷発生用
容量素子、240,244…信号サンプル回路、24
1,245,247,248,249…スイッチ素子、
242,246…信号伝達用容量素子、300…比較
器、400…2値サンプル回路、460,470…ステ
ップ電荷発生制御回路、500…デジタルフィルタ回
路、510…カウンタ、520…データテーブル、53
0…乗算器、540…加算器、550…保持回路、61
0,620…基本タイミング発生回路、700…暗電流
除去回路。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基準電位と第2の基準電位との間
    の第3の基準電位に第1の端子が設定され、受光量に応
    じた電荷を発生するとともに第2の端子から電荷を流出
    する、少なくとも1つの光電変換素子と、 前記光電変換素子の暗電流を除去する暗電流除去回路
    と、 前記光電変換素子の信号出力端子と第1の端子とが直接
    電気的に接続される第1の帰還容量素子と、 前記光電変換素子の第2の端子と入力端子とが直接電気
    的に接続され、出力端子が前記第1の帰還容量素子の第
    2の端子と接続された第1の電荷増幅器と、 前記第1の基準電位と前記第2の基準電位とから、ステ
    ップ電荷を発生し、前記第1の帰還容量素子に前記ステ
    ップ電荷を供給する第1のステップ電荷発生器と、 前記第1の電荷増幅器から出力された第1の積分電圧信
    号を入力し、前記第1の積分電圧信号の電位と前記第3
    の基準電位とを比較し、比較結果に応じた比較結果信号
    を出力する電位比較器と、 前記比較結果信号を入力し、前記比較結果信号を2値サ
    ンプルする2値サンプル回路と、 第1のクロック信号と、前記第1のクロック信号が有意
    レベルでは非有意であり、前記第1のクロック信号の非
    有意レベル期間の一部の期間で有意となる第2のクロッ
    ク信号とを発生し、前記第1のステップ電荷発生器へ向
    けて前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号
    とを出力するとともに、前記2値サンプル回路に向けて
    前記第1のクロック信号を出力する基本タイミング発生
    回路とを備えることを特徴とする固体撮像素子。
  2. 【請求項2】 前記暗電流除去回路は、 前記第1の電荷増幅器の信号入力端子にソース端子が接
    続されるとともに、ドレイン端子が前記第3の基準電位
    に設定された電界効果トランジスタと、 前記電界効果トランジスタのゲート端子と第1の端子が
    接続されるとともに、第2の端子が前記第3の基準電位
    に設定された暗電流記憶容量素子と、 前記暗電流記憶容量素子の第1の端子と第1の端子が接
    続され、前記第1の電荷増幅器の出力端子と第2の端子
    が接続された電流保持用スイッチ素子とを備えることを
    特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
  3. 【請求項3】 前記2値サンプル回路からの出力信号を
    入力し、前記2値サンプル回路からの出力信号と前記2
    値サンプル回路からの出力信号の反転信号を、ステップ
    電荷発生指示として前記第1のステップ電荷発生器へ向
    けて出力する第1のステップ電荷発生制御回路を更に備
    える、ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素子。
  4. 【請求項4】 前記第1のステップ電荷発生器は、 前記第1の基準電位を第1の端子から入力し、前記2値
    サンプル回路からの出力信号に応じて開閉する第1のス
    イッチ素子と、 前記第2の基準電位を第1の端子から入力し、前記2値
    サンプル回路からの出力信号の反転信号に応じて開閉す
    る第2のスイッチ素子と、 前記第3の基準電位を第1の端子から入力し、前記第1
    のクロック信号に応じて開閉する第3のスイッチ素子
    と、 前記第3の基準電位を第1の端子から入力し、前記第1
    のクロック信号に応じて開閉する第4のスイッチ素子
    と、 前記第3のスイッチ素子の第2の端子に第1の端子が接
    続され、前記第4のスイッチ素子の第2の端子に第2の
    端子が接続された第1のステップ電荷発生用容量素子
    と、 前記第1のステップ電荷発生用容量素子の第1の端子と
    第1の端子が接続され、前記第1の電荷増幅器の入力端
    子と第2の端子が接続されるとともに、前記第2のクロ
    ック信号に応じて開閉する第5のスイッチ素子と、 前記第1のスイッチ素子の第2の端子および前記第2の
    スイッチ素子の第2の端子と第1の端子が接続され、前
    記第1のステップ電荷発生用容量素子の第2の端子と第
    2の端子が接続されるとともに、前記第2のクロック信
    号に応じて開閉する第6のスイッチ素子と、 を備えることを特徴とする請求項3記載の固体撮像素
    子。
  5. 【請求項5】 前記第1の電荷増幅器と前記電位比較器
    との間に、 前記第1の積分信号を指示されたタイミングでサンプル
    し、交流成分を出力するする信号サンプル回路と、 前記信号サンプル回路から出力された信号を第1の端子
    から入力する第2の帰還容量素子を有する帰還容量回路
    と、 前記信号サンプル回路から出力された信号を入力端子か
    ら入力し、出力端子が前記帰還容量回路と接続された第
    2の電荷増幅器と、 第1の基準電位と第2の基準電位とから、ステップ電荷
    を発生し、前記第2の帰還容量素子にステップ電荷を供
    給する第2のステップ電荷発生器とを更に備え、前記電
    位比較器は、前記第2の電荷増幅器から出力された第2
    の積分信号を入力することを特徴とする請求項1記載の
    固体撮像素子。
  6. 【請求項6】 前記2値サンプル回路からの出力信号を
    入力し、前記2値サンプル回路からの出力信号と前記2
    値サンプル回路からの出力信号の反転信号とを、ステッ
    プ電荷発生指示として前記第1のステップ電荷発生器お
    よび前記第2のステップ電荷発生器へ向けて出力する第
    2のステップ電荷発生制御回路を更に備える、ことを特
    徴とする請求項5記載の固体撮像素子。
  7. 【請求項7】 前記信号サンプル回路は、 前記第1の電荷増幅器の出力端子と第1の端子が接続さ
    れ、前記第1のクロック信号に応じて開閉する第7のス
    イッチ素子と、 前記第7のスイッチ素子の第2の端子と第1の端子が接
    続され、前記第2の電荷増幅器の入力端子と第2の端子
    が接続された信号伝達用容量素子と、 を備えることを特徴とする請求項6記載の固体撮像素
    子。
  8. 【請求項8】 前記第2のステップ電荷発生器は、 前記第1の基準電位を第1の端子から入力し、前記2値
    サンプル回路からの出力信号に応じて開閉する第8のス
    イッチ素子と、 前記第2の基準電位を第1の端子から入力し、前記2値
    サンプル回路からの出力信号の反転信号に応じて開閉す
    る第9のスイッチ素子と、 前記第8のスイッチ素子の第2の端子および前記第9の
    スイッチ素子の第2の端子と第1の端子が接続され、前
    記信号伝達用容量素子の第1の端子と第2の端子が接続
    されるとともに、前記第2のクロック信号に応じて開閉
    する第10のスイッチ素子と、 を備え、 前記帰還容量回路は、 前記第2の電荷増幅器の信号入力端子に第1の端子が接
    続された前記第2の帰還容量素子と、 前記第2の帰還容量素子の第2の端子と第1の端子が接
    続され、前記第2の電荷増幅器の出力端子と第2の端子
    が接続されるとともに、前記第1のクロック信号の反転
    信号に応じて開閉する第11のスイッチ素子と、 前記第2の電荷増幅器の信号入力端子に第1の端子が接
    続され、前記第2の電荷増幅器の出力端子に第2の端子
    が接続されるとともに、前記第1のクロック信号に応じ
    て開閉する第12のスイッチ素子と、 を備えることを特徴とする請求項7記載の固体撮像素
    子。
  9. 【請求項9】 前記信号サンプル回路は、 前記第1の電荷増幅器の出力端子と第1の端子が接続さ
    れ、前記第1のクロック信号に応じて開閉する第13の
    スイッチ素子と、 前記第13のスイッチ素子の第2の端子と第1の端子が
    接続された信号伝達用容量素子と、 前記信号伝達用容量素子の第2の端子と第1の端子が接
    続され、前記第2の電荷増幅器の信号入力端子に第2の
    端子が接続されるとともに、前記第2のクロック信号に
    応じて開閉する第14のスイッチ素子と、 前記第3の基準電位を第1の端子から入力し、前記信号
    伝達用容量素子の第1の端子と第2の端子が接続される
    とともに、前記第2のクロック信号に応じて開閉する第
    15のスイッチ素子と、 前記第3の基準電位を第1の端子から入力し、前記信号
    伝達用容量素子の第2の端子と第2の端子が接続される
    とともに、前記第1のクロック信号に応じて開閉する第
    16のスイッチ素子と、 を備えることを特徴とする請求項6記載の固体撮像素
    子。
  10. 【請求項10】 前記第2のステップ電荷発生器は、 前記第1の基準電位を第1の端子から入力し、前記2値
    サンプル回路からの出力信号に応じて開閉する第17の
    スイッチ素子と、 前記第2の基準電位を第1の端子から入力し、前記2値
    サンプル回路からの出力信号の反転信号に応じて開閉す
    る第18のスイッチ素子と、 前記第3の基準電位を第1の端子から入力し、前記第1
    のクロック信号に応じて開閉する第19のスイッチ素子
    と、 前記第3の基準電位を第1の端子から入力し、前記第1
    のクロック信号に応じて開閉する第20のスイッチ素子
    と、 前記第19のスイッチ素子の第2の端子に第1の端子が
    接続され、前記第20のスイッチ素子の第2の端子に第
    2の端子が接続された第2のステップ電荷発生用容量素
    子と、 前記第2のステップ電荷発生用容量素子の第1の端子と
    第1の端子が接続され、前記第2の電荷増幅器の入力端
    子と第2の端子が接続されるとともに、前記第2のクロ
    ック信号に応じて開閉する第21のスイッチ素子と、 前記第17のスイッチ素子の第2の端子および前記第1
    8のスイッチ素子の第2の端子と第1の端子が接続さ
    れ、前記第2のステップ電荷発生用容量素子の第2の端
    子と第2の端子が接続されるとともに、前記第2のクロ
    ック信号に応じて開閉する第22のスイッチ素子と、 を備え、 前記帰還容量回路は、前記第2の電荷増幅器の信号入力
    端子に第1の端子が接続され、前記第2の電荷増幅器の
    出力端子に第2の端子が接続された前記第2の帰還容量
    素子を備える、ことを特徴とする請求項9記載の固体撮
    像素子。
  11. 【請求項11】 前記2値サンプル回路から出力され
    た、デジタルデータ信号列を入力して、デジタルフィル
    タリングを施したデータ信号を出力する、デジタルフィ
    ルタ回路を更に備える、ことを特徴とする請求項1記載
    の固体撮像素子。
  12. 【請求項12】 前記第1の帰還容量素子の容量値と前
    記第1のステップ電荷発生用容量素子の容量値とは、前
    記光電変換素子の出力電流の時間変化特性に応じて選択
    される、ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像素
    子。
  13. 【請求項13】 前記光電変換素子は複数、かつ、1次
    元または2次元状に配列されるとともに、前記第1の帰
    還容量素子の第1の端子に接続される、1つの前記光電
    変換素子を選択する選択回路を更に備える、ことを特徴
    とする請求項1記載の固体撮像素子。
  14. 【請求項14】 前記選択回路は、前記光電変換素子を
    所定の順序およびランダムな順序のいずれか一方の順序
    で選択する、ことを特徴とする請求項13記載の固体撮
    像素子。
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