JPH09296390A - キャスト塗被紙 - Google Patents

キャスト塗被紙

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JPH09296390A
JPH09296390A JP10804196A JP10804196A JPH09296390A JP H09296390 A JPH09296390 A JP H09296390A JP 10804196 A JP10804196 A JP 10804196A JP 10804196 A JP10804196 A JP 10804196A JP H09296390 A JPH09296390 A JP H09296390A
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gloss
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JP10804196A
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Kazuhiro Nojima
一博 野島
Yasuhiro Arai
康宏 荒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた表面光沢と印刷適性を備え、かつ操業性
の優れたキャスト塗被紙を提供する。 【解決手段】顔料および接着剤を主成分とする下塗り塗
被層を設けた原紙上に、共重合体組成物を主成分とする
塗被液を塗被してキャスト用塗被層を形成せしめ、該キ
ャスト用塗被層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面
ドラムに圧接、乾燥して仕上げるキャスト塗被紙であっ
て、特に該共重合体組成物がモノマー成分として、(メ
タ)アクリル酸と炭素数が10以上の脂肪族アルコール
とのエステルを含有し、かつ該共重合体組成物のガラス
転移点が30〜80℃であるキャスト塗被紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャスト塗被紙に
関し、特に優れた表面光沢と印刷適性を備え、かつ操業
性の優れたキャスト塗被紙に関する。
【0002】
【従来の技術】キャスト塗被紙は印刷用塗被紙の中で
も、強光沢および高平滑性を有する塗被紙の代表的なも
のであり、その用途も一般書籍の本文用紙から表紙、ブ
ックカバー、化粧品等のケース、カレンダー用紙あるい
はタックラベル等、多方面に亘って利用されている。
【0003】通常のキャスト塗被紙の製造方法として
は、顔料および接着剤を主成分とするキャスト用塗被組
成物を原紙上に塗被した後、該塗被組成物が湿潤可塑状
態にある間に鏡面を有する加熱ドラム面に圧接、乾燥
後、剥離させて強光沢仕上げするウェットキャスト法、
顔料および接着剤を主成分とする塗被組成物を一旦原紙
に塗被、乾燥せしめて乾燥塗被層を設けた後、該乾燥塗
被層を再湿潤液により、湿潤可塑化させた後、加熱ドラ
ム面に圧接、乾燥させて強光沢仕上げするリウェットキ
ャスト法、さらには湿潤状態の塗被層をゲル化状態にし
て加熱ドラム面に圧接、乾燥させて光沢仕上げするゲル
化キャスト法等が知られている。上記のキャスト塗被紙
の製造方法は、いずれも原紙に設けた塗被組成物が湿潤
可塑状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接され
て、乾燥、剥離により強光沢仕上げされる点で共通して
いる。
【0004】しかしながら、近年、印刷物あるいは紙器
等の高級化指向に伴い、より高度の光沢や照り、あるい
は平滑性を付与する目的で通常の塗被紙やキャスト塗被
紙に透明な樹脂を印刷等により塗布したニス引き紙、さ
らには多くの樹脂を紙表面に塗布し、光沢仕上げしたプ
レスコート紙や、表面にポリオレフィン等のプラスチッ
クフィルムを貼り合わせたラミネート紙が広く利用され
ている。
【0005】ところでニス引き紙、プレスコート紙、あ
るいはラミネート紙等といわれる製品はその上に通常の
印刷ができないために、加工前に印刷を行い、その後に
ニス引きやラミネート加工等を施して高級感を付加せね
ばならない等、工程面およびコスト面で不利であるのみ
ならず、上記の如く加工処理された強光沢紙は、再処理
のために行われる離解に多大な時間とエネルギーを費や
し、損紙の再生利用といった点からは難点を抱えてい
る。上記の如き実状により、ニス引きやラミネート等と
いった特殊な加工処理を施す必要がなく、高度の光沢と
照りを有するキャスト塗被紙の開発が強く要望されてい
る。
【0006】また、従来高度の光沢を有する紙として、
平滑な下塗りを施した原紙上に、エチレン性モノマーを
重合してなる樹脂組成物を主成分とする塗被組成物をキ
ャスト仕上げする方法(特開平5−33298号公報)
や、リウェットキャスト法においては、特定の重合体組
成物を再湿潤液中に含有させる(特開平5−12569
0号公報)方法等が提案されているが、これらの方法
は、高い光沢は発現できるものの、鏡面ドラムからの離
型性が必ずしも満足できるものではなく、さらに、成膜
性の樹脂組成物が表面に多く分布しているため、印刷時
のインキの乾燥速度が著しく遅くなる等の難点があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はキャスト塗被
紙に関し、特にラミネート紙並の高い光沢と印刷光沢を
有し、かつ印刷適性に優れたキャスト塗被紙を効率よ
く、安定して生産できるキャスト塗被紙を提供するもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、顔料および接
着剤を主成分とする下塗り塗被層を設けた原紙上に、共
重合体組成物を主成分とする塗被液を塗被してキャスト
用塗被層を形成せしめ、該キャスト用塗被層が湿潤状態
にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕
上げるキャスト塗被紙において、該共重合体組成物がモ
ノマー成分として、(メタ)アクリル酸と炭素数が10
以上の脂肪族アルコールとのエステルを含有し、かつ該
共重合体組成物のガラス転移点が30〜80℃であるこ
とを特徴とするキャスト塗被紙である。
【0009】
【発明の実施の形態】上記の如き実状により、本発明者
等はラミネート紙並の高度な光沢と、優れた印刷適性を
有し、かつ操業性に優れたキャスト塗被紙に関し鋭意検
討を重ねた。その結果、特定の共重合体組成物を主成分
とする塗被液をキャスト用塗被層としてなるキャスト塗
被紙は、非常に優れた光沢と印刷適性を有し、かつ離型
性に優れたキャスト塗被紙であることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0010】本発明において、キャスト塗被組成物中の
主成分として用いられる共重合体組成物は、(メタ)ア
クリル酸と炭素数10以上、好ましくは10以上、20
以下の脂肪族アルコールとのエステルを含有することが
特徴である。そして、炭素数10以上の脂肪族アルコー
ルとのエステルモノマーの具体例としては、例えばデシ
ルアクリレート、ウンデシルアクリレート、ラウリルア
クリレート、トリデシルアクリレート、セチルアクリレ
ート、ステアリルアクリレート、デシルメタクリレー
ト、ウンデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレー
ト、トリデシルメタクリレート、セチルメタクリレー
ト、ステアリルメタクリレート等が挙げられる。それら
のなかでも、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリ
レートが白紙光沢、インキグロスの向上が大きく、特に
好ましく用いられる。
【0011】一般にアクリル酸エステルは、メチルアク
リレート(炭素数1)やエチルアクリレート(炭素数
2)、ブチルアクリレート(炭素数4)、あるいは2エ
チルヘキシルアクリレート(炭素数8)等の炭素数10
未満の低級アルコールとのエステルがアクリル系樹脂エ
マルジョンのモノマー組成として通常使用されており、
これらのモノマーとの共重合体を使用しても、本発明で
所望するような離型性、あるいはインキ乾燥性を得るこ
とができない。
【0012】前記した如く、本発明で使用されるモノマ
ーは、高級アルコールとのエステルであることから、そ
れらの共重合体は親油性の強いポリマーを生成する。そ
のような親油性の強いポリマーを使用することにより、
金属ドラムとの離型性が大きく改善されるのみならず、
印刷インキの受理性が向上し、印刷後のインキ乾燥性が
良好になると考えられる。
【0013】また、本発明において、炭素数10以上の
高級アルコールエステルモノマーと共重合できるモノマ
ーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルアクリレ
ートなどの炭素数の少ない通常のアクリル酸エステル、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレ
ート等の炭素数の少ない通常のメタクリル酸エステル、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビ
ニル系モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、
N−メチロールアクリルアミド等のエチレン系不飽和カ
ルボン酸アミド、または塩化ビニル、酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、エチレン、ブタジエン等の各種エチレ
ン性モノマー、スチレンなどのモノオレフィン芳香族系
モノマーが挙げられるが、なかでも、スチレン、アクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステルとの共重合体が接
着強度、光沢、インキグロスが良好で好ましく用いられ
る。
【0014】さらに、本発明における共重合体組成物は
そのガラス転移点が30〜80℃の範囲にあることが必
要である。因みに、30℃未満の場合は、離型性が悪
く、十分なインキグロスが得られない。他方80℃を越
えると、白紙光沢が十分でなく、インキグロス(印刷光
沢)も良好なものが得られない。なお、共重合体組成物
中の高級アルコールエステルモノマーの組成比率は特に
規定されるものではないが、前記で規定されるようなガ
ラス転移点にするためには、共重合体組成物を構成する
全モノマー組成に対し、固形分比率で一般に2〜30重
量%、好ましくは5〜20重量%の範囲で調節される。
因みに、2重量%未満の場合は、インキセット性や離型
性の改良効果が少なくなり、他方30重量%を越えると
共重合体組成物のガラス転移点が30℃未満となり、離
型性が悪化し、十分なインキグロスが得られなくなる虞
れがある。
【0015】上記の共重合体組成物を主成分とする塗被
液をキャスト用塗被液として使用するものであるが、塗
被液中には特定の共重合体組成物の他に、無機顔料や離
型剤等を適宜添加することができる。この場合の顔料と
しては、例えばクレー、カオリン、焼成クレー、非晶質
シリカ、コロイダルシリカ、水酸化アルミニウム、酸化
チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、サチンホワイト、硫
酸カルシウム、タルク、プラスチックピグメント、軽質
炭酸カルシウムや重質炭酸カルシウム等一般塗被紙の分
野で使用される顔料が例示される。因みに、これらの顔
料を添加する場合には共重合体組成物100重量部に対
し、20〜200重量部の範囲での添加が好ましい。
【0016】離型剤としては、例えばステアリン酸、オ
レイン酸等の脂肪酸及び/又はそれらのカルシウム、亜
鉛、ナトリウム、アンモニウム等の塩類、ステアリン酸
アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等のアミド
類、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワック
ス、ポリエチレンエマルジョン等の炭化水素類、ロート
油やレシチン等の油脂類、含フッ素界面活性剤等の各種
界面活性剤、四フッ化エチレンポリマー等のフッ素系ポ
リマー等が例示される。さらに、一般の塗被紙およびキ
ャスト塗被紙の製造に使用されている分散剤、耐水化
剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、蛍光染料、帯電防止剤、
防腐剤等の各種助剤も適宜併用される。
【0017】次に、本発明においては、十分に表面の光
沢、平滑性を発現させるために、キャスト前の基紙の表
面があらかじめ顔料と接着剤よりなる下塗り用塗被組成
物によって、被覆されていることが必要である。下塗り
用塗被組成物として使用される顔料は前述した一般塗被
紙用の顔料が使用される。また、接着剤としては、例え
ばスチレン・ブタジエン共重合体ラテックスやメチルメ
タアクリレート・ブタジエン共重合体ラテックス等の共
重合体ラテックス、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の
蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロースやメチルセル
ロース等のセルロース誘導体、オレフィン・無水マレイ
ン酸樹脂等が例示され、これらの1種、または2種以上
が併用して使用される。その他に助剤として消泡剤、着
色剤、離型剤、流動変性剤、耐水化剤、防腐剤等を必要
に応じて使用することもできる。
【0018】上記の如き材料をもってなる下塗り用塗被
組成物は、一般に固形分濃度が20〜70重量%程度に
なるように調製され、米坪が約20〜400g/m2
度の原紙上に乾燥重量で5〜50g/m2 、好ましくは
10〜30g/m2 程度になるようにブレードコータ
ー、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコ
ーター、ロッドブレードコーター、バーコーター、グラ
ビアコーター、リップコーター、カーテンコーター等の
各種公知の塗工装置により塗被、乾燥される。
【0019】原紙としては、特に限定されるものではな
く、一般の塗被紙に使用される酸性紙、あるいは中性紙
が適宜使用される。
【0020】かくして得られた下塗り塗被紙上に前述し
た特定のモノマーを含有した合成樹脂組成物を主成分と
するキャスト用塗被組成物を、ウェットキャスト法にし
たがって、キャスト仕上げする。即ち、キャスト用塗被
組成物を一般に固形分濃度を10〜65重量%に調整
し、下塗り塗被層上に乾燥重量で0.1〜5g/m2
好ましくは0.5〜3g/m2 になるように前述の塗工
装置を用いて塗被した後、直ちに加熱した鏡面ドラムに
圧接、乾燥、剥離することによってキャスト塗被紙を得
る。なお、キャスト仕上げ前にあらかじめ下塗り塗被層
をスーパーカレンダー、ソフトカレンダー、ブラシ掛け
処理により、平滑化を施すことも有効である。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明するが、勿論これらに限定されるものではない。ま
た、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ重
量部および重量%を示す。
【0022】実施例1 カオリン(商品名:UW−90/EC社製)60部、重
質炭酸カルシウム(商品名:Hydrocarb 90
/OMYA社製)20部、軽質炭酸カルシウム(商品
名:ブリリアントS−15/白石工業製)20部、酸化
変性澱粉(商品名:エースA/王子コーンスターチ製)
2部、スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス11部
(商品名:T−2550/日本合成ゴム製)からなる固
形分60%の下塗り用塗被組成物を、坪量90g/m2
の原紙上にブレードコーターで乾燥重量が20g/m2
となるように塗被、乾燥し、下塗り原紙とした。
【0023】一方、キャスト用塗被組成物として、表1
に示されたモノマー組成を持つ共重合体組成物A100
部、顔料としてカオリン(商品名:UW−90)45
部、離型剤としてステアリン酸亜鉛の分散体(商品名:
ハイドリンZ−7/中京油脂製)5部よりなる固形分濃
度40%の上塗り用塗被組成物を調製した。この上塗り
用塗被組成物を前述の下塗り原紙上にロールコーターを
使用して、塗被量が4g/m2 となるように塗被し、た
だちに、表面温度80℃に加熱した鏡面クロムメッキド
ラム上にニップ線圧約20kg/cmで圧接、乾燥、剥
離を行って強光沢塗被紙を得た。
【0024】実施例2 実施例1において、共重合体組成物Aの代わりに共重合
体組成物B(表1に記載)を使用した以外は実施例1と
同様にして強光沢塗被紙を得た。
【0025】実施例3 実施例1において、共重合体組成物Aの代わりに共重合
体組成物C(表1に記載)を使用した以外は実施例1と
同様にして強光沢塗被紙を得た。
【0026】実施例4 実施例1において、上塗り用塗被組成物の濃度を35%
とし、塗被量を2g/m2 とした以外は実施例1と同様
にして強光沢塗被紙を得た。
【0027】実施例5 実施例1において、共重合体組成物A100部、顔料と
してポリスチレン系プラスチックピグメント100部、
離型剤として、オレイン酸アンモニウム3部よりなる上
塗り用塗被組成物(固形分42%)を使用し、塗被量を
4g/m2 とした以外は実施例1と同様にして強光沢塗
被紙を得た。
【0028】実施例6 実施例3において、加熱鏡面ドラムの表面温度を60℃
とした以外は実施例3と同様にして強光沢塗被紙を得
た。
【0029】実施例7 実施例1において、カオリンを無添加とし、固形分濃度
を35%にした以外は実施例1と同様にして強光沢塗被
紙を得た。この時の上塗り用塗被組成物の塗被量は2g
/m2 であった。
【0030】比較例1 実施例1において、共重合体組成物Aの代わりに共重合
体組成物D(表1に記載)を使用した以外は実施例1と
同様にして強光沢塗被紙を得た。
【0031】比較例2 実施例1において、共重合体組成物Aの代わりに共重合
体組成物E(表1に記載)を使用した以外は実施例1と
同様にして強光沢塗被紙を得た。
【0032】比較例3 実施例1において、共重合体組成物Aの代わりに共重合
体組成物F(表1に記載)を使用した以外は実施例1と
同様にして強光沢塗被紙を得た。
【0033】比較例4 実施例1において、上塗り用塗被組成物を坪量100g
/m2 の原紙上に塗工量が15g/m2 となるように、
直接エアーナイフコーターで塗被、乾燥した後、加熱鏡
面ドラムに圧接した以外は実施例1と同様にして強光沢
塗被紙を得た。
【0034】比較例5 顔料としてカオリン(商品名:UW−90)70部、軽
質炭酸カルシウム(商品名:PX/白石工業製)30
部、接着剤として、カゼイン10部、スチレン/ブタジ
エン共重合体ラテックス12部(商品名:T−2550
/日本合成ゴム製)、離型剤としてオレイン酸アンモニ
ウム2部からなる固形分50%の上塗り用塗被組成物
を、実施例1で使用した下塗り原紙と同様の下塗り原紙
上にロールコーターで乾燥重量が10g/m2 となるよ
うに塗被し、直ちに、加熱鏡面ドラムに圧接、乾燥、剥
離し、キャスト塗被紙を得た。
【0035】かくして得られた強光沢塗被紙の光沢、イ
ンキセット、離型速度(操業性)を下記の方法で評価
し、得られた結果を表1にまとめて示した。
【0036】(白紙光沢)JIS−P8142に準拠し
て75度光沢および20度光沢を測定した。測定機器
(MURAKAMI COLOR RESERCH LABORATORY :GM−20)
【0037】(インキグロス)RI−1型印刷試験機で
シートオフセット用インキ(TRANS−G墨/大日本
インキ化学工業製)0.6ccを用いて塗被紙表面に印
刷し、一日放置後、印刷面の20度光沢を測定した。測
定機器(MURAKAMI COLOR RESERCH LABORATORY:GM−
20)
【0038】(インキセット)RI−1型印刷試験機で
シートオフセット用インキ(TRANS−G墨/大日本
インキ化学工業製)0.6ccを用いて塗被紙表面に印
刷し、印刷直後、印刷から2分後、および5分後に、塗
被紙の印刷表面に上質紙を重ね合わせて一定の圧力で加
圧し、上質紙に転移したインキ濃度を以下の基準で判定
した。 ◎:2分後にはインキが殆ど転移しない。 ○:5分後には、インキが殆ど転移しない。 △:印刷直後のインキの転移濃度に対し、5分後の転移
濃度が薄くなっている。 ×:5分後のインキ濃度が濃く、インキ乾燥性が悪い。
【0039】(離型速度)加熱鏡面ドラムに圧接してか
ら、剥離するまでの秒数を測定した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】表2より明らかなように、本発明の実施
例によって得られた強光沢塗被紙は、白紙光沢、印刷適
性(インキセット性)、および操業性に優れたものであ
った。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料および接着剤を主成分とする下塗り塗
    被層を設けた原紙上に、共重合体組成物を主成分とする
    塗被液を塗被してキャスト用塗被層を形成せしめ、該キ
    ャスト用塗被層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面
    ドラムに圧接、乾燥して仕上げるキャスト塗被紙におい
    て、該共重合体組成物がモノマー成分として、(メタ)
    アクリル酸と炭素数が10以上の脂肪族アルコールとの
    エステルを含有し、かつ該共重合体組成物のガラス転移
    点が30〜80℃であることを特徴とするキャスト塗被
    紙。
  2. 【請求項2】共重合体組成物が少なくともスチレンとラ
    ウリルアクリレートをモノマー成分として含有し、かつ
    ラウリルアクリレートが全モノマー成分に対し固形分と
    して5〜20重量%含まれる請求項1記載のキャスト塗
    被紙。
  3. 【請求項3】共重合体組成物が少なくともスチレン、ラ
    ウリルアクリレート、および2−エチルヘキシルアクリ
    レートをモノマー成分として含有し、かつラウリルアク
    リレートが全モノマー成分に対し固形分として5〜20
    重量%含まれる請求項1記載のキャスト塗被紙。
JP10804196A 1996-04-26 1996-04-26 キャスト塗被紙 Pending JPH09296390A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000154493A (ja) * 1998-11-16 2000-06-06 Rohm & Haas Co 紙基体の改質方法

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