JPH09296365A - ニット生地のアンモニア処理方法及び装置 - Google Patents

ニット生地のアンモニア処理方法及び装置

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JPH09296365A
JPH09296365A JP13094596A JP13094596A JPH09296365A JP H09296365 A JPH09296365 A JP H09296365A JP 13094596 A JP13094596 A JP 13094596A JP 13094596 A JP13094596 A JP 13094596A JP H09296365 A JPH09296365 A JP H09296365A
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JP
Japan
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knit fabric
fabric
ammonia
knit
belt
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JP13094596A
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Minoru Aoki
實 青木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ニット生地に対して、長手方向に延びる時に
発生し易い皺や両側縁の耳反り等の好ましくない変形を
生じさせないでアンモニア処理を可能にした方法及び装
置を提供する。 【構成】 連続して移送される長尺のニット生地に対し
て、湿気除去工程と、該アンモニア含浸工程と、液体ア
ンモニアを含浸せしめた状態で所定時間を経過せしめる
処理工程と、ニット生地に付着した液体アンモニアの大
半を除去する第一除去工程と、残留する液体アンモニア
を除去すると共に該ニット生地を乾燥せしめる第二除去
工程とを連続的に構成して成り、前記処理工程及び第二
除去工程において、ニット生地に実質的にテンションを
付与しないで、該ニット生地をコンベヤベルトの実質的
な平坦部に載せた状態で該コンベヤベルトに同行して移
送せしめる構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニット生地のアン
モニア処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、織物生地にアンモニア処理を施す
技術が知られている。アンモニア処理を施すと、セルロ
ースが膨潤することにより強度が増加すると共にソフト
性が増し、生地のウオッシュ・アンド・ウエア性が向上
し、生地の収縮によりウオッシュ後の防縮効果があるか
らである。
【0003】本発明者の経験によれば、織物生地のアン
モニア処理は、連続して移送される長尺の織物生地に対
して、該生地中の湿気を除去する湿気除去工程と、該織
物生地に無水の液体アンモニアを含浸せしめるアンモニ
ア含浸工程と、液体アンモニアを含浸せしめた状態で織
物生地を移送せしめたまま所定時間を経過せしめる処理
工程と、織物生地に付着した液体アンモニアの大半を除
去する第一除去工程と、織物生地に残留する液体アンモ
ニアを水蒸気により除去すると共に該織物生地を乾燥す
る第二除去工程とを連続的に構成することが必要であ
る。
【0004】歩留りの良好性と生産効率の向上を図るた
めには、最初の工程から最後の工程に至るまで、生地を
一定以上の速度で移送せしめることが求められ、装置全
体の省スペース化を図るためには、最初の工程から最後
の工程に至る設備の長さを可及的短寸化することが望ま
れる。
【0005】そこで、従来、前記処理工程は、上下に配
置された多数のアイドルローラに対して織物生地をジグ
ザグ状に経由せしめ、移送中の織物生地がそこを通過し
終えるまでに、アンモニア処理のための必要な時間を確
保するタイミングゾーンを形成することが提案されてい
る。
【0006】また、前記第二除去工程においても、上下
に配置された多数のアイドルローラに対して織物生地を
ジグザグ状に経由せしめ、織物生地がそこを移送されて
いる間、水蒸気を吹付けることにより液体アンモニアの
残留分を除去すると共に、ヒーターにより織物生地を乾
燥することが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来技術として説明し
た前述のアンモニア処理方法及び装置は、それが織物生
地に実施される限り、特に重大な問題を提起しない。
【0008】然しながら、本発明者が知見したところに
よると、従来技術をニット生地に実施すると、処理行程
中に、ニット生地に皺や、生地両側の耳部におけるカー
ル状の反り、その他の好ましくない形状が発生し易く、
しかも、アンモニア処理されているため、これが復元せ
ず痕跡として残存するという問題がある。従って、これ
が現在まで業界において、ニット生地にアンモニア処理
を施すことが困難であると考えられたきた所以であると
考えられる。このため、現在では、例えば、機械的手段
によりニット生地を予め収縮させることが行われている
が、根本的な問題解決とは言い難い。
【0009】そこで、本発明者において、この点の原因
を探究すると、ニット生地は、強いテンションが加えら
れると、長手方向に延び、ニット生地の性質上、皺が発
生し易い。
【0010】また、織物生地とニット生地の何れを問わ
ず、前述の従来技術は、第二の除去工程において、上下
にジグザグ状に折返した状態で移送される生地に対して
水蒸気を噴射するため、室内壁に多くの露が付着してお
り、乾燥後の生地に水滴が滴下すると、生地の表面に痕
跡を残す虞れがある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決し、従来困難と考えられていたニット生地にアンモニ
ア処理を施すことを可能とした方法及び装置を提供する
ものである。
【0012】そこで、本発明の処理方法が第一の手段と
して構成したところは、連続して移送される長尺のニッ
ト生地に対して、該生地中の湿気を除去する湿気除去工
程と、該ニット生地に無水の液体アンモニアを含浸せし
めるアンモニア含浸工程と、液体アンモニアを含浸せし
めた状態でニット生地を移送せしめたまま所定時間を経
過せしめる処理工程と、その後、ニット生地に付着した
液体アンモニアの大半を除去する第一除去工程と、ニッ
ト生地に残留する液体アンモニアを水蒸気により除去す
ると共に該ニット生地を乾燥せしめる第二除去工程とを
連続的に構成して成り、前記処理工程が、ニット生地に
実質的にテンションを付与しないで、該ニット生地をコ
ンベヤベルトの実質的な平坦部に載せた状態で該コンベ
ヤベルトに同行して移送せしめる点にある。
【0013】また、本発明の処理方法が第二の手段とし
て構成したところは、前記第一の手段に加えて、前記第
二除去工程が、ニット生地に実質的にテンションを付与
しないで、該ニット生地をコンベヤベルトの実質的な平
坦部に載せた状態で該コンベヤベルトに同行して移送せ
しめると共に、移送中のニット生地に対面して設置され
たスチーマーの水蒸気によりニット生地に残留した液体
アンモニアを除去した後、移送中のニット生地に対面し
て設置されたヒーターにより該ニット生地を乾燥せしめ
る点にある。
【0014】更に、本発明の処理装置が手段として構成
したところは、連続して移送される長尺のニット生地に
対して、該生地中の湿気を除去する加熱装置と冷風装置
とを含む湿気除去手段と、該ニット生地に無水の液体ア
ンモニアを含浸せしめるアンモニア含浸手段と、液体ア
ンモニアを含浸せしめた状態でニット生地を移送せしめ
たまま所定時間を経過せしめる処理手段と、ニット生地
に付着した液体アンモニアの大半を除去する第一除去手
段と、ニット生地に残留する液体アンモニアを水蒸気に
より除去すると共に該ニット生地を乾燥せしめる第二除
去手段とを連続的に構成して成り、前記処理手段が、ニ
ット生地に実質的にテンションを付与しないで該ニット
生地を載せた状態で同行して移送せしめるアラミド繊維
から成るフェルト製のエンドレスベルトを備えたベルト
コンベヤ装置から成り、前記第二除去手段が、ニット生
地に実質的にテンションを付与しないで該ニット生地を
載せた状態で同行して移送せしめるアラミド繊維から成
るネット状のエンドレスベルトを備えたベルトコンベヤ
装置と、ベルト上のニット生地に対面して設置されたス
チーマーと、該スチーマーに続いてベルト上のニット生
地に対面して設置されたヒーターとから成る点にある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の実施
形態を詳述する。
【0016】ニット生地1は、編機により編成されたチ
ューブ状の生地を切断することにより展開された長尺帯
状のものであり、アンモニア処理における最初の工程か
ら最後の工程に至るまで、連続して定速で移送される。
【0017】(湿気除去工程)図1に示すように、ニッ
ト生地1は、先ず、該生地中の湿気を除去するために湿
気除去工程2を通過する。図示実施形態において、ニッ
ト生地1は、回転駆動される複数の加熱ドラムから成る
加熱装置3を通過せしめられる際に湿気を除去された
後、冷風装置4を通過することにより冷却される。従っ
て、この加熱装置3と冷風装置4により湿気除去手段2
aを構成する。
【0018】(アンモニア含浸工程)次いで、ニット生
地1は、シール開口5を経て処理室6に進入し、アンモ
ニア含浸工程7において、無水の液体アンモニアを含浸
せしめられる。図示実施形態において、ニット生地1
は、無水の液体アンモニアを貯留した液槽8に浸漬せし
められた後に引き上げられ、駆動ローラ9aと絞りロー
ラ9bを通過することにより過剰な液体アンモニアを落
とされる。流下した液体アンモニアは、前記液槽8に還
流される。
【0019】(処理工程)液体アンモニアを含浸したニ
ット生地1は、処理工程10に送られ、そこで所定時間
を経過することにより、セルロースを充分に膨潤せしめ
られる。処理時間は、通常、6〜10秒程度であるが、
その間、ニット生地1は、実質的にテンションを付与さ
れることなく定速で移送される。
【0020】この処理工程を実施するための処理手段1
0aは、アラミド繊維から成るフェルト製のエンドレス
ベルト12を備えたベルトコンベヤ装置11を構成す
る。このエンドレスベルト12は、耐薬品性及び耐熱性
を備えたポリアラミド系の繊維を素材としてニードルパ
ンチにより形成された不織布から成る。
【0021】図2に示すように、エンドレスベルト12
は、一対のローラ13、14間に掛け渡された実質的な
平坦部12aを形成し、該平坦部12aにニット生地1
を載せた状態で、該ベルト12とニット生地1を同行し
ながら移送する。この際、ニット生地1は、液体アンモ
ニアを含浸しているため、重量を増すと共にフラットに
保形されており、従って、ベルト12の平坦部12aに
適度に密着した状態で載置される。そして、ベルト12
は、前述のようにフェルト製であるから、表面繊維の毛
先によりニット生地1をソフトに支持し、しかも、適度
な摩擦接触によりニット生地1を同行せしめる。その結
果、ほとんどテンションを与えない状態で、ニット生地
1を所定の速度で移送することが可能であり、その間、
ニット生地1に外力による何らの変形も生じさせずにア
ンモニア処理を行う。尚、図示実施例では、ベルト12
の平坦部12aが直線的に延びるものを例示したが、前
記ローラ13、14間に配置したローラ13a、14a
等の配列高さを変更することにより、平坦部12aを中
高な山形状に形成しても良く、要するに実質的に平坦な
ものに形成すれば良い。
【0022】前記エンドレスベルト12は、前記ローラ
13、14から折返され、表面を内向きとしてスチーム
ドラム等の加熱ドラム15に巻掛けられる。従って、前
記ニット生地1に接触した間に液体アンモニアを吸収し
たベルト12の表面は、駆動回転される加熱ドラム15
を通過する際に乾燥される。尚、ベルト12を加熱ドラ
ム15に導くためのローラ16、17が設けられてい
る。
【0023】(テンションフリー手段)前記アンモニア
含浸工程7で液槽8を通過することにより無水の液体ア
ンモニアを含浸せしめられると、ニット生地1は収縮
し、収縮した状態で次の処理行程10のエンドレスベル
ト12により移送される。このため、アンモニア含浸工
程7と処理工程10におけるニット生地1の移送速度が
等しいと、両工程7、10の間においてニット生地1に
テンションが加わる虞れがある。
【0024】そこで、アンモニア含浸工程7と処理工程
10の間には、テンションフリー手段60が設けられて
いる。図1及び図2に示すように、この手段60は、ア
ンモニア含浸工程7を経たニット生地1を処理工程10
のエンドレスベルト12に載せる前に滞留せしめる滞留
区域61により形成され、その部分でニット生地1が進
行速度を低下して滞留するように構成している。この滞
留を可能とするため、アンモニア含浸工程7におけるニ
ット生地1の移送速度に対して、処理工程10における
ベルトコンベヤ装置11を相対的に低速とするように駆
動源を調整する手段が設けられており、これにより、ア
ンモニア含浸工程7を経たニット生地1は、ガイドロー
ラ61から下方へ垂れ下がり、生地1の垂れ下がり部1
aから上方へと延びて処理工程10のベルトコンベヤ装
置11に導かれる。
【0025】図示実施例において、滞留区域61には、
前記垂れ下がり部1aを下方から受けるほぼU形の受部
材63を設けており、これにより受部材63の上で垂れ
下がり部1aが折り曲げられながら溜まり量を自ら調整
する。図示省略しているが、この溜まり量は、光電管そ
の他のセンサーにより検知され、処理工程10のベルト
コンベヤ装置11の駆動源を増速又は減速する。即ち、
溜まり量が増すと、それに応じてベルトコンベヤ装置1
1の駆動源を増速し、滞留区域61における生地1の滞
留が常に適量となるように調整する。
【0026】(第一除去工程)アンモニア処理を終えた
ニット生地1は、第一除去工程19に送られ、そこでニ
ット生地1に付着した液体アンモニアの大半を除去され
る。即ち、ニット生地1に含浸付着していた液体アンモ
ニアの約90〜95%程度がこの第一除去工程19にお
いて除去される。そこで、この第一除去工程19を実施
するための第一除去手段19aは、次に述べるような第
一加熱ドラム及び第二加熱ドラムに巻掛けられたエンド
レスベルトを有するベルトコンベヤ装置により構成され
る。
【0027】図3に示すように、ニット生地1は、駆動
回転される大型の第一加熱ドラム20に巻掛けられた
後、加熱ベルト21に載せられて移送される。加熱ベル
ト21は、アラミド繊維(例えばポリアミド繊維)から
成る吸液性に優れたフェルト製のエンドレスベルトを形
成し、前記第一加熱ドラム20に対してニット生地1を
挟んで保持する保持部22と、該保持部22からニット
生地1を載せたまま次工程に向けて同行移送せしめる移
送部23を構成する。従って、第一加熱ドラム20に対
して積層状に重ねて巻掛けられたニット生地1とベルト
の保持部22は、該第一加熱ドラム20の回転に同期し
て同行され、その間に、ニット生地1を加熱し含浸付着
した液体アンモニアの大半を蒸発させ、フェルト製の加
熱ベルト21を通して放出する。そして、ニット生地1
は、第一加熱ドラム20とベルトの保持部22に挟まれ
た状態で同行されているので、実質的にはテンションを
付与されることはなく、しかも、その後は、実質的に平
坦に構成されたベルトの移送部23に載せられた状態で
同行移送されるので、ここでも実質的にテンションを与
えられることなく、外力による何らの変形も生じないで
第一除去工程19を実施される。
【0028】前記加熱ベルト21は、移送部23からロ
ーラ24を介してニット生地1から離れると共に、駆動
回転する第二加熱ドラム25に導かれ、該ベルトの表面
を内向きとして第二加熱ドラム25に巻掛けられ、該第
二加熱ドラム25を通過した後、ローラ26により折返
される。従って、加熱ベルト21の表面は、第二加熱ド
ラム25を通過する際に加熱され、湿潤状態から乾燥せ
しめられる。ローラ26により折返された加熱ベルト2
1は、ガイドローラ27、28を経て第一加熱ドラム2
0の近傍に導かれ、導入ローラ29により折返されると
共に、ニット生地1に重ねた状態で第一加熱ドラム20
に案内され、第一加熱ドラム20を通過した後、導出ロ
ーラ30により折返されると共にニット生地1を重ねた
状態で前記移送部23に向かう。
【0029】前記アンモニア含浸工程7、処理工程1
0、第一除去工程19は、前記処理室6の内部において
行われる。処理室6の内部におけるアンモニア雰囲気が
漏洩しないように、処理室6は密閉されており、室内は
マイナス気圧に維持されている。ニット生地1は、気密
的シールを施された前記シール開口5を介して処理室6
に進入し、前記各工程を終えた後、同様に気密シールを
施されたシール開口32を介して処理室6から次の乾燥
室33に進入する。尚、処理室6の内部で流下せしめら
れた液体アンモニアは、回収装置34により回収され、
再利用される。
【0030】(第二除去工程)前述のように第一除去工
程19により含浸付着した液体アンモニアの約90〜9
5%程度を除去されたニット生地1は、乾燥室33に進
入し、そこで第二除去工程35を実施される。即ち、ニ
ット生地1に残存した約5〜10%の残留液体アンモニ
アを完全に除去されると共に、乾燥せしめられ、その
間、ニット生地1は、実質的にテンションを付与される
ことなく定速で移送される。
【0031】この第二除去工程35を実施するための第
二除去手段35aは、ネット状のエンドレスベルト36
を備えたベルトコンベヤ装置37を構成する。このエン
ドレスベルト36は、耐薬品性及び耐熱性を備えたアラ
ミド繊維(例えばポリアミド繊維)を素材とするメッシ
ュ状ネットから成る。
【0032】図4(A)に示すように、エンドレスベル
ト36は、一対のローラ38、39間に掛け渡された実
質的な平坦部36aを形成し、該平坦部36aにニット
生地1を載せた状態で、該ベルト36とニット生地1を
同行しながら移送する。この際、ベルト36は、ネット
状であるから、適度な摩擦接触によりニット生地1を同
行せしめる。その結果、ほとんどテンションを与えない
状態で、ニット生地1を所定の速度で移送することが可
能であり、その間、ニット生地1に外力による何らの変
形も生じさせずに第二除去工程を実施する。尚、図示実
施例では、ベルト36の平坦部36aが直線的に延びる
ものを例示したが、前記ローラ38、39間に別のロー
ラを配置し、平坦部36aを中高な山形状に形成しても
良く、要するに実質的に平坦なものに形成すれば良い。
【0033】前記平坦部36aの上流側の上方には、移
送中のニット生地1の表面に対面するスチーマー40が
設置され、水蒸気の噴射によりニット生地1の内部に残
留した液体アンモニアを吸収させる。次いで、平坦面3
6aの下流側の上方には、移送中のニット生地1の表面
に対面するヒーター41が設置され、ニット生地1を乾
燥する。
【0034】図示実施例では、前記スチーマー40に対
向して平坦部36aの下方に設置された第二のスチーマ
ー40aと、前記ヒーター41に対向して平坦部36a
の下方に設置された第二のヒーター41aとを有し、ネ
ット状ベルト36のメッシュを通してニット生地1を下
方から乾燥すると共に、ベルト36自体の洗浄と乾燥を
行う。
【0035】前記ベルト36は、適宜ローラ42、43
を介して平坦部36aに戻るエンドレス状に構成され、
図示矢印方向に巡回走行する駆動源を備える。
【0036】図1に示すように、乾燥室33は、内部の
アンモニア雰囲気が漏洩しないように密閉されており、
室内はマイナス気圧に維持されている。ニット生地1
は、気密的シールを施された前記シール開口32を介し
て乾燥室33に進入し、前記第二除去工程を終えた後、
同様に気密シールを施されたシール開口45を介して乾
燥室33から送出される。尚、乾燥室33の内部で流下
せしめられた液体アンモニアを含む水は、回収され、浄
化装置へと送られる。
【0037】この第二除去工程35において、スチーマ
ー40は、下向きに且つニット生地1に対して至近距離
から水蒸気を噴射するので、乾燥室33の天井に露が付
着することはほとんどなく、従って、ヒーター41によ
り乾燥された生地1に水滴が滴下するようなことはな
い。
【0038】(送出工程)上記によりアンモニア処理を
終えたニット生地1は、図1に示すように、前記シール
開口45を介して乾燥室33から導出された後、スイン
グ装置46を経て折畳まれながらストックされる。
【0039】(縦皺防止手段)上記各工程の間、或いは
必要に応じて各工程中には、図4(B)に示すような縦
皺防止手段64が設けられている。この縦皺防止手段6
4は、ニット生地1の移送方向を案内するガイドロッド
65から成り、長手方向中央から左右に間隔をおいて多
数の周溝66a、66bを形成している。左右の周溝6
6a、66bは、それぞれニット生地1との接触部にお
いて、該ニット生地1の進行方向に従い次第に軸端に向
けて傾斜するように形成されており、これにより該周溝
66a、66bに接して移送されるニット生地1を両側
に広げるように作用する。その結果、移送中のニット生
地1の縦皺が防止される。
【0040】(比較例)本発明の特徴を明らかにするた
め、図5に比較例を示している。この比較例は、湿気除
去工程2Y、アンモニア含浸工程7Y、第一除去工程1
9Yの点では、本発明の実施形態と同様であるが、処理
工程10Y及び第二除去工程35Yが本発明と異なり、
上述した従来の織物生地のアンモニア処理方法と同様の
構成が採用されている。
【0041】即ち、比較例において、処理工程10Y
は、液体アンモニアを含浸したニット生地1Yを上下に
配置された多数のアイドルローラ50Yに対してジグザ
グ状に経由せしめ、移送中の生地1Yがそこを通過し終
えるまでに、アンモニア処理のための必要な時間を確保
するタイミングゾーンを形成している。ところが、この
ように、ニット生地1Yを多数のアイドルローラ50Y
にジグザグ状に掛けた状態で、別途駆動回転するドラム
等により移送せしめると、この処理工程10Y中に、ニ
ット生地1Yがテンションにより伸長され、長手方向に
延びる皺を生じたり、帯状生地の両側縁がカールする所
謂耳反りを生じる。そして、このような変形状態で生地
1Yにアンモニア処理が行われると、変形個所が復元せ
ず痕跡として残存してしまい、商品として提供できな
い。
【0042】また、第二除去工程35Yは、上下に配置
された多数のアイドルローラ51Yに対してニット生地
1Yをジグザグ状に経由せしめ、生地1Yがそこを移送
されている間、水蒸気を吹付けることにより液体アンモ
ニアの残留分を除去すると共に、ヒーター44Yにより
該生地1Yを乾燥するように構成されている。ところ
が、前述と同様に、この第二除去工程35Yにおいて
も、多数のアイドルローラ51Yにジグザグ状に掛けら
れる結果、ニット生地1Yに強いテンションが付与さ
れ、そこで長手方向に延びる皺を生じたり、両側縁の耳
反りを生じてしまい、ここでも復元困難な変形による痕
跡を発生するという問題がある。
【0043】しかも、第二除去工程35Yに際し、上下
にジグザグ状に折返した状態で移送される生地1Yに対
して水蒸気を横向きに噴射するため、室内の天井面に多
くの露が付着し、それが乾燥後の生地滴下して生地の表
面に汚点を残すという問題がある。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、従来、困難と考えられ
ていたニット生地1に対するアンモニア処理が可能にな
るという効果がある。
【0045】特に、本発明によれば、比較例に示すよう
な従来の織物生地に対するアンモニア処理方法をニット
生地に対して実施したとき、ニット生地に特有の性質に
より、処理工程及び第二除去工程を実施するに際して長
手方向に引っ張られる際に発生し易い皺や両側縁の耳反
りを生じる問題を知見し、この問題を解決した点に特徴
がある。
【0046】即ち、本発明は、処理工程10を、ニット
生地1に実質的にテンションを付与しないで、該ニット
生地1をコンベヤベルト12の実質的な平坦部12aに
載せた状態で該ベルト12に同行して移送せしめるよう
に構成すると共に、第二除去工程35を、ニット生地1
に実質的にテンションを付与しないで、該ニット生地1
をコンベヤベルト36の実質的な平坦部36aに載せた
状態で該ベルト36に同行して移送せしめ、移送中のニ
ット生地1に対面して設置されたスチーマー40の水蒸
気によりニット生地1に残留した液体アンモニアを除去
した後、移送中のニット生地1に対面して設置されたヒ
ーター41により該ニット生地1を乾燥せしめるように
構成したものであるから、ニット生地1に長手方向に引
っ張られる際に発生し易い皺や両側縁の耳反りの発生を
抑制し、平坦な原形のままニット生地1にアンモニア処
理を施すことが可能になったものである。
【0047】そして、本発明によれば、処理工程10の
ベルト12が、アラミド繊維から成るため、耐薬品性及
び耐熱性に優れ長時間の連続操業を可能にするばかり
か、フェルトを構成しているので、表面繊維の毛先によ
りニット生地1をソフトに支持し、しかも、適度な摩擦
接触によりニット生地1を同行せしめ、その結果、ほと
んどテンションを与えない状態で、ニット生地1を所定
の速度で移送することが可能になり、その間、ニット生
地1に外力による変形を生じさせずに所望の工程を実施
できるという顕著な効果がある。
【0048】更に、本発明によれば、第二除去工程35
において、ベルトコンベヤ装置37のエンドレスベルト
36にニット生地1を載せた状態で同行して移送せしめ
る構成としているので、ニット生地1をソフトに支持し
た状態で移送し、スチーマー40のスチーミングによる
アンモニアの遊離と、ヒーター41による乾燥を、ニッ
ト生地1にほとんどテンションを与えない状態で実施す
ることができる。この際、エンドレスベルト36は、ア
ラミド繊維から成るネット状のベルトにより形成されて
いるので、耐薬品性及び耐熱性に優れることはもとよ
り、メッシュを通して、アンモニアを遊離せしめた蒸気
を好適に落下せしめ、しかも、上下からのスチーミング
によるアンモニアの遊離を可能にすると共に、上下から
の乾燥のためのヒーターの輻射熱をニット生地1に効率
良く作用せしめることが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全工程を実施する装置を示
す概略図である。
【図2】本発明の実施形態における処理工程を実施する
ための処理手段を示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態における第一除去工程を実施
するための第一除去手段を示す断面図である。
【図4】(A)は本発明の実施形態における第二除去工
程を実施するための第二除去手段を示す断面図であり、
(B)は耳反り防止手段を示す斜視図である。
【図5】本発明に対する比較例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ニット生地 1a 滞留部 2 湿気除去工程 2a 湿気除去手段 6 処理室 7 アンモニア含浸工程 7a アンモニア含浸手段 10 処理工程 10a 処理手段 12 エンドレスベルト 12a 平坦部 15 加熱ドラム 19 第一除去工程 19a 第一除去手段 20 第一加熱ドラム 21 加熱ベルト 25 第二加熱ドラム 33 乾燥室 35 第二除去工程 35a 第二除去手段 36 エンドレスベルト 36a 平坦部 40 スチーマー 41 ヒーター 60 テンションフリー手段 61 滞留区域 64 縦皺防止手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続して移送される長尺のニット生地に
    対して、該生地中の湿気を除去する湿気除去工程と、該
    ニット生地に無水の液体アンモニアを含浸せしめるアン
    モニア含浸工程と、液体アンモニアを含浸せしめた状態
    でニット生地を移送せしめたまま所定時間を経過せしめ
    る処理工程と、その後、ニット生地に付着した液体アン
    モニアの大半を除去する第一除去工程と、ニット生地に
    残留する液体アンモニアを水蒸気により除去すると共に
    該ニット生地を乾燥せしめる第二除去工程とを連続的に
    構成して成り、 前記処理工程が、ニット生地に実質的にテンションを付
    与しないで、該ニット生地をコンベヤベルトの実質的な
    平坦部に載せた状態で該コンベヤベルトに同行して移送
    せしめることを特徴とするニット生地のアンモニア処理
    方法。
  2. 【請求項2】 連続して移送される長尺のニット生地に
    対して、該生地中の湿気を除去する湿気除去工程と、該
    ニット生地に無水の液体アンモニアを含浸せしめるアン
    モニア含浸工程と、液体アンモニアを含浸せしめた状態
    でニット生地を移送せしめたまま所定時間を経過せしめ
    る処理工程と、その後、ニット生地に付着した液体アン
    モニアの大半を除去する第一除去工程と、ニット生地に
    残留する液体アンモニアを水蒸気により除去すると共に
    該ニット生地を乾燥せしめる第二除去工程とを連続的に
    構成して成り、 前記処理工程が、ニット生地に実質的にテンションを付
    与しないで、該ニット生地をコンベヤベルトの実質的な
    平坦部に載せた状態で該コンベヤベルトに同行して移送
    せしめることを特徴とし、 前記第二除去工程が、ニット生地に実質的にテンション
    を付与しないで、該ニット生地をコンベヤベルトの実質
    的な平坦部に載せた状態で該コンベヤベルトに同行して
    移送せしめると共に、移送中のニット生地に対面して設
    置されたスチーマーの水蒸気によりニット生地に残留し
    た液体アンモニアを除去した後、移送中のニット生地に
    対面して設置されたヒーターにより該ニット生地を乾燥
    せしめることを特徴とするニット生地のアンモニア処理
    方法。
  3. 【請求項3】 連続して移送される長尺のニット生地に
    対して、該生地中の湿気を除去する加熱装置と冷風装置
    とを含む湿気除去手段と、該ニット生地に無水の液体ア
    ンモニアを含浸せしめるアンモニア含浸手段と、液体ア
    ンモニアを含浸せしめた状態でニット生地を移送せしめ
    たまま所定時間を経過せしめる処理手段と、ニット生地
    に付着した液体アンモニアの大半を除去する第一除去手
    段と、ニット生地に残留する液体アンモニアを水蒸気に
    より除去すると共に該ニット生地を乾燥せしめる第二除
    去手段とを連続的に構成して成り、 前記処理手段が、ニット生地に実質的にテンションを付
    与しないで該ニット生地を載せた状態で同行して移送せ
    しめるアラミド繊維から成るフェルト製のエンドレスベ
    ルトを備えたベルトコンベヤ装置から成り、 前記第二除去手段が、ニット生地に実質的にテンション
    を付与しないで該ニット生地を載せた状態で同行して移
    送せしめるアラミド繊維から成るネット状のエンドレス
    ベルトを備えたベルトコンベヤ装置と、ベルト上のニッ
    ト生地に対面して設置されたスチーマーと、該スチーマ
    ーに続いてベルト上のニット生地に対面して設置された
    ヒーターとから成ることを特徴とするニット生地のアン
    モニア処理装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100964977B1 (ko) * 2008-05-31 2010-06-21 (재)한국섬유소재연구소 니트 원단용 수분공급 장치
CN104947412A (zh) * 2014-03-24 2015-09-30 韩国纤维素材研究院 通过利用液氨加工针织物的方法
EP3885485A4 (en) * 2019-06-28 2022-02-02 Luthai Textile Co. Ltd. KNITWEAR AND METHOD OF PRODUCTION, DEVICE USED AND CLOTHING MADE THEREOF

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