JPH09296060A - ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法

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JPH09296060A
JPH09296060A JP13268496A JP13268496A JPH09296060A JP H09296060 A JPH09296060 A JP H09296060A JP 13268496 A JP13268496 A JP 13268496A JP 13268496 A JP13268496 A JP 13268496A JP H09296060 A JPH09296060 A JP H09296060A
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耕太郎 滝田
Koichi Kono
公一 河野
Norimitsu Kaimai
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池用セパレーターの構造、特に電極と
接する膜の表面に凹凸をつけるようにした粗度及び開孔
度をコントロールすることにより、電極の有効断面積の
向上と電解液の保持量を改良させ、電解液リッチな層を
形成せしめ、充放電時のリチウムイオンの電極間移動速
度を向上させることによって電池特性を向上させること
のできるポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 (1)重量平均分子量が5×105 以上
のポリオレフィンまたはそのポリオレフィン組成物から
なり、表面の平滑度が50000秒以下でかつ表面の開
孔度が40%以上のポリオレフィン微多孔膜及び(2)
前記ポリオレフィンまたはその組成物10〜80重量%
と溶媒90〜20重量%とからなる溶液を冷却してゲル
状成形物を形成し、前記ゲル状成形物を降温条件下で加
熱延伸するポリオレフィン微多孔膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン微
多孔膜及びその製造方法に関し、特に表面の粗度及び開
孔度を向上させたポリオレフィン微多孔膜及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微多孔膜は、電池用セパレーター、電解
コンデンサー用隔膜、各種フィルター、透湿防水衣料、
逆浸透濾過膜、限外濾過膜、精密濾過膜等の各種用途に
用いられている。特に、電池用セパレーター中でもリチ
ウム二次電池等のセパレーターとしてその用途が期待さ
れている。
【0003】リチウム二次電池は超電力が2.5〜4V
と高く、活性質の主成分をなすリチウムの分子量が小さ
いために、最もエネルギー密度の高い二次電池の一つと
して期待されている。コイン型や単3サイズの小容量リ
チウム二次電池は、メモリーバックアップ用電池や携帯
電話などで用いられている。しかし、電気自動車や小規
模負荷調整には数10kWh程度の容量が必要とされて
おり、大容量化と高出力化が課題である。リチウム二次
電池は、超電力が高いなどのため水溶液系の電解液が利
用できず、有機溶媒の電解液または高分子の固体電解質
を用いるために、それらの導電率が低いので電流密度が
小さい。このため大容量高出力の大形電池では、電極面
積の増大が必要である。
【0004】これらの電池で用いられるセパレーターと
しては、電極とセパレーターの接点によって電極の有効
断面積を減少させない様にセパレーター表面が粗く孔径
が大きいことが必要である。また安全性を考えた場合、
両極間の距離を適切に取るために適度に厚い膜厚が必要
である。さらに、電池特性である放電特性及びサイクル
特性を良好とするため電解液保持量の大きい膜が必要で
ある。
【0005】超高分子量ポリオレフィンを用いた高強度
の微多孔膜の製造法が種々提案されている。例えば、特
開昭60−242035号、特開昭61−495312
号、特開昭61−195133号、特開昭63−396
02号、特開昭63−273651号等には、超高分子
量ポリオレフィンを含むポリオレフィン組成物を溶媒に
加熱溶解した溶液からゲル状シートを成形し、前記ゲル
状シートを加熱延伸、溶媒の抽出除去による微多孔膜が
開発されている。これらのポリオレフィン微多孔膜は電
池用セパレーターとして良好な物性を有しているが、前
記の二次電池用のセパレーターとしてのより高容量化や
大出力化には、必ずしも十分対応が出来ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、電池
用セパレーターの構造、特に電極と接する膜の表面に凹
凸をつけるようにした粗度及び開孔度をコントロールす
ることにより、電極の有効断面積の向上と電解液の保持
量を改良させ、電解液リッチな層を形成せしめ、充放電
時のリチウムイオンの電極間移動速度を向上させること
によって電池特性を向上させることのできるポリオレフ
ィン微多孔膜及びその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、超高分子量ポリオレフィンを所
定量以上含有したポリオレフィン組成物の溶液を押し出
し、得られるゲル状シートを延伸、溶媒抽出によってポ
リオレフィン微多孔膜を得る際、特定の条件下で延伸を
することにより、微多孔膜表面を粗くし、開孔度を大き
くすることができることを見いだし、本発明に想到し
た。
【0008】すなわち、本発明のポリオレフィン微多孔
膜は、重量平均分子量が5×105以上のポリオレフィ
ンまたはそのポリオレフィン組成物からなり、表面の平
滑度が50000秒以下でかつ表面の開孔度が40%以
上あることを特徴とする。
【0009】また、上記にかかわる本発明のポリオレフ
ィン微多孔膜の製造方法は、重量平均分子量が5×10
5 以上のポリオレフィンまたはそのポリオレフィン組成
物を10〜80重量%と、溶媒90〜20重量%とから
なる溶液を調製し、前記溶液をダイより押し出し、冷却
してゲル状成形物を形成し、前記ゲル状成形物を降温条
件下で加熱延伸し、しかる後残存する溶媒を除去するこ
とを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に説明する。
本発明においてポリエチレンは、重量平均分子量が5×
105 以上、好ましくは1×106 〜15×106 のも
のである。重量平均分子量が5×105 未満では、微多
孔膜の製造時の延伸工程において最大延伸倍率が低く、
目的の微多孔膜が得られない。一方、上限は特に限定的
ではないが15×106 を超えるものは、微多孔膜の製
造時のゲル状成形物の形成において成形性に劣る。
【0011】また、本発明においては、後述のポリオレ
フィン溶液の高濃度化と微多孔膜の強度の向上を図るた
めに、重量平均分子量1×106 以上の超高分子量ポリ
エチレンと重量平均分子量1×105 以上1×106
満のポリエチレンとの組成物を用いることができる。超
高分子量ポリエチレンのポリエチレン組成物中の含有量
は、ポリエチレン組成物全体を100重量%として1重
量%以上が好ましく、より好ましくは10〜70重量%
である。
【0012】さらに、前記ポリエチレンまたはそのポリ
エチレン組成物の分子量分布の尺度として用いられる重
量平均分子量/数平均分子量は300以下、好ましくは
5〜60である。分子量分布が300をこえると、延伸
時に低分子量成分の破断が起こり膜全体の強度が低下す
るため好ましくない。上記ポリオレフィンとしては、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−ペンテ
ン−1、1−ヘキセンなどを重合した結晶性の単独重合
体、2段重合体、または共重合体及びこれらのブレンド
物等が挙げられる。これらのうちではポリプロピレン、
ポリエチレン(特に高密度ポリエチレン)及びこれらの
組成物等が好ましい。
【0013】上述したポリオレフィンまたはポリオレフ
ィン組成物からなる本発明のポリオレフィン微多孔膜
は、その表面の平滑度が50000秒以下、好ましくは
40000秒以下で、かつ表面の開孔度が40%以上で
ある。平滑度が50000秒を超えると、または開孔度
が40%未満では本発明のポリオレフィン微多孔膜をリ
チウム電池のセパレーターとして用いる場合、セパレー
ターの表面の凹凸が小さいために電極有効領域が小さく
なり、電池特性が悪化する恐れがある。
【0014】ただし、本発明において、平滑度は平面板
と膜の間に空気を流せば平滑度の悪いものは空気が流れ
易いという原理にもとづき、有効面積10cm2 の平面
板を1kg/cm2 の圧力で膜に押しつけた時ほぼ37
0mmHgの圧力差の下で10mlの空気が流れる秒数
をもって平滑度としている。また、開孔度は膜表面で孔
の占める割合を電子顕微鏡写真により測定した値であ
る。
【0015】本発明の微多孔膜の製造方法は、上述のポ
リオレフィン組成物を溶媒に加熱溶解することにより、
溶液を調製する。この溶媒としては、ノナン、デカン、
デカリン、p−キシレン、ウンデカン、ドデカン、流動
パラフィンなどの脂肪族または環式の炭化水素、あるい
は沸点がこれらに対応する鉱油留分などを用いることが
できる。またこの溶媒の粘度としては、25℃における
粘度が30〜500cSt、特に50〜200cStで
あるのが好ましい。25℃における粘度が30cSt未
満では、押出機で溶解する場合不均一吐出を生じ、混練
が困難であり、一方500cStを超えると、後工程で
の脱溶媒が容易でなくなる。
【0016】加熱溶解は、ポリエチレン組成物を溶媒中
で完全に溶解する温度で攪拌しながら行うか、または押
出機中で均一混合して溶解する方法で行う。溶媒中で攪
拌しながら溶解する場合は、温度は使用する重合体及び
溶媒により異なるが、例えばポリエチレン組成物の場合
には140〜250℃の範囲である。ポリオレフィン組
成物の高濃度溶液から微多孔膜を製造する場合は、押出
機中で溶解するのが好ましい。
【0017】押出機中で溶解する場合は、まず押出機に
上述したポリオレフィンを供給し、溶融する。溶融温度
は、使用するポリオレフィンの種類によって異なるが、
ポリオレフィンの融点+30〜100℃が好ましい。例
えば、ポリエチレンの場合は160〜230℃、特に1
70〜200℃であるのが好ましく、ポリプロピレンの
場合は190〜270℃、特に190〜250℃である
のが好ましい。次に、この溶融状態のポリオレフィンに
対して、液状の溶媒を押出機の途中から供給する。
【0018】ポリオレフィンと溶媒との配合割合は、ポ
リオレフィンと溶媒の合計を100重量%として、ポリ
オレフィンが10〜80重量%、好ましくは15〜70
重量%であり、溶媒が90〜20重量%、好ましくは8
5〜30重量%である。ポリオレフィンが10重量%未
満では(溶媒が90重量%を超えると)、シート状に成
形する際に、ダイス出口で、スウエルやネックインが大
きくシートの成形が困難となる。一方、ポリオレフィン
が80重量%を超えると(溶媒が20重量%未満で
は)、均一な溶液の調製が困難となる。
【0019】なお、上記溶媒は途中にサイドフィーダー
等を有する押出機を用いて、押出機の途中から溶融状態
のポリオレフィンに供給する必要がある。超高分子量ポ
リオレフィンを含むポリオレフィンと溶媒とを同時に供
給すると、粘度差が大き過ぎるために混合ができず、ポ
リオレフィンと押出機のスクリューとが共回りを起こし
溶液を調製できない。このようにして溶融状態のポリオ
レフィンに溶媒を添加し、押出機中で混練することによ
り、均一な濃度のポリオレフィンの高濃度溶液を短時間
で調製することができる。
【0020】次に、このようにして溶融混練したポリオ
レフィンの加熱溶液を直接に、あるいはさらに別の押出
機を介して、または一旦冷却してペレット化した後、再
度押出機を介して、ダイス等から押し出して成形する。
ダイスとしては、通常長方形の口金形状をしたシートダ
イスが用いられるが、2重円筒状のインフレーションダ
イスなども用いることができる。シートダイスを用いた
場合のダイスギャップは通常0.1〜5mmであり、押
し出し成形温度は140〜250℃である。この際押し
出し速度は、通常20〜30cm/分ないし2〜3m/
分である。
【0021】このようにしてダイスから押し出された溶
液は、冷却することによりゲル状組成物に成形される。
冷却は少なくともゲル化温度以下までは50℃/分以上
の速度で行うのが好ましい。一般に冷却速度が遅いと、
得られるゲル状組成物の高次構造が粗くなり、それを形
成する疑似細胞単位も大きなものとなるが、冷却速度が
速いと、密な細胞単位となる。冷却速度が50℃/分未
満では、結晶化度が上昇し、延伸に適したゲル状組成物
となりにくい。冷却方法としては、冷風、冷却水、その
他の冷却媒体に置換接触させる方法、冷媒で冷却したロ
ールに接触させる方法などを用いることができる。な
お、ダイスから押し出された溶液は、冷却前あるいは冷
却中に好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5の引
き取り比で引き取ってもよい。引き取り比が10以上に
なるとネックインが大きくなり、また延伸時に破断を起
こしやすくなり好ましくない。
【0022】次に、このゲル状成形物に延伸を行う。延
伸はゲル状成形物を加熱し、通常のテンター法、ロール
法、インフレーション法、圧延法もしくはこれらの方法
の組み合わせによって所定の倍率で行う。延伸は一軸延
伸でも二軸延伸でもよいが、二軸延伸が好ましい。ま
た、二軸延伸の場合は、縦横同時延伸または逐次延伸の
いずれでもよい。
【0023】延伸温度はポリエチレンの融点+10℃以
下、好ましくはポリエチレンの結晶分散温度から結晶融
点未満の範囲で行う。例えば、ポリエチレン場合は、9
0〜140℃、好ましくは100〜130℃の範囲であ
る。延伸温度が140℃以上になると、孔がつぶれて表
面開孔度が低下する。また延伸温度が90℃以下になる
と、孔が小さくなって有効な孔が減少して好ましくな
い。さらに本発明では、延伸を降温条件下で行う必要が
ある。降温条件は、シート表面温度で1〜20℃/分、
好ましくは5〜15℃/分であり、延伸開始点の温度と
延伸終了点の温度差が5℃以上であることが必要であ
る。ポリエチレンの場合は、延伸開始点の温度は110
〜140℃であり、延伸終了点の温度は90〜120℃
であるのが好ましい。降温条件下で延伸を行わない場合
は、特に低温延伸条件では表面凹凸を形成することがで
きるが、透過性が著しく損なわれた膜となる。また高温
延伸条件下では表面開孔度の低い膜となる。従って、こ
のようにシートを十分予熱した後、降温条件下でシート
表層の延伸条件を変えることによって、容易に表面だけ
凹凸があり開孔度が高く、透過性を維持した膜が製膜で
きる。
【0024】また延伸倍率は原反の厚さによって異なる
が、一軸延伸では2倍以上が好ましく、より好ましくは
3〜30倍である。二軸延伸では面倍率で10倍以上が
好ましく、より好ましくは15〜400倍である。面倍
率が10倍未満では延伸が不十分で高弾性、高強度の微
多孔膜が得られない。一方、面倍率が400倍を超える
と、延伸操作などで制約が生じる。
【0025】得られた延伸成形物は、溶剤で洗浄し残留
する溶媒を除去する。洗浄溶剤としては、ペンタン、ヘ
キサン、ヘプタンなどの炭化水素、塩化メチレン、四塩
炭素などの塩素化炭化水素、三フッ化エタンなどのフッ
化炭化水素、ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエー
テル類などの易揮発性のものを用いることができる。こ
れらの溶剤はポリエチレン組成物の溶解に用いた溶媒に
応じて適宜選択し、単独もしくは混合して用いる。洗浄
方法は、溶剤に浸漬し抽出する方法、溶剤をシャワーす
る方法、またはこれらの組合せによる方法などにより行
うことができる。
【0026】上述のような洗浄は、延伸成形物中の残留
溶媒が1重量%未満になるまで行う。その後洗浄溶剤を
乾燥するが、洗浄溶剤の乾燥方法は加熱乾燥、風乾など
の方法で行うことができる。乾燥した延伸成形物は、結
晶分散温度〜融点の温度範囲で熱固定することが望まし
い。
【0027】以上のようにして製造したポリエチレン微
多孔膜は、空孔率が35〜95%で平均貫通孔径が0.
001〜0.5μで、かつ破断強度が500kg/cm
2 以上である。また本発明のポリエチレン微多孔膜の厚
さは、用途に応じて適宜選択しうるが、一般に0.1〜
100μであり、好ましくは2〜50μにすることがで
きる。
【0028】なお、得られたポリエチレン微多孔膜は、
必要に応じてさらに、プラズマ照射、界面活性剤含浸、
表面グラフト等の親水化処理などの表面修飾を施すこと
ができる。
【0029】
【実施例】以下に本発明について実施例を挙げてさらに
詳細に説明するが、本発明は実施例に特に限定されるも
のではない。なお、実施例における試験方法は次の通り
である。 (1)膜厚:断面を走査型電子顕微鏡により測定。 (2)透気度:JIS P8117に準拠して測定し
た。 (3)破断強度:ASTM D882に準拠して測定し
た。 (4)平滑度:王研式測定機により測定。 (5)開孔度:電子顕微鏡写真により測定。
【0030】実施例1 重量平均分子量が2.5×106 の超高分子量ポリエチ
レン100重量部に酸化防止剤0.375重量部を加え
たポリエチレン組成物を得た。このポリエチレン組成物
20重量部を二軸押出機(58mmφ、L/D=42、
強混練タイプ)に投入した。またこの二軸押出機のサイ
ドフィーダーから流動パラフィン80重量部を供給し、
200rpmで溶融混練して、押出機中にてポリエチレ
ン溶液を調製した。
【0031】続いて、この押出機の先端に設置されたT
ダイから190℃で押し出し、冷却ロールで引取りなが
ら厚さ1.8mmのゲル状シートを成形した。続いてこ
のゲル状シートを、降温速度を5℃/分で、延伸開始時
は115℃、延伸終了時は110℃になるような温度条
件下で、5×5に同時2軸延伸を行い、延伸膜を得た。
得られた延伸膜を塩化メチレンで洗浄して残留する流動
パラフィンを抽出除去した後、乾燥および熱処理を行い
膜厚25μmのポリエチレン微多孔膜を得た。このポリ
エチレン微多孔膜の物性評価の結果を第1表に示す。
【0032】実施例2 実施例1において、重量平均分子量が1.0×106
超高分子量ポリエチレンを用い、その30重量部と流動
パラフィン70重量部を用い、ゲル状シートの厚さを
1.1mmにする以外は、実施例1と同様にしてポリエ
チレン微多孔膜を得た。このポリエチレン微多孔膜の物
性評価の結果を第1表に示す。
【0033】実施例3 実施例2において、重量平均分子量が5.0×105
高分子量ポリエチレンを用い、ゲル状シートの厚さを
1.2mmにする以外は、実施例1と同様にしてポリエ
チレン微多孔膜を得た。このポリエチレン微多孔膜の物
性評価の結果を第1表に示す。
【0034】実施例4 実施例2において、ポリエチレン組成物として、重量平
均分子量が2.5×106 の超高分子量ポリエチレン6
重量部と重量平均分子量が3.5×105 の高密度ポリ
エチレン24重量部を用いる以外は、実施例2と同様に
してポリエチレン微多孔膜を得た。このポリエチレン微
多孔膜の物性評価の結果を第1表に示す。
【0035】実施例5 実施例4において、ゲル状シートの厚さを1.2mmに
し、延伸時の降温条件を表1に示す様にする以外は、実
施例4と同様にしてポリエチレン微多孔膜を得た。この
ポリエチレン微多孔膜の物性評価の結果を第1表に示
す。
【0036】実施例6 実施例4において、ゲル状シートの厚さを2.1mmに
し、延伸時の降温条件を表1に示す様にする以外は、実
施例4と同様にしてポリエチレン微多孔膜を得た。この
ポリエチレン微多孔膜の物性評価の結果を第1表に示
す。
【0037】実施例7 実施例2において、ゲル状シートの厚さを2.3mmに
し、延伸時の降温条件を表1に示す様にする以外は、実
施例2と同様にしてポリエチレン微多孔膜を得た。この
ポリエチレン微多孔膜の物性評価の結果を第1表に示
す。
【0038】比較例1 実施例1において、ポリエチレン組成物として、重量平
均分子量が2.5×106 の超高分子量ポリエチレン3
重量部と重量平均分子量が3.5×105 の高密度ポリ
エチレン14重量部、流動パラフィン83重量部を用
い、ゲル状シートの厚さを1.6mmにし、延伸条件を
115℃の定温下で行う以外は実施例1と同様にして微
多孔膜を得た。以上のようにして得られた微多孔膜は表
2の物性を有していた。
【0039】比較例2 実施例1において、ポリエチレン組成物として、重量平
均分子量が2.5×106 の超分子量ポリエチレン3重
量部と重量平均分子量が3.5×105 の高密度ポリエ
チレン14重量部、流動パラフィン83重量部を用い、
ゲル状シートの厚さを1.9mmにし、延伸条件を12
0℃の定温下で行う以外は実施例1と同様にして微多孔
膜を得た。以上のようにして得られた微多孔膜は表2の
物性を有していた。
【0040】比較例3 実施例1において、ゲル状シートの厚さを2.9mmに
し、延伸条件を120℃の定温下で行う以外は実施例1
と同様にして微多孔膜を得た。以上のようにして得られ
た微多孔膜は表2の物性を有していた。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】 表1及び2から明らかなように、降温条件下による延伸
によって膜表面の平滑度及び開孔度を十分に大きくする
ことがわかる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の方法により
得られるポリオレフィン微多孔膜は、適度な平滑度及び
開孔度を有し、電池用セパレーターとして高容量化に十
分対応出来るものである。特に、リチウム電池用セパレ
ーターとして有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が5×105 以上のポリ
    オレフィンまたはそのポリオレフィン組成物からなり、
    表面の平滑度が50000秒以下でかつ表面の開孔度が
    40%以上であることを特徴とするポリオレフィン微多
    孔膜。
  2. 【請求項2】 重量平均分子量が5×105 以上のポリ
    オレフィンまたはそのポリオレフィン組成物を10〜8
    0重量%と、溶媒90〜20重量%とからなる溶液を調
    製し、前記溶液をダイより押し出し、冷却してゲル状成
    形物を形成し、前記ゲル状成形物を降温条件下で加熱延
    伸し、しかる後残存する溶媒を除去することを特徴とす
    る表面の平滑度が50000秒以下でかつ表面の開孔度
    が40%以上であるポリオレフィン微多孔膜の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のポリオレフィン微多孔
    膜の製造方法において、降温条件がシート表面温度で1
    〜20℃/分で、かつ延伸開始点の温度と延伸終了点の
    温度差が5℃以上であることを特徴とするポリオレフィ
    ン微多孔膜の製造方法。
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