JPH09295149A - 極厚狭開先のtig溶接方法および溶接装置 - Google Patents

極厚狭開先のtig溶接方法および溶接装置

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JPH09295149A
JPH09295149A JP13255996A JP13255996A JPH09295149A JP H09295149 A JPH09295149 A JP H09295149A JP 13255996 A JP13255996 A JP 13255996A JP 13255996 A JP13255996 A JP 13255996A JP H09295149 A JPH09295149 A JP H09295149A
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welding
groove
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narrow groove
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Kiyoshi Sakuma
潔 佐久間
Teruyoshi Abe
輝芳 阿部
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 50mm以上300mm以下のオーステナイ
ト系ステンレス極厚鋼の突合せ溶接継ぎ手の製作に際
し、開先角度を限りなく小さくした狭開先をTIG深溶
け込み溶接装置を適用して溶接作業を高能率にしかも高
品質に施工する。 【解決手段】 狭開先用TIG溶接トーチを挿入し、該
溶接トーチのフロントシールドガス供給部10、センタ
ーシールドガス供給部11、アフターシールドガス供給
部12から各々層流の範囲内で不活性シールドガスを放
出させながらセンターシールドガス流量により溶け込み
深さ、ビード形状を調節しつつ溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、熱核融合炉ドーナ
ツ型磁気容器用としてあるいは発電ボイラー厚肉管用と
してオーステナイト系ステンレス鋼管を使用して構造物
を建造するさいに、溶接性能を保証し、かつ従来法と比
べはるかに高能率の溶接施工方法および溶接装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼厚板の突合せ溶接開先とし
て図5に代表例を示す。対象構造物の形状、溶接方法、
溶接位置および溶接姿勢、母板1の厚さ等により最も適
した開先を機械加工し、開先会合部2を合わせることに
より溶接開先3を形成する。その後、あらかじめ決定さ
れた溶接姿勢のもとでTIGアークにより溶材を溶かし
つつ溶接線方向に連続的に溶接を実行する。
【0003】従来から一般的に使用されているTIG溶
接用大型トーチ(500〜700A用)を図6に示す。
従来のTIG溶接法はアルゴン等の不活性ガス雰囲気中
でタングステン電極4と母材間にアークを発生させて融
接することから、良好なシールド性を確保するためには
ガスカップ17からはみだすタングステン電極の長さ5
は短いほど良い。またガスレンズを備えた大型トーチで
あるほど溶融池のシールド性は良好であり、かつ大電流
が適用でき溶接作業能率も良い。
【0004】しかしながら、良好なシールド性を確保し
つつ溶接施工に適用しようとする時、溶接トーチ形状の
制約から開先角度6を大きくする必要があり、その結果
溶接金属の所要量は大となる。この結果、溶接作業能率
も当然低くならざるを得ない。さらに本発明者らの知見
によれば、2重シールドノズル方式を適用しシールド効
果を高めることにより開先深さ50mm未満までは良好
なシールド性を確保できることが判明していることか
ら、母板の厚さ50mm未満までは開先角度6を限りな
く小さくした健全な狭開先溶接継ぎ手を製作することが
できる。
【0005】一方、溶接構造物の突合せ継ぎ手における
溶接施工能率面を考えると、熱履歴を少なくし、全溶着
量をできるだけ少なくすることが鉄則である。そのため
には母材を狭開先に加工した狭開先溶接継ぎ手を形成す
れば良いが、母材の厚さが50mmを超えると溶融池の
シールド性が問題となることと合わせ開先壁部7におけ
る融合不良等が問題となる。さらに狭開先継ぎ手の底部
8では溶接補修のためのビードガウジングがほとんど不
可能なため、溶融池のシールド性が良好で溶接性も良く
溶け込み不良等の溶接欠陥が発生しないような溶接方
法、溶接装置を適用しなければならない。
【0006】特開平2−89575号公報には、22C
r−18Fe−50Ni系耐熱合金鋼における板厚50
mmの狭開先内へTIG溶接トーチを挿入して溶接する
に際し、溶接トーチ本体を平行揺動、あるいは交互に傾
斜する揺動方式と、先端を斜めに研削したタングステン
電極を自軸回動する方式で溶融池をオシレートするとに
より、品質向上、能率向上、製造コスト低減できるTI
G溶接方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が対象とするオ
ーステナイト系ステンレス鋼の成分の例を表1に示す。
周知のように、この表の例1の場合は海水冷却熱交換
器、海水淡水化装置、排煙脱硫装置等々ですでに利用さ
れている。また例2の場合は超臨界圧ボイラー等の耐熱
鋼管用として将来有望視されている。しかしながら、そ
れらのいずれもが板厚20〜30mm以下の需要であ
る。
【0008】
【表1】
【0009】しかしながら、例1の鋼材は、耐孔食、高
温特性に優れているばかりか極低温下の高靱性、高耐力
を合わせ持っているため、将来のエネルギー創出のため
の高密度高エネルギー発生プラントの構造用鋼として欠
くことのできない材料であり、設備の大型化に伴う厚肉
化に溶接施工技術をもって対処する必要がある。このさ
いに、極低温下での高靱性を保証し、高耐力を満足させ
得るには溶接継ぎ手部が高品質でなければならない。こ
れらのことから数ある溶接手段の中でも装置の取扱いが
簡便でしかも溶融反応が不活性ガス中で行われ、高品質
の溶接部が得られるTIG溶接法が最適であり、それゆ
えに大型化、極厚肉化した構造物の継ぎ手溶接を無欠陥
でしかも高能率に溶接できる極厚狭開先用TIG溶接法
および装置を開発する必要がある。
【0010】しかしながら、先に挙げた特開平2−89
575号公報に記載された狭開先のTIG溶接方法で
は、熱核融合炉ドーナツ型磁気容器用オーステナイト系
極厚肉鋼管の継ぎ手溶接にさいし、母材厚50mmを超
え300mm以下における溶接施工実施例はなく、また
狭開先形状の具体的明示もない。さらに開先壁部の溶け
込み不良等の溶接欠陥防止策として溶接条件すなわち溶
接入熱と1層当りの積層量を設定し、かつ溶接トーチ揺
動法で溶接金属を形成するとしているが、母材厚50m
mでの狭開先溶接施工例である。
【0011】これらのことから本発明は種々の特性を持
つオーステナイト系ステンレス鋼の継ぎ手溶接を行うに
さいし、従来技術で果たし得なかった極厚肉鋼溶接継ぎ
手へのTIG溶接の適用を実現し、狭開先継ぎ手溶接作
業を高能率に、しかも溶接欠陥の発生し易いほぼ垂直に
切り立つ開先壁部近傍を深溶け込み溶接装置により、欠
陥発生を防止しながら健全な溶接ビードを得ることを目
的とする。特に母材厚50mmを超え300mm以下の
極厚肉鋼であって、開先角度を限りなく小さくした狭開
先溶接継ぎ手を製作できるTIG溶接法およびTIG溶
接装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、極厚狭開先のTIG溶接方法におい
て、板厚50mmを超え300mm以下で開先角度7.
5度以下、開先幅10〜12mmのU型、H型またはI
型の狭開先をもつオーステナイト系ステンレス鋼を、フ
ロントシールドガス、センターシールドガス、アフター
シールドガスでシールドし、センターシールドガス流量
により溶け込み深さ、ビード形状を制御しつつ、TIG
溶接にて溶接することを特徴とする極厚狭開先のTIG
溶接方法である。
【0013】またTIG溶接装置のトーチ形状におい
て、シールドガス供給部がフロントシールドガス供給
部、センターシールドガス供給部、アフターシールドガ
ス供給部に分かれており、前記センターシールドガス供
給部は狭開先の開先底部まで挿入できる外形寸法であっ
て中心部にはタングステン電極の周囲がセンターシール
ドガスの流路になっていることを特徴とする極厚狭開先
のTIG溶接装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記課題を解決す
るために、汎用TIG溶接用大型トーチ(図6)により
製作したステンレス鋼母材200mm厚の幅広開先溶接
継ぎ手について溶接作業性、溶接作業能率、継ぎ手強
度、溶接欠陥等を調査し健全性を確認した。さらに該極
厚鋼(200mm厚)に加工した両側開先壁が垂直のU
型溝(深さ100mm)を1層1ラン溶接し、種々検討
した結果、これまでよりもはるかに高能率に、かつ高品
質の溶接継ぎ手を製作できる知見を得た。本発明は、こ
の知見に基づいてなされたものである。
【0015】まず、本発明で規定する溶接継ぎ手母材厚
および開先角度、開先幅の限定理由について説明する。
板厚が50mm以下では、開先が狭開先形状であっても
2重シールドノズルを使用することにより本発明によら
なくても溶接欠陥の問題を生じない。すなわちトーチ揺
動にさいしシールドガスは溶融池の前後に十分排出され
るので溶融池のシールド性は損なわれないため、健全な
溶接ができる。一方板厚が300mmを超えると、狭開
先内へ挿入するトーチ部が長すぎるためトーチ揺動によ
りトーチ先端部にぶれが発生し溶融池のオシレートが不
完全状態となって狭開先壁部7近傍に溶け込み不良を生
じる危険がある。さらに、開先底部8ではアーク点が遠
く溶融池の目視確認が不明瞭となり溶接欠陥の発生を許
容することになりかねない。よって、板厚は50mmを
超え300mm以下に限定した。
【0016】開先角度が7.5度を超えると、溶接熱収
縮と拘束板の反力バランスが極端に難しくなり突合せ部
の平滑性確保が困難となる。また開先上部では開先幅が
広すぎて1プール1層1ラン溶接が不可能となるため振
り分け溶接を実施しなければならなくなりビード数が増
えて施工能率が低下する。よって、開先角度は7.5度
以下とした。
【0017】開先幅が10mm未満では、溶融池が開先
壁部に大きくさえぎられ、高さ方向に持ち上げられるた
め、溶融池底部とくに開先壁境界部ではアーク熱作用が
不十分となり溶け込み不良の要因となる。また12mm
を超えると、トーチを揺動した際に1プールの維持が困
難となり1層1ラン溶接が不可能となる。よって、10
〜12mmに限定した。
【0018】つぎに、本発明で規定するTIG溶接装置
の限定理由について説明する。従来は、2重シールドノ
ズルを適用することにより深さ50mmまでは開先角度
を限りなく小さくした狭開先の1層1ラン溶接を健全に
施工することができるが、該狭開先形状を維持しつつ深
さ50mmを超えると溶融池のシールド不良が発生し、
アークの乱れ、タングステン電極の酸化等で溶接の続行
が不可能となる。以下、本発明の実施の形態を図面に基
づいて説明する。図1は、コレットボデー部14、チュ
ーブホルダー15、フロントシールドガス供給部10、
センターシールドガス供給部11、アフターシールドガ
ス供給部12とによって構成される本発明のTIG溶接
トーチである。
【0019】耐熱性チューブ締め付けナット16より下
の開先幅12mm以下の狭開先内に挿入する部分は、ト
ーチ移動、オシレート動作等に支障のない幅であり、各
シールドガス供給部はアーク発生点に対して定位置関係
を保ったまま移動する。フロントシールドガス供給部1
0とアフターシールドガス供給部12については、その
効果を最大限に発揮し、機能を充実させる目的から各々
が独自に層流の範囲を設定できるよう分離分割し、自由
度を持たせた。
【0020】さらにセンターシールドガス供給部11に
ついては耐熱性チューブ製としてこれに長尺タングステ
ン電極部4を挿入する方式とし、構造が簡単でスリム化
できるため母材厚300mm以下の狭開先継ぎ手底部8
へ容易に到達でき安定したアークを発生する。しかしな
がらセンターシールドガスはかなり狭い中空円断面部
(たとえば50mm2 )を流れることとなり単独では溶
融池シールドは不完全である。よって該センターシール
ドガス供給部11の前後に位置するフロントシールドガ
ス供給部10とアフターシールドガス供給部12から流
出する層流のシールドガスにセンターガスシールドの補
完をすることによって溶融池のシールドを改善したので
ある。
【0021】また、コレットボデー部14内ガスレンズ
部より導入したセンターシールドガスは該耐熱性チュー
ブ内で加熱されているので該出口から流出するさいには
分子活動が大いに活発になっており、アーク集中力に及
ぼす効果は甚大である。このメカニズムにより該シール
ドガスの流量で溶け込み深さ、ビード形状を制御するこ
とができる。また母材厚に応じて該センターシールドガ
ス供給部11を構成する耐熱性チューブを100mm
用、200mm用、300mm用の3種類を準備するこ
とにより装置操作性は向上する。以上の構成にすること
により50mmを超えてタングステン電極部が出せるよ
うになりシールドを十分としたことが本発明の特徴であ
る。なお、該シールドガス流量は層流の範囲内が好まし
い。
【0022】図2、図3はそれぞれ本発明極厚狭開先の
TIG溶接法におけるオーステナイト系ステンレス鋼2
00mm厚突合せ溶接の一態様を示す狭開先組立図、溶
接部断面マクロ組織写真である。一般に溶接構造物は溶
接熱による角変形を防ぎ得ない部位が多数存在する。こ
のような態様を想定し、かつ1層1ラン溶接を実現する
ためには図2に示すごとく、該極厚鋼の開先を開先角度
7度U型突合せ開先とし、板厚35mmの拘束板13上
で逆歪を与え該母板周囲を完全溶接し、かつ上部開先幅
9を38mmに設定することによって歪バランスが調和
し、溶接終了時の該継ぎ手部表面の平滑性を確保でき
る。
【0023】具体的には上記開先の母材厚200mm継
ぎ手溶接を実行していくと当該母材の底部から3分の1
板厚程度までは溶接熱収縮により上部開先幅9が次第に
狭まってくる。しかしそれ以後の溶接に対してはすでに
存在する溶接金属による自拘束効果により該開先幅9は
狭まることなく、両側開先壁7は共に最終ビードまでほ
ぼ垂直の形態を維持し続ける。したがって溶融池を1プ
ールに保ちつつ1層1ラン溶接が可能になり、図3の溶
接部断面マクロ組織写真に示すごとく溶着幅はほぼ一定
でしかも母板上面を平滑に仕上げることができ、溶接熱
による残留応力を軽減した健全な溶接継ぎ手を製作する
ことができる。主な溶接条件を例示すると溶接電流25
0〜270A、溶着量12〜15g/minで最終層は
96パスであった。
【0024】また、上記態様とは別に、突合せ継ぎ手溶
接される母材が完全拘束の場合、例えば被溶接材が管
状、あるいは板状であってその溶接開先の組立てに際し
溶接角変形を完全に防止する強力な拘束板を取り付けた
場合には、初層から順次積層していく過程で溶接熱によ
る該開先幅の縮小はほとんど生じないため、開先角度を
限りなく小さくしたU型あるいはH型開先、さらにI型
開先を適用して1プール1層1ラン溶接することになん
ら不都合はない。逆に積層にさいし溶接ビードを振り分
ける必要がないので施工の高能率化が図れる。
【0025】
【実施例】
実施例1 表2の溶接条件で溶接を行い、表3のようにセンターシ
ールドガス流量を変えて溶け込み深さを調査した。本発
明トーチにおけるセンターシールドガス流量は、流体力
学より層流の範囲を算出して設定した。表3にみるよう
に溶け込み深さで比較すると比較例トーチでは1.42
mm、本発明トーチでは最大3.14mmと約2.2倍
の溶け込み深さを確保できる。さらに溶け込み形状は、
比較例トーチでは底の浅い皿状を呈するのに対し、本発
明トーチでは底の深いおわん状を呈するため、溶け込み
不足等の溶接欠陥が発生し易い部分での溶接欠陥の発生
を防止できる。
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】実施例2 オーステナイト系ステンレス鋼片上に1.6mm径のS
US316L溶材を使用して溶着量3g/cmの溶接金
属を同一溶接線上にTIG重ね溶接(総計6g/cm)
することにより板かまぼこ状のビードを作製した。溶接
条件を一定に、かつアークの狙い位置も同一(ビード止
端部)とし、本発明の狭開先用TIG溶接トーチと比較
例の汎用大型TIG溶接トーチにより片方ずつ溶接し
た。溶接条件を表4に、溶接結果を図4に示す。
【0029】
【表4】
【0030】中央部溶接ビード18の止端部溶接結果を
考察すると、模式図左側止端部すなわち該狭開先溶接ト
ーチ20の溶接では、溶融池が広がらないためビード2
1の幅は狭く、また中央部溶接ビード18側の円弧部1
9では溶接アーク熱が強く作用しアーク押し下げ力が強
いため溶融池をおわん底状に押し下げている。さらにア
ーク直下にあたるビード止端部の母材部では約1.5m
mの溶け込み量22がある。
【0031】一方、模式図右側止端部すなわち該汎用大
型溶接トーチ23の溶接では、溶融池を押し下げること
ができないためビード24は広がる形態となっており、
既存溶接ビード金属を大きく取り込み、溶融したフィラ
ーワイヤと共に同一溶接金属を形成するのでビード24
の幅は広い。また溶融池押し下げ力が弱いためアーク直
下にあたるビード止端部ではほとんど溶け込み量はな
く、母材部に達する十分な溶け込み量25を確保するこ
とができない。
【0032】このように、本発明狭開先用TIG溶接ト
ーチ20は汎用大型TIG溶接トーチ23に比べアーク
の集中力が格段に大きく、重大な溶接欠陥である溶け込
み不良を防止する優れた方式であると言える。
【0033】実施例3 表5の溶接条件で200mm厚のオーステナイト系ステ
ンレス鋼の溶接を行い、パス数を調査した。使用した比
較例の汎用大型TIG溶接トーチの運動に支障がないよ
う十分に開先角度を広く設計した。溶接部断面の詳細検
査では溶け込み不良、融合不良、ブローホール、高温割
れ等溶接欠陥の発生は皆無であったが溶接作業性の面で
著しく劣る結果となった。すなわち、比較例は総ビード
数651パスであるのに対して本発明は96パスと格段
に溶接作業性に優れたものである。
【0034】
【表5】
【0035】
【発明の効果】母材厚50〜300mm程度の極厚肉溶
接継ぎ手の製作にさいし、本発明TIG溶接装置によれ
ば開先角度を限りなく小さくして狭開先化し、容易に断
面底部の広い深溶け込みのある溶接ビードを施工するこ
とができるので重大溶接欠陥の発生を防止した健全な極
厚肉狭開先溶接継ぎ手を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明溶接装置の狭開先用TIG溶接トーチを
示す図
【図2】母材厚200mmについての本発明の狭開先組
立図
【図3】本発明溶接法および溶接装置により実施した狭
開先溶接部断面の金属組織写真
【図4】汎用TIG溶接用大型トーチと狭開先用TIG
溶接トーチのアーク押し下げ力を比較した説明図
【図5】従来のステンレス鋼厚板の突合せ溶接開先の例
を示す図
【図6】汎用TIG溶接用大型トーチを示す図
【符号の説明】
1 母板 2 開先会合部 3 溶接開先 4 タングステン電極部 5 ガスノズルからはみ出すタングステン電極の長さ 6 開先角度 7 開先壁部 8 狭開先継ぎ手の底部 9 開先幅 10 フロントシールドガス供給部 11 センターシールドガス供給部 12 アフターシールドガス供給部 13 拘束板 14 コレットボデー部 15 チューブホルダー 16 耐熱性チューブ締め付けナット 17 ガスカップ 18 中央部溶接ビード 19 円弧部 20 狭開先溶接トーチ 21 ビード 22 溶け込み量 23 汎用大型溶接トーチ 24 ビード 25 溶け込み量

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極厚狭開先のTIG溶接方法において、
    板厚50mmを超え300mm以下で開先角度7.5度
    以下、開先幅10〜12mmのU型、H型またはI型の
    狭開先をもつオーステナイト系ステンレス鋼を、フロン
    トシールドガス、センターシールドガス、アフターシー
    ルドガスでシールドし、センターシールドガス流量によ
    り溶け込み深さ、ビード形状を制御しつつ、TIG溶接
    にて溶接することを特徴とする極厚狭開先のTIG溶接
    方法。
  2. 【請求項2】 TIG溶接装置のトーチ形状において、
    シールドガス供給部がフロントシールドガス供給部、セ
    ンターシールドガス供給部、アフターシールドガス供給
    部に分かれており、前記センターシールドガス供給部は
    狭開先の開先底部まで挿入できる外形寸法であって中心
    部にはタングステン電極の周囲がセンターシールドガス
    の流路になっていることを特徴とする極厚狭開先のTI
    G溶接装置。
JP13255996A 1996-05-01 1996-05-01 極厚狭開先のtig溶接方法および溶接装置 Withdrawn JPH09295149A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010056460A (ko) * 1999-12-15 2001-07-04 윤영석 극소 협개선용 용접장치
CN102310249A (zh) * 2011-06-22 2012-01-11 中国海洋石油总公司 一种复合软管不锈钢接头的焊接方法
CN104096954A (zh) * 2014-06-26 2014-10-15 中建一局集团安装工程有限公司 双人双面同步钨极高频脉冲氩弧焊对焊工法
CN115007981A (zh) * 2022-06-08 2022-09-06 国家石油天然气管网集团有限公司 一种窄坡口低应力的厚壁管道对焊方法

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