JPH09292824A - 疑似ニオイ発生方法およびその装置並びに疑似ニオイ発生媒体 - Google Patents

疑似ニオイ発生方法およびその装置並びに疑似ニオイ発生媒体

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JPH09292824A
JPH09292824A JP10657396A JP10657396A JPH09292824A JP H09292824 A JPH09292824 A JP H09292824A JP 10657396 A JP10657396 A JP 10657396A JP 10657396 A JP10657396 A JP 10657396A JP H09292824 A JPH09292824 A JP H09292824A
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智嗣 関口
Takaaki Sato
孝明 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニオイのディジタル情報を伝送することで遠
隔地点でも疑似ニオイを再現可能とする。 【解決手段】 ニオイの基本成分の種類と濃度を検出す
るニオイ成分センサアレイ11と、この検出されたニオ
イ成分をニオイ成分毎に種類と濃度に応じたディジタル
信号にして出力する信号処理部12と、この信号処理部
12から出力されるディジタル信号に応じて疑似ニオイ
発生部16から疑似ニオイを発生する構成を特徴として
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニオイの疑似体験の実
現に関するもので、特に、高度情報通信化社会において
ニオイ発生機能を備えたTV等マスメディアを利用した
情報提供装置、及び、映像・音響・再生装置、パーソナ
ルコンピュータシステム、家庭用および業務用ゲーム機
器ならびに電話、FAX等の通信装置単独でのニオイ疑
似体験装置等を実現するための疑似ニオイ発生方法およ
びその装置並びに疑似ニオイ発生媒体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は通信という概念を
含んだものとして存在していなかった。このため、遠隔
地でニオイを再現することは通信によっては不可能であ
った。したがって、要素技術であるニオイ発生装置に関
しては従来すでに混合したニオイ容器をバブリングや噴
霧によりガス化し、提示するものであった。また、これ
らの装置では単体臭を混合し提示することも可能である
が、混合する種類が増えると装置が大がかりになる欠点
を持ち、実現した例を見ない。携帯に簡便なものとして
ニオイ容器あるいはガスを封入したマイクロカプセルを
カードに張り付け、これをこすってカプセルを潰すこと
によって特定のニオイの発生を可能とするものがあっ
た。しかし、これは上記のニオイ発生装置と同様な所望
のニオイを発生できるものではなかったし、ニオイの自
動的発生もできなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまで、情報提示は
視覚あるいは聴覚およびその複合を主とし、最近やっと
触覚(体制感覚)、平衡感覚の一部がシミュレータやゲ
ーム機等で実現されるようになってきた。しかしなが
ら、マルチメディア化において、より実体験に近い現実
感を得るために必要な嗅覚刺激を可能とするニオイ情報
通信・呈示技術に関しては全く手が付けられていない状
態にあった。これは、音響などの聴覚刺激は入力装置で
あるマイクロフォン、デジタル通信路を用いる場合には
アナログ・デジタル変換器、受信部ではデジタル・アナ
ログ変換器を経て情報呈示装置であるスピーカにより伝
送と呈示が完了する。これらは確立された技術である。
しかし、嗅覚刺激を伝送・呈示するためには、(a)ニ
オイの入力およびその符号化のための装置、(b)デジ
タル通信路による伝送のための装置、(c)復号化装
置、(d)出力および呈示装置が必要であるが、上記
(a)および(d)を実現するための方法とその装置が
存在しなかった。したがって、遠隔地でニオイを再現す
ることは通信によっては不可能であった。また、(d)
の任意のニオイを発生させる装置に関しても従来は単体
臭を混合し提示することも可能であったが、混合する種
類が増えると装置が大がかりになる欠点を持ち、任意の
ニオイを発生させることができなかった。
【0004】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、符号化されたニオイ情報を利用し、通信
受信者に送信者と共通の、あるいは所望のニオイ感覚の
体験を可能とするための疑似ニオイ発生方法およびその
装置並びに疑似ニオイ発生媒体を得ることを目的とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、生体の嗅覚を
対象とし、任意のニオイあるいは感覚を疑似的に提示す
るため、ニオイ情報の要素数を生体の嗅覚系における実
現に近いものを使うものである。このために、生体のニ
オイ識別法に準じたニオイセンサを利用してニオイの基
本成分の種類、濃度を検出し、これを通信あるいは記憶
媒体で利用できるようにディジタル情報とし、一方、ニ
オイ貯留部、例えば、ニオイ要素を封入した数十から数
百程度のマイクロカプセルを塗布したディスクをCDあ
るいはLDと同様のアクセス方式を用い、前記ディジタ
ル情報に応じてレーザ照射によりマイクロカプセルを選
択的に破壊し、必要なニオイ種の必要な量を短時間で混
合する方式の比較的コンパクトな任意のニオイ発生可能
な方法並びに装置であり、情報享受者に疑似ニオイ感覚
を提供することを可能とするものである。
【0006】本発明にかかる疑似ニオイ発生方法は、対
象のニオイを基本成分毎に種類と濃度のディジタル情報
に変換して対応付けし、このディジタル情報に基づいて
あらかじめ用意した基本成分毎のニオイ貯留部を選択的
に開放して前記ディジタル情報に対応した疑似ニオイを
発生させる。
【0007】また、対象のニオイを基本成分毎に種類と
濃度のディジタル情報に変換して対応付けした後、さら
にこのディジタル情報を電気信号であるディジタル信号
に変換してから伝送し、受信側において前記ディジタル
信号に基づいてあらかじめ用意した基本成分毎のニオイ
貯留部を選択的に開放して前記ディジタル情報に対応し
た疑似ニオイを発生させるものである。
【0008】また、ディジタル信号の伝送は、発信側か
ら受信側に向けて有線または無線で行ったり、ディジタ
ル信号を一旦記録媒体に記録させた後、その記録媒体を
受信側まで運搬して行うものである。
【0009】さらに、基本成分毎のニオイ貯留部の開放
時に、そのニオイ貯留部へ送る無臭ガスの送り量を制御
することによりその疑似ニオイ成分の濃度の制御を行う
ものである。
【0010】また、基本成分のニオイ貯留部は、基本成
分のニオイ物質が封入されたマイクロカプセルからな
り、基本成分のニオイ貯留部の開放は、レーザ光を選択
的に照射して前記マイクロカプセルを破裂させて行う。
【0011】そして、本発明にかかる疑似ニオイ発生装
置は、発生したニオイをあらかじめ定めた基本成分毎に
その種類と濃度を検出するニオイ成分センサアレイと、
このニオイ成分センサアレイで検出したニオイの基本成
分の種類とその濃度に応じたディジタル信号を発生する
信号処理部と、この信号処理部から出力されるディジタ
ル信号を入力し、ニオイ成分毎にその濃度に応じた量を
発生させる疑似ニオイ発生部とを備えたものである。
【0012】また、発生した疑似ニオイ成分を無臭ガス
によりパージするニオイガス送出部を備えたものであ
る。
【0013】そして、ニオイガス送出部は、発生させる
べき疑似ニオイの基本成分の濃度に応じて無臭ガスの送
風量を制御するようにしたものである。
【0014】また、疑似ニオイ発生部は、異種の基本成
分のニオイ物質がそれぞれ封入されたマイクロカプセル
をディスクに形成された複数本のトラック上に多数配置
した疑似ニオイ発生媒体と、信号処理部から出力される
ディジタル信号に対応する前記マイクロカプセルにレー
ザ光を選択的に照射して破裂させるレーザとを備えたも
のである。
【0015】また、本発明にかかる疑似ニオイ発生媒体
は、異種のニオイ物質がそれぞれ封入されており、レー
ザ光の照射で破裂可能なマイクロカプセルをディスクに
形成された複数本のトラック上に、レーザ光による選択
的照射可能に多数配置して構成したものである。
【0016】また、本発明にかかる疑似ニオイ発生方法
は、対象とする混合臭をその種類毎にディジタル情報に
変換して対応付けし、あらかじめ合成した混合臭のニオ
イ貯留部を前記ディジタル情報に基づいて選択的に開放
してディジタル情報に対応した疑似ニオイを発生させる
ものである。
【0017】また、発生を必要とする混合臭をあらかじ
め合成してマイクロカプセルに封入しておき、このマイ
クロカプセルを種類毎にまとめてディスク上に配置塗布
してニオイ貯留部とし、ディスクを回転させながら時間
的,強度的に制御されたレーザ光で所要のマイクロカプ
セルを照射加熱して破壊し、内部のニオイをガス化し、
これを無臭ガスを用いて所要の場所に送出するものであ
る。
【0018】さらに、本発明にかかる擬似ニオイ発生媒
体は、発生を必要とする混合臭が種類毎にあらかじめ合
成されてマイクロカプセルに封入されており、このマイ
クロカプセルはレーザ光の照射で選択的に破壊可能なも
のであり、このマイクロカプセルがディスクのトラック
上に多数配置されたものである。
【0019】
【作用】本発明にかかる疑似ニオイ発生方法において
は、入力されるディジタル情報に基づきニオイ貯留部の
1つまたは複数を開放することで、対象のニオイの疑似
ニオイが発生される。
【0020】そして、ディジタル情報は電気信号のディ
ジタル情報に変換されるので、有線,無線で遠隔地に伝
送され、そこで疑似ニオイが発生される。
【0021】また、一旦、記録媒体にディジタル信号を
記録してから、後刻疑似ニオイを発生させる。
【0022】さらに、疑似ニオイ成分の濃度の調整は破
裂させるマイクロカプセルの数量と無臭ガスの送り量を
制御して行われる。
【0023】そして、ニオイ物質を封入したマイクロカ
プセルにレーザ光を照射することでマイクロカプセルを
破裂させ、疑似ニオイを発生させる。
【0024】本発明にかかる疑似ニオイ発生装置におい
ては、ニオイ成分センサアレイで基本成分毎に検出され
た種類と濃度のアナログ信号を入力して、信号処理部で
ディジタル信号とし、これを疑似ニオイ発生部に入力
し、ニオイの基本成分毎にその濃度に応じた量を発生さ
せ、目的とする疑似ニオイを得る。
【0025】また、ニオイガス送出部から無臭ガスを発
して、発生した疑似ニオイ成分をパージし、雰囲気中に
放出する。その後、発生させるべき疑似ニオイの濃度に
応じて無臭ガスの送風量を加減する。
【0026】また、本発明にかかる疑似ニオイ発生媒体
は、レーザ光によりマイクロカプセルを選択的に照射し
てそのマイクロカプセルを破裂させ、内部の疑似ニオイ
基本成分を放出させる。
【0027】また、本発明にかかる擬似ニオイ発生方法
においては、必要とする混合臭があらかじめ合成されて
ニオイ貯留部に貯留されており、混合臭の種類毎に決め
られたディジタル情報を用いてニオイ貯留部を選択的に
開放することにより目的とする擬似ニオイが発生する。
【0028】また、混合臭を封入したマイクロカプセル
をディスク上に配置塗布しておき、このディスクを回転
させながら所要のカプセルにレーザ光を照射し、内部の
ニオイをガス化し、これを無臭ガスを用いて運び、所要
の場所に送出する。
【0029】さらに、本発明にかかる擬似ニオイ発生媒
体は、マイクロカプセル内にあらかじめ合成した混合臭
が封入されているので、これにレーザ光を選択的に照射
することで簡単に目的とする混合臭が得られる。
【0030】
【実施例】図1は、生態系のニオイ識別のメカニズム
と、人工系、つまり本発明の疑似ニオイ発生方法および
その装置を実現するための一実施例の概念を示す概略構
成図である。なお(S1)〜(S3),(S11)〜
(S14)は各ステップを示す。
【0031】生体系I(例えば人体)においては、ある
ニオイ1を吸気する(S1)。そのニオイ1は生体系I
の検出部すなわち受容器2においてニオイ成分、すなわ
ち、ニオイ1の成分A,B,C,D……に対する濃度
a,b,c,d……の構造的特徴に基づく信号の発生を
行う(S2)。この信号を中枢系3が受け取り、そこに
おいて生体的な情報処理を行い、総合的なニオイ1の識
別,快感,不快感の感情を誘起し知覚する(S3)。
【0032】一方、人工系IIにおいては、生体系Iと
同様なニオイの識別を行うことを考える。発生したニオ
イ1はニオイ成分センサアレイ11において検出され
(S11)、信号処理部12において検出したニオイ1
の成分評価を行う(S12)。ここでは、ニオイ1の成
分毎に種類並びに濃度の推定,同定を行う(S13)。
ここでの成分種は数十から数千種に上る。この出力は成
分と濃度の組で表現されるものであり、デジタル情報と
して処理が行える。ここまでの処理は本出願人による特
願平5−354237号に記載の化学/物理量識別方法
および装置の技術、すなわち、より高速に、また、セン
サ出力飽和による評価能力の低下も防ぎながら種々の化
学/物理量の分析,評価により行われるものである。
【0033】ここで、上記特願平5−354237号
「化学/物理量識別方法及び装置」についてその要旨を
説明する。
【0034】図2は、化学/物理量識別装置の概略構成
図で、110は化学/物理量識別装置で、大別して評価
対象の化学/物理量が存在している測定空間(ないし測
定容器)120内に配されているセンサアレイ111
と、当該センサアレイ111からの出力信号群を処理す
る識別回路部130とから構成されている。識別回路部
130は、以下に順に述べて行くように、それぞれ必要
な機能を司る機能回路部133,134,135,13
7と、後述する各種データを保存するメモリ136とを
有している。これら回路部133,134,135,1
37の一部ないし全ては専用のハードウエアにより構成
することももちろんできるが、一般にはコンピュータシ
ステムを用いることで各機能回路部に所要の機能をソフ
ト的に実現することができる。メモリ136はもちろ
ん、コンピュータ内蔵のものでも良いし、容量的に問題
があれば外付けのものを用いることもできる。
【0035】まず、識別の対象とする化学/物理量の全
体を複数n個の互いに異なる範囲に分割して考える。n
は2以上の正の整数である。各範囲は少し重なり合う部
分があっても良いし、隣接する同士が完全に独立な領域
となっていても良いが、これら分割された各範囲中の化
学/物理量構成成分を、それぞれ「刺激単位」と呼ぶ。
次に、このような分割に対応させて、図3(A)に示す
ように、各刺激単位i(1≦i≦n)に対し互いに異な
る感度を有する複数n種、計n個のセンサ部Si(i=
1,2,3,・・・,n)を用意し、これらを適当な幾
何的配置、例えば当該図3(A)に示されているように
複数行、複数列に配する等してセンサアレイ111を構
成する。図3(B)には、第1種から第n種までの個々
の第i種センサ部Siのそれぞれが、さらに同じ種類の
複数個のセンサSsiから構成されている場合が示されて
いるが、これについては後述する。ここではまず、各第
i種センサ部Siが単一のセンサエレメントから構成さ
れていると考える。
【0036】各センサ部Siの出力は、センサアレイ1
11に備えられている出力ターミナル112を介し、図
2に示されている識別回路部130の入力ポート132
に与えられる。その信号伝送経路途中には、用いている
各センサ部Siにて実際に用いているセンサに適したイ
ンタフェース116が挿入されている。例えば、微弱な
センサ出力を望ましくは低ノイズで増幅する増幅器や入
出力インピーダンスの整合を取るバッファ等である。各
センサ部Siがアナログ信号を出力するのに対し、識別
回路部130がデジタル信号を処理するものであって、
かつ、アナログ対デジタル(A/D)変換器を内蔵して
いない場合には、外付けとしての当該A/D変換器等も
インタフェース116中に組込むことができる。各セン
サSiが電流、電圧等の有線電気信号を出力するのでは
なく、空中線伝送を利用したり、あるいはまた磁気的信
号とか光信号を発するものであるならば、インタフェー
ス116にはその受信機も含まれる場合がある。いずれ
にしても、センサ部Siないしセンサアレイ111から
その信号の処理部である識別回路部130に信号を送
り、かつこの送信信号を当該識別回路部130中におい
て処理するために適当な種類、適当な大きさの信号とす
るために必要な公知回路は、いずれも図2中に示されて
いるインタフェース116として任意選択的に使用する
ことができる。なお、各センサ部Siが例えばエレクト
レットコンデンサマイクロフォン等に見られるように、
電源電力の供給を要するものであるときには、図2及び
図3(A)中にて出力ターミナル112として示されて
いる構成要素部分にはそうした電源の入力端子も備えさ
せて各センサに電源配線を施しておき、図示しない電源
装置から電源を供給する。
【0037】ここで、化学/物理量識別の原理を理解す
るために、センサの種類の如何によらない一般的、基本
的な議論として、センサ出力に関し考察する。化学的刺
激の場合も物理的刺激の場合も、センサのセンシング面
に作用している刺激強度(前者では化学的吸着量、後者
では刺激強度そのものに等しい)とセンサ出力とは、図
4(A)に示すように、センサ出力の非飽和領域では比
例関係にある。出力飽和域に近付けば、同図中に仮想線
で模式的に示すように、線形な関係から外れることもあ
る。また、特に化学的刺激の場合には、センサ出力を介
して得たい情報は化学的吸着量ではなく、一般には刺激
物質の濃度である。この場合、吸着量と濃度との関係
は、刺激物質とセンシング面との相互作用が特異的吸着
によっている場合と非特異的吸着によっている場合の二
つに分けられる。
【0038】非特異的吸着によっている場合には、刺激
濃度と吸着量との関係は、飽和しない限り、Gibbs
の吸着式に従う比例関係が成り立つ。したがってこの場
合には、図4(A)の特性は、刺激物質濃度とセンサ出
力との関係として捕らえることができる。いずれにしろ
このような線形関係が成り立つときには、当該線形方程
式またはその比例係数は、実際にセンサアレイ111に
て用いる各センサ部Siのそれぞれに関し予備実験にて
容易に求められるので、求めた算術式ないし対応するア
ルゴリズムや比例係数は、図2中に示されている識別回
路部130中のROM等、適当な不揮発性メモリ136
に格納しておく。一般には最も簡単な場合として、比例
係数をのみ格納しておけば、算術式はハードウェア的に
組んでおくか、コンピュータを利用する場合にはプログ
ラム的に実行可能なので、それで足りることが多い。
【0039】もっとも、先に述べたように、識別回路部
130をコンピュータにより構成する場合、当該プログ
ラム自体を格納するメモリは必要になるが、これはコン
ピュータシステムとしての当然のことなので、あえて図
示はしない。換言すれば、コンピュータシステムが通常
有している手段をどのように利用して以下に述べる本発
明実施例を実現するかということ自体は、本来的に当業
者にとって設計的な問題である。
【0040】上記とは異なり、特異吸着による場合に
は、刺激濃度Cと吸着量B(C)との関係は、図4
(B)に示すように、Michaelis-Menten型の非線形的な
ものになり、解離定数をK、比例定数をαとした場合、
次式(1)が成立する。
【0041】
【数1】 B(C)=α×(C/K)/{1+(C/K)} ・・・(1) しかし、この場合でも、解離定数Kに比べて刺激濃度が
一桁以上低ければ、すなわちC<(K/10)程度に低
濃度であれば、上記(1)式の分母は1に近似できるの
で、当該(1)式は下記(2)式のように書き換えるこ
とができる。
【0042】
【数2】 B(C)={α×(C/K)}∝C ・・・(2) したがって、刺激強度が小さい場合には、刺激の種類が
化学的なものであろうと物理的なものであろうと、各セ
ンサ部Siから得られる刺激強度に対応した出力レベル
に比例係数を掛けるだけで刺激強度を算出することがで
きる。そこで、この比例係数を、先に線形関係について
述べたように、図2に示されている識別回路部130中
のメモリ136に格納しておけば、入力ポート132を
介して得られた各センサSiからの出力レベル情報に対
し刺激強度評価部134にて当該比例係数を掛けること
で当該刺激強度を算出するのは容易である。もっとも、
要すれば特異的吸着関係をより正確に示す上記(1)式
に基づき、刺激強度評価部134が刺激強度を算出する
ように構成しても良い。
【0043】一方、呈示された各単位刺激iの強度fと
各センサ部Siの初期応答特性、すなわち刺激呈示を受
けた時からの過渡的な動特性との関係に鑑みると、次の
ような議論をなすことができる。ここでまず、刺激の呈
示を受けて出力レベルを増加して行くセンサ部にあって
当該出力レベルが当該刺激強度fに対応する値に十分近
い値(例えば当該刺激強度対応値の70%以上)に達す
るまでの時間の間は、呈示された刺激強度fが変動しな
いものとする。物理的刺激の場合、一般にセンサ応答速
度は十分に速いので、特に工夫はしなくとも、この条件
は大方の場合、ほぼ自動的に満たされる。これに対し、
化学刺激の場合、必ずしも自動的にこの条件が満たされ
るとは限らないので、センサ応答速度が許容できない程
に遅い場合には、例えば識別対象の化学/物理量を一定
量サンプリングし、これをセンサアレイによる測定中、
当該センサアレイを含む密閉空間に閉じ込める等すれば
良い。いずれにしろこの条件が満たされているならば、
図4(C)に示されているように、物理的刺激の場合、
センサ部出力は零からある一定の速度で立ち上がって行
く。そして、この応答初期におけるセンサ出力は、刺激
強度と刺激呈示時間(作用時間)との積分値に比例する
から、この立ち上がり速度は刺激強度fに比例して速く
なる。また、化学的刺激の場合にも、一定濃度での吸着
量の増大を考えれば良いので、刺激呈示直前が零で、刺
激呈示後には最終吸着量に比例した速度で立ち上がって
行くセンサ出力が得られる。
【0044】そのため、物理的刺激の場合も化学的刺激
の場合も、刺激呈示直後のセンサ出力は図4(C)に示
す通り線形関係となり、しかも、呈示された単位刺激i
に対し最高の感度を持つセンサ部S(i,1)の立ち上
がり速度(線形関係直線式の傾き)は、二番目に高感度
なセンサ部S(i,2)よりも大きく、以下順に三番目
に高い感度を示すセンサ部S(i,3)以降、段々小さ
くなって行く。
【0045】しかるに、図2に示される化学/物理量識
別装置110にセンサアレイ111に対し、評価対象の
化学/物理量の中、ある単位刺激iを呈示した場合を考
えてみる(これは当該化学/物理量が単一の単位刺激i
のみから成る場合と考えても良い)。呈示された単位刺
激iの刺激強度をfとした場合、各センサSiの検出出
力レベルが零から呈示された刺激強度fに対応する出力
レベルに到達するまでには、図4各図に関し説明した理
由により、有限の時間、それも一般にはかなり長い時間
が掛かる。しかし、応答初期の各センサ部Siの出力に
鑑みると、これも既述のように、この応答初期の刺激強
度の積分値は時間に関し単調増加であるので、全てのセ
ンサ部S1〜Snの中、識別可能で有意の出力レベルO
d(有意の最小出力レベル)に最初に到達するのは、当
該呈示された単位刺激iに関し最高の感度を有するセン
サ部S(i,1)である。図4(C)に併示されている
ように、この時点がここで説明している実施例における
識別処理のための時間軸の起算点“0”となっている
が、この次に当該識別可能な出力信号レベルOdを発す
るのは、当該単位刺激iに関し二番目に高い感度を持つ
センサ部S(i,2)である。
【0046】そして、センサ部S(i,1)とセンサ部
S(i,2)とがそれぞれ有意の識別可能な出力レベル
Od(対応する刺激強度は図4(C)中、強度成分fm
で示している)を発するまでに要した時間の差は、呈示
された単位刺激iに特有のものとなる。しかし、センサ
アレイ111に対し単位刺激iが呈示された瞬間がいつ
なのかは知ることができないから、上記の応答時間差
は、上記の時間起算点からのデータとして、次のように
変形して求めることができる。
【0047】すなわち、図4(C)を参照すると明らか
であるが、センサアレイ111中でどれか一つのセンサ
部S(i,1)(これが結局、呈示された単位刺激iに
対して最高感度を有するセンサ部となる)が、ノイズレ
ベルと区別できる有意の出力レベルOdを発した時点を
既述のように時間起算点“0”とし、この時点から他の
別なセンサ部S(i,2)(呈示された単位刺激iに対
し二番目に高い感度を有するセンサ部となる)が同じ値
の出力レベルOdを発するまでの時間差t(i,1,
2)と、最初に応答した最高感度センサ部S(i,1)
が上記出力レベルOdの2倍の値(2×Od)の出力レ
ベルを発するまでに要する時間t(i,1,1@2)と
の比、
【0048】
【数3】 Rt(i,1,2)=t(i,1,2)/t(i,1,1@2)・・・(3) を求めれば、このデータRt(i,1,2)は、呈示さ
れた単位刺激iに関して特有の値を示すものとなる。な
お、“i@k”はi番目に感度の高いセンサがOd(オ
ーディ)のk倍の出力を出す時点を表わす。ただし、
“i@l”の場合は“@l”は省略している。
【0049】そこで、呈示された単位刺激iは、n種n
個の各センサ部Siの出力に鑑みて上記の出力レベルO
dを発する順番{S(i,j);j=1,2,・・・,
n}を捕え、かつ、各センサに関する規格化した応答遅
れ時間データ{Rt(i,1,j);j=1,2,・・
・,n}を求めることで、これらの情報に基づき一意的
に決定することができる。もちろん、与えられた刺激成
分iに関し感度を殆ど持たないセンサ部からは有意の出
力が発せられないので、応答するセンサの数は刺激単位
iのそれぞれに関しまちまちであり、たった一つの時も
ある。
【0050】図2にも即し、さらに詳しく本発明のメカ
ニズムに関し説明すると、測定空間ないし測定容器12
0内に配されたセンサアレイ111に対して呈示された
刺激Xが単一の単位刺激i(=X)のみから成ってい
て、かつ、ある一定時間以内に有意で識別可能な出力レ
ベルOdを発したセンサが一つのみであった場合には、
呈示された刺激Xは当該センサS(X,1)に最も高い
感度を与える刺激単位群の集合の中、特定の一つとして
決定できる。特に、S(X,1)が刺激iにしか応答し
ない“特異的”なセンサであることが、予め既知の標準
応答パタン情報の一つとして刺激成分同定回路部135
の一回路要素を構成するメモリ136に格納されている
のであれば、刺激成分同定回路部135はこの記憶デー
タを読み込み、対応関係を確認することで、与えられた
化学/物理量が単位刺激i=Xから成る種類のものであ
ることを直ちに識別し、各刺激成分種同定出力部138
から成分種同定出力として出力することができる。
【0051】換言すれば、n分割した各刺激単位群iの
それぞれにのみ最も高い感度を有する“特異的”なセン
サ部だけを一種類ずつ、それぞれ少なくとも一つの計n
個用い、それらの応答を比較することで、刺激成分同定
回路135はS(X,1)を知ることにより直ちに、か
つ容易に、与えられた刺激単位iを決定できる。なお、
前述した“特異的”とは、最高感度、すなわち検出可能
最低刺激強度において刺激単位群が同定できるという意
味であり、刺激強度が強い場合には複数のセンサ部にて
応答があっても良い。もちろん、特異性を維持する刺激
強度範囲が広ければ広い程、刺激を構成する単位刺激の
同定は容易になる。また、本発明では、このように応答
初期のセンサ出力状態を利用しているので、上記のよう
に単一のセンサ部S(X,1)のみが応答したことの確
認のためにある一定の時間を要するとはいっても、従来
例におけるように、センサ出力が完全に安定するまでセ
ンサ出力の取り込みを止めておく場合に比せば、そうし
た時間も遥かに短くて済む。
【0052】これとは異なり、単位刺激iに関し単一の
センサS(X,1)が応答しただけではなく、その他の
一つ以上のセンサ部Siも応答するのであれば、まず、
メモリ136に格納されている標準応答パタンの中、最
初に応答したセンサS(X,1)に関して対応付けされ
ている基礎データを当該メモリ136から読み込むこと
で、求める単位刺激iの候補の集合を得ることができ
る。その上で、二番目に応答したセンサ部S(i,2)
がどれであるかを刺激成分同定回路部135にて検出
し、かつ、応答遅れ時間測定回路部133にて先掲の
(3)式に従った演算をなし、求値した応答遅れ時間デ
ータRt(i,1,2)を得れば、求めるべき刺激単位
群の候補はより少数に絞られる。予めメモリ136に記
憶されている標準応答パタン中の対応する基礎データ群
との比較の結果、それでもなお、単一の刺激単位として
の特定ができなかった時には、三番目に応答したセンサ
部S(i,3)を検出し、上記(3)式でt(i,1,
2)の代わりにt(i,1,3)を用いてRt(i,
1,3)を得れば良く、以下、この手順を繰返すことで
単位刺激i=Xを決定することができる。
【0053】これに対し、得られた刺激Xの刺激強度の
求値ないし推定については、以下のように説明できる。
刺激強度が弱い場合には、すでに述べた通り、刺激強度
fとセンサ部出力との間には比例関係が成立する筈であ
る。また、各センサ部Siに刺激が呈示される直前の出
力レベル零の状態から、呈示された刺激強度に対応する
最高出力レベルに至る時の過渡期における立ち上がり速
度、特に応答初期におけるそれは図4(C)に即して説
明したように、呈示された刺激の強度と線形関係にある
と仮定できる。本実施例装置110ではそのように看做
しており、対応する比例係数に関するデータが各種基礎
データのメモリ136に予め記憶されている。したがっ
て、刺激強度fは、対応するセンサ部Siの出力レベル
に関する時間データ(立ち上がり速度データ)t(t,
1,1@2)と、メモリ136に格納されている比例係
数データとから、刺激強度評価部134にて簡単に算出
することができる。より正確を期すのであれば、対応す
るセンサ部出力は4×Odに達するまでに要する時間t
(i,1,1@4)を用い、これら二値に基づいて計算
するか、さらには出力レベルが8×Odになるまでに要
した時間t(i,1,1@8)をも加え、これら三値に
基づいて計算すれば、より一層の高精度測定が可能とな
る。
【0054】次に、最も一般的に見られる形態として、
刺激要素がm個(m>1)の刺激単位群から成っている
刺激Yの識別に関して説明する。既述したように、各セ
ンサ部Siがそれぞれに特定の刺激単位iの刺激強度に
関し、一桁ないしそれ以上の範囲で“特異的”な高感度
領域を持つ時には、これも既述した理由により、刺激単
位群の同定は比較的容易である。刺激Yの主成分要素y
1は刺激成分同定回路部135にて知り得るS(Y,
1)によって同定できる。特にS(Y,1)の出力が単
調増加しているかほぼ一定値を維持していることを刺激
成分同定回路部135ないし刺激強度評価回路部134
にて検出可能とすれば、そのような状況を検出した時に
は刺激強度評価回路部134はその刺激強度がfである
と知り、これを刺激強度出力部139に出力できるの
で、刺激成分種同定出力部138の出力と併せて捕えれ
ば、当該刺激成分y1が強度fにて存在しているという
情報を得ることができる。
【0055】上記により、被検知対象としてニオイを採
った場合、センサ部を数万から数十万種存在する被検知
対象のニオイの全成分に対応させることは必要とされる
センサ種の個数が多過ぎて実現不可能であるが、基本成
分を検出できる数であればセンサを構成することが可能
でかつニオイも疑似できることから、センサアレイ11
1で基本成分ごとに得られたディジタル値としての各濃
度を直接伝送するか、一旦記憶媒体に入れてから伝送す
ることでニオイを再生させることが可能なことが示され
た。
【0056】再び、図1において、本発明の装置におい
ては、得られた成分と濃度情報の組から疑似ニオイ発生
部16での高度処理を行うための代替ニオイ成分への変
換、制御信号(情報)を含むデジタルコード化、情報圧
縮などの信号処理を行う(S14)。これにより、マル
チメディア情報への変換を行う。得られた情報はデジタ
ル処理可能であるため、従来技術の記憶装置13、ディ
スク等の従来の記録媒体(以下、ディスクともいう)1
3A、再生装置15を通じることや、一般のネットワー
ク等の通信媒体を介して遠隔地において同一情報を情報
を失うことなく時間的、空間的差異を越えて伝達するこ
とができる。本情報を用いて疑似ニオイ発生部16にお
いては、ニオイディスクとしてニオイ成分を塗布したL
DまたはCD等の後述する図5に示すようなディスク1
4を用いて、マルチメディア用情報として加工/変換さ
れたニオイにもっとも近い疑似ニオイ1Aを発生させ
る。なお、ここで説明に用いたLDとCDの差異は、L
Dニオイディスクが200から300種の成分種のカプ
セルを塗布したもので、任意のニオイを発生することが
可能であり、CDニオイディスクは簡易版として数十か
ら100種程度のニオイ成分種を持ち、草木花,動物,
料理等の用途に限定されて用いられることを想定してい
る。
【0057】このように、数千、数万種あるといわれる
ニオイ1を数千から百種程度の基本成分のニオイ種を用
いて再構成し、疑似ニオイ1Aとする。このため、再現
するためのニオイを高識別能で検出することが必要とな
る。本発明は前述のような本出願人による特願平5−3
54237号に記載された生体の嗅覚受容器識別能に近
いセンサアレイを利用し、ニオイを成分として識別・検
出する。このときの成分識別能は数十から百種程度の任
意のニオイを合成する元となる基本ニオイ物質を識別で
きるものでなくてはならない。したがって、少なくとも
数十種類の特性の異なるセンサを構成要素として用いた
マルチサブモーダルセンサである必要がある。このニオ
イセンサにより、識別された成分臭気の種類、濃度を情
報通信およびCDなど記憶媒体としてのディスク13A
に適した情報形態に符号化し、遠隔地へ情報を転送し、
ニオイ1を再現したり、適当な読みとり装置およびニオ
イ再生装置を用いてディスク13Aから読み出し、時間
的・空間的に隔てられた場所でのニオイ1の再現に用い
る。これに必要な符号化・通信方法に関しては従来のデ
ジタル符号化された手法ならびに通信媒体上に実現する
ことができる。
【0058】この気化されたニオイ物質をディスク14
からニオイ情報享受者に送るためのニオイガス送出部2
0の一実施例を図5に示す。
【0059】図5は、疑似ニオイガス送出装置を示す斜
視図である。この図において、21はエアスプレーから
なるガス源で、スプレー弁22を備え、ガス源ホルダー
23に装着される。スプレー弁22からは配管部24を
介して流量調整器25に接続され、さらにガス導管部2
6を経てディスク再生装置27内に装着されたディスク
14の中央部のモータ軸(後述)に接続されている。
【0060】ディスク装着部27内にはガス源21から
のガスが供給されない場合にレーザ光(後述)の照射を
停止するレーザ照射防止信号発生部28が設けられ、ケ
ーブル29を介してガス源ホルダー23内の制御基板3
0に接続されている。なお、レーザ関係は図示は省略し
てある。ディスク14から発生したニオイはディスク装
着部27内に連通するニオイ呈示用導管31からニオイ
情報享受者へ送られる。32は前記ディスク14を挿入
し、取り出すディスク挿入部である。
【0061】図6は、疑似ニオイガスを発生するディス
ク14の構成を示す側面図、図7(A)〜(C)は図6
のディスクの詳細を示したもので、図7(A)はディス
クを上下に分割して示した概略斜視図、図7(B)は図
7(A)の側面図、図7(C)は要部を示す平面図であ
る。これらの図において、41は前記ディスク14の上
部を形成する基板である上部ディスク、42は前記ディ
スク14の下部を形成するカバーである下部ディスク、
43は中空状のモータシャフトで上部ディスク41の途
中まで密着挿入され、内部には図5のガス源21からの
空気流44が流通する。45は磁気光学(MO)的記録
部で、その下方はコーティング層46で覆われており、
接着剤47により上部ディスク41と下部ディスク42
とが密着して図6に示すように一体に形成されている。
下部ディスク42にはその中心部48にガスを分岐路に
導入するための凹部49が形成され、凹部49の中心部
48から放射状に分岐したガス分岐路50が形成されて
いる。そしてこの磁気光学的記録部45の外周とわずか
の隙間をおくとともに、各放射状のガス分岐路50の放
射上にそれぞれ壁部51が設けられ、この壁部51によ
って複数のパーティション52が形成されている。パー
ティション52にはニオイガスを封入したマイクロカプ
セル53が配列されている。なお、54は前記マイクロ
カプセル53の上面と壁部51とのスペースを示す。ま
た、61はレーザ、62はレンズ、63はレーザ光であ
る。そして、図7(C)では、1個のパーティション5
2にのみにマイクロカプセル53を配列してあるが、他
のパーティション52にも配列されることは云うまでも
ない。
【0062】上記において、上部ディスク41は利用す
るレーザ光63の波長に対して光学的に均質で、かつ、
透明な材質であればよい。また、磁気光学的記録部45
は、ディスク14上に配置されたマイクロカプセル53
の中のニオイ成分種と濃度、及びその存在する空間的位
置情報について、データを記録しておくために利用す
る。この情報を読み出し、ガス化させるべきニオイ成分
が必要な量だけディスク14上に存在していることを確
認し、破壊したマイクロカプセル53上を間違って再度
レーザ光照射することがないようにする。従って、ニオ
イ発生時には、使用された成分に対応するマイクロカプ
セル53の存在領域についての情報は新たに書き換えら
れることになる。
【0063】ニオイ1を再生するために用いる疑似ニオ
イ発生装置は家庭でも容易に使用できるように小型で操
作の簡単なものである必要がある。また、ニオイ物質の
中には極めて微量でも不快感を与えるものがあるため、
通常はニオイ物質が周囲に漏出しない性能を備えている
ことが不可欠となる。この条件を満足するものとして、
ニオイ物質をマイクロカプセル53に封入したものがあ
る。このマイクロカプセル53により、意図しないニオ
イが常時あるいはニオイ提示時に漏出・混入する問題を
クリアする。さらに、数百種類以上のニオイを数十から
百種程度の基本ニオイ物質の混合によって発生させるた
めにデジタルオーディオなどで用いられているCD,L
D,MOなどのディスク14により高速アクセス型レー
ザ光63の照射技術を利用する。こうしたディスク14
上に数十から数百程度のマイクロカプセル53をニオイ
の種類毎に複数個をまとめて接着・配列させ、種類,濃
度,位置情報をディレクトリに記憶しておく。疑似ニオ
イ発生部16は、送信されてきた、あるいは読み出した
情報を高速で処理し、必要なマイクロカプセル53上に
アクセスできるように、予めディレクトリ情報を読み出
しておき、シーケンスを同定して受信した、あるいは読
み出した情報から必要なニオイ種の入ったマイクロカプ
セル53の個数、位置を算出しすべて同定した後、分子
量の大きな順に必要なマイクロカプセル53にレーザ光
63を照射し、加熱による封入溶液(ニオイ物質)の膨
張によりマイクロカプセル53を破裂させ、同時に内部
の溶液を気化させる。
【0064】一方、図5に示すように、ガス源(スプレ
ー)21の装着により、スプレー弁22は常時開き、ガ
ス出口はガス導管部24となる配管に圧着接続されてい
る状態となるようにする。ガス源(スプレー)21から
出たガスは配管部24を通って流量調整器(Mass Flow
Controller)25に送られる。この流量調整器25によ
って、不燃性(無臭性を兼備、以下同じ)ガスをディス
ク14へ供給する供給流量を制御する。発生したニオイ
ガスを送り出すための流量は、1秒間にディスク14内
のマイクロカプセル53の上部の空間容量の2倍から数
倍のガスを供給する程度が適当である。ニオイガスを発
生させるためのレーザ光63の照射時の流量は、連続的
に発生させた同種あるいは異種のニオイガスを混合した
状態で情報享受者に送るために、ディスク14内のマイ
クロカプセル53の上部の空間容量の数分の1が1秒間
に供給される程度にガス流量を小さくする。電源投入初
期のみ、ガス流量をニオイガス発生中の定常的な流量よ
り大きな値に設定し、マイクロカプセル53の周囲の雰
囲気を不燃性ガスに置換するために必要な時間を短縮す
ることも可能である。流量調整器25はCPUを組み込
んだ制御基板30により流量が設定値になるように制御
される。また、マイクロカプセル53周囲に不燃性ガス
が十分供給されない状態でのレーザ光63の加熱を行わ
ないように、流量が設定値以下になると流量不足を意味
する表示を行ない、緊急制御信号をガス源21からディ
スク再生装置27に送りレーザ光63の照射を停止させ
る。
【0065】流量調整器25の出口側から、ニオイ発生
器のガス導入口までなど、装置内のガス配管はフッ素樹
脂製チューブなどガス吸着が少なく、潰れにくく、ある
程度フレキシブルな素材で配管するのが良い。図5〜図
7に示すようにガス源21→配管部24→流量調整器2
5→ガス導管部26→モータ軸43→ディスク中心部4
8→放射状のガス分岐路50→ディスク14内のパーテ
ィション(マイクロカプセル53の塗布部)52→ニオ
イ呈示用導管31という流路で不燃性ガスを流す。この
強制的なガスの流れの作用は、マクロカプセル53の周
囲を常に不燃性条件に保つばかりでなく、ニオイガスの
呈示にチューブを用いることにより、気化したニオイ物
質をディスク14から情報享受者に伝えるためのディス
ク挿入部32のドア内を陽圧に保つことで外部の空気が
侵入することを防ぎ、ドアを内部からハウジングに押し
つけることによって気密性の向上にも寄与する。さら
に、万一、マイクロカプセル53の破損物に瞬間的に気
化しなかったニオイ溶液が残留していたとしても、気化
を促進し、残留溶液が次に発生させるニオイに与える影
響を小さくする効果を併せ持っている。配管部24,ガ
ス導管部26およびニオイ呈示用導管31に使用するチ
ューブの内径はディスク内でニオイガスが発生してから
情報享受者までの到達時間が0.5秒から1秒程度でデ
ィスク内のマイクロカプセル53上部の空間容積が新鮮
な雰囲気ガスで1秒以内に置換されるように設定する。
例えば、ディスク内のマイクロカプセル上部の空間容積
が0.3ccであり、1秒当たりの供給ガス量をその2
倍に設定すれば、定常状態のガス流量は36cc/mi
nとなり、1mm内径のチューブならディスクから情報
供給者にニオイガスを導き送るために40cmから70
cmくらいの長さまでのチューブを利用することができ
る。ニオイガスの伝送効率を高めるために、ディスク挿
入部32の容積は必要最小限にすることが重要である。
また、ニオイ物質には酸性のものなどもあるためガス接
触部は非腐食性となるようにする必要がある。
【0066】ディスク14は図7に示すように、基本的
には上部のディスク41と下部ディスク42を接着剤で
張り合せて作る。ディスク14の上半分は内側に磁気光
学的記録材料45をコーティングし、MOディスクとし
ての機能を可能とする部分である。ディスク14の下半
分は複数種のマイクロカプセル53をコーティングする
パーティション52を持つ部分であり、上下2枚のディ
スク41,42を張り合わせた時、下部ディスク42の
パーティション52の仕切りと中央のガス分岐路50と
上部ディスク41がうまく接着され、かつマイクロカプ
セル53の上部に100μm程度の深さのスペースがで
きるようにパーティション52の深さと仕切りの高さを
設定することが必要である。このため、ディスク14の
材料はプレス加工が可能なものが作成コストの低減につ
ながる。
【0067】マイクロカプセル53は図6に示すレーザ
光63を吸収しやすいように黒色に着色し、マイクロカ
プセル53の上部1/3のどこかがレーザ照射用のフォ
ーカシングレンズ62の焦点面内におかれているように
ディスク14上に接着する。マイクロカプセル53の膜
厚は、マイクロカプセル53の壊れやすさに大きく影響
する。ディスク14の作成時に比較的壊れにくく、レー
ザ光63の照射時に容易に破壊されるという2つの条件
をうまく満足するようにカプセルの膜厚はカプセル材料
に合わせて調整する。典型的な例としては、膜材料の容
積がマイクロカプセル53の容積の10〜15%程度を
占める膜厚を利用することが可能である。照射されたレ
ーザ光63はマイクロカプセル53の材料に吸収され、
熱に変わり、これにより加熱された内部のニオイ溶液の
蒸気圧の上昇によってマイクロカプセル53が破壊さ
れ、ニオイガスが発生する。あるいは、熱分解あるいは
光分解作用などを持つカプセル材料を利用することによ
って、加熱あるいは強度の大きな光照射によってマイク
ロカプセル53の材料自体が分解し、マイクロカプセル
53の破壊を促進する性能を併せ持てば、目的のニオイ
ガス発生が可能となる。
【0068】一般的にニオイ強度は発生させるニオイガ
スの濃度に対応して増大する。したがって、破壊するマ
イクロカプセル53の数量を調整することによって、ニ
オイ強度を調整することが可能となる。さらに、目的の
ニオイを知覚させるために必要なニオイ物質種が複数必
要な場合、あるいは、濃度の高いニオイガスを発生させ
る場合は対応するマイクロカプセル53群の破壊を1秒
以内程度の短時間で行ない、その間前述のように雰囲気
ガス流量を低下させておき、その後定常のガス流量に戻
すことにより目的のニオイガスの発生が可能になる。
【0069】使用したマイクロカプセル53の物理的位
置情報はディレクトリから消去しておく。さらに、不足
しているニオイ物質については表示を行う。不足ニオイ
物質のニオイが他の複数のニオイ物質の混合により可能
な場合はこれで代替する。ニオイディスクについては化
学・物理的に安定なため任意のニオイ発生用だけでな
く、1種類から数種類のニオイに限定したマイクロカプ
セル53を塗布したものを用いて長時間の保存、再生が
可能である。マイクロカプセル53のディスクの配列・
塗布は適当な開口をもったマスクを用いて行うことが可
能である。再生時、ディスク14は適当な速度で回転さ
せておく。
【0070】また、ニオイ物質が気化したときは、酸化
により着火あるいは分解・変性し易いものもあるため、
レーザ光63の照射を行うマイクロカプセル53の周囲
は常時などの不燃性で人体に無害な無臭性ガスでパージ
する必要がある。これを可能とするため、図5のニオイ
ガス送出部20を使用すればよく、したがってガス源2
1から発生する不燃性ガスを使用する。不燃性ガス源と
しては市販のハンディータイプのエアースプレー(例え
ば、米国Chemtronics 社製のEシリーズUltrajetタイプ
等)をカセットコンロの容量でガス源ホルダー23に接
着し、利用することが可能である。また、ニオイ物質種
によっては、ニオイ物質と共に酸化防止剤を混合し、マ
イクロカプセル53に封入することも有効である。
【0071】また、単に既知のニオイの自動呈示を目的
とする場合にも、本ニオイ発生部を利用することができ
る。すなわち、あらかじめ合成したニオイ(混合臭)を
マイクロカプセルにつめ、複数種を種類毎にまとめてデ
ィスク上に配置塗布しておけば、それらを時間的,量的
に制御してガス化し呈示することにより希望する順序,
強さでニオイを断続的に自動発生させることが可能とな
る。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかる疑似
ニオイ発生方法は、被検対象のニオイを成分毎に種類と
濃度のディジタル情報に変換して対応付けし、このディ
ジタル情報に基づいてあらかじめ用意した基本成分毎あ
るいは混合臭毎のニオイ貯留部を選択的に開放して前記
ディジタル情報に対応した疑似ニオイを発生させるよう
にしたので、従来、不可能であったニオイ感覚の疑似体
験を実現することができる。
【0073】また、ディジタル情報は電気信号のディジ
タル信号に変換するので、遠隔地への伝送が容易であ
る。
【0074】また、ある特定のニオイに関してそのディ
ジタル信号を従来から使用されている記録媒体上に記録
することより、長期保存ならびに従来の通信媒体を利用
して遠隔地への通信が可能となった。さらにニオイ発生
物質が化学的にも安定しているため、物理的な保存がで
き輸送が実現できる効果がある。
【0075】また、疑似ニオイ発生装置は、ニオイ物質
を封入したマイクロカプセルと、このマイクロカプセル
をニオイの成分毎に区画して接着し配列したディスク
と、このディスク上の前記マイクロカプセルにレーザ光
を順次照射して破裂させることにより前記マイクロカプ
セル中のニオイを発生せしめるレーザとからなるので、
従来から使用されているCDまたはLD等のディスクを
利用することにより、例えば、TV,ビデオ等の料理番
組で再生側にニオイを伝えることができ、より臨場感を
増すことができる。また、電話等の通信媒体を用いて、
家庭にあるニオイ発生装置に特定の香りを送付すること
ができる。
【0076】さらに、TV,LD,CD,電話,FA
X,オーディオ機器,パーソナルコンピュータ,ゲーム
機器などが新たな情報処理を必要とするため、新しい装
置、あるいは新しいインタフェースの製造に必要なマイ
クロコンピュータ,メモリ,パルスモータ,レーザ等の
需要を促進すると同時に、より現実感のある高度な情報
機器を利用した通信網の発展を促進することができる等
の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の疑似ニオイ発生方法とその
装置の概念を示す概略構成図である。
【図2】本発明で使用する先に提案した化学/物理量の
識別装置の概略構成図である。
【図3】図2に示されているセンサアレイの構成と、セ
ンサアレイ中の各センサ部の構成に関する説明図であ
る。
【図4】図2の装置の原理を説明するための図である。
【図5】疑似ニオイガス送出装置を示す斜視図である。
【図6】疑似ニオイガスを発生するディスクの構成を示
す側面図である。
【図7】図6のディスクの詳細を示した図である。
【符号の説明】
1 ニオイ 1A 疑似ニオイ 11 ニオイ成分センサアレイ 12 信号処理装置 13A 記録媒体 13 記憶装置 14 ディスク 15 再生装置 16 疑似ニオイ発生部 20 ニオイガス送出部 41 上部ディスク 42 下部ディスク 43 モータシャフト 44 空気流 45 磁気光学的記録部 46 コーティング層 50 ガス流路 51 壁部 52 パーティション 53 マイクロカプセル 61 レーザ 63 レーザ光

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象のニオイを基本成分毎に種類と濃度
    のディジタル情報に変換して対応付けし、このディジタ
    ル情報に基づいてあらかじめ用意した基本成分毎のニオ
    イ貯留部を選択的に開放して前記ディジタル情報に対応
    した疑似ニオイを発生させることを特徴とする疑似ニオ
    イ発生方法。
  2. 【請求項2】 対象のニオイを基本成分毎に種類と濃度
    のディジタル情報に変換して対応付けし、さらにこのデ
    ィジタル情報を電気信号であるディジタル信号に変換し
    てから発信側から受信側に向けて伝送し、前記受信側に
    おいて前記ディジタル信号に基づいてあらかじめ用意し
    た基本成分毎のニオイ貯留部を選択的に制御された量の
    み開放して前記ディジタル情報に対応した疑似ニオイを
    発生させることを特徴とする疑似ニオイ発生方法。
  3. 【請求項3】 ディジタル信号の伝送は、発信側から受
    信側に向けて有線または無線で行うことを特徴とする請
    求項2に記載の疑似ニオイ発生方法。
  4. 【請求項4】 ディジタル信号の伝送は、ディジタル信
    号を一旦記録媒体に記録させた後、その記録媒体を受信
    側まで移送して行うことを特徴とする請求項2に記載の
    疑似ニオイ発生方法。
  5. 【請求項5】 基本成分毎のニオイ貯留部の開放時に、
    そのニオイ貯留部へ送る無臭ガスの送り量を制御するこ
    とによりそのニオイ成分の濃度の制御を行うことを特徴
    とする請求項1または2に記載の疑似ニオイ発生方法。
  6. 【請求項6】 基本成分のニオイ貯留部は、基本成分の
    ニオイ物質が封入されたマイクロカプセルからなり、基
    本成分のニオイ貯留部の開放は、レーザ光を選択的に照
    射して前記マイクロカプセルを破裂させて行うことを特
    徴とする請求項1,2または5に記載の疑似ニオイ発生
    方法。
  7. 【請求項7】 発生したニオイをあらかじめ定めた基本
    成分毎にその種類と濃度を検出するニオイ成分センサア
    レイと、このニオイ成分センサアレイで検出したニオイ
    の基本成分の種類とその濃度に応じたディジタル信号を
    発生する信号処理部と、この信号処理部から出力される
    ディジタル信号を入力し、前記ニオイの基本成分毎にそ
    の濃度に応じた量を発生させる疑似ニオイ発生部とを備
    えたことを特徴とする疑似ニオイ発生装置。
  8. 【請求項8】 発生した疑似ニオイ成分を無臭ガスによ
    りパージするニオイガス送出部を備えたことを特徴とす
    る請求項7に記載の疑似ニオイ発生装置。
  9. 【請求項9】 ニオイガス送出部は、発生させるべき疑
    似ニオイの基本成分の濃度に応じて無臭ガスの送風量を
    制御することを特徴とする請求項8に記載の疑似ニオイ
    発生装置。
  10. 【請求項10】 疑似ニオイ発生部は、異種の基本成分
    のニオイ物質がそれぞれ封入されたマイクロカプセルを
    ディスクに形成されたトラック上に多数配置した疑似ニ
    オイ発生媒体と、信号処理部から出力されるディジタル
    信号に対応する前記マイクロカプセルにレーザ光を選択
    的に照射して破裂させるレーザとを備えたことを特徴と
    する請求項7に記載の疑似ニオイ発生装置。
  11. 【請求項11】 異種のニオイ物質がそれぞれ封入され
    ており、レーザ光の照射で破裂可能なマイクロカプセル
    をディスクに形成されたトラック上に、レーザ光による
    選択的照射可能に多数配置したことを特徴とする疑似ニ
    オイ発生媒体。
  12. 【請求項12】 対象とする混合臭をその種類毎にディ
    ジタル情報に変換して対応付けし、あらかじめ合成した
    混合臭のニオイ貯留部を前記ディジタル情報に基づいて
    選択的に開放して前記ディジタル情報に対応した疑似ニ
    オイを発生させることを特徴とする疑似ニオイ発生方
    法。
  13. 【請求項13】 発生を必要とする混合臭をあらかじめ
    合成し封入したマイクロカプセルを種類毎にまとめてデ
    ィスク上に配置塗布したニオイ貯留部を用い、前記ディ
    スクを回転させながら時間的,強度的に制御されたレー
    ザ光で所要のマイクロカプセルを選択して照射加熱して
    破壊し、内部のニオイをガス化し、これを無臭ガスを用
    いて所要の場所に送出することを特徴とする疑似ニオイ
    発生方法。
  14. 【請求項14】 発生を必要とする混合臭が種類毎にあ
    らかじめ合成されて封入されており、レーザ光の照射で
    破壊可能なマイクロカプセルをディスクに形成されたト
    ラック上に、レーザ光による選択的照射可能に多数配置
    したことを特徴とする疑似ニオイ発生媒体。
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