JPH09292397A - バイオセンサ、キット、生体物質の分析方法及びバイオセンサの製造方法 - Google Patents

バイオセンサ、キット、生体物質の分析方法及びバイオセンサの製造方法

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JPH09292397A
JPH09292397A JP13101596A JP13101596A JPH09292397A JP H09292397 A JPH09292397 A JP H09292397A JP 13101596 A JP13101596 A JP 13101596A JP 13101596 A JP13101596 A JP 13101596A JP H09292397 A JPH09292397 A JP H09292397A
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Shigeo Okahata
恵雄 岡畑
Yuichi Oku
裕一 奥
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Nissui Pharmacetuical Co Ltd
Original Assignee
Nissui Pharmacetuical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 長期間反復使用することができるバイオセン
サ、バイオセンサを用いた生化学的結合ペア形成物質の
分析方法、核酸関連物質の分析方法及びバイオセンサの
製造方法を提供する。 【解決手段】 バイオセンサは、水晶発振子11の電極
12上に合成ポリマーを介して固定されたオリゴヌクレ
オチドを有し、リガンド又は受容体等の生化学的結合ペ
ア形成物質や核酸関連物質等の生体物質の分析に用い
る。バイオセンサと試薬中の構成成分として含まれる互
いのオリゴヌクレオチドの相補的塩基配列部分において
両者を部分的又は全体に結合させ、バイオセンサ−試薬
結合体とする。次いで、受容体又はリガンド(抗原1
4)が含まれていると疑われる被検試料を反応させ、バ
イオセンサ−試薬−結合体を得る。バイオセンサ−試薬
−結合体の相補的塩基配列結合を解離させて、試薬−結
合体を脱離させる。次いで、前記各工程において生ずる
振動数変化を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学的に親和性
を有する受容体とリガンドからなる生化学的結合ペア形
成物質の何れか一方を分析する方法、核酸関連物質の分
析方法、前記方法に用いられる生化学的結合ペア形成物
質の何れか一方を検出するのに用いられるバイオセンサ
としての水晶発振子、および該バイオセンサの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】水晶発振子を使って受容体とリガンドか
らなる親和関係にある生化学的結合ペア形成物質を検出
する方法は、A.Shonesらの論文(J .Biomed.Ma
ter.Res vol.6 1972 p.565-570)に発表されて以来、多
くの研究者によって試みられてきた。A.Shones
らの論文には、Nyebar Cという物質で水晶発振
子をコーティングし、この水晶発振子を牛血清アルブミ
ンあるいはウマγ−グロブリン溶液中に浸して、それぞ
れタンパク質をコーティングし、この水晶発振子にウサ
ギ抗牛血清アルブミン血清あるいはウサギ抗ウマγ−グ
ロブリン血清を反応させたところ、濃度依存的に振動数
の変化が認められたことを示しており、この報告は、生
化学的結合ペア形成物質の定量にこの水晶発振子を用い
る手法を最初に示したものである。
【0003】図1は、従来の水晶発振子を用いた、親和
関係にある受容体とリガンドからなる生化学的結合ペア
形成物質の検出法の一例の原理を示すフロー図である。
図1は受容体として抗体、リガンドとして抗原を用いた
場合を示している。1は水晶発振子、2は水晶発振子1
の片面に形成されている電極、3は抗体、4はその抗体
3に特異的に結合する抗原である。図1のa段階に示す
ように、水晶発振子1の電極2表面に抗体3が固定され
ている。この抗体3が固定化された水晶発振子1に、測
定する抗原4を含んだ試料が接触することにより、固定
化されている抗体3に抗原4が捕捉される(b段階)。
ついで、捕捉されている抗原4の溶出処理を行う(c段
階)。この溶出前後の水晶発振子1の発振周波数の変化
を測定することにより、或いは、抗原3を添加していな
い対照試験の発振周波数と試料中の抗原4が捕捉された
場合の発振周波数との差を測定することにより、抗原4
の存在及びその量を測定することができる。
【0004】この水晶発振子を使った生化学的結合ペア
形成物質の検出法、例えば、免疫化学的活性物質の検出
法は、従来の酵素免疫測定法のように測定操作の途中で
洗浄操作を必要とせず、短時間で測定結果が得られると
いう特徴がある。
【0005】A.Shonesらの手法と類似の方法
で、免疫化学的活性物質を浸漬コーティング処理した水
晶発振子を用いることにより、種々の免疫化学的活性物
質を検出できることが、USP4242096、USP
4236893に発表されている。また、特開昭62−
288546号公報には、水晶発振子に生体関連物質吸
着能を有する物質を固定化したバイオセンサが示されて
おり、その固定化の具体的な実験例には、水晶発振子を
γ−アミノプロピルトリエトキシシランで処理した後、
グルタールアルデヒドで処理することにより、水晶発振
子表面にアルデヒド基を導入し、この発振子にプロテイ
ンAを反応させて、プロテインA結合水晶発振子を調製
すること、及びこのプロテインA結合水晶発振子とマウ
スγ−グロブリンを反応させ、吸着したマウスγ−グロ
ブリンをpHの異なる緩衝液で脱離させ、結合したマウ
スγ−グロブリンの物性を分析する方法が記載されてい
る。
【0006】しかしながら、前記免疫化学的活性物質を
コーティング処理する手法や、グルタールアルデヒド等
により免疫化学的活性物質を直接固定化する等により得
られた水晶発振子は、検出操作に使用した後、検出物質
を脱離させて再度使用する場合には、その安定性が悪
く、再使用が困難であるという問題があった。現に上
記、A.Shonesらの論文、USP424209
6、USP4236893、及び特開昭62−2885
46号公報には、検出に使用された水晶発振子の再使用
可能性についての言及はなされていない。
【0007】水晶発振子を用いた生化学的結合ペア形成
物質の検出方法において、水晶発振子の再利用の回数に
言及した論文(Bio/Technology vol.7,1989 p.340 〜35
1 )がG.G.Guilbaultにより発表されてい
る。G.G.Guilbaultの論文によると、『S
honesらの論文』に従い、anti−Salmon
ella typhimuriumを固相に結合させ
て、繰り返し利用できる回数を調べたところ、1回しか
利用することができなかったことが報告されている。
【0008】また、G.G.Guilbaultの論文
によると、Karubeらの論文(Nato Advanced Rese
arch Workshop on Analytical Uses of Immunobilized
Biological Compounds p.187-195 Reidel Press, Amte
rdam)に従い、γ−aminopropyltrime
thoxy silaneを用いて、anti−Sal
monella typhimuriumを固相に結合
させて、繰り返し利用できる回数を調べたところ、1〜
2回しか利用することができなかったことが報告されて
いる。
【0009】また、G.G.Guilbaultの論文
によると、Wilchekらの論文(Anal.Biochem.vo
l.171 1988 p.1-32)に従い、アビジン結合水晶発振子
にanti−Salmonella typhimur
iumにビオチンを導入したものを反応させ、結合させ
て繰り返し利用できる回数を調べたところ、1〜2回し
か利用できなかったことが報告されている。
【0010】また、G.G.Guilbaultの論文
によると、D’Souzaらの論文(Biotech.Let.vol.
8 1986 p.643-648 )に従い、polyetylene
imineを用いてanti−Salmonella
typhimuriumを固定し、繰り返し利用できる
回数を調べたところ、6〜7回利用することができたこ
とが報告されている。
【0011】前記G.G.Guilbaultの論文の
結果からわかるように、従来の水晶発振子を使った免疫
化学的活性物質検出の各方法は、反復使用することが出
来ないか、或いは反復使用可能回数が極端に少なく、繰
り返し利用するには実用的ではなかった。これらの理由
は水晶発振子に固定化された抗体あるいは抗原等の生化
学的結合ペア形成物質が、水晶発振子の繰り返しの測定
使用時に、失活してしまうためであると考えられる。
【0012】このように、水晶発振子はその価格が高い
にもかかわらず、水晶発振子を使った生化学的結合ペア
形成物質の検出法は、産業上利用できる程度に反復使用
可能性が達成されておらず、実用化されていないのが現
状である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前記した問題点を解決
するために、本発明は、受容体或いはリガンドからなる
生化学的結合ペア形成物質の何れか一方を固定化した水
晶発振子からなるバイオセンサを用い、それに親和性の
ある他方の生化学的結合ペア形成物質の検出、測定する
方法、該方法に用いられるバイオセンサ、及びバイオセ
ンサの製造方法、或いは水晶発振子をバイオセンサとし
て用いた核酸関連物質の検出において、バイオセンサを
分析に繰り返し使用しても、固定化されている生化学的
結合ペア形成物質の活性の低下が少なく、或いはヌクレ
オチドの劣化が少なく、長期間反復使用することがで
き、経済的なバイオセンサ、バイオセンサを用いた生化
学的結合ペア形成物質の分析方法、核酸関連物質の分析
方法及びバイオセンサの製造方法を提供することを目的
とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記した問題点を解決す
るために、鋭意研究した結果、水晶発振子の電極上にポ
リマーを介して固定されたオリゴヌクレオチドを有する
バイオセンサを用いて、リガンド及び受容体を測定する
ことにより、バイオセンサを検出に繰り返し使用して
も、固定化されている生化学的結合ペア形成物質活性の
低下が少なく、又はオリゴヌクレオチドの劣化が少なく
長期間反復使用できることを見出し本発明に至った。
【0015】本明細書中に使用している用語、「生理活
性物質」とは、生化学的結合ペアを形成することができ
る生化学的親和関係を有する活性物質としての「受容
体」及び「リガンド」をいう。
【0016】本明細書中に使用している用語、「受容
体」及び「リガンド」は、代表的には例えば、抗体とそ
の抗原、ホルモンレセプターとそのホルモン、レクチン
と糖、生理活性物質受容体とその生理活性物質、生理活
性物質受容体を細胞表面に持つ細胞と生理活性物質等の
生化学的結合ペア形成物質が挙げられる。
【0017】バイオセンサ 本発明のバイオセンサは、水晶発振子の電極上にポリマ
ーを介して固定されたオリゴヌクレオチドを有すること
を特徴とする。本発明のバイオセンサはそれ単独でも生
体物質、例えば、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、
DNA、RNA等の核酸関連物質の分析のために利用で
きるが、下記に説明する試薬と組み合わされて生体物質
の分析のためのキットとして用いることもできる。キッ
トとして用いる場合の被検対象物としての生体物質に
は、受容体及びリガンドからなる互いに生化学的親和性
を有する結合ペア形成物質が挙げられる。本発明のバイ
オセンサは、前記キットの構成成分として生化学的結合
ペア形成物質の一方を測定することができ、且つ繰り返
し分析に使用できる特徴を持つ。
【0018】本発明のバイオセンサの構成成分に含まれ
るポリマーとして2個以上のジスルフィド基或いはチオ
ール基を含有するポリマーを使用する場合、さらに好ま
しくは次式(1)に示されるポリマーを使用する場合に
は、オリゴヌクレオチドはより安定に固定され、繰り返
しの分析に安定して使用可能となる。
【0019】Xl −Rm −Yn 式(1)
【0020】〔式中、l,m,nは1以上の任意の整
数、Xは電極に結合するためのジスルフィド基(−RS
SR’X’)、チオール基(−RSH)の群の1つに属
し、Rは2以上、R’は0以上の鎖長の炭化水素鎖であ
って場合によってはヘテロ原子によって中断されてお
り、また場合によっては側鎖の一部あるいは全てが修飾
を受けており、XとX’は同一であり、Yは受容体又は
リガンドを結合させるための活性基、例えば、スクシミ
ド基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、ア
ルデヒド基、カルボニル基、エポキシ基から選ばれたも
の〕 上記ポリマーの水晶発振子の電極上への結合手段は、好
ましくは、チオール基を介して水晶発振子の電極上に結
合される。このようなチオール基は、前記式(1)のジ
スルフィド(−RSSR’X’)、チオール(−RS
H)に由来することができる。
【0021】本発明のバイオセンサの具体的な構成例に
関し、図2にその製造フローの1例の概念図を示す。図
2において、11は水晶発振子、12は水晶発振子11
の片面に形成されている電極、15はオリゴヌクレオチ
ド、18は前記式(1)で示されるポリマー、19はア
ビジンである。
【0022】図2の製造フローは、以下の製造段階から
なる。即ち、水晶発振子11の電極12上にチオール基
を介してポリマー18を固定する(a段階)。次いで、
ポリマー18のカルボキシル基にスクシミド基を導入す
る(b段階)。次いで、アビジン19を添加してポリマ
ー18に形成されたスクシミド基にアビジン19を共有
結合させる(c段階)。次いで、ポリマー18に結合さ
れたアビジン19に対して、ビオチン20が導入された
オリゴヌクレオチド15を反応させて、ビオチン−アビ
ジン結合様式で、オリゴヌクレオチド15を水晶発振子
11の電極12上に固定させてバイオセンサとする(d
段階)。
【0023】このようにして得られた本発明のバイオセ
ンサは、2個以上の多数の−S−結合により電極に結合
した一体のポリマーの固定構造となっている。図2の模
式図で示すように、ポリマーの多数のSH基が水晶発振
子11の電極上の結合に関与しているので、電極上に結
合された一体のポリマーは、結合に関与する−S−部の
一部の結合がダメージを受けても、多数の他の−S−部
がポリマー全体を安定に固定しているので、該ポリマー
に結合されるオリゴヌクレオチドは安定に固定されるこ
とになる。
【0024】試薬 本発明のポリマーを含有するバイオセンサは、特別な試
薬を組合せたキットとして使用することにより、受容体
及びリガンドとしての生化学的結合ペア形成物質の分析
に特に有用となる。この特別な試薬とは、バイオセンサ
の構成成分の一部であるオリゴヌクレオチドに部分的又
は全体が相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド
であって、該オリゴヌクレオチドに受容体及びリガンド
の何れか一方が結合されてなる試薬である。試薬の構成
成分の一部としてのオリゴヌクレオチドは、前記バイオ
センサの構成成分の一部としてのオリゴヌクレオチドと
相補的な塩基配列により特異的に結合することができる
ものである。
【0025】本発明の試薬の構成成分としての受容体
に、IgGを用いてオリゴヌクレオチド−IgG結合体
(略記号:ON−IgG)を使用する場合には、Fa
b′を用いる場合(略記号:ON−Fab′)に比べ
て、測定感度の上昇が顕著となる。その理由は、Fa
b′部分が抗原14に結合する場合には、図3(a)に
示すようにFab′21部分は複数の抗原14と結合し
ないため、巨大分子化しないが、IgG22部分の場合
には、図3(b)に示すようにIgG22部分が複数の
抗原と結合し、巨大分子化するため、水晶発振子に結合
される分子量が増大し、水晶発振子の感度が顕著に増大
するからである。なお、本発明の試薬の構成成分として
の抗体成分に用いられる受容体には、上記IgG、Fa
b′以外にも、IgE、IgM、Fab、F(ab′)
2 が使用できる。
【0026】キット 本発明のキットは、水晶発振子の電極上に固定されたオ
リゴヌクレオチドを有する、受容体及びリガンドの何れ
か一方を測定するためのバイオセンサと、該バイオセン
サの構成成分の一部としてのオリゴヌクレオチドに部分
的又は全体が相補的な塩基配列のオリゴヌクレオチドを
有し、該オリゴヌクレオチドに受容体及びリガンドの何
れか一方が結合された結合体からなる試薬とが組合され
たものである。
【0027】また、場合によって本発明のキットは、バ
イオセンサにおいて上記ポリマーがその構成成分の一部
として含まれているバイオセンサを使用せずに、ポリマ
ーが構成成分として含まれていないバイオセンサを使用
し、これと試薬とを組合せることもできる。即ち、この
ような本発明のキットは、水晶発振子の電極上にポリマ
ーを使用せずに固定されたオリゴヌクレオチドを有する
バイオセンサと、該バイオセンサに含まれるオリゴヌク
レオチドに部分的又は全体が相補的塩基配列を有するオ
リゴヌクレオチドであって、該オリゴヌクレオチドに受
容体及びリガンドの何れか一方が結合されてなる試薬と
の組合せからなる。
【0028】本発明のキットは、該測定対象物と親和性
を有する受容体又はリガンドをバイオセンサ自体の構成
に含有させずに、該バイオセンサと組合せて使用するた
めのキットの構成成分として別体としているので、脱離
工程においてヌクレオチドの相補的結合部分を脱離させ
ることにより、バイオセンサのみを回収することがで
き、且つ回収されたバイオセンサは、新たな試薬と組み
合わせることにより、再度安定して利用することができ
る。
【0029】分析方法 本発明の生化学的結合ペア形成物質の分析方法は、前記
に詳述したキットを用意し、該キットのオリゴヌクレオ
チド−(受容体又はリガンド)結合体からなる試薬と、
該キットのオリゴヌクレオチドが固定されているバイオ
センサ、及び該キットの受容体又はリガンドと生化学的
親和性により結合することができるリガンド又は受容体
が含まれると疑われる被検試料を接触させることによ
り、互いのオリゴヌクレオチドの相補的塩基配列部分に
おいて結合させ、且つリガンド及び受容体の互いの生化
学的親和性により結合させて、バイオセンサ−試薬−
(リガンド又は受容体)結合体を得、前記工程で得られ
たバイオセンサ−試薬−(リガンド又は受容体)結合体
の相補的塩基配列結合を解離させて、試薬−(リガンド
又は受容体)結合体を脱離させ、少なくとも上記工程に
おけるバイオセンサ−試薬−(リガンド又は受容体)結
合体の振動数変化を測定することを特徴とする。前記工
程において試薬−(リガンド又は受容体)結合体を脱離
させて残ったバイオセンサは、再度の分析に長期間安定
して再使用できる特徴を有する。
【0030】本発明の生化学的結合ペア形成物質の分析
方法を、具体的に示せば、前記に詳述したキットを用意
し、該キットのオリゴヌクレオチド−(受容体又はリガ
ンド)結合体からなる試薬と、該キットのオリゴヌクレ
オチドが固定されているバイオセンサを、互いのオリゴ
ヌクレオチドの相補的塩基配列部分において部分的又は
全体に結合させて、バイオセンサ−試薬結合体とする。
次いで、前記工程で得られたバイオセンサ−試薬結合体
に対して、該結合体に含まれる受容体又はリガンドと生
化学的親和性により結合ペアを形成することができる、
受容体又はリガンドが含まれていると疑われる被検試料
と接触させることにより、リガンド及び受容体の互いの
生化学的親和性により結合させて、バイオセンサ−試薬
−(リガンド又は受容体)結合体を得る。次いで、前記
工程で得られたバイオセンサ−試薬−(リガンド又は受
容体)結合体の相補的塩基配列結合を解離させて、試薬
−(リガンド又は受容体)結合体を脱離させる。次い
で、少なくとも上記工程におけるバイオセンサ−試薬−
(リガンド又は受容体)結合体の振動数変化を測定する
ことを特徴とする。前記工程において試薬−(リガンド
又は受容体)結合体を脱離させて残ったバイオセンサ
は、再度の分析に長期間安定して再使用できる特徴を有
する。
【0031】本発明の生化学的結合ペア形成物質の別の
分析方法は、前記に詳述したキットを用意し、該キット
のオリゴヌクレオチド−(受容体又はリガンド)結合体
からなる試薬と、該試薬の構成成分の一部としての受容
体又はリガンドと生化学的親和性により結合ペアを形成
することができる受容体又はリガンドが含まれていると
疑われる被検試料を反応させて、試薬−(リガンド又は
受容体)結合体を形成させる。次いで、前記工程で得ら
れた試薬−(リガンド又は受容体)結合体を、前記キッ
トのオリゴヌクレオチドが固定されているバイオセンサ
と、互いのオリゴヌクレオチドの相補的塩基配列部分に
おいて部分的又は全体に結合させる。次いで、前記工程
で得られたバイオセンサ−試薬−(リガンド又は受容
体)結合体の相補的塩基配列結合を解離させて、試薬−
(リガンド又は受容体)結合体を脱離させる。次いで、
少なくとも上記工程におけるバイオセンサ−試薬−(リ
ガンド又は受容体)結合体の振動数変化を測定すること
を特徴とする。前記工程において試薬−(リガンド又は
受容体)結合体を脱離させて残ったバイオセンサは、再
度の分析に長期間安定して再使用できる特徴を有する。
【0032】前記キットを用いた本発明の生化学的結合
ペア形成物質の分析方法をさらに具体化した図4〜図7
の例に基づいて説明する。
【0033】一番目の分析方法:図4は、受容体とリ
ガンドからなる生化学的結合ペア形成物質の何れか一方
の分析の一例を示す一番目の分析方法の原理フロー図で
ある。この原理フロー図は、受容体を抗体とし、試料中
に含まれる測定すべきリガンドを抗原とした場合のもの
である。図4において、11は水晶発振子、12は水晶
発振子11の片面に形成されている電極、13は抗体、
14は抗体13に特異的に結合する抗原である。10は
水晶発振子11上の電極12にオリゴヌクレオチド15
が固定されてなるバイオセンサである。
【0034】一番目の分析方法において、最初にキット
を用意する。オリゴヌクレオチド15が固定されている
バイオセンサ10に、試薬17、即ち、オリゴヌクレオ
チド16に抗体13が結合された結合体からなる試薬1
7を混合して、互いのオリゴヌクレオチド15、16の
相補的塩基配列部分において部分的又は全体に結合させ
て、バイオセンサ−試薬結合体とする(図4のa段
階)。
【0035】次いで、前記工程で得られたバイオセンサ
−試薬結合体に対して、抗原14を含む被検試料を添加
して、バイオセンサ−試薬結合体に含まれる抗体13と
結合させて、バイオセンサ−試薬−抗原結合体を得る
(図4のb段階)。
【0036】次いで、前記工程で得られたバイオセンサ
−試薬−抗原結合体の相補的塩基配列結合を解離させ
て、試薬−抗原結合体を脱離させる(図4のc段階)。
この脱離処理は、一般的には、pHが10以上のアルカ
リ溶液中で、pH3以下の酸溶液中で、或いは高濃度の
カオトロピックイオンの存在下で脱離を行うことができ
る。
【0037】前記工程において試薬−抗原結合体を脱離
させて残ったバイオセンサは、再度繰り返して分析に使
用する。
【0038】以上の本発明の一番目の分析処理における
バイオセンサの振動数変化を測定し、その結果の一例を
図6に、縦軸に振動数変化量、横軸に時間をとったグラ
フにて、曲線Bとして示す。一方、以上の処理をb段階
において試料添加しないものについて同様に行って対照
(コントロール)とする。その対照についての処理のフ
ロー図を図5に示す。その処理におけるバイオセンサの
振動数変化の結果を図6のグラフにて曲線Aとして示
す。曲線Aの振動数変化と曲線Bの振動数変化の差(図
6のグラフの矢印で示す量)から、被検試料に含まれる
抗原の量を知る。
【0039】二番目の分析方法:図7は、抗原を含む
被検試料について上記分析方法とは別の本発明の二番目
の分析方法の原理フロー図を示す。オリゴヌクレオチド
16と抗体13が結合されてなる試薬17に対して、抗
原14が含まれている試料を混合して、試薬−抗原複合
体を生成する(図7のa段階)。
【0040】次いで、前記工程で得られた試薬−抗原複
合体をバイオセンサ10に接触させて、互いのオリゴヌ
クレオチド15、16の相補的塩基配列部分において部
分的又は全体に結合させて、バイオセンサ−試薬−抗原
結合体を得る(図7のb段階)。
【0041】次いで、前記工程で得られたバイオセンサ
−試薬−抗原結合体の相補的塩基配列結合を解離させ
て、試薬−抗原結合体を脱離させる(図7のc段階)。
【0042】図7に示す分析方法における対照(コント
ロール)としては、図5のフロー図と同じ処理を行う。
対照と比較した振動数変化の差から、上記分析方法と同
様にして被検試料に含まれる抗原の量を知る。前記工程
において試薬−抗原結合体を脱離させて残ったバイオセ
ンサは、再度繰り返して分析に使用する。
【0043】三番目の分析方法:図8は、抗原を含む
被検試料について上記方法とは別の分析方法による本発
明の三番目の分析方法の原理フロー図を示す。
【0044】オリゴヌクレオチド15が固定されている
バイオセンサ10に、抗原14を含む被検試料を添加し
ておく(図8のa段階)。
【0045】次いで、試薬17、即ち、オリゴヌクレオ
チド16に抗体13が結合された結合体からなる試薬1
7を混合して、該試薬17における抗体13部分に抗原
14を結合させると同時に、試薬17のオリゴヌクレオ
チド16部分においてこれに相補的塩基配列を部分的又
は全体に有する、水晶発振子11の電極12に固定され
たオリゴヌクレオチドと相補的結合させて、バイオセン
サ−試薬−抗原結合体を得る(図8のb段階)。
【0046】次いで、前記工程で得られたバイオセンサ
−試薬−抗原結合体の相補的塩基配列結合を解離させ
て、試薬−抗原結合体を脱離させる(図8のc段階)。
この脱離処理は、一般的には、pHが10以上のアルカ
リ溶液中で、pH3以下の酸溶液中で、或いは高濃度の
カオトロピックイオンの存在下で脱離を行うことができ
る。図8に示す分析方法における対照(コントロール)
としては、図5のフロー図と同じ処理を行う。対照と比
較した振動数変化の差から、上記分析方法と同様にして
被検試料に含まれる抗原の量を知る。前記工程において
試薬−抗原結合体を脱離させて残ったバイオセンサは、
再度繰り返して分析に使用する。
【0047】本発明の水晶発振子は、上記の生化学的結
合ペア形成物質の分析方法以外にも、ヌクレオチド、R
NA、DNA等の核酸関連物質の分析にも適用できる。
即ち、本発明の核酸関連物質の分析方法は、本発明のバ
イオセンサのヌクレオチドの塩基配列と相補的塩基配列
を全部又は一部有する、ヌクレオチド、RNA、DNA
から選ばれた核酸関連物質を含有する被検試料と反応さ
せて、互いの相補的な塩基配列部分において部分的又は
全体的に結合させ、次いで、前記工程で得られたバイオ
センサ−核酸関連物質結合体の相補的塩基配列結合を解
離させて、核酸関連物質結合体を脱離させ、次いで、前
記各工程において生ずる振動数変化を測定することによ
り、核酸関連物質の分析を精度よく安定に行う方法であ
る。前記工程において核酸関連物質結合体を脱離させて
残ったバイオセンサは、再度繰り返して分析に使用して
も長期間安定して再使用できる特徴がある。
【0048】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに詳しく説明
する。なお、以下の実施例には27MHzの水晶発振子
を用いた。
【0049】〔実施例1〕ポリマーの製造 下記の式(2)なる構造を有する化合物100mgを2
M 水酸化ナトリウム溶液に溶解し、これに3.5gの
無水S−メルカプトコハク酸を溶解したN,N’−ジメ
チルホルムアミドを加え、2M 水酸化ナトリウムでp
Hを8.3に調整した。
【0050】
【化1】
【0051】37℃で一昼夜反応させ、反応液を分子量
500以下の物質を排除する透析チューブに封入し、蒸
留水に対して透析した。透析後、透析チューブ内の液体
を凍結乾燥させた。この操作により、下記式(3)で示
されるポリマーが得られた。
【0052】
【化2】
【0053】水晶発振子電極上へのポリマーの結合 前記工程で合成した上記式(3)で示されるポリマー1
00mgを0.1M水酸化ナトリウムで溶解してポリマ
ー溶液を調製した。一対の金電極を有する水晶発振子で
あって、片側の電極が一定の空間を介してカバーで被覆
されている水晶発振子(片面被覆水晶発振子と呼ぶ)を
用意し、該片面被覆水晶発振子を0.5M ヒドロキシ
アミンpH7.0、37℃、10ml中に浸し、さらに
この溶液中に、ポリマー溶液を50μl添加した。この
反応により、前記式(3)のポリマーが下記式(4)で
示される、チオール基を有するポリマーになり、このポ
リマーは、このチオール基を介して水晶発振子のカバー
の被覆されていない側の電極に結合した。
【0054】
【化3】
【0055】水晶発振子に結合されたポリマーへのスク
シミド基の導入 前記工程で調製されたポリマー固定水晶発振子を、40
0mM 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド塩酸塩と100mM N−ヒドロキ
シスクシミドを含む溶液中に25℃ 30分間浸し、水
晶発振子に固定されている上記式(4)のポリマー中の
カルボキシル基にスクシミド基を導入して活性化した。
【0056】水晶発振子に結合されたポリマーへのアビ
ジンの結合 前記工程で調製されたスクシミド基導入ポリマー固定水
晶発振子を、20mMHEPES緩衝液 pH7.4、
10ml中に浸漬し、この溶液中に100μlの1mg
/mlアビジン溶液を注入し、ポリマー中に存在する活
性基であるスクシミド基にアビジンを結合させた。この
後、過剰のスクシミド基をブロックするために0.5M
エタノールアミンpH8.5を100μl添加した。
【0057】水晶発振子に結合されたアビジン結合ポリ
マーへのヌクレオチド固定 前記工程で調製されたアビジン結合水晶発振子を、0.
2M塩化ナトリウムおよび1mM EDTAを含む20
mM トリス塩酸緩衝液pH7.8、10mlに浸漬
し、5’末端にビオチンが導入された20merのオリ
ゴヌクレオチドを反応させ、オリゴヌクレオチド固定水
晶発振子をバイオセンサとして調製した。
【0058】オリゴヌクレオチド固定水晶発振子(バイ
オセンサ)の反復使用性試験 前記工程で調製されたオリゴヌクレオチド固定水晶発振
子を、0.2M 塩化ナトリウムおよび1mM EDT
Aを含む20mM トリス塩酸緩衝液pH7.8、10
mlに浸漬し、水晶発振子に固定させたオリゴヌクレオ
チドと相補的な配列を有する10merの長さのオリゴ
ヌクレオチドを結合させた抗B型肝炎表面抗原Fab’
(以下コンジュゲートと略記する)1.33mg/ml
を25μl添加して、相補的結合により結合させた。次
いで、1M 塩化ナトリウムを含む20mM 水酸化ナ
トリウムを3分間反応させて、相補的結合を解離させた
後、再び0.2M 塩化ナトリウムおよび1mM ED
TAを含む20mM トリス塩酸緩衝液pH7.8、1
0mlに浸漬し、コンジュゲートを反応させた。この反
応を20回繰り返した。この結果のうち、6〜15回の
繰り返しの結果を図9(5〜10回の場合)及び図10
(11回〜15回の場合)に縦軸に振動変化、横軸に時
間をとったグラフとして示した。
【0059】図9及び図10からわかるように、各回数
における曲線は全て集束しており、非常に再現よく、コ
ンジュゲートが水晶発振子に着脱していることがわか
る。この結果から、本発明のバイオセンサは一定量の抗
体を再現よく水晶発振子上に結合させることが可能であ
ることがわかる。
【0060】振動数変化の濃度依存性試験 前記反復使用性試験の結果、一定量の抗体を再現よく水
晶発振子上に結合させることが可能であることがわかっ
たので、複数の被検試料中の種々の抗原濃度に対して、
濃度依存的に本発明のバイオセンサの振動数が変化する
かどうかを次のようにして調べた。
【0061】前記試験で調製したオリゴヌクレオチド結
合水晶発振子を0.2M塩化ナトリウムおよび1mM
EDTAを含む20mM トリス塩酸緩衝液pH7.
8、10ml中に浸漬し、この溶液中にB型肝炎表面抗
原を終濃度0.50ng/ml〜400ng/mlの種
々の濃度になるように添加し、それぞれの溶液に前記コ
ンジュゲートを終濃度0.7μg/mlになるように添
加し、それぞれの濃度の振動数変化を観察した。この結
果を図11に縦軸に振動数変化、横軸に時間をとったグ
ラフとして示した。図11から明らかなように、被検試
料中の抗原濃度に対して濃度依存的に本発明のバイオセ
ンサの振動数が変化することがわかる。この結果より、
本発明の測定法により抗原の定量を行えることが示され
る。
【0062】次に、従来の水晶発振子を用いた免疫化学
的活性物質を検出、測定する方法と、本発明によって得
られる効果を比較するために次の比較実験を行った。
【0063】〔比較例1〕ポリマーを介しないオリゴヌクレオチド固定水晶発振子
の製造 ジチオビス(サクシンイミジルプロピオネート)(以下
DSPと略記する)をN,N’−ジメチルホルムアミド
で0.1Mになるように溶解し、金電極を有する片面被
覆水晶発振子を浸してある20mM HEPES緩衝液
pH7.4、37℃ 10ml中に、50μl注入し、
DSPを水晶発振子の電極上に結合させた。
【0064】前記工程で調製したDSP結合水晶発振子
を20mMHEPES緩衝液pH7.4、37℃ 10
ml中に浸漬し、この溶液に1mg/mlのアビジン溶
液100μlを添加しアビジンを水晶発振子に結合さ
せ、未反応のスクシミド基をブロックするために0.5
MエタノールアミンpH8.5を100μl添加した。
【0065】前記工程で調製したアビジン結合水晶発振
子に20merの塩基配列を有するビオチン導入オリゴ
ヌクレオチドを反応させて、比較例1のオリゴヌクレオ
チド結合水晶発振子(バイオセンサ)を製造した。
【0066】比較例1のオリゴヌクレオチド結合水晶発
振子(バイオセンサ)の反復使用性試験 前記工程で調製したオリゴヌクレオチド結合水晶発振子
を0.2M塩化ナトリウムおよび1mM EDTAを含
む20mM トリス塩酸緩衝液pH7.8 10ml中
に浸漬し、この溶液中にB型肝炎表面抗原を終濃度5n
g/mlになるように添加した。さらに、それぞれの溶
液にコンジュゲートを終濃度0.7μg/mlになるよ
うに添加し、それぞれの濃度の振動数変化を観察した。
この後、1M塩化ナトリウムを含む20mM 水酸化ナ
トリウムを3分間反応させて、相補的結合を解離させた
後、再び0.2M塩化ナトリウムおよび1mM EDT
Aを含む20mM トリス塩酸緩衝液pH7.8、10
mlに浸漬し、抗原、およびコンジュゲートを反応させ
た。この操作を繰り返して行い、その振動数変化を観察
した。この結果を図12に縦軸に振動数変化、横軸に時
間をとったグラフとして示した。この図12からわかる
ように、ポリマーを介することなく、直接DSPを発振
子に結合させアビジンを導入し、このアビジンにビオチ
ン導入オリゴヌクレオチドを反応させることによって、
オリゴヌクレオチド結合水晶発振子を調製した場合、反
復使用回数が16回目になると対照値よりも反応が低下
しており、16回目以降は反応に用いることができない
ことがわかる。このことから、本発明のバイオセンサの
ように、ポリマーを介したものの方が反復使用性があ
り、優れていることがわかる。
【0067】〔比較例2〕オリゴヌクレオチドの相補的塩基配列による結合を利用
しない分析法 前記実施例1と同様にして、水晶発振子に結合されたポ
リマー中のカルボキシル基にスクシミド基を導入して活
性化した。活性化されたポリマー結合水晶発振子を、2
0mM HEPES緩衝液pH7.4、10ml中に浸
漬し、この溶液中に100μlの1mg/ml抗B型肝
炎表面抗原IgG溶液を注入し、抗B型肝炎表面抗原I
gGを結合させた。即ち、得られた抗体固定水晶発振子
は、抗体がポリマーを介して水晶発振子に固定されてい
るが、その固定手段には、オリゴヌクレオチドの相補的
塩基配列による結合は含まれていない。
【0068】上記方法によって得られた抗体固定水晶発
振子を0.2M塩化ナトリウムおよび1mM EDTA
を含む20mM トリス塩酸緩衝液pH7.8、10m
l中に浸漬し、この溶液中に抗B型肝炎表面抗原を終濃
度200ng/mlになるように添加した。次いで、抗
原抗体反応により結合された抗原と抗体を脱離させるた
めに、0.5M塩化ナトリウムを含む50mMグリシン
塩酸緩衝液pH2.8中に水晶発振子を3分間浸漬し
た。次いで、再び0.2M塩化トリウム及び1mM E
DTAを含む20mM トリス塩酸緩衝液pH7.8、
10ml中に浸漬し、上記と同様にして抗B型肝炎表面
抗原IgGへの抗原の結合反応(抗原抗体反応)、脱離
反応を繰り返し行った。図13にこの結果を縦軸に振動
変化数、横軸に時間をとったグラフとして示した。図1
3によれば、繰り返し回数が増えると徐々に反応性が低
下していることがわかる。
【0069】このことから、ポリマーを介しても免疫化
学的活性物質を直接結合させるだけではなく、オリゴヌ
クレオチドの相補的結合を介して結合させる方法を併用
することが、より安定性に重要であることがわかる。
【0070】〔実施例2〕本実施例2においては、前記
実施例1のコンジュゲートとしての抗B型肝炎表面抗原
Fab′に換えて、抗B型肝炎表面抗原IgGを用いて
調製したコンジュゲートを用いて、本発明のバイオセン
サによる検出感度を測定した。すなわち、前記実施例1
で調製したオリゴヌクレオチド結合水晶発振子を0.2
M塩化ナトリウムおよび1mMEDTAを含む20mM
トリス塩酸緩衝液(pH7.8)10ml中に浸漬し、
この溶液中にB型肝炎表面抗原をそれぞれ終濃度100
pg/ml、500pg/mlになるように添加し、そ
れぞれの溶液に抗B型肝炎表面抗原IgGを用いて調製
したコンジュゲートを終濃度0.7μg/mlになるよ
うに添加し、それぞれのB型肝炎表面抗原濃度の振動数
変化を観察した。
【0071】この結果を図14に示した。この図及び図
11から明らかなようにコンジュゲートの構成成分をF
ab′からIgGにすることにより検出感度が大幅に向
上することがわかった。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、水晶発振子を用いた耐
久性に優れたバイオセンサを提供できるので、生体物質
(即ち、受容体或いはリガンドからなる生化学的結合ペ
ア形成物質、核酸関連物質)の分析が繰り返し、再現性
よく安定して行える。したがって、分析1回あたりの水
晶発振子のコストを大幅に低減化することができる。
【0073】本発明のバイオセンサは、オリゴヌクレオ
チドがポリマーを介して固定されているので、オリゴヌ
クレオチドは安定に固定され、繰り返しの分析に使用可
能となる。特に、2個以上のジスルフィド或いはチオー
ルを含有するポリマーを使用する場合、さらに好ましく
は前記式(1)に示されるポリマーを使用する場合に
は、オリゴヌクレオチドはより安定に固定され、繰り返
しの分析に安定して使用可能となる。
【0074】本発明のキットは、該測定対象物と親和性
を有する受容体又はリガンドをバイオセンサ自体の構成
に含有させずに、該バイオセンサと組合せて使用するた
めのキットの構成成分として別体としているので、脱離
工程においてヌクレオチドの相補的結合部分を脱離させ
ることにより、バイオセンサのみを回収することがで
き、且つ回収されたバイオセンサは、新たな試薬と組み
合わせることにより、安定して再度利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の水晶発振子を用いた、親和関係にある受
容体とリガンドからなる生化学的結合ペア形成物質の検
出法の一例の原理を示すフロー図である。
【図2】本発明のバイオセンサの製造フローの一例の概
念図を示す。
【図3】本発明のバイオセンサの使用において、Fa
b′が抗原に結合する場合とIgGが抗原に結合する場
合の比較を示す。
【図4】キットを用いた本発明の生化学的結合ペア形成
物質の分析方法を示し、受容体とリガンドからなる生化
学的結合ペア形成物質の何れか一方の分析の一例を示す
本発明の一番目の分析方法の原理フロー図である。
【図5】キットを用いた本発明の生化学的結合ペア形成
物質の分析方法の評価のために、試料添加しないものを
対照(コントロール)とした処理のフロー図である。
【図6】本発明のバイオセンサを使用した分析における
振動数変化と対照(コントロール)の振動数変化を縦軸
に振動数変化量、横軸に時間をとったグラフである。
【図7】抗原を含む被検試料について、本発明の二番目
の分析方法の原理フロー図である。
【図8】抗原を含む被検試料について、本発明の三番目
の分析方法の原理フロー図である。
【図9】本発明のオリゴヌクレオチド固定水晶発振子
(バイオセンサ)の反復使用性試験(6〜10回の場
合)の結果を示すグラフである。
【図10】本発明のオリゴヌクレオチド固定水晶発振子
(バイオセンサ)の反復使用性試験(11回〜15回の
場合)の結果を示すグラフである。
【図11】本発明のオリゴヌクレオチド固定水晶発振子
(バイオセンサ)と、該バイオセンサと組み合わされて
キットを構成するオリゴヌクレオチドに結合されたFa
b′結合体からなる試薬とを用いた被検試料中の抗原濃
度測定において、被検試料中の抗原濃度に対するバイオ
センサの振動数変化の濃度依存性試験の結果を示すグラ
フである。
【図12】比較例1の、ポリマーを介しないでオリゴヌ
クレオチドを固定した水晶発振子(バイオセンサ)の反
復使用性試験の結果を示すグラフである。
【図13】比較例2のオリゴヌクレオチドの相補的塩基
配列による結合を利用しないで、水晶発振子を生体物質
の分析に用いた場合の反復使用性試験の結果を示すグラ
フである。
【図14】本発明のオリゴヌクレオチド固定水晶発振子
(バイオセンサ)と、該バイオセンサと組み合わされて
キットを構成するオリゴヌクレオチドに結合されたIg
G結合体からなる試薬とを用いた被検試料中の抗原濃度
測定において、被検試料中の抗原濃度に対するバイオセ
ンサの振動数変化の濃度依存性試験の結果を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1,11 水晶発振子 2,12 電極 3,13 抗体 4,14 抗原 10 バイオセンサ 15,16 オリゴヌクレオチド 17 試薬 18 ポリマー 19 アビジン 20 ビオチン 21 Fab′ 22 IgG

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶発振子の電極上にポリマーを介して
    固定されたオリゴヌクレオチドを有し、且つ生体物質を
    分析するためのバイオセンサ。
  2. 【請求項2】 前記分析される生体物質が、受容体、リ
    ガンド及び核酸関連物質から選ばれたものである請求項
    1記載のバイオセンサ。
  3. 【請求項3】 前記受容体及びリガンドは、抗体とその
    抗原、ホルモンレセプターとそのホルモン、レクチンと
    糖、生理活性物質受容体とその生理活性物質、生理活性
    物質受容体を細胞表面に持つ細胞と生理活性物質の何れ
    かの組合せから選ばれたものである請求項2記載のバイ
    オセンサ。
  4. 【請求項4】 前記ポリマーは、チオール基を介して水
    晶発振子の電極上に結合されていることを特徴とする請
    求項1、2又は3記載のバイオセンサ。
  5. 【請求項5】 前記オリゴヌクレオチドは、ビオチン−
    アビジン結合を介してポリマーに結合されている請求項
    1、2、3又は4記載のバイオセンサ。
  6. 【請求項6】 前記ポリマーは、2個以上のジスルフィ
    ド基(−RSSR’X’)、チオール基(−RSH)を
    含み、ただし、Rは2以上、R’及びX’は0以上の鎖
    長の炭化水素鎖或いはHであって、場合によってはヘテ
    ロ原子によって中断されており、また場合によっては側
    鎖の一部あるいは全てが修飾を受けていることを特徴と
    する請求項1、2、3、4又は5記載のバイオセンサ。
  7. 【請求項7】 前記ポリマーは、Xl −Rm −Yn なる
    構造のポリマー、〔式中、l,m,nは1以上の任意の
    整数、Xは電極に結合するためのジスルフィド(−RS
    SR’X’)、チオール(−RSH)の群の1つに属
    し、Rは2以上、R’は0以上の鎖長の炭化水素鎖であ
    って場合によってはヘテロ原子によって中断されてお
    り、また場合によっては側鎖の一部あるいは全てが修飾
    を受けており、XとX’は同一であり、Yは受容体又は
    リガンドを結合させるための活性基、例えば、スクシミ
    ド基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、ア
    ルデヒド基、カルボニル基、エポキシ基から選ばれたも
    の〕である請求項1、2、3、4、5又は6記載のバイ
    オセンサ。
  8. 【請求項8】 (1)水晶発振子の電極上に固定された
    オリゴヌクレオチドを有する、受容体及びリガンドの何
    れか一方を測定するためのバイオセンサと、 (2)該バイオセンサの構成成分の一部としてのオリゴ
    ヌクレオチドに部分的又は全体が相補的な塩基配列のオ
    リゴヌクレオチドを有し、該オリゴヌクレオチドに受容
    体及びリガンドの何れか一方が結合された結合体からな
    る試薬、の組合せからなるキット。
  9. 【請求項9】 (1)請求項1、2、3、4、5、6又
    は7記載のバイオセンサと、 (2)該バイオセンサの構成成分の一部としてのオリゴ
    ヌクレオチドに部分的又は全体が相補的な塩基配列のオ
    リゴヌクレオチドを有し、該オリゴヌクレオチドに受容
    体及びリガンドの何れか一方が結合された結合体からな
    る試薬、の組合せからなるキット。
  10. 【請求項10】 前記受容体及びリガンドは、抗体とそ
    の抗原、ホルモンレセプターとそのホルモン、レクチン
    と糖、生理活性物質受容体とその生理活性物質、生理活
    性物質受容体を細胞表面に持つ細胞と生理活性物質の何
    れかの組合せから選ばれたものである請求項8又は9記
    載のキット。
  11. 【請求項11】 前記受容体はIgG、IgE、Ig
    M、Fab′、Fab、F(ab′)2 から選ばれたも
    のである請求項8又は9記載のキット。
  12. 【請求項12】 (1)請求項8、9、10又は11記
    載のキットを用意し、 (2)該キットのオリゴヌクレオチド−(受容体又はリ
    ガンド)結合体からなる試薬と、該キットのオリゴヌク
    レオチドが固定されているバイオセンサ、及び該キット
    の受容体又はリガンドと生化学的親和性により結合する
    ことができるリガンド又は受容体が含まれると疑われる
    被検試料を接触させることにより、互いのオリゴヌクレ
    オチドの相補的塩基配列部分において結合させ、且つリ
    ガンド及び受容体の互いの生化学的親和性により結合さ
    せて、バイオセンサ−試薬−(リガンド又は受容体)結
    合体を得、 (3)前記工程で得られたバイオセンサ−試薬−(リガ
    ンド又は受容体)結合体の相補的塩基配列結合を解離さ
    せて、試薬−(リガンド又は受容体)結合体を脱離さ
    せ、 (4)少なくとも上記工程におけるバイオセンサ−試薬
    −(リガンド又は受容体)結合体の振動数変化を測定す
    ることを特徴とする生化学活的結合ペア形成物質の分析
    方法。
  13. 【請求項13】 (1)請求項8、9、10又は11記
    載のキットを用意し、 (2)該キットのオリゴヌクレオチド−(受容体又はリ
    ガンド)結合体からなる試薬と、該キットのオリゴヌク
    レオチドが固定されているバイオセンサ、及び該キット
    の受容体又はリガンドと生化学的親和性により結合する
    ことができるリガンド又は受容体が含まれると疑われる
    被検試料を接触させることにより、互いのオリゴヌクレ
    オチドの相補的塩基配列部分において結合させ、且つリ
    ガンド及び受容体の互いの生化学的親和性により結合さ
    せて、バイオセンサ−試薬−(リガンド又は受容体)結
    合体を得、 (3)前記工程で得られたバイオセンサ−試薬−(リガ
    ンド又は受容体)結合体の相補的塩基配列結合を解離さ
    せて、試薬−(リガンド又は受容体)結合体を脱離さ
    せ、 (4)少なくとも上記工程におけるバイオセンサ−試薬
    −(リガンド又は受容体)結合体の振動数変化を測定
    し、 (5)上記工程で、試薬−(リガンド又は受容体)結合
    体を脱離したバイオセンサを再び、受容体及びリガンド
    からなる生化学的結合ペア形成物質の分析に供すること
    を特徴とする生化学的結合ペア形成物質の分析方法。
  14. 【請求項14】 (1)請求項8、9、10又は11記
    載のキットを用意し、 (2)該キットのオリゴヌクレオチド−(受容体又はリ
    ガンド)結合体からなる試薬と、該キットのオリゴヌク
    レオチドが固定されているバイオセンサを、互いのオリ
    ゴヌクレオチドの相補的塩基配列部分において部分的又
    は全体に結合させて、バイオセンサ−試薬結合体とし、 (3)前記工程で得られたバイオセンサ−試薬結合体に
    対して、該結合体に含まれる受容体又はリガンドと生化
    学的親和性により結合ペアを形成することができる、受
    容体又はリガンドが含まれていると疑われる被検試料と
    接触させることにより、リガンド及び受容体の互いの生
    化学的親和性により結合させて、バイオセンサ−試薬−
    (リガンド又は受容体)結合体を得、 (4)前記工程で得られたバイオセンサ−試薬−(リガ
    ンド又は受容体)結合体の相補的塩基配列結合を解離さ
    せて、試薬−(リガンド又は受容体)結合体を脱離さ
    せ、 (5)少なくとも上記工程におけるバイオセンサ−試薬
    −(リガンド又は受容体)結合体の振動数変化を測定す
    ることを特徴とする生化学活的結合ペア形成物質の分析
    方法。
  15. 【請求項15】 (1)請求項8、9、10又は11記
    載のキットを用意し、 (2)該キットのオリゴヌクレオチド−(受容体又はリ
    ガンド)結合体からなる試薬と、該キットのオリゴヌク
    レオチドが固定されているバイオセンサを、互いのオリ
    ゴヌクレオチドの相補的塩基配列部分において部分的又
    は全体に結合させて、バイオセンサ−試薬結合体とし、 (3)前記工程で得られたバイオセンサ−試薬結合体に
    対して、該結合体に含まれる受容体又はリガンドと生化
    学的親和性により結合ペアを形成することができる、受
    容体又はリガンドが含まれていると疑われる被検試料と
    接触させることによりリガンド及び受容体の互いの生化
    学的親和性により結合させて、バイオセンサ−試薬−
    (リガンド又は受容体)結合体を得、 (4)前記工程で得られたバイオセンサ−試薬−(リガ
    ンド又は受容体)結合体の相補的塩基配列結合を解離さ
    せて、試薬−(リガンド又は受容体)結合体を脱離さ
    せ、 (5)少なくとも上記工程におけるバイオセンサ−試薬
    −(リガンド又は受容体)結合体の振動数変化を測定
    し、 (6)上記工程で、試薬−(リガンド又は受容体)結合
    体を脱離したバイオセンサを再び、受容体及びリガンド
    からなる生化学的結合ペア形成物質の分析に供すること
    を特徴とする生化学的結合ペア形成物質の分析方法。
  16. 【請求項16】 (1)請求項8、9、10又は11記
    載のキットを用意し、 (2)該キットのオリゴヌクレオチド−(受容体又はリ
    ガンド)結合体からなる試薬と、該試薬の構成成分の一
    部としての受容体又はリガンドと生化学的親和性により
    結合ペアを形成することができる受容体又はリガンドが
    含まれていると疑われる被検試料を反応させて、試薬−
    (リガンド又は受容体)結合体を形成させ、 (3)前記工程で得られた試薬−(リガンド又は受容
    体)結合体を、前記キットのオリゴヌクレオチドが固定
    されているバイオセンサと、互いのオリゴヌクレオチド
    の相補的塩基配列部分において部分的又は全体に結合さ
    せ、 (4)前記工程で得られたバイオセンサ−試薬−(リガ
    ンド又は受容体)結合体の相補的塩基配列結合を解離さ
    せて、試薬−(リガンド又は受容体)結合体を脱離さ
    せ、 (5)少なくとも上記工程におけるバイオセンサ−試薬
    −(リガンド又は受容体)結合体の振動数変化を測定す
    ることを特徴とする生化学活的結合ペア形成物質の分析
    方法。
  17. 【請求項17】 (1)請求項8、9、10又は11記
    載のキットを用意し、 (2)該キットのオリゴヌクレオチド−(受容体又はリ
    ガンド)結合体からなる試薬と、該試薬の構成成分の一
    部としての受容体又はリガンドと生化学的親和性により
    結合ペアを形成することができる受容体又はリガンドが
    含まれていると疑われる被検試料を反応させて、試薬−
    (リガンド又は受容体)結合体を形成させ、 (3)前記工程で得られた試薬−(リガンド又は受容
    体)結合体を、前記キットのオリゴヌクレオチドが固定
    されているバイオセンサと、互いのオリゴヌクレオチド
    の相補的塩基配列部分において部分的又は全体に結合さ
    せ、 (4)前記工程で得られたバイオセンサ−試薬−(リガ
    ンド又は受容体)結合体の相補的塩基配列結合を解離さ
    せて、試薬−(リガンド又は受容体)結合体を脱離さ
    せ、 (5)少なくとも上記工程におけるバイオセンサ−試薬
    −(リガンド又は受容体)結合体の振動数変化を測定
    し、 (6)上記工程で、試薬−(リガンド又は受容体)結合
    体を脱離したバイオセンサを再び、受容体及びリガンド
    からなる生化学的結合ペア形成物質の分析に供すること
    を特徴とする生化学的結合ペア形成物質の分析方法。
  18. 【請求項18】 前記振動数変化を測定して生化学的結
    合ペア形成物質を測定する方法は、オリゴヌクレオチド
    −(受容体又はリガンド)結合体からなる試薬と、該試
    薬の構成成分の一部としてのオリゴヌクレオチドに相補
    的塩基配列のオリゴヌクレオチドを部分的或いは全体的
    に有するバイオセンサとの結合により生ずる振動数変化
    により、被検試料中の生化学的結合ペア形成物質の量を
    知ることを特徴とする請求項12、13、14、15、
    16又は17記載の生化学的結合ペア形成物質の分析方
    法。
  19. 【請求項19】 (1)水晶発振子の電極上にポリマー
    を介して固定されたヌクレオチドを有する生体物質を分
    析するためのバイオセンサに対し、該バイオセンサのヌ
    クレオチドの塩基配列と相補的塩基配列を全部又は一部
    有する、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、RNA、
    DNAから選ばれた核酸関連物質を含有する被検試料と
    反応させて、互いの相補的な塩基配列部分において部分
    的又は全体的に結合させ、 (2)前記工程で得られたバイオセンサ−核酸関連物質
    結合体の相補的塩基配列結合を解離させて、核酸関連物
    質結合体を脱離させ、 (3)少なくとも前記バイオセンサ−核酸関連物質結合
    体の振動数変化を測定すること特徴とする核酸関連物質
    の分析方法。
  20. 【請求項20】 (1)水晶発振子の電極上にポリマー
    を介して固定されたヌクレオチドを有する生体物質を分
    析するためのバイオセンサに対し、該バイオセンサのヌ
    クレオチドの塩基配列と相補的塩基配列を全部又は一部
    有する、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、RNA、
    DNAから選ばれた核酸関連物質を含有する被検試料と
    反応させて、互いの相補的な塩基配列部分において部分
    的又は全体的に結合させ、 (2)前記工程で得られたバイオセンサ−核酸関連物質
    結合体の相補的塩基配列結合を解離させて、核酸関連物
    質結合体を脱離させ、 (3)少なくとも前記バイオセンサ−核酸関連物質結合
    体の振動数変化を測定し、 (4)上記工程で、核酸関連物質結合体を脱離したバイ
    オセンサを再び、核酸関連物質の分析に供することを特
    徴とする核酸関連物質の分析方法。
  21. 【請求項21】 (1)水晶発振子の電極上に、Xl
    m −Yn なる構造のポリマー、〔式中、l,m,nは
    1以上の任意の整数、Xは電極に結合するためのジスル
    フィド基(−RSSR’X’)、チオール基(−RS
    H)の群の1つに属し、Rは2以上、R’は0以上の鎖
    長の炭化水素鎖であって場合によってはヘテロ原子によ
    って中断されており、また場合によっては側鎖の一部あ
    るいは全てが修飾を受けており、XとX’は同一であ
    り、Yは受容体又はリガンドを結合させるための活性
    基、例えば、スクシミド基、ヒドロキシル基、カルボキ
    シル基、アミノ基、アルデヒド基、カルボニル基、エポ
    キシ基から選ばれたもの〕を結合させ、 (2)前記工程で得られた水晶発振子に結合したポリマ
    ーに、アビジンを結合させ、 (3)前記工程で得られた水晶発振子に結合したアビジ
    ンに、ビオチンを導入したオリゴヌクレオチドを結合さ
    せる、ことを特徴とするバイオセンサの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003048358A1 (fr) 2001-12-07 2003-06-12 Nissui Pharmaceutical Co., Ltd. Gene et proteine associes a la differenciation adipocytaire
JP2006308292A (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Seiko Epson Corp 標的分子の検出方法、遺伝子多型の検出方法、ならびにこれらの検出方法に用いられる基板およびキット

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