JPH09292288A - 内燃機関のピストン測温装置 - Google Patents

内燃機関のピストン測温装置

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JPH09292288A
JPH09292288A JP10709996A JP10709996A JPH09292288A JP H09292288 A JPH09292288 A JP H09292288A JP 10709996 A JP10709996 A JP 10709996A JP 10709996 A JP10709996 A JP 10709996A JP H09292288 A JPH09292288 A JP H09292288A
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彰 高岡
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後藤  正博
Yoshihiko Masuda
義彦 増田
Setsu Shimura
節 志村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁誘導法を利用して測温するにあたり、ピ
ストンの一測温部の温度を測定する測温素子として1個
の測温抵抗素子を採用するのみで、広範囲のピストン温
度を測定するようにした内燃機関のピストン測温装置を
提供する。 【解決手段】 マルチプレクサ60は、マイクロコンピ
ュータ40により制御されて、高周波電流供給装置16
のうちの各高周波発振器16a乃至16cからの高周波
電流の一つを選択して、受信コイル12に供給する。即
ち、高周波電流供給装置16からの高周波電流の周波数
を500kHz、100kHz、50kHzのいずれか
に切り換えことで、ピストン温度が室温から350℃ま
でと広くても、測温分解能を高く維持しつつ、1つのサ
ーミスタでもって、室温から350℃までの広範囲に亘
るピストン温度を精度よく測定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のピストン測
温装置に係り、特に、電磁誘導法を利用してピストンの
測温部の温度を測定するピストン測温装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のピストンの測温は、硬
度法または熱電対法によって行われている。硬度法に
は、測定温度差が大きく、最高履歴温度のみの推定しか
できないという問題がある。一方、熱電対法には、測定
装置製作に多大な工数が必要であること、測定可能な気
筒が制限されること、長時間の測定が困難であること、
計測中での熱電対の断線が頻繁に発生すること等の問題
がある。
【0003】これに対しては、電磁誘導法によりピスト
ン測温を行うことが考えられる。この電磁誘導法による
ピストン測温にあたっては、例えば、電気学会論文集
(電学論)C112巻2号により開示されている。この
論文集によれば、ピストン測温の原理は次のようなもの
である。図7にて示すように、送信コイル1及び受信コ
イル2が、その各軸にて、図示しないピストン軸に対し
直交するように、同軸的にかつ相互に間隔をおいて配置
される。そして、共振コイル3が、送信コイル1と受信
コイル2との間の中間位置にてこれらと同軸的に位置し
得るように上記ピストンの底壁に装着される。また、測
温抵抗素子4が、共振コイル3と共に直列閉回路を形成
するように、共振コイル3に接続される。
【0004】このような構成のもとに、高周波発振器5
から送信コイル1に高周波電流を流すと、受信コイル2
に誘導電流が生ずる。そして、ピストンの下動により共
振コイル3が送信コイル1と受信コイル2との間の中間
位置に達すると、受信コイル2が共振コイル3との間の
電磁誘導作用によりこの共振コイル3に誘導電流を生じ
させる。
【0005】このような状態で、測温抵抗素子4の抵抗
値が温度によって変動すると、共振コイル3の誘導電流
が変化し、その結果、受信コイル2の誘導電流も変化す
る。そこで、このような現象を利用して、受信コイルの
誘導電流の変化に伴う出力電圧の波高値を、オシロスコ
ープ6により測定することで、測温抵抗素子4を設けた
部位(ピストンの部位)の温度を測定する。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関
の動作時におけるピストンの温度変化が大きい。例え
ば、ピストンの頂面付近では最高約350℃に達し、こ
の頂面以外のリング溝、ピンボス等では約250℃に達
する(図8参照)。このため、室温から350℃までの
広範囲においてピストン温度の測定を可能にしなければ
ならない。
【0007】ここで、ピストンの測温部に埋め込む測温
抵抗素子は、回路構成の簡単化やピストン重量軽減のた
め、一受信コイルに対しては、1つであることが望まし
い。また、この測温抵抗素子としてサーミスタを使用し
た場合、このサーミスタは、他の金属抵抗素子に比べ、
抵抗温度係数が大きい。従って、サーミスタによれば測
温分解能が高くなるものの、通常、測定器の測温レンジ
の幅には制限があるため、温度測定範囲が必然的に狭く
なる。
【0008】よって、室温から350℃までの広範囲の
ピストン温度を1個のサーミスタで測定することは困難
である。そこで、本発明は、以上述べたことに対処する
ため、電磁誘導法を利用して測温するにあたり、ピスト
ンの一測温部の温度を測定する測温素子として1個の測
温抵抗素子を採用するのみで、広範囲のピストン温度を
測定するようにした内燃機関のピストン測温装置を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1及び2に記載の発明によれば、送信コイル
に高周波電流を供給する高周波電流供給手段が、当該高
周波電流の周波数を、互いに異なる複数の温度範囲にそ
れぞれ対応する各周波数のいずれかに、ピストンの測温
部の温度に応じて切り換える切り換え手段を有し、この
切り換え手段による切り換え周波数にて高周波電流を送
信コイルに供給する。
【0010】これにより、ピストン温度が室温から例え
ば350℃までと広くても、上述のような高周波電流供
給手段からの高周波電流の周波数の切り換えのもと、大
きな抵抗温度係数を有する1つの測温抵抗素子でもっ
て、測温分解能を高く維持しつつ、室温から350℃ま
での広範囲に亘るピストン温度を精度よく測定できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
1乃至図6に基づいて説明する。図1及び図2は、本発
明に係るピストン測温装置が4気筒式内燃機関Eに適用
された例を示している。このピストン測温装置は、図1
及び図2にて示すように、内燃機関Eの一気筒C内に配
設したコイルユニットUを備えている。このコイルユニ
ットUは、ピストンP(気筒C内に摺動可能に嵌装され
ている)に連結するピストンクランクシャフトのカウン
タウェイトを削り形成したスペースにて、内燃機関Eの
シリンダブロックに支持部材18を介し支持されてい
る。なお、支持部材18は、ボルト18aにより上記シ
リンダブロックに締着されている。
【0012】コイルユニットUは、棒状フェライトコア
15を有しており、このフェライトコア15は、その軸
にて、気筒Cの軸に平行となるように、支持部材18上
に立設されている。また、コイルユニットUは、送信コ
イル11及び受信コイル12を有しており、これら送信
コイル11及び受信コイル12は、フェライトコア15
に巻装支持されている。ここで、送信コイル11及び受
信コイル12は、フェライトコア15の軸方向上下に間
隔をおいて位置している。
【0013】しかして、送信コイル11には、後述する
高周波電流供給装置16から高周波電流が供給される。
これにより、送信コイル11が、フェライトコア15を
通過する磁界を形成し、受信コイル12に電磁誘導作用
のもとに誘導電流を発生させる。このことは、受信コイ
ル12が、その誘導電流に応じた出力電圧を誘起するこ
とを意味する。
【0014】また、ピストン測温装置は、図1及び図2
にて示すように、ピストンPの底壁に装着したピストン
コイル13と、ピストンPの測温部に設けた測温抵抗素
子であるサーミスタ14とを備えている。ピストンコイ
ル13は、コイルユニットUに対向する位置にてピスト
ンPの底壁に設けられており、このピストンコイル13
は、送信コイル11及び受信コイル12と同軸的に位置
している。
【0015】また、ピストンコイル13は、ピストンP
の下動により、コイルユニットUに外方から嵌まり、下
死点に達したとき送信コイル11と受信コイル12の軸
方向中間位置(図2参照)に達するように位置してい
る。なお、ピストンコイル13の内径は、コイルユニッ
トU、即ち、送信コイル11及び受信コイル12の外径
より大きい。
【0016】サーミスタ14は、図1に示すごとく、ピ
ストンPの測温部に埋め込まれており、このサーミスタ
14はピストンコイル13と直列閉回路を形成してい
る。ここで、このサーミスタ14は、負の抵抗温度特性
を有する。しかして、サーミスタ14の抵抗値が上記測
温部の温度により変化すると、ピストンコイル13の誘
導電流が当該抵抗値の変化に応じて変化する。それに伴
って、ピストンコイル13が通る受信コイル12の交流
誘起電圧の波高値が両コイル12、13間の電磁誘導作
用により変化する。このため、受信コイル12にオシロ
スコープを接続して、その出力値を監視することによ
り、上記測温部の温度を演算することが可能になる。
【0017】次に、ピストン測温装置の電気回路構成に
ついて図3により説明する。包絡線検波回路20は、受
信コイル13の出力電圧の波形の包絡線を検波して検波
電圧を出力する。A−D変換器30は、包絡線検波回路
20の検波電圧をディジタル変換してマイクロコンピュ
ータ40に出力する。マイクロコンピュータ40は、図
4にて示すフローチャートに従い、コンピュータプログ
ラムを実行し、A−D変換器30の出力を利用して、予
め定めたマップデータ(図5(b)参照)に応じて表示
器50を制御するとともにマルチプレクサ60を介し高
周波電流供給装置16を制御するに要する演算処理をす
る。
【0018】ここで、上記マップデータは、周波数をパ
ラメータとしたピストン温度と受信コイル13の出力電
圧との関係を表すデータであって、マイクロコンピュー
タ40のROMに予め記憶されている。本実施の形態で
は、上記マップデータは、周波数50KHzにおける出
力電圧とピストン温度との関係を表す特性曲線L50、周
波数100KHzにおける出力電圧とピストン温度との
関係を表す特性曲線L100 及び周波数500KHzにお
ける出力電圧とピストン温度との関係を表す特性曲線L
500 により構成されている。
【0019】また、このマップデータは、次のようにし
て求めた。まず、図6に示すように、コイルユニットU
を固定台上に立設し、ピストンコイル13を測温位置で
支持し、このピストンコイル13にダミー抵抗R(サー
ミスタ14と実質的に同様に抵抗温度特性を有する)を
直列接続する。しかして、受信コイル12にオシロスコ
ープを接続し、受信コイル11に後述する高周波発振器
16a、16b或いは16cから高周波電流を供給し
て、受信コイル12の出力電圧とピストン温度との関係
を測定した。これにより、上記各特性曲線を得た。
【0020】高周波電流供給装置16は、三つの高周波
発振器16a、16b、16cを備えており、高周波発
振器16aは、50KHzの周波数を有する高周波電流
を供給する。また、高周波発振器16bは、100KH
zの周波数を有する高周波電流を供給し、高周波発振器
16cは、500KHzの周波数を有する高周波電流を
供給する。
【0021】マルチプレクサ60は、マイクロコンピュ
ータ40により制御されて、高周波電流供給装置16の
うちの各高周波発振器16a乃至16cからの高周波電
流の一つを選択して、受信コイル12に供給する。この
ように構成した本実施の形態において、マイクロコンピ
ュータ40は、図4のフローチャートに従い、以下のよ
うにコンピュータプログラムを実行しているものとす
る。このとき、内燃機関Eは作動状態にあるものとす
る。
【0022】ステップ100では、現段階にてマルチプ
レクサ60が、高周波発振器16a乃至16cのいずれ
かからの高周波電流を選択し送信コイル11に流入す
る。すると、送信コイル11がその流入高周波電流によ
り受信コイル12に電圧を誘起させる。しかして、ピス
トンPが下動して下死点に達すると、ピストンコイル1
3が、受信コイル12と送信コイル11との間の位置に
達し、受信コイル12と電磁誘導作用を起こす。このと
き、ピストンコイル13の誘導電流がサーミスタ14の
抵抗値により変化すると、受信コイル12の誘起電圧の
波高値を変化させる。
【0023】すると、包絡線検波回路20が受信コイル
12の出力に基づき検波電圧を発生し、この検波電圧が
A−D変換器30によりディジタル変換されてマイクロ
コンピュータ40に入力される。ついで、この入力ディ
ジタル検波電圧に応じて上記マップデータに基づきピス
トン温度が算出され、次のステップ110で、今回の算
出ピストン温度が前回のピストン温度以上か否かが判定
される。
【0024】今回の算出ピストン温度が前回のピストン
温度以上であれば、ステップ110における判定がYE
Sとなる。ここで、送信コイル11への供給高周波電流
の現在の周波数(以下、周波数fという)が50KHz
であれば、コンピュータプログラムがステップ120か
らステップ100に進み、上述と同様にピストン温度の
算出がなされる。
【0025】また、現在の周波数fが100KHzなら
ば、コンピュータプログラムがステップ120からステ
ップ130に進む。ここで、上述した今回の算出ピスト
ン温度が230℃以上でなければ、ステップ130にお
ける判定がNOとなる。一方、ステップ130における
判定がYESならば、ステップ131において、周波数
fが50KHzに切り換えられる。
【0026】また、上記ステップ120において、現在
の周波数fが500KHzならば、コンピュータプログ
ラムがステップ140に進む。ここで、上述した今回の
算出ピストン温度が130℃以上でなければ、ステップ
140における判定がNOとなる。一方、ステップ14
0における判定がYESならば、ステップ141におい
て、周波数fが100KHzに切り換えられる。
【0027】一方、上述した今回の算出ピストン温度が
前回の算出ピストン温度以上ではなく、ステップ110
における判定がNOとなる場合において、現在の周波数
fが50KHzであれば、コンピュータプログラムがス
テップ150からステップ160に進む。ここで、上述
した今回の算出ピストン温度が220℃以下でなけれ
ば、ステップ160における判定がNOとなる。一方、
ステップ160における判定がYESならば、ステップ
161において、周波数fが100KHzに切り換えら
れる。
【0028】また、上記ステップ150において、現在
の周波数fが100KHzならば、コンピュータプログ
ラムがステップ170に進む。ここで、上述した今回の
算出ピストン温度が120℃以下でなければ、ステップ
170における判定がNOとなる。一方、ステップ17
0における判定がYESならば、ステップ171におい
て、周波数fが500KHzに切り換えられる。
【0029】また、ステップ150において、現在の周
波数fが500KHzならば、コンピュータプログラム
がステップ100に進む。しかして、上述のように、ス
テップ110における判定がYESとなりピストン温度
が上昇中にあると判断される場合において、ステップ1
31にて周波数fが50KHzに切り換えられると、マ
ルチプレクサ60が、高周波発振器16aからの高周波
電流を選択して送信コイル11に供給する。すると、送
信コイル11がその流入高周波電流(周波数50KHz
を有する)により受信コイル12に電圧を誘起させる。
【0030】また、ステップ141にて周波数fが10
0KHzに切り換えられると、マルチプレクサ60が、
高周波発振器16bからの高周波電流を選択して送信コ
イル11に供給する。すると、送信コイル11がその流
入高周波電流(周波数100KHzを有する)により受
信コイル12に電圧を誘起させる。一方、上述のよう
に、ステップ110における判定がNOとなりピストン
温度が下降中にあると判断される場合において、ステッ
プ161にて周波数fが100KHzに切り換えられる
と、マルチプレクサ60が、高周波発振器16bからの
高周波電流を選択して送信コイル11に供給する。する
と、送信コイル11がその流入高周波電流(周波数10
0KHzを有する)により受信コイル12に電圧を誘起
させる。
【0031】また、ステップ171にて周波数fが50
0KHzに切り換えられると、マルチプレクサ60が、
高周波発振器16cからの高周波電流を選択して送信コ
イル11に供給する。すると、送信コイル11がその流
入高周波電流(周波数500KHzを有する)により受
信コイル12に電圧を誘起させる。以上のようにして、
50KHz、100KHz或いは500KHzの高周波
電流に基づき受信コイル12に50KHz、100KH
z或いは500KHzの誘起電圧が発生している状態に
て、ピストンPが下動して下死点に達し、ピストンコイ
ル13が受信コイル12と送信コイル11との間の位置
に達すると、このピストンコイル13が、受信コイル1
2との間に電磁誘導作用を起こし電圧を発生する。
【0032】このとき、サーミスタ14の抵抗値に応じ
て、受信コイル12の誘起電圧の波高値が変化し、上述
と同様にして、包絡線検波回路20及びA−D変換器3
0を通してマイクロコンピュータ40に入力される。す
ると、ステップ110において、ピストン温度が算出さ
れる。この場合、ピストン温度の上昇過程において、高
周波発振器16cからの高周波電流が送信コイル11に
供給されるときには、上記マップデータの特性曲線L
500 のうちの30℃乃至120℃の範囲の部分(図5
(a)参照)に基づき、受信コイル12からの出力電圧
に応じてピストン温度が算出される。
【0033】また、高周波発振器16bからの高周波電
流が送信コイル11に供給されるときには、上記マップ
データの特性曲線L100 のうちの130℃乃至230℃
の範囲の部分(図5(a)参照)に基づき、受信コイル
12からの出力電圧に応じてピストン温度が算出され
る。また、高周波発振器16aからの高周波電流が送信
コイル11に供給されるときには、上記マップデータの
特性曲線L50のうちの230℃乃至350℃の範囲の部
分(図5(a)参照)に基づき、受信コイル12からの
出力電圧に応じてピストン温度が算出される。
【0034】一方、ピストン温度の下降過程において、
高周波発振器16aからの高周波電流が送信コイル11
に供給されるときには、上記マップデータの特性曲線L
50のうちの220℃乃至350℃の範囲の部分(図5
(a)参照)に基づき、受信コイル12からの出力電圧
に応じてピストン温度が算出される。また、高周波発振
器16bからの高周波電流が送信コイル11に供給され
るときには、上記マップデータの特性曲線L100 のうち
の120℃乃至220℃の範囲の部分に基づき、受信コ
イル12からの出力電圧に応じてピストン温度が算出さ
れる。
【0035】また、高周波発振器16cからの高周波電
流が送信コイル11に供給されるときには、上記マップ
データの特性曲線L500 のうちの30℃乃至130℃の
範囲の部分(図5(a)参照)に基づき、受信コイル1
2からの出力電圧に応じてピストン温度が算出される。
なお、図5(a)では、太線の各立ち上がり矩形部が、
500KHz、100KHz、50KHzの周波数fの
高周波電流の発生期間をそれぞれ表す。
【0036】このように、ピストン温度が室温から35
0℃までと広くても、高周波電流供給装置16からの高
周波電流の周波数を500kHz、100kHz、50
kHzの3種類の周波数に切り換え、かつ上記マップデ
ータを活用することで、測温分解能を高く維持しつつ、
他の金属抵抗に比べ大きな抵抗温度係数を有する1つの
サーミスタでもって、室温から350℃までの広範囲に
亘るピストン温度を精度よく測定できる。
【0037】この場合、上述のように、高周波電流の周
波数を3種類に切り換えるので、測定器の通常の測温レ
ンジ範囲でも、高分解能を維持しつつ、測温可能であ
る。また、上述のようにサーミスタ14として、負の抵
抗温度特性を有するサーミスタを採用しているので、上
記分解能の向上をより一層促進できる。また、上述のよ
うに、温度の上昇過程及び下降過程で周波数fの切り替
えを判定するピストン温度に10℃の差を設け重複して
設定するようにしてあるので、周波数fの切り換え前後
で測定温度に差が生じた場合にも、周波数fの切り換え
が確実に行われる。
【0038】なお、上記実施の形態では、内燃機関Eの
一気筒のピストンPの温度を測定する例について説明し
たが、これに限ることなく、他の気筒をも含めて全ピス
トンの温度測定を行うようにしてもよく、また、4気筒
のピストンの少なくとも一以上のピストンの温度測定を
するようにしてもよい。また、本発明の実施にあたって
は、各コイルユニットUのフェライトコアは廃止して実
施してもよい。
【0039】また、本発明の実施にあたっては、各コイ
ルユニットUの送信コイルと受信コイルの上下の位置関
係は、逆にしてもよい。また、本発明の実施にあたり、
ピストンの測温部の数は、適宜変更して実施してもよ
い。また、本発明の実施にあたり、ピストンの測温タイ
ミングは、ピストンの下死点近傍に限ることなく、下死
点近傍以外のピストンの位置に設定してもよい。
【0040】また、本発明の実施にあたり、4気筒式内
燃機関に限らず、単気筒式等の各種内燃機関のピストン
測温に本発明を適用して実施してもよい。また、本発明
の実施にあたっては、上記実施の形態にて述べたコイル
ユニットに限ることなく、例えば、本明細書の冒頭にて
述べた図7の構成のものをコイルユニットとして採用し
て実施してもよい。
【0041】また、上記実施の形態では、サーミスタ1
4として負の抵抗温度特性を有するサーミスタを採用し
たが、これに代えて、正の抵抗温度特性を有するサーミ
スタをサーミスタ14として採用してもよい。また、上
記実施の形態では、ピストン温度の測温素子して、サー
ミスタを採用するようにしたが、これに限らず、抵抗温
度係数の大きい測温抵抗素子を、サーミスタに代えて採
用して実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内燃機関のピストン測温装置の一
実施の形態の機械的構成部を示す断面図である。
【図2】図1のユニットコイルの取り付け状態を示す部
分拡大断面図である。
【図3】上記実施の形態におけるピストン測温装置の電
気回路構成を示すブロック図である。
【図4】図3のマイクロコンピュータの作用を示すフロ
ーチャートである。
【図5】(a)は、周波数fの切り換えタイミングをピ
ストン温度との関係を表すタイミングチャートであり、
(b)は、受信コイルの出力電圧とピストン温度との関
係を表すマップデータを示す図である。
【図6】上記マップデータを測定するための測定構成図
である。
【図7】従来の電磁誘導法による測温方法の原理を示す
図である。
【図8】図7の共振コイルの検出電圧とピストン温度と
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11・・・送信コイル、12・・・受信コイル、13・
・・ピストンコイル、14・・・サーミスタ、16・・
・高周波電流供給装置、16a乃至16c・・・高周波
発振器、20・・・包絡線検波回路、40・・・マイク
ロコンピュータ、60・・・マルチプレクサ、C・・・
気筒、P・・・ピストン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 義彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 志村 節 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関(E)の気筒(C)内低部に設
    けられた送信コイル(11)及びこの送信コイルに同軸
    的に設けられた受信コイル(12)を備えるコイルユニ
    ット(U)と、 前記送信コイルに高周波電流を供給してこの送信コイル
    を介し前記受信コイルに電圧を誘起させる高周波電流供
    給手段(16、16a乃至16c)と、 前記気筒内に摺動可能に嵌装したピストン(P)の測温
    部に設けられて前記測温部の温度に応じ抵抗値を変化さ
    せる抵抗温度係数の大きい単一の測温抵抗素子(14)
    と、 前記気筒内に摺動可能に嵌装したピストンの低壁に前記
    コイルユニットに対向して設けられ、かつ前記測温抵抗
    素子に接続されて前記ピストンの動作に伴い移動して前
    記受信コイルの誘起電圧を前記抵抗値に応じ変化させる
    ピストンコイル(13)と、 前記受信コイルの誘起電圧変化を検出する誘起電圧変化
    検出手段(20)と、 この誘起電圧変化検出手段の検出結果に基づき前記測温
    部の温度を算出する算出手段(100)とを備え、 前記高周波電流供給手段が、前記高周波電流の周波数
    を、互いに異なる複数の温度範囲にそれぞれ対応する各
    周波数のいずれかに、前記測温部の温度に応じて切り換
    える切り換え手段(110乃至171)を有し、この切
    り換え手段による切り換え周波数にて前記高周波電流を
    前記送信コイルに供給する内燃機関のピストン測温装
    置。
  2. 【請求項2】 前記測温抵抗素子が、負の抵抗温度特性
    を有するサーミスタであり、 前記高周波電流の複数の周波数が、50KHz、150
    KHz及び500KHzであることを特徴とする請求項
    1に記載の内燃機関のピストン測温装置。
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