JP3097025B2 - 内燃機関のピストン測温方法及びその装置 - Google Patents

内燃機関のピストン測温方法及びその装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のピストン測
温方法及びその装置に係り、特に、電磁誘導法を利用し
てピストンの複数の測温部の各温度を測定するピストン
測温方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関のピストンの測温は、硬
度法または熱電対法によって行われている。硬度法に
は、測定温度差が大きく、最高履歴温度のみの推定しか
できないという問題がある。一方、熱電対法には、測定
装置の製作に多大な工数が必要であること、測定可能な
気筒が制限されること、長時間の測定が困難であるこ
と、計測中での熱電対の断線が頻繁に発生すること等の
種々の問題がある。
【0003】これに対して、電磁誘導法によりピストン
測温を行うことが考えられる。この電磁誘導法によるピ
ストン測温にあたっては、例えば、電気学会論文集(電
学論)C112巻2号により開示されている。この論文
集によれば、ピストン測温の原理は次のようなものであ
る。図7にて示すように、送信コイル1及び受信コイル
2が、その各軸にて、図示しないピストン軸に対し直交
するように、同軸的にかつ相互に間隔をおいて配置され
る。そして、共振コイル3が、送信コイル1と受信コイ
ル2との間の中間位置にてこれらと同軸的に配置される
ように上記ピストンの底壁に装着される。また、サーミ
スタからなる抵抗測温素子4が、共振コイル3と共に直
列閉回路を形成するように、共振コイル3に接続され
る。
【0004】このような構成のもとに、高周波発振器5
から送信コイル1に高周波電流を流すと、受信コイル2
に誘導電流が生ずる。そして、ピストンの下動により共
振コイル3が送信コイル1と受信コイル2との間の中間
位置に達すると、この共振コイル3と受信コイル2との
間に電磁誘導作用が生じる。このような状態で、抵抗測
温素子4の抵抗値が、温度によって変動すると、共振コ
イル3の誘導電流が変化し、その結果、受信コイル2の
誘導電流も変化する。そこで、このような現象を利用し
て、受信コイルの出力電圧の波高値を、オシロスコープ
6により測定することで、測温素子4を設けた部位(ピ
ストンの部位)の温度を測定する。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】ところで、ピストン
の温度測定のためのコイルユニット(上記送信コイル及
び受信コイルからなる)の取付け位置は、例えば、クラ
ンクシャフトのカウンタウェイトを削って形成した15
(W)×30(D)×25(H)の2ヶ所である。この
ように内燃機関内へのコイルユニットの取付けスペース
が制限されるために、内燃機関の1気筒あたりのピスト
ンの測温部の数が多くなる程、各コイルユニットの間隔
が狭くなる。
【0006】例えば、1気筒あたり6箇所の測温を行う
ようにすると、隣接する両コイルユニットの間隔は8m
mしかない。このため、全コイルユニットに対し、同時
に、高周波発振器から高周波電流を送信コイルに印加し
て測温を行うと、共振コイル3に生じる誘導電流が、隣
接するコイルユニットの受信コイル1の誘導電流をも変
化させ、出力電圧に誤差が生じ、正確な温度測定ができ
ないという不具合を生ずる。
【0007】そこで、本発明は、このようなことに対処
するため、電磁誘導法による測温にあたり、各コイルユ
ニットの配置やその駆動に工夫を凝らすことにより、気
筒内のピストンのできるだけ多くの測温部の温度を精度
よく測定するようにした内燃機関のピストン測温方法及
びその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1及び2に記載の発明によれば、ピストンの
軸に平行な軸を有する送信コイル及びこの送信コイルと
同軸的な受信コイルの双方をそれぞれ備える複数のコイ
ルユニットが、気筒内底部に沿い間隔をおいて支持され
ており、各ピストンコイルが、各コイルユニットにそれ
ぞれ同軸的に対向するようにピストンの底壁に配設され
てこのピストンの動作時に前記各受信コイルをその軸方
向に通るようになっている。また、各抵抗測温素子が、
ピストンの各測温部にそれぞれ配設され、かつ、各ピス
トンコイルにそれぞれ接続されて各測温部の温度を抵抗
変化により測温する。
【0009】しかして、ピストン位置検出手段が、各ピ
ストンコイルが各受信コイルをその軸方向に通る毎にピ
ストンの位置を検出し位置検出信号を発生すると、これ
ら位置検出信号に基づき、電圧誘起手段が、各送信コイ
ルに順次電磁誘導作用を発揮させて当該各送信コイルと
同軸的な各受信コイルに順次電圧を誘起させる。そし
て、誘起電圧変化検出手段が、この電圧を誘起する受信
コイル毎に、この受信コイルをピストンコイルが通ると
きこれら両コイル間の電磁誘導作用により生ずる誘起電
圧の測温値に応じた変化を順次検出する。
【0010】このように、ピストン位置検出手段の各位
置検出信号に基づき、各送信コイルに電磁誘導作用を発
揮させるタイミングを重複しないように切り替えること
で、各コイルユニットの間の間隔が狭くても、他のコイ
ルユニットの磁界の影響を受けず、ピストンの各測温部
の温度測定を精度よく行える。また、請求項3に記載の
発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果を達成
できる内燃機関のピストン測温方法が提供され得る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
1乃至図6に基づいて説明する。図1及び図2は、本発
明に係るピストン測温装置が4気筒式内燃機関Eに適用
された例を示している。このピストン測温装置は、図1
にて例示するように、内燃機関Eの第1気筒C内に配設
した6個のコイルユニットU(図1では、紙面の手前側
に位置する3個のコイルユニットのみを示す)を備えて
いる。なお、残りの3個のコイルユニットUは、図1の
各コイルユニットUの紙面を基準としてその各奥側に位
置している。
【0012】各コイルユニットUは、第1気筒C内を摺
動する第1ピストンPに連結するピストンクランクシャ
フトのカウンタウェイトを削り形成したスペースにて、
内燃機関Eのシリンダブロックに、図1にて示すごと
く、支持部材Uaを介し立設されている。これら各コイ
ルユニットUは、共に、同一の構成を有するので、これ
らコイルユニットUの一個の構成について説明する。
【0013】コイルユニットUは、棒状フェライトコア
15を有しており、このフェライトコア15は、上述の
ごとく、支持部材Uaを介しシリンダブロックに立設さ
れている。また、コイルユニットUは、送信コイル11
及び受信コイル12を有しており、これら送信コイル1
1及び受信コイル12は、フェライトコア15に巻装支
持されている。ここで、送信コイル11及び受信コイル
12は、フェライトコア15の軸方向上下に間隔をおい
て位置している。
【0014】6つのコイルユニットUの各送信コイルに
は、後述する高周波発振器16からの高周波電流が流さ
れる。これにより、送信コイル11の各々が、フェライ
トコア15を通過する磁界を形成し、対応する受信コイ
ル12に電磁誘導作用のもとに誘導電流を発生させる。
また、ピストン測温装置は、図1及び図2にて示すよう
に、第1気筒C内のピストンPの底壁に配設した6個の
ピストンコイル13と、ピストンPの各測温部にそれぞ
れ設けた6個の抵抗測温素子14(サーミスタからな
る)とを備えている。
【0015】6個のピストンコイル13は、紙面の手前
及び向こう側にて、それぞれ、3個ずつ、間隔をおい
て、各コイルユニットUに対向する位置にてピストンP
の底壁に設けられている。但し、各ピストンコイル13
は、各対応コイルユニットU、即ち各対応の送信コイル
11及び受信コイル12と同軸的に位置している。ま
た、各ピストンコイル13は、ピストンPの下方へのス
トロークにより、各対応コイルユニットUに外方から嵌
まり、下死点に達したとき送信コイル11と受信コイル
12の軸方向中間位置(図3参照)に達するように位置
している。なお、ピストンコイル13の内径は、コイル
ユニットU、即ち、送信コイル11及び受信コイル12
の外径より大きい。
【0016】各抵抗測温素子14は、図1(a)にて例
示するごとく、第1ピストンPの各測温部にそれぞれ埋
め込まれており、これら各抵抗測温素子14は、各対応
のピストンコイル13とそれぞれ直列閉回路を形成して
いる。しかして、各抵抗測温素子14の抵抗値が温度に
より変化すると、各ピストンコイル13の誘導電流が変
化する。それに伴って、各ピストンコイル13が通るる
各受信コイル12の交流電圧波形の波高値が両コイル間
の電磁誘導作用により変化する。このため、対応の各受
信コイル12にオシロスコープ6を接続して、その出力
値を監視することにより、各抵抗測温素子14の温度、
即ち上記各測温部の温度を演算することが可能になる。
【0017】本ピストン測温装置は、第1ピストンPの
下死点近傍で測温する構成で、図2に示すように、第1
ピストンPの位置を検出する手段としてクランク角セン
サSを用いている。このクランク角センサSは、内燃機
関Eの回転軸に軸支したスリット円板S1と、電磁ピッ
クアップS2とにより構成されている。しかして、電磁
ピックアップS2は、スリット円板S1の1°のクラン
ク角CAの回転毎にクランク角信号ωcを発生し、スリ
ット円板S1の一回転毎の第1ピストンPの下死点への
到達時にRS信号を発生する(図3参照)。
【0018】上記高周波発振器16は、マイクロコンピ
ュータ19により制御を受けて、各送信コイル11に時
を異にして順次高周波電流を流す。この場合、各送信コ
イル11への高周波電流を流す時期は、第1ピストンP
の下死点への各到達以後に亘時間帯に相当する。直流電
圧発生回路16aは、マイクロコンピュータ19による
制御を受けて、高周波電流を流してない各送信コイル1
1に同時に直流電圧(−1.5V)を印加する。
【0019】包絡線検波回路17は、各受信コイル12
からの出力電圧の波形の包絡線を順次検波して検波電圧
を出力する(図3参照)。A−D変換器18は、包絡線
検波回路17からの各検波電圧をディジタル変換してマ
イクロコンピュータ19に入力する。マイクロコンピュ
ータ19は、回転角センサSから生ずる各RS信号に応
答して、その各発生前後に亘る所定クランク角(図3参
照)の間ごとに、高周波発振器16から各送信コイル1
1に高周波電流を順次流すように制御する。また、この
マイクロコンピュータ19は、各RS信号の発生後所定
クランク角(上記各検波電圧が800kHzの周波数の
とき示す最小電圧に対応する所定クランク角)にて、上
記各検波電圧の最小電圧でもって、第1ピストンPの各
測温部の温度を算出する。なお、図2にて符号20は、
マイクロコンピュータ19による算出温度を表示する温
度表示器を示す。
【0020】以上説明したように、本装置では、各コイ
ルユニットUの取り付けスペースであるカウンタウェイ
トを削った15(W)×30(D)×25(H)の2箇
所のスペースに、3つずつコイルユニットUを取り付け
て、第1気筒ピストンPの6か所の測温部を温度測定す
る構成とした。このため、図4(a)に示すように,隣
接する両コイルユニットUの間隔は8mmと狭い。
【0021】そこで、図4(a)、(b)にて示す構成
で、両コイルユニットUの各送信コイルに共に高周波電
流を流して測温した場合の出力と、両コイルユニットU
の一方の送信コイルに直流電圧(−1.5V)を印加
し、他方の送信コイルに高周波電流を流して測温した場
合の出力電圧とを比較してみたところ、図5にて示すよ
うな結果が得られた。これによれば、両出力電圧間に差
が生じていることが分かる。
【0022】これは、ピストンコイルに生じる誘導電流
が、隣接受信コイルの誘導電流を変化させ、出力電圧に
誤差を生じさせるためである。従って、正確な温度測定
を行うためには、上述したように、各コイルユニットU
のうち同時に駆動するのは常に1個のコイルユニットU
のみとし、残りのコイルユニットUは磁界を発生しない
ようにする必要がある。
【0023】そこで、本実施の形態では、上述のごと
く、内燃機関の回転中において駆動するコイルユニット
Uを切り替える手段として、クランク角センサのRS信
号を利用する。即ち、図6に示すようにRS信号の発生
タイミングで、高周波駆動するコイルユニットUに流す
高周波電流が重複しないように切り替えることで、他の
コイルユニットUの磁界の影響を受けず、高精度な温度
測定が可能になる。
【0024】換言すれば、上述のように、各コイルユニ
ットUの送信コイルに高周波電流を流すタイミングを、
各RS信号でもって切り換えるとともに、高周波電流を
流さない残りの送信コイルには上記直流電圧を印加する
ことにより、隣接し合う両受信コイル12の間の相互の
電磁誘導干渉作用を防止することができる。これによ
り、各コイルユニットUの間の間隔が上述のごとく狭く
ても、第1ピストンPの6箇所の測温部の温度測定が精
度よく行われ得る。
【0025】なお、上記実施の形態では、内燃機関Eの
第1気筒のピストンPの温度を測定する例について説明
したが、これに限ることなく、第2乃至第4の気筒をも
含めて全ピストンPの温度測定を行うようにしてもよ
く、また、第1乃至第4の気筒のピストンPの少なくと
も一以上のピストンPの温度測定をするようにしてもよ
い。
【0026】この場合、第1及び第4のピストンPは共
に同一タイミングにて下死点に達し、第2及び第3のピ
ストンPの下死点に達するタイミングは、第1及び第4
のピストンPの下死点に達するタイミングと180°異
なるので、高周波発振器の発振タイミングを、第1及び
第4の気筒の各コイルユニットUに対する発振タイミン
グからこれらに対応する第2及び第3の気筒の各コイル
ユニットUへの発振タイミングを180°ずらして行う
ようにすればよい。
【0027】また、本発明の実施にあたっては、各コイ
ルユニットUのフェライトコアは廃止して実施してもよ
い。また、本発明の実施にあたっては、各コイルユニッ
トUの送信コイルと受信コイルの上下の位置関係は、逆
にしてもよい。また、上記実施の形態では、高周波電流
を流さない受信コイルには直流電圧を印加するようにし
たが、これに代えて、当該直流電圧の印加をも廃止して
実施してもよい。
【0028】また、本発明の実施にあたり、ピストンの
測温部の数は、適宜変更して実施してもよい。また、本
発明の実施にあたり、ピストンの測温タイミングは、ピ
ストンの下死点近傍に限ることなく、下死点近傍以外の
ピストンの位置に設定してもよい。また、本発明の実施
にあたり、4気筒式内燃機関に限らず、単気筒式等の各
種内燃機関のピストン測温に本発明を適用して実施して
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明に係る内燃機関のピストン測
温装置の一実施の形態の機械的構成部を示す断面図であ
り、(b)は、同構成部の拡大断面図である。
【図2】上記実施の形態におけるピストン測温装置の電
気回路構成を示すブロック図である。
【図3】図1の各コイルユニットに対する各ピストンコ
イルの相対的位置を考慮した包絡線検波回路17の検波
出力及び図2のクランク角センサSの出力の各波形を示
すタイミングチャートである。
【図4】(a)は、隣接する両コイルユニットUを同時
に高周波駆動する場合の構成図を示し、(b)は、隣接
する両コイルユニットUの一方を高周波駆動し、他方を
直流駆動する場合の構成図を示す。
【図5】図4の同時高周波駆動の場合と一方のみ高周波
駆動する場合の温度と出力電圧の関係を示すグラフであ
る。
【図6】クランク角センサによる駆動ユニット切り替え
タイミングを示す図である。
【図7】従来の電磁誘導法による測温方法の原理を示す
図である。
【符号の説明】
11・・・送信コイル、12・・・受信コイル、13・
・・ピストンコイル、14・・・抵抗測温素子、15・
・・フェライトコア、16・・・高周波発振器、17・
・・包絡線検波回路、19・・・マイクロコンピュー
タ、C・・・気筒、P・・・ピストン、U・・・コイル
ユニット、S・・・回転角センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増田 義彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 志村 節 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−278205(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01K 7/22 G01K 1/14 G01K 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関(E)の気筒(C)内に嵌装し
    たピストン(P)の軸に平行な軸を有する送信コイル
    (11)及びこの送信コイルと同軸的な受信コイル(1
    2)の双方をそれぞれ備え、前記気筒内底部(Ua)に
    沿い間隔をおいて支持される複数のコイルユニット
    (U)と、 これら複数のコイルユニットにそれぞれ同軸的に対向す
    るように前記ピストンの底壁に配設されてこのピストン
    の動作時に前記各受信コイルをその軸方向に通る各ピス
    トンコイル(13)と、 前記ピストンの各測温部にそれぞれ配設され、かつ、前
    記各ピストンコイルにそれぞれ接続されて前記各測温部
    の温度を抵抗変化により測温する各抵抗測温素子(1
    4)と、 前記各ピストンコイルが前記各受信コイルをその軸方向
    に通る毎に前記ピストンの位置を検出し位置検出信号を
    発生するピストン位置検出手段(S)と、 このピストン位置検出手段から順次発生する位置検出信
    号に基づき前記各送信コイルに順次電磁誘導作用を発揮
    させて当該各送信コイルと同軸的な各受信コイルに順次
    電圧を誘起させる電圧誘起手段(16)と、 前記電圧を誘起する受信コイル毎に、この受信コイルを
    これと同軸的なピストンコイルが通るときこれら両コイ
    ル間の電磁誘導作用により生ずる前記誘起電圧の前記測
    温値に応じた変化を順次検出する誘起電圧変化検出手段
    (17)と、 この誘起電圧変化検出手段の各検出結果に基づき前記各
    測温部の温度を算出する算出手段(19)とを具備して
    なる内燃機関のピストン測温装置。
  2. 【請求項2】 前記ピストン位置検出手段が、前記ピス
    トンの下死点近傍に対応する前記内燃機関の回転角を検
    出し前記位置検出信号として発生する回転角センサ
    (S)であり、 前記複数のコイルユニットが、それぞれ、前記各ピスト
    ンコイルと同軸的に前記気筒内底部に立設した棒状フェ
    ライトコア(15)を有しており、これらフェライトコ
    アには、前記各コイルユニットの受信コイルがこれと同
    軸的な送信コイルの上方にてこの送信コイルと共に巻装
    支持されており、 前記ピストンがその動作時に下死点近傍に達するとき、
    前記各ピストンコイルがこれらと同軸的な各受信コイル
    を通り過ぎることを特徴とする請求項1に記載の内燃機
    関のピストン測温装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関(E)の気筒(C)内に嵌装し
    たピストン(P)の軸に平行な軸を有し互いに同軸的な
    送信コイル(11)及び受信コイル(12)を複数対前
    記気筒内底部(Ua)に設け、 これら各対の送信コイル及び受信コイルにそれぞれ同軸
    的に対向するように各ピストンコイルを前記ピストンの
    底壁に設けて、 前記ピストンの各測温部の温度を各測温抵抗素子(1
    4)の抵抗値の変化により測温し、 前記各ピストンコイルが前記各受信コイルをその軸方向
    に通る毎に前記ピストンの位置を検出し、 これら各位置検出に応答して前記各送信コイルに順次電
    磁誘導作用を発揮させて当該各送信コイルと同軸的な各
    受信コイルに順次電圧を誘起させ、 前記電圧を誘起する受信コイル毎に、この受信コイルを
    これと同軸的なピストンコイルが通るときこれら両コイ
    ル間の電磁誘導作用により生ずる前記誘起電圧の前記測
    温値に応じた変化を順次検出し、 これら各検出結果に基づき前記各測温部の温度を算出す
    るようにした内燃機関のピストン測温方法。
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