JPH09291891A - スクリュー圧縮機 - Google Patents

スクリュー圧縮機

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JPH09291891A
JPH09291891A JP10684496A JP10684496A JPH09291891A JP H09291891 A JPH09291891 A JP H09291891A JP 10684496 A JP10684496 A JP 10684496A JP 10684496 A JP10684496 A JP 10684496A JP H09291891 A JPH09291891 A JP H09291891A
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JP
Japan
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pressure
pressure regulating
discharge
chamber
working chamber
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Application number
JP10684496A
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English (en)
Inventor
Hirochika Kametani
裕敬 亀谷
Riichi Uchida
利一 内田
Masakazu Aoki
優和 青木
Masayuki Urashin
昌幸 浦新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スクリュー圧縮機は吐出量の変動により吐出脈
動が不可避であった。さらに過圧縮や不足圧縮時には吐
出口開時に作動室と吐出流路の間で圧力差による急激な
噴出あるいは逆流が発生し、吐出脈動に加えトルク変動
も増大し振動騒音の原因となった。 【解決手段】ケーシングに調圧口11とそれに連通する
調圧室12を備え、調圧口11は作動室15が吐出口7
に開口する以前に連通し、吐出口7に開口した後までそ
の連通が持続する位置と形状をとる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクリュー圧縮機に
関する。
【0002】
【従来の技術】スクリュー圧縮機は回転型圧縮機の一種
であり、往復運動する部分がないため同容量のレシプロ
式圧縮機に比較して振動や騒音が小さく、高速回転が可
能である。これらの理由などによりスクリュー式圧縮機
は汎用空気圧縮機や空調冷凍用冷媒圧縮機として普及し
ている。しかし、社会状況が変化し使用者はさらなる静
音化の要求を強めている。
【0003】スクリュー圧縮機の圧縮原理を簡単に説明
する。スクリューロータの歯溝は他方のスクリュー歯と
スクリューロータを取り囲むボア内面により囲まれて、
作動室と呼ぶほぼ閉じた空間を形成する。ここで完全に
閉じた空間とならない理由はスクリューロータを円滑に
回転するためにスクリューロータ外周とボア内周面,ス
クリューロータ端面とボア端面、ならびにスクリューロ
ータ相互間に微小なすきまが設けられているからであ
る。スクリューロータを回転すると作動室は吸入側端部
で生成され、軸方向に移動しながら内容積を拡大し、そ
の後、内容積は縮小に転じ吐出側端部で作動室は消失す
る。作動室は内容積拡大中にボアに開けられた吸入口と
連通し、そこから被圧縮気体を吸入する。作動室容積が
ほぼ最大の時に、作動室は吸入口の輪郭から回転により
ずれ、吸入口に対して閉口する。その後の作動室容積の
縮小により内部に閉じ込められた被圧縮気体は圧縮さ
れ、次第に内圧が上昇する。吐出口のある位置まで作動
室が移動すると吐出口に開口し、圧縮された気体はそこ
から吐き出される。
【0004】スクリュー圧縮機はその特性の一つとし
て、被圧縮気体の吐出流路に圧力脈動を発生させてしま
う。この圧力脈動は吐出脈動と呼ばれ、レシプロ式圧縮
機に比較すれば小さいものの、騒音源となるため低減す
ることが望ましい。
【0005】吐出脈動は吐出する被圧縮気体の流量が一
定でないために発生し、その原因を図5を用いて説明す
る。スクリュー圧縮機の一つの作動室から吐き出される
被圧縮気体の理論流量は図5の上のグラフ中の破線で示
すように、吐出開始時に多く、スクリューロータの回転
に伴って次第に減少し、通常の設計では噛み合い周期よ
りもやや長い時間を要し吐出が完了する。吐出動作は噛
み合い周期ごとに順次各作動室から行われるので、吐出
量は合計されて実線で示す鋸歯状変化となる。吐出量の
変化は吐出口下流に圧力変化をもたらす。その変化量は
被圧縮気体の慣性力や流路の抵抗や下流に設ける圧縮気
体容器の容積などに依存するが、吐出流量グラフの角を
丸めた、およそ図5の下のグラフに示す変化となる。こ
のように発生した吐出脈動は次に述べる過圧縮や不足圧
縮による吐出脈動に比較すれば一般的に小さいが、騒音
源として無視できる大きさではない。希には噛み合い周
波数あるいはその高次成分が配管の固有振動数と一致し
気柱共鳴を起こし大騒音を発生することもある。
【0006】なお、噛み合い周期とは、ある作動室がス
クリューロータの回転に伴い形状を変えて、一つ前の作
動室があった形状になるまでに要する時間である。同様
に、噛み合い周波数とは噛み合い周期の逆数で、スクリ
ューロータの回転周波数にそのスクリューロータの歯数
を乗じた数値である。雄ロータと雌ロータが噛み合って
回転することから、噛み合い周期や噛み合い周波数はい
ずれのスクリューロータについても同じ値となる。
【0007】次に、吐出開始前後の作動室と吐出流路の
関係を考える。理想的には作動室内圧が上昇し、吐出圧
力と等しくなると同時に作動室が吐出口に開口し、圧縮
動作から吐出動作に移行する。しかし、通常の吐出口は
幾何的に固定されているため圧縮比が一定であり、吸入
圧や吐出圧の条件によっては、吐出口の開口時の作動室
内圧が吐出圧と一致しない場合が多い。圧力に差のある
二つの空間が瞬時のうちに連通するために次に述べる不
具合が発生する。なお、ここで吐出圧とは吐出口よりも
下流の吐出流路内の圧力を意味する。
【0008】開口時の作動室内圧が吐出圧よりも高い場
合を過圧縮と呼び、開口と同時に被圧縮気体が吐出流路
に吹き出す。逆に、開口直前の作動室内圧が吐出圧より
も低い場合を不足圧縮と呼び、開口と同時に吐出流路か
ら作動室へ被圧縮気体が逆流し、吐出動作が進むにつれ
再び押し出される。これらの様子を図6に、また作動室
内圧の変化を図7に示す。いずれの場合でもエネルギの
無駄がある上に振動騒音の発生原因となる。その理由
は、開口により発生する急激な吹き出しあるいは逆流に
より吐出流路内に圧力波が発生することと、スクリュー
ロータにかかるガストルクが短時間のうちに変化するた
めトルク変動を発生させることによる。吐出流路内を伝
播する圧力波は吐出圧脈動として配管系を振動させ騒音
となる。トルク変動は軸系の回転変動を起こし騒音源と
なる他に、反力をケーシングが受け、主に振動のまま固
体伝播し構造部材や外装部材の振動を経て騒音になり発
散する。
【0009】吐出圧脈動の低減を目的として、特開平4
−175488 号公報に吐出口(公知例文中では「吐出ポー
ト」と表現)直後に膨張空間と出口を直角方向に小さく
開ける方法が示されている。また、トルク変動を低減す
る方法としては特開平6− 200886号公報に逆相のト
ルク変動を付加することによりトルク変動を相殺する方
法を示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術で、前者
は吐出圧脈動低減に若干の効果はあるものの、大きな効
果を期待するには膨張空間を大きくとり出口を絞らねば
ならず、大型化流路損失増大が避けがたく、騒音低減と
エネルギ効率向上が相反し両立が難しい。後者は新たな
機構を付加する必要から機構の複雑化と製造価格の上昇
が避けられない。また、吐出脈動とトルク変動の原因の
一つは上記のように共通しているにかかわらず、両者を
同時に原因から取り除く方策は提案されていない。吐出
口の大きさを変えることにより、開口タイミングを調整
する方法も知られているが、機構が複雑となるため実用
化している例は限られる。
【0011】本発明は吐出流量の変動を緩和することに
より、突出脈動を低減し振動と騒音の少ないスクリュー
圧縮機を実現させることを目的とする。また、吐出口に
開口する直前の作動室内圧を調整し、過圧縮や不足圧縮
になる圧力条件であっても、開口直前の作動室内圧と吐
出圧力の差を縮小し、吐出圧脈動ならびにスクリューロ
ータに作用するトルク変動を十分に低減することによ
り、振動と騒音の少ないスクリュー圧縮機を実現させる
ことも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
めに本発明は以下の手段を用いる。すなわち、ボア内周
面とボア端面の少なくとも一方の面に調圧口を開ける。
調圧口の位置は吐出口に近く、吐出口よりも軸方向に吸
入側、あるいは回転方向にスクリューロータの回転方向
と反対側とする。調圧口の輪郭は圧縮過程にある作動室
が吐出口に開口するよりも前に連通し、その作動室が吐
出口に開口した後まで連通が維持される形状にする。さ
らに調圧口の輪郭は吐出口に連通する以前の作動室が複
数同時に連通することのない形状である必要もある。な
ぜなら、調圧口を経由して高圧側の作動室から低圧側へ
圧縮した被圧縮気体が漏洩してしまうためである。調圧
口はまた、雌雄ロータのいずれかの側、あるいは両側に
設けることができる。調圧口からはケーシングに形成さ
れた空間である調圧室を備える。この調圧室は前記した
調圧口以外に連通路がなく閉じた空間にする。あるいは
前記調圧口以外の連通路を持つにせよ、調圧口に比較し
て十分に流路抵抗が大きい連通路でのみ他の部位に連通
を許す。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図4を用いて、
本発明の第1の実施例であるスクリュー式空気圧縮機の
構成と動作を説明する。図1は本実施の形態におけるス
クリュー圧縮機の吐出側ボア端面の正面図である。図2
は圧縮機全体の模式的側面の断面図、図3は図1の一点
鎖線0で示す円周に沿った位置の断面を展開し模式化し
た図であり、時間経過にしたがって、[a]→[b]→
[c]→[d]→[a]と繰り返す。図4は動作を説明
するための時間経過による作動室内圧と調圧室内圧の変
化を示すグラフである。
【0014】本実施の形態で、被圧縮気体として空気を
例としたが、冷媒や他の気体であっても作用や効果に変
わりはない。また、被圧縮気体に油を混入して圧縮する
機種であっても、油を介在しない機種であっても作用や
効果は変わらない。
【0015】雄ロータ1と雌ロータ2は噛み合って、主
ケーシング3内部に形成された一部を共有する各々の円
筒状ボア空間に収納される。なお、雄ロータ1と雌ロー
タ2を総称してスクリューロータと呼ぶ。仮に雄ロータ
1の歯数を5枚,雌ロータ2の歯数を6枚とするが、歯
数は本発明の趣旨に係らない。両ロータの吐出側端は吐
出側ケーシング4で塞がれ、吐出側ケーシング4は軸受
5によって両ロータ1,2を回転自在に支持する。吐出
側ケーシング4にはまた、両ロータ1,2のスクリュー
歯端面と対向した位置に吐出口7が開けられ、そこから
外部へ吐出流路8が伸ばされる。
【0016】調圧口11は吐出側ケーシング4のボア端
面上に形成され、吐出口7よりも雄ロータ1の回転方向
13に対して少しだけ逆回転した位置に設ける。調圧口
11の輪郭は雄ロータ1の歯溝15と同じ雄ロータ1の
隣の歯溝16の両方に同時に面することのない形状であ
り、なおかつ、一つの歯溝、例えば歯溝15が調圧口1
1と吐出口7の両方に同時に面することができる形状と
する。
【0017】調圧口11から続く調圧室12は調圧口1
1以外に連通路のない閉じた空間を吐出側ケーシング4
内部に形成する。図1の断面図では調圧口11と調圧室
12は奥行き方向にずれているため見えないため図3に
それらの連通関係を図示する。調圧室12の容積は吐出
口7に開口する時の作動室容積と同等以上とする。容積
大であるほど調圧能力も高くなるが、容積を無限に拡大
しても調圧能力の増加率は次第に頭打ちとなり、またケ
ーシング4内部に形成する都合から実用的な容積に限度
がある。
【0018】本実施の形態における、調圧口11と調圧
室12の動作を図3と図4を用いて説明する。図3で、
ケーシング4とそれに形成された吐出口7,吐出流路
8,調圧口11ならびに調圧室12は動かない。時間経
過にしたがい、雄ロータの歯21は図中左方向へ、雌ロ
ータの歯22は雄ロータの歯21相互間の溝を右下方向
に移動する。作動室23は両ロータの歯21,22とボ
ア端面24に囲まれた部屋であり、スクリューロータの
回転により容積を縮小しつつある。ロータの歯の間のす
きま25やスクリューロータ端面とボア端面の間のすき
ま26は実際は非常に小さく、そこを通る被圧縮気体の
漏れは本発明に関与する流れに比較して十分に少ない。
【0019】図4で、被圧縮気体を吸い込みながら最大
容積となった作動室は吸入口を閉じられ(A点)、それ
から容積を縮小するので、内圧が次第に上昇し図3
(a)に示す状態となる。図4のB点で作動室23の端
部はスクリューロータの回転により、調圧口11の位置
に達し、調圧室12と連通する。定常運転状態では、こ
の時、調圧室12内圧はほぼ吐出圧にあり(C点)、作
動室23内圧よりも高いため、図3(b)に示すように
若干の被圧縮気体が調圧室12から作動室23に流れ込
む。両室の圧力がほぼ等しくなると、調圧室12から作
動室23への流れは止まる(D点)。作動室23容積の
縮小は続くので連通している作動室23と調圧室12の
内圧は一緒に上昇を続け、作動室23から調整室12へ
図3(c)に示す少量の被圧縮気体の流入がある。図4
では見やすいように2室の内圧をずらして図示している
が、実際はほぼ一致し線が重なる。この時の作動室23
内圧の上昇速度は調圧室12のない従来機の場合(G)
に比較して緩やかである。その理由は作動室23単独に
よる容積縮小に比較して、作動室23に調圧室12を加
えた容積に対する容積縮小が縮小比率が小さいためであ
る。
【0020】引き続きスクリューロータの回転により、
図4のE点で作動室23の端部は調圧口11の位置に達
し、吐出流路8と連通する。図3(d)に示すように作
動室23から被圧縮気体が吐出口7を経て吐出流路8に
押し出される。この間、調圧室12は作動室23を経由
して吐出流路8と連通するため、内圧がほぼ吐出圧に維
持される。調圧口11が雄ロータの歯21の端面によっ
て塞がれるF点でも調圧室12内圧は吐出圧を保持した
ままで、次の作動室への開口に備える。
【0021】吐出口7開口時で、作動室23は調圧室1
2に連通したままであるので、吐出脈動による圧力上昇
がある場合には調圧室12が被圧縮気体を受入れ圧力上
昇を緩和する。逆に圧力低下がある場合には調圧室12
が被圧縮気体を放出し圧力低下を緩和する。これらの働
きにより吐出脈動は低減され、配管系の振動騒音も小さ
くなる。
【0022】調圧室12内部では圧力の上昇下降が噛合
周波数で繰り返されるため圧力脈動すなわち騒音がたい
へん大きい。しかし、調圧室12の壁面は吐出側ケーシ
ング4の一部として剛性が高く、振動騒音の外部への漏
れは極めて少なく問題はない。本発明の作用は見方を変
えると、吐出流路8に出ていく吐出脈動の大部分を調圧
室12に移し閉じ込めたものと解釈することができる。
【0023】調圧口11と調圧室12は過圧縮ならびに
不足圧縮時にさらに効果的に作用する。過圧縮時には作
動室23が調圧室12との連通により、調圧室12は被
圧縮気体を多めに受入れて過剰圧力を緩和する。逆に不
足圧縮の時には調圧室12から作動室12に被圧縮気体
の補給がなされ、吐出口7の開口時の作動室と吐出流路
の圧力差が緩和される。以上の働きにより吐出口の開口
と同時に作動室と吐出流路の間に発生する急激な噴出や
逆流が防止され、吐出脈動が緩和される。また、同時に
スクリューロータの歯にかかるガス圧の急激な変化も緩
和されるため、トルク変動も低減される。
【0024】以上より本実施の形態によるスクリュー圧
縮機は従来機に比較し、調圧口11と調圧室12を追加
した簡単な改良により、吐出脈動を低減し、過圧縮や不
足圧縮時にも吐出脈動とトルク変動の増大を抑制するこ
とができる。これによって、圧縮機の発生する振動や騒
音を低減する効果がある。
【0025】本実施の形態で、調圧口11は雄ロータ側
のボア端面に設けたが、作動室との連通関係を同様に形
成することができれば、ボア内周面や雌ロータ側に設け
ても、あるいは増設しても良い。
【0026】以下、図8を用いて、本発明の第2の実施
の形態である油冷式スクリュー空気圧縮機の構成と動作
を説明する。図8は本実施の形態のスクリュー圧縮機の
模式的断面図である。なお、第1の実施の形態と共通す
る構造,作用,効果などについては説明を省略する。
【0027】本実施の形態における圧縮機は油冷式であ
り、吸入口を閉口した直後の作動室に油を注入され、油
と共に空気を圧縮する構造を持つ。油は潤滑,冷却,す
きまのシールとして作用するので、無給油式の圧縮機に
比較して吐出空気に微量の油が混入するもののエネルギ
効率が良い。油は圧縮した空気と共に吐出口から吐出さ
れ吐出流路下流に設けられる油分離器で分離され、冷却
した後に循環再利用される。
【0028】油冷式圧縮機に調圧口ならびに調圧室を付
加した場合に、調圧口を通る空気の出入りに伴って油も
出入りし、空気より重い油は調圧室内部に滞留し、調圧
室容積をその分だけ減少させてしまう懸念がある。そこ
で、調圧室の位置を調圧口よりも高くし、重力により自
然に滞留油が放出される構造が好ましい。しかし、その
方策で不十分な場合やレイアウトの都合から自然放出が
困難な場合もある。
【0029】そこで、本実施の形態では回収管31を備
え、調圧室12の底部と吸気口閉口後の作動室32とを
繋げる。回収管31は細く長いためその流路抵抗は、調
圧口11による作動室23と調圧室12の間の流路抵抗
に比較して十分に大きい。
【0030】調圧口11と調圧室12による吐出圧脈動
とトルク変動の低減効果は第1の実施の形態と同様であ
る。ほぼ吐出圧である調圧室12よりもほぼ吸入圧であ
る作動室32の方が内圧が低いので油は調圧室12から
作動室32に送られる。回収管31の流路抵抗が大きい
ため、油が比較的ゆっくり流れることはできるが、周波
数の高い調圧室12や作動室32の内圧の脈動の影響は
無視できるほどに小さい。
【0031】本実施例によれば、油冷式圧縮機で調圧口
と調圧室を付加し、調圧室内部への油の滞留を防止し、
振動騒音低減効果を持続することができる。
【0032】本実施の形態では回収管の末端を吸入口閉
口直後の作動室に繋げ、作動室に回収したが、吐出口下
流側や吸入側軸受など油の流れる他の部位に繋げ、そこ
へ回収しても良い。
【0033】以下、図9を用いて、本発明の第3の実施
の形態である油冷式スクリュー空気圧縮機の構成と動作
を説明する。図9は本実施の形態のスクリュー圧縮機の
模式的断面図である。なお、第1及び第2の実施の形態
と共通する構造,作用,効果などについては説明を省略
する。
【0034】作動室23が吐出口7に開口してから調圧
口11に閉口するまでの時間が短い場合などは、その間
に行われるべき調圧室12への被圧縮気体の充填が不十
分に終わる。調圧室12内圧が想定よりも低くなり、調
圧効果が縮小してしまう可能性が大きい。
【0035】調圧室12への充填不足解消のため、本実
施の形態では、調圧室12と吐出流路8を調圧管33で
繋ぐ。調圧管33は吐出側ケーシング4の内部に形成さ
れた穴であるので、新たな部品の追加は必要ない。調圧
管33の途中に絞りを加えれば流路抵抗の調節も可能と
なる。
【0036】圧縮機運転中は調圧室12の時間平均内圧
が不足すると、調圧管33を通じて被圧縮気体が吐出流
路8から流れ込み、圧力低下を補う。圧力が不足するほ
ど吐出流路8との差圧が拡大し流量が増すため、大幅な
圧力低下は起きにくくなる。逆に調圧室12内圧が過剰
になる場合は、調圧管33から吐出流路8へ被圧縮気体
が放出される。
【0037】調圧管33の段面積は調圧口11に比較し
十分に小さいので、流路抵抗ははるかに大きい。したが
って、調圧管33内部の伝播による調圧室12内の圧力
脈動の吐出流路8への漏れは極めて小さい。それでも圧
力脈動の漏れが無視できるほど小さくない時には、調圧
管33の一部に拡管形や共鳴形などの消音器構造を設け
ると、脈動の除去に効果がある。
【0038】起動時や停止時や吸入絞り制御時さらにそ
れらへの過渡状態などでは、圧力条件が通常の全負荷運
転状態と異なり、調圧管33を経由する不都合な流れが
生ずることがある。その防止策として、調圧管33の途
中に逆止弁あるいは電磁弁等の弁類34を付加すること
も可能である。
【0039】本実施の形態による調圧管33は第2の実
施の形態による回収管32と同時に調圧室12に備えて
も問題ない。
【0040】
【発明の効果】本発明により、エネルギ損失を小さく抑
え、圧縮機本体の容積を大きく拡大することなく、スク
リュー圧縮機本体の発生する噛み合い周波数の吐出圧脈
動を十分に低減することが可能である。その結果、振動
と騒音の少ないスクリュー圧縮機を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における吐出側ボア端面の説
明図。
【図2】第1の実施の形態におけるスクリュー圧縮機の
断面図。
【図3】第1の実施の形態における吐出口近くの模式的
断面図。
【図4】第1の実施の形態における作動室圧力変化のグ
ラフ。
【図5】従来機の吐出流量変化と吐出圧脈動のグラフ。
【図6】従来機の過圧縮時の吐出口開口の説明図。
【図7】従来機の作動室内圧のグラフ。
【図8】第2の実施の形態におけるスクリュー圧縮機の
断面図。
【図9】第3の実施の形態におけるスクリュー圧縮機の
断面図。
【符号の説明】
1…雄ロータ、2…雌ロータ、7…吐出口、10…図3
の分割面、11…調圧口、13…回転方向(雄ロー
タ)、14…回転方向(雌ロータ)、15…作動室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦新 昌幸 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】雌雄二つのスクリューロータを備え、それ
    らがケーシングに形成されたボア内に収納され、互いに
    噛み合いながら回転することにより被圧縮気体を吸入,
    圧縮,吐出する機能を有するスクリュー圧縮機におい
    て、 圧縮過程にある作動室が吐出口に開口するよりも前に連
    通し、前記作動室が吐出口に開口した後まで前記作動室
    との連通が維持され、さらに吐出口に開口する前の複数
    の作動室に同時に開口することのない位置と形状を有す
    る、ボア内周面とボア端面の少なくとも一方の面に開け
    られた調圧口と、前記調圧口を経て作動室と連通する部
    屋である調圧室を前記ケーシングに備え、前記調圧室は
    前記調圧口以外に連通路がなく閉じた空間であるか、あ
    るいは前記調圧口による連通路に比較して十分に流路抵
    抗が大きい連通路でのみ他の部位へ連通する空間である
    ことを特徴とするスクリュー圧縮機。
JP10684496A 1996-04-26 1996-04-26 スクリュー圧縮機 Pending JPH09291891A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10684496A JPH09291891A (ja) 1996-04-26 1996-04-26 スクリュー圧縮機

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10684496A JPH09291891A (ja) 1996-04-26 1996-04-26 スクリュー圧縮機

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