JPH09291298A - 安定化磁性流体、磁性流体安定化用添加剤および磁性流体の安定化方法 - Google Patents

安定化磁性流体、磁性流体安定化用添加剤および磁性流体の安定化方法

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JPH09291298A
JPH09291298A JP10746196A JP10746196A JPH09291298A JP H09291298 A JPH09291298 A JP H09291298A JP 10746196 A JP10746196 A JP 10746196A JP 10746196 A JP10746196 A JP 10746196A JP H09291298 A JPH09291298 A JP H09291298A
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JP
Japan
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oil
magnetic
parts
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Withdrawn
Application number
JP10746196A
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English (en)
Inventor
Kazuya Shimizu
和也 清水
Hirosuke Okura
宏祐 大蔵
Yusuke Matsumura
雄介 松村
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Taiho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定化された磁性流体、磁性流体を安定化す
る添加剤、及び磁性流体を安定化させる方法の提供。 【解決手段】 磁性流体に、スルホン酸塩系界面活性剤
および動物系ワックスよりなる群から選択される少なく
とも一種の添加剤を添加すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】この発明は、磁性流体、磁性流体
安定化用添加剤および磁性流体の安定化方法に関し、さ
らに詳しくは、優れた安定性と、高温下や高湿度下にお
いても長期間に亘って優れた流動性を維持することがで
きる磁性流体、磁性流体に優れた安定性および高温下や
高湿度下においても長期間に亘って優れた流動性を付与
することのできる磁性流体安定化用添加剤、および磁性
流体に、優れた安定性と高温下や高湿度下においても長
期間に亘って保持される優れた流動性とを付与する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、Feフェライト、Mn−Znフェ
ライト、Mg−Znフェライト、Ni−Znフェライト
等の磁性微粒子に、高級脂肪酸を吸着させて表面を被覆
し、これを油系溶媒中に分散させてなる磁性流体が知ら
れている。例えば、特公昭53−17118号公報にこ
のような磁性流体が開示されている。
【0003】しかしながら、共沈法により得られたFe
フェライト等の磁性微粒子を、不飽和脂肪酸を界面活性
剤として使用して油系溶媒に分散させてなる磁性流体に
おいては、得られた磁性流体中に微量な塩類や水分が残
存したり、または外部から微量の水分が混入すること等
により、長期間に亘って使用すると次第に磁性流体の劣
化現象といわれるゲル化が生じるという問題があった。
【0004】このような磁性流体のゲル化は、磁性流体
の反応性あるいは腐食性が高温・高湿になる程高くなる
ことから、特に高温下や高湿度下で使用する場合に重大
な問題となっていた。すなわち、磁性流体の劣化が著し
く、頻繁に磁性流体を交換しなければならず、また、磁
性流体が本来の機能を発揮しないことから生産性が低下
するといった問題等があった。
【0005】近年、磁性流体が幅広い分野で使用される
に至り、高温下や高湿度下で使用される場合も多くなっ
ている。したがって、このような環境においてもゲル化
することなく良好な安定性を示し、流動性を長期間に亘
って維持することができる磁性流体の開発が要望されて
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、かかる事
情に基づいて完成された。すなわち、この発明の目的
は、優れた安定性を有し、磁性流体としての特性を高温
下や高湿度下での使用においても十分に発揮することが
できる安定化された磁性流体を提供することにある。ま
た、この発明の目的は、高温下や高湿度下の使用におい
ても、劣化が極めて少なく、流動性を長期間に亘って維
持することができる、安定化された磁性流体を提供する
ことにある。
【0007】この発明の目的は、磁性流体に、優れた安
定性を付与することのできる磁性流体安定化添加剤を提
供することにある。この発明の目的は、磁性流体に、磁
性流体としての特性を高温下や高湿度下での使用におい
ても十分に発揮することができる長期安定性を付与する
ことのできる磁性流体安定化用添加剤を提供することに
ある。
【0008】この発明の目的は、磁性流体に優れた安定
性を付与する方法を提供することにある。この発明の目
的は、磁性流体に、高温下や高湿度下においても長期間
に亘って保持される優れた流動性を付与する方法を提供
することにある。
【0009】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ために発明者らが鋭意研究した結果、従来の油系磁性流
体に対し、スルホン酸塩系界面活性剤および動物系ワッ
クスよりなる群から選択される少なくとも一種を配合す
ることにより、高温下や高湿度下における安定性を著し
く向上させることができ、このような環境下においても
磁性流体に要求される流動性等の特性を十分に発揮する
ことができる、安定化された磁性流体が得られることを
見出し、この発明を完成した。
【0010】すなわち、前記課題を解決するための請求
項1に記載の発明は、磁性微粒子を脂肪酸で被覆し、油
系溶媒に分散してなる磁性流体と、スルホン酸塩系界面
活性剤および動物系ワックスよりなる群から選択される
少なくとも一種とを含有してなることを特徴とする安定
化磁性流体であり、請求項2に記載の発明は、スルホン
酸塩系界面活性剤および動物系ワックスよりなる群から
選択される少なくとも一種を含有してなることを特徴と
する磁性流体安定化用添加剤であり、請求項3に記載の
発明は、更に分散剤を含有してなる前記請求項2に記載
の磁性流体安定化用添加剤であり、請求項4に記載の発
明は、磁性微粒子を脂肪酸で被覆し、油系溶媒に分散し
てなる磁性流体と、スルホン酸塩系界面活性剤および動
物系ワックスよりなる群から選択される少なくとも一種
とを混合することを特徴とする磁性流体の安定化方法で
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】
<磁性流体>前記磁性粒子を脂肪酸で被覆し、油系溶媒
に分散してなる磁性流体としては、それ自体従来公知の
油系磁性流体を採用することができる。
【0012】前記磁性粒子としては、Feフェライト、
Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト等を挙げ
ることができる。
【0013】この磁性粒子は、その粒径が30〜500
Åであるのが好ましく、磁性流体中の磁性粒子の濃度
は、用途に応じて種々に変化するのであるが、通常は3
〜70重量%の範囲内にあるの好ましい。
【0014】磁性粒子に被覆を施す脂肪酸は、通常、炭
素数が10〜30、好ましくは12〜28の脂肪酸であ
り、このような脂肪酸の具体例としては、オレイン酸、
ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、リノール
酸、リノレン酸、エルカ酸、ミリスチン酸、ベヘン酸等
の高級脂肪族カルボン酸を挙げることができる。
【0015】このような脂肪酸による被覆を施す方法と
しては、従来公知の方法を採用することができ、例え
ば、前記各種の脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩等の脂肪酸塩と磁性粒子とを接触させる方
法等を採用することができる。具体的には、例えば特公
昭53−4078号公報に記載の方法を採用することが
できる。
【0016】特に好適に採用することのできる脂肪酸塩
としては、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウ
ム、オレイン酸アンモニウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、
ラウリン酸カリウム、エルカ酸ナトリウム、ミリスチン
酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ベヘン酸ナトリ
ウム等を挙げることができる。
【0017】前記磁性粒子に対する脂肪酸の吸着量は、
使用する磁性粒子の粒径等により相違するが、通常、磁
性粒子に対して5〜45重量%、好ましくは10〜40
重量%である。
【0018】脂肪酸の吸着量が上記範囲内にあると、特
にスルホン酸塩系界面活性剤および動物系ワックスから
選択される少なくとも一種の配合により特に高い安定性
の向上効果が得られる。
【0019】脂肪酸で被覆した磁性粒子を分散する油系
溶媒としては、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−オク
タン、イソオクタン、n−デカン、1−デセン、シクロ
ヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロヘキサン等の
脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシ
チレン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水
素、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ
イソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、灯油、軽
油等のパラフィン系石油溶剤、イソパラフィン系石油溶
剤、さらに低蒸気圧性の溶媒として、アルキルナフタリ
ン類、ポリ−α−オレフィン水素化物、フェニルエーテ
ル類、エステル類の溶媒等を挙げることができる。
【0020】この発明の安定化磁性流体は、このような
溶媒の一種または二種以上の混合溶媒に前記磁性粒子を
分散してなる磁性流体と、この発明に係る磁性流体安定
化用添加剤とを含有する。
【0021】磁性流体安定化用添加剤は、スルホン酸塩
系界面活性剤および動物系ワックスよりなる群から選択
される少なくとも一種、および必要に応じて配合される
分散剤を含有する。
【0022】<スルホン酸塩系界面活性剤>前記スルホ
ン酸塩系界面活性剤は、次の一般式 (RSO3n Me (但し、式中、Meはn価の原子価を有する金属原子で
あり、Rは炭素数10〜80の炭化水素基であり、好ま
しくは芳香族炭化水素基または脂肪族炭化水素基であ
る。)で表わされることができ、芳香族スルホン酸塩お
よび鎖式スルホン酸塩のいずれであっても良い。
【0023】前記一般式中、Meで示される金属原子と
しては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム
等のアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子を挙
げることができる。また、Rで示される炭素数10〜8
0の炭化水素基としては、ヘキシル基、オクチル基、ノ
ニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキ
サデシル基、オクタデシル基、イコシル基等の脂肪族炭
化水素基、アルキルアリール基(たとえばアルキルフェ
ニル基)、ベンジル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素
基等を挙げることができる。
【0024】この発明において特に好適なスルホン酸塩
系界面活性剤は、炭素数10以上のアルキルアリ−ルス
ルホン酸塩であり、好ましくは炭素数が20〜40のア
ルキルアリールスルホン酸塩である。
【0025】これらのスルホン酸塩系界面活性剤は、そ
の一種を選択して単独で使用しても良いし、二種以上を
組み合わせて併用することもできる。
【0026】<動物系ワックス>前記動物系ワックスと
しては、みつろう、ラノリン、鯨ロウ等を挙げるこがで
きる。これらの中でも、特にラノリンを好適に採用する
ことができる。
【0027】これらの動物系ワックスは、その一種を選
択して単独で使用しても良いし、二種以上を組み合わせ
て併用しても良い。
【0028】前記ラノリンとは、羊毛に付着している脂
肪質の分泌物を回収精製して得られる成分であり、コレ
ステリン、ラノステリン、アグノステリン等と、ラノセ
リン酸、ラノパルミチン酸、リグノセリン酸等とのエス
テル類や、遊離のコレステリン、セチル、セリル、カル
ナウバアルコール等からなる成分である。
【0029】この発明におけるラノリンとしては、これ
らの成分が全て含まれていることを要しない。すなわ
ち、コレステリン、ラノステリン、アグノステリン等
と、ラノセリン酸、ラノパルミチン酸、リグノセリン酸
等とのエステル類の内、少なくとも一種が含まれていれ
ば十分である。
【0030】前記スルホン酸塩系界面活性剤および動物
ワックスの前記磁性流体に対する合計の添加量は、磁性
流体100重量部に対して、通常、30重量部以下であ
り、好ましくは0.5重量部以上であり、特に好ましく
は1〜10重量部である。
【0031】この配合量が前記範囲内であると、特に高
温、高湿度に対する安定性の高い安定化磁性流体を得る
ことができる。
【0032】前記スルホン酸塩系界面活性剤を単独で使
用する場合には、磁性流体に対する添加量が、磁性流体
100重量部に対して20重量部以下であるのが好まし
く、特に1〜10重量部であるのが好ましい。一方、動
物ワックスを単独で使用する場合には、その添加量が磁
性流体に対して5重量部以下であり、特に0.5〜2重
量部であるのが好ましい。
【0033】<分散剤>磁性流体安定化用添加剤は、必
要に応じて分散剤を含有するのが好ましい。このような
分散剤としては、下記一般式
【0034】
【化1】
【0035】(但し、式中Rは、炭素数6〜24のアル
キル基または炭素数5〜10のアルキルフェニル基、n
は2または3、mは4〜20の整数を示す。)で表わさ
れるオキシアルキレン基含有リン酸エステルまたはこれ
らの混合物を好適に使用することができる。
【0036】上記リン酸エステルとしては、ポリオキシ
エチレンモノアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオ
キシエチレンジアルキルエーテルリン酸エステル、ポリ
オキシエチレントリアルキルエーテルリン酸エステル、
ポリオキシエチレンモノアルキルフェニルエーテルリン
酸エステル、ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエ
ーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレントリアルキ
ルフェニルエーテルリン酸エステルなどを挙げることが
できる。
【0037】このような分散剤を添加すると安定化磁性
流体の耐湿性をさらに向上させることができる。
【0038】この分散剤の磁性流体に対する添加量は、
磁性流体100重量部に対して、通常0.1〜10重量
部であり、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0039】磁性流体安定化用添加剤について、各成分
の添加量の範囲については前記した通りであるが、安定
化用添加剤の添加量と安定化効果との関係は、磁性流体
を構成する磁性粒子の種類と濃度、油性溶媒の種類と安
定化用添加剤との相溶性に関係がある。これら磁性粒子
の種類と濃度、油性溶媒の種類は、種として用途に応じ
て選定されるものであるが、これら添加剤が磁性流体に
対して同量が添加される場合には、相対的に磁性粒子が
低濃度になるほど、安定化効果は良好である。概してそ
の添加量は、添加剤の添加量が増加すると安定化効果が
増大する傾向が見られるが、その添加量の限界は磁性流
体100重量部に対して10〜15重量部であり、これ
以上になっても安定化には変化がなく、添加剤の成分が
析出し、固形分が分離することがある。
【0040】<磁性流体の安定化方法>この発明の安定
化方法においては、前記磁性粒子を脂肪酸で被覆し、油
系溶媒に分散してなる磁性流体と、前記スルホン酸塩系
界面活性剤および動物系ワックスより選択される少なく
とも一種ならびに必要に応じた分散剤よりなる磁性流体
安定化用添加剤とを、混合する。
【0041】前記磁性流体と前記磁性流体安定化用添加
剤とを混合する方法としては、十分に混合することがで
きる限り特に制限はなく、混合撹拌機、ホモジナイザ
ー、ボールミル、超音波を用いた方法等、従来公知の各
種混合方法を採用することができる。
【0042】このような混合は、常温もしくは加熱下に
おいて行なうことができ、この場合の好ましい温度とし
ては100℃以下である。このような温度範囲で加熱混
合処理を行なうと、粘度が低下し、撹拌混合が容易とな
り、短時間に均一化することができるので有利である。
【0043】また、ラノリン等の動物系ワックスを配合
する場合には、これらを予めベースオイルで希釈してか
ら前記磁性流体に添加しても良い。前記ベースオイルと
しては、動物系ワックスを溶解あるいは十分に分散させ
ることができる限り特に制限はなく、磁性粒子を分散さ
せる油系溶媒として先に例示した各種の溶媒を挙げるこ
とができる。
【0044】このようにして調製された安定化磁性流体
は、極めて優れた安定性を有するので、各種の用途に好
適に使用することができ、かつ高温および高湿度下にお
いても長期に亘り好適に使用することができる。
【0045】したがって、この発明の安定化磁性流体
は、例えば、圧力シール、回転軸シール、軸受け、比重
差選別、液体ダンパー、スイッチ、加速度センサー、傾
斜センサー、ヒートパイプやヒートシンクの熱交換媒体
等に好適に使用することができる。
【0046】
【実施例】以下、この発明を実施例を用いて詳細に説明
する。
【0047】(実施例1〜16)以下のようにして油系
磁性流体A〜Dを調製した。
【0048】<油系磁性流体A>濃度0.5mol/L
の硫酸第一鉄水溶液100mlと濃度0.5mol/L
の硫酸第二鉄水溶液100mlとの混合液に、濃度2m
ol/Lの水酸化ナトリウム220mlを混合し、1
1.6gのFeフェライトを得た。得られたFeフェラ
イト11.6gに、濃度5重量%のオレイン酸ナトリウ
ム水溶液70gを添加し、オレイン酸により被覆された
Feフェライト14.8gを得た。次いで、オレイン酸
被覆Feフェライトをポリ−α−オレフィン水素化物
(商品名;リポルーブ60、ライオン(株)製)中に分
散し、油系磁性流体Aを得た。
【0049】<油系磁性流体B>濃度0.5mol/L
の塩化鉄(II)水溶液120mlと濃度0.5mol/L
の塩化鉄(III) 水溶液180mlとの混合液に、28%
アンモニア水の添加によりpH8とし、11.6gのF
eフェライトを得た。得られたFeフェライト11.6
gに、濃度5重量%のオレイン酸ナトリウム水溶液56
gと濃度5重量%のパルミチン酸ナトリウム水溶液14
gとの混合液を添加し、オレイン酸とパルミチン酸とに
より被覆されたFeフェライト14.8gを得た。次い
で、オレイン酸とパルミチン酸とで被覆されたFeフェ
ライトをパラフィン(商品名;スタノール40、エッソ
石油(株)製)中に分散し、油系磁性流体Bを得た。
【0050】<油系磁性流体C>濃度0.5mol/L
の塩化マンガン(II)水溶液50mlと濃度0.5mol
/Lの塩化亜鉛水溶液50mlと濃度0.5mol/L
の塩化鉄(III) 水溶液200mlとの混合液に、濃度2
mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液300ml/Lを
混合し、11.8gのMn−Znフェライトを得た。得
られたMn−Znフェライト11.8gに、濃度5重量
%のオレイン酸ナトリウム水溶液72gを添加し、オレ
イン酸により被覆されたMn−Znフェライト15.4
gを得た。次いで、オレイン酸で被覆されたMn−Zn
フェライトをアルキルジフェニルエーテル(商品名;モ
レスコハイルーブLB68、(株)松村石油研究所製)
中に分散し、油系磁性流体Cを得た。
【0051】<油系磁性流体D>濃度0.5mol/L
の塩化マグネシウム水溶液50mlと濃度0.5mol
/Lの塩化亜鉛水溶液50mlと濃度0.5mol/L
の塩化鉄(III) 水溶液200mlとの混合液に、濃度2
mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液300ml/Lを
混合し、11.0gのMg−Znフェライトを得た。得
られたMg−Znフェライト11.0gに、濃度5重量
%のパルミチン酸ナトリウム水溶液68gを添加し、パ
ルミチン酸により被覆されたMg−Znフェライト1
4.4gを得た。次いで、パルミチン酸で被覆されたM
g−Znフェライトをパラフィン(商品名;スタノール
40、エッソ石油(株)製)とエステル(商品名;DI
DA、大八化学工業(株)製)とを9:1の割合で混合
してなる混合溶媒中に分散し、油系磁性流体Dを得た。
【0052】得られた油系磁性流体A〜Dそれぞれに、
以下に例示する成分を添加し、十分に撹拌混合した。こ
の混合は、温度60℃に加熱して行われた。なお、油系
磁性流体および添加剤の各組成を表1に示した。
【0053】このようにして得られた安定化磁性流体に
ついて、その耐熱安定性および耐湿安定性を、以下に示
す促進試験を行なうことにより評価した。その結果を表
1に示した。
【0054】<耐熱性>得られた安定化磁性流体をシャ
ーレに入れ、温度140℃に設定した送風型乾燥器内に
保持し、ゲル化に至る経過を観察した。80時間後、1
00時間後、150時間後、200時間後および250
時間後における安定化磁性流体の流動状態により評価を
行なった。
【0055】評価の基準は、80時間経過時までにゲル
化していた場合をC、100時間経過時までにゲル化し
ていた場合をB、150時間経過時までに流動性を消失
した場合をBB、200時間経過後も流動性を保持して
いた場合をAとし、250時間経過後においても流動性
を保持していた場合をAAとした。
【0056】<耐湿安定性>得られた安定化磁性流体を
シャーレに入れ、温度80℃、湿度85%の恒温恒湿槽
内に保持した。50時間後、70時間後、120時間後
および170時間後に安定化磁性流体の状態を調べるこ
とにより評価した。
【0057】評価の基準は、50時間経過までにゲル化
していた場合をZ、70時間経過時までにゲル化した場
合にはY、120時間経過時までにゲル化した場合はY
Y、170時間経過してもゲル化していない場合をX、
200時間経過しても流動性を保持している場合をXX
とした。
【0058】−安定化磁性流体の組成− <実施例1> 油系磁性流体A(磁性粒子の濃度は40重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸バリウム 3重量部 (登録商標;スルホールBa−30N、(株)松村石油研究所製) <実施例2> 油性磁性流体A(磁性粒子の濃度は15重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸バリウム 3重量部 (登録商標;スルホールBa−30N、(株)松村石油研究所製) <実施例3> 油系磁性流体B(磁性粒子の濃度は35重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸バリウム 6重量部 (登録商標;スルホールBa−30N、(株)松村石油研究所製) <実施例4> 油系磁性流体D(磁性粒子の濃度は25重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸バリウム 9重量部 (登録商標;スルホールBa−30N、(株)松村石油研究所製) <実施例5> 油系磁性流体C(磁性粒子の濃度は30重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸カルシウム 3重量部 (登録商標;ブライトンC−45、ブライトンケミカルズ(株)製) <実施例6> 油系磁性流体D(磁性粒子の濃度は25重量%) 100重量部 精製ラノリン 0.5重量部 (クローダジャパン(株)製) <実施例7> 油系磁性流体A(磁性粒子の濃度は40重量%) 100重量部 精製ラノリン 1重量部 (クローダジャパン(株)製) <実施例8> 油系磁性流体B(磁性粒子の濃度は35重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸カルシウム 3重量部 (登録商標;ブライトンC−45、ブライトンケミカルズ(株)製) 精製みつろう 0.5重量部 ((株)野田ワックス製) <実施例9> 油系磁性流体B(磁性粒子の濃度は5重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸カルシウム 3重量部 (登録商標;ブライトンC−45、ブライトンケミカルズ(株)製) 精製みつろう 0.5重量部 ((株)野田ワックス製) <実施例10> 油系磁性流体C(磁性粒子の濃度は30重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸カルシウム 3重量部 (登録商標;ブライトンC−45、ブライトンケミカルズ(株)製) ポリオキシエチレントリアルキルエーテルリン酸エステル 1重量部 (登録商標:ニッコールTDP−2、日光ケミカルズ(株)製) <実施例11> 油系磁性流体D(磁性粒子の濃度は25重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸カルシウム 3重量部 (登録商標;ブライトンC−45、ブライトンケミカルズ(株)製) ポリオキシエチレントリアルキルエーテルリン酸エステル 2重量部 (登録商標:ニッコールTDP−2、日光ケミカルズ(株)製) <実施例12> 油系磁性流体A(磁性粒子の濃度は40重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸カルシウム 2重量部 (登録商標;ブライトンC−45、ブライトンケミカルズ(株)製) 精製みつろう 0.5重量部 ((株)野田ワックス製) ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸エステル 1重量部 (登録商標:フォスファノールRM−410、東邦化学工業(株)製) <実施例13> 油系磁性流体D(磁性粒子の濃度は40重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸カルシウム 6重量部 (登録商標;ブライトンC−45、ブライトンケミカルズ(株)製) 精製みつろう 1重量部 ((株)野田ワックス製) ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸エステル 3重量部 (登録商標:フォスファノールRM−410、東邦化学工業(株)製) <実施例14> 油系磁性流体B(磁性粒子の濃度は35重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸バリウム 0.3重量部 (登録商標;スルホールBa−20N、(株)松村石油化学研究所製) <実施例15> 油系磁性流体C(磁性粒子の濃度は30重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸カルシウム 0.3重量部 (登録商標;ブライトンC−45、ブライトンケミカルズ(株)製) 精製みつろう 0.2重量部 ((株)野田ワックス製) <実施例16> 油系磁性流体D(磁性粒子の濃度は25重量%) 100重量部 アルキルアリールスルホン酸バリウム 0.5重量部 (登録商標;スルホールBa−20N、(株)松村石油化学研究所製) アルキルアリールスルホン酸カルシウム 0.5重量部 (登録商標;ブライトンC−45、ブライトンケミカルズ(株)製) 精製ラノリン 0.2重量部 (クローダジャパン(株)製) ポリオキシエチレンジアルキルフェニルエーテルリン酸エステル 0.3重量部 (登録商標:フォスファノールRM−410、東邦化学工業(株)製) (比較例1〜6)油系磁性流体A(濃度:40重量%、
15重量%)、油系磁性流体B(濃度:35重量%、5
重量%)、油系磁性流体C(濃度:30重量%)、およ
び油系磁性流体D(濃度:25重量%)それぞれにつ
き、前記実施例におけるのと同様にしてその耐熱安定性
および耐湿安定性を評価した。その結果を表1に示し
た。
【0059】
【表1】
【0060】
【表1(続き)】
【0061】
【発明の効果】この発明によると、優れた安定性を有
し、磁性流体としての特性を高温下や高湿度下での使用
においても十分に発揮することができる、安定化された
磁性流体を提供することができる。
【0062】この発明によると、高温下や高湿度下の使
用においても、劣化が極めて少なく、流動性が長期間に
亘って維持される、安定化された磁性流体を提供するこ
とにある。
【0063】この発明によると、磁性流体に、優れた安
定性を付与することのできる磁性流体安定化添加剤を提
供することができる。この発明によると、磁性流体に、
磁性流体としての特性を高温下や高湿度下での使用にお
いても十分に発揮することができる長期安定性を付与す
ることのできる磁性流体安定化用添加剤を提供すること
ができる。
【0064】この発明によると、磁性流体に優れた安定
性を付与する方法を提供することができる。この発明に
よると、磁性流体に、高温下や高湿度下においても長期
間に亘って保持される優れた流動性を付与する方法を提
供することができる。
【0065】この発明によると、優れた安定性を有し、
磁性流体としての特性を高温、高湿度の環境においても
十分に発揮することができる、安定化された磁性流体を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 159:06) C10N 10:04 10:14 10:16 30:04 40:14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性微粒子を脂肪酸で被覆し、油系溶媒
    に分散してなる磁性流体と、スルホン酸塩系界面活性剤
    および動物系ワックスよりなる群から選択される少なく
    とも一種とを含有してなることを特徴とする安定化磁性
    流体。
  2. 【請求項2】 スルホン酸塩系界面活性剤および動物系
    ワックスよりなる群から選択される少なくとも一種を含
    有してなることを特徴とする磁性流体安定化用添加剤。
  3. 【請求項3】 更に分散剤を含有してなる前記請求項2
    に記載の磁性流体安定化用添加剤。
  4. 【請求項4】 磁性微粒子を脂肪酸で被覆し、油系溶媒
    に分散してなる磁性流体と、スルホン酸塩系界面活性剤
    および動物系ワックスよりなる群から選択される少なく
    とも一種とを混合することを特徴とする磁性流体の安定
    化方法。
JP10746196A 1996-03-01 1996-04-26 安定化磁性流体、磁性流体安定化用添加剤および磁性流体の安定化方法 Withdrawn JPH09291298A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009123187A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜、合わせガラス、及び、酸化亜鉛微粒子分散液
WO2009123186A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜、合わせガラス、及び、酸化亜鉛微粒子分散液

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009123187A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜、合わせガラス、及び、酸化亜鉛微粒子分散液
WO2009123186A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜、合わせガラス、及び、酸化亜鉛微粒子分散液
JP5317966B2 (ja) * 2008-03-31 2013-10-16 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜、合わせガラス、及び、酸化亜鉛微粒子分散液
JP5317965B2 (ja) * 2008-03-31 2013-10-16 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜、合わせガラス、及び、酸化亜鉛微粒子分散液

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