JPH09290307A - スローアウェイチップ - Google Patents

スローアウェイチップ

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JPH09290307A
JPH09290307A JP8108297A JP10829796A JPH09290307A JP H09290307 A JPH09290307 A JP H09290307A JP 8108297 A JP8108297 A JP 8108297A JP 10829796 A JP10829796 A JP 10829796A JP H09290307 A JPH09290307 A JP H09290307A
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JP
Japan
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cutting
cutting edge
tip
throw
pair
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Withdrawn
Application number
JP8108297A
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English (en)
Inventor
Yuzo Koesashi
祐三 小枝指
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々の因子により生成過程が様々に変化する
切屑に一つのスローアウェイチップで対応することが可
能であり、特に穴明け工具の切刃部として用いて好適な
スローアウェイチップを提供する。 【解決手段】 平板状のチップ本体12のすくい面12
aを、それぞれ凸状に交差し、かつ互いに対向する二対
の辺稜部と、これら二対の辺稜部の両端部を結ぶ互いに
平行な一対の辺稜部とを有する六角形状とし、これら二
対の辺稜部のそれぞれに一対ずつの切刃13A,13B
を形成するとともに、すくい面12aにはこれらの切刃
13A,13Bに沿って、少なくとも一方の切刃13A
側には凹溝状のチップブレーカ15を、また他方の切刃
13B側には突起状のチップブレーカ17をそれぞれ形
成し、両切刃13A,13Bで異なるチップブレーカ形
状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特にドリル等の穴
明け工具に用いて最適なスローアウェイチップに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属や非鉄金属を切削すると切
屑が発生するのは周知のことである。第一の目的として
被削材を加工して必要な形状、寸法、精度などを効率的
に得るためには、最終的には不要物となるこの切屑を如
何に発生させ、如何にコントロールして安定的に、安全
に、そして確実に処理するかが、この目的達成の鍵を握
っている場合が多々ある。そして、切削加工技術の進歩
に伴う高速化、高能率化、無人化、連続運転、安全衛生
などの時代の要請に対しては、このような切屑の処理が
欠くべからざる重要な技術となってきており、これに応
じて様々な切屑処理機能を有する凹溝状あるいは突起状
のチップブレーカが形成されたスローアウェイチップが
種々提案されている。
【0003】図11および図12と図13および図14
は、それぞれこのようなチップブレーカが形成されたス
ローアウェイチップを示すものであって、図11および
図12に示すスローアウェイチップ1においては、略三
角形平板状のチップ本体2のすくい面2Aとされる一方
の三角形面の各辺稜部に切刃3が形成されるとともに、
上記すくい面2A上に切刃3に沿って凹溝状のチップブ
レーカ4が形成されている。また図13および図14に
示すスローアウェイチップ5においては、チップ本体6
のすくい面6Aの切刃7の内側に、突起状をなすチップ
ブレーカ8が、切刃7に沿って平面視に波打つように形
成されている。そして、上記スローアウェイチップ1に
おいては、切刃3によって生成された切屑は、凹溝状の
チップブレーカ4の底面に摺接するうちに摩擦による応
力を受けて丸め込まれて分断され、また上記スローアウ
ェイチップ5においては、切刃7により生成された切屑
が突起状をなすチップブレーカ8に乗り上げる際に応力
を受け、やはり丸め込まれて分断される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この切
屑の生成過程には様々な因子が絡んでいて、一様な解決
手段では、このような様々な因子に基づいて種々の形状
に生成される切屑に対処できない。例えば、その因子と
しては、被削材の材質、硬さ、切削工具の材質、切削工
具の形態、切削工具の切刃の形態、摩擦係数、切削条
件、切削油剤の有無と成分および圧力と容量、機械の構
造や剛性など、厳密に考えると枚挙にいとまがない。し
かるに、上述した従来のスローアウェイチップ1,5で
は、切刃3,7に対してチップブレーカ4,8が一様に
形成されているため、切刃3,7により生成される切屑
に対してチップブレーカ4,8が奏する作用も一様なも
のとなり、上記切屑生成過程に絡む複雑な因子に対して
適正に対応することが困難となる場合が生じるおそれが
ある。
【0005】また、特に当該工具が被削材に穴加工を施
す穴明け工具である場合においては、他の切削工具によ
る加工形態よりも厳しい条件が加わる。それは、一つに
は、工具本体の先端に径方向に延びるように配置される
切刃に対し、その内周側と外周側とでは回転中心からの
径の相違により切削速度が異なり、これに伴って切屑の
生成速度も変化するため、一つのスローアウェイチップ
でこのような異なる速度で生成される切屑に対処しなけ
ればならないということであり、いま一つとしては、工
具本体が挿入された加工穴の底部で切屑が生成されるた
め、かかる切屑の排出スペース(空間)が限られるとと
もに、加工穴の内部から迅速に、しかもスムーズに切屑
を排出しなければならないということである。そして、
このような穴加工では、これらの条件が十分に満足され
なければ、切屑が加工穴内で詰まりを生じて即座に加工
不能に陥り、場合によっては工具の破損などを招いてし
まうことになる。
【0006】本発明は、このような背景の下になされた
もので、その目的とするところは、種々の因子により生
成過程が様々に変化する切屑に一つのスローアウェイチ
ップで対応することが可能であり、特に穴明け工具の切
刃部として用いて好適なスローアウェイチップを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、か
かる目的を達成するために、本発明は、平板状のチップ
本体のすくい面を、それぞれ凸状に交差し、かつ互いに
対向する二対の辺稜部と、これら二対の辺稜部の両端部
を結ぶ互いに平行な一対の辺稜部とを有する六角形状と
し、上記二対の辺稜部のそれぞれに一対ずつの切刃を形
成するとともに、上記すくい面にはこれらの切刃に沿っ
てチップブレーカを形成し、このチップブレーカを、上
記一対の切刃の一方の切刃側と他方の切刃側とで異なる
形状に形成したことを特徴とする。従って、凸状に交差
する上記一対の切刃により切屑はその幅方向に分断され
て生成されるとともに、生成された切屑は互いにぶつか
り合って干渉することとなるため、その長手方向の分断
も促すことができる。そして、各切刃に沿って形成され
た上記異なる形状のチップブレーカにより、上記一対の
切刃により生成された切屑にはそれぞれ異なる切屑分断
効果が作用するため、これらのチップブレーカの形状
を、切屑生成に関わる因子に応じて適当に設定すること
により、かかる因子により様々に変化する切屑に対応し
てその効率的な処理を促すことができる。
【0008】例えば、上記穴明け工具に用いられるスロ
ーアウェイチップとして、上記すくい面上に、上記一対
の切刃のうち少なくとも上記一方の切刃に沿って凹溝状
のチップブレーカを形成するとともに、上記他方の切刃
側には突起状のチップブレーカを形成した場合、上記一
方の切刃を工具本体の外周側に、また他方の切刃を工具
本体の内周側にそれぞれ位置するようにスローアウェイ
チップを配置することにより、切削速度の速い工具外周
側で生成される切屑は、凹溝状のチップブレーカによっ
て大きなカール径に曲折させられ、切削速度の遅い工具
内周側で生成される切屑は、突起状のチップブレーカに
よって小さなカール径に曲折させられる。すなわち、切
削速度の相違という因子に応じて切屑に適正なカール径
を与えることができ、効率的な切屑処理を促すことが可
能となる。また、こうして異なるカール径に曲折させら
れることにより、切屑は、上記一方の切刃により生成さ
れる部分と他方の切刃により生成される部分とで、その
厚さ方向に引きちぎられるように生成されるため、一層
確実に切屑を分断させることができる。
【0009】ここで、上記凹溝状のチップブレーカは、
上記他方の切刃側から上記一方の切刃側に向かう方向に
漸次幅広となるように形成するのが望ましく、このよう
な構成を採ることにより、工具本体の外周側に向かうに
従って切削速度が速くなるのに伴い伸び気味に生成され
る切屑に対し、チップブレーカの底面との摺接長さを漸
次長くしてより大きな切屑分断力を与えることができ、
その長手方向の分断をさらに確実とすることができる。
その一方で、これらのチップブレーカと切屑との摺接面
積が大きくなりすぎると、切削時の抵抗の増大を招くた
め、好ましくない。そこで、切屑との摺接長さを確保し
つつ、切削抵抗の増大を抑えるには、上記凹溝状のチッ
プブレーカの底部に、上記切刃に対して交差する方向に
延びる突条部を、該切刃に沿う方向に点在するように形
成したり、上記突起状のチップブレーカを、少なくとも
その上記他方の切刃側を向く部分が、この他方の切刃に
沿う方向に点在するように形成するのが望ましい。さら
に、チップ素材の有効利用を図るには、上記チップ本体
のすくい面の上記一対の辺稜部の各辺稜を、上記二対の
辺稜部の各辺稜よりも短く形成し、該チップ本体を扁平
した六角形平板状とするのが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】図1ないし図7は、本発明の一の
実施形態を示すものである。本実施形態のスローアウェ
イチップ11は、いわゆるポジティブスローアウェイチ
ップであって、そのチップ本体12は、超硬合金等の硬
質材料から形成されて図1に示すように扁平した略六角
形の平板状をなしている。すなわち、このチップ本体1
2のすくい面12aとされる上面は、それぞれ交点Pに
おいて凸状に交差する等しい長さの二対の長辺と、これ
ら二対の長辺の端部同士を結ぶ互いに平行な等しい長さ
の一対の短辺とを備え、上記二対の長辺の交点P,P同
士を結ぶ仮想線Aに対しても、また上記一対の短辺の中
点同士を結ぶ仮想線Bに対しても対称形となるように形
成されている。言い換えれば、このすくい面12aは上
記仮想線Aの方向に潰れた六角形状、あるいは上記仮想
線Bを中心とする樽型形状をなしている。
【0011】そして、このすくい面12aの上記二対の
長辺には、それぞれ一対の切刃13A,13Bが形成さ
れている。また、このすくい面12aの各角部、すなわ
ち上記交点P,Pの部分と、各長辺と短辺との交点(切
刃13A,13Bの端部13a,13b)の部分とに
は、それぞれノーズアール刃14…が各辺に滑らかに接
するように形成されており、その半径Rは本実施形態で
は0.2mm〜2.0mmの範囲に設定されている。なお、本
実施形態では、上記一対の切刃13A,13Bのうち、
上記交点Pから切刃13の一端部(図1において交点P
から反時計回り方向側に位置する端部)13aに延びる
一方の切刃13Aと、交点Pから切刃13の他端部(図
1において交点Pから時計回り方向側に位置する端部)
13bに延びる他方の切刃13Bとが、それぞれこの交
点Pを通り上記仮想線Aに直交する仮想線Cに対してな
す角度α1,α2は、10°〜30°の範囲内に設定され
ており、かつ互いに等しく設定されている。ただし、こ
れらの角度α1,α2は、切屑生成過程の因子に応じて互
いに異なる角度としてもよい。また、上記仮想線Cに沿
った切刃13A,13Bの長さf1,f2も、本実施形態
では互いに等しく設定されているが、互いに異なる長さ
としてもよい。
【0012】一方、上記すくい面12aとは反対側の着
座面12bとされるチップ本体12の下面は、すくい面
12aより一回り小さな相似形をなす扁平した六角形状
をなしており、またこれらすくい面12aおよび着座面
12bの間に配置されて逃げ面12c…とされるチップ
本体12の側面は、当該スローアウェイチップ11が上
述のようにポジティブスローアウェイチップであるの
で、すくい面12a側から着座面12b側に向かうに従
い図2ないし図5に示すように逃げ角βをもってチップ
内方に傾斜するように形成されている。さらに、上記仮
想線A,Bの交点部分、すなわち上記すくい面12aの
中央部からは、当該スローアウェイチップ11を切削工
具の本体に装着するためのクランプネジが挿通される取
付穴12dが、上記着座面12bの中央部に向けてチッ
プ本体11をその厚さ方向に貫通するように形成されて
いる。
【0013】しかるに、このスローアウェイチップ11
の上記すくい面12aの縁部には、上記各一対の切刃1
3A,13Bに沿うようにして、凹溝状のチップブレー
カ15が形成されている。ここで、このチップブレーカ
15は、切刃13A,13Bに直交する断面において図
3ないし図5に示すようにすくい面12aに対し円弧状
に凹曲するように形成されており、またその切刃13
A,13Bに直交する方向の幅Gは、本実施形態では
0.8〜4.0mmの範囲内とされ、かつ、それぞれ互いに
交差する一対の長辺に形成された上記一対の切刃13
A,13Bについて、図1に示すようにその他端部13
b側から交点Pを経て一端部13a側(図1において取
付穴12dを中心に反時計回り方向)に向かうに従い漸
次幅広となるように形成されている。また、この凹溝状
のチップブレーカ15と切刃13との間にはランド16
が形成されており、さらにこのチップブレーカ15の底
面15aがすくい面12aに対してなすすくい角θは、
5°〜20°の範囲内に設定されている。
【0014】さらにまた、この凹溝状のチップブレーカ
15のうち、切刃13A,13Bの交点Pからその一端
部13aに延びる上記一方の切刃13Aに沿う部分にお
いては、該チップブレーカ15の底面15aに、リブ状
に複数の突条部15b…が形成されている。これらの突
条部15b…は、チップブレーカ15の底面15aから
所定の突出高さKで一段隆起するように形成されてなる
ものであり、それぞれ平面視に上記一方の切刃13Aに
対して直交する方向に延びるように、また該一方の切刃
13Aに沿って互いに間隔を開けて点在するように配設
されている。なお、本実施形態では、これらの突条部1
5b…の底面15aからの突出高さKは、0.2〜0.6
mmの範囲内に設定されている。
【0015】一方、すくい面12aにおいて、上記一対
の切刃13A,13Bのうち、それらの交点Pから他端
部13bに延びる上記他方の切刃13Bの内側には、平
面視に上記凹溝状のチップブレーカ15を挟んで切刃1
3Bとは反対側に、複数の突起状のチップブレーカ17
…が形成されている。これらの突起状のチップブレーカ
17…は、0.02〜1.2mmの範囲内の所定の突出高さ
Hですくい面12aから隆起するように形成されたもの
であって、本実施形態では上記突条部15b…と同様
に、それぞれ平面視に上記他方の切刃13Bに対して直
交する方向に延びるように、またこの他方の切刃13B
側を向く先端部が該切刃13Bに沿って互いに間隔を開
けて点在するように配設されている。
【0016】ただし、本実施形態では、図1に示すよう
に切刃13Bに沿って最も交点P側に位置するチップブ
レーカ17は離島状に形成されているのに対し、他のチ
ップブレーカ17…はその後端部が互いに連なるように
形成されて、すくい面12aの上記短辺から延びる半島
状に形成されている。また、この互いに連なる突起状の
他のチップブレーカ17…が上記短辺に交差する部分に
は、図2に示すように傾斜角γが付されている。さら
に、これらの突起状のチップブレーカ17の先端部は、
上記他方の切刃13Bに直交する断面において、該他方
の切刃13Bに沿って延びる上記凹溝状のチップブレー
カ15の底面15aに滑らかに連なるように傾斜して形
成されている。なお、このチップブレーカ17の先端部
は、上記断面において上記底面15aがなす円弧に連な
るような円弧状となるように形成されていてもよい。
【0017】しかるに、このようなスローアウェイチッ
プ11は、例えば図6に示すようにスローアウェイ式穴
明け工具の工具本体21の先端部に形成されたチップ取
付座22に、上記すくい面12aを工具回転方向側に向
けるとともに一対の切刃13A,13Bを先端側に向
け、かつ、上記一方の切刃13Aが工具本体21の外周
側に、また上記他方の切刃13Bが工具内周側に位置す
るようにして装着され、上記取付穴12dに挿入された
クランプネジ(図示略)を工具本体21にねじ込むこと
により固定される。従って、そのように構成されたスロ
ーアウェイ式穴明け工具においては、まず上記切刃13
A,13Bが交点Pにおいて互いに凸状に交差している
ため、切屑は予めその幅方向に分断された状態で生成さ
れることとなる。しかも、一方の切刃13Aにより生成
される切屑S1は、該切刃13Aの延長線と工具本体2
1の回転軸線Oとの交点O1を中心とした円周方向に扇
状に延び、また他方の切刃13Bにより生成される切屑
2は、該切刃13Bと軸線Oとの交点O2を中心とした
扇状に延び、すなわち互いに上記仮想線Aに向けて延び
ることとなるため、これらの切屑S1,S2が互いにぶつ
かり合って干渉し、その際に受ける応力によって長手方
向にも分断が図られる。
【0018】そして、さらに上記スローアウェイチップ
11においては、切削に供される上記一対の切刃13
A,13に沿って形成されたチップブレーカ15,17
が、一方の切刃13A側と他方の切刃13B側とで異な
る形状に形成されているため、これらの切刃13A,1
3Bにより生成される異なる性状の切屑S1,S2に対
し、それぞれ異なる切屑分断効果を作用せしめることが
でき、これにより一層効率的な切屑処理を促すことが可
能となる。すなわち、工具外周側に配置された一方の切
刃13Aにおいては、軸線Oからの径が大きくなるのに
伴いその切削速度も速くなり、従って切屑S1の生成速
度も速くなるのに対し、上記スローアウェイチップ11
では上記切刃13Aに沿って凹溝状のチップブレーカ1
5が形成されているため、切屑S1は図7に示すように
比較的大きなカール径で曲折させられることとなる。一
方、工具内周側の他方の切刃13Bにおいては、逆に切
削速度が遅くなって切屑S2の生成速度も小さくなるの
に対し、本実施形態では凹溝状のチップブレーカ15に
加えて突起状のチップブレーカ17が切刃13Bに沿っ
て形成されており、切屑S2はより大きな抵抗を受けて
切屑S1に比べて小さなカール径に曲折させられる。
【0019】従って、上記スローアウェイチップ11に
よれば、切削速度の相違という因子に基づき変化する切
屑S1,S2の生成速度に応じて、これらの切屑S1,S2
に適正なカール径を与えることができ、これにより上述
のように一層効率的な切屑処理を促すことが可能となる
のである。これは、特に上記穴明け工具のように、切屑
排出溝等のスペースを工具外周側では確保しやすいのに
比べて、内周側では不十分となりがちな場合において、
特に有効である。また、このように切刃13A,13B
にそれぞれ凹溝状と突起状のチップブレーカ15,17
を形成して、切屑S1,S2のカール径を変化させること
により、これらの切屑S1,S2は図7に示すようにその
厚さ方向に引きちぎられるように分断されて生成される
こととなるので、切刃13A,13Bが凸状に形成され
ることとも相俟って、一層確実に切屑の分断処理を図る
ことが可能となる。
【0020】さらに本実施形態のスローアウェイチップ
11では、上記凹溝状のチップブレーカ15の幅Gが、
上記一対の切刃13A,13Bの他端部13bから一端
部13aに向けて漸次幅広となるように形成されている
ため、特に上述のように生成速度が速いがために伸び気
味の切屑S1が生成される上記一方の切刃13A側にお
いて、切屑S1とチップブレーカ15との摺接長さ(突
条部16…との摺接長さ)を長くすることができ、これ
により、上述のように工具外周側で伸び気味となる切屑
1に対しても大きな分断力を与えて長手方向の分断を
より確実に図ることが可能となる。
【0021】その一方で、本実施形態では、上記一方の
切刃13Aに沿う部分において凹溝状のチップブレーカ
15の底面15aに突条部16…が該切刃13Aに沿っ
て点在するように形成されるとともに、上記他方の切刃
13Bに沿う部分においては突起状のチップブレーカ1
7…もその先端部が該切刃13Bに沿って点在するよう
に形成されている。このため、切刃13A,13Bによ
って生成された切屑S1,S2が実際に摺接するのは、こ
れら点在する突条部16…と突起状のチップブレーカ1
7の先端部となるので、これらの切屑S1,S2が凹溝状
のチップブレーカ16の底面15aの全体に摺接した
り、突起状のチップブレーカ17の全体に摺接したりす
る場合に比べ、切刃13A,13Bからの摺接長さは十
分に確保してその分断を確実としつつも摺接面積が増大
するのは避けることができ、これにより、かかる摺接面
積の増大によって切削時に作用する抵抗も増大してしま
うような事態を未然に防止することができる。
【0022】また、本実施形態では、チップ本体12の
六角形をなすすくい面12aの二対の長辺のそれぞれに
一対の上記切刃13A,13Bが形成されるとともに、
このすくい面12aがその短辺の中点同士を結ぶ仮想線
Bについて対称とされることにより、一つのスローアウ
ェイチップ11で2回の切刃13A,13Bの使い回し
を可能とすることができる。その一方で、本実施形態の
スローアウェイチップ11は、このように切刃13A,
13Bが形成される凸状の二対の辺稜部が長辺とされる
とともに、これらの切刃13A,13Bの端部13a,
13bを結ぶ一対の辺稜部が短辺とされ、これによりす
くい面12aが扁平した六角形の平板状にチップ本体1
2が形成されている。このため、本実施形態によれば、
例えば当該スローアウェイチップを正六角形状に形成し
たりする場合に比べ、切刃13の使い回し可能回数を減
らすことなくその体積を低減することができ、言い換え
ると単位体積当たりのチップ素材に対する切刃13の使
用回数を増やすことが可能となるので、超硬合金等の比
較的高価なチップ素材を有効に利用することができると
いう利点が得られる。
【0023】なお、図6に示したスローアウェイ式穴明
け工具においては、一つの本実施形態のスローアウェイ
チップ11を工具本体21に取り付けているが、加工時
の切削負荷等のバランスを考慮すると、一対のスローア
ウェイチップ11,11を互いに工具本体21の軸線O
の反対側に位置するように配置するのが望ましく、しか
もその際には、一方のスローアウェイチップ11を内周
側切刃チップとして、その一対の切刃13A,13Bの
他端部13bが上記軸線Oを越えてオーバーセンターと
なるように配置するとともに、他方のスローアウェイチ
ップ11を外周側切刃チップとして、その一対の切刃1
3A,13Bの一端部13aが工具本体21先端部の外
周側に突出するように配置し、かつ上記内周側切刃チッ
プとされるスローアウェイチップ11の外周側に位置す
る一方の切刃13Aと、上記外周側切刃チップとされる
スローアウェイチップ11の内周側に位置する他方の切
刃13Bとが、上記軸線O回りの回転軌跡において互い
に交差するように配置するのが望ましい。
【0024】すなわち、このように構成することによ
り、上記穴明け工具においては、工具本体21の径方向
について一方のスローアウェイチップ11と他方のスロ
ーアウェイチップ11とで切削負荷のバランスがとられ
るとともに、各スローアウェイチップ11の一対の切刃
13A,13Bにより、切屑がその幅方向に4つに分断
されるようにして生成されることとなるので、さらに効
率的な切屑処理を促すことができる。また、上記内周側
切刃チップとされるスローアウェイチップ11の外周側
に位置する一方の切刃13Aと、上記外周側切刃チップ
とされるスローアウェイチップ11の内周側に位置する
他方の切刃13Bとが、上記軸線O回りの回転軌跡にお
いて互いに交差する位置を適宜に設定することにより、
一種類のスローアウェイチップ11で様々な加工穴径の
穴明け工具に対応することが可能となり、チップの汎用
性の向上を図ることもできる。
【0025】さらに、このような構成を採った場合、外
周側切刃チップとされるスローアウェイチップ11につ
いては、図6に示すスローアウェイチップ11のよう
に、その外周側に位置する一方の切刃13Aに連なるす
くい面12aの短辺が工具本体11の軸線O方向後方側
に向かうに従い内周側に角度εで傾斜するように配置す
れば、この短辺が加工穴の内周に接触することによる切
削抵抗の増大が抑えられるとともに、この短辺と上記一
方の切刃13Aとの交差部に形成されたノーズアール刃
14が副切刃として作用して、加工穴内周の仕上面精度
の向上を図ることが可能となる。
【0026】なお、ここで、上記短辺がなす角度εが小
さすぎる場合には、切削時の負荷等により工具本体21
に捩れや撓み、倒れ等が生じると、この短辺が切刃13
Aの外周側に位置する一端部13aよりも外周側にはみ
出し、加工穴の内周に強く押し付けられてしまって切削
抵抗の増大等を招いてしまうおそれがある一方、逆にこ
の角度εが大きすぎると、上述した短辺による副切刃と
しての作用が十分に奏功されなくなるおそれが生じる。
このため、この外周側切刃チップとされるスローアウェ
イチップ11のすくい面12aの上記短辺が上記軸線O
方向に対してなす上記角度εは、0°10’〜5°の範
囲に設定されるのが望ましい。
【0027】一方、上記実施形態のスローアウェイチッ
プ11では、凹溝状のチップブレーカ15を上記一対の
切刃13A,13Bの全体に渡って形成するようにして
いるが、例えば生成される切屑の性状などによっては、
図8および図9に示すように、一方の切刃13A側だけ
にこの凹溝状のチップブレーカ15を形成するようにし
て、他方の切刃13B側には突起状のチップブレーカ1
7のみが形成されるようにしてもよい。また、突起状の
チップブレーカ17についても、上記実施形態ではすく
い面12aから一段隆起するような形状としているが、
これを例えば図10に断面を示すように、すくい面12
aから2段ないしそれ以上の多段状に隆起するように形
状とすることも可能である。ただし、この図10に示し
たチップブレーカ17の中段部17aのすくい面12a
からの高さhは、当該チップブレーカ17自体の高さH
に対して、0.3〜0.8×Hの範囲に設定されている。
【0028】さらに、上記実施形態では、突起状のチッ
プブレーカ17…の一つを離島状とし、他を半島状に形
成しているが、すくい面12a上のスペースが十分に確
保される場合などにあっては全てのチップブレーカ17
…の後端側を連なるように形成してもよく、また逆に、
2以上、あるいは全てのチップブレーカ17…を離島状
に点在させるようにしてもよい。さらにまた、このチッ
プブレーカ17…の形状についても、球状や円錐台状、
角錐台状、あるいは涙滴状など、種々の形状のものが採
用可能である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
凸状に交差する一対の切刃に沿って、それぞれ異なる形
状のチップブレーカが形成されることにより、切屑はそ
の幅方向に予め分断されて生成されるとともに異なる切
屑分断効果を受けることとなるため、かかる切屑の生成
に関わる因子に応じてチップブレーカ形状を適当に設定
することにより、その効率的な処理を図ることができ
る。そして、特に、チップ本体のすくい面上に、一対の
切刃のうち少なくとも一方の切刃に沿って凹溝状のチッ
プブレーカを形成するとともに、他方の切刃側には突起
状のチップブレーカを形成することにより、切屑のカー
ル径を一方の切刃と他方の切刃とで独自にコントロール
することができるので、例えば当該スローアウェイチッ
プを穴明け工具に用いたりした場合には、切削速度の相
違に基づいて異なる速度で生成される切屑に対し、適正
なカール径を与えて効率的な処理を促すことができると
ともに、切屑をその厚さ方向に引きちぎるようにして確
実な分断を促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1におけるII−II断面図である。
【図3】図1におけるIII−III断面図である。
【図4】図1におけるIV−IV断面図である。
【図5】図1におけるV−V断面図である。
【図6】図1に示すスローアウェイチップ11をスロー
アウェイ式穴明け工具に用いた場合を示す図である。
【図7】図6に示すスローアウェイ式穴明け工具による
切屑Sの生成状態を示す図である。
【図8】図1に示す実施形態の変形例を示す図である。
【図9】図8におけるIX−IX断面図である。
【図10】図1に示す実施形態の他の変形例を示す断面
図(図1におけるIV−IV断面図、図8におけるIX−IX断
面図に相当)である。
【図11】従来のスローアウェイチップ1を示す平面図
である。
【図12】図11におけるXII−XII断面図である。
【図13】他の従来のスローアウェイチップ5を示す平
面図である。
【図14】図13におけるXIV−XIV断面図である。
【符号の説明】
11 スローアウェイチップ 12 チップ本体 12a すくい面 13A,13B 切刃 13a,13b 切刃13の端部 14 ノーズアール刃 15 凹溝状のチップブレーカ 15b 突条部 17 突起状のチップブレーカ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状のチップ本体のすくい面が、それ
    ぞれ凸状に交差し、かつ互いに対向する二対の辺稜部
    と、これら二対の辺稜部の両端部を結ぶ互いに平行な一
    対の辺稜部とを有する六角形状をなし、上記二対の辺稜
    部のそれぞれに一対ずつの切刃が形成されるとともに、
    上記すくい面にはこれらの切刃に沿ってチップブレーカ
    が形成されており、このチップブレーカは、上記一対の
    切刃の一方の切刃側と他方の切刃側とで異なる形状に形
    成されていることを特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 【請求項2】 上記すくい面上には、上記一対の切刃の
    うち少なくとも上記一方の切刃に沿って凹溝状のチップ
    ブレーカが形成されるとともに、上記他方の切刃側には
    突起状のチップブレーカが形成されていることを特徴と
    する請求項1に記載のスローアウェイチップ。
  3. 【請求項3】 上記凹溝状のチップブレーカは、上記他
    方の切刃側から上記一方の切刃側に向かう方向に漸次幅
    広となるように形成されていることを特徴とする請求項
    2に記載のスローアウェイチップ。
  4. 【請求項4】 上記凹溝状のチップブレーカの底部に
    は、上記切刃に対して交差する方向に延びる突条部が、
    該切刃に沿う方向に点在するように形成されていること
    を特徴とする請求項2または請求項3に記載のスローア
    ウェイチップ。
  5. 【請求項5】 上記突起状のチップブレーカは、少なく
    ともその上記他方の切刃側を向く部分が、この他方の切
    刃に沿う方向に点在するように形成されていることを特
    徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のス
    ローアウェイチップ。
  6. 【請求項6】 上記チップ本体のすくい面の上記一対の
    辺稜部の各辺稜は、上記二対の辺稜部の各辺稜よりも短
    く形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求
    項5のいずれかに記載のスローアウェイチップ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6224300B1 (en) * 1997-05-13 2001-05-01 Komet Praezisionswerkzeuge Robert Breuning Gmbh Cutting insert for shaping by chipping
US20210362249A1 (en) * 2017-05-18 2021-11-25 Walter Ag Cutting plate and method and compression mold for producing a green body of the cutting plate

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