JPH09290275A - 水中のほう素の除去装置およびその方法 - Google Patents

水中のほう素の除去装置およびその方法

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JPH09290275A
JPH09290275A JP9045746A JP4574697A JPH09290275A JP H09290275 A JPH09290275 A JP H09290275A JP 9045746 A JP9045746 A JP 9045746A JP 4574697 A JP4574697 A JP 4574697A JP H09290275 A JPH09290275 A JP H09290275A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 逆浸透法による海水淡水化で得られる淡水や
水道に利用される原水などに溶存しているほう素を、逆
浸透法を用いて除去するための装置および方法におい
て、逆浸透膜の透過水量の安定化、およびほう素除去性
能の向上を図り、水道水質監視項目の指針値を満足する
安全な飲料水を容易かつ効率的に得る。 【構成】 被処理水中に溶存する二価以上の陽イオンを
除去するための手段と、二価以上の陽イオンを除去した
水のpHを9以上に調製するための手段と、ほう素を除
去するための逆浸透膜分離装置を備えてなることを特徴
とする水中のほう素の除去装置、および本装置を用いる
ことを特徴とするほう素の除去方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、逆浸透法により水中の
ほう素を除去するための装置およびその方法に関するも
のである。本発明の装置および方法は、海水およびかん
水の淡水化施設や水道における浄水処理施設において、
水中に溶存するほう素を水道水質の監視項目指針値以内
に低減した、より安全な飲料水を得るためのものとして
好適に用いられる。さらに、ほう素を多量に含む排水の
処理施設においても、排水中のほう素の低減や濃縮して
回収するのに用いることができる。
【0002】
【従来の技術】我が国では、平成5年12月に施行され
た新水道水質基準の監視項目において、ほう素の指針値
を0.2mg/l以下と定めている。しかし、最近我が
国でも普及し始めた逆浸透法による海水淡水化におい
て、得られる飲料水中にはおよそ1mg/l程度のほう
素が含まれ、指針値を満足しないことが明らかとなり問
題となっている。また、最近の水道原水は、工場排水や
家庭排水などの様々な汚染による水質の悪化が進行し、
そのため従来の急速ろ過法にみられる浄水処理では、飲
料水中のほう素について指針値を満足させることが困難
となりつつある。さらに、火山地帯の地下水には、温泉
に含まれるメタほう酸の混入により、ほう素の指針値を
越えてしまうものもある。このため飲料水中のほう素の
除去に対する要望が高まってきている。
【0003】高濃度のほう素を含む溶液などからほう素
を除去する方法としては、強酸性陽イオン交換樹脂と強
塩基性陰イオン交換樹脂の組み合わせによる全脱塩、も
しくはスチレン−ジビニルベンゼン共重合体にN−メチ
ルグルカミンなどを結合させたキレート樹脂による選択
的吸着除去が知られている。しかし、これらの方法で
は、被処理水中のほう素濃度が1mg/l以下という、
極めて低濃度域でのほう素除去に対する実績がない、さ
らには樹脂の再生費用を含めた処理費用が高い、といっ
た問題があり、飲料水を目的とする用途に採用されるに
は至っていない。
【0004】近年、省エネルギー型の分離プロセスとし
て、膜分離法が広く普及し始めている。膜分離法の中
で、逆浸透(RO;Reverse Osmosis)
法は、海水または低濃度の塩水(かん水)を脱塩して淡
水化し、工業用、農業用または家庭用の水を提供する造
水分野や、低分子量有機物の濃縮回収などに利用されて
いる。また、逆浸透膜の性能も日進月歩で改良が進み、
より低い運転圧力(20Kgf/cm2以下)で高い造
水量と高い脱塩率を有する、いわゆる低圧逆浸透膜が開
発され、上市されている。このような逆浸透膜として
は、例えば米国特許第4,277,344号や米国特許
第4,761,234号に開示されているように、ポリ
スルホン支持膜上で多官能の芳香族アミンと多官能の芳
香族酸ハロゲン化物を界面重縮合して得られる架橋芳香
族ポリアミド系複合逆浸透膜が挙げられ、これは現在数
ある逆浸透膜の中でも最も優れた脱塩性能を有するもの
であって、低濃度かん水の淡水化や超純水製造等に広く
普及している。
【0005】ほう素のように低分子量の溶解性物質も逆
浸透膜による分離が可能であると期待される。しかしな
がら、架橋芳香族ポリアミド系逆浸透膜の中で最も高い
脱塩性能を有する膜であっても、標準条件(圧力15K
gf/cm2、温度25℃、pH6.5)におけるほう
素の除去率は、高々70〜80%程度であり、十分な除
去性能を有しているとはいいがたい。例えば、この程度
の除去率では、回収率(逆浸透膜モジュールユニットの
供給水量に対する透過水量の割合)を50%と想定する
と、原水のほう素濃度が0.7mg/lを越えると、得
られる水のほう素濃度は指針値を上回ってしまう。ま
た、造水コストを下げるためには回収率は90%程度と
するのが好ましいが、この場合上記した除去率では、原
水のほう素濃度が約0.3mg/lを越えると指針値を
満足しなくなる。実用性を考えると、例えば、逆浸透法
による海水淡水化で得られた飲料水中のほう素濃度およ
そ1mg/lを、水道水質監視項目の指針値(0.2m
g/l以下)まで除去するのに、上述した逆浸透膜を用
いて回収率90%で運転するとした場合、約95%以上
のほう素除去率が必要である。
【0006】水中に溶解しているほう酸の解離定数はp
Kaで9であり、pHが中性領域ではほとんど解離して
いない。一方、上述した架橋芳香族ポリアミド系逆浸透
膜は、分離機能層に未反応のカルボキシル基およびアミ
ノ基を末端基として有するので、中性物質よりもイオン
性物質をよく排除するという特性を有している。本発明
者らはこの特性を利用するため、逆浸透膜への供給水を
ほう酸が解離してイオン化するpH9以上に調製して、
ほう酸の逆浸透分離を鋭意検討した。その結果、高pH
領域で逆浸透分離を行えば、ほう酸が解離していない中
性のpH領域で分離を行なうよりも、ほう素の除去率が
大きく向上することを見いだした。
【0007】しかしながら、pH9以上の高pH領域で
逆浸透分離を行なう場合、水中に溶存しているカルシウ
ムイオンやマグネシウムイオン、バリウムイオン、スト
ロンチウムイオンなどの二価陽イオン、さらに鉄イオン
やアルミニウムイオンなどの陽イオンが、炭酸塩や硫酸
塩、水酸化物等の難溶性塩となって析出し、逆浸透膜の
膜面上にスケールを形成する。その結果、膜の目詰りが
起こり、造水量を低下させるなどの問題が生じた。従っ
て、高pH領域で逆浸透分離を行なう場合には、水中に
溶存しているこれら二価以上の陽イオンを予め、それら
から生成される難溶性塩の溶解度積から求まる濃度以下
に除去することが重要な課題となる。
【0008】水の硬度成分である二価陽イオンの除去方
法としては、従来から硬水軟水化のために行われている
種々の方法がある。例えば、カルシウムやマグネシウム
などの硬度成分とアルカリを反応させて、炭酸カルシウ
ムや水酸化マグネシウムの難溶性塩を生成後沈澱させ、
ろ過により除去する沈澱除去法、あるいはカルシウム、
マグネシウム、鉄などと錯化合物を形成する薬品を添加
して、これら成分を封鎖して不活性化させる錯塩法、さ
らには硬度成分イオンをイオン交換体中のナトリウムイ
オンと交換して除去するイオン交換法などが挙げられ
る。ただしこれらの方法には一長一短があり、例えば、
低濃度の硬度成分の除去性能が低い、薬品代などの処理
コストがかかるといった問題があった。
【0009】近年になって、高脱塩型の逆浸透膜と限外
濾過膜の中間に位置する膜(ルースRO膜、あるいはN
F膜;Nanofiltration膜)が開発され、
硬水軟水化などに使用されるようになってきた。ルース
RO膜とは、分子量数百から数千程度以上の中〜高分子
量の分子や二価イオン、重金属イオンなどの多価イオン
の排除性能は高いが、一価イオンや低分子量物質は透過
する性質を持った逆浸透膜である。このとうなルースR
O膜としては、例えば特公平2−39932号や特公平
3−74128号などに開示されているように、架橋ピ
ペラジンポリアミド系複合逆浸透膜が挙げられる。本発
明者らはこのルースRO膜の特性に着目して検討を進
め、本発明に至った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】すなわち本発明は、上
述したような問題を解決し、逆浸透法による海水淡水化
で得られる淡水や、水道に利用される原水などから、水
道水質監視項目におけるほう素の指針値を満足する安全
な飲料水を得るための、逆浸透法によるほう素の除去装
置およびその方法について提供するものであり、特に、
逆浸透膜が造水量低下などの諸問題を起こすことなく、
ほう素除去性能の向上を図り、さらに高回収率での運転
を可能にすることで経済性に優れた装置および方法を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は基本的に次の構成を有する。
【0012】「被処理水中の二価以上の陽イオンを除去
するための手段と、pHを9以上に調製するための手段
と、ほう素を除去するための逆浸透膜(以下、ほう素除
去RO膜という)を備えてなることを特徴とする水中の
ほう素の除去装置。」または、「被処理水中の二価以上
の陽イオンを除去し、pHを9以上に調製した後、逆浸
透膜でほう素を除去することを特徴とする水中のほう素
の除去方法。」 以下に本発明を図面に基ずいて詳細に説明するが、これ
により本発明は何等限定されるものではない。図1は本
発明に係わる装置の一例を示すフロー図である。
【0013】本発明において被処理水とは、海水を逆浸
透法で淡水化する方法において、現在一般的に行われて
いる一段海水淡水化逆浸透膜分離装置により生産される
水等が挙げられる。また河川水や湖水、地下水などの水
道原水として利用される低塩濃度のかん水、さらには排
水なども挙げられる。
【0014】被処理水は、本発明の装置に導入される前
に予め前処理が施されているのが望ましい。前処理は、
二価以上の陽イオンを除去するための手段に用いる多価
陽イオン除去RO膜分離装置2およびほう素を除去する
ための手段に用いられるほう素除去RO膜分離装置6を
長期間安定に運転させるために必要なものであって、ど
のような手段を採用するかは被処理水中に含まれる膜汚
染物質の膜への影響を明らかにして決めるのが好まし
い。通常の逆浸透膜分離装置では、前処理手段により濁
質成分の除去や殺菌などが主に行われ、例えば、殺菌
剤、凝集剤、さらに還元剤、pH調製剤などの薬品添加
と砂濾過、活性炭濾過などの濾過処理が挙げられる。さ
らに、脱炭酸のための真空脱気や曝気処理も行われる。
本発明では、被処理水の前処理は、被処理水の種類、水
質、逆浸透膜への影響などを考慮して適宜採用される。
図1で、被処理水タンク1に貯水された被処理水は予め
前処理が施されたものである。
【0015】本発明においては、ほう素除去RO膜分離
装置6でほう素を除去する前に、予め被処理水中に溶存
している二価以上の陽イオンを除去して、ほう素除去R
O膜分離装置6に用いる逆浸透膜の膜面上にスケールが
形成されるのを防ぐ必要がある。二価以上の陽イオンを
除去する方法としては、従来から硬水を軟水化するため
に用いられている軟水化装置が用いられ、このような軟
水化装置としては沈澱除去法、錯塩法、イオン交換法な
どが挙げられる。沈澱除去法は添加する薬品の種類によ
り、石灰法、石灰−ソーダ法、苛性ソーダ−ソーダ法、
石灰−ソーダ−燐酸塩法などの方法が挙げられる。錯塩
法は、ヘキサメタ燐酸ナトリウムのような重合燐酸塩や
EDTAなどのスケール防止剤を添加する方法が挙げら
れる。さらに、イオン交換法は、ポリスチレン系の陽イ
オン交換樹脂を用いる方法などが挙げられる。これらの
中で好ましいものとして、ポリスチレン系の陽イオン交
換樹脂を用いる方法が挙げられる。さらに好ましい手段
として、本発明では多価陽イオン除去RO膜を用いるこ
とが好ましい。より具体的には、多価陽イオン除去RO
膜を配したエレメントを組み込んだ多価陽イオン除去R
O膜分離装置2が好適に用いられ、これを用いることで
より好ましい結果を得ることができる。
【0016】本発明において、多価陽イオン除去RO膜
分離装置2および後述するほう素除去RO膜分離装置6
とは、造水、濃縮、分離などの目的で被処理液を加圧下
で逆浸透膜モジュールユニットに供給し、透過液と濃縮
液に分離するための装置であり、通常は保安フィルタ
ー、加圧ポンプ、逆浸透膜エレメントと圧力容器からな
る逆浸透膜モジュールを配列したユニット、供給液や透
過液および濃縮液を送液するための配管やバルブ類、圧
力計や流量計、水質分析計などの計器類、および制御ユ
ニットなどで構成される。ここで逆浸透膜エレメント
は、逆浸透膜およびルースRO膜を実際に使用するため
に形態化したものであり、平膜はスパイラル、またはチ
ューブラー、あるいはプレート・アンド・フレームのエ
レメントに組み込んで、中空糸は束ねた上でエレメント
に組み込んで使用することができるが、本発明はこれら
の逆浸透膜エレメントの形態に左右されるものではな
い。さらに、逆浸透膜モジュールユニットは上記の逆浸
透膜エレメントを1〜数本圧力容器の中に収めた逆浸透
膜モジュールを並列、あるいはカスケード型に配置した
もので、その組み合わせ、本数、配列は目的に応じて任
意に行うことができる。
【0017】多価陽イオン除去RO膜分離装置2で用い
る逆浸透膜が有すべき好ましい特性は、1000mg/
lの塩化マグネシウム水溶液、7.5Kgf/cm2
25℃、pH6.5で測定した時の塩排除率が95%以
上、より好ましくは98%以上の分離性能を有する膜で
あることが好ましい。この特性を有する逆浸透膜の中で
も本発明はルースRO膜または超低圧逆浸透膜がより好
適に用いられる。
【0018】本発明で用いるルースRO膜が有すべき好
ましい特性としては上記特性以外にも、500mg/l
の食塩水、7.5Kgf/cm2、25℃、pH6.5
で測定した時の塩排除率が90%以下、より好ましくは
60%以下の分離性能を有する膜であることが好まし
い。また500mg/lの食塩水、7.5Kgf/cm
2、25℃、pH6.5で測定した時の膜透過流束が
1.0m3/m2・日以上有する膜であることが好まし
い。
【0019】本発明で用いる超低圧膜については、50
0mg/lの食塩水、7.5Kgf/cm2、25℃、
pH6.5で測定した時の膜透過流束が0.8m3/m2
・日以上有することが好ましく、1.0m3/m2・日以
上有することがより好ましい。また、500mg/lの
食塩水、7.5Kgf/cm2、25℃、pH6.5で
測定した時の塩排除率が95%以上、より好ましくは9
9%以上の分離性能を有する膜であることが好ましい。
【0020】ここで、膜透過流束とは単位膜面積あたり
の透過水量(造水量ともいう)であり、通常、食塩水を
逆浸透分離して得られる透過水量から求める。また、排
除率(または除去率)とは次式で計算される値である。
【0021】排除率(%)=(1−透過水の濃度/供給
水の濃度)×100 供給水および透過水の塩濃度は溶液の電気伝導度の測定
などから求めることができる。
【0022】ルースRO膜の素材には、ポリアミド系、
ポリピペラジンアミド系、ポリエステルアミド系、ある
いは水溶性のビニルポリマーを架橋したものなどがよく
使用されている。またその膜構造は、膜の少なくとも片
面に緻密層を持ち、緻密層から膜内部あるいはもう片方
の面に向けて、徐々に大きな孔径の微細孔を有する非対
称膜、非対称膜からなる支持体の緻密層の上に、別の素
材で形成された非常に薄い分離機能層を有する複合膜な
どがある。膜形態には中空糸、平膜がある。しかし、本
発明の方法は、逆浸透膜の素材、膜構造や膜形態によら
ず利用することができいずれも効果があるが、低圧での
運転のための造水量の大きさを考慮すると支持体上に架
橋重合体を形成してなる複合膜が好ましい。さらに好ま
しくはポリアミド系の複合膜であり、ピペラジンポリア
ミド系の複合膜が多価イオンの排除性能、透水性能、耐
薬品性等の点からより適している。
【0023】なお、超低圧膜の素材には、後述のほう素
除去RO膜と同様の素材が用いられるが、中でも非対称
膜からなる支持体上にポリアミド特に架橋芳香族ポリア
ミドを形成した複合逆浸透膜が好適である。原料ポリマ
ーの濃度を調整して重合させることなどにより超低圧性
能を発現させる。
【0024】さらに、多価陽イオン除去RO膜のうち、
ルースRO膜については、カチオン荷電性を有する膜で
あることがより好ましい。カチオン荷電性を有する膜と
は、例えば、100mg/l以下の低濃度域の一価−一
価電解質のイオン分離性能において、Donnan平衡
現象により陰イオンよりも陽イオンをより排除する特性
を持った膜のことである。従って、膜にカチオン荷電性
を付与することにより、陽イオンの排除性能を高めるこ
とができ、二価以上の陽イオンを効率よく除去すること
が可能となる。
【0025】一般に多官能アミンと多官能酸ハロゲン化
物の界面重縮合により形成した逆浸透膜には、未反応基
としてアミノ基とカルボン酸基が膜に存在する。アミノ
基はカチオン荷電性を、カルボン酸基はアニオン荷電性
を膜に付与する。従って、アミノ基の量をカルボン酸基
よりも多く存在させることで、膜にカチオン荷電性を付
与できる。あるいは、4級アンモニウム基を含む化合物
を膜にグラフトする方法や、膜に塩基性ポリマーを積層
する方法、さらには多官能アミノ基を有するポリマーと
多官能酸ハロゲン化物の界面架橋反応で膜を形成させる
方法などによってもカチオン荷電性を付与できる。
【0026】カチオン荷電性を有する膜として、特に限
定されるものではないが、膜電位が−5mV以上である
ものが好ましく、−10mV以上であるものがより好ま
しい。ここで膜電位とは膜を介して両側のKCl水溶液
に間の電位であり、溶液温度が25℃で、高濃度側の濃
度が4×10-3モル/リットル、低濃度側の濃度が10
-3モル/リットルにおける電位をいう。
【0027】このように多価陽イオン除去RO膜分離装
置2により被処理水は二価以上の陽イオンが除去された
透過水3と二価以上の陽イオンが濃縮された濃縮水4に
分離される。
【0028】また本発明で用いる多価陽イオン除去RO
膜は、被処理水中のシリカ濃度が高く、シリカスケール
が膜面に形成されることが想定される場合には、水中に
溶存しているシリカの除去性能が低い膜が好ましく、ル
ースRO膜が好適に用いられる。このようなルースRO
膜はシリカをほとんど濃縮しないので、シリカスケール
が膜面に形成されることがない。従って、本発明では多
価陽イオン除去RO膜分離装置2の回収率をできるだけ
高くして運転するのが水処理コストを下げるためにも好
ましい。本発明では回収率は50%以上、さらには80
%以上で運転するのが好ましく、回収率は被処理水中の
ファウリング成分の濃度も考慮して決めるのがより好ま
しい。なお、シリカの少ない海水淡水化用途において
は、かかる問題はなく、超低圧膜も好適に用いることが
可能である。
【0029】また本発明においては、上記手段により、
被処理水中に溶存している二価陽イオンを次式から求ま
る濃度C1、C2、及びC3(mg/l)のいずれも越えない
濃度まで除去するのが、ほう素除去RO膜分離装置6を
安定に運転する上で好ましい。
【0030】 C1=(1/CRC)・AW・KSP1・1031-2pH (1) C2=(1/CRC)・AW・KSP2・103・(10-pH+K2)/(K2・CRT・CT) (2) C3=(1/CRC)・AW・KSP3・103/(CRS・CS) (3) (1)式は二価陽イオンが金属水酸化物のスケールを形
成する場合であり、(2)式では炭酸金属塩のスケー
ル、(3)式では硫酸金属塩のスケールを形成する場合
にあてはまる。ここで、KSP1は金属水酸化物の溶解度
積、KSP2は炭酸金属塩の溶解度積、KSP3は硫酸金属塩
の溶解度積、AWは塩を構成する陽イオンの原子量、p
Hはほう素除去RO膜分離装置6の濃縮水8のpH、K
2は炭酸の第二解離平衡定数、CTは被処理水中に含まれ
る全炭酸の濃度(mol/l)、CSは被処理水中に含まれる硫
酸イオンの濃度(mol/l)、Yはほう素除去RO膜分離装
置6の供給水量に対する透過水7の量の割合(回収率
(%))である。さらに、CRC、CRT、CRSは、各
々、陽イオン、全炭酸、硫酸イオンのほう素除去RO膜
分離装置6による濃縮倍率(ほう素除去RO膜分離装置
6における濃縮水濃度と供給水濃度の比)である。CR
C、CRT、CRSを求めるのは容易ではないが、本発明
では、ほう素除去RO膜分離装置6に用いる逆浸透膜は
それらの排除率が極めて高いことから、便宜上、CRC
≒CRT≒CRS≒{100/(100-Y)}と近似することがで
き、従って(1)式、(2)式、(3)式はそれぞれ次
のようになる。
【0031】 C1=(100-Y)・AW・KSP1・1029-2pH (4) C2=(100-Y)2・AW・KSP2・(10-pH+K2)/(10・K2・CT) (5) C3=(100-Y)2・AW・KSP3/(10・CS) (6) これらの式からほう素除去RO膜分離装置6で用いる逆
浸透膜が、実用上、スケール生成により透過水量の低下
を起こさないようにするための、二価陽イオンの上限濃
度を求めることができる。より好ましくは濃度はC1、
C2、及びC3(mg/l)以下である。二価陽イオンとして
は、硬度成分であるカルシウムイオンやマグネシウムイ
オン、バリウムイオン、ストロンチウムイオンのアルカ
リ金属類が挙げられる。これらはアルカリと反応して炭
酸カルシウムおよび炭酸ストロンチウム、水酸化マグネ
シウムといった難溶性塩を析出する。また被処理水中の
硫酸イオンが逆浸透膜で濃縮されることにより硫酸バリ
ウムや硫酸カルシウムといった難溶性塩も析出する。炭
酸カルシウムの溶解度積は常温で4.8×10-9であ
り、炭酸ストロンチウムのそれは1.1×10-10、水
酸化マグネシウムのそれは1.8×10-11、硫酸バリ
ウムのそれは2.0×10-11、硫酸カルシウムのそれ
は1.2×10-6である。これらの式によると、例え
ば、全炭酸を1.6×10-4mol/l、硫酸イオンを
1.0×10-4mol/l含む水を供給水とし、濃縮水
pH11、回収率90%でほう素除去RO膜分離装置6
を運転する場合は、各々の陽イオンの上限濃度はカルシ
ウムイオン0.014mg/l、マグネシウムイオン
0.04mg/l、ストロンチウムイオン0.0007
mg/l、バリウムイオン0.0003mg/l、以下
にする必要がある。本発明の被処理水中は、一般的にカ
ルシウムイオンとマグネシウムイオンが他の二価陽イオ
ンと比較して多く含まれるが、ストロンチウムイオンや
バリウムイオンの硫酸塩については問題となることが比
較的少ない。従って本発明では特に水酸化マグネシウ
ム、乃至は炭酸カルシウムのスケールなどの生成防止が
重要となる。
【0032】二価陽イオン濃度はC1、C2、及びC3
の濃度以下であればいくらであってもかまわないが、実
際の運転条件やパラメーターの変動を考慮するとより好
ましくは濃度は、C1×0.8、C2×0.8、及びC
3×0.8以下である。また逆に、より低濃度まで除去
しようとするとそれだけ処理コストが嵩むことになり、
得策ではない。経済性を考慮すると二価陽イオンの下限
濃度は、C1、C2、及びC3の濃度の1/100が適
当である。
【0033】もし、二価陽イオンが下限濃度を下回るよ
うな場合は、多価陽イオン除去RO膜分離装置2はさら
に回収率を高くして運転するのが好ましい。本発明の装
置ではその方法として濃縮水4の一部を供給水に戻すこ
とも可能である。残りの濃縮水4は全量排水してもかま
わないが、好ましくは濃縮水4の一部を、ほう素除去R
O膜分離装置6で得られる透過水7(pHを中性に調製
しておく)と混合し、ほう素濃度が水道水質監視項目の
指針値を満足する範囲内で、飲料水中のミネラル成分の
濃度を調製するのが好ましい(ただし、この場合、スケ
ール防止剤は使用しないことが前提となる)。ルースR
O膜はシリカと同様ほう素も濃縮しないので、このよう
なことも可能となる。さらに、被処理水が海水を逆浸透
膜分離装置で処理することにより得られる淡水である場
合、濃縮水4の残液は海水淡水化逆浸透膜分離装置の供
給水に戻すのが好ましく、これによって多価陽イオン除
去RO膜分離装置2からの水の損失をゼロにすることが
可能となる。
【0034】逆に、被処理水中の硬度成分が高すぎて、
ルースRO膜を一段で処理するだけでは、二価陽イオン
が上限濃度を上回るような場合は、ルースRO膜を二段
にして処理するか、または多価陽イオン除去RO膜分離
装置2とその透過水3にヘキサメタ燐酸ナトリウムのよ
うな重合燐酸塩やEDTAなどのスケール防止剤を添加
する錯塩法とを併用する方法、あるいはポリスチレン系
の陽イオン交換樹脂とルースRO膜分離装置2を組み合
わせる方法などが好適に用いられる。ルースRO膜を二
段にして処理する方法とは、ルースRO膜モジュールユ
ニットを二段配置し、前段のルースRO膜の透過水を後
段のルースRO膜へ供給して、二段階で分離を行うもの
である。通常、前段ルースRO膜の透過水は高圧ポンプ
で昇圧して後段に供給されるが、それとは別に、前段ル
ースRO膜の透過水の圧力を後段ルースRO膜の運転圧
力となるようバルブで操作し、その透過水を高圧ポンプ
を介さずに直接後段に供給する方法も行われる。この場
合、高圧ポンプは前段ルースRO膜の供給側に設置した
一台で済む。また前段ルースRO膜の運転圧力は後段ル
ースRO膜の運転圧力を加味した圧力に設定する。この
ような運転方法が行えるのも、ルースRO膜が10Kg
f/cm2以下の超低圧で運転できることが大きく寄与
している。また、スケール成分の中でも炭酸カルシウム
の析出が問題となる場合には、カルシウムイオンを除去
するだけでなく、被処理水に溶存している炭酸の除去も
有効な手段となりうる。炭酸の除去方法としては、被処
理水の前処理で述べたように真空脱気や曝気処理等が挙
げられるが、中でも真空脱気が好ましく、被処理水の前
処理として(この場合、被処理水の貯水タンク1には脱
気水が貯水される)、あるいは被処理水の貯水タンク1
の後、あるいはpHを9以上に調整するための手段5の
前に設置される。
【0035】次に、多価陽イオン除去RO膜分離装置2
の透過水3は、pHを調製するための手段5によりpH
を調製する。本発明においては、pHは水中のほう酸が
解離する9以上に調製するのが好ましく、さらに逆浸透
膜のほう素除去性能を考慮すると、pHは10以上、1
1以下であることがより好ましい。pHが11を越える
と、ほう素除去RO膜分離装置6の濃縮水8のpHは1
2以上まで上昇することになり、逆浸透膜の耐久性等に
悪影響を及ぼすため好ましくない。pHを調製するため
の手段5としては、荷性ソーダ、石灰などの水溶液を薬
注ポンプなどを用いて注入する方法が一般的であるが、
本発明は薬品の種類や添加方法によって限定されるもの
ではない。ただし、pHの変動を小さくするため、薬液
注入量を制御するための手段が講じられていることが望
ましい。
【0036】次に、pHを調製した水はほう素除去RO
膜分離装置6に供給する。ここでは保安フィルターなど
で濁質成分を最終除去し、高圧ポンプで加圧して逆浸透
膜モジュールユニットに供給し、ほう素が除去された透
過水7とほう素が濃縮された濃縮水8に分離される。透
過水7にpH調製剤、殺菌剤、ミネラル成分などを適宜
添加することにより飲料水が得られ、濃縮水8は酸で中
和処理した後、放流するか、より好ましくは多価陽イオ
ン除去RO膜分離装置2の供給水あるいは前段にある逆
浸透法海水淡水化装置の供給水に戻し、回収率を向上さ
せる。
【0037】本発明において、ほう素除去RO膜分離装
置6に用いる逆浸透膜には、運転圧力が低圧で使用され
る、いわゆる低圧または超低圧逆浸透膜が好適に用いら
れる。
【0038】低圧または超低圧逆浸透膜とは、被分離混
合液中の一部の成分、例えば溶媒を透過させ他の成分を
透過させない、実質的に逆浸透膜分離が可能な半透性の
膜であって、42kgf/cm2までの耐圧性を有し、
その実質的な使用圧力が低圧逆浸透膜では20kgf/
cm2以下、超低圧逆浸透膜では10kgf/cm2
下、で、カン水淡水化、超純水製造などで使用される塩
濃度の低い溶液を分離対象とした逆浸透膜である。
【0039】その素材には、酢酸セルロース系ポリマ
ー、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ビニルポ
リマーなどの高分子素材がよく使用されている。またそ
の膜構造は、膜の少なくとも片面に緻密層を持ち、緻密
層から膜内部あるいはもう片方の面に向けて徐々に大き
な孔径の微細孔を有する非対称膜、支持体である非対称
膜の緻密層の上に別の素材で形成された非常に薄い分離
機能層を有する複合膜がある。膜形態には中空糸、平膜
がある。しかし、本発明の方法は、逆浸透膜の素材、膜
構造や膜形態によらず利用することができいずれも効果
がある。代表的な逆浸透膜としては、例えば酢酸セルロ
ース系やポリアミド系の非対称膜および支持体上にポリ
アミド系、ポリ尿素系、ポリビニルアルコール系などの
架橋重合体を分離機能層として形成した複合膜などがあ
げられる。これらのなかでも、ポリアミド系複合膜、特
に架橋芳香族ポリアミド系複合逆浸透膜が、膜の分離性
能、耐久性などの点から、本発明の方法に好適に用いら
れる。
【0040】本発明において、逆浸透膜が有すべき特性
は、ほう素が2mg/lのほう酸水溶液、15Kgf/
cm2、25℃、pH11で測定した時のほう素の排除
率が90%以上、より好ましくは95%以上の性能を有
する膜が好ましい。さらに1500mg/lの食塩水、
15kgf/cm2、25℃、pH6.5で測定した時
の塩排除率が95%以上、より好ましくは99%以上の
分離性能を有する膜であることが好ましい。また、15
00mg/lの食塩水、15kgf/cm2、25℃、
pH6.5で測定した時の透過流束が0.8m3/m2
日以上の膜が好ましく、さらに好ましくは500mg/
lの食塩水、7.5kgf/cm2、25℃、pH6.
5で測定した時の透過流束が0.8m3/m2・日以上の
膜であって、実質的に10Kgf/cm2以下の超低圧
で運転することのできる膜であることが好ましい。この
ような超低圧膜を使用する場合、前述したルースRO膜
の二段処理で記載したような運転方法を採用することに
より、ほう素除去RO膜分離装置6で用いる高圧ポンプ
を省略することも可能となる。
【0041】ほう素除去RO膜分離装置6の操作圧力は
高い方がほう素除去率は向上するが、運転に必要なエネ
ルギーも上昇する。従って操作圧力は5kgf/cm2
以上、30kgf/cm2以下が好ましい。供給水温度
は高くなるとほう素除去率は低下するので、なるべく低
い方が好ましいが、低くなるにしたがい透過水量も減少
する。従って供給水温度は5℃以上、40℃以下が好ま
しい。また、pH中性領域での運転で回収率を高くする
と、低圧逆浸透膜はシリカの除去率が高いため、膜面に
シリカスケールを形成して透過水量が低下する恐れがあ
るが、pHが高くなるにつれシリカの溶解性が増加する
ので、本発明のように高pH領域で運転する場合は、シ
リカスケールの形成のおそれは少なく、従って高い回収
率で運転することができる。回収率はできるだけ高い方
が好ましく、50%以上、好ましくは80%以上、さら
に好ましくは90%以上で運転するのが処理コスト低減
のために好ましい。
【0042】また本発明では、ほう素除去RO膜分離装
置6の供給水が安定運転のために適した水質であるかど
うかを常時監視するのが望ましく、その方法として濁度
計9をほう素除去RO膜分離装置6に設置するのが好ま
しい。濁度計9としては光電光度法を用いるものが好ま
しく、より好ましくは散乱光測定用光電式濁度計が用い
られる。また濁りの標準物質にホルマジン濁度標準液を
用い、濁度はNTU(Nephelometric Turbidity Unit)
単位を用いる測定法が再現性等に優れているので好まし
く用いられる。濁度計9はオンラインで測定できるもの
が好ましく、自動で常時濁度を監視できる。濁度計9の
設置場所は供給水、濃縮水8のどちらのラインであって
もかまわないが、濃縮水8ラインからサンプル水を分岐
する形で設置するのがより好ましい。本発明において
は、ほう素除去RO膜分離装置6の濃縮水8の許容濁度
は0.2以下、より好ましくは0.15以下であること
が好ましい。
【0043】以上説明したように、、逆浸透法による海
水淡水化で得られる淡水や水道に利用される原水などに
溶存しているほう素を除去するにあたって、本発明の装
置および方法を用いることにより、逆浸透膜を安定して
運転するとともに、ほう素除去性能の向上を図ることが
でき、さらに水道水質監視項目の指針値を満足する安全
な飲料水を容易かつ効率的、経済的に得ることができ
る。さらに本発明の装置及び方法を水道の浄水処理施設
に適用した場合、ホウ素の除去だけでなくトリハロメタ
ンなどの消毒副生成物の前駆体(例えばフミン質など)
や農薬などの有害物質も同様に除去することが可能であ
る。
【0044】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定
されるものではない。
【0045】実施例1 一段逆浸透法(東レ株式会社製逆浸透膜エレメントSU
−800を使用)により海水淡水化して得られた水を被
処理水貯水タンク1に貯水し、表1に示す性能のルース
RO膜(東レ株式会社製逆浸透膜エレメントSU−20
0S)を用いた多価陽イオン除去RO膜分離装置2によ
り二価陽イオンを除去した後、pH調製を行い、表1に
示す性能の低圧逆浸透膜(SU−700、東レ株式会社
製逆浸透膜エレメント)を用いたほう素除去RO膜分離
装置6によりほう素の除去を実施した。運転条件および
処理水の水質を表2に示す。尚、低圧逆浸透膜の供給水
中のカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)の許容
上限濃度は(4)〜(6)式から求めた値である。また
カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)の定量はI
CAP法で行い、ほう素(B)の定量はクルクミン吸光
光度法で行った。さらに、濃縮水8の濁度はオンライン
式散乱光測定用光電式濁度計により測定した。また、低
圧逆浸透膜エレメントの造水量を運転開始後二時間値と
48時間値で比較し、造水量の低下率を求めた。被処理
水中のほう素濃度が0.8mg/lであるのに対し、処
理水(透過水7)中のほう素濃度は0.18mg/lと
なり、水道水質監視項目の指針値を満足した。また造水
量の低下も全く見られなかった。
【0046】実施例2 実施例1では、ほう素除去RO膜分離装置6の供給水p
H9.5、回収率80%として運転したが、供給水中の
マグネシウム濃度は許容上限濃度の1/100以下であ
り、供給水pH、回収率をさらに上げるだけの余裕があ
った。そこで、ここでは供給水pH10.5、回収率9
0%にして、実施例1と同じ運転を実施した(表2)。
処理水(透過水7)中のほう素濃度は0.13mg/l
まで除去することができた。この処理水に多価陽イオン
除去RO膜分離装置2の濃縮水4を全量混合した。得ら
れた飲料水中のほう素濃度は0.20mg/lであり、
カルシウム濃度は0.85mg/l、マグネシウム濃度
は1.61mg/lとなり、ミネラル成分が被処理水と
同程度の飲料水が得られ、多価陽イオン除去RO膜分離
装置2での水の損失をゼロにすることができた。
【0047】実施例3 実施例1において、多価陽イオン除去RO膜分離装置2
の濃縮水4を、前段にある一段海水淡水化逆浸透膜分離
装置の供給水に全量戻し、水の損失をゼロとなるように
して運転した(表2)。処理水(透過水7)のほう素濃
度は0.18mg/lで、指針値を満足した。
【0048】実施例4 実施例2において、ほう素除去RO膜分離装置6におい
てSU−700の代わりに表1に示す性能の低圧逆浸透
膜(SUL−G00、東レ株式会社製逆浸透膜エレメン
ト)を用い、操作圧力を7.5kgf/cm2で同様の
運転を実施した(表2)。処理水(透過水7)のほう素
濃度は0.15mg/lで、実施例2とほぼ同じ結果を
得た。
【0049】実施例5 実施例4において、多価陽イオン除去RO膜分離装置2
の運転圧力を、5.5kgf/cm2から13kgf/
cm2に上げ、その透過水3をpH調整後、ほう素除去
RO膜分離装置6の高圧ポンプを介さずに直接低圧逆浸
透膜モジュールユニットに供給し、低圧逆浸透膜の運転
圧力が7.5kgf/cm2になるよう濃縮水8側に設
けたバルブを操作して運転を実施した(表2)。処理水
(透過水7)のほう素濃度は0.17mg/lであり、
何等問題なく運転できた。
【0050】比較例1 実施例2において、被処理水中の二価以上の陽イオンの
除去を実施せずに、pHを10.5に調製して、ほう素
除去RO膜分離装置6でほう素の除去を実施した(表
2)。その結果、濃縮水8の濁度が0.58まで上昇
し、造水量が大きく低下した。ここで酸洗浄を試みたと
ころ造水量はほぼ元の性能に回復した。
【0051】比較例2 実施例1において、ほう素除去RO膜分離装置6の供給
水のpHをなんら調製せずに(pHは5.8であっ
た)、ほう素の除去を実施した(表2)。処理水(透過
水7)のほう素濃度は0.46mg/lで、指針値を大
きく上回った。
【0052】実施例6 実施例2において、一段海水淡水化逆浸透膜装置の透過
水の代わりに浄水(琵琶湖水を砂濾過したもの)を用
い、前処理として殺菌剤(次亜塩素酸ナトリウム)添加
および凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)添加後、高重合
度のポリアクリロニトリルを用いた中空糸限外濾過膜モ
ジュールで濾過し、還元剤(亜硫酸水素ナトリウム)を
添加して残存する塩素を除いた後、本実施例のみ真空脱
気処理して被処理水貯水タンク1に貯水した。被処理水
中のほう素濃度は0.2mg/l以下であったため、約
1mg/lになるようにほう酸を添加してテストした。
運転条件、および処理水の水質を表3に示す。被処理水
中のほう素濃度が0.9mg/lであるのに対し、処理
水(透過水7)中のほう素は0.15mg/lであり、
指針値を満足した。しかし、ほう素除去RO膜分離装置
6の回収率をさらに高くして運転するためには多価陽イ
オン除去RO膜分離装置2の透過水3中にはマグネシウ
ムイオン、カルシウムイオンをさらに除去する必要のあ
ることが、透過水3の水質およびカルシウム、マグネシ
ウムの許容上限濃度の計算値から推定された。
【0053】実施例7 実施例6において、硬度成分の除去手段に、一段のルー
スRO膜を用いて除去するだけでは、透過水3中のカル
シウムイオンおよびマグネシウムイオンの除去に限界の
あることが判明した。そこで、ここでは多価陽イオン除
去RO膜分離装置2で処理する前に陽イオン交換樹脂に
通水し、予め二価陽イオンを低濃度まで除去する処理を
行った。イオン交換樹脂は、ポリスチレン系の強酸性陽
イオン交換樹脂(アンバーライト IR−120、東京
有機化学工業株式会社製)を充填塔に詰めて使用した。
このような方法により、透過水3中のカルシウムイオン
およびマグネシウムイオンは分析限界以下となり、この
後の低圧逆浸透膜の造水量の低下が防止でき、さらに処
理水(透過水7)のほう素は0.16mg/lで指針値
を満足した(表3)。
【0054】実施例8 実施例6において、硬度成分の除去手段として、多価陽
イオン除去RO膜分離装置2の透過水3に、ヘキサメタ
燐酸ナトリウムを1mg/lとなるよう添加し、一段の
ルースRO膜で除去しきれなかったカルシウムイオンお
よびマグネシウムイオンを錯化合物化して封鎖した。こ
こでも実施例7と同様、低圧逆浸透膜の造水量の低下が
防止でき、さらに処理水(透過水7)のほう素は0.1
5mg/lで指針値を満足した(表3)。
【0055】実施例9 実施例6において、硬度成分の除去方法として、二段ル
ースRO法を実施した。ここでは、被処理水をまず高圧
ポンプで10kgf/cm2に昇圧し、前段のルースR
O膜モジュールユニットに供給した。ここでは回収率9
0%で運転した。前段ルースRO膜モジュールユニット
の透過水は、高圧ポンプを介さずに直接後段のルースR
O膜モジュールユニットに供給した。後段ルースRO膜
モジュールユニットの濃縮水側に設けたバルブを操作し
て、後段ルースRO膜への供給水の圧力を5kgf/c
2となるように設定した。また、後段ルースRO膜モ
ジュールユニットの濃縮水は全量前段ルースRO膜モジ
ュールユニットの供給水に戻した。後段ルースRO膜の
透過水の水質は表3に示したとおりであり、カルシウム
イオンおよびマグネシウムイオンともに分析限界以下ま
で除去でき、また二段とも安定に運転できた。この透過
水をpH調製して、ほう素除去RO膜分離装置6で処理
し、ほう素を0.18mg/lまで除去することができ
た。また低圧逆浸透膜の造水量低下も全く見られなかっ
た。
【0056】比較例3 実施例6において、硬度成分の除去を行わずにほう素除
去RO膜分離装置6でほう素の除去を実施した(表
3)。その結果、濃縮水8の濁度は0.85まで上昇
し、造水量が大きく低下した。ここでも酸洗浄を試み、
造水量が回復することを確認した。
【0057】比較例4 実施例6において、ほう素除去RO膜分離装置6の供給
水のpHをなんら調製せずに(pHは6.8であっ
た)、ほう素の除去を実施した(表3)。処理水(透過
水7)のほう素濃度は0.61mg/lで、指針値を大
きく上回った。
【0058】実施例10 実施例4において、多価陽イオン除去RO膜分離装置2
においてSU−200の代わりに表1に示す性能の低圧
逆浸透膜(SUL−G00、東レ株式会社製逆浸透膜エ
レメント)を用い、操作圧力を7.5kgf/cm2
同様の運転を実施した(表3)。処理水(透過水7)の
ほう素濃度は0.09mg/lで、実施例4とほぼ同じ
結果を得た。
【0059】
【表1】
【表2】
【表3】
【0060】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明は、逆浸透
法で水中のほう素を除去する際に、予め二価以上の陽イ
オンを除去して、スケール生成による逆浸透膜の造水量
低下を防止することで、逆浸透膜に要求されるほう素除
去性能を発揮させることのできる高pH領域での膜分離
を可能とし、その結果、水道水質監視項目のほう素の指
針値を満足する安全な飲料水を容易かつ効率的に得るこ
とができる装置およびその方法を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の逆浸透法による水中のほう素の除去
装置の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1:被処理水の貯水タンク 2:多価陽イオン除去RO膜分離装置 3:多価陽イオン除去RO膜分離装置の透過水 4:多価陽イオン除去RO膜分離装置の濃縮水 5:pHを9以上に調製するための手段 6:ほう素除去RO膜分離装置 7:ほう素除去RO膜分離装置の透過水 8:ほう素除去RO膜分離装置の濃縮水 9:散乱光測定用光電式濁度計
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/44 C02F 1/44 G

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水中の二価以上の陽イオンを除去
    するための手段と、pHを9以上に調製するための手段
    と、ほう素を除去するための逆浸透膜(以下、ほう素除
    去RO膜という)を備えてなることを特徴とする水中の
    ほう素の除去装置。
  2. 【請求項2】 二価以上の陽イオンを除去するための手
    段に、逆浸透膜(以下、多価陽イオン除去RO膜とい
    う)を用いることを特徴とする請求項1記載の水中のほ
    う素の除去装置。
  3. 【請求項3】 多価陽イオン除去RO膜が、1000m
    g/lの塩化マグネシウム水溶液、7.5Kgf/cm
    2、25℃、pH6.5で測定した時の塩排除率が95
    %以上の分離性能を有する膜であることを特徴とする請
    求項2記載の水中のほう素の除去装置。
  4. 【請求項4】 多価陽イオン除去RO膜が、500mg
    /lの食塩水、7.5Kgf/cm2、25℃、pH
    6.5で測定した時の塩排除率が90%以下の分離性能
    を有するルースRO膜であることを特徴とする請求項3
    記載の水中のほう素の除去装置。
  5. 【請求項5】 該ルースRO膜がカチオン荷電性膜であ
    ることを特徴とする請求項4記載の水中のほう素の除去
    装置。
  6. 【請求項6】 ほう素除去RO膜が、ほう素濃度が2m
    g/lのほう酸水溶液、15Kgf/cm2、25℃、
    pH11で測定した時のほう素の排除率が90%以上の
    性能を有する膜であることを特徴とする請求項1記載の
    水中のほう素の除去装置。
  7. 【請求項7】 濁度計を設置することを特徴とする請求
    項1記載の水中のほう素の除去装置。
  8. 【請求項8】 被処理水中の二価以上の陽イオンを除去
    し、pHを9以上に調製した後、逆浸透膜でほう素を除
    去することを特徴とする水中のほう素の除去方法。
  9. 【請求項9】 被処理水中に溶存している二価陽イオン
    を次式から求まる濃度C1、C2、及びC3(mg/l)のい
    ずれも越えない濃度まで除去することを特徴とする請求
    項8記載の水中のほう素の除去方法。 C1=(100-Y)・AW・KSP1・1029-2pH (4) C2=(100-Y)2・AW・KSP2・(10-pH+K2)/(10・K2・CT) (5) C3=(100-Y)2・AW・KSP3/(10・CS) (6) {但し、 KSP1:金属水酸化物の溶解度積、 KSP2:炭酸金属塩の溶解度積、 KSP3:硫酸金属塩の溶解度積、 AW:塩を構成する陽イオンの原子量、 pH:ほう素除去RO膜分離装置の濃縮水のpH、 K2:炭酸の第二解離平衡定数、 CT:被処理水中に含まれる全炭酸の濃度(mol/l)、 CS:被処理水中に含まれる硫酸イオンの濃度(mol/l)、 Y:ほう素除去RO膜分離装置の供給水量に対する透過水量
    の割合(回収率(%))}
  10. 【請求項10】 二価以上の陽イオンを除去した水のp
    Hを9以上、11以下の範囲内に調製することを特徴と
    する請求項8記載の水中のほう素の除去方法。
  11. 【請求項11】 ほう素除去RO膜分離装置の濃縮水の
    濁度を0.2以下に保持することを特徴とする請求項8
    記載の水中のほう素の除去方法。
  12. 【請求項12】 被処理水が、海水を逆浸透法により脱
    塩して得られる淡水であることを特徴とする請求項8記
    載の水中のほう素の除去方法。
  13. 【請求項13】 被処理水が、水道原水として利用され
    る河川水、湖水、地下水などの低塩濃度のかん水である
    ことを特徴とする請求項8記載の水中のほう素の除去方
    法。
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