JPH0929023A - 排ガスフィルタ及びその製造方法 - Google Patents

排ガスフィルタ及びその製造方法

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JPH0929023A
JPH0929023A JP7185236A JP18523695A JPH0929023A JP H0929023 A JPH0929023 A JP H0929023A JP 7185236 A JP7185236 A JP 7185236A JP 18523695 A JP18523695 A JP 18523695A JP H0929023 A JPH0929023 A JP H0929023A
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伸明 永井
Yuichi Murano
雄一 村野
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浩一 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐熱衝撃性を向上させた排ガスフィ
ルタ及びその製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 主成分がチタン酸アルミニウムからなる排ガ
スフィルタであり、押出方向の熱膨張係数αaが−2.
3×10-6〜0℃-1であるとき押出方向と垂直な方向の
熱膨張係数αbが0〜2.4×10-6-1であること/
或いはハニカム柱状体1の押出方向の熱膨張係数αaが
0〜2.4×10-6-1であるとき押出方向と垂直な方
向の熱膨張係数αbが−2.3×10-6〜0℃-1であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼルエンジン等の
燃焼機関から排出される排気ガスに含まれる粒子状の物
質を捕集する排ガスフィルタ及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球の環境問題が深刻化したこと
に伴い、ディーゼルエンジン等から排出される粒子状の
物質を焼結体からなる排ガスフィルタで除去する必要が
生じている。そして、このような排ガスフィルタの開発
が盛んに行われている。
【0003】従来、一般に排ガスフィルタとしては、使
用温度範囲での熱衝撃による疲労を起こさないように低
熱膨張係数、耐熱衝撃性の良好な材料が求められてい
る。このような性能を満たすセラミック基材として、コ
ージェライト焼結体(2MgO・2Al23 ・5Si
2 )が従来から知られている。このコージェライトの
結晶は、一般的に異方的な熱膨張をするものであって、
結晶の熱膨張がa軸では2.5×10-6-1,c軸では
−0.9×10-6-1である。しかし、実際排ガスフィ
ルタの熱膨張係数αは押出方向が0.4〜0.7×10
-6-1,押出方向と垂直な方向が0.9〜1.5×10
-6-1と、コージェライト粒子を略ランダム化して排ガ
スフィルタ全体を低熱膨張化している。
【0004】耐熱衝撃性に関して優れた他のセラミック
基材としては、チタン酸アルミニウム焼結体(Al2
3 ・TiO2 )がある。このチタン酸アルミニウム焼結
体はコージェライト焼結体の耐熱温度が1300℃であ
るのに対し1600℃と高い特徴を持つ。また、チタン
酸アルミニウム焼結体の結晶粒子の熱膨張係数αは、a
軸方向が11.8×10-6-1,b軸方向が19.4×
10-6-1,c軸方向が−2.6×10-6-1であっ
て、コージェライトと同様に異方性を示すものである。
排ガスフィルタに主成分がチタン酸アルミニウムからな
る粉末を用いて、前記粉末粒子を略ランダム化した技術
は先願の特許にて開示されている。この特許は、排ガス
フィルタの押出方向が約0.7×10-6-1,押出方向
と垂直な方向が約1.8×10-6-1で主成分がチタン
酸アルミニウムからなる粉末粒子を略ランダム化して排
ガスフィルタ全体の低熱膨張化を実現したものである。
【0005】ところで、排ガスフィルタで粒子状の物質
を捕集していくと捕集能力が次第に低下するため、所定
の捕集量に達すると排ガスフィルタを再生(粒子状の物
質の燃焼)しなければならない。排ガスフィルタの再生
は、主に電気ヒータ方式が用いられている。この方式
は、排ガスの入口側もしくは出口側に電気ヒータを設
置、加熱して粒子状の物質に着火させる。着火した後
は、供給空気によって燃焼温度をコントロールするもの
である。その際、粒子状の物質が燃焼している部分と燃
焼していない部分で熱勾配を生じる。しかし、この熱勾
配を生じてもコージェライトや先願特許の排ガスフィル
タは低熱膨張であるから、粒子状の物質の捕集量が少な
い場合(例えば、排ガスフィルタの容積1リッターあた
り5gの捕集)に繰り返し使用しても一応の熱衝撃に耐
えるものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のコージェライトからなる排ガスフィルタについて
は、排ガスフィルタの再生時に度々発生する異常燃焼に
よって溶損するという問題点があった。これは、現在の
技術においては粒子状の物質の捕集量を正確に検知でき
ず、目標捕集量に対して±40%の捕集量の変動が頻繁
に発生することに起因する。即ち、排ガスフィルタに設
定値より多くの粒子状物質が捕集された場合、再生時に
粒子状の物質の燃焼が急激に促進され、それに伴い温度
も急上昇する。コージェライトからなる排ガスフィルタ
が変形する温度は1400℃付近であるが、異常燃焼時
は排ガスフィルタ内部が1400℃付近の温度に達し溶
損を起こすのである。そして排ガスフィルタ内部で溶損
が発生すると形状変化に伴う粒子状の物質の捕集能力が
低下するばかりでなく、排ガスフィルタ内部で粒子状の
物質の捕集量の部分的なばらつきが起きるので新たな溶
損を誘発する可能性が大きく、さらに排ガスフィルタの
機能が低下してエンジンに異常をきたす結果になる。
【0007】一方、チタン酸アルミニウム焼結体はコー
ジェライト焼結体の耐熱温度が1300℃であるのに対
し1600℃と高く、排ガスフィルタの再生時に発生す
る異常燃焼に関して優れている。そこで、先願した特許
において主成分がチタン酸アルミニウムからなる粉末粒
子を略ランダム化し、押出方向の熱膨張係数を約0.7
×10-6-1(室温〜800℃)、押出方向と垂直な方
向の熱膨張係数を約1.8×10-6-1(室温〜800
℃)と低熱膨張化した。しかしながら、粒子状の物質の
捕集量が多い場合(例えば、排ガスフィルタの容積1リ
ッターあたり10gの捕集)、主成分がチタン酸アルミ
ニウムからなる粉末粒子が略ランダムの状態で存在して
いると、コージェライトに比べ異方性が大きいので前記
粒子間のクラックが激しく発生する。そのため、機械的
強度が次第に低下していき、排ガスフィルタが破壊へと
進展する傾向があった。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、高耐熱性のチタン酸アルミニウム焼結体の熱衝撃に
よる疲労を小さくして耐熱衝撃性を向上させ、高耐熱性
を実現する排ガスフィルタ及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の排ガスフィルタは、主成分がチタン酸アルミ
ニウムからなるハニカム柱状体を備え、ハニカム柱状体
の押出方向の熱膨張係数αaが−2.3×10-6〜0℃
-1(室温〜800℃)であるとき押出方向と垂直な方向
の熱膨張係数αbが0〜2.4×10-6-1(室温〜8
00℃)であること/或いはハニカム柱状体の押出方向
の熱膨張係数αaが0〜2.4×10-6-1(室温〜8
00℃)であるとき押出方向と垂直な方向の熱膨張係数
αbが−2.3×10-6〜0℃-1(室温〜800℃)で
ある構成を有している。
【0010】また、本発明の排ガスフィルタの製造方法
は、混合、混練、押出成形、乾燥、目封じ、焼成等から
なる排ガスフィルタの製造工程のうち、混合工程におい
て配合する主成分がチタン酸アルミニウムからなる粉末
が、平均粒子径10μm近傍の柱状粒子であり、柱状粒
子の長手方向が負の熱膨張係数であるとき長手方向と垂
直な方向が正の熱膨張係数である/或いは柱状粒子の長
手方向が正の熱膨張係数であるとき長手方向と垂直な方
向が負の熱膨張係数であること、且つ主成分がチタン酸
アルミニウムからなる粉末100重量部に対し平均粒子
径42〜61μmの造孔剤粉末を20重量部添加する構
成を有している。
【0011】
【作用】本発明の排ガスフィルタは、主成分がチタン酸
アルミニウムからなるハニカム柱状体を備え、前記ハニ
カム柱状体の押出方向の熱膨張係数αaが−2.3×1
-6〜0℃-1(室温〜800℃)であるとき押出方向と
垂直な方向の熱膨張係数αbが0〜2.4×10-6-1
(室温〜800℃)であること/或いは前記ハニカム柱
状体の押出方向の熱膨張係数αaが0〜2.4×10-6
-1(室温〜800℃)であるとき押出方向と垂直な方
向の熱膨張係数αbが−2.3×10-6〜0℃-1(室温
〜800℃)であるから、熱膨張・熱収縮時に主成分が
チタン酸アルミニウムからなる粉末粒子間に応力を生じ
にくくして排ガスフィルタとしてのクラックを抑制する
ことができる。
【0012】また、本発明の排ガスフィルタの製造方法
は、混合、混練、押出成形、乾燥、目封じ、焼成等から
なる排ガスフィルタの製造工程のうち、前記混合工程に
おいて配合する主成分がチタン酸アルミニウムからなる
粉末が、平均粒子径10μm近傍の柱状粒子であり、前
記柱状粒子の長手方向が負の熱膨張係数であるとき長手
方向と垂直な方向が正の熱膨張係数である/或いは前記
柱状粒子の長手方向が正の熱膨張係数であるとき長手方
向と垂直な方向が負の熱膨張係数であること、且つ前記
主成分がチタン酸アルミニウムからなる粉末100重量
部に対し平均粒子径42〜61μmの造孔剤粉末を20
重量部添加しているので、排ガスフィルタの熱膨張係数
を押出方向とその垂直な方向に正と負の適切な値を設定
できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例の排ガスフィルタ及
びその製造方法について説明する。図1は本発明の一実
施例における排ガスフィルタを示す斜視図、図2は本発
明の一実施例における排ガスフィルタの格子の拡大断面
図、図3は本発明の一実施例における排ガスフィルタの
格子を目封じした拡大断面図である。図1、図2及び図
3において、1は排ガスフィルタを構成するハニカム柱
状体であり、格子2、格子孔3、ピッチ4、目封じ材5
を備えている。6は排ガスの流れである。格子2内に設
けられた気孔が排出されるガスに含まれる粒子状の物質
を捕集する。そしてハニカム柱状体1には多数の気孔が
形成されている。ハニカム柱状体1の格子孔3は四角形
のほか、六角形等の多角形や円形等であってもよい。
【0014】本実施例における押出し成形したハニカム
柱状体1の寸法は、円柱の直径がφ144mm,格子2
の厚みが0.4mm、格子孔3間のピッチ4が4mm、
円柱の長さが155mmである。そして、ハニカム柱状
体1の一端の格子孔3へ構造体と同じ材料を図3に示す
ようなパターンで円柱の長さ方向に7〜10mm程度充
填して目封じ材5を形成させ、更に、他端側は一端で目
封じ材5が形成されていない格子孔3に一端と同様なパ
ターンで同じ材料を充填して目封じ材5を形成させてい
る。
【0015】本発明の排ガスフィルタがどの様な構成か
説明するために、まず本実施例に用いた主成分がチタン
酸アルミニウムからなる粉末粒子について詳細に説明す
る。
【0016】本実施例に使用したものは2種類で、粒子
形状は柱状である。押出成形において、この柱状粒子の
長手方向が押出方向へ配向する傾向にあるため、排ガス
フィルタの押出方向の熱膨張は柱状粒子の長手方向の熱
膨張に依存する。従って、柱状粒子の長手方向が正の熱
膨張であれば、排ガスフィルタの押出方向も正の熱膨張
となり、逆に柱状粒子の長手方向が負の熱膨張であれ
ば、排ガスフィルタの押出方向も負の熱膨張となる。実
際に、チタン酸アルミニウムの結晶のa軸やc軸が柱状
方向となり粒成長した粉末2種類を入手したので、本実
施例に用いた。これら2種類の粉末は粒子径を揃えるた
め、粉砕操作によって平均粒子径約10μmへ調製し
た。
【0017】
【表1】
【0018】試料1と2について、主成分がチタン酸ア
ルミニウムからなる粉末はチタン酸アルミニウム結晶の
a軸が柱状方向となり粒成長したもので、(表1)では
その種類をAと示した。また試料3と4については、チ
タン酸アルミニウム結晶のc軸が柱状方向となり粒成長
したもので、(表1)ではその種類をBと示した。
【0019】ここで実施例の主成分がチタン酸アルミニ
ウムからなる粉末の平均粒子径を10μm近傍としたの
は、平均粒子径を小さく(平均粒子径、約3μm以下)
し過ぎると焼成による収縮が極端に大きくなってハニカ
ム柱状体1に変形を生じるからである。また、平均粒子
径を大きく(平均粒子径、約25μm以上)し過ぎると
焼成による焼結反応が悪くハニカム柱状体1の強度が低
下するからである。平均粒子径10μm近傍というのは
このような主旨から定まる平均粒子径が10μmの前後
数μmの範囲である。平均粒子径はレーザー式粒度分布
計を用いて計測した。
【0020】次に、本実施例における製造方法について
説明する。(表1)の実施例の試料1〜4に示すよう
に、平均粒子径10μm近傍の主成分がチタン酸アルミ
ニウムからなる粉末100重量部に対して、平均粒子径
約61、42μmの造孔剤粉末を20重量部、結合剤を
8〜10重量部、可塑剤を3〜5重量部、水26〜31
重量部の割合でミキサーや混練機によって混合・混練す
る。ここで、造孔剤粉末は粉末樹脂、結合剤はメチルセ
ルロース、可塑剤はグリセリンである。
【0021】続いて、混練物を真空押出し成形装置に投
入して、ハニカム柱状体1の様な形状に押出し成形し、
成形体を乾燥し、成形体の両端の格子孔3に目封じ材5
を交互に充填し、更に焼成炉で造孔剤粉末を分解及び酸
化させる温度範囲の昇温速度を5℃/時間で処理した後
に、更に昇温し1500℃の焼成温度で焼結させて排ガ
スフィルタを形成するものである。
【0022】以上のような方法で製造した本実施例のハ
ニカム柱状体1は、造孔剤粉末の焼失によって形成され
た平均気孔径が15〜24μm、気孔率が41%〜46
%の気孔を有する。この平均気孔径と気孔率は水銀ポロ
シメータにて測定した。
【0023】本実施例の主成分がチタン酸アルミニウム
からなる粉末粒子の配向性と排ガスフィルタとしての耐
熱衝撃性のレベルを知るために、本実施例の試料1〜4
の他に比較例として試料5〜7を用意して実験した。
【0024】これら比較例の試料5〜7の製造方法は実
施例の製造方法と基本的に同じである。しかし、試料5
と6については造孔剤粉末に平均粒子径25μmの粉末
樹脂を用い、試料7については主成分がチタン酸アルミ
ニウムからなる粉末ではあるが、粒子形状が柱状でなく
丸みがあるものを用いた。この粉末についても、粉砕操
作によって平均粒子径を約10μmに調製し、(表1)
ではその種類をCと示した。
【0025】以下、本発明の実施例と比較例の実験結果
について説明する。まず、熱膨張係数について説明す
る。
【0026】各試料のハニカム柱状体1の押出方向とそ
の垂直な方向の熱膨張係数を室温〜800℃の範囲でそ
れぞれ測定した。そして、垂直な方向の熱膨張係数は押
出方向と垂直な異なる2方向から測定したところのデー
タを示す。測定結果を(表1)に示す。実施例の試料1
と2の熱膨張係数は押出方向が1.3〜2.4×10 -6
-1、垂直な方向が−2.3〜−1.3×10-6-1
ある。また、試料3と4の熱膨張係数は押出方向が−
2.3〜−1.3×10-6-1、垂直な方向が1.3〜
2.4×10-6-1である。比較例の試料6と7の熱膨
張係数の絶対値は押出方向、垂直な方向とも約3.2×
10-6-1と高い値である。このように柱状の主成分が
チタン酸アルミニウムからなる粉末を用いることで、結
晶粒子のa軸やc軸が押出方向に配向され、押出方向と
その垂直な方向の熱膨張係数が正と負の値に分かれる。
また、熱膨張係数の大きさは、造孔剤粉末の粒子径が大
きくなるに従い小さくなる傾向がある。その理由は、主
成分がチタン酸アルミニウムからなる粉末の平均粒子径
が約10μmであり、これより大きい造孔剤粉末が成形
圧力で生じるせん断力を吸収し、主成分がチタン酸アル
ミニウムからなる粉末粒子の配向性を抑えられるためで
ある。
【0027】比較例の試料7の熱膨張係数は押出方向が
1.6×10-6-1、垂直な方向が1.8×10-6-1
である。これは、試料1〜6と異なり押出方向と垂直な
方向ともに正の熱膨張係数を示した。理由は、主成分が
チタン酸アルミニウムからなる粉末が柱状粒子でなく、
基本的に配向性を示さない粒子を用いたためである。
【0028】次に、圧力損失について説明する。捕集再
生試験装置を用いて捕集時の圧力損失を測定した。捕集
再生試験装置の構成は、捕集入口側に熱風発生部とアセ
チレンカーボン噴霧部、捕集出口側にアセチレンカーボ
ンを燃焼(粒子状の物質の代わりにアセチレンカーボン
を使用)させる電気ヒータ部と空気供給部とスモークメ
ータ部(アセチレンカーボンの漏れた量を検知)、格子
孔3の中に熱電対を挿入し温度を測定する温度測定部、
捕集入口側と出口側の圧力差を検出する圧力測定部を備
えている(図示せず)。捕集方法について、ハニカム柱
状体1内の温度が熱風により約300℃に安定してか
ら、アセチレンカーボンを30分間かけて排ガスフィル
タの容積1リッターあたり10gの量(約25g)を捕
集した。本実施例では、圧力損失の定義を、捕集終了直
前の捕集入口側と出口側の圧力差とした。(表1)か
ら、試料1〜7は910〜1140mmaqの圧力損失
であり、本実施例において実用可能な範囲であった。
【0029】次に、再生回数について説明する。排ガス
フィルタの再生は、前記捕集再生試験装置でアセチレン
カーボンの捕集が終了した後に、電気ヒータでアセチレ
ンカーボンを燃焼した。この捕集・再生のサイクルを再
生回数1回とし、サイクルを繰り返す中でスモークメー
タの値が大幅に上昇したころの回数を寿命が到来した時
の回数とした。そしてその再生回数を耐熱衝撃性とし
た。また、再生回数が100回に到達した場合は、十分
な耐熱衝撃性があるとして実験を終了した。結果を(表
1)に示す。
【0030】実施例の試料1〜4では再生回数が100
回に到達しており耐熱衝撃性は良好である。その理由を
以下に説明する。前記したように試料1〜4の熱膨張係
数は、押出方向が1.3〜2.4×10-6-1或いは−
2.3〜−1.3×10-6 -1、垂直な方向が垂直2方
向とも−2.3〜−1.3×10-6-1或いは1.3〜
2.4×10-6-1と、押出方向とその垂直な方向の熱
膨張係数が正負反対の値を示し、且つ熱膨張係数の絶対
値が2.4×10-6-1以下と小さい。例えば、試料2
ついての押出方向とその垂直な方向の熱膨張係数の差は
約4.7×10 -6-1であるが、熱膨張・熱収縮時の粒
子間が受ける応力はこの場合あまり大きくない。それ
は、押出方向は膨張し垂直方向は収縮するので、粒子間
隔があまり変化しないためである。この様に、押出方向
や垂直方向に配向させ粒子間クラックの発生を抑制して
いるため、排ガスフィルタとしての強度劣化の速度を大
幅に遅らせることができる。ここで、試料7の熱膨張係
数は1.8×10-6-1以下で、押出方向とその垂直な
方向は同じ正の値である。この場合、熱膨張・熱収縮時
の粒子間が受ける応力は大きい。
【0031】その理由を以下説明する。排ガスフィルタ
のクラックは、排ガスフィルタ内部で粒子状の物質が局
部的に異常燃焼を起こすとき最も生じやすい。ここで、
押し出し方向とその垂直方向がともに正の熱膨張である
排ガスフィルタに局部的な異常燃焼が発生した場合、高
温部のセラミック基材粒子は押し出し方向と垂直方向に
膨張していき、セラミック基材粒子の間隔はより大きく
なろうとしている。しかし、本発明の排ガスフィルタの
場合、押し出し方向が正の熱膨張のときにその垂直方向
が負の熱膨張である/或いは押し出し方向が負の熱膨張
のときにその垂直方向が正の膨張であるためにセラミッ
ク基材の粒子同士の間隔はあまり大きくならない。従っ
て、本発明の排ガスフィルタの法が粒子間に作用する応
力が極端に小さいといえる。
【0032】なお、本実施例では示さなかったが、熱膨
張係数が押出方向で0〜1.3×10-6-1の時垂直方
向で−1.3〜0×10-6-1の場合において、または
押出方向で−1.3〜0×10-6-1の時垂直方向で0
〜1.3×10-6-1の場合においても十分な耐熱衝撃
を持つといえる。それは、前記したように押出方向と垂
直方向の熱膨張係数が正負反対で且つ小さい値であれば
熱膨張・熱収縮時に粒子間が受ける応力が小さくなると
予想される。
【0033】以上の実験結果からわかるように、本実施
例の排ガスフィルタは、押出し成形において圧力によっ
て生じるせん断力を主成分がチタン酸アルミニウムから
なる10μm近傍の柱状粒子と造孔剤粉末が受けると、
このせん断力を平均粒子径42μm〜61μmの造孔剤
粉末がある程度吸収し、主成分がチタン酸アルミニウム
からなる粉末はせん断されることが少なく適切な配向性
を有するものである。この配向性によって、熱膨張係数
が−2.3〜2.4×10-6-1の範囲に収まり、耐熱
衝撃性を向上させることができる。また、セラミック基
材に主成分としてチタン酸アルミニウムを使用している
から、異常燃焼に対して溶損する可能性が極めて小さ
く、耐熱性にも優れている。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明の排ガスフィルタで
は、主成分がチタン酸アルミニウムからなるハニカム柱
状体を備え、前記ハニカム柱状体の押出方向の熱膨張係
数αaが−2.3×10-6〜0℃-1(室温〜800℃)
であるとき押出方向と垂直な方向の熱膨張係数αbが0
〜2.4×10-6-1(室温〜800℃)であること/
或いは前記ハニカム柱状体の押出方向の熱膨張係数αa
が0〜2.4×10-6- 1(室温〜800℃)であると
き押出方向と垂直な方向の熱膨張係数αbが−2.3×
10-6〜0℃-1(室温〜800℃)であるから、繰り返
される熱衝撃による疲労は小さく、耐熱衝撃性を改善で
きる。これによって、排ガスフィルタにチタン酸アルミ
ニウムの適用が可能なので、高耐熱性も実現させること
ができる。
【0035】また、本発明の排ガスフィルタの製造方法
は、混合、混練、押出成形、乾燥、目封じ、焼成等から
なる排ガスフィルタの製造工程のうち、前記混合工程に
おいて配合する主成分がチタン酸アルミニウムからなる
粉末が、平均粒子径10μm近傍の柱状粒子であり、前
記柱状粒子の長手方向が負の熱膨張係数であるとき長手
方向と垂直な方向が正の熱膨張係数であること/或いは
前記柱状粒子の長手方向が正の熱膨張係数であるとき長
手方向と垂直な方向が負の熱膨張係数であるので、排ガ
スフィルタの熱膨張に関して押出方向が負の値の時その
押出方向に垂直な方向が正の値にでき、押出方向が正の
値の時その押出方向に垂直な方向が負の値にでき、且つ
熱膨張係数を−2.3〜2.4×10-6-1の範囲に抑
えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における排ガスフィルタを示
す斜視図
【図2】本発明の一実施例における排ガスフィルタの格
子の拡大断面図
【図3】本発明の一実施例における排ガスフィルタの格
子を目封じした拡大断面図
【符号の説明】
1 ハニカム柱状体 2 格子 3 格子孔 4 ピッチ 5 目封じ材 6 排ガスの流れ
フロントページの続き (72)発明者 渡辺 浩一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分がチタン酸アルミニウムからなるハ
    ニカム柱状体を備え、前記ハニカム柱状体の押出方向の
    熱膨張係数αaが−2.3×10-6〜0℃-1(室温〜8
    00℃)であるとき押出方向と垂直な方向の熱膨張係数
    αbが0〜2.4×10-6-1(室温〜800℃)であ
    ること/或いは前記ハニカム柱状体の押出方向の熱膨張
    係数αaが0〜2.4×10-6-1(室温〜800℃)
    であるとき押出方向と垂直な方向の熱膨張係数αbが−
    2.3×10-6〜0℃-1(室温〜800℃)であること
    を特徴とする排ガスフィルタ。
  2. 【請求項2】混合、混練、押出成形、乾燥、目封じ、焼
    成等からなる排ガスフィルタの製造工程のうち、前記混
    合工程において配合する主成分がチタン酸アルミニウム
    からなる粉末が、平均粒子径10μm近傍の柱状粒子で
    あり、前記柱状粒子の長手方向が負の熱膨張係数である
    とき長手方向と垂直な方向が正の熱膨張係数である/或
    いは前記柱状粒子の長手方向が正の熱膨張係数であると
    き長手方向と垂直な方向が負の熱膨張係数であること、
    且つ前記主成分がチタン酸アルミニウムからなる粉末1
    00重量部に対し平均粒子径42〜61μmの造孔剤粉
    末を20重量部添加することを特徴とする排ガスフィル
    タの製造方法。
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