JPH09299731A - 排ガスフィルタ - Google Patents

排ガスフィルタ

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JPH09299731A
JPH09299731A JP8118696A JP11869696A JPH09299731A JP H09299731 A JPH09299731 A JP H09299731A JP 8118696 A JP8118696 A JP 8118696A JP 11869696 A JP11869696 A JP 11869696A JP H09299731 A JPH09299731 A JP H09299731A
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JP
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ceramic
exhaust gas
gas filter
ceramic wall
thickness
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JP8118696A
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English (en)
Inventor
Shinji Wada
信二 和田
Nobuaki Nagai
伸明 永井
Yuichi Murano
雄一 村野
Koichi Watanabe
浩一 渡辺
Yukinori Ikeda
幸則 池田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生時に発生する熱応力によるセラミック壁
の交差部分近傍でのクラックの発生を防止した排ガスフ
ィルタを提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の排ガスフィルタは、主成分がチ
タン酸アルミニウムからなるセラミック壁4で仕切られ
てセラミック格子2を形成しているハニカム柱状体であ
って、セラミック格子2からなるセル形状が四角形であ
り、セラミック壁4の交差部分の近傍以外のセラミック
壁4の厚みTはハニカム柱状体内部でほぼ一定であり、
セラミック壁4の交差部分近傍のセラミック壁4の厚み
がそれ以外のセラミック壁4よりも厚い構成としたこと
により、再生時に発生する熱応力によるセラミック壁4
の交差部分近傍でのクラックの発生を防止することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する分野】本発明は、ディーゼルエンジン等
の燃焼機関から排出される排気ガスに含まれる粒子状物
質を捕集する排ガスフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球の環境問題が深刻化したこと
に伴い、ディーゼルエンジン等から排出される粒子状物
質を排ガスフィルタ等で除去する技術が必要とされてお
り、排ガスフィルタの開発が盛んに行われている。
【0003】一般に、排ガスフィルタは多数のオープン
ポアをセラミック壁に有するセラミック格子で構成され
たハニカム柱状体である。また、排ガスフィルタは後記
するように1セルごとに目封じが存在しており、この目
封じは他端面においても逆パターンで1セルごとに存在
している。この様な構造を有した排ガスフィルタ内部に
排ガスが入ると、排ガスはセラミック壁のオープンポア
を通じて隣のセルへ移動し排出される。その際、排ガス
中に含まれている粒子状物質は濾過されるので、排ガス
フィルタ内部に捕集される。その後、排ガスフィルタは
フィルタとしての機能を失う前に所定の捕集量に達した
際に粒子状物質の燃焼(排ガスフィルタの再生)が行わ
れる。この様に、排ガスフィルタは粒子状物質の捕集,
排ガスフィルタの再生のサイクルで使用される。
【0004】排ガスフィルタの再生は、主に電気ヒータ
方式で行われている。この方式は、排ガスの入口側もし
くは出口側に電気ヒータを設置、加熱して粒子状物質に
着火させる。着火した後は、供給空気によって燃焼温度
をコントロールするものである。その際、粒子状物質が
燃焼している部分と燃焼していない部分で熱勾配を生じ
るため、排ガスフィルタには熱勾配によって発生する熱
応力にも耐える低熱膨張,高耐熱衝撃性の材料が求めら
れる。
【0005】排ガスフィルタとしての条件を満たす材料
としては、一般にコージェライトが知られている。しか
し、コージェライトからなる排ガスフィルタについて
は、排ガスフィルタの再生時に発生する異常燃焼(通常
の粒子状物質の燃焼温度に比べ非常に高い温度で燃焼さ
れること)によって、溶損するという問題がある。この
ことは、現在の技術において粒子状物質の捕集量を正確
に検知できず、目標捕集量に対して±40%の捕集量の
変動が頻繁に発生することに起因する。即ち、排ガスフ
ィルタに設定値より多くの粒子状物質が捕集された場
合、再生時に粒子状物質の燃焼が急激に促進され、それ
に伴い温度も急上昇する。コージェライトからなる排ガ
スフィルタが形状をとどめる温度は約1400℃である
が、異常燃焼時は排ガスフィルタ内部が1400℃付近
の温度に達し溶損を起こすのである。そして排ガスフィ
ルタ内部で溶損が発生すると形状変化に伴う粒子状物質
の捕集能力が低下するばかりでなく、排ガスフィルタ内
部で粒子状物質の捕集量の部分的なばらつきが起きるの
で新たな溶損を誘発する可能性が大きく、更に排ガスフ
ィルタの機能が低下してエンジンに異常をきたす結果に
なる。
【0006】ところで、耐熱衝撃性に関して優れた他の
セラミック基材としてチタン酸アルミニウムがある。こ
のチタン酸アルミニウムは、コージェライトの溶融温度
が約1400℃であるのに対し1600℃以上と高耐熱
性であるため、排ガスフィルタの再生時に発生する異常
燃焼に関して優れている。しかし、チタン酸アルミニウ
ムは結晶軸の異方性によるマイクロクラックで低熱膨張
となるため、一般に機械的強度が低い。
【0007】チタン酸アルミニウムの強度を向上するた
めに、特開昭63−11585公報にはSiO2:1〜
10wt%,Al23:1〜10wt%,Fe23
0.1〜5wt%を含んだチタン酸アルミニウムの多孔
質成形体の技術が開示されている。また、先願の特許で
はチタン酸アルミニウムの粒子径の比率を限定した排ガ
スフィルタの技術を開示している。これらの方法は、機
械的強度を高めることができるため耐熱衝撃性や耐振動
性に対して効果はある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ハニカ
ム柱状体内部のセラミック壁の厚みがほぼ一定でセル形
状が四角形である主成分がチタン酸アルミニウムからな
る排ガスフィルタにおいては、材料の強度向上が実現で
きたとしても、セラミック自体の強度を十分に発揮でき
ないままクラックが発生してしまう。そのクラックは排
ガスフィルタを再生する際に生じる熱応力によってハニ
カム柱状体のセラミック壁に発生するのではなくセラミ
ック壁の交差部分近傍に発生しやすい傾向にあり、セラ
ミック壁の交差部分近傍で発生したクラックは熱膨張と
収縮の繰り返しにより進行してしまうという課題を有し
ていた。
【0009】本発明は以上の課題を解決し、再生時に発
生する熱応力によるセラミック壁の交差部分近傍でのク
ラックの発生を防止した排ガスフィルタを提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この問題を解決するため
に本発明は、主成分がチタン酸アルミニウムからなるセ
ラミック壁で仕切られてセラミック格子を形成している
ハニカム柱状体であって、セラミック格子からなるセル
形状が四角形であり、セラミック壁の交差部分の近傍以
外のセラミック壁の厚みtはハニカム柱状体内部でほぼ
一定であり、セラミック壁の交差部分近傍のセラミック
壁の厚みがそれ以外のセラミック壁の厚みtよりも大き
い構成としたものである。
【0011】この発明によれば、再生時に発生する熱応
力によるセラミック壁の交差部分近傍でのクラックの発
生を防止した排ガスフィルタを提供することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、主成分がチタン酸アルミニウムからなるセラミック
壁で仕切られてセラミック格子を形成しているハニカム
柱状体であって、セラミック格子からなるセル形状が四
角形であり、セラミック壁の交差部分の近傍以外のセラ
ミック壁の厚みはハニカム柱状体内部でほぼ一定であ
り、セラミック壁の交差部分近傍のセラミック壁の厚み
がそれ以外のセラミック壁の厚みよりも厚い構成とした
ものであり、再生時に発生する熱応力によるセラミック
壁の交差部分近傍でのクラックの発生を防止できるとい
う作用を有する。
【0013】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1において、対向するセラミック壁間の距離Labと、交
差するセラミック壁の厚みがほぼ一定である部分の長さ
Ltabとの間に、Ltab/Lab=0.80〜0.95の関
係が成り立つ構成としたものであり、再生時に発生する
熱応力によるセラミック壁の交差部分近傍でのクラック
の発生を防止できるという作用を有する。
【0014】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1、2いずれか1において、セラミック壁の交差部分の
断面形状が略円形を含む構成としたものであり、再生時
に発生する熱応力によるセラミック壁の交差部分近傍で
のクラックの発生を防止できるという作用を有する。
【0015】以下、本発明の実施の形態について図1〜
図6を参照しながら説明する。 (実施の形態)図1は本発明の一実施の形態による排ガ
スフィルタの斜視図である。図2は本発明の一実施の形
態による排ガスフィルタの拡大部分断面図であり、図1
のA−A線で切断したものの部分拡大断面図である。図
3〜図5は本発明の一実施の形態による排ガスフィルタ
のセラミック格子の部分拡大図であり、図6は比較例の
排ガスフィルタの部分拡大図である。図1〜図6におい
て、1は排ガスフィルタを構成するハニカム柱状体であ
り、セラミック格子2、目封じ3、セラミック壁4を備
えている。また、矢印Bは排ガスの流れを示し、Lはセ
ラミック格子2間の距離、Tはセラミック壁4の厚みで
ある。排ガスは、図2における矢印Bのようにセラミッ
ク格子2に入り、セラミック壁4に形成されたオープン
ポアを通じて隣接するセラミック格子2へ移動し排出さ
れる。その際、排出ガス中に含まれる粒子状物質はセラ
ミック壁4によって濾過され排ガスフィルタ内部に捕集
される。
【0016】本実施の形態における押出成形したハニカ
ム柱状体1の寸法は、円柱の直径φを約144mm、円
柱の長さを152mm、セラミック壁4の厚みTを約
0.45mm、セラミック格子2間の距離Lを約2mm
となるように形成されている。そして、円柱の長さ方向
の一端にハニカム柱状体1と同じ材料(乾燥・焼成の収
縮率が一致すれば、材料の化学組成が若干異なってもよ
い)をセラミック格子2内に長さ5〜10mm程度充填
し、更に、他端のセラミック格子2内には一端で目封じ
3が形成されていないセラミック格子2内に、一端と同
様に同じ材料を充填して図1のような排ガスフィルタを
形成させる。
【0017】以下、本実施の形態の製造方法について説
明する。まず、排ガスフィルタのセラミック基材となる
チタン酸アルミニウム質粉末と、オープンポアを形成さ
せるための造孔剤と、チタン酸アルミニウム質粉末と造
孔剤粉末を坏土状にするための結合剤とをミキサーに投
入し乾式混合し混合粉末を作製する。次に、混合粉末に
可塑剤と水を加えてニーダー、更に3本ローラによって
混練して坏土状物を作製する。ここで使用したチタン酸
アルミニウム質粉末は、シリカを約5%含有している。
また、造孔剤には樹脂粉末、結合剤にはメチルセルロー
ス、可塑剤にはグリセリンを使用し、それぞれの添加量
は一定にした。
【0018】次に、作成した坏土状物を真空押出成形装
置に投入する。投入された坏土状物は、混練,真空脱気
され真空押出成形装置の先端に取り付けられたハニカム
ダイスを通過し、ハニカム柱状体1が形成される。次い
で、押出成形したハニカム柱状体1を所定の温度で乾燥
し硬化させる。次いで、ハニカム柱状体1の両端面に交
互に目封じ3を充填する。更に、電気炉にて焼成するこ
とにより、造孔剤の焼失とチタン酸アルミニウム質粉末
の焼結を行う。焼成過程において、造孔剤が焼失する温
度範囲の昇温速度は10℃/時間で処理し、焼成温度,
焼成時間は1500℃,4時間とした。ここで、造孔剤
が焼失する温度範囲の昇温速度を10℃/時間に設定し
た理由は、昇温速度があまり大きすぎると造孔剤の分解
及び酸化反応が急激に起こり、セラミック壁4にクラッ
クが発生するためである。また、焼成温度を1500℃
にした理由は、焼成温度が低すぎる(約1400℃以
下)とドメイン組織を形成せず材料が低熱膨張化しない
ためである。
【0019】次に、押出成形用のハニカムダイスについ
て説明する。使用したハニカムダイスは4タイプであ
る。これらのハニカムダイスは坏土状物が通過するスリ
ットの形状が異なり、押出成形されたセラミック格子2
は図3〜図6の形状となる。このように、セラミック格
子2の形状はハニカムダイスのスリットの形状で決定さ
れる。図6のようにセラミック格子2を作製した比較例
については、セル形状が正方形で、セラミック壁4の厚
みTがほぼ一定(約0.45mm)である。この場合、
使用したハニカムダイスは、図6のセラミック壁4のパ
ターンとなるようにスリットが加工されている。一方、
図3〜図5のようにセラミック格子2を作製した実施例
及び比較例については、セル形状が正方形に近くてセラ
ミック壁4の厚みTもほぼ一定(約0.45mm)の部
分が多いが、セラミック壁4の交差部分近傍のセラミッ
ク壁4の厚みがそれ以外のセラミック壁の厚みTよりも
厚い。この場合、使用したハニカムダイスは、図3〜図
5のセラミック壁4のパターンとなるようにそれぞれス
リットが加工されている。ハニカムダイスのスリットの
交差部分の加工について、図3に使用したハニカムダイ
スはドリル式穴あけで、図4〜図5に使用したハニカム
ダイスは放電研磨のあと加工で行った。後者について
は、セラミック格子2の1つのセルにおいて、対向する
セラミック壁4間の距離をLab、セラミック壁4の厚み
Tがほぼ一定の部分の長さをLtabとすれば、まずLtab
/Labの値が最も大きくなるようにハニカムダイスを作
製し(Ltab/Lab=0.95)、そのハニカムダイス
で一度押出成形し、更に放電研磨してLtab/Labの値
を下げていく。これを繰り返して、最後にはLtab/La
b=0.70になるようにした。
【0020】このような製造方法で製造されたハニカム
柱状体1の特性は、平均気孔径が約11μm、気孔率が
約36%であった。なお、このデータは、水銀ポロシメ
ータにて測定したものである。(表1)に実施例と比較
例の結果を示した。
【0021】
【表1】
【0022】次に、本実施の形態の排ガスフィルタにつ
いて、圧力損失、機械的強度、耐熱衝撃性がどのような
ものであるかを、(表1)に示した実施例と比較例の実
験結果について説明する。
【0023】(1)圧力損失 排ガスフィルタの圧力損失とは、排ガスフィルタの排ガ
ス入口側の圧力と出口側の圧力の差をいう。排ガスフィ
ルタの初期の圧力損失が大きすぎる場合、粒子状物質を
捕集する際に圧力損失の上昇が大きいので、粒子状物質
の捕集量は低い方に限定されてしまう。また、排ガスフ
ィルタの初期の圧力損失が小さすぎる場合、排ガスフィ
ルタの機械的強度が小さくなる(材料がチタン酸アルミ
ニウムであると顕著)ので、粒子状物質の捕集または燃
焼の際にセラミック格子2にクラックが発生する可能性
を高めてしまう。従って、排ガスフィルタの圧力損失に
は適正な範囲がある。圧力損失に影響する因子として
は、セラミック壁4の厚みT,セラミック壁4の平均気
孔径や気孔率,排ガスフィルタの濾過面積があげられ
る。実施例及び比較例では、セラミック壁4の厚みT,
セラミック壁4の平均気孔径や気孔率は前述したように
一定として行った。
【0024】排ガスフィルタの圧力損失については、圧
力損失測定装置を用いて測定した。圧力損失測定装置は
ブロアー部,空気流量調節部,排ガスフィルタ固定治
具,差圧計(水)からなる(図示せず)。なお、測定中
の空気流量は3m3/minに設定した。
【0025】結果を(表1)に示す。試料8〜10は、
従来のセラミック格子形状である試料7の79mmAq
に比べ110mmAq以上とかなり大きくなった。一
方、試料1〜6は、従来の試料7に比べ81〜96mm
Aqと若干大きくなった。試料8〜10と試料1〜6の
圧力損失のレベルが異なる理由は、濾過面積の違いによ
る。試料1〜6のLtab/Labは0.80〜0.95で
ありセラミック壁4の交差部分が比較的小さいのに対
し、試料8〜10のLtab/Labは0.70でありセラ
ミック壁4の交差部分が大きい。セラミック壁4の交差
部分は殆ど濾過機能を果たしていないので、セラミック
壁4の交差部分が大きすぎると、濾過面積が減り圧力損
失を引き上げてしまう。
【0026】(2)機械的強度 主成分がチタン酸アルミニウムからなる排ガスフィルタ
の課題は、前述したように粒子状物質の燃焼中に発生す
るクラックである。クラックは主にセラミック壁4の交
差部分において剥離するような状態で進行しており、粒
子状物質の燃焼中に引張応力,圧縮応力がセラミック壁
4の交差部分に集中したと考えられる。そこで、実施例
及び比較例では、破壊部分を確認するために機械的強度
は引張強度として評価した。また、測定方向は、排ガス
が流れる流路方向,流路方向に対し垂直方向である層方
向,の2方向とした。測定装置は万能試験機を、試料は
ハニカム柱状体1を所定の寸法に細かく切断したものを
使用した。測定回数は10回以上とし、引張強度の平均
値と主な破壊部分(層方向測定時)を調べた結果を(表
1)に示した。
【0027】試料1〜6及び試料8〜10の流路方向の
引張強度は、従来の試料7の24kgf/cm2に比べ
高く、耐熱衝撃性が向上される傾向にある。また、層方
向の引張強度についても同様な傾向にある。ここで、流
路方向の引張強度はLtab/Labが小さくなる(セラミ
ック格子2の断面積が大きくなる)に伴い徐々に大きく
なるが、層方向の引張高度は従来の試料7が4.6kg
f/cm2であるのに対し、試料1〜6及び試料8〜1
0は6.7〜7.2kgf/cm2の範囲で一定してい
る。層方向測定時の破壊の傾向をみても、従来の試料7
がセラミック壁4の交差部分近傍で剥離するように破壊
しているのに対し、他の試料がセラミック壁4の交差部
分近傍ではなくセラミック壁4で破壊している。このこ
とは、試料1〜6及び試料8〜10についてセラミック
壁4の交差部分近傍の引張強度がセラミック壁4(厚み
約0.45mmで一定の部分)の引張強度より大きくな
っており、セラミック壁4の交差部分近傍が引張応力に
対し強くなっているといえる。
【0028】(3)耐熱衝撃性 捕集再生試験装置を用いて排ガスフィルタの耐熱衝撃性
を調べた。捕集再生試験装置の構成は、捕集入口側にア
セチレンカーボン噴霧部、出口側にアセチレンカーボン
を燃焼(排ガスフィルタの再生)させる電気ヒータ部と
空気供給部とアセチレンカーボンの漏れを検知するスモ
ーク測定部、格子2の中に熱電対を挿入し温度を測定す
る温度測定部、捕集入口側と出口側の圧力差を検出する
圧力損失測定部を備えている(図示せず)。スモーク測
定値は、ペーパーにアセチレンーカーボンを吹き付ける
前のペーパー表面の輝度Lx0と吹き付けた後のペーパ
ー表面の輝度Lxから(Lx0−Lx)/Lx0を求め、
これを百分率で表したものである。
【0029】捕集再生試験は、アセチレンカーボンを一
定時間捕集した後に、電気ヒータと供給空気で排ガスフ
ィルタ内部の温度コントロールをしながらアセチレンカ
ーボンを燃焼させて再生する。この捕集・再生のサイク
ルを1回とし、100回繰り返した。試験条件は、捕集
量約10g/l,電気ヒータ温度600〜700℃,供
給空気量約60l/minである。
【0030】100回目の捕集時に測定したスモーク値
の結果を(表1)に示す。従来の試料7についてはスモ
ーク値が4.2%であるのに対し、試料1〜6及び試料
8〜10についてはスモーク値が0.1〜0.4%であ
った。ここで、実施例及び比較例で使用したスモークメ
ーター(スモーク測定部に設置)はある程度の誤差を生
じ、その誤差範囲は約0.5%である。従って、試料1
〜6及び試料8〜10のスモーク値は誤差範囲であり、
ほとんどのアセチレンカーボンが排ガスフィルタによっ
て捕集されていると考えてよい。しかし、試料7のスモ
ーク値は4.2%であるので、排ガスフィルタのクラッ
クによりアセチレンカーボンが抜けているといえる。
【0031】捕集・再生を100回行った後、装置を分
解して排ガスフィルタの状態を確認した。試料7の排ガ
スフィルタにはセラミック壁4の交差部分に層剥離のよ
うにしてクラックが発生していたが、試料1〜6及び試
料8〜10の排ガスフィルタにはクラックが発生してい
なかった。このことは、前述した機械的強度でも明らか
なように、試料1〜6及び試料8〜10の排ガスフィル
タはセラミック壁4の交差部分近傍が熱応力に対し強く
なっていることを示している。
【0032】以上、(1)〜(3)の実験結果からわか
るように、実施例の試料1〜6の排ガスフィルタは圧力
損失の増加を防ぎながらで機械的強度を大幅に向上さ
せ、また耐熱衝撃性に優れた排ガスフィルタを同時に実
現できるものである。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明の排ガスフィルタ
は、セラミック格子からなるセル形状が四角形であり、
セラミック壁の交差部分の近傍以外のセラミック壁の厚
みはハニカム柱状体内部でほぼ一定であり、セラミック
壁の交差部分近傍のセラミック壁の厚みをそれ以外の部
分のセラミック壁より厚く構成したことにより、排ガス
フィルタの再生中にセラミック壁の交差部分近傍で発生
するクラックを抑制し排ガスフィルタの材料強度を限界
まで発揮でき、耐熱衝撃性や耐振動性に優れると共にコ
ストを抑えた排ガスフィルタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による排ガスフィルタの
斜視図
【図2】本発明の一実施の形態による排ガスフィルタの
拡大部分断面図
【図3】本発明の一実施の形態による排ガスフィルタの
セラミック格子の部分拡大図
【図4】本発明の一実施の形態による排ガスフィルタの
セラミック格子の部分拡大図
【図5】本発明の一実施の形態による排ガスフィルタの
セラミック格子の部分拡大図
【図6】比較例の排ガスフィルタの部分拡大図
【符号の説明】
1 ハニカム柱状体 2 セラミック格子 3 目封じ 4 セラミック壁 B 矢印 L 距離 T 厚み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 浩一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 池田 幸則 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主成分がチタン酸アルミニウムからなるセ
    ラミック壁で仕切られてセラミック格子を形成している
    ハニカム柱状体であって、セラミック格子からなるセル
    形状が四角形であり、セラミック壁の交差部分の近傍以
    外のセラミック壁の厚みはハニカム柱状体内部でほぼ一
    定であり、セラミック壁の交差部分近傍のセラミック壁
    の厚みがそれ以外のセラミック壁の厚みよりも厚いこと
    を特徴とする排ガスフィルタ。
  2. 【請求項2】対向するセラミック壁間の距離Labと、交
    差するセラミック壁の厚みがほぼ一定である部分の長さ
    Ltabとの間に、Ltab/Lab=0.80〜0.95の関
    係が成り立つことを特徴とする請求項1記載の排ガスフ
    ィルタ。
  3. 【請求項3】セラミック壁の交差部分の断面形状が略円
    形を含むことを特徴とする請求項1、2いずれか1記載
    の排ガスフィルタ。
JP8118696A 1996-05-14 1996-05-14 排ガスフィルタ Pending JPH09299731A (ja)

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