JPH09290111A - 空気濾過材 - Google Patents
空気濾過材Info
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- JPH09290111A JPH09290111A JP10824796A JP10824796A JPH09290111A JP H09290111 A JPH09290111 A JP H09290111A JP 10824796 A JP10824796 A JP 10824796A JP 10824796 A JP10824796 A JP 10824796A JP H09290111 A JPH09290111 A JP H09290111A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- air filter
- fibers
- vinylidene chloride
- acrylonitrile
- Prior art date
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の空気濾過材より優れた濾過性能を有す
る空気濾過材を提供すること。 【解決手段】 80〜20重量%の塩化ビニリデン系繊
維および20〜80重量%のアクリロニトリル系繊維か
らなる混合物を含有していることを特徴とする空気濾過
材。
る空気濾過材を提供すること。 【解決手段】 80〜20重量%の塩化ビニリデン系繊
維および20〜80重量%のアクリロニトリル系繊維か
らなる混合物を含有していることを特徴とする空気濾過
材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は空気濾過材に関す
る。
る。
【0002】
【従来の技術】従来の空気濾過材としては、例えば米国
特許第4798850号に記載された濾過材がある。か
かる従来の濾過材は、ポリエチレン繊維、エチレン−プ
ロピレン共重合体繊維、ポリプロピレン繊維といったポ
リオレフィン繊維と、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩素化ポ
リ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ハロゲン
置換モダクリル繊維といったハロゲン置換炭化水素繊維
との混合物を含有するものである。
特許第4798850号に記載された濾過材がある。か
かる従来の濾過材は、ポリエチレン繊維、エチレン−プ
ロピレン共重合体繊維、ポリプロピレン繊維といったポ
リオレフィン繊維と、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩素化ポ
リ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ハロゲン
置換モダクリル繊維といったハロゲン置換炭化水素繊維
との混合物を含有するものである。
【0003】また、特開平7−256024号公報に
は、他の従来の空気濾過材として、ポリプロピレン/ポ
リエチレン繊維と、ハロゲン不含ポリアクリロニトリル
繊維との混合物を含有する空気濾過材が開示されてい
る。
は、他の従来の空気濾過材として、ポリプロピレン/ポ
リエチレン繊維と、ハロゲン不含ポリアクリロニトリル
繊維との混合物を含有する空気濾過材が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の空気濾過材であっても未だ、近年の半導体分野で
用いられる空気濾過器等に求められている極めて高い濾
過性能を充分に満足するものではなかった。
従来の空気濾過材であっても未だ、近年の半導体分野で
用いられる空気濾過器等に求められている極めて高い濾
過性能を充分に満足するものではなかった。
【0005】本発明は、上記従来の空気濾過材より優れ
た濾過性能を有する空気濾過材を提供することを目的と
する。
た濾過性能を有する空気濾過材を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、従来は組み合わされて使
用されていなかった特定の複数種類の繊維を組合わせて
使用することによって、両繊維混合による相乗効果によ
って従来の空気濾過材に比較して優れた濾過性能を有す
る空気濾過材が得られることを見出すに至り、本発明に
到達した。
達成すべく鋭意研究した結果、従来は組み合わされて使
用されていなかった特定の複数種類の繊維を組合わせて
使用することによって、両繊維混合による相乗効果によ
って従来の空気濾過材に比較して優れた濾過性能を有す
る空気濾過材が得られることを見出すに至り、本発明に
到達した。
【0007】すなわち、本発明の空気濾過材は、80〜
20重量%の塩化ビニリデン系繊維および20〜80重
量%のアクリロニトリル系繊維からなる混合物を含有し
ていることを特徴とするものである。
20重量%の塩化ビニリデン系繊維および20〜80重
量%のアクリロニトリル系繊維からなる混合物を含有し
ていることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳しく説明する。
て詳しく説明する。
【0009】本発明の空気濾過材は、上述のように、塩
化ビニリデン系繊維およびアクリロニトリル系繊維から
なる混合物を含有するものである。これらの繊維は従来
は組み合わされて使用されていなかったが、これらの繊
維を組合わせて使用することによって両繊維混合による
相乗効果が奏され、驚くべきことに従来の空気濾過材よ
り優れた濾過性能を奏する空気濾過材が得られるのであ
る。
化ビニリデン系繊維およびアクリロニトリル系繊維から
なる混合物を含有するものである。これらの繊維は従来
は組み合わされて使用されていなかったが、これらの繊
維を組合わせて使用することによって両繊維混合による
相乗効果が奏され、驚くべきことに従来の空気濾過材よ
り優れた濾過性能を奏する空気濾過材が得られるのであ
る。
【0010】本発明において好ましく使用可能なアクリ
ロニトリル系繊維としては、アクリロニトリル繊維、モ
ダクリル繊維およびポリアクリロニトリル/モダクリル
複合繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊
維が挙げられ、特にアクリロニトリル繊維又はモダクリ
ル繊維が好ましい。
ロニトリル系繊維としては、アクリロニトリル繊維、モ
ダクリル繊維およびポリアクリロニトリル/モダクリル
複合繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊
維が挙げられ、特にアクリロニトリル繊維又はモダクリ
ル繊維が好ましい。
【0011】なお、モダクリル繊維はアクリロニトリル
単位を35重量%〜85重量%含有する共重合体であ
り、他の重合形成単位は特に制限されないが、他の重合
形成単位としては塩化ビニルが好ましい。
単位を35重量%〜85重量%含有する共重合体であ
り、他の重合形成単位は特に制限されないが、他の重合
形成単位としては塩化ビニルが好ましい。
【0012】また、本発明において好ましく使用可能な
塩化ビニリデン系繊維としては、塩化ビニリデン繊維お
よび塩化ビニリデン/塩化ビニル共重合体繊維からなる
群から選択される少なくとも一種の繊維が挙げられ、特
に塩化ビニリデン繊維が好ましい。
塩化ビニリデン系繊維としては、塩化ビニリデン繊維お
よび塩化ビニリデン/塩化ビニル共重合体繊維からなる
群から選択される少なくとも一種の繊維が挙げられ、特
に塩化ビニリデン繊維が好ましい。
【0013】本発明にかかる前記アクリロニトリル系繊
維及び前記塩化ビニリデン系繊維の形状は特に制限され
ず、空気濾過材の使用目的等に応じて繊維径や繊維長等
が適宜選択されるが、通常は上記繊維が0.5〜50デ
ニールの繊度、5〜150mmの長さ、7〜70μmの
直径を有することが好ましい。また、例えば一般空調用
の目的のためには、上記繊維が1〜20デニールの繊
度、25〜76mmの長さ、14〜28μmの直径を有
することが好ましい。
維及び前記塩化ビニリデン系繊維の形状は特に制限され
ず、空気濾過材の使用目的等に応じて繊維径や繊維長等
が適宜選択されるが、通常は上記繊維が0.5〜50デ
ニールの繊度、5〜150mmの長さ、7〜70μmの
直径を有することが好ましい。また、例えば一般空調用
の目的のためには、上記繊維が1〜20デニールの繊
度、25〜76mmの長さ、14〜28μmの直径を有
することが好ましい。
【0014】本発明の空気濾過材においては、80〜2
0重量%、好ましくは75〜35重量%、特に好ましく
は70〜30重量%、の上記塩化ビニリデン系繊維と、
20〜80重量%、好ましくは75〜35重量%、特に
好ましくは70〜30重量%、の前記アクリロニトリル
系繊維とからなる混合物を含有していることが必要であ
る。塩化ビニリデン系繊維及びアクリロニトリル系繊維
のそれぞれの含有量が上記範囲外では両繊維混合による
相乗効果が充分に奏されないからである。
0重量%、好ましくは75〜35重量%、特に好ましく
は70〜30重量%、の上記塩化ビニリデン系繊維と、
20〜80重量%、好ましくは75〜35重量%、特に
好ましくは70〜30重量%、の前記アクリロニトリル
系繊維とからなる混合物を含有していることが必要であ
る。塩化ビニリデン系繊維及びアクリロニトリル系繊維
のそれぞれの含有量が上記範囲外では両繊維混合による
相乗効果が充分に奏されないからである。
【0015】また、本発明の空気濾過材は、上記アクリ
ロニトリル系繊維及び塩化ビニリデン系繊維に加えて更
に他の繊維を含んでいてもよく、このような他の繊維と
してはPP(ポリプロピレン)、PTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)、PPS(ポリフェニレンサルファ
イド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PM
IA(メタ系アラミド(ポリメタフェニレンイソフタル
アミド))、PI(ポリイミド)等が使用可能である。
なお、上記他の繊維を含有する場合、当該他の繊維の合
計含有量が空気濾過材中20重量%以下であることが好
ましい。
ロニトリル系繊維及び塩化ビニリデン系繊維に加えて更
に他の繊維を含んでいてもよく、このような他の繊維と
してはPP(ポリプロピレン)、PTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)、PPS(ポリフェニレンサルファ
イド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PM
IA(メタ系アラミド(ポリメタフェニレンイソフタル
アミド))、PI(ポリイミド)等が使用可能である。
なお、上記他の繊維を含有する場合、当該他の繊維の合
計含有量が空気濾過材中20重量%以下であることが好
ましい。
【0016】更に、本発明の空気濾過材は、上記諸繊維
成分以外にも滑剤、帯電防止剤等の添加剤を含んでいて
もよい。すなわち、本発明の空気濾過材にあっては、滑
剤や帯電防止剤等の添加剤を除去しなくても所望の濾過
性能が得られるが、かかる添加剤の合計含有量が空気濾
過材中1.0重量%以下であることが好ましく、かかる
添加剤を除去したものであってもよいことは勿論であ
る。
成分以外にも滑剤、帯電防止剤等の添加剤を含んでいて
もよい。すなわち、本発明の空気濾過材にあっては、滑
剤や帯電防止剤等の添加剤を除去しなくても所望の濾過
性能が得られるが、かかる添加剤の合計含有量が空気濾
過材中1.0重量%以下であることが好ましく、かかる
添加剤を除去したものであってもよいことは勿論であ
る。
【0017】上記塩化ビニリデン系繊維およびアクリロ
ニトリル系繊維からなる混合物を含有する本発明の空気
濾過材の製造方法は特に制限されず、公知の方法が適宜
選択される。このような製造方法としては、例えば高圧
噴射水流で繊維を絡合させる水流絡合法や、ニードルの
出し入れによって繊維を絡合させるニードルパンチ絡合
法や、バインダーを塗布して繊維を接着させる繊維接着
法等が採用され得る。なお、本発明の空気濾過材の製造
工程において、繊維表面の滑剤や帯電防止剤等の添加剤
を除去する工程を採用してもよいが、本発明の空気濾過
材はかかる添加剤を含んでいてもよいのでかかる工程を
採用しなくてもよい。
ニトリル系繊維からなる混合物を含有する本発明の空気
濾過材の製造方法は特に制限されず、公知の方法が適宜
選択される。このような製造方法としては、例えば高圧
噴射水流で繊維を絡合させる水流絡合法や、ニードルの
出し入れによって繊維を絡合させるニードルパンチ絡合
法や、バインダーを塗布して繊維を接着させる繊維接着
法等が採用され得る。なお、本発明の空気濾過材の製造
工程において、繊維表面の滑剤や帯電防止剤等の添加剤
を除去する工程を採用してもよいが、本発明の空気濾過
材はかかる添加剤を含んでいてもよいのでかかる工程を
採用しなくてもよい。
【0018】また、本発明の空気濾過材を種々のフィル
ターに成形する方法も特に制限されず、例えばプレス成
形法等によって使用目的に応じたフィルターに成形され
る。
ターに成形する方法も特に制限されず、例えばプレス成
形法等によって使用目的に応じたフィルターに成形され
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例に従って本発明をさらに詳しく
説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるこ
とはない。
説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるこ
とはない。
【0020】実施例1〜2及び比較例1〜31 表1及び表2に示す2種類のステープルファイバ{繊維
A(繊維長:約50mm)及び繊維B(繊維長:約50mm)}
を解繊機で混合し、両繊維を絡合せしめて下記濾過材を
作製した。なお、濾過材はフィルター枠で保持して厚み
調整した。
A(繊維長:約50mm)及び繊維B(繊維長:約50mm)}
を解繊機で混合し、両繊維を絡合せしめて下記濾過材を
作製した。なお、濾過材はフィルター枠で保持して厚み
調整した。
【0021】・繊維A:繊維Bの混合比(重量比)=5
0:50 ・濾過材厚み=約31mm ・繊維充填率(1−ε)=0.02 なお、繊維A及び繊維Bとして使用した繊維は以下の通
りである。また、表中それぞれの繊維のかっこ内には使
用した繊維のデニール値を示した。
0:50 ・濾過材厚み=約31mm ・繊維充填率(1−ε)=0.02 なお、繊維A及び繊維Bとして使用した繊維は以下の通
りである。また、表中それぞれの繊維のかっこ内には使
用した繊維のデニール値を示した。
【0022】・AN(ポリアクリロニトリル):日本エ
クスラン(株)製、商品名エクスラン ・MAN(モダクリル):鐘淵化学工業(株)製、商品
名カネカロン ・PVDC(ポリ塩化ビニリデン):呉羽化学(株)
製、商品名クレハロン ・PP(ポリプロピレン):チッソ(株)製、商品名チ
ッソポリプロ ・PTFE(ポリテトラフルオロエチレン):東レ
(株)製、商品名トヨフロン ・PPS(ポリフェニレンサルファイド):帝人(株)
製、商品名PPS ・PET(ポリエチレンテレフタレート):東レ(株)
製、商品名東レ・テトロン ・PMIA(メタ系アラミド):帝人(株)製、商品名
コーネックス ・PI(ポリイミド):レンツィン社製、商品名P−8
4 次いで、以下の測定条件で各濾過材の基本的濾過特性値
(流速、粒径、繊維径、捕集効率)を測定し、下記の評
価方法によって各濾過材の濾過性能を評価した。
クスラン(株)製、商品名エクスラン ・MAN(モダクリル):鐘淵化学工業(株)製、商品
名カネカロン ・PVDC(ポリ塩化ビニリデン):呉羽化学(株)
製、商品名クレハロン ・PP(ポリプロピレン):チッソ(株)製、商品名チ
ッソポリプロ ・PTFE(ポリテトラフルオロエチレン):東レ
(株)製、商品名トヨフロン ・PPS(ポリフェニレンサルファイド):帝人(株)
製、商品名PPS ・PET(ポリエチレンテレフタレート):東レ(株)
製、商品名東レ・テトロン ・PMIA(メタ系アラミド):帝人(株)製、商品名
コーネックス ・PI(ポリイミド):レンツィン社製、商品名P−8
4 次いで、以下の測定条件で各濾過材の基本的濾過特性値
(流速、粒径、繊維径、捕集効率)を測定し、下記の評
価方法によって各濾過材の濾過性能を評価した。
【0023】(濾過特性試験条件) ・試験粒子:粒子径1μmのポリスチレン単分散粒子
(帯電除去装置にて中和して使用) ・流速(濾過速度):20cm/秒(2〜30cm/秒
であればよい) (濾過性能の評価方法) 各濾過材の濾過性能を比較するために、本発明者による
以下の評価式: F=(η0Pe 2/3/Re 1/2)NR -1.7 [ここでη0は単一繊維効率、Peはペクレ数、Reはレ
イノルズ数、NRはさえぎり数を示す]にしたがって諸
測定値から濾過性能ファクターF(F値)を算出した。
算出されたF値並びにF値を算出する際のη0、Pe、R
e及びNRを表1及び表2に示す。
(帯電除去装置にて中和して使用) ・流速(濾過速度):20cm/秒(2〜30cm/秒
であればよい) (濾過性能の評価方法) 各濾過材の濾過性能を比較するために、本発明者による
以下の評価式: F=(η0Pe 2/3/Re 1/2)NR -1.7 [ここでη0は単一繊維効率、Peはペクレ数、Reはレ
イノルズ数、NRはさえぎり数を示す]にしたがって諸
測定値から濾過性能ファクターF(F値)を算出した。
算出されたF値並びにF値を算出する際のη0、Pe、R
e及びNRを表1及び表2に示す。
【0024】なお、上記の評価式は本発明者により見出
された関係式であり、下記文献:{木村,外山,大垣,長
島「水流絡合式不織布の初期捕集効率」J.Soc.Powder T
echnol.、秋期研究講演会要旨(1993-11)、第50〜52頁}
に詳細に記載されている。
された関係式であり、下記文献:{木村,外山,大垣,長
島「水流絡合式不織布の初期捕集効率」J.Soc.Powder T
echnol.、秋期研究講演会要旨(1993-11)、第50〜52頁}
に詳細に記載されている。
【0025】なお、上記評価式にしたがって算出された
F値はK1(1−ε)0.7に等しく、ここでK1は繊維の
帯電量の関数である。従って、繊維充填率(1−ε)が
一定の条件下ではF値は繊維の帯電量の関数K1に比例
し、F値が大きいほど帯電量が大きい、すなわち捕集効
率が高いこととなる。また、上記評価式にしたがってF
値を算出することによって、使用繊維径、目付、濾過材
厚み、濾過条件等の諸因子による捕集効率に対する影響
が消去され、かかる諸因子の影響を無視して各濾過材の
濾過性能を比較することが可能となる。
F値はK1(1−ε)0.7に等しく、ここでK1は繊維の
帯電量の関数である。従って、繊維充填率(1−ε)が
一定の条件下ではF値は繊維の帯電量の関数K1に比例
し、F値が大きいほど帯電量が大きい、すなわち捕集効
率が高いこととなる。また、上記評価式にしたがってF
値を算出することによって、使用繊維径、目付、濾過材
厚み、濾過条件等の諸因子による捕集効率に対する影響
が消去され、かかる諸因子の影響を無視して各濾過材の
濾過性能を比較することが可能となる。
【0026】そして、得られたF値(繊維Aおよび繊維
Bを50:50に混合した際のF値)をαとし、各繊維
100%の際のF値(FA値及びFB値)の平均値{(F
A+FB)/2}をβとし、γ=α/βで定義されるγ値
を濾過特性の指標として算出した。得られたγ値並びに
γ値を算出する際のα値及びβ値を表1及び表2に示
す。
Bを50:50に混合した際のF値)をαとし、各繊維
100%の際のF値(FA値及びFB値)の平均値{(F
A+FB)/2}をβとし、γ=α/βで定義されるγ値
を濾過特性の指標として算出した。得られたγ値並びに
γ値を算出する際のα値及びβ値を表1及び表2に示
す。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】表1及び表2の結果から明らかなように、
本発明に係る特定の2種類の繊維、すなわちPVDCと
AN(実施例1)並びにPVDCとMAN(実施例
2)、を組合せた場合は両繊維の混合による相乗効果が
著しく高く、かかる両繊維の混合物を含有する本発明の
空気濾過材は他の従来の空気濾過材に比較して極めて優
れた濾過性能を有するものであった。
本発明に係る特定の2種類の繊維、すなわちPVDCと
AN(実施例1)並びにPVDCとMAN(実施例
2)、を組合せた場合は両繊維の混合による相乗効果が
著しく高く、かかる両繊維の混合物を含有する本発明の
空気濾過材は他の従来の空気濾過材に比較して極めて優
れた濾過性能を有するものであった。
【0030】実施例3〜5及び比較例32〜33 ANとPVDCとの混合比(重量比)を表3に示す比率
に変えた以外は実施例1と同様にして濾過材を作製し、
各濾過材の濾過性能を評価した。算出されたF値並びに
F値を算出する際のη0、Pe、Re及びNRを表3に示
す。
に変えた以外は実施例1と同様にして濾過材を作製し、
各濾過材の濾過性能を評価した。算出されたF値並びに
F値を算出する際のη0、Pe、Re及びNRを表3に示
す。
【0031】さらにANとPVDCとの混合比に対する
F値をプロットしたグラフを図1に示す。
F値をプロットしたグラフを図1に示す。
【0032】
【表3】
【0033】表3及び図1から明らかなように、各繊維
100%の際のF値(FA値及びFB値)から予測される
混合比50:50の際の濾過性能ファクターF値、すな
わち両繊維の混合による相乗効果がないとした場合のF
値、は約2.4(β値)となる。
100%の際のF値(FA値及びFB値)から予測される
混合比50:50の際の濾過性能ファクターF値、すな
わち両繊維の混合による相乗効果がないとした場合のF
値、は約2.4(β値)となる。
【0034】これに対して、ANの含有率が50重量%
でかつPVDCの含有率が50重量%である本発明の空
気濾過材(実施例4)においては両繊維の混合による相
乗効果によって約8という、上記予測を遥かに超えた高
水準のF値が達成されている。
でかつPVDCの含有率が50重量%である本発明の空
気濾過材(実施例4)においては両繊維の混合による相
乗効果によって約8という、上記予測を遥かに超えた高
水準のF値が達成されている。
【0035】また、表3及び図1から、かかる両繊維の
混合による相乗効果はANの含有率が20〜80重量%
でかつPVDCの含有率が80〜20重量%の範囲内に
ある本発明の空気濾過材において良好に達成されること
が明らかであり、特にANの含有率が25〜75重量%
でかつPVDCの含有率が75〜25重量%の範囲内に
ある本発明の空気濾過材にあってはかかる相乗効果によ
るF値の増加率が予測増加率(図1中一点鎖線で示す)
の2倍以上となっていることが明らかである。
混合による相乗効果はANの含有率が20〜80重量%
でかつPVDCの含有率が80〜20重量%の範囲内に
ある本発明の空気濾過材において良好に達成されること
が明らかであり、特にANの含有率が25〜75重量%
でかつPVDCの含有率が75〜25重量%の範囲内に
ある本発明の空気濾過材にあってはかかる相乗効果によ
るF値の増加率が予測増加率(図1中一点鎖線で示す)
の2倍以上となっていることが明らかである。
【0036】
【発明の効果】塩化ビニリデン系繊維およびアクリロニ
トリル系繊維からなる混合物を含有してなる本発明の空
気濾過材によれば、これら両繊維の混合による相乗効果
によって従来の空気濾過材に比較して非常に優れた濾過
性能が達成される。
トリル系繊維からなる混合物を含有してなる本発明の空
気濾過材によれば、これら両繊維の混合による相乗効果
によって従来の空気濾過材に比較して非常に優れた濾過
性能が達成される。
【図1】本発明にかかる空気濾過材におけるANとPV
DCとの混合比と、濾過性能ファクターF値との関係を
示すグラフである。
DCとの混合比と、濾過性能ファクターF値との関係を
示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 80〜20重量%の塩化ビニリデン系繊
維および20〜80重量%のアクリロニトリル系繊維か
らなる混合物を含有していることを特徴とする空気濾過
材。 - 【請求項2】 前記アクリロニトリル系繊維が、アクリ
ロニトリル繊維、モダクリル繊維およびポリアクリロニ
トリル/モダクリル複合繊維からなる群から選択される
少なくとも一種の繊維であり、前記塩化ビニリデン系繊
維が塩化ビニリデン繊維および塩化ビニリデン/塩化ビ
ニル共重合体繊維からなる群から選択される少なくとも
一種の繊維であることを特徴とする、請求項1に記載の
空気濾過材。 - 【請求項3】 前記アクリロニトリル系繊維がアクリロ
ニトリル繊維であり、かつ前記塩化ビニリデン系繊維が
塩化ビニリデン繊維であることを特徴とする、請求項1
に記載の空気濾過材。 - 【請求項4】 前記アクリロニトリル系繊維がモダクリ
ル繊維であり、かつ前記塩化ビニリデン系繊維が塩化ビ
ニリデン繊維であることを特徴とする、請求項1に記載
の空気濾過材。 - 【請求項5】 前記アクリロニトリル系繊維及び前記塩
化ビニリデン系繊維が0.5〜50デニールの繊度並び
に5〜150mmの長さを有するものであることを特徴
とする、請求項1〜4のうちのいずれかに記載の空気濾
過材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10824796A JPH09290111A (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 空気濾過材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10824796A JPH09290111A (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 空気濾過材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09290111A true JPH09290111A (ja) | 1997-11-11 |
Family
ID=14479825
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10824796A Pending JPH09290111A (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 空気濾過材 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH09290111A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008515615A (ja) * | 2004-09-29 | 2008-05-15 | ヴァレオ マトゥリオー ドゥ フリクション | ガス濾過用の濾過材、濾過装置及び濾過材の製法 |
WO2010020736A1 (en) * | 2008-08-19 | 2010-02-25 | Sergei Botov | Filter elements and filter |
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-
1996
- 1996-04-26 JP JP10824796A patent/JPH09290111A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008515615A (ja) * | 2004-09-29 | 2008-05-15 | ヴァレオ マトゥリオー ドゥ フリクション | ガス濾過用の濾過材、濾過装置及び濾過材の製法 |
WO2010020736A1 (en) * | 2008-08-19 | 2010-02-25 | Sergei Botov | Filter elements and filter |
GB2488624A (en) * | 2011-12-09 | 2012-09-05 | Sergei Botov | Filter element |
GB2488624B (en) * | 2011-12-09 | 2012-12-19 | Sergei Botov | Filter elements and filter |
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